JP6543940B2 - 複合材料の成形方法および成形装置 - Google Patents

複合材料の成形方法および成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6543940B2
JP6543940B2 JP2015011744A JP2015011744A JP6543940B2 JP 6543940 B2 JP6543940 B2 JP 6543940B2 JP 2015011744 A JP2015011744 A JP 2015011744A JP 2015011744 A JP2015011744 A JP 2015011744A JP 6543940 B2 JP6543940 B2 JP 6543940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
composite material
molding
unit
lower mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015011744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016135575A (ja
Inventor
勝宏 臼井
勝宏 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2015011744A priority Critical patent/JP6543940B2/ja
Publication of JP2016135575A publication Critical patent/JP2016135575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6543940B2 publication Critical patent/JP6543940B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

本発明は、複合材料の成形方法および成形装置に関する。
近年、自動車の車体軽量化のために強化基材に樹脂を含浸させた複合材料が自動車部品として用いられている。複合材料の成形方法として、量産化に適したRTM(Resin Transfer Molding)成形法が注目されている。RTM成形法にあっては、まず、開閉可能な一対の下型(雌型)、上型(雄型)からなる成形型内のキャビティに強化基材を設置する。型を閉締した後、樹脂注入口から樹脂を注入し、強化基材に樹脂を含浸させる。そして、キャビティ内において樹脂を硬化させることによって、複合材料を成形する。
強化基材は、予め所定の形状を付与するために積層してプリフォームを行う。強化基材をプリフォーム成形型から次工程に搬送することによって、積層した強化基材の配置にばらつきが生じるという問題がある。プリフォーム成形型から強化基材のトリミングをするトリム加工台へ搬送する際に強化基材の配置にばらつきが生じると、トリム処理においてトリミング代を大きく取る必要がある。このため、歩留まりが悪くなり、材料費が高くなってしまう。
また、トリム加工台からキャビティへ搬送する際に強化基材の配置にばらつきが生じてしまうと、上型が強化基材をはさみこむ原因となってしまう。そこで、強化基材はキャビティより小さくプリフォームする必要があり、成形品である複合材料の端部に樹脂のみから構成される樹脂リッチ部分が生じる。これによって、端部の強度が他の部分に比べて低くなってしまう。このため、例えば、下記特許文献1のように樹脂リッチ部分を除去するために複合材料の端部をカットする2次加工が行われる。
特開2010−76356号公報
しかし、成形品の2次加工処理を追加すると、工程数が増えるので、製造時間がかかり、生産コストも増加してしまう。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、強化基材の搬送によって生じる配置のばらつきを無くすことで、歩留まりを向上し、成形品である複合材料の2次加工処理を省くことのできる複合材料の成形方法および成形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る複合材料の成形方法は、強化基材を第1の型に配置し、前記第1の型と第2の型とによって前記強化基材を押圧してプリフォームし、前記第1の型に前記強化基材を配置したままの状態で、前記強化基材をトリミングする。その後、トリミングされた前記強化基材を前記第1の型に配置したまま、前記第1の型と第3の型とによってキャビティを形成し、前記キャビティ内に樹脂を注入する。
上記目的を達成する本発明に係る複合材料の成形装置は、強化基材を配置する第1の型と、前記強化基材を押圧してプリフォームする第2の型と、前記第1の型に前記強化基材が配置された状態で、前記強化基材をトリミングするトリム加工部と、前記強化基材を配置するキャビティを前記第1の型との間に形成する第3の型と、前記キャビティ内に樹脂を注入する樹脂注入部と、を有する。
本発明によれば、プリフォーム処理、トリム処理、およびキャビティ内への樹脂注入処理の各処理において強化基材は第1の型上にあるので、各処理間の搬送による強化基材の配置のばらつきを無くすことができる。プリフォーム処理からトリム処理へ搬送する際に強化基材の配置にばらつきが無いので、トリム処理においてトリミング代を低減することができ、強化基材の歩溜まりを向上し、材料費を削減することができる。
また、トリム処理からキャビティへ搬送する際に強化基材の配置にばらつきが無いので、強化基材をキャビティの端部まで配置することができ、複合材料端部の樹脂リッチ部分の形成を抑制することができる。したがって、複合材料の2次加工処理を省くことができ、製造時間を短縮し、生産コストの増加を抑えることができる。
本実施形態に係る複合材料の成形装置の構成を示す概略図である。図1(A)は、強化基材のプリフォームを行っている状態の図であり、図1(B)は、強化基材のトリミングを行っている状態の図であり、図1(C)は、複合材料の成形を行っている状態の図である。 本実施形態に係るプリフォーム成形部の斜視図である。 本実施形態に係るトリム加工部の斜視図である。 本実施形態に係る複合材料成形部の概略図である。 本実施形態に係る複合材料成形部の斜視図である。 本実施形態に係る複合材料の成形方法を示すフローチャートである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本実施形態に係る複合材料400の成形装置500の構成を示す概略図である。図2は、本実施形態に係るプリフォーム成形部100の斜視図である。図3は、本実施形態に係るトリム加工部200の斜視図である。図4は、本実施形態に係る複合材料成形部300の概略図である。図5は、本実施形態に係る複合材料成形部300の斜視図である。図6は、実施形態に係る複合材料400の成形方法を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態に係る成形方法および成形装置500によって得られる複合材料400は、強化基材410と、樹脂420と、によって構成されている。複合材料200は、強化基材410と樹脂420が組み合わせられることにより、樹脂単体で構成される成形品に比べて高い強度および剛性を備えたものとなる。
強化基材410は、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維等を用いることができる。本実施形態においては、強化基材410としてシート状に予め加工された炭素繊維を使用した例を説明する。炭素繊維は、熱膨張係数が小さく寸法安定性に優れ、高温下においても機械的特性の低下が少ないという特徴があるため、自動車の車体等に使用される複合材料400の強化基材として好適に使用することができる。
樹脂420は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂等または熱可塑性樹脂が用いられる。本実施形態においては、機械的特性、寸法安定性に優れたエポキシ樹脂を用いる。エポキシ樹脂は2液タイプが主流であり、主剤および硬化剤を混合して使用する。主剤はビスフェノールA型のエポキシ樹脂、硬化剤はアミン系のものが一般的に用いられるが、特にこれに限定されるものではなく、所望の材料特性に合わせて適宜選択できる。
図1を参照して、複合材料400の成形装置500は、炭素繊維410を配置する下型10(第1の型に相当)と、炭素繊維410を押圧してプリフォームする分割上型110(第2の型に相当)と、下型10に炭素繊維410が配置された状態で、炭素繊維410をトリミングするトリム加工部200と、炭素繊維410を配置するキャビティ330を下型10との間に形成する上型310(第3の型に相当)と、キャビティ330内に樹脂420を注入する樹脂注入部340と、を有する。複合材料400の成形装置500は、下型10を移動可能な型移動部20と、制御部30と、をさらに有する。
本実施形態に係る複合材料400の成形装置500は、プリフォーム成形部100と、トリム加工部200と、複合材料成形部300と、によって構成されている。プリフォーム成形部100、トリム加工部200および複合材料成形部300は、下型10を共用し、型移動部20によって下型10を各構成部に移動する。まず、図1(A)に示すように、下型10がプリフォーム成形部100に配置されており、炭素繊維410のプリフォームを行う。次に、型移動部20によって下型10をトリム加工部200へ移動し、図1(B)に示すように、下型10に配置された炭素繊維410のトリミングを行う。最後に、型移動部20によって下型10を複合材料成形部300へ移動し、図1(C)に示すように、複合材料400の成形を行う。
型移動部20は、例えば、下型10を載せる台車21と、台車21が走行するためのレール22と、を有する。制御部30によって台車21の走行は制御され、図1(A)、(B)および(C)に示すように、各処理で一旦停止させて成形または加工を行った後、次の処理へと下型10を搬送する。これによって、連続成形が可能となり、成形時間をさらに短縮することができる。なお、型移動部20の構成はこれに限定されず、台車21やレール22の代わりにローラーコンベアやベルトコンベア等を用いてもよい。
制御部30は、図2〜図4にも示すように、複合材料400の成形装置500全体の動作を制御する。制御部30は、記憶部31と、演算部32と、各種データや制御指令の送受信を行う入出力部33と、を有する。入出力部33は、下型10と、型移動部20と、分割上型110と、上型310と、後述するレーザー加工部210と、樹脂注入部340と、型温度調整部120、220、320と、に電気的に接続している。
記憶部31は、ROMやRAMから構成し、下型10の位置等のデータを記憶する。演算部32は、CPUを主体に構成され、入出力部33を介して下型10(または台車21)の位置等を受信する。演算部32は、記憶部31から読み出したデータおよび入出力部33から受信したデータに基づいて、下型10の位置、後述するレーザー光の出力や波長、型温度調整部120、220、320による型の加熱・冷却温度等を算出する。算出したデータに基づく制御信号は、入出力部33を介して型移動部20、分割上型110、上型310、レーザー加工部210、樹脂注入部340、型温度調整部120、220、320等に送信する。このようにして、制御部30は、下型10の移動、型の温度等を制御する。
以下、各構成部について詳述する。
まず、プリフォーム成形部100について説明する。
図2を参照して、プリフォーム成形部100は、プリフォームの対象となるシート状の炭素繊維410が配置される下型10(第1の型に相当)と、下型10に対して接近離反移動自在な分割上型110(第2の型に相当)と、下型10および分割上型110を加熱する型温度調整部120と、を有する。シート状の炭素繊維410には、予め表面に接着剤gが塗布され、所定枚数積層される。接着剤gは、例えば熱可塑性樹脂からなり、所定の温度に加熱されると溶融または軟化するという特性を有し、炭素繊維410同士を層間で接着する機能を有する。なお、接着剤gは、熱可塑性樹脂に限定されず、同様の接着機能を有する他の接着剤を使用してもよい。
下型10は、後述するトリム加工部200および複合材料成形部300において、同じ下型10が共用される。下型10は、移動可能に形成され、型移動部20によってトリム加工部200および複合材料成形部300に搬送される。プリフォーム処理、トリム処理、およびキャビティ内への樹脂注入処理の各処理において炭素繊維410は下型10上にあるので、各処理間の搬送による炭素繊維410の配置のばらつきを無くすことができる。
分割上型110は、複数の分割された型からなり、各型111、112、113、114、115は独立して動作可能となっている。各型111、112、113、114、115は、所定の順序にしたがって積層された炭素繊維410を順次押圧する。これによって、炭素繊維410のしわやよれ等の発生を防止することができる。ただし、分割上型110を同時に押圧動作させてもよいし、分割されていない1つの型からなる上型を使用してもよい。
型温度調整部120は、下型10および分割上型110を所定の温度に加熱または冷却する。型温度調整部120は、加熱を行うための加熱部として、例えば、下型10および分割上型110を直接的に加熱する電気ヒーターや、油などの熱媒体を循環させることによって温度調整を行う温度調整機構等を備える。下型10および分割上型110を加熱することによって、下型10と、分割上型110とによって炭素繊維410を押圧するときに、接着剤gが溶融または軟化し、炭素繊維410層間に接着剤gが均一に広がり、炭素繊維410同士を層間で接着することができる。
また、型温度調整部120は、冷却を行うための冷却部をさらに有する。冷却部は、例えば、水等の循環冷媒によって強制冷却させる冷却装置を備える。下型10および分割上型110を加熱後、冷却することによって、炭素繊維410に浸透した接着剤gが固化し、炭素繊維410同士が一体化されて所定の形状に固定することができる。冷却は、分割上型110を開いて自然放冷することも可能であるが、成形時間短縮の面から強制冷却を行うことが好ましい。
次に、トリム加工部200について説明する。
図3を参照して、トリム加工部200は、プリフォーム成形部100と共用するトリム加工台である下型10(第1の型に相当)と、レーザー加工部210と、型温度調整部220と、を有する。
レーザー加工部210は、レーザー光を炭素繊維410の周縁部(図3中の二点鎖線L)に当てることで端部をカットする。具体的には、レーザー光源から発したレーザー光を、ミラーや集光レンズ等の照射光学系によって所定のビーム径に調整した上で下型10に配置された炭素繊維410に照射することによって、炭素繊維410の端部をトリミングする。レーザー光源から発振されるレーザー光の出力、モード、波長などは、炭素繊維410の積層の厚さや加工形状に応じて適宜選択することができる。レーザー加工部210は、スキャナミラー(図示せず)によって、線L(図3中の二点鎖線)に沿ってレーザー光を照射することもできるし、レーザー加工部210を線Lに沿って走査させてもよい。
型温度調整部220は、プリフォーム成形部100および後述する複合材料成形部300と共用し、あるいは別の温度調整機構等を有する。型温度調整部220は、下型10を所定の温度に加熱することができる。
次に、複合材料成形部300について説明する。
図4に示すように、複合材料成形部300は、プリフォーム成形部100およびレーザー加工部210と共用する下型10(第1の型に相当)と、炭素繊維410を配置するキャビティ330を下型10との間に形成する上型310(第3の型に相当)と、キャビティ330内に樹脂420を注入する樹脂注入部340と、型温度調整部320と、を有する。
上型310は、下型10に対して、接近離反移動自在に構成されており、上型310が下型10から離反すると、型開きした状態(図5を参照)となる。図4中の矢印uは、上型310の離反移動方向(型開き方向)を示し、矢印dは、上型310の接近移動方向(型閉じ方向)を示す。
上型310は、キャビティ330側周縁部に弾性体からなるシール部材311を有する。シール部材311は弾性体であるため、下型10に当接することにより撓んで弾性的に密着するので、当接する部分の凹凸および寸法公差が吸収されて、型締力を大きくすることなく充分なシールを行うことができる。これによって、上型310は、下型10と密閉自在なキャビティ330を形成する。
上型310の上方部には、注入口312を設ける。注入口312を樹脂注入部340に連結し、上方からキャビティ330内に樹脂420を注入する。樹脂420は、炭素繊維410の上面から内部に含浸する。
樹脂注入部340は、主剤を充填した主剤タンク341と、硬化剤を充填した硬化剤タンク342と、主剤、硬化剤、およびそれらが混合された樹脂420の搬送流路を形成するチューブ343と、樹脂420の注入圧力を調整自在なバルブ344と、を有する。樹脂注入部340は、主剤タンク341から供給される主剤と、硬化剤タンク342から供給される硬化剤とを一定の圧力下において循環させつつ、成形型へ供給可能な公知の循環式のポンプ機構により構成することができる。
型温度調整部320は、プリフォーム成形部100およびトリム加工部200と共用し、あるいは別の温度調整機構等を有する。
次に、本実施形態に係る複合材料400の成形方法を説明する。
図6を参照して、複合材料400の成形方法は、炭素繊維410を下型10に配置し、下型10と分割上型110とによって炭素繊維410を押圧するプリフォーム処理(ステップS11、S12)と、下型10に炭素繊維410を配置したままの状態で、炭素繊維410をトリミングするトリム処理(ステップS21、S22)と、トリミングされた炭素繊維410を下型10に配置したまま、下型10と上型310とによってキャビティ330を形成し、キャビティ330内に樹脂420を注入する複合材料400の成形処理(ステップS31〜S34)と、を有する。以下、各処理について詳述する。
まず、炭素繊維410をプリフォーム成形部100の下型10に配置する(ステップS11)。プリフォームする炭素繊維410は、シート状に予め加工されたものを、下型10上に複数枚積層してセットする。
次に、下型10と分割上型110とによって炭素繊維410を押圧してプリフォームする(ステップS12)。分割上型110の各型は、下型10に配置された炭素繊維410を所定の順序にしたがって順次押圧し、所定の形状にプリフォームする。炭素繊維410が配置された下型10に対して、例えば、分割上型110の中央の型111から端の型112、113、114、115を順次押圧し、型締めする。中央から端部へ積層された炭素繊維410を押圧することによって積層された炭素繊維410にしわやよれ等の発生を防止し、高精度のプリフォームが可能になる。図2中の一点鎖線で示す炭素繊維410は、プリフォーム成形前のものであり、実線で示す炭素繊維410は、プリフォーム成形後のものである。
下型10および分割上型110は、プリフォーム処理において型締めを行った後、型締め状態の保持段階で型温度調整部120によって所定の温度に加熱され、炭素繊維410を押圧して加熱する。加熱することによって、炭素繊維410表面に塗布した接着剤gが軟化または溶融し、炭素繊維410の層間に広がって含浸する。この状態で、型温度調整部120によって下型10および分割上型110を冷却し、炭素繊維410のプリフォーム形状を固定する。
プリフォーム処理の後、炭素繊維410を配置したままの状態で、型移動部20によって下型10をトリム加工部200へ移動する(ステップS21)。これによって、プリフォーム処理からトリム処理へ搬送する際に炭素繊維410の配置にばらつきが無いので、トリム処理においてトリミング代を低減することができ、炭素繊維410の歩溜まりを向上し、材料費の削減ができる。
次に、炭素繊維410をレーザー加工部210によってトリミングする(ステップS22)。レーザー加工部210は、線Lに沿ってレーザー光を照射し、下型10に配置された炭素繊維410の端部をトリミングする。レーザー光が照射された下型10の線L周りには、レーザー光が生じる熱によって加熱されて局所的に温められた局部高温部h(図4を参照)が形成される。
トリム処理の際に、型温度調整部220によって下型10を加熱してもよい。次処理である複合材料400の成形処理において、樹脂420を硬化させるために下型10を加熱する必要がある。そのため、予め下型10を加熱しておくことによって次処理において下型10を加熱する時間を短縮し、成形処理全体としての成形時間を短縮することができる。
トリム処理の後、炭素繊維410を下型10に配置したままの状態で、型移動部20によって下型10を複合材料成形部300へ移動する(ステップS31)。これによって、トリム処理からキャビティ330へ搬送する際に炭素繊維410のばらつきが無いので、炭素繊維410をキャビティの端部まで配置することができ、複合材料400端部の樹脂リッチ部分の形成を抑制することができる。したがって、複合材料400の樹脂リッチ部分をカットする2次加工処理を省くことができ、製造時間を短縮し、生産コストの増加を抑えることができる。
また、下型10を複合材料成形部300へ移動する際に、局部高温部hが熱を保持した状態で、複合材料成形部300へ配置するために、トリム加工部200の近くに複合材料成形部300を配置し、短時間によって下型10を移動する。
キャビティ330内に樹脂420が完全に充填されるまでキャビティ330内に樹脂420を注入する(ステップS32)。局部高温部hが熱を保った状態で、複合材料成形部300に搬送されることによって、注入された樹脂420が炭素繊維410の端部周りで温められる。一般的に、熱可塑性樹脂の場合は、温度が高いほど樹脂の粘度は低下して流動性が増す。また、本実施形態で使用する熱硬化性樹脂の場合でも、加熱によって一旦溶融して流動性を増す。流動性が増すことで、樹脂420が炭素繊維410に含浸しやすくなるので、樹脂リッチ部分の形成をさらに抑制することができる。ただし、熱硬化性樹脂の場合は、時間とともに加熱に伴う化学反応によって樹脂の分子構造の網状化(架橋)が進み、硬化して流動性を失うので硬化前に短時間によって成形する必要がある。また、局部高温部hの保持温度は、樹脂420の硬化温度よりも低い温度(例えば、50℃〜80℃)に維持することが好ましい。
キャビティ330内に樹脂420を規定量注入し終えると、キャビティ330内の樹脂420が十分硬化するまで放置する(ステップS33)。なお、下型10および上型310全体は、型温度調整部320によって樹脂420の硬化温度に予め温度調節してある。
型を開き、成形された複合材料400を脱型すると、成形が完了する(ステップS34)。
以上説明したように、本実施形態に係る複合材料400の成形方法および成形装置500では、炭素繊維410のプリフォーム処理、トリム処理、およびキャビティ330内への樹脂注入処理において、プリフォーム成形部100、トリム加工部200および複合材料成形部300は、下型10を共用する。
このように構成した複合材料400の成形方法および成形装置500によれば、各処理において炭素繊維410は下型10上にあるので、各処理間の搬送による炭素繊維410の配置のばらつきを無くすことができる。これによって、炭素繊維410の歩溜まりを向上し、成形品である複合材料400の2次加工処理を省くことができる。
また、本実施形態に係る複合材料400の成形方法および成形装置500では、炭素繊維410は、レーザー加工によってトリミングする。
このように構成した複合材料400の成形方法および成形装置500によれば、レーザー加工によってレーザーが照射された下型10の線L周りには、加熱されて局所的に温められた局部高温部hが形成される。これによって、局部高温部h周りの樹脂420の流動性が増し、樹脂420が炭素繊維410に含浸しやすくなるので、樹脂リッチ部分の形成をさらに抑制することができる。
また、本実施形態に係る複合材料400の成形方法および成形装置500では、炭素繊維410のプリフォーム処理およびトリム処理のうち少なくとも1つの処理において、下型10を加熱する。
このように構成した複合材料400の成形方法および成形装置500によれば、炭素繊維410のプリフォーム処理時に下型10を加熱することによって、プリフォームに使用される接着剤gを軟化または溶融して炭素繊維410に均一に含浸しやすくなる。トリム処理時に下型10を加熱することによって、次の処理であるキャビティ330内への樹脂注入処理のときに下型10を加熱する時間を短縮することができる。
また、本実施形態に係る複合材料400の成形装置500は、下型10を、炭素繊維410をプリフォームする位置と、炭素繊維410をトリミングする位置と、キャビティ330を形成する位置との間において相互に移動する型移動部20をさらに有する。
このように構成した複合材料400の成形装置500によれば、下型10の移動が容易になり、成形時間をさらに短縮することができる。
また、本実施形態に係る複合材料400の成形方法および成形装置500では、強化基材は炭素繊維410から形成されてなる。
このように構成した複合材料400の成形方法および成形装置500によれば、熱膨張係数が小さく寸法安定性に優れ、高温下においても機械的特性の低下が少ない複合材料400を成形することができる。
以上、実施形態を通じて複合材料400の成形方法および成形装置500を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
たとえば、本実施形態においては、トリム処理はレーザー加工によって行うとしたが、カッター等の他の加工方法を使用してもよい。
また、プリフォーム処理およびトリム処理の両方の処理において下型10を加熱するとしたが、いずれかの処理のうち少なくとも1つの処理において、下型10を加熱すればよい。
また、本実施形態においては、下型10は1つとして説明したが、複数個有していてもよい。炭素繊維410のプリフォーム処理、トリム処理、およびキャビティ330内への樹脂注入処理において、複数の下型10を順送りすることによって、連続成形が可能となり、より効率的な成形が可能となる。
10 下型(第1の型)、
20 型移動部、
21 台車、
22 レール、
30 制御部、
31 記憶部、
32 演算部、
33 入出力部、
100 プリフォーム成形部、
110 分割上型(第2の型)、
200 トリム加工部、
210 レーザー加工部、
300 複合材料成形部、
310 上型(第3の型)、
311 シール部材、
312 注入口、
330 キャビティ、
340 樹脂注入部、
341 主剤タンク、
342 硬化剤タンク、
343 チューブ、
344 バルブ、
120、220、320 型温度調整部、
400 複合材料、
410 炭素繊維(強化基材)、
420 樹脂、
500 成形装置、
g 接着剤、
h 局部高温部。

Claims (9)

  1. 強化基材を下型に配置し、前記下型プリフォーム成形部の上型とによって前記強化基材を押圧してプリフォームし、
    前記下型に前記強化基材を配置したままの状態で、前記強化基材をトリミングし、
    トリミングされた前記強化基材を前記下型に配置したまま、前記下型複合材料成形部の上型とによってキャビティを形成し、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する、複合材料の成形方法。
  2. 前記強化基材は、レーザー加工によってトリミングする、請求項1に記載の複合材料の成形方法。
  3. 前記強化基材のプリフォーム処理およびトリム処理のうち少なくとも1つの処理において、前記下型を加熱する、請求項1または請求項2に記載の複合材料の成形方法。
  4. 前記強化基材は、炭素繊維から形成されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材料の成形方法。
  5. 強化基材を配置する下型と、前記強化基材を押圧してプリフォームするプリフォーム成形部の上型と、
    前記下型に前記強化基材が配置された状態で、前記強化基材をトリミングするトリム加工部と、
    前記強化基材を配置するキャビティを前記下型との間に形成する複合材料成形部の上型と、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する樹脂注入部と、を有する、複合材料の成形装置。
  6. 前記トリム加工部は、レーザー加工部を有する、請求項5に記載の複合材料の成形装置。
  7. 前記下型を加熱する型温度調整部を有する、請求項5または請求項6に記載の複合材料の成形装置。
  8. 前記下型を、前記強化基材をプリフォームする位置と、前記強化基材をトリミングする位置と、前記キャビティを形成する位置との間において相互に移動する型移動部をさらに有する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の複合材料の成形装置。
  9. 前記強化基材は、炭素繊維から形成されてなる、請求項5〜8のいずれか1項に記載の複合材料の成形装置。
JP2015011744A 2015-01-23 2015-01-23 複合材料の成形方法および成形装置 Active JP6543940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011744A JP6543940B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 複合材料の成形方法および成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011744A JP6543940B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 複合材料の成形方法および成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016135575A JP2016135575A (ja) 2016-07-28
JP6543940B2 true JP6543940B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=56512905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015011744A Active JP6543940B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 複合材料の成形方法および成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6543940B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102092477B1 (ko) * 2018-11-02 2020-03-23 코오롱데크컴퍼지트 주식회사 레진 주입 장치 및 이를 포함하는 복합재 제조장치
KR20200050521A (ko) * 2018-11-02 2020-05-12 코오롱데크컴퍼지트 주식회사 프리폼 제조방법 및 프리폼을 이용한 복합재 제조 방법
CN116238097B (zh) * 2023-05-11 2023-07-25 北京维盛复合材料有限公司 基于机械手操控的分段式全自动注塑成型工艺

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0639853A (ja) * 1992-07-24 1994-02-15 Daikyo Inc 熱硬化性樹脂製成形品の成形方法
JP2711629B2 (ja) * 1992-12-27 1998-02-10 日本写真印刷株式会社 インサート成形品とその製造方法
JP5017976B2 (ja) * 2005-09-27 2012-09-05 東レ株式会社 繊維強化樹脂部材の製造方法および製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016135575A (ja) 2016-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2770400T3 (es) Método y aparato para formar estructuras compuestas termoplásticas
JP6432689B2 (ja) 複合材料の製造方法、複合材料の製造装置、複合材料用プリフォームおよび複合材料
RU2671346C1 (ru) Способ изготовления композиционного материала и устройство изготовления композиционного материала
EP2842711B1 (en) Apparatus and method for producing a composite material aircraft component
JP6543940B2 (ja) 複合材料の成形方法および成形装置
US10913222B2 (en) Method for producing composite material component and device for producing composite material component
CN104602896A (zh) 用于快速模制出复合结构的方法和设备
JP5909062B2 (ja) 賦形成形方法
JP6384213B2 (ja) 複合材料の製造方法、複合材料の製造装置
RU2715662C1 (ru) Способ и устройство для производства композитного материала
KR101932640B1 (ko) 복합소재 성형장치
JP5809484B2 (ja) 賦形成形方法
JP5712038B2 (ja) 賦形成形方法
JP2012006216A (ja) 繊維強化樹脂成形品及び賦形成形方法
WO2012157327A1 (ja) Rtm成形方法及びrtm成形装置
JP7238048B2 (ja) 複合材の加工装置及び複合材の加工方法
US11420379B2 (en) Method for hot-forming a thermoplastic material and implementation facility
JP5545974B2 (ja) 賦形成形方法
JP6712430B1 (ja) 熱可塑性繊維強化樹脂成形品の製造方法
JP2014100822A (ja) 賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190603

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6543940

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151