図面を参照して説明する。なお、複数の実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。基板の厚さ方向をZ方向、Z方向に直交する特定の方向をX方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向と示す。また、X方向及びY方向により規定される平面をXY平面と示す。XY平面に沿う形状を平面形状と示す。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図6に基づき、電子制御装置100の概略構成について説明する。
図1〜図3に示すように、電子制御装置100は、基板10、電子部品30、ケース40、縦型コネクタ70、カバー80を備えている。本実施形態において、電子制御装置100は、車両用のECUとされている。図2に示すように、電子制御装置100は、外部機器200に接続される。外部機器200は、外部コネクタ210を備えている。外部機器200は、例えば、車両用のトランスミッションである。以下、外部機器200と接続された電子制御装置100の構成について説明する。
図4に示すように、基板10は、基材12とスルーホール14と電極16と貫通孔18を有している。また、基板10は、表面10aと、Z方向において表面10aと反対の裏面10bと、を有している。以下、Z方向のうちの表面10aから裏面10bへ向かう方向を下方向、下方向と反対の方向を上方向と示す。なお、上方向及び下方向は、重力方向に沿わない方向であってもよく、重力方向に沿う方向であってもよい。
本実施形態では、表面10a及び裏面10bが、Z方向と直交する平面とされている。図1に示すように、基板10の平面形状は、各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状をなしている。基板10は、プリント基板とされている。なお、図1では、外部機器200及びケース40を省略している。
基材12は、基板10の電気絶縁層である。基材12は、ガラスクロスに樹脂を含浸させてなるプリプレグを用いて形成されている。スルーホール14は、コネクタ端子72が挿通する基板10の貫通孔である。スルーホール14は、基板10において、表面10aから裏面10bにわたって形成されている。本実施形態において、スルーホール14の平面形状は、略真円形状をなしている。また、本実施形態では、基板10が複数のスルーホール14を有している。
電極16は、スルーホール14に形成された基板10の電極である。電極16は、各スルーホール14に形成されている。電極16は、金属材料を用いて形成されている。電極16は、スルーホール14の壁面に形成された壁面部16aと、裏面10bに形成された裏面部16bと、表面10aに形成された表面部16cと、を有している。壁面部16aは、スルーホール14の壁面を規定している。壁面部16a、裏面部16b、及び表面部16cは、互いに連結されている。
貫通孔18は、ねじ締結のために形成された基板10の貫通孔である。基板10は、ねじ締結により、ケース40に固定されている。貫通孔18は、基板10において、表面10aから裏面10bにわたって形成されている。本実施形態では、基板10に4つの貫通孔18が形成されている。Z方向の投影視において、基板10における角部の周辺に貫通孔18が形成されている。言い換えると、Z方向の投影視において基板10における角部の周辺が、ねじ締結されている。
本実施形態では、基板10が、図示しない配線層、ランド、及びソルダレジストをさらに有している。配線層、ランド、及びソルダレジストは、基板10の両面10a,10bに形成されている。また、配線層は、基材12の内部にも形成されている。ランドは、電子部品30を実装するために形成された基板10の電極16である。
電子部品30は、基板10とともに電子回路を構成している。本実施形態では、電子部品30が、表面実装型の部品とされている。しかしながら、電子部品30の実装構造は特に限定されない。表面実装型、及び、挿入実装型のいずれも採用することができる。電子部品30としては、例えば、ダイオード、コイル、コンデンサ、抵抗、ICチップ、マイコン、ASICを採用することができる。
本実施形態では、電子制御装置100が複数の電子部品30を備えている。電子部品30は、基板10の両面10a,10bにはんだ付けされている。図1では、表面10aに配置された電子部品30を実線、裏面10bに配置された電子部品30を破線で示している。
ケース40は、コネクタ端子72の一部、基板10、及び電子部品30を収容する収容空間42を形成するとともに、下記のコネクタハウジング74を構成するものである。ケース40は、底部44及び壁部46を有し、基板10と、表面10aに配置された電子部品30と、を覆っている。底部44は、基板10に対して表面10a側に配置され、厚さ方向がZ方向に沿う略平板形状をなしている。底部44における基板10側の一面44aは、表面10aに対して、所定距離を有してZ方向に対向している。一面44aは、ケース40の内面の一部である。
壁部46は、XY平面における底部44の外周端から、Z方向のうちの基板10へ向かう方向に延設されている。壁部46における底部44側の一端と反対の他端が、ケース40の開口をなしている。底部44及び壁部46は、収容空間42を規定している。ケース40は、樹脂材料を用いて形成されている。
また、ケース40は、底部44からZ方向のうちの基板10と反対側に延設された延設部48をさらに有している。延設部48は、略筒形状をなしている。延設部48は、底部44とともに、コネクタハウジング74を構成している。
また、図1及び図3に示すように、ケース40は、基板10に対してねじ締結される締結部50をさらに有している。なお、図1では、締結部50を一点鎖線で示している。締結部50は、一面44aから表面10aに向かって突出している。本実施形態では、ケース40が4つの締結部50を有している。Z方向の投影視において、各締結部50は、貫通孔18と重なる位置に形成されている。よって、Z方向の投影視において、基板10における角部の周辺と重なる位置に、締結部50が形成されている。
各締結部50には、図示しないナットが配置されている。言い換えると、締結部50は、ナットと一体に成形されている。ナットのねじ孔52が、貫通孔18と連通している。すなわち、ねじ孔52が貫通孔18と連通するように、締結部50に対してナットが配置されている。ねじ54は、貫通孔18を挿通し、ねじ孔52に対して締結されている。ねじ54のねじ頭は、裏面10bに配置されている。
縦型コネクタ70は、基板10と外部コネクタ210とを電気的に中継するものである。縦型コネクタ70は、コネクタ端子72とコネクタハウジング74とを有している。コネクタハウジング74は、コネクタ端子72を保持し、外部コネクタ210と嵌合するものである。コネクタハウジング74は、Z方向において、表面10aと対向配置されている。縦型コネクタ70が外部コネクタ210と接続される際、コネクタハウジング74に対して基板10と反対側に外部コネクタ210が配置される。コネクタハウジング74は、延設部48及び底部44により構成されている。本実施形態では、縦型コネクタ70が、オスコネクタとされている。
コネクタ端子72は、コネクタハウジング74に保持された部分からZ方向に延設されている。本実施形態では、コネクタ端子72が、一端から他端までZ方向に延設されている。コネクタ端子72の一端は、延設部48の中空に位置している。コネクタ端子72は、インサート成形等により、底部44と一体に成形されている。これにより、コネクタ端子72が、コネクタハウジング74に保持される。縦型コネクタ70と外部コネクタ210との嵌合方向は、Z方向に沿う方向とされている。言い換えると、縦型コネクタ70と外部コネクタ210との嵌合方向は、基板10の厚さ方向とほぼ一致する。すなわち、縦型コネクタ70は、嵌合方向が基板10の厚さ方向と一致するように、外部コネクタ210と接続される。
また、コネクタ端子72は、スルーホール14を挿通し、電極16に対してはんだ接合されている。コネクタ端子72及び電極16は、はんだにより構成された接合部76によって、互いに電気的及び機械的に接続されている。接合部76は、スルーホール14内におけるコネクタ端子72が配置された部分以外の空間を充填するとともに、スルーホール14におけるZ方向の両側にも配置されている。Z方向の投影視において、コネクタ端子72は、接合部76によって囲まれている。
本実施形態では、電子制御装置100が複数のコネクタ端子72を備えている。各コネクタ端子72は、1つのスルーホール14を挿通し、電極16にはんだ接合されている。本実施形態では、縦型コネクタ70が、27本のコネクタ端子72を有している。複数のコネクタ端子72は、X方向及びY方向に並んでいる。詳しくは、9本のコネクタ端子72がX方向に並んでおり、3本のコネクタ端子72がY方向に並んでいる。言い換えると、9個の接合部76がX方向に並んでおり、3個の接合部76がY方向に並んでいる。すなわち、複数の接合部76は、X方向及びY方向に並んでいる。以上により、複数の接合部76が囲む領域の平面形状は、各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状をなしている。
図5に示すように、外部コネクタ210は、コネクタ端子212とコネクタハウジング214とを有している。本実施形態において、外部コネクタ210は、メスコネクタとされている。コネクタハウジング214は、コネクタハウジング74と嵌合可能に構成されている。外部コネクタ210は、コネクタ端子72が挿入される挿入孔216を有している。挿入孔216は、Z方向に沿って形成されている。挿入孔216の壁面には、コネクタ端子212が露出している。
挿入孔216にコネクタ端子72が挿入された状態で、コネクタ端子212がコネクタ端子72に対して、弾性変形による反力を作用させている。すなわち、コネクタ端子72は、コネクタ端子212に対して圧接されている。これにより、コネクタ端子212及びコネクタ端子72が電気的に接続される。
カバー80は、ケース40とともに収容空間42を形成するものである。カバー80は、底部82及び壁部84を有し、基板10と、裏面10bに配置された電子部品30と、を覆っている。カバー80は、例えば、金属材料、樹脂材料を用いて形成される。本実施形態では、カバー80が、アルミニウム等の金属材料を用いて形成されている。なお、カバー80及びケース40は、特許請求の範囲に記載の筐体に相当する。
底部82は、基板10に対して裏面10b側に配置され、厚さ方向がZ方向に沿う略平板形状をなしている。底部82における基板10側の一面82aは、裏面10bに対して、所定距離を有してZ方向に対向している。一面82aは、カバー80の内面の一部である。
壁部84は、XY平面における底部82の外周端から、Z方向のうちの基板10へ向かう方向に延設されている。Z方向の投影視において、壁部84は、壁部46とほぼ同じ位置に形成されている。壁部84における底部82側の一端と反対の他端が、カバー80の開口をなしている。壁部84は、図示しない箇所で、壁部46に対してねじ締結されている。これにより、カバー80及びケース40は、互いに固定されている。
本実施形態では、底部82が、基板10と熱的に接続された伝熱部86を有している。伝熱部86は、一面82aから裏面10bに向かって突出し、放熱接着材88を介して基板10と接続されている。伝熱部86の突出先端面は、Z方向と直交する平面とされている。
放熱接着材88は、熱伝導性に優れた接着材である。放熱接着材88は、伝熱部86の突出先端面と、裏面10bと、に接触して配置されている。放熱接着材88は、例えば、シリコーンを用いて形成されたゲルに対し、アルミナ等の金属を用いて形成されたフィラーが添加されてなる。基板10は、放熱接着材88を介して伝熱部86に接着されている。伝熱部86の平面形状は、各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状をなしている。なお、図1では、伝熱部86を破線で示している。伝熱部86により、基板10からカバー80へ効果的に伝熱する。カバー80は、基板10から伝達された熱を外部に放熱する。これにより、基板10が高温となるのを抑制することができる。
また、底部82は、裏面10b側で基板10を支持する裏面支持部90をさらに有している。図1では、平面形状を明確にするために、裏面支持部90にハッチングを施している。裏面支持部90は、一面82aから裏面10bに向かって突出している。裏面支持部90は、XY平面において、伝熱部86と異なる位置に形成されている。
裏面支持部90は、少なくとも電子制御装置100が外部機器200と接続される際、裏面10bと接触する。すなわち、裏面支持部90は、裏面10bとの接触部分90aを有している。本実施形態では、電子制御装置100が外部機器200と接続された状態においても、裏面支持部90が裏面10bと接触している。しかしながら、電子制御装置100が外部機器200と接続される際にのみ、裏面支持部90が裏面10bと接触する例を採用することもできる。接触部分90aは、裏面支持部90の突出先端面であって、Z方向と直交する平面とされている。
本実施形態では、底部82が、1つの裏面支持部90を有している。Z方向の投影視において、接触部分90aの少なくとも一部は、電子部品30と接合部76とを結ぶ方向における電子部品30と接合部76との間に形成されている。電子部品30と接合部76とを結ぶ方向は、特許請求の範囲に記載の第1方向に相当する。また、Z方向の投影視において、接触部分90aの少なくとも一部は、電子部品30よりも接合部76の近くに形成されている。これら裏面支持部90の構成は、全ての電子部品30との間で成り立つ。言い換えると、電子制御装置100が複数の電子部品30を備える本実施形態では、全ての電子部品30に対して裏面支持部90が上記した構成とされている。
本実施形態では、Z方向の投影視において、接合部76は、接触部分90aにより囲まれている。詳しくは、Z方向の投影視において、全ての接合部76が、1つの接触部分90aにより囲まれている。また、接触部分90aの平面形状は、接合部76を囲む環状をなしている。本実施形態において、接触部分90aの平面形状は、内周端及び外周端における各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状をなしている。
Z方向の投影視において、接触部分90aに対する接合部76の最短距離は、ほぼ均一とされている。詳しくは、Z方向の投影視において、接触部分90aの内周端の各箇所に対する接合部76との最短距離が、ほぼ均一とされている。これにより、接触部分90aが囲む領域の形状は、接合部76の形成領域の形状に対し、互いの中心がほぼ一致する略相似形状とされている。
接合部76の形成領域とは、Z方向の投影視において、複数の接合部76が囲む領域である。なお、コネクタ端子72及び接合部76がそれぞれ1つとされた構成において、接合部76の形成領域は、Z方向の投影視において、接合部76が配置されている領域である。本実施形態において、接触部分90aの内周端の平面形状は、複数の接合部76が囲む領域の平面形状に対して、大きさが大きく、且つ、ほぼ同じ形状とされた略矩形状をなしている。
また、本実施形態において、接触部分90aの外周端の平面形状は、接触部分90aの内周端の平面形状に対して、互いの中心がほぼ一致する略相似形状とされている。よって、接触部分90aの外周端の平面形状は、複数の接合部76が囲む領域の平面形状に対して、互いの中心がほぼ一致する略相似形状とされている。言い換えると、接触部分90aの外周端の平面形状は、接触部分90aの内周端の平面形状、及び、複数の接合部76が囲む領域の平面形状に対して、大きさが大きく、且つ、ほぼ同じ形状とされた略矩形状をなしている。
電子制御装置100の組み付け工程としては、先ず、電子部品30が実装された基板10と、コネクタ端子72と一体に成形されたケース40と、を準備する。そして、スルーホール14に対してコネクタ端子72を挿入して、ケース40に対して基板10をねじ締結する。次に、コネクタ端子72を電極16にはんだ接合する。はんだ接合する方法としては、例えば、溶融したはんだに対して基板10を浸すディップはんだ付け法を採用することができる。そして、ケース40に対してカバー80を固定する。以上により、電子制御装置100を組み付けることができる。
次に、縦型コネクタ70を外部コネクタ210と電気的に接続する。すなわち、電子制御装置100を外部機器200と電気的に接続する。接続する工程としては、先ず、縦型コネクタ70に対して外部コネクタ210がZ方向に対向するように、電子制御装置100及び外部機器200を配置する。詳しくは、Z方向の投影視において、各コネクタ端子72が、1つの挿入孔216と重なるように、電子制御装置100及び外部機器200を配置する。次に、電子制御装置100及び外部機器200の少なくとも一方をZ方向に移動させて、挿入孔216にコネクタ端子72を挿入する。本実施形態では、図6に示すように、電子制御装置100を外部機器200側に移動させる。図6の白抜き矢印は、電子制御装置100の移動方向を示している。
挿入孔216にコネクタ端子72を挿入しているとき、コネクタ端子212からコネクタ端子72に対して応力がZ方向に作用する。ところで、コネクタ端子72が、コネクタ端子212において弾性変形し難い部分に当たりつつ、挿入孔216に挿入される。これに対し、挿入孔216からコネクタ端子72を引き抜く場合、コネクタ端子72は、コネクタ端子212において弾性変形し難い部分に当たらない。そのため、挿入孔216からコネクタ端子72を引き抜く際に較べて、挿入孔216にコネクタ端子72を挿入する際においてコネクタ端子72に作用する応力は大きい。
縦型コネクタ70を外部コネクタ210と接続する際、コネクタ端子72に作用する応力は、接合部76を介して、基板10に作用する。この応力は、基板10に対して下方向に作用する。
次に、上記した電子制御装置100の効果について説明する。
本実施形態では、裏面支持部90が、裏面10b側から基板10を支持している。そのため、裏面支持部90は、基板10が下方向へ歪むのを抑制する位置に形成されている。また、Z方向の投影視において、基板10の歪みは、接合部76を中心として放射状に広がる。これに対して、本実施形態では、接合部76と電子部品30とを結ぶ方向において、接合部76と電子部品30との間に接触部分90aが配置されている。さらに、接触部分90aは、Z方向の投影視において、電子部品30よりも接合部76の近くに形成されている。
これによれば、基板10の歪みは、電子部品30に到達する前に、裏面支持部90により抑制される。したがって、裏面支持部90によって、基板10における電子部品30との接続部分の周辺が歪むのを抑制することができる。よって、外部機器200との接続時において、電子部品30と基板10との電気的な接続信頼性が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、Z方向の投影視において、接合部76が接触部分90aによって囲まれている。これによれば、Z方向の投影視において、接合部76を中心として放射状に広がる基板10の歪みに対し、裏面支持部90が広い範囲で歪みを抑制することができる。よって、電子部品30と基板10との電気的な接続信頼性が低下するのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、接触部分90aの平面形状が、接合部76を囲む環状をなしている。これによれば、Z方向と直交する全ての方向において、基板10の歪みを抑制することができる。よって、電子部品30と基板10との電気的な接続信頼性が低下するのを効果的に抑制することができる。
ところで、Z方向の投影視において、接合部76の形成領域に対する接触部分90aの最短距離に応じて、接触部分90aが囲む領域の外側における基板10の歪みの大きさが決まる。これに対し、本実施形態では、接触部分90aが囲む領域の平面形状は、接合部76の形成領域の平面形状に対し、互いの中心がほぼ一致する略相似形状とされている。これによれば、Z方向の投影視において、接合部76の形成領域に対する接触部分90aの最短距離がほぼ均一とされている。
そのため、Z方向の投影視において、接触部分90aにおける特定の箇所で、接合部76の形成領域との最短距離が長くなるのを抑制することができる。したがって、特定の箇所で基板10が大きく歪むのを抑制することができる。よって、電子部品30と基板10との電気的な接続信頼性が低下するのを効果的に抑制することができる。
また、コネクタハウジングがケース40と別体とされた構成では、コネクタハウジング及びケース40の相対位置を考慮して、電子制御装置100を組み付ける必要がある。これに対し、本実施形態では、ケース40の一部が、コネクタハウジング74を構成している。そのため、電子制御装置100の組み付け工程を簡略化することができる。
なお、本実施形態では、接触部分90aの平面形状が環状とされた例を示したが、これに限定するものではない。図7に示す第1変形例では、接触部分90aの平面形状が環状とされていない。この例では、接触部分90aは、X方向に延設された第1延設部90bと、Y方向に延設された第2延設部90cと、を有している。接触部分90aは、1つの第1延設部90bと、2つの第2延設部90cと、を有している。
この例では、全てのスルーホール14が、基板10において、Y方向のうちの一方側に偏って形成されている。すなわち、接合部76が、基板10において、Y方向のうちの一方側に偏って配置されている。第1延設部90bは、全ての接合部76に対して、Y方向のうちの基板10の端部と反対側に形成されている。すなわち、Y方向において、全ての接合部76は、基板10の端部と第1延設部90bとによって挟まれている。接合部76に対してY方向のうちの第1延設部90bと反対側には、電子部品30が配置されていない。
第2延設部90cは、第1延設部90bにおけるX方向の両端からY方向のうちの接合部76側へ延設されている。Z方向の投影視において、全ての接合部76は、第1延設部90b及び第2延設部90cにより囲まれている。なお、この例では、基板10における2箇所のみが、ねじ締結されている。基板10において締結された箇所は、Y方向のうちの接合部76が偏って形成された部分と反対側の角部である。
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子制御装置と共通する部分についての説明は割愛する。
図8に示すように、底部82は、複数の裏面支持部90を有している。詳しくは、底部82が4つの裏面支持部90を有している。各裏面支持部90は、裏面10bとの接触部分90aを有している。すなわち、基板10と裏面支持部90との接触部分90aが、複数形成されている。Z方向の投影視において、接合部76は、複数の接触部分90aにより囲まれている。詳しくは、Z方向の投影視において、全ての接合部76が、4つの接触部分90aにより囲まれている。
第1実施形態と同様に、接合部76の形成領域の平面形状は、各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状をなしている。Z方向の投影視において、各接触部分90aは、接合部76の形成領域の角部周辺に配置されている。複数の接触部分90aが囲む領域の平面形状は、接合部76の形成領域の平面形状に対して、互いの中心がほぼ一致する略相似形状とされている。言い換えると、接触部分90aが囲む領域の平面形状は、接合部76の形成領域の平面形状に対して、大きさが大きく、且つ、ほぼ同じ形状とされた略矩形状をなしている。
なお、本実施形態では、底部82が4つの裏面支持部90を有する例を示したが、これに限定するものではない。図9に示す第2変形例では、底部82が5つの裏面支持部90を有している。この例では、接合部76の形成領域の平面形状が略五角形状とされている。Z方向の投影視において、全ての接合部76は、5つの接触部分90aにより囲まれている。
また、Z方向の投影視において、各接触部分90aは、接合部76の形成領域の角部周辺に位置している。接触部分90aが囲む領域の平面形状は、接合部76の形成領域の平面形状に対して、互いの中心がほぼ一致する略相似形状とされている。言い換えると、接触部分90aが囲む領域の平面形状は、接合部76の形成領域の平面形状に対して、大きさが大きく、且つ、ほぼ同じ形状とされた略五角形状をなしている。
また、図10に示す第3変形例では、底部82が3つの裏面支持部90を有している。この例では、3つの接触部分90aが、全ての接合部76に対して、Y方向のうちの基板10の端部と反対側に位置している。すなわち、Z方向の投影視において、全ての接合部76は、基板10の端部と接触部分90aとによってY方向に挟まれている。また、この例では、Z方向の投影視において、全ての接合部76は、ケース40への基板10の固定部位と、接触部分90aと、により囲まれている。言い換えると、Z方向の投影視において、全ての接合部76は、接触部分90aと貫通孔18とにより囲まれている。この例では、裏面支持部90に加えて、ケース40への基板10の固定部位によって、基板10の歪みを効果的に抑制することができる。
(第3実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子制御装置と共通する部分についての説明は割愛する。
図11に示すように、本実施形態では、基板10が貫通孔20をさらに有している。貫通孔20は、表面10aから裏面10bにわたって形成されている。Z方向の投影視において、貫通孔20は、裏面支持部90と重なる位置に形成されている。
裏面支持部90は、貫通孔20を挿通する挿通部90dと、裏面10bに係止された係止部90eと、基板10に対して表面10a側に配置された突出部90fと、を有している。挿通部90dは、裏面支持部90において、Z方向に延設された部分である。挿通部90dの一端は、底部82と連結されている。挿通部90dの他端は、基板10に対して表面10a側に位置している。
係止部90eは、裏面支持部90において、基板10を裏面10b側から支持する部分である。言い換えると、係止部90eによって、基板10が、下方向に移動するのを抑制することができる。係止部90eは、挿通部90dにおける裏面10b側に位置する部分から、X方向に延設されている。すなわち、係止部90eは、挿通部90dと連なっている。係止部90eは、少なくとも電子制御装置100が外部機器200と接続される際、裏面10bと接触する。言い換えると、係止部90eは、接触部分90aを有している。
突出部90fは、裏面支持部90において、表面10a側で基板10を支持する部分である。言い換えると、突出部90fによって、基板10が、上方向に移動するのを抑制することができる。突出部90fは、挿通部90dにおける表面10a側の他端から表面10aに向かって突出している。すなわち、突出部90fは、挿通部90dと連なっている。
本実施形態では、Z方向の投影視において、係止部90eが、突出部90fと重なる位置に形成されている。基板10は、Z方向において、突出部90f及び係止部90eにより挟まれている。Z方向における突出部90f及び係止部90e間の距離は、基板10の厚さ以上とされている。
次に、図12及び図13に基づき、基板10に対する裏面支持部90の組み付け方法について説明する。先ず、図12に示すように、Z方向の投影視において、貫通孔20及び裏面支持部90が互いに重なるように、ケース40にねじ締結された基板10、及び、カバー80を配置する。そして、図13に示すように、基板10及びカバー80の少なくとも一方をZ方向に移動させて、裏面支持部90を貫通孔20に挿入する。このとき、裏面支持部90が弾性変形し、挿通部90dの一部及び突出部90fが貫通孔20を通る。以上により、基板10に裏面支持部90を組み付けることができる。
ところで、縦型コネクタ70から外部コネクタ210を引き抜くことで、外部コネクタ210と縦型コネクタ70との電気的な接続が解除される。上記したように、外部コネクタ210と縦型コネクタ70とが接続された状態では、コネクタ端子212がコネクタ端子72に対して応力を作用させている。これにより、縦型コネクタ70から外部コネクタ210を引き抜くことにより、摩擦力として、外部コネクタ210からコネクタ端子72に対して上方向の応力が作用する。この応力は、接合部76を介して基板10に作用する。
これに対し、本実施形態では、突出部90fによって、基板10における接合部76の周辺の部分が、上方向に歪むのを抑制することができる。そのため、基板10における電子部品30との接続部分の周辺が歪むのを抑制することができる。よって、外部機器200との接続が解除される際、電子部品30と基板10との電気的な接続信頼性が低下するのを抑制することができる。
なお、上記したように、挿入孔216からコネクタ端子72を引き抜く際に較べて、挿入孔216にコネクタ端子72を挿入する際にコネクタ端子72に作用する応力は大きい。そのため、外部コネクタ210と縦型コネクタ70との接続が解除される場合では、外部コネクタ210と縦型コネクタ70とが接続される場合に較べて、基板10に作用する応力が小さい。
(第4実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子制御装置と共通する部分についての説明は割愛する。
図14に示すように、本実施形態では、底部44が表面支持部56を有している。表面支持部56は、電子制御装置100において外部機器200との接続が解除される際、表面10a側で基板10を支持するものである。表面支持部56は、裏面支持部90と別に設けられている。表面支持部56は、一面44aから表面10aに向かって突出している。
表面支持部56は、少なくとも電子制御装置100が外部機器200と接続される際、表面10aと接触する。すなわち、表面支持部56が、表面10aとの接触箇所56aを有している。本実施形態において、接触箇所56aは、表面支持部56の接触先端面であって、Z方向と直交する平面とされている。
接触箇所56aの少なくとも一部は、接合部76と電子部品30とを結ぶ方向において、接合部76と電子部品30との間に形成されている。また、接触箇所56aの少なくとも一部は、電子部品30よりも接合部76の近くに形成されている。
本実施形態では、Z方向の投影視において、接触箇所56aが、接触部分90aと重なる位置に形成されている。詳しくは、Z方向の投影視において、接触箇所56aの全体が、接触部分90aの全体とほぼ重なっている。これによれば、XY平面における基板10の特定の箇所が裏面支持部90及び表面支持部56によってZ方向に挟まれる。そのため、電子制御装置100を組み付ける際に、裏面支持部90及び表面支持部56の少なくとも一方が基板10と接触する場合であっても、基板10が歪み難い。本実施形態では、裏面支持部90と別に設けられた表面支持部56によって、第3実施形態に記載の電子制御装置100と同等の効果を奏することができる。
なお、図15に示す第4変形例のように、底部44が裏面支持部58を有する例を採用することもできる。この例では、基板10が、表面10aから裏面10bにわたって形成された貫通孔22をさらに有している。貫通孔22は、Z方向の投影視において、裏面支持部58と重なる位置に形成されている。
裏面支持部58は、貫通孔22を挿通する挿通部58aと、裏面10bに係止された係止部58bと、基板10に対して表面10a側に配置された突出部58cと、を有している。係止部58bは、挿通部58aと連なっており、裏面10bとの接触部分58dを有している。突出部58cは、挿通部58aからX方向に突出している。裏面支持部58は、第3実施形態の裏面支持部90をZ方向に反転させた形状とされている。第4変形例では、底部82が裏面支持部90を有さない構成であってもよく、底部82が裏面支持部90を有する構成であってもよい。
また、図16に示す第5変形例のように、底部44が、裏面10b側のみで基板10を支持する裏面支持部60を有する例を採用することもできる。この例では、基板10が、貫通孔24をさらに有している。貫通孔24は、Z方向の投影視において、裏面支持部60と重なる位置に形成されている。
裏面支持部60は、貫通孔24を挿通する挿通部60aと、裏面10bに係止された係止部60bと、を有している。係止部60bは、挿通部60aと連なっており、裏面10bとの接触部分60cを有している。この例では、裏面支持部60が、基板10を表面10a側で支持しない。第5変形例では、底部82が裏面支持部90を有さない構成であってもよく、底部82が裏面支持部90を有する構成であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、ケース40の一部がコネクタハウジング74をなす例を示したが、これに限定するものではない。ケース40とコネクタハウジング74が別部材とされた例を採用することもできる。
また、上記実施形態では、縦型コネクタ70がオスコネクタとされ、外部コネクタ210がメスコネクタとされた例を示したが、これに限定するものではない。縦型コネクタ70がメスコネクタとされ、外部コネクタ210がオスコネクタとされた例を採用することもできる。
また、上記実施形態では、縦型コネクタ70が複数のコネクタ端子72を有する例を示したが、これに限定するものではない。縦型コネクタ70が1つのコネクタ端子72のみを有する例を採用することもできる。裏面支持部90の内周端の平面形状が、1つのコネクタ端子72を中心とする略真円形状をなす例を採用することもできる。