JP6543377B1 - X線発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電の発生を抑制できるX線発生装置を提供する。【解決手段】X線発生装置1は、X線管3と、X線管収容部4と、X線管3に電圧を供給する内部基板52を絶縁ブロック51内に封止してなる電源部5と、を備える。絶縁ブロック51の上面51eとX線管収容部4の内面4aとによって、充填空間S3が画成されている。絶縁ブロック51の側面51bに形成された外部に開口する凹部51cと、凹部51cの開口を封止する封止部材53と、によって、充填空間S4が画成されている。絶縁ブロック51には、充填空間S3と充填空間S4とを連通させる連通孔51dが設けられている。充填空間S3及び充填空間S4には、絶縁オイル45が封入されている。凹部51cの深さdは、凹部51cの深さ方向に直交する長手方向における凹部51cの幅w1よりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明の一側面は、X線発生装置に関する。
従来、X線管を備えるX線発生装置において、電源部を封止した絶縁ブロックに、X線管を絶縁オイルと共に収容するX線管収容部を固定した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構造により、X線管に対する絶縁特性と放熱特性とを両立することができ、安定性の高いX線発生装置を得ることができる。
特開2004−213974号公報
上記X線発生装置においては、さらなる安定性の向上が望まれている。そのためには、絶縁オイルの絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成を設けることが好ましい。しかし、そのような構成をX線管に面するようにX線管収容部内に設けた構造では、当該構成に起因してX線管収容部内の電界に乱れが生じ、当該電界の乱れに起因して放電が生じるおそれがある。一方、当該構成を絶縁ブロック側に設けることも考えられるが、絶縁ブロックには電源部が封止されているため、その点を考慮しないと電源部との間に放電が生じるおそれがある。
そこで、本発明の一側面は、放電の発生を抑制できるX線発生装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るX線発生装置は、X線を発生させるX線管と、X線管の管軸方向から見てX線管の少なくとも一部を包囲するように、X線管の少なくとも一部を収容するX線管収容部と、管軸方向に沿ってX線管に対向する位置に配置され、X線管に電圧を供給する高電圧発生回路を絶縁性材料からなる固体の絶縁ブロック内に封止してなる電源部と、を備え、X線管に面する絶縁ブロックの第1面とX線管収容部の内面とによって、第1空間が画成されており、第1面とは異なる絶縁ブロックの第2面に形成された外部に開口する凹部と、凹部の開口を封止する封止部材と、によって、第2空間が画成されており、絶縁ブロックには、第1空間と第2空間とを連通させる連通部が設けられており、第1空間及び第2空間には、絶縁性の液体が封入されており、凹部の深さは、凹部の深さ方向に直交する長手方向における凹部の幅よりも小さい。
本発明の一側面に係るX線発生装置では、絶縁ブロックが、第1空間を画成する第1面とは異なる第2面に形成された外部に開口する凹部によって画成された第2空間を備え、当該第2空間が連通部を介して第1空間と連通している。これにより、絶縁性の液体が封入(充填)されている空間が、X線管収容部とは面しない領域で開口している。よって、当該開口部において、絶縁性の液体の絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成を配置することで、当該構成によってX線管収容部内の電界に乱れが生じることを抑制し、当該電界の乱れに起因した放電を抑制できる。
また、第1空間及び第2空間に充填された絶縁性の液体は、直接X線管に接触するため、高温にさらされる。このような原因によって、当該絶縁性の液体は、固体の絶縁ブロックと比較して絶縁性が劣化しやすい。このように絶縁性が劣化しやすい液体が充填された凹部内の空間(第2空間)と高電圧発生回路との距離が小さいと、高電圧発生回路により発生させられる高電圧に対して、絶縁ブロックにおける第2空間側への耐電圧特性が低下し、第2空間側に向かって放電が発生するおそれが高くなる。一方、上記X線発生装置では、凹部の深さは、凹部の長手方向における幅よりも小さい。すなわち、凹部の形状は、平たい形状となっている。これにより、絶縁ブロック内に封止された高電圧発生回路と第2空間との距離をなるべく大きくとることができる。すなわち、高電圧発生回路と第2空間との間に介在する固体の絶縁ブロックの厚みをなるべく大きくすることができる。その結果、上述したような放電の発生も効果的に抑制できる。
連通部は、第1面及び凹部に開口するように絶縁ブロックの内部に形成された連通孔であってもよい。この構成によれば、絶縁ブロック内に気密性の高い連通構造を構成することができる。
絶縁ブロックの第1面には、X線管と電源部とが電気的に接続される接続部が配置されると共に、絶縁性材料からなり、管軸方向から見て接続部を包囲するように管軸方向に突出した凸状部が形成されており、第1面側の連通部の開口は、管軸方向から見て凸状部の外側に設けられていてもよい。この場合、凸状部によって、放電の起点となり易い接続部から、電界の乱れの原因となり得る第1面側の連通部の開口を隔離することができる。その結果、当該開口における放電の発生を効果的に抑制できる。
凹部の開口面は、矩形形状を有しており、凹部の深さは、開口面のいずれの辺の長さよりも小さくてもよい。この構成では、開口面の面積をなるべく大きくすることにより、凹部の深さをなるべく小さくしつつ、第2空間に求められる体積を確保することができる。
封止部材は、第1空間及び第2空間に封入された絶縁性の液体の体積変化に応じて変形可能な部材であってもよい。この構成によれば、絶縁性の液体の温度変化により生じた体積変化を、封止部材によって吸収することができる。これにより、X線管が収容される第1空間内の内圧の変化を抑制できる。
第2空間には、絶縁性の液体を冷却するための冷却部が配置されていてもよい。この構成によれば、X線管等からの熱を吸収して高温になった絶縁性の液体を冷却部によって効率良く冷却することができる。
第2空間には、絶縁性の液体を加熱するための加熱部が配置されていてもよい。この構成によれば、X線発生装置の起動時等、X線管の動作安定化のために絶縁性の液体の温度を一定温度まで上昇させたい場合等において、絶縁性の液体を加熱部によって効率良く加熱することができる。
第2空間には、絶縁性の液体の温度を測定するセンサが配置されていてもよい。この構成によれば、センサによって絶縁性の液体の温度を測定できるため、絶縁性の液体の温度管理が容易となる。
絶縁ブロックの第1面とは異なる面には、外部に開口する凹部とは異なる第2凹部が形成されており、絶縁ブロックには、第2凹部により画成された空間と第1空間とを連通させる第2連通部が設けられており、封止部材は、凹部の開口を封止すると共に第2凹部の開口を封止し、凹部及び第2凹部の一方から吸い込んだ絶縁性の液体を凹部及び第2凹部の他方に対して吐き出すように構成された循環ポンプであってもよい。この構成によれば、循環ポンプと第1空間との間で絶縁性の液体を循環させることができるため、第1空間内で絶縁性の液体の対流を発生させてX線管の冷却効率を向上させることができる。また、循環ポンプにおいて絶縁性の液体の冷却又は加熱を行うことにより、第1空間内の絶縁性の液体の温度を一定に保つように制御することが容易となる。
本発明の一側面によれば、放電の発生を抑制できるX線発生装置を提供することができるX線発生装置を提供することができる。
一実施形態のX線発生装置の外観を示す斜視図である。 図1におけるII-II線に沿った断面図である。 X線管の構成を示す断面図である。 連通孔に沿ったYZ平面における絶縁ブロックの断面図である。 連通孔の変形例を示す図である。 絶縁ブロックに形成された凹部の変形例を示す図である。 X線発生装置の変形例を示す図である。 X線発生装置の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、「上」、「下」等の所定の方向を示す語は、図面に示される状態に基づいており、便宜的なものである。
図1は、本発明の一実施形態に係るX線発生装置の外観を示す斜視図である。図2は、図1におけるII-II線に沿った断面図である。図1及び図2に示されるX線発生装置1は、例えば、被検体の内部構造を観察するX線非破壊検査に用いられる微小焦点X線源である。X線発生装置1は、筐体2を有する。筐体2の内部には、主に、X線を発生させるX線管3と、X線管3に電力を供給する電源部5とが収容されている。筐体2は、X線管3の一部を収容するX線管収容部4と、収容部21とを有する。
収容部21は、主に電源部5を収容する部分である。収容部21は、底壁部211と、上壁部212と、側壁部213とを有する。底壁部211及び上壁部212は、それぞれ略正方形状を有する。底壁部211の縁部と上壁部212の縁部とは、4つの側壁部213を介して連結されている。これにより、収容部21は、略直方体状に形成されている。なお、本実施形態では便宜的に、底壁部211と上壁部212とが互いに対向する方向をZ方向とし、底壁部211側を下方、上壁部212側を上方と定義する。また、Z方向に直交し、互いに対向する側壁部213同士が対向する方向をX方向及びY方向とする。Z方向から見た上壁部212の中央部には、円形の貫通孔である開口部212aが設けられている。
底壁部211と上壁部212との間には、底壁部211及び上壁部212のいずれからも離間した位置に中間壁部214が設けられている。このような中間壁部214によって、収容部21の内部には、上壁部212と側壁部213と中間壁部214とに囲まれた第1収容空間S1と、底壁部211と側壁部213と中間壁部214とに囲まれた第2収容空間S2とが画成されている。第1収容空間S1において、中間壁部214の上面214aには、電源部5が固定されている。第2収容空間S2において、中間壁部214の下面214bには、制御回路基板7が取り付けられている。制御回路基板7上には、図示しない各種電子部品によってX線発生装置1の各部(例えば、電源部5、後述する送風ファン9、及び後述する電子銃11等)の動作を制御するための制御回路が構成されている。
X線管収容部4は、高い熱伝導率を有する(放熱性が高い)金属により形成されている。X線管収容部4の材料としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、及びそれらを含む合金等が挙げられる。本実施形態では、X線管収容部4の材料はアルミニウム(又はその合金)である。X線管収容部4は、X線管3の管軸方向(Z方向)における両端に開口を有する筒状をなしている。X線管収容部4の管軸は、X線管3の管軸AXと一致している。X線管収容部4は、保持部41と、円筒部42と、フランジ部43とを有する。保持部41は、図示しない固定部材を用いて、X線管3をフランジ部311において保持する部分であり、X線管3と共にX線管収容部4の上部開口を気密に封止している。円筒部42は、保持部41の下端に接続され、Z方向に沿って延びる壁面を備えた円筒状に形成された部分である。フランジ部43は、円筒部42の端部に接続され、Z方向から見て外側に延びる部分である。フランジ部43は、Z方向から見て、上壁部212の開口部212aを包囲する位置において、上壁部212の上面212eに対して気密に固定されている。本実施形態では、フランジ部43は、上壁部212の上面212eに熱的に接続(熱伝導可能に接触)している。X線管収容部4の内部には、電気絶縁性の液体である絶縁オイル45が気密に封入(充填)されている。
電源部5は、X線管3に数kV〜数百kV程度の電力を供給する部分である。電源部5は、固体のエポキシ樹脂からなる電気絶縁性の絶縁ブロック51と、絶縁ブロック51内にモールドされた高電圧発生回路を含む内部基板52とを有する。絶縁ブロック51は、略直方体状をなしている。絶縁ブロック51の側面51bには、外部に開口した略直方体状の空間を形成する凹部51cが設けられている。絶縁ブロック51の上面中央部は、上壁部212の開口部212aを貫通し、突出している。一方、絶縁ブロック51の上面縁部51aは、上壁部212の下面212fに対して気密に固定されている。絶縁ブロック51の上面中央部には、内部基板52に電気的に接続された円筒状のソケットを含む高圧給電部54が配置されている。電源部5は、高圧給電部54を介してX線管3に電気的に接続されている。
開口部212aに挿通された絶縁ブロック51の突出部分(すなわち、上面中央部)の外径は、開口部212aの内径と同じか僅かに小さくされている。また、絶縁ブロック51の上面縁部51aには、凹部51cに向かって延びる貫通孔である連通孔51dが形成されている。X線管収容部4の内部空間(X線管収容部4、X線管3及び絶縁ブロック51に囲まれた空間であり、絶縁オイル45が封入された空間)である充填空間S3は、連通孔51dを介して凹部51cと連通している。これにより、X線管収容部4にX線管3を固定してX線管収容部4の上部開口を塞いだ後に、絶縁ブロック51の凹部51cからX線管収容部4の内部空間(充填空間S3)に絶縁オイル45を注入することも可能となっている。凹部51cの開口は、X線管収容部4の内部空間(充填空間S3)、連通孔51d及び凹部51c内に絶縁オイル45が充填された状態で、封止部材53によって封止されている。封止部材53は、例えば弾性変形可能な絶縁性材料からなる蓋材であり、ダイヤフラムとして機能する。このような封止部材53によれば、充填された絶縁オイル45の温度変化により生じた体積変化を吸収し、X線管収容部4の内部空間(充填空間S3)における内圧の変動を抑制できる。
本実施形態では、X方向に互いに対向する側壁部213A,213Bの各々に、通風孔部Aが設けられている。通風孔部Aには、第1収容空間S1と外部とを連通させる複数の通風孔213aが設けられている。一方の側壁部213Aの内側には、送風ファン9が設けられている。送風ファン9は、筐体2内に形成された空間構成を利用することにより、電源部5及び制御回路基板7等の各部を効率的に冷却する。
具体的には、送風ファン9は、側壁部213Aに設けられた通風孔部Aから外気を取り込むことにより冷却気体を発生させ、当該冷却気体を第1収容空間S1のうち側壁部213Aと電源部5との間の空間S11に送風する。空間S11内に送風された冷却気体により、電源部5が冷却される。なお、Y方向に対向する電源部5の側面と収容部21の側壁部213との間には、隙間が設けられていてもよいし、隙間が設けられていなくてもよい。隙間が設けられている場合には、当該隙間を通過する冷却気体(すなわち、空間S11から当該隙間を介して空間S12へと流通する冷却気体)により、電源部5をより効果的に冷却することができる。
中間壁部214には、空間S11と第2収容空間S2とを連通させる開口部214cと、空間S12と第2収容空間S2とを連通させる開口部214dとが形成されている。これにより、空間S11内を流通する冷却気体の一部は、中間壁部214の開口部214cを介して第2収容空間S2に流入する。第2収容空間S2に流入した冷却気体により、制御回路基板7が冷却される。そして、当該冷却気体は、中間壁部214の開口部214dを介して、再度第1収容空間S1(空間S12)に流入し、側壁部213Bに形成された通風孔部Aから外部に排出される。また、当該冷却気体は、空間S12を通過する際、封止部材53の表面上を通過するため、封止部材53を介した絶縁オイル45の冷却を行うこともできる。
次に、X線管3の構成について説明する。図3に示されるように、X線管3は、いわゆる反射型X線管と呼ばれるものである。X線管3は、内部を真空に保持する真空外囲器としての真空筐体10と、電子発生ユニットとしての電子銃11と、ターゲットTとを備えている。電子銃11は、例えば、高融点金属材料等からなる基体に易電子放射物質を含浸させたカソードCを有する。また、ターゲットTは、例えば、タングステン等の高融点金属材料からなる板状部材である。ターゲットTの中心は、X線管3の管軸AX上に位置している。電子銃11及びターゲットTは、真空筐体10の内部に収容されており、電子銃11から出射された電子がターゲットTに入射するとX線が発生する。X線はターゲットTを基点に放射状に発生する。X線出射窓33a側に向かうX線の成分のうち、X線出射窓33aを介して外部に取り出されたX線が、求められるX線として利用される。
真空筐体10は、主として、絶縁性材料(例えばガラス)により形成された絶縁バルブ12と、X線出射窓33aを有する金属部13とから構成されている。金属部13は、陽極となるターゲットTが収容される本体部31と、陰極となる電子銃11が収容される電子銃収容部32とを有する。
本体部31は、筒状に形成されており、内部空間Sを有している。本体部31の一端部(外側端部)には、X線出射窓33aを有する蓋板33が固定されている。X線出射窓33aの材料は、X線透過材料であって、例えばベリリウムやアルミニウム等である。蓋板33によって、内部空間Sの一端側が閉鎖されている。本体部31は、フランジ部311と、円筒部312とを有する。フランジ部311は、本体部31の外周に設けられており、上述したX線管収容部4の保持部41に固定される部分である。円筒部312は、本体部31の一端部側において円筒状に形成された部分である。
電子銃収容部32は、円筒状に形成されており、本体部31の一端部側の側部に固定されている。本体部31の中心軸線(すなわち、X線管3の管軸AX)と電子銃収容部32の中心軸線とは、略直交している。電子銃収容部32の内部は、電子銃収容部32の本体部31側の端部に設けられた開口32aを介して、本体部31の内部空間Sと連通している。
電子銃11は、カソードCと、ヒータ111と、第1グリッド電極112と、第2グリッド電極113とを備えており、各構成の協働によって発生する電子ビームの径を小さくすること(微小焦点化)ができる。カソードC、ヒータ111、第1グリッド電極112及び第2グリッド電極113は、それぞれ平行に延びる複数の給電ピン114を介して、ステム基板115に取り付けられている。カソードC、ヒータ111、第1グリッド電極112及び第2グリッド電極113は、それぞれに対応する給電ピン114を介して外部から給電される。
絶縁バルブ12は、略筒状に形成されている。絶縁バルブ12の一端側は、本体部31に接続されている。絶縁バルブ12は、その他端側において、ターゲットTが先端に固定されたターゲット支持部60を保持している。ターゲット支持部60は、例えば銅材等により円柱状に形成されており、Z方向に延在している。ターゲット支持部60の先端側には、絶縁バルブ12側から本体部31側に向かうにつれて電子銃11から遠ざかるように傾斜する傾斜面60aが形成されている。ターゲットTは、傾斜面60aと面一になるように、ターゲット支持部60の端部に埋設されている。
ターゲット支持部60の基端部60bは、絶縁バルブ12の下端部よりも外側に突出しており、電源部5の高圧給電部54(図2参照)に接続されている。本実施形態では、真空筐体10(金属部13)が接地電位とされており、高圧給電部54においてターゲット支持部60にプラスの高電圧が供給される。ただし、電圧印加形態は、上記例に限られない。
次に、図2及び図4を参照して、絶縁オイル45が封入された空間について詳細に説明する。図2に示されるように、X線管3に面する絶縁ブロック51の上面51e(第1面)とX線管収容部4の内面4aとによって、絶縁オイル45が封入されると共にX線管3の一部を包囲する充填空間S3(第1空間)が画成されている。上面51eは、上述した上面中央部及び上面縁部51aを含む面である。また、上面51eとは異なる絶縁ブロック51の面である側面51b(第2面)に形成された外部に開口する凹部51cと、凹部51cの開口を封止する封止部材53とによって、絶縁オイル45が封入された充填空間S4(第2空間)が画成されている。なお、本実施形態では、封止部材53は、封止部材53の縁部と凹部51cの開口縁部との間に介在する介在部材53aを介して取り付けられている。より具体的には、介在部材53aは凹部51cの開口縁部を囲むような枠状部材であり、絶縁ブロック51の側面51bに接着等により固定されている。そして、封止部材53が介在部材53aの開口部を覆った状態で、封止部材53の縁部が、ネジ等の固定部材53bによって介在部材53aに着脱可能に固定されている。つまり、封止部材53の固定にあたっては、絶縁ブロック51に直接にネジ等の固定部材53bが挿入されることがない。絶縁ブロック51に直接にネジ等の固定部材53bが挿入されると、固定部材53bが異物となって高電圧発生回路を含む内部基板52と固定部材53bとの間で放電が発生する可能性がある。これに対して、上述したような介在部材53aを介した固定構造を採用することで、封止部材53の固定構造に起因して放電が発生することを抑制しつつ、絶縁オイル45の交換等が可能なように、封止部材53を着脱可能に固定することができる。また、封止部材53は、固定部材53bによって固定された縁部から凹部51cに向かって窪んだ形状(凹部51cに向かって絶縁オイル45を押し込むような形状)となっている。これにより、封止部材53を固定する際に、絶縁オイル45内に気泡が残留するのを抑制すると共に、封止部材53をより大きく弾性変形させることができるので、絶縁オイル45の熱膨張による体積変化に対して、より広範囲に対応することができる、なお、求められる条件によっては、封止部材53は、凹部51cの開口縁部に直接固定されてもよいし、単純な板状部材でもよい。
上述したように、絶縁ブロック51には、充填空間S3と充填空間S4とを連通させる連通孔51d(連通部)が設けられている。本実施形態では、連通孔51dは、絶縁ブロック51の高さ方向(Z方向)に沿って延びる円筒状に形成されている。連通孔51dは、絶縁ブロック51の上面縁部51aと上面51e側の凹部51cの側面とに開口した貫通孔である。ここで、絶縁ブロック51の上面51eには、X線管3と電源部5とが電気的に接続される高圧給電部54(接続部)が配置されている。また、上面51eには、絶縁性材料からなり、管軸方向(Z方向)から見て高圧給電部54を包囲するようにZ方向(図2における上方向)に突出した凸状部55が形成されている。凸状部55は、導電性の高圧給電部54と2種類の異なる電気絶縁性物質(絶縁ブロック51の上面51e及び絶縁オイル45)との境界部分(放電の起点となり易い部分)を、Z方向から見て凸状部55の外側部分に対して隠す機能を有する。凸状部55の外側部分には、電気絶縁性物質(絶縁ブロック51の上面51e及び絶縁オイル45)と、X線管収容部4及び収容部21の上壁部212といった金属部分との境界部分がある。当該境界部分には、高圧給電部54からの放電が向かいやすいが、凸状部55を設けることで、当該境界部分を高圧給電部54から直接に見通せなくすることができ、放電を抑制することができる。そして、上面51e側の連通孔51dの開口は、Z方向から見て凸状部55の外側に設けられている。これにより、上面51e側の連通孔51dの開口は、凸状部55によって高圧給電部54から直接に見通せなくなるように隠されている。なお、本実施形態では、凸状部55は、絶縁ブロック51の上面51eの一部であるが、絶縁ブロック51とは異なる電気絶縁性の部材で形成されてもよい。
図4は、連通孔51dに沿ったYZ平面における絶縁ブロック51の断面図である。図4に示されるように、凹部51cに対向する方向(X方向)から見た凹部51cの形状(すなわち、凹部51cの開口面の形状)は、矩形形状である。本実施形態では一例として、凹部51cの開口面は、Y方向に沿った方向が長手方向であり、Z方向に沿った方向が短手方向である矩形形状に形成されている。すなわち、Y方向に沿った凹部51cの開口面の幅w1は、Z方向に沿った凹部51cの開口面の幅w2よりも大きい(w1>w2)。また、本実施形態では一例として、連通孔51dは、X方向から見て凹部51cの中央上部に開口しているが、凹部51c側の連通孔51dの開口の位置はこれに限られない。例えば、凹部51c側の連通孔51dの開口は、凹部51cの側面(図4の例では、Y方向に対向する一対の側面のうちの一方)と面一となる位置に設けられてもよい。また、上面縁部51aと凹部51cとの間には、複数の連通孔51dが設けられてもよい。
凹部51cの深さ方向(X方向)における長さ(側面51bと凹部51cの底面との間の距離)である深さd(図2参照)は、当該深さ方向に直交する長手方向(本実施形態では、Y方向)における凹部51cの幅w1よりも小さい。また、本実施形態では、深さdは、短手方向(本実施形態では、Z方向)における凹部51cの幅w2よりも小さい。すなわち、「w1>w2>d」が成立している。
[作用効果]
次に、本実施形態の一側面に係る作用効果について説明する。上述したように、X線発生装置1は、X線を発生させるX線管3と、X線管3の管軸方向(Z方向)から見てX線管3の少なくとも一部(本実施形態では、フランジ部311よりも下方に位置する部分であり、少なくとも絶縁バルブ12を含む部分)を包囲するように、X線管3の少なくとも一部を収容するX線管収容部4と、管軸方向に沿ってX線管3に対向する位置に配置され、X線管3に電圧を供給する内部基板52を絶縁性材料からなる固体の絶縁ブロック51内に封止してなる電源部5と、を備える。絶縁ブロック51の上面51eとX線管収容部4の内面4aとによって、充填空間S3が画成されている。絶縁ブロック51の側面51bに形成された外部に開口する凹部51cと、凹部51cの開口を封止する封止部材53と、によって、充填空間S4が画成されている。絶縁ブロック51には、充填空間S3と充填空間S4とを連通させる連通孔51dが設けられている。充填空間S3及び充填空間S4には、絶縁オイル45が封入されている。凹部51cの深さdは、凹部51cの深さ方向(Z方向)に直交する長手方向(本実施形態ではY方向)における凹部51cの幅w1よりも小さい。
上記のX線発生装置1では、絶縁ブロック51が、充填空間S3を画成する上面51eとは異なる側面51bに形成された外部に開口する凹部51cによって画成された充填空間S4を備え、充填空間S4が連通孔51dを介して充填空間S3と連通している。これにより、絶縁オイル45が充填されている充填空間S3及び充填空間S4が、X線管収容部4とは面しない領域(充填空間S4)で開口している。よって、凹部51c(充填空間S4)において、絶縁オイル45の絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成(本実施形態においては封止部材53からなるダイヤフラム)を配置することで、当該構成によってX線管収容部4(充填空間S3)内の電界に乱れが生じることを抑制し、当該電界の乱れに起因した放電を抑制できる。なお、仮に、このような開口部を金属(導電性材料)からなるX線管収容部4(充填空間S3)に設けた場合、当該開口部において電界に乱れが生じ、当該電界の乱れが放電の原因となり得る。また、連通孔51d及び凹部51cの開口は、絶縁オイル45を充填空間S4に封入するための開口部としても機能する。例えば、凹部51cの開口から絶縁オイル45を充填した後に、当該開口に真空ポンプを接続することにより、絶縁破壊の原因となり得る絶縁オイル45中の気泡を除去することもできる。
また、充填空間S3及び充填空間S4に充填された絶縁オイル45は、直接X線管3に接触するため、高温にさらされる。また、絶縁オイル45には、異物等(例えば、ターゲット支持部60の一部から剥離した金属片等)が混ざるおそれがある。このような原因によって、絶縁オイル45は、固体の絶縁ブロック51と比較して絶縁性が劣化しやすい。このように絶縁性が劣化しやすい液体が充填された凹部51c内の空間(充填空間S4)と内部基板52との距離が小さいと、内部基板52により発生させられる高電圧に対して、絶縁ブロック51における充填空間S4側への耐電圧特性が低下し、充填空間S4側に向かって放電が発生するおそれが高くなる。一方、X線発生装置1では、凹部51cの深さdは、凹部51cの長手方向(Y方向)における幅w1よりも小さい。すなわち、凹部51cの形状は、平たい形状となっている。これにより、絶縁ブロック51内に封止された内部基板52と充填空間S4との距離をなるべく大きくとることができる。すなわち、内部基板52と充填空間S4との間に介在する固体の絶縁ブロック51の厚みをなるべく大きくすることができる。その結果、上述したような放電の発生も効果的に抑制できる。
また、絶縁ブロック51の上面51eには、X線管3と電源部5とが電気的に接続される高圧給電部54が配置されると共に、凸状部55が形成されている。上面51e側の連通孔51dの開口は、管軸方向(Z方向)から見て凸状部55の外側に設けられている。この場合、凸状部55によって、放電の起点となり易い高圧給電部54(特に、高圧給電部54と上面51eとの境界部分)から、電界の乱れの原因となり得る上面51e側の連通孔51dの開口を隔離することができる。その結果、当該開口における放電の発生を効果的に抑制できる。
また、凹部51cの開口面は、矩形形状(図4参照)を有している。凹部51cの深さdは、開口面のいずれの辺の長さ(幅w1及び幅w2)よりも小さい。この構成では、開口面の面積(w1×w2)をなるべく大きくすることにより、凹部51cの深さdをなるべく小さくしつつ、充填空間S4に求められる体積を確保することができる。また、開口面の面積(w1×w2)を大きくすることができるので、開口部を介した絶縁オイル45の放熱性を向上させることができる。
また、封止部材53は、充填空間S3及び充填空間S4に封入された絶縁オイル45の体積変化に応じて変形可能な部材である。上述したように、本実施形態では一例として、封止部材53は、弾性変形可能な絶縁性材料からなる蓋材であり、ダイヤフラムとして機能する。この構成によれば、絶縁オイル45の温度変化により生じた体積変化(膨張又は収縮)を、封止部材53の変形によって吸収することができる。これにより、X線管3が収容される充填空間S3内の内圧の変化を抑制できる。なお、このような機能を有する封止部材53は、上述したダイヤフラムに限られず、例えば、ベローズ及びダンパー等を含んで構成されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。すなわち、X線発生装置の各部の形状及び材料等は、上記実施形態で示した具体的な形状及び材料等に限定されない。
上記実施形態では、上面51e側の連通孔51dの開口は、Z方向から見て凸状部55の外側に設けられたが、当該開口は、Z方向から見て凸状部55の内側に設けられてもよい。また、上記実施形態では、凹部51cの開口の形状は、矩形形状(図4参照)とされたが、凹部51cの開口の形状は、これに限られず、例えば円形状、楕円形状等であってもよい。
また、絶縁ブロック51に形成される連通孔は、本実施形態のように直線状に延びる部分のみを含むものに限られず、曲線状に延びる部分(カーブする部分等)を含んでもよい。また、当該連通孔の形状は、上記実施形態で示した円柱状に限られない。図5は、連通孔51dのいくつかの変形例を示す図である。
図5の(A)に示されるように、凹部51cの底面は、凹部51c側の連通孔51d1の開口において、連通孔51d1の内面の少なくとも一部と面一となるように接続されていてもよい。この構成によれば、連通孔51d1と充填空間S4との間における絶縁オイル45の流通を円滑化できる。具体的には、充填空間S3に絶縁オイル45を充填する際に、凹部51cの開口面が上方となるようにした状態で凹部51cに絶縁オイル45を注入する場合等において、絶縁オイル45が充填空間S4から連通孔51d1に流入し易くなる。これにより、充填空間S3への絶縁オイル45の充填をより円滑に行うことができる。
図5の(B)に示される連通孔51d2のように、連通孔は、管軸方向(Z方向)に沿って充填空間S4に近付くにつれて拡径するテーパ状に形成されてもよい。この構成によれば、凹部51cの開口から絶縁オイル45を充填空間S3及び充填空間S4内に注入した後に、当該開口に真空ポンプを接続して充填空間S3及び充填空間S4から気泡を除去する場合において、連通孔51d2の吸引される側(凹部51c側)の方が幅広とされていることにより、気泡を除去し易い(気泡が連通孔51d2内に留まり難くなる)という利点がある。
図5の(C)に示される連通孔51d3のように、連通孔は、管軸方向(Z方向)に沿って充填空間S4に近付くにつれて縮径するテーパ状に形成されてもよい。この構成によれば、充填空間S4側から上面51e側(充填空間S4側)へと液体が流れ易くなるため、充填空間S3への絶縁オイル45の注入を円滑に行うことができる。
図5の(D)に示される連通孔51d4のように、連通孔は、上述した連通孔51d3の内面を曲面形状(R形状)に形成したものであってもよい。同様に、連通孔は、上述した連通孔51d2の内面を曲面形状(R形状)に形成したものであってもよい。この構成によれば、同じ開口径であっても連通孔51d4の内部空間が大きくなるため、絶縁オイル45の注入を円滑に行うことができる。
また、凹部51cの形状(凹部51cによって形成される空間の形状)は、上記実施形態で示した直方体状に限られない。図6は、凹部51cの変形例を示す図である。
図6の(A)に示される凹部51c1のように、絶縁ブロック51に形成される凹部は、凹部の底面側から開口側に向かって末広がりとなる錐台状(この例では四角錘台状)であってもよい。また、図6の(B)に示される凹部51c2のように、絶縁ブロック51に形成される凹部は、半球状又は半楕円球状であってもよい。
また、図7に示されるように、絶縁オイル45の絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成として、充填空間S4には、絶縁オイル45の温度を測定するセンサ56が配置されてもよい。センサ56は、例えば封止部材53の内面に設けられてもよいが、この場合の封止部材53は油圧の変化の影響を受けない程度の剛性を持った基板であることが好ましい。センサ56によって測定された温度は、例えばX線発生装置1の外部端子(不図示)に接続されたモニタ等に表示されてもよい。この構成によれば、センサ56によって絶縁オイル45の温度を測定できるため、絶縁オイル45の温度管理が容易となる。また、以下に述べるような冷却部57又は加熱部58によって、絶縁オイル45の温度が一定の目標温度に維持されるように、絶縁オイル45の冷却又は加熱を適切に制御することも可能となる。例えば、制御回路基板7に搭載された制御回路が、センサ56による測定結果を取得し、当該測定結果に応じて冷却部57又は加熱部58の動作を制御することにより、上述したような温度制御が行われてもよい。
図7の(A)に示されるように、絶縁オイル45の絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成として、充填空間S4には、絶縁オイル45を冷却するための冷却部57が配置されてもよい。冷却部57は、例えば、封止部材53と一体化されたヒートシンク等である。この構成によれば、X線管3等(例えば、絶縁バルブ12の外側に露出したターゲット支持部60の一部)からの熱を吸収して高温になった絶縁オイル45を冷却部57によって効率良く冷却することができる。
図7の(B)に示されるように、絶縁オイル45の絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成として、充填空間S4には、絶縁オイル45を加熱するための加熱部58が配置されていてもよい。加熱部58は、例えば、封止部材53と一体化されたヒーター等である。この構成によれば、X線発生装置1の起動時等、X線管3の動作安定化のために絶縁オイル45の温度を一定温度まで上昇させたい場合等において、絶縁オイル45を加熱部58によって効率良く加熱することができる。
また、図8に示されるように、絶縁ブロック51の上面51eとは異なる面には、外部に開口する凹部51cとは異なる第2凹部51fが形成されていてもよい。なお、この例では、凹部51cと同様の形状の第2凹部51fが、側面51bに対向する側面に設けられているが、第2凹部51fは、側面51bの凹部51cが形成されていない部分に設けられてもよい。すなわち、絶縁ブロック51の同一面(上面51e以外の面)に2つの独立した凹部が形成されてもよい。
また、図8の例では、絶縁ブロック51には、第2凹部51fにより画成された充填空間S5と充填空間S3とを連通させる第2連通孔51g(第2連通部)が設けられている。そして、絶縁オイル45の絶縁特性や放熱特性を向上及び/又は保持するための構成として、循環ポンプ59が、封止部材53として機能する。循環ポンプ59は、凹部51cの開口を封止すると共に第2凹部51fの開口を封止し、凹部51c及び第2凹部51fの一方(ここでは一例として凹部51c)から吸い込んだ絶縁オイル45を凹部51c及び第2凹部51fの他方(ここでは第2凹部51f)に対して吐き出すように構成されている。このような構成によれば、循環ポンプ59と充填空間S3との間で絶縁オイル45を循環させることができる。具体的には、上記例では、絶縁オイル45は、「充填空間S3→充填空間S4→循環ポンプ59→充填空間S5→充填空間S3」の順に循環する。これにより、充填空間S3内で絶縁オイル45の対流を発生させてX線管3(主に、絶縁バルブ12の外側に露出したターゲット支持部60の一部)の冷却効率を向上させることができる。さらに、循環ポンプ59において、絶縁オイル45の冷却又は加熱が行われてもよい。この場合、充填空間S3内の絶縁オイル45の温度を目標温度に一定に保つように制御することが容易となる。また、連通孔51d及び第2連通孔51gは、例えば、図5の(B)〜(D)で示したように、絶縁オイル45の循環経路の上流側から下流側に向かうにつれて流路幅が大きくなるように形成されてもよい。これにより、絶縁オイル45の循環を円滑化することができる。
また、上記実施形態では、凹部51c及び充填空間S4は、絶縁ブロック51の側面に設けられたが、絶縁ブロック51の下面に設けられてもよい。例えば、中間壁部214に絶縁ブロック51の下面に臨む開口を設けると共に、制御回路基板7を絶縁ブロック51の下方とは異なる位置に配置することにより、絶縁ブロック51の下面に凹部及び充填空間を形成することが可能となる。また、X線管3は、ターゲットに対する電子入射方向と異なる方向からX線を取り出す反射型X線管であるが、ターゲットに対する電子入射方向に沿ってX線を取り出す(ターゲットで発生したX線がターゲット自体を透過してX線出射窓から取り出される)透過型X線管でもよい。また、送風ファン9は、外部からの気体を内部(筐体2内)に送風するものに限らず、内部の気体を外部へ吸い出すことで気体を流通させる吸引ファンでもよい。
1…X線発生装置、3…X線管、4…X線管収容部、5…電源部、45…絶縁オイル(絶縁性の液体)、51…絶縁ブロック、51b…側面(第2面)、51c,51c1,51c2…凹部、51d,51d1,51d2,51d3,51d4…連通孔(連通部)、51e…上面(第1面)、51f…第2凹部、51g…第2連通孔(第2連通部)、52…内部基板(高電圧発生回路)、53…封止部材、54…高圧給電部(接続部)、55…凸状部、56…センサ、57…冷却部、58…加熱部、59…循環ポンプ、AX…管軸、d…深さ、S3…充填空間(第1空間)、S4…充填空間(第2空間)、S5…充填空間(第2凹部により画成された充填空間)、w1,w2…幅。

Claims (9)

  1. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管の管軸方向から見て前記X線管の少なくとも一部を包囲するように、前記X線管の少なくとも一部を収容するX線管収容部と、
    前記管軸方向に沿って前記X線管に対向する位置に配置され、前記X線管に電圧を供給する高電圧発生回路を絶縁性材料からなる固体の絶縁ブロック内に封止してなる電源部と、を備え、
    前記X線管に面する前記絶縁ブロックの第1面と前記X線管収容部の内面とによって、第1空間が画成されており、
    前記第1面とは異なる前記絶縁ブロックの第2面に形成された外部に開口する凹部と、前記凹部の開口を封止する封止部材と、によって、第2空間が画成されており、
    前記絶縁ブロックには、前記第1空間と前記第2空間とを連通させる連通部が設けられており、
    前記第1空間及び前記第2空間には、絶縁性の液体が封入されており、
    前記凹部の深さは、前記凹部の深さ方向に直交する長手方向における前記凹部の幅よりも小さい、X線発生装置。
  2. 前記連通部は、前記第1面及び前記凹部に開口するように前記絶縁ブロックの内部に形成された連通孔である、請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記絶縁ブロックの前記第1面には、前記X線管と前記電源部とが電気的に接続される接続部が配置されると共に、絶縁性材料からなり、前記管軸方向から見て前記接続部を包囲するように前記管軸方向に突出した凸状部が形成されており、
    前記第1面側の前記連通部の開口は、前記管軸方向から見て前記凸状部の外側に設けられている、請求項1又は2に記載のX線発生装置。
  4. 前記凹部の開口面は、矩形形状を有しており、
    前記凹部の深さは、前記開口面のいずれの辺の長さよりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線発生装置。
  5. 前記封止部材は、前記第1空間及び前記第2空間に封入された前記絶縁性の液体の体積変化に応じて変形可能な部材である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線発生装置。
  6. 前記第2空間には、前記絶縁性の液体を冷却するための冷却部が配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のX線発生装置。
  7. 前記第2空間には、前記絶縁性の液体を加熱するための加熱部が配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のX線発生装置。
  8. 前記第2空間には、前記絶縁性の液体の温度を測定するセンサが配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のX線発生装置。
  9. 前記絶縁ブロックの前記第1面とは異なる面には、外部に開口する前記凹部とは異なる第2凹部が形成されており、
    前記絶縁ブロックには、前記第2凹部により画成された空間と前記第1空間とを連通させる第2連通部が設けられており、
    前記封止部材は、前記凹部の開口を封止すると共に前記第2凹部の開口を封止し、前記凹部及び前記第2凹部の一方から吸い込んだ前記絶縁性の液体を前記凹部及び前記第2凹部の他方に対して吐き出すように構成された循環ポンプである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のX線発生装置。
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