JP6542927B2 - 異方性導電フィルム、並びに、接続方法及び接合体 - Google Patents
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Description
しかし、実用面、作業面で満足のいくものとは言えず、改良の余地があった。
しかし、非反応型異方性導電フィルムにおいて、仮固定性を向上させようと、上述した熱硬化性樹脂の異方性導電フィルムで用いられているような液状タイプの物質を配合させようとすると、耐熱性が大きく損なわれることがわかった。非反応型異方性導電フィルムにおいては仮固定性の問題が特に顕著になるという問題がある。
本来微細配線用に設計された異方性導電フィルムでは、狭い面積で圧着し、導電性粒子含有層を形成するバインダーが押し潰されることにより、該導電性粒子含有層が端子域外に流動し、該導電性粒子含有層の厚みが導電性粒子の径よりも薄くなることで、導電性粒子が潰れ、導電性を得る設計になっている。しかし、比較的広い面積の端子域を接続しようとした場合、該広い面積の中央部あたりの導電性粒子含有層は、圧着の際に端子域外に流動する前に硬化反応を生じて増粘してしまい、端子域外に流動されず、薄くなることができない。そのため、導電性粒子が十分に潰れず、良好な導通を得られないという問題がある。
その点、硬化反応を生じない、非反応型異方性導電フィルムであれば、硬化反応に伴う増粘が無いため、上記の問題が生じることなく、良好な導通が得られる。
しかし、非反応型異方性導電フィルムの場合、融点を有する結晶物質を含有しているために、タック性が低く、上述した仮固定性に劣るという問題がある。
<1> 第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続させる異方性導電フィルムであって、
接着層形成成分、及び導電性粒子を含有する導電性粒子含有層を有し、
測定温度範囲が10℃〜250℃で、昇温速度が10℃/分間の条件で吸熱ピーク温度を測定した場合における示差走査熱量測定において、
前記導電性粒子含有層が2つの吸熱ピークを示し、低温側の吸熱ピーク温度をT2、高温側の吸熱ピーク温度をT4とした時、T2が、30℃以上であり、T4−T2が、0℃より大きく80℃以下であることを特徴とする異方性導電フィルムである。
<2> 接着層形成成分が、結晶性樹脂を含有する前記<1>に記載の異方性導電フィルムである。
<3> 結晶性樹脂が、第1の結晶性樹脂、及び第2の結晶性樹脂からなる、少なくとも2種類の結晶性樹脂を含有する前記<2>に記載の異方性導電フィルムである。
<4> 接着層形成成分が、更に非晶性樹脂を含有する前記<3>に記載の異方性導電フィルムである。
<5> 導電性粒子含有層の平均厚みが、導電性粒子の平均粒子径の80%から140%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の異方性導電フィルムである。
<6> 第1の結晶性樹脂の質量と、第2の結晶性樹脂の質量との比が、25:75〜75:25である前記<3>から<5>のいずれかに記載の異方性導電フィルムである。
<7> 第1の結晶性樹脂、及び第2の結晶性樹脂の質量の和(X)と、非晶性樹脂の質量(Y)との比が、(X):(Y)=25:75〜75:25である前記<4>から<6>のいずれかに記載の異方性導電フィルムである。
<8> 第1の結晶性樹脂が、結晶性ポリエステルを含有し、第2の結晶性樹脂が、結晶性ポリウレタン樹脂を含有し、非晶性樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含有する前記<4>から<7>のいずれかに記載の異方性導電フィルムである。
<9> 導電性粒子の平均粒子径が、2μm〜40μmである前記<1>から<8>のいずれかに記載の異方性導電フィルムである。
<10> 第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続させる接続方法であって、
前記第2の電子部品の端子上に前記<1>から<9>のいずれかに記載の異方性導電フィルムの導電性粒子含有層を配置する第1の配置工程と、
前記導電性粒子含有層上に前記第1の電子部品を、前記第1の電子部品の端子が前記導電性粒子含有層と接するように配置する第2の配置工程と、
前記第1の電子部品を加熱押圧部材により加熱及び押圧する加熱押圧工程、とを含むことを特徴とする接続方法である。
<11> 第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続させる際の、接続面積が、100mm2以上である前記<10>に記載の接続方法である。
<12> 前記<10>から<11>のいずれかに記載の接続方法により接続されたことを特徴とする接合体である。
本発明の異方性導電フィルムは、導電性粒子含有層を少なくとも有し、更に必要に応じて剥離性基材などのその他の層や成分を有する。
前記異方性導電フィルムは、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続させる異方性導電フィルムである。
測定温度範囲が10℃〜250℃で、昇温速度が10℃/分間の条件で吸熱ピーク温度を測定した場合における示差走査熱量測定において、
前記導電性粒子含有層が2つの吸熱ピークを示し、低温側の吸熱ピーク温度をT2、高温側の吸熱ピーク温度をT4とした時、T2は、30℃以上であり、T4−T2は、0℃より大きく80℃以下である。
上記性質を示す本発明の異方性導電フィルムは、比較的広い面積での接続における中央部での良好な導通を確保し、且つ仮固定性に優れた異方性導電フィルムとなる。
T1<T2<T3<T4<T5 (1)
上記態様とすることにより、T2の存在により、仮圧着温度において、前記導電性粒子含有層中の一部の材料が溶融するため、前記導電性粒子含有層は、タック力が生じ、仮固定性が向上する。T1では前記導電性粒子含有層中の結晶性の材料は、結晶状態であるため、タック性が無いかあるいは少なく、前記導電性粒子含有層の取り扱いは容易で、ハンドリング性は良好である。
T5より低い温度にT4が存在する。これにより、反応型異方性導電フィルムでは、広い面積における中央部での導通が困難であったが、本発明の異方性導電フィルムは、接着層形成成分の端子域外への流動が可能となり、導電性粒子が潰れ、良好な導通を確保することができる。
以下の条件でDSC測定を行うと、昇温時における吸熱開始温度、吸熱ピーク温度、及び吸熱量を求めることができる。
測定装置:Q100、ティー・エイ・インスツルメント社製
測定試料:5mg
測定温度範囲:10℃〜250℃
昇温速度:10℃/分間
前記導電性粒子含有層は、接着層形成成分と、導電性粒子とを少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記接着層形成成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非晶性樹脂などが挙げられる。
前記結晶性樹脂としては、結晶領域を有する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、などが挙げられる。ここで、前記結晶性樹脂かどうかは、例えば、示差走査熱量測定において、昇温過程で吸熱ピークが観察されることにより確認できる。
本発明においては、所望のT2、T4を示す前記異方性導電フィルムとするためには、前記結晶性樹脂を2種類以上含有させるとよい。
特に好ましい態様として、2種類以上の結晶性樹脂のうち、第1の結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂、第2の結晶性樹脂が、結晶性ポリウレタン樹脂であるとよい。
本発明では、前記第1の結晶性樹脂、及び前記第2の結晶性樹脂に加え、さらに他の結晶性樹脂を含有させてもよい。前記他の結晶性樹脂としては、例えば、前記第1の結晶性樹脂とは種類の異なる結晶性ポリエステル樹脂であっても、前記第2の結晶性樹脂とは種類の異なる結晶性ポリウレタン樹脂であっても、結晶性ポリエステル樹脂でも結晶性ポリウレタン樹脂でもない、結晶性ポリオレフィン樹脂などのその他の結晶性樹脂であってもよい。
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、などが挙げられる。
前記非晶性樹脂としては、前記結晶性樹脂の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明において前記非晶性樹脂を前記結晶性樹脂と併用する場合には、互いに同種の樹脂を併用するのが好ましく、例えば、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との組合せ、結晶性ポリウレタン樹脂と非晶性ポリウレタン樹脂との組合せ、結晶性ポリオレフィン樹脂と非晶性ポリオレフィン樹脂との組合せなどが好ましい。前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂とで同種のものを併用すると、前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂とを混合して前記結晶性樹脂が溶剤に溶解しやすい状態を作製できるため、前記結晶性樹脂がほぼ均一に含有された導電性粒子含有層を得ることができる。
そして、得られる導電性粒子含有層は、低温及び短時間での接続を可能にする。これは、得られる導電性粒子含有層を加熱して軟化した後に、加熱状態が解かれて常温に戻る際に、前記結晶性樹脂に由来して速やかに凝固するためと考えられる。
前記導電性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。
これらの中でも、ニッケル、銀、銅が好ましい。これらの金属粒子は、表面酸化を防ぐ目的で、その表面に金、パラジウムを施していてもよい。更に、表面に金属突起や有機物で絶縁皮膜を施したものを用いてもよい。
前記樹脂粒子への金属の被覆方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無電解めっき法、スパッタリング法などが挙げられる。
前記樹脂粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−シリカ複合樹脂などが挙げられる。
前記平均粒子径は、任意に10個の導電性粒子について測定した粒子径の平均値である。
前記粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡観察により測定できる。
前記剥離性基材としては、仮圧着時に導電性粒子含有層から剥がされるフィルムであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、剥離性基材の水に対する接触角が80°以上である剥離性基材を用いることができる。
更に、例えば、シリコーン系フィルム、弗素系フィルム、シリコーン系や弗素系などの離型剤で離型処理されたPET、PEN、グラシン紙などが挙げられる。これらの中でも、シリコーン系の剥離性基材が好ましい。
前記剥離性基材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、12μm〜75μmが好ましい。
本発明では以下の工程により、異方性導電フィルムを製造するとよい。
接着層形成成分を溶剤に溶解しワニスを調製するワニス調製工程と、
その後導電性粒子を加えて異方性導電組成物を得る異方性導電組成物調製工程と、
前記異方性導電組成物を剥離性基材上に塗布し乾燥させる工程により異方性導電フィルムを製造する。
前記接着層形成成分に使用する溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノンの50:40:10(質量比)の混合溶剤、トルエン:酢酸エチルの50:50(質量比)の混合溶剤などを用いることができる。
前記第1の電子部品及び前記第2の電子部品としては、前記異方性導電フィルムを用いた異方性導電接続の対象となる、端子を有する電子部品であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板、フレキシブル基板、リジッド基板、IC(Integrated Circuit)チップ、TAB(Tape Automated Bonding)、液晶パネルなどが挙げられる。前記ガラス基板としては、例えば、Al配線形成ガラス基板、ITO配線形成ガラス基板などが挙げられる。前記ICチップとしては、例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)における液晶画面制御用ICチップなどが挙げられる。
本発明においては、導電性粒子の平均粒子径を考慮して前記導電性粒子含有層の平均厚みを設定するのが、より好ましく、前記導電性粒子含有層の平均厚みとして、導電性粒子の平均粒子径の80%から140%であるとよい。
本発明の接続方法は、第1の配置工程と、第2の配置工程と、加熱押圧工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、剥離性基材の剥離工程などのその他の工程を含む。
前記接続方法は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続させる方法である。
前記第1の配置工程としては、前記第2の電子部品の端子上に本発明の前記異方性導電フィルムの導電性粒子含有層を配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第2の配置工程としては、前記導電性粒子含有層上に前記第1の電子部品を、前記第1の電子部品の端子が前記導電性粒子含有層と接するように配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱押圧工程としては、前記第1の電子部品を加熱押圧部材により加熱及び押圧する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱押圧部材としては、例えば、加熱機構を有する押圧部材などが挙げられる。前記加熱機構を有する押圧部材としては、例えば、ヒートツールなどが挙げられる。
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜140℃が好ましい。
前記押圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2MPa〜6MPaが好ましい。
前記加熱及び押圧の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2分間〜20分間が好ましい。
<<剥離性基材の剥離工程>>
前記その他の工程としては、例えば、前記異方性導電フィルムの剥離性基材を導電性粒子含有層から剥離する、剥離性基材の剥離工程が挙げられる。
本発明の接合体は、上記接続方法により接続された接合体であればよく、第1の電子部品と、第2の電子部品と、導電性粒子含有層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<異方性導電フィルムの作製>
第1の結晶性樹脂A1であるアロンメルトPES−111EE(東亜合成株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする結晶性樹脂)80質量部、第2の結晶性樹脂A2であるデスモコール540(住化バイエルウレタン株式会社製、結晶性線状ポリウレタン樹脂)40質量部、非晶性樹脂A3であるエリーテルUE3500(ユニチカ株式会社製、非晶性ポリエステル樹脂 重量平均分子量30,000)80質量部、及び混合溶剤(メチルエチルケトン(MEK):トルエン:シクロヘキサノン=50:40:10(質量比))400質量部を混合及び撹拌し、溶解液を作製し、混合ワニスを得た。
得られた異方性導電組成物を、シリコーン系の離型剤で離型処理された平均厚みが50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に乾燥後の平均厚みが12μmとなるように塗布し、70℃で10分間乾燥させ、異方性導電フィルムを作製した。
付加反応型シリコーン溶液(信越化学工業株式会社の商品名「KS−847」、シリコーン濃度30質量%)を13質量部と、白金硬化触媒(信越化学工業株式会社製の商品名「PL−50T」)を0.3質量部とを、トルエン40質量部とメチルエチルケトン47質量部の混合溶媒に添加して剥離層用の塗布液を作成した。
上記剥離層用の塗布液を用い、平均厚み50μmで両面未処理のPETフィルム上に塗布、乾燥し、シリコーン系剥離フィルムを得た。
尚、これら塗布液の塗布にはコイルバーを用いた。塗布層の硬化は、全体を160℃で1分間加熱した。シリコーン系離型材の乾燥後の平均厚みは0.1μmであった。
−−ジビニルベンゼン系樹脂粒子の製造−−
ジビニルベンゼン、スチレン、及びブチルメタクリレートの混合比を調整した溶液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを投入して高速で均一攪拌しながら加熱を行い、重合反応を行うことにより微粒子分散液を得た。前記微粒子分散液をろ過し減圧乾燥することにより微粒子の凝集体であるブロック体を得た。更に、前記ブロック体を粉砕することにより、ジビニルベンゼン系樹脂粒子を得た。
−−樹脂粒子の銀めっき−−
銀塩として硝酸銀4.25gを純水625mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド5g、及びクエン酸1水和物3gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸13gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、上記で得られた前記ジビニルベンゼン系樹脂粒子を前記無電解銀メッキ液に投入し、この液を攪拌しながら加熱して温度を50℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、平均粒子径10μmの球状Agめっき樹脂粒子(導電性粒子)を得た。
上記で得られた本発明の異方性導電フィルムの導電性粒子含有層に対し、以下の条件でDSC測定を行い、昇温時における吸熱ピーク温度(T2及びT4)を求めた。結果を表1−1に示す。なお、吸熱ピークが観察され難い場合、吸熱温度領域の吸熱開始温度と吸熱終了温度の2点間における吸熱が最大となる温度を吸熱ピーク温度として取扱う事とする。
測定装置:Q100、ティー・エイ・インスツルメント社製
測定試料:5mg
測定温度範囲:10℃〜250℃
昇温速度:10℃/分間
設定70℃のホットステージ上に、平均厚みが25μmのPETフィルムをセットし、その上に50mm×25mmにカットした本発明の異方性導電フィルムを配置して、5kgのハンドローラーで2往復加圧後、異方性導電フィルムから剥離性基材を剥離した。下記基準に従って評価した。結果を表1−1に示す。
[評価基準]
○:剥離性基材を剥離した際、導電性粒子含有層に折れ・シワ・欠け等が発生せずに均一にラミネートできた場合
△:剥離性基材を剥離した際、導電性粒子含有層に折れ・シワ・欠け等が若干発生するが、ラミネート自体はできた場合
×:剥離性基材を剥離した際、導電性粒子含有層に折れ・シワ・欠け等が発生して均一にラミネートできない場合
設定70℃ホットステージ上に、平均厚みが25μmのPETフィルムをセットし、その上に50mm×25mmにカットした本発明の異方性導電フィルムを配置して、5kgのハンドローラーで2往復加圧後、異方性導電フィルムから剥離性基材を剥離した。
その上に、端子部の平均厚みが25μmの3層構造のフレキシブル回路基板(以下、「FPC」ともいう)を重ね合わせた後、FPCの上からPETフィルムとFPCを仮固定する目的で、再度5kgのハンドローラーにて2往復加圧して仮接着サンプルを作製した。下記基準に従って評価した。結果を表1−1に示す。
[評価基準]
○:FPCとPETフィルムとの仮接着性に問題無く、互いに外れない場合
×:FPCとPETフィルムとが仮接着し難く、互いに外れてしまい、仮接着サンプルが作製できない場合
以下の方法により試験片A及びBの2種類の接合体を製造した。
−試験片A−
対象部材−1として、端子部の平均厚みが25μmの3層構造のFPC(端子部面積20mm×5mm=100mm2)を用いた。
対象部材−2として、平均厚みが25μmのPETフィルムを用いた。
−試験片B−
対象部材−1として、端子部の平均厚みが25μmの3層構造のFPC(端子部面積50mm×25mm=1250mm2)を用いた。
対象部材−2として、平均厚みが25μmのPETフィルムを用いた。
熱源の設定温度:110℃
ガラスステージの設定温度:90℃
推力:500kgf/1250mm2
加圧時間:3分
得られた2種類の接合体(試験片A及び試験片B)に対して、それぞれの試験片を金属顕微鏡にセットし、試験片中央部における導電性粒子の潰れを確認した。以下の評価基準で評価した。結果を表1−1に示す。
〔評価基準〕
○:導電性粒子が潰れて、面方向の粒径が潰れる前の1.2倍以上になっている
△:導電性粒子が潰れているが、面方向の粒径が潰れる前の1.1倍以上1.2倍未満
×:導電性粒子が潰れているが、面方向の粒径が潰れる前の1.1倍未満
上述した、ラミネート性の評価、仮固定性の評価、面内中央部の粒子潰れ評価の3つの結果を以下の評価基準で総合評価した。結果を表1−1に示す。
〔評価基準〕
○:3つの評価が全て○
△:3つの評価のうち×がなく、1つ以上△がある
×:3つの評価のうち1つ以上×がある
実施例1において、接着層形成成分の各含有量を表1−1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−1に示す。
実施例1において、第2の結晶性樹脂A2であるデスモコール540を、デスモコール530(住化バイエルウレタン株式会社製、結晶性線状ポリウレタン樹脂)に変え、乾燥後の導電性粒子含有層の平均厚みを表1−2に記載の厚みに変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−2に示す。
実施例1において、第1の結晶性樹脂A1であるアロンメルトPES−111EEを、バイロンGA−6400(東洋紡株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする結晶性樹脂)に変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−2に示す。
実施例1において、乾燥後の導電性粒子含有層の平均厚みを表1−2に記載の厚みに変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−2に示す。
実施例1において、接着層形成成分の各含有量を表1−3に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−3に示す。
実施例1において、第2の結晶性樹脂A2であるデスモコール540を、ニッポラン5196(日本ポリウレタン工業株式会社製、ポリカーボネート骨格のポリウレタン樹脂)に変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。比較例1では、ラミネート、及び仮固定できず、面内中央部の粒子潰れの試験は行えなかった。結果を表1−4に示す。
実施例1において、第2の結晶性樹脂A2であるデスモコール540を、デスモコール176(住化バイエルウレタン株式会社製、結晶性線状ポリウレタン樹脂)に変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−4に示す。
実施例1において、第1の結晶性樹脂A1であるアロンメルトPES−111EEを、アロンメルトPES126E(東亜合成株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする結晶性樹脂)に変えた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接合体を作製した。
得られた異方性導電フィルム及び接合体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−4に示す。
実施例10、11と比較した実施例1〜7の結果から、異方性導電フィルムの平均厚みが、導電性粒子の平均粒子径の80%から140%であるとよいことが確認できた。
また、実施例14、15と比較した実施例1〜7の結果から、第1の結晶性樹脂の質量と、第2の結晶性樹脂の質量との比が、25:75〜75:25であると、広い面積での接続における中央部での良好な導通、及び仮固定性により優れることが確認できた。
また、実施例12、13と比較した実施例1〜7の結果から、第1の結晶性樹脂、及び第2の結晶性樹脂の質量の和(X)と、非晶性樹脂の質量(Y)との比が、(X):(Y)=25:75〜75:25であると、広い面積での接続における中央部での良好な導通、及び仮固定性により優れることが確認できた。
Claims (12)
- 第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子との間に温度T3で設けた後に、温度T5で異方性導電接続させる異方性導電フィルムであって、
接着層形成成分、及び導電性粒子を含有する導電性粒子含有層を有し、
測定温度範囲が10℃〜250℃で、昇温速度が10℃/分間の条件で吸熱ピーク温度を測定した場合における示差走査熱量測定において、
前記導電性粒子含有層が2つの吸熱ピークを示し、低温側の吸熱ピーク温度をT2、高温側の吸熱ピーク温度をT4とした時、T2が、30℃以上であり、かつT2<T3<T4<T5の関係を満たす異方性導電フィルム。 - 前記異方性導電フィルムが使用される室内温度をT1とした時、次式(1)を満たす、請求項1に記載の異方性導電フィルム。
〔数1〕
T1<T2<T3<T4<T5 (1) - 接着層形成成分が、結晶性樹脂を含有する請求項1又は2に記載の異方性導電フィルム。
- 結晶性樹脂が、第1の結晶性樹脂、及び第2の結晶性樹脂からなる、少なくとも2種類の結晶性樹脂を含有する請求項3に記載の異方性導電フィルム。
- 接着層形成成分が、更に非晶性樹脂を含有する請求項4に記載の異方性導電フィルム。
- 導電性粒子含有層の平均厚みが、導電性粒子の平均粒子径の80%から140%である請求項1から5のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
- 第1の結晶性樹脂の質量と、第2の結晶性樹脂の質量との比が、25:75〜75:25である請求項4から6のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
- 第1の結晶性樹脂、及び第2の結晶性樹脂の質量の和(X)と、非晶性樹脂の質量(Y)との比が、(X):(Y)=25:75〜75:25である請求項5から7のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
- 第1の結晶性樹脂が、結晶性ポリエステルを含有し、第2の結晶性樹脂が、結晶性ポリウレタン樹脂を含有し、非晶性樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含有する請求項5から8のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
- 導電性粒子の平均粒子径が、2μm〜40μmである請求項1から9のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
- 第1の電子部品と第2の電子部品とを、請求項1から10のいずれかに記載の異方性導電フィルムを介して、加熱押圧工程により異方性導電接続させる、接合体の製造方法。
- 第1の電子部品と第2の電子部品とを、請求項1から10のいずれかに記載の異方性導電フィルムの熱硬化物を介して、異方性導電接続させている、接合体。
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