JP5761857B2 - 二元冷凍サイクル装置 - Google Patents
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二元冷凍サイクル装置の低温側冷凍サイクルと高温側冷凍サイクルは、それぞれ圧縮機や膨張装置を有し、高温側冷媒配管、低温側冷媒配管によりそれぞれ接続されている。そして、高温側冷凍サイクルと低温側冷凍サイクルは、カスケード熱交換器によって熱交換可能に接続されている。
これにより、低温側冷凍サイクルによって汲み上げた熱を、高温側冷凍サイクルにより、さらに汲み上げて高温の熱として利用側機器に供給する。
しかし、カスケード熱交換器やその他の熱交換器を横並びに配置する従来のものでは設置面積が大きく、狭い室内などへの設置が困難であった。
あり、2つの圧縮機と、熱源側熱交換器と、カスケード熱交換器と、利用側熱交換器を有
する二元冷凍サイクル装置において、利用側熱交換器は、利用側流体が流動する利用側配管を介して熱利用側機器へ温熱を供給し、カスケード熱交換器は、高温側冷媒と低温側冷媒とが熱交換する。さらに、カスケード熱交換器と利用側熱交換器には、縦長方形状のプレート式熱交換器が用いられている。さらに、カスケード熱交換器と利用側熱交換器は、膨張装置を介して冷媒配管により接続されている。さらに、カスケード熱交換器は、支持台の上方に配置され、下方には記利用側熱交換器が支持台の脚部に囲まれるように配置されている。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の二元冷凍サイクル装置100は、内部を低温側冷媒が流動する低温側冷凍サイクルaと、内部を高温側冷媒が流動する高温側冷凍サイクルbを有している。低温側冷凍サイクルaと高温側冷凍サイクルbは、低温側冷媒と高温側冷媒とを熱交換させるためのカスケード熱交換器5によって接続されている。
熱源側熱交換器3には送風機11が設けられており、室外空気との熱交換を促進させるようになっている。
利用側熱交換器7には、二元冷凍サイクル装置100によって汲み上げられた熱を利用する熱利用機器へ、熱を供給するための利用側配管18が接続されている。
利用側配管18内には熱利用機器へ、水やブラインなどの利用側流体が封入され、汲み上げられた熱を供給するようになっている。
利用側配管18内には送流ポンプ10によって送流される利用側流体が流動している。
封入される冷媒の種類は二元冷凍サイクル装置100の用途によって異なるが、例えば、利用側熱交換器7を水熱交換器とし90℃近い高温の湯を生成するための高温ヒートポンプ給湯機である場合、低温側冷凍サイクルaに使用される低温側冷媒には、R410Aのような―15℃程度の低外気温においても良好な性能を有する冷媒が好ましく、高温側冷凍サイクルbに用いられる高温側冷媒にはR134aのような95℃程度の高温において良好な熱交換性能を有する冷媒が好ましい。
低温側冷凍サイクルaと高温側冷凍サイクルbを運転すると、低温側冷凍サイクルaにおいて、低温側冷媒は、低温側圧縮機1aから低温側四方弁2a、カスケード熱交換器5の低温側流路、低温側膨張装置4a及び熱源側熱交換器3を順次通過し、低温側四方弁2aから低温側圧縮機1aへと戻る。
同様に高温側冷凍サイクルbにおいて、高温側圧縮機1bで圧縮された高温側冷媒が、高温側四方弁2b、利用側熱交換器7、高温側膨張装置4b及びカスケード熱交換器5の高温側流路を順次通過し、高温側四方弁2bから高温側圧縮機1bへと戻る。
このとき、低温側冷媒は熱源側熱交換器3で蒸発し、カスケード熱交換器5の低温側流路で凝縮する。また、高温側冷媒は、利用側熱交換器7において、利用側配管18内を流動する水等の利用側流体に温熱を供給しつつ凝縮する。そして、カスケード熱交換器5の高温側流路において、高温側膨張装置4bによって減圧された液状の高温側冷媒は蒸発し、蒸発熱として低温側冷媒の凝縮熱を吸収する。
筐体内部には、図2に示すように、支持台20が備えられており、支持台20の上方にカスケード熱交換器5が配置されており、下方には利用側熱交換器7が支持台20の脚部に囲まれるようにして配置されている。
カスケード熱交換器5は縦長長方形状のプレート式熱交換器であり、側面に2対の接続口を有している。この2対の接続口の内、一方の対には低温側冷凍サイクルaの低温側冷媒配管6aが接続されており、他方の対には高温側冷凍サイクルbの高温側冷媒配管6bが接続されている。高温側冷凍サイクルbの利用側熱交換器7と、カスケード熱交換器5を接続するための高温側膨張装置4bはパルスモータバルブであり、パルスモータ部分を上方とし、下方と側方の夫々に延出する配管部分を有する、略L字形状となっている。
このように、高温側膨張装置4bとカスケード熱交換器5が曲げの無い直管状部分9を介して接続されることにより、高温側膨張装置4bから吐出し撹拌された状態の気液二相冷媒が、配管の曲げに基因する遠心力等の影響を受けることなく、冷媒配管内を良好な気液分布状態で流動することができる。さらに、直管状部分9の長さは、重力の影響により内部を流動する冷媒の気相と液相が偏った状態とならないように、最適な長さに設定されるのが好ましい。
また、内部で2種類の冷媒が気液状態変化しつつ熱交換を行なうカスケード熱交換器に比べ、常時液体である利用側流体が流動する利用側熱交換器7は重量が重い。
利用側熱交換器7に接続される利用側配管18も、内部に利用側流体が流動するため重く、利用側熱交換器7が筐体の下方に配置されることで、装置全体の安定性とメンテナンス性が向上する。
さらに、カスケード熱交換器5内には、高温側冷媒又は低温側冷媒のみ流動するのに対して、利用側熱交換器7には利用側の用途により、水や洗浄剤など、不特定の様々な流体が用いられる。このため、利用側熱交換器7内部には、汚れの沈着や腐食の発生が起こり、定期的なメンテナンスを必要とするが、本実施形態のように、利用側熱交換器7をカスケード熱交換器5の下方に配置することで、利用側熱交換器7の着脱や、メンテナンスの作業性が良好となる。
さらに、高温側膨張装置4bとカスケード熱交換器5とを接続している高温側冷媒配管6bを、直管とすることで、高温側膨張装置4bからカスケード熱交換器5へ流動する冷媒の気相と液相が、良好な分流状態となる。これにより、カスケード熱交換器5内の高温側冷媒の蒸発温度と、低温側冷媒の凝縮温度の温度差が低減され、熱交換性能が良好となり二元冷凍サイクル装置100の成績係数(COP)が向上する。
第2の実施形態について、図3を用いて説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本第2の実施形態では、高温側冷凍サイクルbの高温側膨張装置4bは、受液器11を介して利用側熱交換器7に接続されている。受液器11は略円筒形状のタンクであり、内部に高温側冷媒が貯留されるようになっている。また、この受液器11の高さは、支持台20の高さと略同一か、又はそれよりも低く形成されており、受液器11と高温側膨張装置4bとカスケード熱交換器5を接続している高温側冷媒配管6bは、湾曲することなく直管で形成されている。
高温側冷凍サイクルbの高温側冷媒の量が多く、受液器11が必要な場合に、上述のように、高温側冷媒管6bの高温側膨張装置4bと利用側熱交換器7の間に接続することで、設置面積を大きく必要とせず、スペース効率が良い。
次に、第3の実施形態について、図4、図5、図6を用いて説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図4、図5に示すように、本第3の実施形態において、高温側冷凍サイクルbの高温側膨張装置4bは、過冷却熱交換器12を介して利用側熱交換器7に接続されている。
過冷却熱交換器12は、縦長円筒状に形成されており、内部に一次側流路12aと二次側流路12bを有している。過冷却熱交換器12の上端と下端には、高温側冷媒配管6bが接続されており、利用側熱交換器7と一次側流路12aと高温側膨張装置4bとが連通するように接続されている。
また、過冷却熱交換器12と高温側膨張装置4bが接続されている高温側冷媒配管6bの中途部から分岐した管には、膨張弁16が接続されている。この膨張弁16は、過冷却熱交換器12の上方側面に接続され、二次側流路12bと連通している。さらに、過冷却熱交換器12の下方側面からは、二次側流路12bと高温側圧縮機1bの圧縮機構部に接続されるためのインジェクション回路17が接続されている。
一次側流路12aから吐出された液状の高温側冷媒は、膨張弁16により減圧され気液二相冷媒となり、二次側流路12bに流動する。そして、一次側流路12a内を流動する冷媒を冷却し、インジェクション回路17から高温側圧縮機1bの圧縮機構部へと流動する。
lは高温側圧縮機1bの吸込み部、mは高温側凝縮器である利用側熱交換器7の高温側冷媒流路の入口部、cは利用側熱交換器7の高温側冷媒流路の出口部(インジェクション回路17の入口部)、dは過冷却熱交換器12の一次側流路12aの出口部、eはカスケード熱交換器5の高温側流路の入口部、fは過冷却熱交換器12の二次側流路12bの入口部、gは上記過冷却熱交換器12の二次側流路12bで蒸発した中間圧の冷媒が注入される高温側圧縮機1bの圧縮行程中の中間圧の圧縮室の冷媒の状態を表している。
また、高温側圧縮機1bが吸込み圧力からインジェクション回路17を介して供給される冷媒の圧力になるまで圧縮する冷媒量が減少するため、高温側圧縮機1bの仕事量が減少する。
なお、インジェクション回路17を介して高温側圧縮機1bの圧縮行程中の中間圧の圧縮室に注入される冷媒により、高温側圧縮機1bから吐出される冷媒の温度が若干低下するが、圧縮室に注入される冷媒の過熱度を制御することにより、抑制することができる。また、高温側圧縮機1bから吐出される冷媒量は減少しない。
次に、第4の実施形態について、図7、図8を用いて説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本第4の実施形態では、高温側冷凍サイクルbの高温側膨張装置4bは、液ガス熱交換器13を介して利用側熱交換器7に接続されている。
ここで、低圧側配管6bbの膨張装置4bとカスケード熱交換器5とを接続している部分は、第1の実施形態同様に直間状部分9となっている。
なお、図8に示すように、液ガス熱交換器13の高圧側流路13aと低圧側流路13bは、上下方向へ直立した配管を平行に接合されて形成されている。また、カスケード熱交換器5の下方側に高温側膨張装置4bが配置され、さらに高温側膨張装置4bの下方側に利用側熱交換器7が配置されているため、液ガス熱交換器13は高温側膨張装置4bの下方で、高圧側流路13aが上方へ向かう流れで、低圧側流路13bが下方へ向かう流れである対交流となるように接続されている。
尚、上記実施形態では液ガス熱交換器13は、2本の冷媒配管を平行に接合したものについて説明したが、上記実施形態に限らず、二重管熱交換器など、対向流となる種々の熱交換器を用いてよい。
また、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
Claims (5)
- 2つの圧縮機と、熱源側熱交換器と、カスケード熱交換器と、利用側熱交換器を有する二元冷凍サイクル装置において、
前記利用側熱交換器は、利用側流体が流動する利用側配管を介して熱利用側機器へ温熱を供給し、
前記カスケード熱交換器は、高温側冷媒と低温側冷媒とが熱交換し、
前記カスケード熱交換器と前記利用側熱交換器には、縦長方形状のプレート式熱交換器が用いられており、
前記カスケード熱交換器と前記利用側熱交換器は、膨張装置を介して冷媒配管により接続されており、前記カスケード熱交換器は、支持台の上方に配置され、下方には前記利用側熱交換器が前記支持台の脚部に囲まれるように配置されることを特徴とする二元冷凍サイクル装置。 - 前記膨張装置と前記カスケード熱交換器を接続している冷媒配管が直管であることを特徴とする請求項1に記載の二元冷凍サイクル装置。
- 前記利用側熱交換器と前記膨張装置は、受液器を介して、冷媒配管により接続されていることを特徴とする請求項1に記載の二元冷凍サイクル装置。
- 前記利用側熱交換器と前記膨張装置は、過冷却熱交換器を介して、冷媒配管により接続されていることを特徴とする請求項1に記載の二元冷凍サイクル装置。
- 前記利用側熱交換器と前記膨張装置は、液ガス熱交換器を介して、冷媒配管により接続されていることを特徴とする請求項1に記載の二元冷凍サイクル装置。
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