図1は片側3車線の道路の片側を示している。図1に示す道路1の片側において、その右端側には中央線11が設けられている。本実施形態においては、中央線11は中央分離帯である。また、道路1の片側において、その左端側は路端12である。また、路端12の右側には車道外側線13が設けられており、路端12と車道外側線13との間に路側帯14が形成されている。さらに、中央線11と車道外側線13との間には2本の車線境界線15が設けられ、これにより、中央線11と車道外側線13との間に3本の車線16が形成されている。
ここで、路端および路側帯の意味を明確にするために、道路の構成要素につき、いくつか定義を設ける。「車道」とは、車両の通行に用いるために、縁石線または道路標示等によって区画された道路の部分を意味することする。また、「歩道」とは、歩行者の通行に用いるために、縁石線等によって区画された道路の部分を意味することとする。また、「路側帯」とは、歩行者の通行に用いるため、または車道の効用を保つために、歩道の設けられていない道路等の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によって区画されたものを意味することとする。また、「路端」とは、車道の端を意味することとする。具体的には、歩道のない道路において、路端とは道路の端を意味し、歩道のある道路において、路端とは車道の端を意味する。また、路側帯が設けられた道路において、路端とは、路側帯の外側の端(道路において、左側に路側帯が設けられている場合には路側帯の左端、右側に路側帯が設けられている場合には路側帯の右端)を意味する。
道路1上には、複数台の自動四輪車および複数台の自動二輪車が存在している。本実施形態において、各自動四輪車は自動運転車両であり、運転者が操縦することなく車両自体が当該車両の状態および当該車両の周囲の状態を認識して当該車両の走行および停止を自動的に制御する機能を有している。一方、自動二輪車は自動運転車両ではなく、運転者が操縦する車両である。
また、各自動四輪車および各自動二輪車は車車間通信を行う機能を有している。各自動四輪車は、車車間通信により、他の自動四輪車の走行を予測し、予測結果を運転制御に反映させる機能を有している。また、各自動二輪車は、車車間通信により、自動四輪車から提供される情報を受け取り、その情報を自動二輪車の運転者に伝える機能(例えば自動二輪車に搭載されたナビゲーション装置のディスプレイに情報を表示する機能)を有している。
図1に示すように、道路1は渋滞しており、各自動四輪車および各自動二輪車は停止し、または低速で走行している。以下、説明の便宜上、複数台の自動四輪車のうち、自己が運転する自動四輪車を「自車」といい、自車には符号21を付す。また、それ以外の自動四輪車を「他車」といい、他車には符号22を付す。図1において、自車21は、最も左側の車線16に位置している。
また、道路1上の複数台の自動二輪車の中には、自車21の側方領域17を低速で通り抜けようとする自動二輪車が存在する。以下、説明の便宜上、このような自動二輪車を「通り抜け二輪車」といい、通り抜け二輪車には符号23を付す。図1において、自車21の右側の側方領域17の後方には、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとしている通り抜け二輪車23が存在している。
また、道路1上の複数台の自動二輪車の中には、自車21の前方領域18または後方領域19を横切って左右方向に移動しようとする自動二輪車が存在する。以下、説明の便宜上、このような自動二輪車を「横切り二輪車」といい符号24を付す。図1において、自車21の左側の側方領域17の前方には、自車21の前方領域18を横切って、自車21の左方から右方へ移動しようとしている横切り二輪車24が存在している。また、自車21の左側の側方領域17の後方には、自車21の後方領域19を横切って、自車21の左方から右方へ移動しようとしている横切り二輪車24が存在している。
ここで、自車21の側方領域17とは次の領域を意味する。すなわち、図2は片側2車線以上の道路2の片側に位置する自車21の側方領域17を示している。図2(1)に示すように、片側2車線以上の道路2において、自車21が道路2の片側の最も右側(中央側)の車線に位置する場合には、道路2の中央線11と自車21との間の領域a、および自車21が位置する車線16の左隣りの車線16に位置して自車21と並ぶ他車22と自車21との間の領域bがそれぞれ側方領域17である。
また、図2(2)に示すように、片側2車線以上の道路2において、自車21が道路2の片側の最も右側または最も左側の車線16を除く車線16に位置する場合には、自車21が位置する車線16の右隣りの車線16に位置して自車21と並ぶ他車22と自車21との間の領域c、および自車21が位置する車線16の左隣りの車線16に位置して自車21と並ぶ他車22と自車21との間の領域dがそれぞれ側方領域17である。
また、図2(3)に示すように、片側2車線以上の道路2において、自車21が道路2の片側の最も左側の車線16に位置する場合には、自車21が位置する車線16の右隣りの車線16に位置して自車21と並ぶ他車22と自車21との間の領域e、および道路2の左側路端12と自車21との間の領域fがそれぞれ側方領域17である。
また、図3は片側1車線の道路3の片側に位置する自車21の側方領域17を示している。図3に示すように、自車21が片側1車線の道路3の片側に位置する場合には、道路3の中央線11と自車21との間の領域g、および道路3の左側路端12と自車21との間の領域hがそれぞれ側方領域17である。
また、図4は中央線のない1車線の道路4に位置する自車21の側方領域17を示している。図4に示すように、自車21が中央線のない1車線の道路4に位置する場合には、道路4の右側路端12と自車21との間の領域j、および道路4の左側路端12と自車21との間の領域kがそれぞれ側方領域17である。
他方、図1に示す自車21の前方領域18および後方領域19は次のように定められる。すなわち、同一の車線16において、自車21と、自車21の直前に位置する他車22との間の領域が前方領域18である。また、同一の車線16において、自車21と、自車21の直後に位置する他車22との間の領域が後方領域19である。
図5は、自車21に設けられた車両制御システムを示している。車両制御システム31は、自動運転車両における種々の制御を行うシステムである。車両制御システム31には、本発明の実施形態による運転支援情報提供装置32が含まれている。図5では、車両制御システム31のうち、運転支援情報提供装置32を構成する部分を中心に示している。また、各他車22にも車両制御システムが設けられている。以下、自車21に設けられた車両制御システム31の構成について説明するが、各他車22に設けられた車両制御システムも、自車21に設けられた車両制御システム31と同様の構成を有する。
車両制御システム31は、自車21の周囲を監視する検出装置として、カメラ33、超音波センサ34、ミリ波レーダ35およびレーザレーダ36等を備えている。カメラ33、超音波センサ34、ミリ波レーダ35およびレーザレーダ36は運転支援情報提供部44および運転制御部55にそれぞれ接続されている。
カメラ33は、自車21の周囲を撮像する装置であり、例えばデジタルビデオカメラ等である。また、本実施形態において、自車21には4つのカメラ33が設けられている。第1のカメラ33は、自車21の前方を撮像するものであり、自車21における前側に取り付けられている。第2のカメラ33は、自車21の後方を撮像するものであり、自車21における後ろ側に取り付けられている。第3のカメラ33は、自車21の左方を撮像するものであり、自車21における左側に取り付けられている。第4のカメラ33は、自車21の右方を撮像するものであり、自車21における右側に取り付けられている。各カメラ33の視野角は例えば30度ないし90度程度である。また、各カメラ33の撮像範囲には、自車21の前方、後方、左方および右方の路面が含まれ、各カメラ33は、自車21の前方、後方、左方および右方の路面を撮像することができる。なお、自車21の周囲の路面を撮像するための専用のカメラ33を設けてもよい。また、赤外線カメラを追加し、赤外線カメラにより、自車21の周囲または自車21の周囲の路面を撮像してもよい。
超音波センサ34は、超音波を発射し、それが対象物に反射して返ってくるまでの時間を計測することで、対象物の有無や、対象物までの距離を検出する装置である。超音波センサ34は、主に、自車21に近い領域に存在する対象物を認識することに用いられる。本実施形態において、超音波センサ34は、自車21の前方、後方、左方および右方にそれぞれ存在する対象物を認識することができるように、自車21の車体に複数取り付けられている。また、超音波センサ34は、自車21の周囲の路面の状態(例えば凍結の有無、または氷の厚さ等)を検出することができる。なお、自車21の周囲の路面の状態を検出するための専用の超音波センサ34を設けてもよい。
ミリ波レーダ35は、ミリ波帯の電波を発射し、反射波の帰還時間や周波数を測定することで、対象物との距離、速度または方向を検出する装置である。レーザレーダ36は、レーザを照射し、そのレーザの反射を観測することで、対象物との距離を測定する装置である。ミリ波レーダ35およびレーザレーダ36は、超音波センサ34と比較して自車21から離れた領域に存在する対象物を認識することができる。本実施形態においては、ミリ波レーダ35およびレーザレーダ36は、主に、自車21の前方および後方であって自車21から比較的離れた領域に存在する対象物を認識することができるように、自車21の車体に複数取り付けられている。なお、これらのレーダを例えば自車21の車体の四隅に設け、対象物を認識し得る範囲を左方および右方へ拡大してもよい。
また、車両制御システム31は、自車21の周囲の風の風向および風速を検出する風向/風速センサ37を備えている。
また、車両制御システム31は、主に自車21の位置および状態を認識するための装置として、ジャイロセンサ51、加速度センサ52、車速センサ53、およびGPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信部54を備えている。これらの装置は自車21の車体に取り付けられている。また、これらの装置は、運転制御部55に接続されている。
また、車両制御システム31は、記憶部41、車車間通信部42、路車間通信部43、運転支援情報提供部44および運転制御部55を備えている。これらは自車21の車体に設けられており、また、これらは例えばバスを介して相互に接続されている。
記憶部41は、例えば書換可能な不揮発性の半導体記憶素子、またはハードディスクドライブ等を備えている。記憶部41には、自車21の位置を認識するのに要する地図データ、および後述する運転支援情報提供処理で用いられる基準値等が記憶されている。
車車間通信部42は、自車21と自動二輪車との間、および自車21と他の自動四輪車との間で無線通信を行う装置である。自車21は、車車間通信部42を用いて、通り抜け二輪車23および横切り二輪車24のそれぞれに情報を提供することができる。
路車間通信部43は、自車21と、例えば道路に設けられた路側通信装置56(図1参照)との間で無線通信を行う装置である。例えば、道路交通情報提供センタ等の情報提供事業者は、路側通信装置56を介して、交通情報、渋滞情報、および天候情報等を、道路の利用者に提供している。自車21は、路車間通信部43を用いて、情報提供事業者が路側通信装置56を介して提供する情報を受け取ることができる。
運転支援情報提供部44は、自車21の周囲を走行している自動二輪車に、当該自動二輪車の運転を支援する情報を提供する装置である。具体的には、運転支援情報提供部44は、(1)渋滞時において、自車21の周囲の路面の状態を示す路面情報、および自車21の周囲の横風の強さを示す横風情報を通り抜け二輪車23に提供する処理、(2)渋滞時において、上記路面情報を横切り二輪車24に提供する処理、および(3)渋滞時において、通り抜け二輪車23に接近する自動二輪車が存在することを示す接近情報を通り抜け二輪車23に提供する処理を行う。運転支援情報提供部44は、演算処理装置にコンピュータプログラムを読み込ませ、それを実行することにより実現される。
詳細には、運転支援情報提供部44は、自車21が位置する道路1が渋滞しているか否かを判断する渋滞判断部45と、通り抜け二輪車23または横切り二輪車24の存在を認識する二輪車監視部46と、自車21の周囲の路面の状態を示す路面情報を取得する路面情報取得部47と、自車21の周囲の横風の情報を示す横風情報を取得する横風情報取得部48と、路面の状態が自動二輪車の運転に支障がある場合に、車車間通信部42を介して路面情報を通り抜け二輪車23または横切り二輪車24へ出力し、また、横風が自動二輪車の運転に支障がある場合に、車車間通信部42を介して横風情報を通り抜け二輪車23へ出力し、また、車車間通信部42を介して接近情報を通り抜け二輪車23へ出力する情報出力制御部49とを備えている。なお、情報出力制御部49および車車間通信部42は情報送信部の具体例である。また、本発明の実施形態による運転支援情報提供装置32は、カメラ33、超音波センサ34、ミリ波レーダ35、レーザレーダ36、風向/風速センサ37、記憶部41、車車間通信部42、路車間通信部43、および運転支援情報提供部44により構成される。
運転制御部55は、自車21の発進、停止、制動、加速、減速、操舵等を制御し、自車21の運転を自動的に行う装置である。運転制御部55は、ジャイロセンサ51、加速度センサ52、車速センサ53、またはGPS受信部54から得られる情報と、記憶部41に記憶保持された地図データを用い、自車21の位置、速度、走行方向等を特定する。また、運転制御部55は、カメラ33、超音波センサ34、ミリ波レーダ35、またはレーザレーダ36から得られる情報を用い、自車21の周囲の状態を認識する。さらに、運転制御部55は、車車間通信部42を介して他車22から受け取った、他車22の位置、速度、走行方向等の情報を用い、他車22の走行を予測する。さらに、運転制御部55は、路車間通信部43を介して得られる交通情報等を用い、道路や信号の状態等を認識する。そして、運転制御部55は、自車21の位置、速度、走行方向等の特定、自車21の周囲の状態の認識、他車22の走行の予測、および道路や信号の状態等の認識を行いつつ、自車21の運転者により指示された目的地に向かって自車21の運転を行う。また、運転制御部55は、自車21の位置、速度、走行方向等の情報を車車間通信部42を介して他車22へ提供する。
図6および図7は、運転支援情報提供装置32における運転支援情報提供処理を示している。運転支援情報提供処理の概要は次の通りである。
まず、道路1が渋滞しているか否かを判断する。そして、道路1が渋滞している場合には、続いて、主に、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23に情報を提供する処理を行う。すなわち、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23を認識し、この通り抜け二輪車23に路面情報および横風情報を提供する処理を行う。さらに、自車21の前方または後方を左から右へ横切る横切り二輪車24を認識し、横切り二輪車24が通り抜け二輪車23に接近しつつあることを示す接近情報を、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23に提供する処理を行う。また、このとき、この左から右へ横切る横切り二輪車24に路面情報を提供する処理をも併せて行う。
続いて、主に、自車21の左側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23に情報を提供する処理を行う。すなわち、自車21の左側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23を認識し、この通り抜け二輪車23に路面情報および横風情報を提供する処理を行う。さらに、自車21の前方または後方を右から左へ横切る横切り二輪車24を認識し、横切り二輪車24が通り抜け二輪車23に接近しつつあることを示す接近情報を、自車21の左側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23に提供する処理を行う。また、このとき、この右から左へ横切る横切り二輪車24に路面情報を提供する処理をも併せて行う。
また、図2ないし図4に示すように、道路には複数の種類があり、道路または車線ごとに側方領域17の具体的態様がそれぞれ異なるが、運転支援情報提供処理は、これら側方領域17の複数の態様のすべてに対応している。すなわち、運転支援情報提供処理によれば、自車21が道路2、3、4のいかなる道路に位置していても、または道路2のいかなる車線16に位置していても、自車21の側方領域17を適切に認識することができ、その側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23を正しく認識することができる。
以上概説した運転支援情報提供処理について詳細に述べる。図6において、自車21の車両制御システム31の稼働中、まず、運転支援情報提供部44の渋滞判断部45が、自車21が位置する道路1が渋滞しているか否かを判断する(ステップS1)。渋滞しているか否かの判断基準は様々考えられるが、本実施形態における渋滞判断部45は、例えば、自車21が停止または低速で前進し、自車21の直前の他車22と自車21との間の車間距離が小さく、かつこのような状態が所定時間継続した場合に、自車21が位置する道路1が渋滞していると判断する。ここでいう低速とは、例えば、人が歩く速度以下の速度、または人がジョギングする速度以下の速度である。具体的には、渋滞判断部45は、自車21が停止し、自車21の直前の他車22と自車21との車間距離が10m以下であり、かつこのような状態が所定時間継続した場合に、自車21が位置する道路1が渋滞していると判断する。また、渋滞判断部45は、例えば、自車21が時速10km以下の速度で前進し、自車21の直前の他車22と自車21との車間距離が10m以下であり、かつこのような状態が所定時間継続した場合にも、自車21が位置する道路1が渋滞していると判断する。また、渋滞判断部45は、自車21が停止しているか否か、または低速で前進しているか否かを車速センサ53から得られる車速情報に基づいて判断することができる。また、渋滞判断部45は、自車21の前方に他車22が存在すること、およびその他車22と自車21との距離を、カメラ33から得られる自車21の前方の撮像画像、または超音波センサ34、ミリ波レーダ35もしくはレーザレーダ36から得られる情報に基づいて判断することができる。また、情報提供事業者から路側通信装置56を介して提供された渋滞情報を、路車間通信部43を用いて受け取り、この渋滞情報を渋滞の判断に利用してもよい。
自車21が位置する道路1が渋滞していない場合には(ステップS1:NO)、運転支援情報提供部44は、運転支援情報提供処理を終える。もっとも、運転支援情報提供部44は、自車21の車両制御システム31の稼働中は運転支援情報提供処理を繰り返し実行するので、運転支援情報提供処理を終えた直後、運転支援情報提供処理がステップS1から再び実行される。
一方、自車21が位置する道路1が渋滞している場合には(ステップS1:YES)、続いて、運転支援情報提供部44の二輪車監視部46が、自車21の右側に側方領域17があるか否かを判断する(ステップS2)。
自車21の右側に側方領域17があるか否かを判断するに当たり、二輪車監視部46は、まず、カメラ33から得られた自車21の周囲の撮像画像等により自車21が位置する道路の種類および車線16を認識する。なお、自車21が位置する車線16の認識には、GPS受信部54から得られた測位情報や、ジャイロセンサ51および加速度センサ52等を用いた自律航法に基づく位置情報を用いてもよい。自車21が、図2(1)に示すように、片側2車線以上の道路2の片側の最も右側(中央側)の車線16に位置する場合には、二輪車監視部46は、カメラ33から得られた自車21の右方の撮像画像、または超音波センサ34から得られた情報等に基づいて自車21の右方に中央線11があるか否かを認識し、自車21の右方に中央線11がある場合には、自車21の右側に側方領域17(領域a)があると判断する。また、自車21が、図3に示すように、片側1車線の道路3の片側に位置する場合において、二輪車監視部46が自車21の右側に側方領域17(領域g)があると判断する場合も同様である。
また、自車21が、図2(2)に示すように、片側2車線以上の道路2の片側において最も右側または最も左側の車線16を除く車線16に位置する場合には、二輪車監視部46は、カメラ33から得られた自車21の右方の撮像画像、または超音波センサ34から得られた情報等に基づいて、自車21の右隣りの車線16に並んだ他車22が存在するか否かを判断し、このような他車22が存在する場合には、自車21の右側に側方領域17(領域c)があると判断する。また、自車21が、図2(3)に示すように、片側2車線以上の道路2の片側の最も左側の車線16に位置する場合において、二輪車監視部46が自車21の右側に側方領域17(領域e)があると判断する場合も同様である。
また、自車21が、図4に示すように、中央線のない1車線の道路4に位置する場合には、二輪車監視部46は、カメラ33から得られた自車21の右方の撮像画像、または超音波センサ34から得られた情報等に基づいて、自車21の右方に路端12が存在するか否かを判断し、路端12が存在する場合には、自車21の右側に側方領域17(領域j)があると判断する。なお、路端12は、車道外側線13に基づいて判断してもよいし、道路4に歩道がある場合には、車道と歩道との間に設けられた縁石線を認識することにより判断してもよい。
自車21の右側に側方領域17がある場合には(ステップS2:YES)、続いて、二輪車監視部46は、自車21の右側の側方領域17が、自動二輪車が通り抜けることが可能な幅(左右方向の長さ)を有するか否かを判断する(ステップS3)。この判断は、自動二輪車が通り抜けるのに要する領域の幅を示す通り抜け幅基準値を予め記憶部41に記憶しておき、側方領域17が図2(1)に示す領域a、または図3に示す領域gの場合には、自車21と中央線11との間の距離を超音波センサ34等を用いて測定し、これにより得られた距離の値と通り抜け幅基準値とを比較することにより行うことができる。また、側方領域17が図2(2)に示す領域c、または図2(3)に示す領域eの場合、ステップS3の判断は、自車21の右隣りに位置して自車21と並んだ他車22と自車21の間の距離を超音波センサ34等を用いて測定し、これにより得られた距離の値と通り抜け幅基準値とを比較することにより行うことができる。また、側方領域17が図4に示す領域jの場合、ステップS3の判断は、自車21と右側路端12との間の距離を超音波センサ34等を用いて測定し、これにより得られた距離の値と通り抜け幅基準値とを比較することにより行うことができる。
自車21の右側の側方領域17が、自動二輪車が通り抜けることが可能な幅を有している場合には(ステップS3:YES)、続いて、二輪車監視部46は、自車21の右側の側方領域17の後方に自動二輪車が存在するか否かを判断する(ステップS4)。この判断は、例えば、ミリ波レーダ35、レーザレーダ36またはカメラ33を用いて行うことができる。例えば、ミリ波レーダ35またはレーザレーダ36から得られた情報に基づいて自車21の右側の側方領域17の後方に物体が存在することを認識し、カメラ33から得られた自車21の後方の撮像画像によりその物体が自動二輪車であることを認識することができる。
自車21の右側の側方領域17の後方に自動二輪車が存在する場合には(ステップS4:YES)、続いて、二輪車監視部46は、自車21の右側の側方領域17を当該自動二輪車が通り抜けようとしているか否かを判断する(ステップS5)。この判断は、例えば、ミリ波レーダ35もしくはレーザレーダ36から得られた情報、またはカメラ33から得られた自車21の後方の撮像画像等に基づき、当該自動二輪車の走行方向、速度等を認識することにより行うことができる。
自車21の右側の側方領域17を当該自動二輪車が通り抜けようとしている場合には(ステップS5:YES)、運転支援情報提供部44の路面情報取得部47が、自車21の周囲の路面の状態を示す路面情報を取得する(ステップS6)。路面情報は、具体的には、自車21の周囲の路面が雨等で濡れているか、当該路面が凍っているか、当該路面に雪が積もっているか等を示す情報である。自車Aの周囲の路面の状態は、カメラ33から得られる撮像画像、または超音波センサ34から得られる情報により認識することができる。また、情報提供事業者から路側通信装置56を介して提供された天候情報を、路車間通信部43を用いて受け取り、この天候情報を路面の状態の認識に利用してもよい。なお、自車21の周囲の路面には、右側の側方領域17が存在する場合には当該側方領域17の路面が含まれ、左側の側方領域17が存在する場合には当該側方領域17の路面が含まれ、さらに前方領域18の路面および後方領域19の路面が含まれる。
続いて、運転支援情報提供部44の横風情報取得部48が、自車21の周囲の横風の強さを示す横風情報を取得する(ステップS7)。横風情報は、具体的には、自車21にその左方または右方から吹き付ける風の風速を示す情報である。図1中のWは、自車21にその左方から吹き付ける横風を示している。この風の風向および風速は、風向/風速センサ37により認識または測定することができる。また、情報提供事業者から路側通信装置56を介して提供された天候情報を、路車間通信部43を用いて受け取り、この天候情報を横風の強さの認識に利用してもよい。
続いて、ステップS8において、運転支援情報提供部44の情報出力制御部49が、ステップS6で取得された路面情報に基づき、自車21の周囲の路面の状態が、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとしている自動二輪車、すなわち通り抜け二輪車23の運転に支障を来すか否かを判断する。この判断は、例えば、自動二輪車が低速で路上を走行する際に、自動二輪車のタイヤが滑る危険性が高い路面の状態を示す路面基準情報を予め定め、この路面基準情報を記憶部41に記憶しておき、ステップS6で取得された路面情報と路面基準情報とを比較することにより行うことができる。なお、通り抜け二輪車23は側方領域17を通り抜けて自車21を追い越して前進するので、通り抜け二輪車23の速度は、自車21の速度よりも速いが、それは、人がジョギングする速度とほぼ等しいか、人がジョギングする速度よりも少し速い程度であり、例えば時速10kmないし15km程度である。
さらに、ステップS8において、情報出力制御部49は、ステップS7で取得された横風情報に基づき、自車21の周囲の横風の強さが、通り抜け二輪車23の運転に支障を来すか否かを判断する。この判断は、例えば、自動二輪車が低速で走行する際に、自動二輪車が横風を受けてふらつく危険性が高い横風の風速を示す風速基準値を予め定め、この風速基準値を記憶部41に記憶しておき、ステップS7で取得された横風情報が示す横風の風速と風速基準値とを比較することにより行うことができる。例えば、風速基準値は8m/s程度であることが好ましい。
続いて、ステップS9において、情報出力制御部49は、自車21の周囲の路面の状態が通り抜け二輪車23の運転に支障を来す場合には、路面情報を通り抜け二輪車23へ提供する。また、情報出力制御部49は、自車21の周囲の横風の強さが通り抜け二輪車23の運転に支障を来す場合には、横風情報を通り抜け二輪車23へ提供する。通り抜け二輪車23へ提供された路面情報または横風情報は、運転支援情報提供部44から車車間通信部42に出力され、車車間通信部42から通り抜け二輪車23へ送信される。
一方、ステップS2で、自車21の右側に側方領域17がないと判断された場合、ステップS3で、自車21の右側の側方領域17が、自動二輪車が通り抜けることが可能な幅を有していないと判断された場合、ステップS4で、自車21の右側の側方領域17の後方に自動二輪車が存在しないと判断された場合、またはステップS5で、自車21の右側の側方領域を自動二輪車が通り抜けようとしていないと判断された場合には、処理は直ちにステップS10に移行し、この結果、路面情報の取得または提供は行われず、かつ横風情報の取得または提供も行われない。また、ステップS8で、自車21の周囲の路面の状態が通り抜け二輪車23の運転に支障を来さないと判断された場合には、ステップS9で路面情報は通り抜け二輪車23へ提供されない。また、ステップS8で、自車21の周囲の横風の強さが通り抜け二輪車23の運転に支障を来さないと判断された場合には、ステップS9で横風情報は通り抜け二輪車23へ提供されない。
続いて、二輪車監視部46が、自車21の左側に側方領域17があるか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、自車21が、図2(1)に示すように、片側2車線以上の道路2の片側の最も右側(中央側)の車線16に位置する場合には、二輪車監視部46は、カメラ33から得られた自車21の左方の撮像画像、または超音波センサ34から得られた情報等に基づいて、自車21の左隣りの車線16に並んだ他車22が存在するか否かを判断し、このような他車22が存在する場合には、自車21の左側に側方領域17(領域b)があると判断する。また、自車21が、図2(2)に示すように、片側2車線以上の道路2の片側において最も右側または最も左側の車線16を除く車線16に位置する場合において、二輪車監視部46が自車21の左側に側方領域17(領域d)があると判断する場合も同様である。
また、自車21が、図2(3)に示すように、片側2車線以上の道路2の片側の最も左側の車線16に位置する場合には、二輪車監視部46は、カメラ33から得られた自車21の左方の撮像画像、または超音波センサ34から得られた情報等に基づいて、自車21の左方に路端12が存在するか否かを判断し、路端12が存在する場合には、自車21の左側に側方領域17(領域f)があると判断する。なお、路端12は、車道外側線13に基づいて判断してもよいし、道路2に歩道がある場合には、車道と歩道との間に設けられた縁石線を認識することにより判断してもよい。また、自車21が、図3に示すように、片側1車線の道路3の片側に位置する場合において、二輪車監視部46が自車21の左側に側方領域17(領域h)があると判断する場合も同様である。また、自車21が、図4に示すように、中央線のない1車線の道路4に位置する場合において、二輪車監視部46が自車21の左側に側方領域17(領域k)があると判断する場合も同様である。
自車21の左側に側方領域17がある場合には(ステップS10:YES)、続いて、二輪車監視部46は、自車21の左側の側方領域17、当該側方領域17の直前、または当該側方領域17の直後に自動二輪車が存在するか否かを判断する(ステップS11)。この判断は、超音波センサ34、カメラ33、レーザレーダ36またはミリ波レーダ35を用いて行うことができる。
自車21の左側の側方領域17、当該側方領域17の直前、または当該側方領域17の直後に自動二輪車が存在する場合には(ステップS11:YES)、続いて、二輪車監視部46は、ステップS12において、自車21の前方領域18が、自動二輪車が横切ることが可能な長さ(前後方向の長さ)を有するか否かを判断する。この判断は、自動二輪車が横切るのに要する領域の長さを示す横切り長さ基準値を予め記憶部41に記憶しておき、自車21の直前に存在する他車22と自車21との間の距離を超音波センサ34、ミリ波レーダ35またはレーザレーダ36等を用いて測定し、これにより得られた距離の値と横切り長さ基準値とを比較することにより行うことができる。
また、ステップS12において、二輪車監視部46は、自車21の後方領域19が、自動二輪車が横切ることが可能な長さを有するか否かを判断する。この判断は、自車21の直後に存在する他車22と自車21との間の距離を超音波センサ34、ミリ波レーダ35またはレーザレーダ36等を用いて測定し、これにより得られた距離の値と横切り長さ基準値とを比較することにより行うことができる。
自車21の前方領域18が、自動二輪車が横切ることが可能な長さを有する場合、ステップS13において、二輪車監視部46は、自車21の左側の側方領域17またはその直前に存在する自動二輪車が自車21の前方領域18を横切ろうとしているか否かを判断する。この判断は、例えば、超音波センサ34、ミリ波レーダ35もしくはレーザレーダ36から得られた情報、またはカメラ33から得られた自車21の左方または前方の撮像画像等に基づき、自動二輪車の走行方向、速度等を認識することにより行うことができる。
また、自車21の後方領域19が、自動二輪車が横切ることが可能な長さを有する場合、ステップS13において、二輪車監視部46は、自車21の左側の側方領域17またはその直後に存在する自動二輪車が自車21の後方領域19を横切ろうとしているか否かを判断する。この判断は、例えば、超音波センサ34、ミリ波レーダ35もしくはレーザレーダ36から得られた情報、またはカメラ33から得られた自車21の左方または後方の撮像画像等に基づき、自動二輪車の走行方向、速度等を認識することにより行うことができる。
そして、自車21の左側の側方領域17またはその直前に存在する自動二輪車が自車21の前方領域18を横切ろうとしている場合、または、自車21の左側の側方領域17またはその直後に存在する自動二輪車が自車21の後方領域19を横切ろうとしている場合には(ステップS13:YES)、路面情報取得部47が、自車21の周囲の路面の状態を示す路面情報を取得する(ステップS14)。路面情報の取得方法は、ステップS6と同様である。
続いて、情報出力制御部49が、ステップS14で取得された路面情報に基づき、自車21の周囲の路面の状態が、自車21の前方領域18または後方領域19を横切ろうとしている自動二輪車、すなわち横切り二輪車24の運転に支障を来すか否かを判断する(ステップS15)。この判断方法は、ステップS8と同様である。
自車21の周囲の路面の状態が横切り二輪車24の運転に支障を来す場合には(ステップS15:YES)、情報出力制御部49は路面情報を横切り二輪車24へ提供する。横切り二輪車24へ提供された路面情報は、運転支援情報提供部44から車車間通信部42に出力され、車車間通信部42から横切り二輪車24へ送信される。一方、自車21の周囲の路面の状態が横切り二輪車24の運転に支障を来さない場合には(ステップS15:NO)、情報出力制御部49は路面情報を横切り二輪車24へ提供しない。
続いて、二輪車監視部46が、自車21の右側に通り抜け二輪車23が存在するか否かを判断する(ステップS17)。この判断は、二輪車監視部46がステップS5で行った判断結果を利用することにより行うことができる。すなわち、二輪車監視部46がステップS5を実行し、そこで、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとしている通り抜け二輪車23が存在すると判断した場合には、二輪車監視部46は、ステップS17で、自車21の右側に通り抜け二輪車23が存在すると判断する。
自車21の右側に通り抜け二輪車23が存在する場合には(ステップS17:YES)、情報出力制御部49は、自車21の左側の側方領域17から自車21の右側へ移動しようとする横切り二輪車24が、自車21の右側の側方領域17を通り抜けようとする通り抜け二輪車23に接近していることを示す接近情報を当該通り抜け二輪車23へ提供する(ステップS18)。通り抜け二輪車23へ提供された接近情報は、運転支援情報提供部44から車車間通信部42に出力され、車車間通信部42から通り抜け二輪車23へ送信される。一方、自車21の右側に通り抜け二輪車23が存在しない場合には(ステップS17:NO)、情報出力制御部49は接近情報の提供を行わない。
一方、ステップS10で、自車21の左側に側方領域17がないと判断された場合、ステップS11で、自車21の左側の側方領域17、当該側方領域17の直前、または当該側方領域17の直後に自動二輪車が存在しないと判断された場合、ステップS12で、自車21の前方領域18および後方領域19のいずれも、自動二輪車が横切ることが可能な長さを有していないと判断された場合、または、ステップS13で、自車21の左側の側方領域17、当該側方領域17の直前、または当該側方領域17の直後に存在する自動二輪車が自車21の前方領域18または後方領域19を横切ろうとしていないと判断された場合には、処理は直ちに図7中のステップS19に移行し、この結果、路面情報の取得または提供は行われず、かつ接近情報の提供も行われない。
続いて、運転支援情報提供部44は、図7中のステップS19ないしS35の処理を行う。これらの処理は、ステップS19、S20、S21、S22、S27、S28、S29、S30およびS34の各判断において、認識の対象となる側方領域17、通り抜け二輪車23または横切り二輪車24と自車21との位置関係が左右逆である点を除き、ステップS2ないしS17の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
以上、説明した通り、本発明の実施形態による運転支援情報提供装置32によれば、渋滞時において、左右に並んだ自動四輪車間、自動四輪車と路端との間、または自動四輪車と中央線との間を通り抜けて前進しようとする自動二輪車に、当該自動二輪車が通り抜ける場所の路面情報および横風情報を提供することにより、当該自動二輪車の運転を支援することができる。これにより、自動二輪車が通り抜けをする際に、自動四輪車に接触することを防止することができる。例えば、左右に並んだ自動四輪車間を自動二輪車が通り抜けようとする際に、当該自動二輪車の運転者は、それらの一方の自動四輪車から受け取った路面情報から、それら自動四輪車間の路面の一部が凍結していることを知り、それら自動四輪車間を通り抜けることを断念することができる。これにより、自動二輪車が自動四輪車間を通り抜けている途中でスリップし、いずれかの自動四輪車に接触することを防止することができる。また、左右に並んだ自動四輪車間を自動二輪車が通り抜けようとする際に、当該自動二輪車の運転者は、それらの一方の自動四輪車から受け取った横風情報から、横風が強いことを知り、それら自動四輪車間を通り抜けることを思いとどまることができる。これにより、自動二輪車が自動四輪車間を通り抜けた直後に強い横風を受け、バランスを失して転倒することを未然に防ぐことができる。
渋滞時においては、道路上が混雑しており、視界が悪いので、自動二輪車の運転者は、路面の状態や横風の強弱等を把握することが困難である場合がある。また、密集した自動四輪車との接触を避けつつ自動二輪車を操縦することは容易でなく、自動二輪車の運転者は、操縦に専念する余り、路面の状態や横風の強弱の把握し損なう場合がある。このような大きな負担を有する自動二輪車の運転者に路面情報および横風情報を提供することにより、運転者の負担を減らすことができ、運転に余裕を持たせることができ、渋滞時の交通の安全性を高めることができる。
また、運転支援情報提供装置32によれば、渋滞時において、前後に並んだ自動四輪車間を横切ろうとする自動二輪車に、当該自動二輪車が横切る場所の路面情報を提供することにより、当該自動二輪車の運転を支援することができる。これにより、自動二輪車間を横切る際に、自動二輪車と自動四輪車とが接触することを防止することができる。例えば、前後に並んだ自動四輪車間を自動二輪車が横切ろうとする際に、当該自動二輪車の運転者は、それらの一方の自動四輪車から受け取った路面情報から、それら自動四輪車間の路面の一部が凍結していることを知り、それら自動四輪車間を横切るのをしばらく待ち、路面が全面的に凍結していない部分に到達したときに横切りを行うといった判断をすることができる。
また、運転支援情報提供装置32によれば、渋滞時において、左右に並んだ自動四輪車間、自動四輪車と路端との間、または自動四輪車と中央線との間を通り抜けて前進しようとする自動二輪車に、前後に並んだ自動四輪車間を横切ろうとする自動二輪車が接近しつつある場合には、左右に並んだ自動四輪車間等を通り抜けて前進しようとする自動二輪車に接近情報を提供することにより、双方の自動二輪車が接触することを未然に防ぐことができる。
また、本実施形態による運転支援情報提供装置32では、路面の状態または横風の強さが自動二輪車の運転に支障を来す場合に限り、路面情報または横風情報を自動二輪車へ提供する。すなわち、路面の状態または横風の強さが自動二輪車の運転に支障を来さない場合には、路面情報または横風情報を自動二輪車へ提供しない。これにより、不要な情報の提供、または情報の提供が過多になることにより、運転者による自動二輪車の運転が妨げられることを防ぐことができる。
なお、上述した実施形態では、中央線11が中央分離帯であり、路側帯14があり、かつ歩道のない道路1に自車21が位置する場合を例にあげたが、本発明の運転支援情報提供装置は自車21が、中央線が区画線のみである道路、路側帯のない道路、または歩道のある道路に位置する場合でも用いることができる。
また、上述した実施形態による運転支援情報提供装置32の処理は、日本の法律に従い、車両が道路の左側を通行する場合を前提としているが、運転支援情報提供装置32の処理において、左と右を逆にすることにより、運転支援情報提供装置32を、例えば米国のように、車両が道路の右側を通行する場合にも適用することができる。
また、上述した実施形態による運転支援情報提供装置32の運転支援情報提供処理において、カメラ33、超音波センサ34、ミリ波レーダ35またはレーザレーダ36を用いて側方領域17または自動二輪車を認識する方法を述べたが、側方領域17または自動二輪車の認識方法はこれに限定されない。また、路面の状態の認識方法、または横風の強弱の認識方法も限定されない。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う運転支援情報提供装置もまた本発明の技術思想に含まれる。