JP6541074B2 - 三相倍電圧整流回路、インバータ装置、空気調和機、三相倍電圧整流回路の制御方法及びプログラム - Google Patents

三相倍電圧整流回路、インバータ装置、空気調和機、三相倍電圧整流回路の制御方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、三相倍電圧整流回路、インバータ装置、空気調和機、三相倍電圧整流回路の制御方法及びプログラムに関する。
空気調和機(空調機)には、主として、圧縮機のモータを自在に駆動するための負荷(モータ)駆動用交流電力を生成するインバータ装置が搭載されている。良く知られているインバータ装置は、商用電源(例えば、AC200V三相交流電源)から入力された三相の交流電圧を、一旦、整流回路(コンバータ)を通じて直流電圧に変換し、当該直流電力を所望するモータ駆動用交流電力に変換する。
ここで、通常の整流回路(例えば、良く知られているダイオードブリッジ回路等)では、出力される直流電圧が、入力される交流電圧の振幅(最大値)となる。したがって、モータが、それ以上の高い直流電圧を必要とする場合には対応できない。
このような課題に対し、三相交流電源電圧の振幅の2倍の直流電圧値を持つ直流が得られる三相倍電圧整流装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−168243号公報
しかしながら、例えば特許文献1に示されるような三相倍圧整流回路では、商用電源からの入力電流が先に尖った波形となり、その結果、入力力率が低下するばかりでなく、商用電源側への高調波電流が増加し得る。
本発明の目的は、入力力率を改善し、高調波電流を抑制可能な三相倍電圧整流回路、インバータ装置、空気調和機、三相倍電圧整流回路の制御方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の一態様によれば、三相倍電圧整流回路は、三相交流電源から供給される三相の交流電圧を、各相に対応する3つの入力端子の各々から入力して整流する整流回路と、前記三相交流電源と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つのリアクトルと、前記整流回路の正極出力線と負極出力線との間において直列に接続された正極側コンデンサ及び負極側コンデンサと、前記正極側コンデンサと前記負極側コンデンサとの間の接続点と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つの交流スイッチを有する倍電圧回路と、前記倍電圧回路を制御する倍電圧回路制御部と、を備え、前記倍電圧回路制御部は、前記三相の交流電圧のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの前記交流スイッチのうち前記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせる。
また、本発明の一態様によれば、前記倍電圧回路制御部は、3つの前記交流スイッチを、前記三相の交流電圧の1/6周期ごとに順番に一つずつオンさせる。
また、本発明の一態様によれば、前記倍電圧回路制御部は、3つの前記交流スイッチのうちの一の交流スイッチがオンしている状態から他の交流スイッチがオンしている状態に切り替えるタイミングで、3つの前記交流スイッチの全てがオフしているオフセット期間を設ける。
また、本発明の一態様によれば、前記倍電圧回路制御部は、前記三相の交流電圧のゼロクロス点から、各相に対応する3つの前記交流スイッチの各々をオンさせるまでの期間を、前記三相交流電源から入力される電流の大きさに応じて変化させる。
また、本発明の一態様によれば、インバータ装置は、上述の三相倍電圧整流回路と、前記倍電圧整流回路から出力される直流電圧を、負荷を所望に駆動させるための負荷駆動用交流電圧に変換するインバータ回路と、を備える。
また、本発明の一態様によれば、前記倍電圧回路制御部は、前記インバータ回路から出力されるインバータ出力電圧が、前記三相倍電圧整流回路から出力される直流電圧によって規定されるインバータ出力電圧最大値の中間値以下である場合には、3つの前記交流スイッチの全てをオフさせる。
また、本発明の一態様によれば、空気調和機は、上述のインバータ装置と、前記負荷として、前記インバータ回路から出力される負荷駆動用交流電圧に基づいて回転駆動するモータと、を備える。
また、本発明の一態様によれば、前記モータのモータ誘起電圧定数は、当該モータが中間回転数で回転駆動する場合に前記インバータ回路から出力されるインバータ出力電圧が、3つの前記交流スイッチの全てがオフしている場合における前記インバータ出力電圧最大値より低く、かつ、当該インバータ出力電圧最大値の近傍となるように決定されている。
また、本発明の一態様によれば、三相倍電圧整流回路の制御方法は、三相交流電源から供給される三相の交流電圧を、各相に対応する3つの入力端子の各々から入力して整流する整流回路と、前記三相交流電源と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つのリアクトルと、前記整流回路の正極出力線と負極出力線との間において直列に接続された正極側コンデンサ及び負極側コンデンサと、前記正極側コンデンサと前記負極側コンデンサとの間の接続点と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つの交流スイッチを有する倍電圧回路と、を備える三相倍電圧整流回路の制御方法であって、前記三相の交流電圧のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの前記交流スイッチのうち前記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせるステップを有する。
また、本発明の一態様によれば、プログラムは、三相交流電源から供給される三相の交流電圧を、各相に対応する3つの入力端子の各々から入力して整流する整流回路と、前記三相交流電源と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つのリアクトルと、前記整流回路の正極出力線と負極出力線との間において直列に接続された正極側コンデンサ及び負極側コンデンサと、前記正極側コンデンサと前記負極側コンデンサとの間の接続点と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つの交流スイッチを有する倍電圧回路と、を備える三相倍電圧整流回路のコンピュータを、前記三相の交流電圧のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの前記交流スイッチのうち前記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせる倍電圧回路制御部として機能させる。
上述の三相倍電圧整流回路、インバータ装置、空気調和機、三相倍電圧整流回路の制御方法及びプログラムによれば、入力力率を改善し、高調波電流を抑制できる。
第1の実施形態に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。 第1の実施形態に係る倍電圧回路制御部の機能構成を示す図である。 第1の実施形態に係るスイッチ素子制御部の機能を説明する図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の各箇所における電流波形を示す第1の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の各箇所における電流波形を示す第2の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の各箇所における電流波形を示す第3の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路に入力される入力電流波形を示す図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第1の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第2の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第3の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第4の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第5の図である。 第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第6の図である。 第2の実施形態に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。 第2の実施形態に係る倍電圧回路制御部の機能構成を示す図である。 第2の実施形態に係る位相設定部の機能を説明する第1の図である。 第2の実施形態に係る位相設定部の機能を説明する第2の図である。 第2の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の作用、効果を説明する第1の図である。 第2の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の作用、効果を説明する第2の図である。 第2の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の作用、効果を説明する第3の図である。 第3の実施形態に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。 第3の実施形態に係る倍電圧回路制御部の機能構成を示す図である。 第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第1の図である。 第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第2の図である。 第3の実施形態に係る電圧指令部の機能を説明する第1の図である。 第3の実施形態に係る電圧指令部の機能を説明する第2の図である。 第3の実施形態に係る電圧指令部の機能を説明する第3の図である。 第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の作用、効果を説明する図である。 第3の実施形態の変形例に係るモータの特性を説明する図である。 業務用空気調和機における運転条件に対する運転時間の割合を示す図である。 住宅用空気調和機における運転条件に対する運転時間の割合を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路、及び、当該三相倍電圧整流回路を具備するインバータ装置について、図1〜図13を参照しながら詳細に説明する。
(インバータ装置の回路構成)
図1は、第1の実施形態に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。
図1に示すインバータ装置1は、空気調和機(空調機)の室外機に搭載される。インバータ装置1は、上記室外機の圧縮機を駆動するための三相交流モータ(モータ4)に対し、別途入力された回転数指令に応じた負荷駆動用交流電圧(三相交流電圧)を出力する。インバータ装置1は、この負荷駆動用交流電圧に基づいて、負荷である三相交流モータ(モータ4)を所望の回転数で回転駆動させる。
なお、インバータ装置1は、商用電源である三相交流電源3から供給される三相交流電圧を、上記負荷駆動用交流電圧に変換して出力する。ここで、三相交流電源3は、例えば、AC200V(実効値200V)で周波数が50Hz(若しくは60Hz)の交流電圧であって、位相が互いに120°ずつ異なるR相、S相、T相からなる三相の交流電圧を出力する。以下、三相交流電源3が出力する各相の交流電圧を、それぞれ、「R相交流電圧」、「S相交流電圧」、「T相交流電圧」とも記載する。
図1に示すように、インバータ装置1は、三相倍電圧整流回路1Aと、インバータ回路20と、インバータ回路制御部21と、を備えている。
三相倍電圧整流回路1Aは、三相交流電源3から供給される三相の交流電圧を整流して、直流電圧を出力する。なお、以下の説明においては、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧である直流電圧を総称して「直流電圧Vdc」とも記載する。三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)は、図1に示す正極出力線αと負極出力線βとの間に印加される。
本実施形態に係る三相倍電圧整流回路1Aは、後述するように、入力される三相の交流電圧の最大値の倍の倍電圧整流回路としての機能を有する。
三相倍電圧整流回路1Aの回路構成については後述する。
インバータ回路20は、三相倍電圧整流回路1Aから出力された直流電圧Vdcを、モータ4を回転駆動させるための負荷駆動用交流電圧に変換する。インバータ回路20は、正極出力線αから負極出力線βにかけて直列に接続された2つのスイッチング素子を有してなる。ここで、スイッチング素子とは、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)等のパワートランジスタである。上記直列接続されたスイッチング素子の対は、三相交流モータ(モータ4)を回転駆動させるための3つの相の各々に対応して設けられる。
インバータ回路制御部21は、インバータ回路20を構成する各スイッチング素子のオン/オフを制御する制御用IC(いわゆるマイコン等)である。
具体的には、インバータ回路制御部21は、上位装置から回転数指令を入力するとともに、負極出力線β上に設けられたモータ電流検出部Dを通じて、当該負極出力線βを流れる電流(モータ電流)を検出する。
インバータ回路制御部21は、上記モータ電流を監視しながら、モータ4の回転数が、当該回転数指令に示される回転数となるようにインバータ回路20を駆動させる。ここで、インバータ回路制御部21は、一般に良く知られているPWM(Pulse Width Modulation)制御に基づいてインバータ回路20を制御する。
次に、図1を参照しながら、三相倍電圧整流回路1Aの回路構成について説明する。
図1に示すように、三相倍電圧整流回路1Aは、整流回路10と、倍電圧回路11と、倍電圧回路制御部12と、ゼロクロス検出部13と、3つのリアクトル(R相リアクトルLR、S相リアクトルLS及びT相リアクトルLT)と、2つのコンデンサ(正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCb)と、を有している。
整流回路10は、三相交流電源3から供給される三相の交流電圧(R相交流電圧、S相交流電圧及びT相交流電圧)を、各相に対応する3つの入力端子(R相入力端子IR、S相入力端子IS及びT相入力端子IT)の各々から入力して整流する。
整流回路10は、6つの整流ダイオード(正極側R相整流ダイオード10Ra、負極側R相整流ダイオード10Rb、正極側S相整流ダイオード10Sa、負極側S相整流ダイオード10Sb、正極側T相整流ダイオード10Ta及び負極側T相整流ダイオード10Tb)で構成される。
整流回路10の正極側R相整流ダイオード10Ra及び負極側R相整流ダイオード10Rbは、三相交流電源3からR相入力端子IRを通じて入力されたR相交流電圧を整流する。具体的には、正極側R相整流ダイオード10Raは、R相入力端子IRから正極出力線αにかけて順方向接続される。また、負極側R相整流ダイオード10Rbは、負極出力線βからR相入力端子IRにかけて順方向接続される。
整流回路10の正極側S相整流ダイオード10Sa及び負極側S相整流ダイオード10Sbは、三相交流電源3からS相入力端子ISを通じて入力されたS相交流電圧を整流する。具体的には、正極側S相整流ダイオード10Saは、S相入力端子ISから正極出力線αにかけて順方向接続される。また、負極側S相整流ダイオード10Sbは、負極出力線βからS相入力端子ISにかけて順方向接続される。
整流回路10の正極側T相整流ダイオード10Ta及び負極側T相整流ダイオード10Tbは、三相交流電源3からT相入力端子ITを通じて入力されたT相交流電圧を整流する。具体的には、正極側T相整流ダイオード10Taは、T相入力端子ITから正極出力線αにかけて順方向接続される。また、負極側T相整流ダイオード10Tbは、負極出力線βからT相入力端子ITにかけて順方向接続される。
また、3つのリアクトル(R相リアクトルLR、S相リアクトルLS及びT相リアクトルLT)は、三相交流電源3と整流回路10の3つの入力端子(R相入力端子IR、S相入力端子IS及びT相入力端子IT)の各々との間に電気的に接続されている。
具体的には、R相リアクトルLRは、三相交流電源3と整流回路10のR相入力端子IRとの間に接続される。また、S相リアクトルLSは、三相交流電源3と整流回路10のS相入力端子ISとの間に接続される。また、T相リアクトルLTは、三相交流電源3と整流回路10のT相入力端子ITとの間に接続される。
2つのコンデンサ(正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCb)は、整流回路10の正極出力線αと負極出力線βとの間において直列に接続されている。
具体的には、正極側コンデンサCaは、正極出力線αと接続点Nとの間に接続され、負極側コンデンサCbは、負極出力線βと接続点Nとの間に接続される。
なお、正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCbは同じ容量値とされる。したがって、接続点Nは、正極出力線αと負極出力線βとの電位差の中間電位点となる。
倍電圧回路11は、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧である直流電圧Vdcを、三相交流電源3から入力される三相の交流電圧の最大値の2倍の電圧にするために設けられる。
ここで、以下の説明において、三相の交流電圧の振幅相当の直流電圧Vdcを「1倍圧直流電圧Vdc1」と記載し、三相の交流電圧の振幅の2倍相当の直流電圧Vdcを「2倍圧直流電圧Vdc2」と記載して区別する(Vdc1=1/2・Vdc2)。例えば、三相交流電源3がAC200Vの交流電圧を出力する場合、1倍圧直流電圧Vdc1は、200√2Vとなり、2倍圧直流電圧Vdc2は、400・2√2Vとなる。
倍電圧回路11は、正極側コンデンサCaと負極側コンデンサCbとの間の接続点Nと、3つの入力端子(R相入力端子IR、S相入力端子IS及びT相入力端子IT)の各々との間に接続された3つの交流スイッチ(R相交流スイッチ11R、S相交流スイッチ11S及びT相交流スイッチ11T)を有してなる。
上記3つの交流スイッチは、オンとなった場合に、双方向に電流を通過可能なスイッチ回路である。本実施形態に係る3つの交流スイッチは、いずれも、スイッチング素子(例えばIGBT)と4つのダイオードを組み合わせてなる。
上記3つの交流スイッチは、後述する倍電圧回路制御部12から出力されるスイッチ制御信号によりオン/オフの制御がなされる。
倍電圧回路制御部12は、倍電圧回路11を制御する制御用ICである。倍電圧回路制御部12の具体的な機能構成については後述する。
ゼロクロス検出部13は、三相交流電源3から出力される各相の交流電圧(R相交流電圧、S相交流電圧及びT相交流電圧)を監視する。ゼロクロス検出部13は、各相の交流電圧のゼロクロス点(負電位から正電位に切り替わるタイミング、及び、正電位から負電位に切り替わるタイミング)を検出し、当該ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号を出力する。
(倍電圧回路制御部の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る倍電圧回路制御部の機能構成を示す図である。
図2に示すように、倍電圧回路制御部12は、位相設定部120と、スイッチ素子制御部121と、を備えている。
位相設定部120は、ゼロクロス検出部13から入力されたゼロクロス検出信号に基づいて、各交流スイッチ(R相交流スイッチ11R、R相交流スイッチ11R及びT相交流スイッチ11T)をオンさせるタイミング(位相)を設定する。
具体的には、本実施形態に係る位相設定部120は、R相交流電圧、S相交流電圧及びT相交流電圧の各々についてのゼロクロス検出信号を受け付けたタイミングを基準として、当該タイミングから+60°の位相となるタイミングを示す位相指令信号をスイッチ素子制御部121(後述)に通知する。
スイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対しスイッチ制御信号を出力する。スイッチ制御信号とは、倍電圧回路11を構成する3つの交流スイッチ(R相交流スイッチ11R、S相交流スイッチ11S及びT相交流スイッチ11T)のオン/オフを制御する信号であって、具体的には、各交流スイッチを構成するスイッチング素子のゲート端子に入力される信号である。
スイッチ素子制御部121は、三相の交流電圧(R相交流電圧、S相交流電圧及びT相交流電圧)のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの交流スイッチ(R相交流スイッチ11R、S相交流スイッチ11S及びT相交流スイッチ11T)のうち上記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせる。
より具体的に説明すると、スイッチ素子制御部121は、R相交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、R相交流スイッチ11Rをオンさせる。また、スイッチ素子制御部121は、S相交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、S相交流スイッチ11Sをオンさせる。更に、スイッチ素子制御部121は、T相交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、T相交流スイッチ11Tをオンさせる。
ここで、各交流電圧の「ピーク」とは、当該交流電圧が最大値となるタイミング、及び、最小値となるタイミングの両方を含むものとする。
スイッチ素子制御部121のより詳細な動作については後述する。
(スイッチ素子制御部の機能)
図3は、第1の実施形態に係るスイッチ素子制御部の機能を説明する図である。
図3に示す各グラフは、三相交流電源3が出力する各相の交流電圧と、スイッチ素子制御部121が出力する各スイッチ制御信号と、の関係を示している。
具体的には、図3に示す上から1つ目のグラフは、各相の交流電圧の時間変化を示している。図3に示すように、R相交流電圧、S相交流電圧及びT相交流電圧の各々は、互いに120°の位相ずつずれながら所定の周期Tで振動している。
図3に示すR相交流スイッチ制御信号(上から2つ目のグラフ)は、スイッチ素子制御部121がR相交流スイッチ11Rに向けて出力する信号である。また、S相交流スイッチ制御信号(上から3つ目のグラフ)は、スイッチ素子制御部121がS相交流スイッチ11Sに向けて出力する信号である。そして、T相交流スイッチ制御信号(上から4つ目のグラフ)は、スイッチ素子制御部121がT相交流スイッチ11Tに向けて出力する信号である。
なお、以下の説明においては、周期T(位相360°)を1/6(位相60°)ずつ分割してなる各期間T1〜T6を用いる。
スイッチ素子制御部121は、位相設定部120(図2)の位相指令信号に応じたタイミングで各交流スイッチをオン/オフ制御する。ここで、上述した通り、位相設定部120は、各交流電圧のゼロクロス点から60°遅れたタイミングを示す位相指令信号を出力する。スイッチ素子制御部121は、当該位相指令信号により、各交流電圧が負電位から正電位、及び、正電位から負電位に切り替わったゼロクロス点から60°遅れたタイミングにおいて各交流スイッチをオンさせる。
具体的には、スイッチ素子制御部121は、R相交流電圧が負電位から正電位に切り替わるタイミング(図3に示す位相0°)より1/6周期(+60°)遅れたタイミングを始点に、1/6周期(+60°)の時間幅(期間T2)だけR相交流スイッチ11Rをオンさせる。また、スイッチ素子制御部121は、R相交流電圧が正電位から負電位に切り替わるタイミング(期間T3と期間T4との境界)より1/6周期遅れたタイミングを始点に、1/6周期の時間幅(期間T5)だけR相交流スイッチ11Rをオンさせる。
そうすると、R相入力端子IRがオンとなる期間は、図3における位相60°〜120°の期間(期間T2)、及び、位相240°〜300°の期間(期間T5)となる。そして、当該期間T2、T5には、それぞれ、R相交流電圧がピークとなるタイミング(位相90°、270°)が含まれる。
同様に、スイッチ素子制御部121は、S相交流電圧が負電位から正電位に切り替わるタイミング(期間T2と期間T3との境界)より1/6周期遅れたタイミングを始点に、1/6周期の時間幅(期間T4)だけS相交流スイッチ11Sをオンさせる。また、スイッチ素子制御部121は、S相交流電圧が正電位から負電位に切り替わるタイミング(期間T5と期間T6との境界)より1/6周期遅れたタイミングを始点に、1/6周期の時間幅(期間T1)だけS相交流スイッチ11Sをオンさせる。
そうすると、S相入力端子ISがオンとなる期間は、図3における位相0°〜60°の期間(期間T1)、及び、位相180°〜240°の期間(期間T4)となる。そして、当該期間T1、T4には、それぞれ、S相交流電圧がピークとなるタイミング(位相30°、210°)が含まれる。
更に、スイッチ素子制御部121は、T相交流電圧が負電位から正電位に切り替わるタイミング(期間T4と期間T5との境界)より1/6周期遅れたタイミングを始点に、1/6周期の時間幅(期間T6)だけT相交流スイッチ11Tをオンさせる。また、スイッチ素子制御部121は、T相交流電圧が正電位から負電位に切り替わるタイミング(期間T1と期間T2との境界)より1/6周期遅れたタイミングを始点に、1/6周期の時間幅(期間T3)だけT相交流スイッチ11Tをオンさせる。
そうすると、T相入力端子ITがオンとなる期間は、図3における位相120°〜180°の期間(期間T3)、及び、位相300°〜360°の期間(期間T6)となる。そして、当該期間T3、T6には、それぞれ、T相交流電圧がピークとなるタイミング(位相150°、330°)が含まれる。
このように、スイッチ素子制御部121は、各相の交流電圧がピークとなるタイミングに合わせて、3つの交流スイッチを、1/6周期ごとに順番に一つずつオンさせる。
(三相倍電圧整流回路の各箇所における電流波形)
図4〜図6は、それぞれ、第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の各箇所における電流波形を示す第1の図〜第3の図である。
具体的には、図4は、倍電圧回路11を構成する3つの交流スイッチの各々に流れる電流波形を示している。なお、図4に示す電流波形は、整流回路10の各入力端子から接続点Nに流れる方向を正とし、接続点Nから整流回路10の各入力端子に流れる方向を負として示している。
また、図5は、整流回路10を構成する6つのダイオードの各々に流れる電流波形を示している。
また、図6は、正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCbをチャージする際に流れる電流波形を示している。
また、図7は、第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路に入力される入力電流波形を示す図である。
また、図8〜図13は、それぞれ、第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第1の図〜第6の図である。
以下、図3〜図13を参照しながら、三相倍電圧整流回路1Aの動作について詳細に説明する。
まず、期間T1においては、図3に示すように、R相交流電圧及びT相交流電圧が正(プラス)となっており、S相交流電圧が負(マイナス)となっている。また、期間T1においては、S相交流スイッチ11Sがオンとなっている。
この場合において三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を図8に示す。
図8に示すように、期間T1における電流Iは、まず、三相交流電源3からR相入力端子IR及びT相入力端子ITに出力され、それぞれ、正極側R相整流ダイオード10Ra及び正極側T相整流ダイオード10Taを通過する。特に、期間T1のうちR相交流電圧よりもT相交流電圧の方が高い期間(0°〜30°)においては、正極側T相整流ダイオード10Taに電流が流れ、期間T1のうちT相交流電圧よりもR相交流電圧の方が高い期間(30°〜60°)においては、正極側R相整流ダイオード10Raに電流が流れる(図5参照)。
正極側R相整流ダイオード10Ra及び正極側T相整流ダイオード10Taを通過した電流Iは、正極出力線αを経て、正極側コンデンサCaを流れる(図6参照)。更に、電流Iは、正極側コンデンサCaを通過した後、接続点NからS相入力端子ISにかけて、オン状態となっているS相交流スイッチ11Sを流れる(図4参照)。S相交流スイッチ11Sを通過した電流Iは、S相入力端子ISを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T1に流れる電流Iにより正極側コンデンサCaがチャージされ、当該正極側コンデンサCaの両端(正極出力線αと接続点Nとの間)に、期間(0°〜30°)においては、T相交流電圧とS相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(30°〜60°)においては、R相交流電圧とS相交流電圧との線間電位差が生じる。
次に、期間T2においては、図3に示すように、R相交流電圧が正(プラス)となっており、S相交流電圧及びT相交流電圧が負(マイナス)となっている。また、期間T2においては、R相交流スイッチ11Rがオンとなっている。
この場合において三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を図9に示す。
図9に示すように、期間T2における電流Iは、まず、三相交流電源3からR相入力端子IRに出力され、当該R相入力端子IRから接続点Nにかけて、オン状態となっているR相交流スイッチ11Rを流れる(図4参照)。更に、電流Iは、接続点Nを通じて、負極側コンデンサCbを流れる(図6参照)。負極側コンデンサCbを通過した電流Iは、負極出力線βを経て、負極側S相整流ダイオード10Sb及び負極側T相整流ダイオード10Tbを流れる。特に、期間T2のうちT相交流電圧よりもS相交流電圧の方が低い期間(60°〜90°)においては、負極側S相整流ダイオード10Sbに電流が流れ、期間T2のうちS相交流電圧よりもT相交流電圧の方が低い期間(90°〜120°)においては、負極側T相整流ダイオード10Tbに電流が流れる(図5参照)。負極側S相整流ダイオード10Sb及び負極側T相整流ダイオード10Tbを流れた電流Iは、それぞれ、S相入力端子IS及びT相入力端子ITを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T2に流れる電流Iにより負極側コンデンサCbがチャージされ、当該負極側コンデンサCbの両端(負極出力線βと接続点Nとの間)に、期間(60°〜90°)においては、R相交流電圧とT相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(90°〜120°)においては、R相交流電圧とS相交流電圧との線間電位差が生じる。
次に、期間T3においては、図3に示すように、R相交流電圧及びS相交流電圧が正(プラス)となっており、T相交流電圧が負(マイナス)となっている。また、期間T3においては、T相交流スイッチ11Tがオンとなっている。
この場合において三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を図10に示す。
図10に示すように、期間T3における電流Iは、まず、三相交流電源3からR相入力端子IR及びS相入力端子ISに出力され、それぞれ、正極側R相整流ダイオード10Ra及び正極側S相整流ダイオード10Saを通過する。特に、期間T3のうちS相交流電圧よりもR相交流電圧の方が高い期間(120°〜150°)においては、正極側R相整流ダイオード10Raに電流が流れ、期間T3のうちR相交流電圧よりもS相交流電圧の方が高い期間(150°〜180°)においては、正極側S相整流ダイオード10Saに電流が流れる(図5参照)。
正極側R相整流ダイオード10Ra及び正極側S相整流ダイオード10Saを通過した電流Iは、正極出力線αを経て、正極側コンデンサCaを流れる(図6参照)。更に、電流Iは、正極側コンデンサCaを通過した後、接続点NからT相入力端子ITにかけて、オン状態となっているT相交流スイッチ11Tを流れる(図4参照)。T相交流スイッチ11Tを通過した電流Iは、T相入力端子ITを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T3に流れる電流Iにより正極側コンデンサCaがチャージされ、当該正極側コンデンサCaの両端(正極出力線αと接続点Nとの間)に、期間(120°〜150°)においては、R相交流電圧とT相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(150°〜180°)においては、S相交流電圧とT相交流電圧との線間電位差が生じる。
次に、期間T4においては、図3に示すように、S相交流電圧が正(プラス)となっており、R相交流電圧及びT相交流電圧が負(マイナス)となっている。また、期間T4においては、S相交流スイッチ11Sがオンとなっている。
この場合において三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を図11に示す。
図11に示すように、期間T4における電流Iは、まず、三相交流電源3からS相入力端子ISに出力され、当該S相入力端子ISから接続点Nにかけて、オン状態となっているS相交流スイッチ11Sを流れる(図4参照)。更に、電流Iは、接続点Nを通じて、負極側コンデンサCbを流れる(図6参照)。負極側コンデンサCbを通過した電流Iは、負極出力線βを経て、負極側R相整流ダイオード10Rb及び負極側T相整流ダイオード10Tbを流れる。特に、期間T4のうちR相交流電圧よりもT相交流電圧の方が低い期間(180°〜210°)においては、負極側T相整流ダイオード10Tbに電流が流れ、期間T4のうちT相交流電圧よりもR相交流電圧の方が低い期間(210°〜240°)においては、負極側R相整流ダイオード10Rbに電流が流れる(図5参照)。負極側R相整流ダイオード10Rb及び負極側T相整流ダイオード10Tbを流れた電流Iは、それぞれ、R相入力端子IR及びT相入力端子ITを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T4に流れる電流Iにより負極側コンデンサCbがチャージされ、当該負極側コンデンサCbの両端(負極出力線βと接続点Nとの間)に、期間(180°〜210°)においては、S相交流電圧とT相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(210°〜240°)においては、S相交流電圧とR相交流電圧との線間電位差が生じる。
次に、期間T5においては、図3に示すように、S相交流電圧及びT相交流電圧が正(プラス)となっており、R相交流電圧が負(マイナス)となっている。また、期間T5においては、R相交流スイッチ11Rがオンとなっている。
この場合において三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を図12に示す。
図12に示すように、期間T5における電流Iは、まず、三相交流電源3からS相入力端子IS及びT相入力端子ITに出力され、それぞれ、正極側S相整流ダイオード10Sa及び正極側T相整流ダイオード10Taを通過する。特に、期間T5のうちT相交流電圧よりもS相交流電圧の方が高い期間(240°〜270°)においては、正極側S相整流ダイオード10Saに電流が流れ、期間T5のうちS相交流電圧よりもT相交流電圧の方が高い期間(270°〜300°)においては、正極側T相整流ダイオード10Taに電流が流れる(図5参照)。
正極側S相整流ダイオード10Sa及び正極側T相整流ダイオード10Taを通過した電流Iは、正極出力線αを経て、正極側コンデンサCaを流れる(図6参照)。更に、電流Iは、正極側コンデンサCaを通過した後、接続点NからR相入力端子IRにかけて、オン状態となっているR相交流スイッチ11Rを流れる(図4参照)。R相交流スイッチ11Rを通過した電流Iは、R相入力端子IRを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T5に流れる電流Iにより正極側コンデンサCaがチャージされ、当該正極側コンデンサCaの両端(正極出力線αと接続点Nとの間)に、期間(240°〜270°)においては、S相交流電圧とR相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(270°〜300°)においては、T相交流電圧とR相交流電圧との線間電位差が生じる。
次に、期間T6においては、図3に示すように、T相交流電圧が正(プラス)となっており、R相交流電圧及びS相交流電圧が負(マイナス)となっている。また、期間T6においては、S相交流スイッチ11Sがオンとなっている。
この場合において三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を図13に示す。
図13に示すように、期間T6における電流Iは、まず、三相交流電源3からT相入力端子ITに出力され、当該T相入力端子ITから接続点Nにかけて、オン状態となっているT相交流スイッチ11Tを流れる(図4参照)。更に、電流Iは、接続点Nを通じて、負極側コンデンサCbを流れる(図6参照)。負極側コンデンサCbを通過した電流Iは、負極出力線βを経て、負極側R相整流ダイオード10Rb及び負極側S相整流ダイオード10Sbを流れる。特に、期間T6のうちS相交流電圧よりもR相交流電圧の方が低い期間(300°〜330°)においては、負極側R相整流ダイオード10Rbに電流が流れ、期間T6のうちR相交流電圧よりもS相交流電圧の方が低い期間(300°〜360°)においては、負極側S相整流ダイオード10Sbに電流が流れる(図5参照)。負極側R相整流ダイオード10Rb及び負極側S相整流ダイオード10Sbを流れた電流Iは、それぞれ、R相入力端子IR及びS相入力端子ISを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T6に流れる電流Iにより負極側コンデンサCbがチャージされ、当該負極側コンデンサCbの両端(負極出力線βと接続点Nとの間)に、期間(300°〜330°)においては、T相交流電圧とR相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(300°〜360°)においては、T相交流電圧とS相交流電圧との線間電位差が生じる。
三相倍電圧整流回路1Aの上述の動作によれば、期間T1、T3、T5において正極側コンデンサCaがチャージされ、当該正極側コンデンサCaに三相交流電圧の線間電圧の振幅相当の電位差が生じる。また、期間T2、T4、T6において負極側コンデンサCbがチャージされ、当該負極側コンデンサCbに三相交流電圧の線間電圧の振幅相当の電位差が生じる。したがって、正極出力線αと負極出力線βとの間に生じる電位差(即ち、直流電圧Vdc)は、三相交流電圧の線間電圧の振幅の2倍の電圧相当となる。
また、図7に示すように、三相交流電源3から三相倍電圧整流回路1Aに入力される電流(R相入力電流、S相入力電流及びT相入力電流)は、いずれも、周期T(期間T1から期間T6まで)の全てにかけて尖りのない波形となっている。
ここで、例えば、期間T1から期間T3の間に生じるR相入力電流は、期間T1において正極側R相整流ダイオード10Raを通過する電流(図5参照)、期間T2においてR相交流スイッチ11Rを流れる電流(図4参照)、及び、期間T3において正極側R相整流ダイオード10Raを通過する電流(図5参照)に基づくものである。R相入力電流は、R相リアクトルLRの影響により、R相交流スイッチ11Rにおけるオン、オフの継ぎ目(期間T1と期間T2の境界、及び、期間T2と期間T3の境界)においても電流の急峻な変動が抑えられ、尖りのない電流波形となっている。
S相入力電流及びT相入力電流についても、それぞれ、S相リアクトルLS及びT相リアクトルLTの影響により同等の効果が得られている。
以上より、第1の実施形態に係る三相倍電圧整流回路1Aによれば、三相交流電源3の出力を2倍圧で出力することができ、更に、入力力率を改善し、高調波電流を抑制することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る三相倍電圧整流回路、及び、当該三相倍電圧整流回路を具備するインバータ装置について、図14〜図20を参照しながら詳細に説明する。
(インバータ装置の回路構成)
図14は、第2の実施形態に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。
第2の実施形態に係るインバータ装置1は、図14に示すように、第1の実施形態の構成に加え、更に、三相交流電源3から入力される入力電流を検出する入力電流検出部Eを備えている。
また、第2の実施形態に係る倍電圧回路制御部12は、当該入力電流検出部Eから、入力電流を示す入力電流検出信号を入力する。
(倍電圧回路制御部の機能構成)
図15は、第2の実施形態に係る倍電圧回路制御部の機能構成を示す図である。
図15に示すように、本実施形態に係る倍電圧回路制御部12の位相設定部120は、ゼロクロス検出部13からのゼロクロス検出信号と、入力電流検出部Eからの入力電流検出信号と、を入力する。そして、スイッチ素子制御部121は、当該ゼロクロス検出信号及び当該入力電流検出信号に基づいて、三相の交流電圧の各ゼロクロス点から、各相に対応する3つの交流スイッチをオンさせるまでの期間を、三相交流電源3から入力される電流の大きさに応じて変化させる。
具体的には、本実施形態に係る位相設定部120は、R相交流電圧、S相交流電圧及びT相交流電圧の各々についてのゼロクロス検出信号を受け付けたタイミングを基準として、当該タイミングから“+60°”に位相設定値φを加算した位相(+60°+φ)となるタイミングを示す位相指令信号をスイッチ素子制御部121に通知する。
ここで、位相設定値φは、三相交流電源3からの入力電流に応じて増減する位相幅である。
(位相設定部の機能)
図16、図17は、それぞれ、第2の実施形態に係る位相設定部の機能を説明する第1の図、第2の図である。
図16は、三相交流電源3から入力される入力電流と、第2の実施形態に係る位相設定部120が設定する位相設定値φとの関係を示すグラフである。
図16に示すグラフによれば、位相設定値φは、三相交流電源3からの入力電流に対し単調増加の傾向を有する。即ち、位相設定部120は、三相交流電源3からの入力電流が大きいほど位相設定値φを大きい値に設定し、入力電流が小さいほど位相設定値φを小さい値に設定する。
図17に示す各グラフは、三相交流電源3が出力する各相の交流電圧と、スイッチ素子制御部121が出力する各スイッチ制御信号と、の関係を示している。
スイッチ素子制御部121は、位相設定部120(図16)の位相指令信号に応じたタイミングで各交流スイッチをオン/オフ制御する。ここで、上述した通り、位相設定部120は、各交流電圧のゼロクロス点から“60°+φ”遅れたタイミングを示す位相指令信号を出力する。これにより、スイッチ素子制御部121は、各交流電圧が負電位から正電位、及び、正電位から負電位に切り替わったゼロクロス点から“60°+φ”遅れたタイミングにおいて各交流スイッチをオンさせる。
図17に示すように、スイッチ素子制御部121は、位相設定部120からの位相指令信号に基づき、期間T2から位相設定値φだけ遅れた期間(位相60°+φ〜120°+φ)、及び、期間T5から位相設定値φだけ遅れた期間(位相240°+φ〜300°+φ)においてR相交流スイッチ11Rをオンさせる。
また、スイッチ素子制御部121は、位相設定部120からの位相指令信号に基づき、期間T1から位相設定値φだけ遅れた期間(位相0°+φ〜60°+φ)、及び、期間T4から位相設定値φだけ遅れた期間(位相180°+φ〜240°+φ)においてS相交流スイッチ11Sをオンさせる。
更に、スイッチ素子制御部121は、位相設定部120からの位相指令信号に基づき、期間T3から位相設定値φだけ遅れた期間(位相120°+φ〜180°+φ)、及び、期間T6から位相設定値φだけ遅れた期間(位相300°+φ〜360°、0°〜0°+φ)においてT相交流スイッチ11Tをオンさせる。
(作用、効果)
図18〜図20は、第2の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の作用、効果を説明する図である。
図18に示すグラフは、三相交流電源3が出力するR相交流電圧VRと、R相リアクトルLRが発生させる誘導電圧VLRと、R相交流スイッチ11Rに印加されるスイッチ印加電圧VswRと、の関係を示している。
図18に示すように、R相交流スイッチ11Rに印加されるスイッチ印加電圧VswRは、三相交流電源3が出力するR相交流電圧VRと、R相リアクトルLRが発生させる誘導電圧VLRと、が合成されてなる。ここで、R相リアクトルLRが発生させる誘導電圧VLRは、R相交流電圧VRに対し90°の位相の遅れを有している。そのため、スイッチ印加電圧VswRがピークとなるタイミングは、R相交流電圧VRがピークとなるタイミングよりも、誘導電圧VLRに応じた位相(以下、「遅延位相θ」とも記載。)だけ遅くなる。
なお、S相交流電圧VSと、S相リアクトルLSが発生させる誘導電圧VLSと、S相交流スイッチ11Sに印加されるスイッチ印加電圧VswSとの関係、及び、T相交流電圧VTと、T相リアクトルLTが発生させる誘導電圧VLTと、T相交流スイッチ11Tに印加されるスイッチ印加電圧VswTとの関係についても同様である。
他方、R相リアクトルLRが発生させる誘導電圧VLRは、R相リアクトルLRのインダクタンス(L)を係数として、当該R相リアクトルLRに入力される入力電流(I)に比例する大きさ(ωL・I)となる。そのため、R相交流電圧に対するスイッチ印加電圧VswRの遅れの度合い(遅延位相θ)は、三相交流電源3からR相リアクトルLRに入力される入力電流(I)の大きさに応じて増減する。つまり、R相リアクトルLRに入力される入力電流(I)が大きいほど遅延位相θは大きくなる。
そこで、位相設定部120が、三相交流電源3からの入力電流の大きさに応じて、R相交流スイッチ11Rをオンさせる期間を遅らせる(位相設定値φを大きい値に設定する)ことで、R相交流スイッチ11Rがオンしている1/6周期の期間に、スイッチ印加電圧VswRのピーク近傍の時間がより多く含まれるようになる。
図19に示すグラフは、三相交流電源3から三相倍電圧整流回路1Aに入力される入力電流波形を示している。
また、図20に示す表は、三相倍電圧整流回路1Aについての回路シミュレーション結果であって、三相交流電源3からの入力電流を一定とした場合における、位相設定値[°]と、入力力率「%」及び5次高調波電流[A]との関係を示している。
図19に示すように、三相交流電源3から三相倍電圧整流回路1Aに入力される電流(R相入力電流、S相入力電流及びT相入力電流)は、第1の実施形態の場合における各入力電流(図7)と比較して、一層尖りのない波形となっている。
また、図20に示す表によれば、位相設定値φを20°とした場合における入力力率が92.63%となり、位相設定値φ=0°、10°、30°とした場合よりも高くなっている。また、位相設定値φを20°とした場合における5次高調波電流は10.76Aと、他の位相設定値φ(0°、10°、30°)よりも低い。
このように、ある入力電流値に応じて最適な位相設定値φを設定することで、各交流スイッチに印加される電圧(スイッチ印加電圧VswR、VswS、VswT)のピーク近傍の期間とR相交流スイッチ11Rをオンさせる期間とが整合し、一層の入力力率の向上、及び、高調波電流の抑制を図ることができる。
なお、図16では、例として、位相設定値φと入力電流との関係を、直線関係(比例関係)として示しているが、本実施形態においては、この態様には限定されない。例えば、位相設定値φは、図18に示す入力電流Iと遅延位相θとの関係(tanθ=ωLI/VR)に基づいて設定されるものであってもよい。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路、及び、当該三相倍電圧整流回路を具備するインバータ装置について、図21〜図28を参照しながら詳細に説明する。
(インバータ装置の回路構成)
図21は、第3の実施形態に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。
第3の実施形態に係るインバータ装置1は、図21に示すように、第2の実施形態の構成に加え、更に、直流電圧Vdcを検出する直流電圧検出部Fを備えている。
また、第3の実施形態に係る倍電圧回路制御部12は、当該直流電圧検出部Fから、直流電圧Vdcを示す直流電圧検出信号を入力する。
また、本実施形態に係るインバータ回路制御部21は、インバータ回路20から出力されるインバータ出力電圧Voutを検出するとともに、当該インバータ出力電圧Voutを示すインバータ出力電圧信号を、倍電圧回路制御部12に向けて出力する。なお、後述するように、インバータ出力電圧Voutは、モータ4の回転数(回転速度)に比例して増減する。
(倍電圧回路制御部の機能構成)
図22は、第3の実施形態に係る倍電圧回路制御部の機能構成を示す図である。
図22に示すように、第3の実施形態に係る倍電圧回路制御部12は、第2の実施形態の構成に加え、更に、電圧指令部122を備えている。
電圧指令部122は、直流電圧検出部Fからの直流電圧信号、及び、インバータ回路制御部21からのインバータ出力電圧信号に基づいて、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)を示す電圧指令信号をスイッチ素子制御部121に向けて出力する。
具体的には、電圧指令部122は、直流電圧Vdcとインバータ出力電圧Voutとの関係に応じて、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)を、「1倍圧直流電圧Vdc1」及び「2倍圧直流電圧Vdc2」のいずれとすべきか、を示す電圧指令信号を出力する。
電圧指令部122から直流電圧Vdcを「2倍圧直流電圧Vdc2」とすべき旨の電圧指令信号を受け付けた場合、本実施形態に係るスイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対し、第2の実施形態と同様のスイッチ指令を出力する(図17を参照)。これにより、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)を2倍圧直流電圧Vdc2とすることができる。
他方、電圧指令部122から直流電圧Vdcを「1倍圧直流電圧Vdc1」とすべき旨の電圧指令信号を受け付けた場合、本実施形態に係るスイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対して何らのスイッチ制御信号を出力せず、R相交流スイッチ11R、S相交流スイッチ11S及びT相交流スイッチ11Tの全てをオフさせる。
以下、この場合における三相倍電圧整流回路1Aの動作について詳細に説明する。
(三相倍電圧整流回路の動作)
図23、図24は、それぞれ、第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の動作を説明する第1の図、第2の図である。
図23は、期間T2(図17等参照)において、倍電圧回路11の3つの交流スイッチの何れもがオフとなっている場合に、三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を示している。
図23に示すように、期間T2における電流Iは、まず、三相交流電源3からR相入力端子IRに出力され、正極側R相整流ダイオード10Raを通過する。正極側R相整流ダイオード10Raを通過した電流Iは、正極出力線αを経て、正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCbの両方を流れる。正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCbを通過した電流Iは、負極出力線βを経て、負極側S相整流ダイオード10Sb及び負極側T相整流ダイオード10Tbを流れる。負極側S相整流ダイオード10Sb及び負極側T相整流ダイオード10Tbを流れた電流Iは、それぞれ、S相入力端子IS及びT相入力端子ITを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T2に流れる電流Iにより正極側コンデンサCaと負極側コンデンサCbとの直列接続で構成されるコンデンサがチャージされ、当該コンデンサの両端(正極出力線αと負極出力線βとの間)に、期間(60°〜90°)においては、R相交流電圧とT相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(90°〜120°)においては、R相交流電圧とS相交流電圧との線間電位差が生じる。
図24は、期間T5(図17等参照)において、倍電圧回路11の3つの交流スイッチの何れもがオフとなっている場合に、三相倍電圧整流回路1Aに生じる電流Iの流れの様子を示している。
図24に示すように、期間T5における電流Iは、まず、三相交流電源3からS相入力端子IS及びT相交流スイッチ11Tに出力され、それぞれ、正極側S相整流ダイオード10Sa及び正極側T相整流ダイオード10Taを通過する。正極側S相整流ダイオード10Sa及び正極側T相整流ダイオード10Taを通過した電流Iは、正極出力線αを経て、正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCbの両方を流れる。正極側コンデンサCa及び負極側コンデンサCbを通過した電流Iは、負極出力線βを経て、負極側R相整流ダイオード10Rbを流れる。負極側R相整流ダイオード10Rbを流れた電流Iは、R相入力端子IRを通じて三相交流電源3に帰還する。
以上のように、期間T5に流れる電流Iにより正極側コンデンサCaと負極側コンデンサCbとの直列接続で構成されるコンデンサがチャージされ、当該コンデンサの両端(正極出力線αと負極出力線βとの間)に、期間(240°〜270°)においては、S相交流電圧とR相交流電圧との線間電位差が生じ、期間(270°〜300°)においては、T相交流電圧とR相交流電圧との線間電位差が生じる。
なお、図23、図24では、R相交流電圧がピークとなる期間T2及び期間T5における電流Iの流れの様子を例に説明したが、電流Iは、S相交流電圧及びT相交流電圧がピークとなる他の期間においても同様の振る舞いをする。
即ち、倍電圧回路11の3つの交流スイッチの何れもがオフとなっている場合、図23、図24に示すように、三相倍電圧整流回路1Aは、通常のダイオードブリッジによる整流回路として機能する。したがって、倍電圧回路11の3つの交流スイッチの何れもがオフとなっている場合、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)は、1倍圧直流電圧Vdc1となる。
このように、第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路1Aは、倍電圧回路11(3つの交流スイッチ)を駆動させるか否かに応じて、出力電圧(直流電圧Vdc)を「2倍圧直流電圧Vdc2」とするか、「1倍圧直流電圧Vdc1」とするか、選択することができる。
(電圧指令部の機能)
図25〜図27は、それぞれ、第3の実施形態に係る電圧指令部の機能を説明する第1の図〜第3の図である。
図25は、モータ4の回転数と、インバータ回路20から出力されるインバータ出力電圧Voutとの関係を示すグラフである。
また、図26は、電圧指令部122が実行する処理フローを示す図である。
また、図27は、モータ4の回転数と、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)との関係を示すグラフである。
本実施形態に係るモータ4は、ロータに永久磁石が具備されてなる永久磁石ブラシレスモータである。この場合、モータ4の回転数が大きくなるにつれモータ巻線を貫く磁束の変化が大きくなるため、モータ4に生じる逆起電力が増大する。したがって、モータ4を所望する回転数で動作させるためには、インバータ回路制御部21は、インバータ回路20からモータ4に出力するインバータ出力電圧Voutを、モータ4の回転数に比例して増加させる必要がある。
インバータ回路制御部21が、受け付けた回転数指令に応じてインバータ出力電圧Voutを徐々に増加させていくと、当該インバータ出力電圧Voutに応じてモータ4の回転数が上昇する。しかしながら、インバータ出力電圧Voutが三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)の1/√2倍に達すると、それ以上、モータ4の回転数を上昇させることができなくなる。即ち、モータ4の最大回転数は、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧である直流電圧Vdcによって決定される。
具体的には、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)が「1倍圧直流電圧Vdc1」であった場合、モータ4の最大回転数は、インバータ出力電圧Voutが(1/√2)・Vdc1のときに得られる回転数“R1”となる(図25参照)。また、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)が「2倍圧直流電圧Vdc2」であった場合、モータ4の最大回転数は、インバータ出力電圧Voutが(1/√2)・Vdc2のときに得られる回転数“R2”となる(図25参照)。
本実施形態に係る電圧指令部122は、図26に示す処理フローに従って動作する。
即ち、電圧指令部122は、まず、直流電圧検出部Fを通じて直流電圧Vdcを検出し、当該直流電圧Vdcの検出結果に基づいて、三相倍電圧整流回路1Aが「三相ブリッジ整流動作」及び「三相倍電圧整流動作」のいずれを行っているか、を判定する(ステップS01)。ここで、「三相ブリッジ整流動作」とは、倍電圧回路11の3つの交流スイッチの全てをオフとすることで、三相倍電圧整流回路1Aをダイオードブリッジ整流回路として機能させる動作のことを指す(図23、図24参照)。また、「三相倍電圧整流動作」とは、三相の交流電圧のピークに合わせて3つの交流スイッチを一つずつ順にオンさせることで、三相倍電圧整流回路1Aを倍電圧整流回路として機能させる動作のことを指す(図8〜図13参照)。
電圧指令部122は、検出した直流電圧Vdcが1倍圧直流電圧Vdc1であった場合には、三相倍電圧整流回路1Aが「三相ブリッジ整流動作」を行っているものと判定する。また、電圧指令部122は、検出した直流電圧Vdcが2倍圧直流電圧Vdc2であった場合には、三相倍電圧整流回路1Aが「三相倍電圧整流動作」を行っているものと判定する(ステップS01:三相倍電圧整流動作)。
三相倍電圧整流回路1Aの動作が「三相ブリッジ整流動作」であった場合(ステップS01:三相ブリッジ整流動作)、インバータ回路制御部21から受け付けたインバータ出力電圧信号に基づいて、インバータ出力電圧Voutが(1/√2)・Vdc1よりも大きいか否かを判定する(ステップS02)。
インバータ出力電圧Voutが(1/√2)・Vdc1よりも大きかった場合(ステップS02:YES)、電圧指令部122は、直流電圧Vdcを「2倍圧直流電圧Vdc2」とすべき旨の電圧指令信号を出力する。これにより、スイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対するスイッチ制御信号の出力を開始し、「三相倍電圧整流動作」に切り替わる(ステップS03)。
他方、インバータ出力電圧Voutが(1/√2)・Vdc1以下であった場合(ステップS02:NO)、電圧指令部122は、処理を終了する。これにより、スイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対するスイッチ制御信号の出力停止が継続され、「三相ブリッジ整流動作」が維持される。
三相倍電圧整流回路1Aの動作が「三相倍電圧整流動作」であった場合(ステップS01:三相倍電圧整流動作)、インバータ回路制御部21から受け付けたインバータ出力電圧信号に基づいて、インバータ出力電圧Voutが(1/2√2)・Vdc2(=(1/√2)・Vdc1)以下か否かを判定する(ステップS04)。
インバータ出力電圧Voutが(1/2√2)・Vdc2以下であった場合(ステップS04:YES)、電圧指令部122は、直流電圧Vdcを「1倍圧直流電圧Vdc1」とすべき旨の電圧指令信号を出力する。これにより、スイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対するスイッチ制御信号の出力を停止し、「三相ブリッジ整流動作」に切り替わる(ステップS05)。
他方、インバータ出力電圧Voutが(1/2√2)・Vdc2より大きかった場合(ステップS04:NO)、電圧指令部122は、処理を終了する。これにより、スイッチ素子制御部121は、倍電圧回路11に対するスイッチ制御信号の出力が継続され、「三相倍電圧整流動作」が維持される。
以上のような処理フローによれば、図27に示すように、モータ4の回転数が回転数“R1”以下となった場合には、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)が1倍圧直流電圧Vdc1となる。また、モータ4の回転数が回転数“R1”より大きくなった場合には、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)が2倍圧直流電圧Vdc2となる。
なお、モータ4の回転数を“R2”以上とする場合には、三相倍電圧整流回路1Aが「三相倍電圧整流動作」を行い、インバータ回路制御部21が、「弱め界磁制御」を行ってもよい。このようにすることで、インバータ出力電圧Vout=(1/√2)・Vdc2のままで、“R2”以上の回転数を得ることができる(図25、図27参照)。
(作用・効果)
図28は、第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路の作用、効果を説明する図である。
図28に示すグラフは、モータ4の回転数と、インバータ出力電圧Voutの基本波電圧、実効値電圧の各々の関係を示している。ここで、「基本波電圧」とは、インバータ回路20が出力する電圧のうちモータ4の回転に寄与する成分であって、モータ4の回転数に比例して増減する(図25参照)。また、「実効値電圧」とは、インバータ回路20がPWM制御に基づいて実際に出力する矩形波電圧そのものの実効値である。
ここで、PWM制御に基づいてインバータ回路20から出力される電圧は矩形波であるため、実効値電圧には、モータ4の回転には寄与しない高調波成分(高調波電圧)が含まれる。したがって、実効値電圧のうち基本波電圧が占める割合が大きいほど、効率の良い運転がなされていることになる。
PWM制御においては、矩形波からなる実効値電圧の振幅(High電位)は一定(直流電圧Vdc)である。したがって、通常のPWM制御では、モータ4の回転数を所望に変更するためには、実効値電圧のキャリア周期ごとのパルス幅を調整する必要がある。即ち、高い回転数で運転する場合には、実効値電圧のキャリア周期ごとのパルス幅を広くする。他方、低い回転数で運転する場合には、実効値電圧のキャリア周期ごとのパルス幅を狭くする。
以上のような回転数制御を行う場合、回転数が低いほどパルス幅が狭くなるため、実効値電圧のうち高調波成分が占める割合が大きくなり、効率が低下する。
例えば、図28に示すように、モータ4を低い回転数“Ra”(Ra<R1)で運転する場合において、直流電圧Vdcが2倍圧直流電圧Vdc2である場合と、1倍圧直流電圧Vdc1である場合と、をそれぞれ考える。
直流電圧Vdcを2倍圧直流電圧Vdc2としたまま、モータ4の回転数を“Ra”にしようとすると、図28に示すように、実効値電圧のパルス幅が極めて小さくなり、高調波電圧が大きくなる。他方、直流電圧Vdcを1倍圧直流電圧Vdc1(=1/2・Vdc2)とした状態でモータ4の回転数を“Ra”にする場合、直流電圧Vdcが低い分、キャリア周期当たりのパルス幅を大きくすることができる。したがって、モータ4の回転数を“Ra”とする場合には、直流電圧Vdcを2倍圧直流電圧Vdc2とするよりも1倍圧直流電圧Vdc1とした方が、高調波電圧を抑制することができ、より効率の良い運転を行うことができる。
そこで、第3の実施形態に係る三相倍電圧整流回路1Aは、インバータ回路20から出力されるインバータ出力電圧Voutが、三相倍電圧整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値の中間値((1/2√2)・Vdc2)以下である場合には、3つの交流スイッチの全てをオフさせる(図26のステップS04〜ステップS05参照)。ここで、「三相倍電圧整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値」とは、三相倍電圧動作時に三相倍電圧整流回路1Aから出力される直流電圧Vdc(=2倍圧直流電圧Vdc2)によって規定されるインバータ出力電圧Voutの最大値((1/√2)・Vdc2)である。
このようにすることで、モータ4の回転数を“R1”以下とする場合には、三相倍電圧整流回路1Aの出力電圧(直流電圧Vdc)が2倍圧直流電圧Vdc2から1倍圧直流電圧Vdc1に切り替えられる。そうすると、モータ4を“R1”以下の低い回転数で回転駆動させる際に、実効値電圧の振幅が下がった分だけ、インバータ回路20が出力する実効値電圧のパルス幅を大きくすることができる。したがって、モータ4を低い回転数で運転させる場合において、高調波電圧を抑制し、インバータ装置1の効率を高めることができる。
(第3の実施形態の変形例)
図29は、第3の実施形態の変形例に係るモータの特性を説明する図である。
また、図30は、業務用空気調和機における運転条件に対する運転時間の割合を示す図である。
また、図31は、住宅用空気調和機における運転条件に対する運転時間の割合を示す図である。
図30、図31における「定格」とはモータ4を定格回転数近辺で回転させる運転であり、「中間」とはモータ4を中間回転数近辺で回転させる運転である。また、「定格回転数」とは、モータ4の定格出力時に得られる回転数であり、「中間回転数」とは、モータ4の定格回転数の中間値である。
図30、図31に示すように、冷房中間と暖房中間の運転時間の合計は、業務用及び住宅用共に約80%であり、運転時間の割合の殆どを占めている。これは、空気調和機が高い電力を要するのは、主に、室内温度と目標温度との差が大きい運転開始時点のみに限られていることに起因している。
図30、図31に示すような空気調和機の運転条件に係る実情に鑑みて、第3の実施形態の変形例に係るモータ4のモータ誘起電圧定数(モータ4の回転数とインバータ出力電圧Voutとの関係を示す定数)は、以下のように決定されている。
即ち、モータ4のモータ誘起電圧定数は、中間回転時インバータ出力電圧が、三相ブリッジ整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値より低く、かつ、当該インバータ出力電圧最大値の近傍となるように決定されている。ここで、「中間回転時インバータ出力電圧」とは、モータ4が中間回転数で回転駆動する場合にインバータ回路20から出力されるインバータ出力電圧Voutである。また、「三相ブリッジ整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値」とは、三相ブリッジ整流動作時に三相倍電圧整流回路1Aから出力される直流電圧Vdc(=1倍圧直流電圧Vdc1)よって規定されるインバータ出力電圧Voutの最大値((1/√2)・Vdc1)である。
ここで、図29は、モータ4のモータ誘起電圧定数と、当該モータ4が中間回転数で回転駆動している場合におけるインバータ出力電圧Vout、モータ電流及び効率と、の関係を示している。
即ち、モータ誘起電圧定数がある定数閾値K0以下の場合、モータ4が中間回転数で動作している場合に生じるインバータ出力電圧Voutは、三相ブリッジ整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値((1/√2)・Vdc1)よりも小さくなる。したがって、モータ4の中間回転数動作時においては、三相倍電圧整流回路1Aは、三相ブリッジ整流動作を行う。
他方、モータ誘起電圧定数が上記定数閾値K0よりも大きい場合、モータ4が中間回転数で動作している場合に生じるインバータ出力電圧Voutは、三相ブリッジ整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値((1/√2)・Vdc1)よりも大きくなる。したがって、モータ4の中間回転数動作時においては、三相倍電圧整流回路1Aは、三相倍電圧整流動作を行う。
ここで、定数閾値K0は、モータ4が中間回転数で回転駆動している場合に生じるインバータ出力電圧Voutが、三相ブリッジ整流動作から三相倍電圧整流動作に切り替わる電圧閾値(即ち、三相ブリッジ整流動作時におけるインバータ出力電圧最大値(1/√2)・Vdc1)に一致する場合におけるモータ誘起電圧定数である。
まず、モータ誘起電圧定数が定数閾値K0よりも低く、かつ、定数閾値K0から大きく離れている場合を考える。この場合、モータ4が中間回転数で回転駆動している際に生じるインバータ出力電圧Voutは低くなる。そうすると、三相倍電圧整流回路1Aが三相ブリッジ整流動作を行うものの、モータ4は、回転数“R1”よりも極めて低い回転数で動作することになるため、実効値電圧のうち高調波電圧が占める割合が高くなり、効率が低下する(図28参照)。
次に、モータ誘起電圧定数が定数閾値K0よりもわずかに高い場合を考える。この場合、モータ4が中間回転数で動作する際、三相倍電圧整流回路1Aは三相倍電圧整流動作を行う。しかしながら、モータ4は回転数“R1”よりもわずかに大きい回転数で動作するため、実効値電圧のうち高調波電圧が占める割合が高くなり、効率が低下する(図28参照)。
他方、モータ誘起電圧定数が定数閾値K0よりもわずかに低い場合を考える。この場合、モータ4が中間回転数で動作する際、三相倍電圧整流回路1Aは三相ブリッジ整流動作を行う。また、モータ4は、回転数“R1”よりもわずかに小さい回転数で動作するため、実効値電圧のうち高調波電圧が占める割合が低くなり、効率が上昇する(図28参照)。
以上より、第3の実施形態の変形例に係るモータ4によれば、空調機の運転時間の割合の殆どを占めている中間回転数動作時において、高調波電圧が低く効率が高い運転が可能となる。
以上、第1の実施形態〜第3の実施形態(及びその変形例)に係る三相倍電圧整流回路、インバータ装置及び空調機について詳細に説明したが、三相倍電圧整流回路、インバータ装置及び空調機の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、第1の実施形態、第2の実施形態において、倍電圧回路制御部12は、3つの交流スイッチを、三相の交流電圧の1/6周期ごとに順番に一つずつオンさせるものとして説明した(図3、図17参照)。
第1の実施形態、第2の実施形態の変形例に係る倍電圧回路制御部12は、更に、3つの交流スイッチのうちの一の交流スイッチがオンしている状態から他の交流スイッチがオンしている状態に切り替えるタイミングで、3つの交流スイッチの全てがオフしているオフセット期間を設けてもよい。
具体的には、例えば第1の実施形態(図3)において、倍電圧回路制御部12(スイッチ素子制御部121)は、位相0°、60°、120°、180°、240°、300°の各々のタイミングにおいて、R相交流スイッチ11R、S相交流スイッチ11S及びT相交流スイッチ11Tの全てをオフするオフセット期間を設ける。
このようにすることで、各交流スイッチの応答遅延等により、3つの交流スイッチのうちの2つ以上が同時にオンし、三相交流電源3の各相が短絡されてしまうことを防止することができる。
また、上述の各実施形態で説明した3つの交流スイッチ(R相交流スイッチ11R、S相交流スイッチ11S及びT相交流スイッチ11T)は、いずれも、スイッチング素子(例えばIGBT)と4つのダイオードを組み合わせてなるものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、交流スイッチは、ダイオード内蔵型のIGBTを2つ直列に接続したものであってもよい。また、交流スイッチは、逆阻止IGBT(RB(Reverse Blocking)−IGBT)を並列に2つ接続してなるものであってもよい。その他、交流スイッチは、双方向に電流を通過可能な双方向スイッチとして一般に知られている態様であれば、如何なる態様であっても構わない。
また、上述の各実施形態においては、倍電圧回路制御部12の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各手順を行うものとしている。ここで、上述した倍電圧回路制御部12の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、倍電圧回路制御部12の機能が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
1 インバータ装置
1A 三相倍電圧整流回路
10 整流回路
10Ra 正極側R相整流ダイオード
10Rb 負極側R相整流ダイオード
10Sa 正極側S相整流ダイオード
10Sb 負極側S相整流ダイオード
10Ta 正極側T相整流ダイオード
10Tb 負極側T相整流ダイオード
IR R相入力端子
IS S相入力端子
IT T相入力端子
11 倍電圧回路
11R R相交流スイッチ
11S S相交流スイッチ
11T T相交流スイッチ
12 倍電圧回路制御部
120 位相設定部
121 スイッチ素子制御部
122 電圧指令部
13 ゼロクロス検出部
Ca 正極側コンデンサ
Cb 負極側コンデンサ
N 接続点
LR R相リアクトル
LS S相リアクトル
LT T相リアクトル
D モータ電流検出部
E 入力電流検出部
F 直流電圧検出部
20 インバータ回路
21 インバータ回路制御部
3 三相交流電源
4 モータ

Claims (10)

  1. 三相交流電源から供給される三相の交流電圧を、各相に対応する3つの入力端子の各々から入力して整流する整流回路と、
    前記三相交流電源と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つのリアクトルと、
    前記整流回路の正極出力線と負極出力線との間において直列に接続された正極側コンデンサ及び負極側コンデンサと、
    前記正極側コンデンサと前記負極側コンデンサとの間の接続点と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つの交流スイッチを有する倍電圧回路と、
    前記倍電圧回路を制御する倍電圧回路制御部と、
    を備え、
    前記倍電圧回路制御部は、
    前記三相の交流電圧のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの前記交流スイッチのうち前記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせる
    三相倍電圧整流回路。
  2. 前記倍電圧回路制御部は、
    3つの前記交流スイッチを、前記三相の交流電圧の1/6周期ごとに順番に一つずつオンさせる
    請求項1に記載の三相倍電圧整流回路。
  3. 前記倍電圧回路制御部は、
    3つの前記交流スイッチのうちの一の交流スイッチがオンしている状態から他の交流スイッチがオンしている状態に切り替えるタイミングで、3つの前記交流スイッチの全てがオフしているオフセット期間を設ける
    請求項2に記載の三相倍電圧整流回路。
  4. 前記倍電圧回路制御部は、
    前記三相の交流電圧のゼロクロス点から、各相に対応する3つの前記交流スイッチの各々をオンさせるまでの期間を、前記三相交流電源から入力される電流の大きさに応じて変化させる
    請求項2又は請求項3に記載の三相倍電圧整流回路。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の三相倍電圧整流回路と、
    前記三相倍電圧整流回路から出力される直流電圧を、負荷を所望に駆動させるための負荷駆動用交流電圧に変換するインバータ回路と、
    を備えるインバータ装置。
  6. 前記倍電圧回路制御部は、
    前記インバータ回路から出力されるインバータ出力電圧が、前記三相倍電圧整流回路から出力される直流電圧によって規定されるインバータ出力電圧最大値の中間値以下である場合には、3つの前記交流スイッチの全てをオフさせる
    請求項5に記載のインバータ装置。
  7. 請求項6に記載のインバータ装置と、
    前記負荷として、前記インバータ回路から出力される負荷駆動用交流電圧に基づいて回転駆動するモータと、
    を備える空気調和機。
  8. 前記モータのモータ誘起電圧定数は、
    当該モータが中間回転数で回転駆動する場合に前記インバータ回路から出力されるインバータ出力電圧が、3つの前記交流スイッチの全てがオフしている場合における前記インバータ出力電圧最大値より低く、かつ、当該インバータ出力電圧最大値の近傍となるように決定されている
    請求項7に記載の空気調和機。
  9. 三相交流電源から供給される三相の交流電圧を、各相に対応する3つの入力端子の各々から入力して整流する整流回路と、前記三相交流電源と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つのリアクトルと、前記整流回路の正極出力線と負極出力線との間において直列に接続された正極側コンデンサ及び負極側コンデンサと、前記正極側コンデンサと前記負極側コンデンサとの間の接続点と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つの交流スイッチを有する倍電圧回路と、を備える三相倍電圧整流回路の制御方法であって、
    前記三相の交流電圧のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの前記交流スイッチのうち前記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせるステップを有する三相倍電圧整流回路の制御方法。
  10. 三相交流電源から供給される三相の交流電圧を、各相に対応する3つの入力端子の各々から入力して整流する整流回路と、前記三相交流電源と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つのリアクトルと、前記整流回路の正極出力線と負極出力線との間において直列に接続された正極側コンデンサ及び負極側コンデンサと、前記正極側コンデンサと前記負極側コンデンサとの間の接続点と、3つの前記入力端子の各々との間に接続された3つの交流スイッチを有する倍電圧回路と、を備える三相倍電圧整流回路のコンピュータを、
    前記三相の交流電圧のうちの一の相における交流電圧がピークとなるタイミングを含む所定の期間だけ、3つの前記交流スイッチのうち前記一の相に対応する一の交流スイッチをオンさせる倍電圧回路制御部として機能させるプログラム。
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