JP6543887B2 - バンプ付き配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バンプ付き配線基板及びその製造方法に関し、特には、電子部品素子と接合するためのバンプ構造を有するバンプ付き配線基板及びその製造方法に関する。
電子部品素子には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、IC(Integrated Circuit)素子、SAW(Surface Acoustic Wave)素子、PA(パワーアンプ)素子、LED(Light Emitting Diode)素子など、種々のものがあり、これらを搭載するための種々の電子部品搭載用の配線基板が用いられている。特に、近年、電子部品素子としてLED素子等の発光素子を搭載したデバイスが、電子機器、照明用途での需要を拡大しており、発光素子を搭載するための配線基板が種々提案されている。
このような発光素子をはじめとする電子部品素子を搭載する配線基板として、配線基板の表面に、電子部品素子の電極と接続する凸形状の電極(以下、「バンプ」という)を設けたものが広く使われている(特許文献1〜3)。
また、バンプを備えた配線基板の製造方法としては、導体回路と絶縁基材表面を含む全面にニッケルめっきによるストッパー金属層を形成し、このストッパー金属層上の全面に銅めっき層を形成し、マスクを形成してエッチングを選択的に行い、ストッパー金属層上に銅めっき層による柱状金属体(バンプ)を形成し、その後、ニッケルめっきによるストッパー金属層を除去して形成したバンプ付き配線基板が開示されている(特許文献4)。
また、バンプを備えた配線基板の他の製造方法として、絶縁基材上に導体層と層間絶縁層とを交互に設け、最も外側の層間絶縁層に形成した導体回路のパッド上に、表面が平坦なめっきポスト(バンプ)を形成したバンプ付き配線基板が開示されている(特許文献5)。
特開平11−354848号公報 特開2012−156214号公報 特開2014−017303号公報 特開2002−208779号公報 特開2003−008228号公報
特許文献4では、ニッケルめっきによるストッパー金属層を形成するが、ニッケルめっき層上に形成されていた銅めっき層を、一旦エッチングで除去するため、ニッケルめっきが気中に晒されることになる。ニッケルめっきは気中にて容易に酸化してしまい、その除去も大変に難しい。またニッケルめっきは酸化した状態が目視では見えないため、酸化状態の管理が難しく、量産においてニッケルめっき上の銅めっき密着信頼性は大変不安定である。例えば一般的なニッケル/金めっき処理(下地にニッケルめっきを行なった後に、金めっきを行なう処理)をした製品にて、何らかの外観上に不具合(例えば金めっき変色)等が発生した場合、金めっきを剥離して再び金めっきを行う再生めっきを試みる事例があるが、密着信頼性が低く、事実上、再生めっきは禁止工程になっている。この密着信頼性を低下させている最大の原因はニッケルめっきの酸化であり、その酸化膜除去が安定していないためである。
また、特許文献4では、ニッケルめっきによるストッパー金属層を導体回路と絶縁基材表面を含む全面に形成するため、導体回路に回路間スペースを設け、導体回路が機能するようにするためには、柱状金属体(バンプ)を形成した後に、露出しているストッパー金属層を全面剥離する工程が必要となり、その分の工数が増加する問題がある。また、ニッケルめっきを剥離すると、剥離後の銅めっき表面(導体回路表面)が不均一(処理ムラ)となり、その後ソフトエッチング処理により均一化しようとしても最終的に外観が不均一になる傾向がある。
この問題を解決する方法として、ニッケルめっきによるストッパー金属層を導体回路上のみに形成し、絶縁層表面には形成しないようにすることが考えられる。これによれば、回路間スペースが確保されるため、ストッパー金属層を剥離する必要がない。しかし、ストッパー金属層であるニッケルめっきは酸化が進むため、上述したとおり、ストッパー金属層上にめっきを形成しても、形成しためっきが剥れ易い性質がある。一方、バンプを含めたストッパー金属層の表面には、酸化や汚れを抑制して電子部品素子との接続性を維持するための保護金属層を形成する必要があり、この保護金属層としては、一般にニッケル/金めっきが用いられる。この場合、ストッパー金属層(酸化したニッケルめっき)の表面に形成した保護金属層(ニッケル/金めっき)の密着強度が十分でない可能性が考えられる。
特許文献5は、電気めっきによりめっきポスト(バンプ)を形成する方法であり、電気めっきの給電層を形成するため、めっきレジストの形成と剥離を二段階で行う必要があり、その分の工数が増加する問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、工数を低減するとともに、導体回路上のバンプの密着強度を確保することにより、信頼性を向上させたバンプ付き配線基板及びその製造方法を提供する。
本発明は以下を特徴とする。
(1) 絶縁基材と、この絶縁基材上に配置される導体回路と、この導体回路上に配置され、前記導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層と、前記導体回路間に設けられ、前記導体回路及びストッパー金属層から絶縁基材が露出する回路間スペースと、前記ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層で形成される凸形状のバンプと、を有し、前記バンプが、前記ストッパー金属層上の一部に配置され、前記ストッパー金属層が、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかを有するバンプ付き配線基板。
(2) 項1において、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有するバンプ付き配線基板。
(3) 項1又は2において、ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置されるスズ合金と、前記スズ合金上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するバンプ付き配線基板。
(4) 項1から3の何れかにおいて、バンプの下部の導体回路上に配置されるストッパー金属層と、前記バンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層とが、連続的に配置されるバンプ付き配線基板。
(5) 項1から4の何れかにおいて、バンプ上に、及びこのバンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層上に、保護金属層が配置されるバンプ付き配線基板。
(6) 項1から5の何れかにおいて、保護金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と前記下地上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するバンプ付き配線基板。
(7) 項1から6の何れかのバンプ付き配線基板の製造方法であって、絶縁基材上に導体回路を形成する工程(D)と、前記絶縁基材表面を除く導体回路上に、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかを有し、導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を形成する工程(F)と、前記ストッパー金属層上に、前記ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層を形成する工程(G)と、前記異種金属層を前記ストッパー金属層が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層上に前記異種金属層からなる凸形状のバンプを形成する工程(I)と、前記バンプ上に、及びこのバンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層上に、保護金属層を配置する工程(J)と、を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
(8)項7において、ストッパー金属層を形成する工程(F)では、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
(9) 項7又は8において、ストッパー金属層を形成する工程(F)では、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置されるスズ合金と、前記スズ合金上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
(10) 項7から9の何れかにおいて、絶縁基材上に導体回路を形成する工程(D)と、前記導体回路上に、導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を形成する工程(F)との間に、前記絶縁基材上及び導体回路上にソルダーレジストを形成する工程(E)を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
(11) 項7から10の何れかにおいて、異種金属層を前記ストッパー金属層が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層上に前記異種金属層からなる凸形状のバンプを形成する工程(I)では、エッチング液として、塩化銅エッチング液、塩化鉄エッチング液又は銅アンモニア錯イオン系エッチング液を用いるバンプ付き配線基板の製造方法。
本発明によれば、工数を低減するとともに、導体回路上のバンプの密着強度を確保することにより、信頼性を向上させたバンプ付き配線基板及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態のバンプ付き配線基板の概略断面図である。 本発明の一実施形態のバンプ付き配線基板の製造工程を表す概略断面図である。 本発明の一実施形態のバンプ付き配線基板の製造工程を表す概略断面図である。 本発明の一実施形態のバンプ付き配線基板の製造工程を表す概略断面図である。 比較例のバンプ付き配線基板の概略断面図である。
本発明のバンプ付き配線基板は、電子部品素子を搭載するための基板である。本発明において、電子部品素子とは、MEMS素子、IC素子、SAW素子、PA素子、LED素子、等をいう。電子部品素子を、搭載する用途であれば、特に限定はないが、例えば、電子部品素子としてLED素子等の発光素子を搭載したデバイスに用いられる発光素子を搭載するための配線基板として用いられるのが望ましい。
(バンプ付き配線基板)
本発明のバンプ付き配線基板の一実施形態としては、図1に示すように、絶縁基材3と、この絶縁基材3上に配置される導体回路6と、この導体回路6上に配置され、前記導体回路6のエッチングレジスト11となるストッパー金属層9と、前記導体回路6間に設けられ、前記絶縁基材3が導体回路6及びストッパー金属層9から露出する回路間スペース7と、前記ストッパー金属層9とはエッチング特性の異なる異種金属層で形成される凸形状のバンプ12と、を有し、前記バンプ12が、前記ストッパー金属層9上の一部に配置され、ストッパー金属層9が、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかを有するバンプ付き配線基板15である。
本実施の形態によれば、導体回路上に導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を備え、さらにストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層で形成される凸形状のバンプを有するので、凸形状のバンプをエッチングにより形成しても、エッチングレジストとなるストッパー金属層が導体回路をエッチング液から保護するので、異種金属層のみを選択的にエッチングすることが可能となる。この結果、ストッパー金属層と導体回路はエッチングにより除去されないので、簡易なエッチングプロセスによって、導体回路上のストッパー金属層上の一部に、凸形状のバンプを形成することが可能になる。
本実施の形態において、エッチング特性が異なるとは、エッチング液に対するエッチング速度が異なること又はエッチング可否が分かれることをいう。凸形状のバンプを形成する、ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層としては、銅又は銅合金が挙げられる。
また、導体回路間に設けられ、導体回路及びストッパー金属層から絶縁基材が露出する回路間スペースを有するので、導体回路間の絶縁性が確保されており、導体回路の回路としての機能が確保される。したがって、ストッパー金属層をエッチング等で除去する必要がなく、工数の低減を図ることができる。また、ストッパー金属層を剥離すると、剥離後の銅めっき表面(導体回路表面)が不均一(処理ムラ)となり、その後ソフトエッチング処理により均一化しようとしても最終的に外観が不均一になる傾向がある。しかし、ストッパー金属層をエッチング等で除去する必要がないので、このような問題を回避でき、高品質、高信頼性なバンプ付き配線基板を提供することが可能となる。
導体回路上に配置されるストッパー金属層が、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかを有するので、ストッパー金属層としてニッケルめっきを用いる場合に問題となるような、ニッケルの強固な酸化皮膜が形成するのを抑制することができる。また、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかの下地として、ニッケルめっきを形成する場合においても、下地のニッケルが強固な酸化皮膜が形成するのを、金、銀、パラジウム又はスズ合金が抑制する。このため、ストッパー金属層上に、ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層を形成しても、バンプとなる異種金属層とストッパー金属層との密着強度を確保することができ、信頼性を確保することができる。
本実施の形態において、ストッパー金属層とは、導体回路のエッチングレジストとなるものをいう。導体回路のエッチングレジストになるとは、エッチング液によってストッパー金属層及び導体回路がエッチングで除去されないようにすることをいう。つまり、ストッパー金属層の上に配置される異種金属層がエッチングにより除去されても、導体回路がストッパー金属層により保護される。また、ストッパー金属層とは、導体回路とはエッチング特性が異なり、導体回路のエッチングレジストとしての機能を有する金属層をいう。また、エッチング特性が異なるとは、エッチング液に対するエッチング速度が異なること、又はエッチング自体の可否が分かれることをいう。このようなストッパー金属層は、電気めっき、無電解めっき、蒸着、スパッタリング等により形成することができるが、導体回路間に絶縁基材が導体回路及びストッパー金属層から露出する回路間スペースを有するようにするには、例えば、導体回路上に電気めっきを行う方法、又は導体回路上に置換パラジウムめっきを行い、次に無電解めっきを行う方法が挙げられる。また、エッチング液としては、配線基板の製造において、一般に用いられるエッチング液を用いることができ、このようなものとして、塩化銅エッチング液や塩化鉄エッチング液といった酸性のエッチング液、銅アンモニア錯イオン系のアルカリ性のエッチング液が挙げられる。特には、ストッパー金属層への侵食がなく、バンプとなる異種金属層とストッパー金属層との密着強度を確実に確保できる点で、アルカリ性のエッチング液が望ましい。
ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有するのが好ましい。ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金の上に、スズ合金を配置したものであると、耐アルカリ性に加えて耐酸性が向上するので、ストッパー金属層の上に配置される異種金属層のエッチング液として、配線基板の製造において一般に用いられる塩化銅エッチング液や塩化鉄エッチング液といった酸性のエッチング液、及び銅アンモニア錯イオン系のアルカリ性のエッチング液の何れを用いた場合でも、ストッパー金属層が侵食され難く、導体回路のエッチングレジストとして優れる点でより好ましい。また、スズ合金としては、スズ−ニッケル合金が特に耐酸性に優れ、アルカリエッチング液よりも汎用性の高い塩化銅エッチング液や塩化鉄エッチング液といった酸性のエッチング液を用いることができる点で特に好ましい。スズ−ニッケル合金の厚さとしては、0.1〜0.5μmであるのが、上記耐酸性を確保するうえで好ましい。また、スズ−ニッケル合金の組成は、スズ55〜75質量%−ニッケル25〜45質量%であるのが、上記耐酸性を確保する点で好ましい。下地として、ニッケル若しくはニッケル合金を配置することにより、例えば、導体回路が銅の場合、銅が金等の保護金属層表面に拡散する問題を抑制できる。
ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置されるスズ合金と、前記スズ合金上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するのが、より好ましい。これにより、ストッパー金属層の上に配置される異種金属層のエッチング液として、配線基板の製造において一般に用いられる塩化銅エッチング液や塩化鉄エッチング液といった酸性のエッチング液、及び銅アンモニア錯イオン系のアルカリ性のエッチング液の何れを用いた場合でも、ストッパー金属層が、より侵食され難く、導体回路のエッチングレジストとして優れる。
バンプの下部の導体回路上に配置されるストッパー金属層と、バンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層とが、連続的に配置されるのが望ましい。これにより、バンプの下部及びバンプの下部以外の導体回路の全面に、めっき等を用いて、ストッパー金属層を一括形成することができるので、作業が容易になり、工数低減を図ることができる。
バンプ上、及びこのバンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層上に、保護金属層が配置されるのが望ましい。また、保護金属層が、金、又は、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と下地上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するのが望ましい。これにより、異種金属で形成されるバンプの酸化を抑制でき、バンプと電子部品素子との接合性を確実に維持できる。また、バンプの下部以外の導体回路上のストッパー金属層の酸化を抑制できる。
(バンプ付き配線基板の製造方法)
本発明のバンプ付き配線基板の製造方法の一実施形態としては、図2〜4に示すように、上記のバンプ付き配線基板15の製造方法であって、絶縁基材3上に導体回路6を形成する工程(D)と、前記絶縁基材3表面を除く導体回路6上に、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかを有し、導体回路6のエッチングレジストとなるストッパー金属層9を形成する工程(F)と、前記ストッパー金属層9上に、前記ストッパー金属層9とはエッチング特性の異なる異種金属層16を形成する工程(G)と、前記異種金属層16を前記ストッパー金属層9が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層9上に前記異種金属層16からなる凸形状のバンプ12を形成する工程(I)と、前記バンプ12上に、及びこのバンプ12の下部以外の導体回路6上に配置されるストッパー金属層9上に、保護金属層13を配置する工程(J)と、を有するバンプ付き配線基板15の製造方法が挙げられる。
ストッパー金属層を形成する工程(F)では、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有するのが好ましい。下地として、ニッケル若しくはニッケル合金を配置することにより、例えば、導体回路が銅の場合、銅が金等の保護金属層表面に拡散する問題を抑制できる。
ストッパー金属層を形成する工程(F)では、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置されるスズ合金と、前記スズ合金上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するのが好ましい。スズ合金により、耐酸性が向上するので、ストッパー金属層の上に配置される異種金属層のエッチング液として、配線基板の製造において、一般に用いられる、塩化銅エッチング液や塩化鉄エッチング液といった酸性のエッチング液、銅アンモニア錯イオン系のアルカリ性のエッチング液の何れを用いた場合でも、ストッパー金属層が、より侵食され難く、導体回路のエッチングレジストとして優れる。
本実施の形態のバンプ付き配線基板の製造方法によれば、絶縁基材表面を除く導体回路上に、下地となるニッケル又はニッケル合金と、前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有し、導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を形成する工程(F)により、ストッパー金属層が絶縁基材表面を除く導体回路上に形成され、絶縁基材表面には形成されないので、導体回路間が絶縁性を有しており、導体回路としての機能を保っている。このため、ストッパー金属層をエッチング等で除去する工程が不要となり、工数低減を図ることができる。また、下地となるニッケル又はニッケル合金と、前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有するので、ニッケル又はニッケル合金の強固な酸化皮膜が形成するのを、金、銀、パラジウム又はスズ合金が抑制する。このため、ストッパー金属層上に、ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層を形成しても、バンプとなる異種金属層とストッパー金属層との密着強度を確保することができ、信頼性を確保することができる。
図2に示すように、絶縁基材3上に導体回路6を形成する工程(D)では、絶縁基材3として、配線基板の製造において一般に用いられる材料を用いることができる。このような絶縁基材3として、例えば、ガラスエポキシ、ガラスポリイミドが挙げられる。また、導体回路6として、例えば、銅箔や銅めっきが挙げられる。
図3に示すように、絶縁基材3の表面を除く導体回路6上に、導体回路6のエッチングレジストとなるストッパー金属層9を形成する工程(F)では、例えば、導体回路6上に電気めっきを行う方法、又は導体回路6上に置換パラジウムめっきを行い、次に無電解めっきを行う方法、又は絶縁基材3の表面にめっきレジストを形成し、全面に無電解めっきを行う方法により、絶縁基材3の表面を除く導体回路6上にストッパー金属層9を形成することができる。
図3に示すように、ストッパー金属層9上に、前記ストッパー金属層9とはエッチング特性の異なる異種金属層16を形成する工程(G)では、異種金属層16は、電気めっき、無電解めっき等により形成することができる。
図4に示すように、異種金属層16を前記ストッパー金属層9が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層9上に前記異種金属層16からなる凸形状のバンプ12を形成する工程(I)では、エッチング液としては、配線基板の製造において、一般に用いられるエッチング液を用いることができ、このようなものとして、塩化銅エッチング液や塩化鉄エッチング液といった酸性のエッチング液、銅アンモニア錯イオンを主成分とするアルカリ性のエッチング液が挙げられる。特には、ストッパー金属層9への侵食がなく、バンプ12となる異種金属層16とストッパー金属層9との密着強度を確実に確保できる点で、銅アンモニア錯イオン系のアルカリ性エッチング液が望ましい。
図4に示すように、バンプ12上及びこのバンプ12の下部以外の導体回路6上に配置されるストッパー金属層9上に、保護金属層13を配置する工程(J)では、保護金属層13として、金、又は、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と下地上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するのが望ましい。これらの保護金属層13は、ストッパー金属層9上に電気めっき、無電解めっき、置換めっき等により形成することができる。
絶縁基材上に導体回路を形成する工程(D)と、前記導体回路上に、導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を形成する工程(F)との間に、前記絶縁基材上及び導体回路上にソルダーレジストを形成する工程(E)を有するのが望ましい。これにより、導体回路上のストッパー金属層が不要な領域にストッパー金属層が形成されないようにすることができるので、材料コストを低減することが可能になる。
異種金属層を前記ストッパー層が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層上に前記異種金属層からなる凸形状のバンプを形成する工程(I)では、エッチング液として、アルカリエッチング液を用いるのが望ましい。これにより、ストッパー金属層がエッチング液によって侵食されるのを防止することができ、導体回路とストッパー金属層とバンプとなる異種金属との密着強度の確保がより確実になる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
図2(A)に示すように、絶縁基材3の両面に、厚さ18μmの銅箔2を張り合わせた、公称厚さ0.1mm、長さ500mm、幅400mmのガラスエポキシ製の両面銅張積層板1である、MCL−E−679FG(日立化成株式会社製、商品名、「MCL」は登録商標。)を準備した。
図2(B)に示すように、この両面銅張積層板1に、ドリル加工で層間接続穴4である貫通穴を形成し、過マンガン酸カリウム処理によるスミア除去を施した。
図2(C)に示すように、厚さ約1μmの無電解銅めっきを施し、さらにこの無電解銅めっきを給電層として、厚さ約10μmの電気銅めっきを行い、第1のパネルめっき5を形成した。
第1のパネルめっき5の表面に、ドライフィルムSL1329(日立化成株式会社製、商品名)をラミネータで仮圧着し、フィルム状のフォトマスクマスクを貼り合わせて露光量13mJ/cmの紫外線で両面に、導体回路6のパターンを焼付け、0.9質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像してエッチングレジストを形成した。図2(D)に示すように、エッチングレジストのない部分の第1のパネルめっき5を塩化銅エッチング液でエッチング除去して、絶縁基材3上に導体回路6及び回路間スペース7を有する配線基板14を形成した。
図3(E)に示すように、導体回路6及び絶縁基材3の表面を覆うように、ソルダーレジスト8を形成した。ソルダーレジスト14として、PSR4000 AUS308(太陽インキ製造株式会社製、商品名)を使用した。
図3(F)に示すように、絶縁基材3表面を除く導体回路6上に、導体回路6のエッチングレジストとなるストッパー金属層9を形成した。ストッパー金属層9は、導体回路6上に、先ず下地となる約5μmの厚さの電気ニッケルめっきを行い、続けて、この下地上に約0.01μmの厚さの電気金めっきを行うことにより形成した。
図3(G)に示すように、ストッパー金属層9上に、ストッパー金属層9とはエッチング特性の異なる異種金属層16として、第2のパネルめっき10を形成した。第2のパネルめっき10は、先ず、ストッパー金属層9上を含む配線基板14の全面に、厚さ約1μmの無電解銅めっきを施し、さらにこの無電解銅めっきを給電層として、厚さ約10μmの電気銅めっきを行って形成した。
図4(H)に示すように、配線基板14の全面に形成した第2のパネルめっき10のバンプ12形成予定位置に対応するようにエッチングレジスト11を形成した。エッチングレジスト11は、第2のパネルめっき10の表面に、ドライフィルムSL1329(日立化成株式会社製、商品名)をラミネータで仮圧着し、フィルム状のフォトマスクマスクを貼り合わせて露光量13mJ/cmの紫外線で両面に、導体回路6のパターンを焼付け、0.9質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像して形成した。
図4(I)に示すように、異種金属層16である第2のパネルめっき10を、ストッパー金属層9の表面が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層9上に異種金属層16からなる凸形状のバンプ12を形成した。第2のパネルめっき10のエッチングは、アルカリエッチング液であるエープロセス(メルテックス株式会社製、商品名)を用いて行った。
図4(J)に示すように、バンプ12上及びこのバンプ12の下部以外の導体回路6上に配置されるストッパー金属層9上に、保護金属層13を形成した。保護金属層13の形成は、導体回路6上に、先ず下地となる約5μmの厚さの電気ニッケルめっきを行い、続けて、この下地上に約0.05μmの厚さの電気金めっきを行うことにより形成した。以上により、バンプ付き配線基板15を形成した。
(実施例2)
先ず、実施例1と同様にして、図2(A)〜図3(E)までの工程を行った。
次に、図3(F)に示すように、絶縁基材3表面を除く導体回路6上に、導体回路6のエッチングレジストとなるストッパー金属層9を形成した。ストッパー金属層9は、導体回路6上に、先ず下地となる約5μmの厚さの電気ニッケルめっきを行い、続けて、この下地上に、0.1〜0.5μmの電気スズ−ニッケル合金めっきを行うことにより形成した。電気スズ−ニッケル合金めっきの条件及びめっき液組成は以下のとおりである。得られたスズ−ニッケル合金めっきの化学組成は、Sn65質量%−Ni35質量%であった。
<めっき液組成>
・塩化第一スズ(SnCl・2HO):1〜5質量%
・塩化ニッケル(NiCl・6HO):5質量%
・エチレンジアミン(NHCHCHNH):1質量%以下
・アンモニア水(NHOH):1〜3質量%
・錯化剤
<めっき条件>
・温度:45℃
・電流密度:0.5A/dm2
次に、実施例1と同様にして、図3(G)〜図4(H)までの工程を行った。
次に、図4(I)に示すように、異種金属層16である第2のパネルめっき10を、ストッパー金属層9の表面が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層9上に異種金属層16からなる凸形状のバンプ12を形成した。第2のパネルめっき10のエッチングは、配線基板の製造において、一般に用いられる、塩化銅エッチング液を用いて行った。
次に、実施例1と同様にして、図4(J)の保護金属層13を形成し、バンプ付き配線基板15を形成した。
(実施例3)
先ず、実施例1と同様にして、図2(A)〜図3(E)までの工程を行った。
次に、図3(F)に示すように、絶縁基材3表面を除く導体回路6上に、導体回路6のエッチングレジストとなるストッパー金属層9を形成した。ストッパー金属層9は、導体回路6上に、先ず下地となる約5μmの厚さの電気ニッケルめっきを行い、続けて、この下地上に、実施例2と同様にして0.1〜0.5μmの電気スズ−ニッケル合金めっきを行い、さらに続けてこの電気スズ−ニッケル合金めっきの上に、約0.01〜0.05μmの厚さの電気金めっきを行うことにより形成した。
次に、実施例1と同様にして、図3(G)〜図4(H)までの工程を行った。
次に、図4(I)に示すように、異種金属層16である第2のパネルめっき10を、ストッパー金属層9の表面が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層9上に異種金属層16からなる凸形状のバンプ12を形成した。第2のパネルめっき10のエッチングは、配線基板の製造において、一般に用いられる、塩化銅エッチング液を用いて行った。
次に、実施例1と同様にして、図4(J)の保護金属層13を形成し、バンプ付き配線基板15を形成した。
(比較例)
先ず、実施例1と同様にして、図2(A)〜図3(E)までの工程を行った。
次に、図3(F)において、導体回路6上のエッチングレジストとなるストッパー金属層9を形成する際に、絶縁基材3表面及び導体回路6を含む配線基板14の全面に、厚さ約1μmの無電解銅めっきを施し、さらにこの無電解銅めっきを給電層(図示しない。)として、厚さ約5μmの電気ニッケルめっきを行うことで、導体回路6のエッチングレジストとなるストッパー金属層9(図示とは異なる。)を形成した。
次に、実施例1と同様にして、図3(G)、図4(H)、図4(I)の工程を行った。
次に、図4(J)の工程の前に、バンプ12上にエッチングレジストを形成し、絶縁基材3表面上に形成したストッパー金属層9と給電層、及び、バンプ12下部以外の導体回路6上に形成したストッパー金属層9と給電層を、エッチングにより除去し、絶縁基材3及び導体回路6の表面をストッパー金属層9と給電層から露出させた。
次に、図5に示すように、実施例1と同様にして、保護金属層13を形成し、比較例のバンプ付き配線基板15を形成した。
(工程数の比較)
実施例1、2、3のバンプ付き配線基板は、ストッパー金属層を剥離する必要がないので、その分、比較例のバンプ付き配線基板に比べて工程数が少なく、工数低減を図ることができた。
(バンプの密着強度試験)
バンプの密着強度試験は、クロスカット後テープピール試験(JIS−K5600に規定されるクロスカット試験)にて行った。
実施例1のバンプ(サンプル数:10個)の密着強度の試験結果を表1に、実施例2のバンプ(サンプル数:10個)の密着強度の試験結果を表2に、実施例3のバンプ(サンプル数:10個)の密着強度の試験結果を表3に示す。表中の剥れモードは、「回路/ニッケル間」が、導体回路とニッケルめっきとの間での剥れであることを、「ニッケル/金間」が、ニッケルめっきと金めっきとの間での剥れであることを、「金/バンプ間」が、金めっきとバンプとの間での剥れであることを、「バンプ破壊」が、上記の何れでも剥れず、バンプ自体の破壊であることを、「ニッケル/スズ合金間」が、ニッケルめっきとスズ合金めっきとの間の剥れであることを、「スズ合金/バンプ間」が、スズ合金めっきとバンプとの間の剥れであることを、「ニッケル/スズ合金又はスズ合金/金」が、ニッケルめっきとスズ合金めっきとの間又はスズ合金めっきと金めっきとの間の剥れであることを示す。また、表中には、剥れモードを解析した結果を「なし」又は「剥れ」で示しており、例えば、表1のサンプル1の剥れモードは、何れの剥れモードでも剥れがないことを示す。実施例1〜3は、何れの剥れモードでも剥れがないことから、一般的高信頼性電子部品と同等であり、高信頼性であることを検証できた。また、特に、ストッパー金属層として、スズ合金めっきを用いた実施例1及び2では、酸性のエッチング液を用いているにも関わらず、何れの剥れモードでも剥れがなく、耐酸性が優れることが検証できた。
Figure 0006543887
Figure 0006543887
Figure 0006543887
比較例のバンプ(サンプル数:10個)の密着強度の試験結果を表4に示す。表中の剥れモードは、「回路/ニッケル間」が、導体回路とニッケルめっきとの間での剥れであることを、「ニッケル/バンプ間」が、ニッケルめっきとバンプとの間での剥れであることを、「バンプ破壊」が、上記の何れでも剥れず、バンプ自体の破壊であることを示す。また、表中には、剥れモードを解析した結果を「なし」又は「剥れ」で示しており、例えば、サンプル1の剥れモードは、「ニッケル/バンプ間」での剥れが発生したことを示す。比較例は、「ニッケル/バンプ間」での剥れモードで剥れを生じたものがあり、ニッケルめっきとバンプとの間の密着強度が低いことがわかった。
Figure 0006543887
1.金属箔張り積層板又は銅張積層板
2.金属箔又は銅箔
3.絶縁基材
4.層間接続穴
5.第1パネルめっき
6.導体回路
7.回路間スペース
8.ソルダーレジスト
9.ストッパー金属層
10.第2パネルめっき
11.エッチングレジスト
12.バンプ
13.保護金属層
14.配線基板
15.バンプ付き配線基板
16.異種金属層

Claims (9)

  1. 絶縁基材と、
    この絶縁基材上に配置される導体回路と、
    この導体回路上に配置され、前記導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層と、
    前記導体回路間に設けられ、前記導体回路及びストッパー金属層から絶縁基材が露出する回路間スペースと、
    前記ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層で形成される凸形状のバンプと、を有し、
    前記絶縁基材を貫通する層間接続穴の内壁に前記導体回路及び前記ストッパー金属層が配置されており、
    前記バンプが、前記ストッパー金属層上の一部に配置され、
    前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置されるスズ−ニッケル合金と、を有し、
    前記スズ−ニッケル合金の厚さが0.1〜0.5μmであるバンプ付き配線基板。
  2. 請求項1において、バンプの下部の導体回路上に配置されるストッパー金属層と、前記バンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層とが、連続的に配置されるバンプ付き配線基板。
  3. 請求項1又は2において、バンプ上に、及びこのバンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層上に、保護金属層が配置されるバンプ付き配線基板。
  4. 請求項において、保護金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するバンプ付き配線基板。
  5. 請求項1からの何れかのバンプ付き配線基板の製造方法であって、
    絶縁基材上に導体回路を形成する工程(D)と、
    前記絶縁基材表面を除く導体回路上に、金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかを有し、導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を形成する工程(F)と、
    前記ストッパー金属層上に、前記ストッパー金属層とはエッチング特性の異なる異種金属層を形成する工程(G)と、
    前記異種金属層を前記ストッパー金属層が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層上に前記異種金属層からなる凸形状のバンプを形成する工程(I)と、
    前記バンプ上に、及びこのバンプの下部以外の導体回路上に配置されるストッパー金属層上に、保護金属層を配置する工程(J)と、を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
  6. 請求項において、ストッパー金属層を形成する工程(F)では、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置される金、銀、パラジウム又はスズ合金の何れかと、を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
  7. 請求項又はにおいて、ストッパー金属層を形成する工程(F)では、前記ストッパー金属層が、下地となるニッケル若しくはニッケル合金と、前記下地上に配置されるスズ合金と、前記スズ合金上に配置される金、銀又はパラジウムの何れかと、を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
  8. 請求項からの何れかにおいて、絶縁基材上に導体回路を形成する工程(D)と、前記導体回路上に、導体回路のエッチングレジストとなるストッパー金属層を形成する工程(F)との間に、前記絶縁基材上及び導体回路上にソルダーレジストを形成する工程(E)を有するバンプ付き配線基板の製造方法。
  9. 請求項からの何れかにおいて、異種金属層を前記ストッパー金属層が現われるまで選択的にエッチングして、ストッパー金属層上に前記異種金属層からなる凸形状のバンプを形成する工程(I)では、エッチング液として、塩化銅エッチング液、塩化鉄エッチング液又は銅アンモニア錯イオン系エッチング液を用いるバンプ付き配線基板の製造方法。
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