JP6538587B2 - 流延装置及び溶液製膜方法 - Google Patents

流延装置及び溶液製膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6538587B2
JP6538587B2 JP2016029948A JP2016029948A JP6538587B2 JP 6538587 B2 JP6538587 B2 JP 6538587B2 JP 2016029948 A JP2016029948 A JP 2016029948A JP 2016029948 A JP2016029948 A JP 2016029948A JP 6538587 B2 JP6538587 B2 JP 6538587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
outlet
support
range
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016029948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017144693A (ja
Inventor
淳史 稲田
淳史 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2016029948A priority Critical patent/JP6538587B2/ja
Priority to KR1020170010887A priority patent/KR20170098159A/ko
Priority to CN201710085318.8A priority patent/CN107097373B/zh
Publication of JP2017144693A publication Critical patent/JP2017144693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6538587B2 publication Critical patent/JP6538587B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • B29C41/24Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of indefinite length
    • B29C41/28Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of indefinite length by depositing flowable material on an endless belt
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • B29C41/34Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • B29C41/34Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C41/36Feeding the material on to the mould, core or other substrate
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • B29C41/34Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C41/52Measuring, controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2007/00Flat articles, e.g. films or sheets

Description

本発明は、流延装置及び溶液製膜方法に関する。
偏光板の保護フィルムなどの光学フィルムの製造方法として、溶液製膜方法が知られている。溶液製膜方法は、ダイから、ポリマーが溶媒に溶解したドープを走行する支持体へ向けて流出することにより支持体上に流延膜を形成し、流延膜を支持体から剥ぎ取って乾燥するフィルムの製造方法である。ドープが出るダイの出口はスリット状に形成されており、これにより、ダイの出口からはビードと呼ばれるドープの膜状物が支持体にわたって形成される。
ビードが振動するなど不安定である場合には、得られるフィルムには厚みむら、すなわち厚みの不均一化が生じる。こうしたビードの不安定化を招くものとして、支持体の走行方向に伴って流れるいわゆる同伴風がある。ビードに対する同伴風の影響を抑えるために、支持体の走行方向におけるダイの上流側を、減圧チャンバにより減圧する方法があり、この方法は一定の効果がある。しかし、製造するフィルムの厚みが薄くなるほど、そして、製造する速度を高めるほど、減圧チャンバを使用したビードの制御は難しくなるのが実情である。
そこで、例えば特許文献1と特許文献2とには、支持体の走行方向におけるダイの上流側、かつダイと近接した位置に、同伴風を遮る遮風部材を設けている。特許文献1には、遮風部材の上流側表面において遮られなかった微量の同伴風を、ダイの上流側表面に案内し、案内された同伴風をダイと遮風部材との間に形成した吸引通路を介してダイの上部に送る方法が記載されている。また、この特許文献1には、遮風部材の支持体との対向面に多孔質層または吸引溝を形成しており、これらに上記の微量の同伴風を案内する方法も記載されている。特許文献1に記載される方法は、ビードへの同伴風の影響を抑制する観点で優れる。
また、特許文献2の遮風部材は、ダイと対向する対向面に開口が形成されている。この開口は、遮風部材の幅方向全域とされている。遮風部材の中には、幅方向において複数の領域に仕切る仕切り板が設けられ、仕切り版で区画された側部の特定領域において気体を吸引する。近年ではディスプレイのさらなる薄型化に伴い、使用される光学フィルムには、従来は問題視されなかった程度のごくわずかな厚みむらを抑制することが望まれている。特許文献1,2に記載される方法は、同伴風の影響によるごくわずかな厚みむらの発生を抑える点で優れる。
特開2015−066742号公報 特開2015−168062号公報
しかしながら、厚みの最大値と最小値との差がごくわずかな厚みむらには、フィルムの長手方向において概ね一定のピッチで現れるものがある。このように周期性をもつ厚みむらは、光学フィルムをより薄く製造するためにビードを薄く形成する場合には現れやすい傾向がある。
そこで、本発明は、厚みがより均一な光学フィルムを製造する流延装置及び溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明の流延装置は、走行する支持体と、ダイと、遮風ボックスと、吸引機構とを備える。ダイは、支持体に向けてスリット状の出口からドープを流出する。遮風ボックスは、箱状に形成されており、支持体の走行方向におけるダイよりも上流に配され、支持体の走行に伴って流れる同伴風を遮る。吸引機構は、遮風ボックスの内部の気体を吸引する。遮風ボックスは、支持体に対向し、支持体の走行方向に沿って延びた対向板を有する。対向板は、支持体の走行方向における下流端、かつ、上記出口の長手方向における一端側と他端側とのそれぞれに、上記出口の長手方向に延びた開口が形成されている。遮風ボックスとダイの出口から支持体にわたって形成されるビードとの中間のうち、支持体の幅方向における中央部の圧力をPCとするときに、吸引機構は、遮風ボックスの内部の気体を吸引することにより、PC−大気圧で求める差圧を−40Pa以上0Pa以下の範囲内にする。
支持体の走行方向に直交する幅方向において遮風ボックスの端縁は上記出口の端縁よりも外側であることが好ましい。前述の開口の外側の端縁は、上記出口の端縁から内側40mm以上100mm以下の範囲内であり、前述の開口の内側の端縁は、上記出口の端縁から内側140mm以上450mm以下の範囲内であることが好ましい。
前述の開口の長手方向の長さは、ダイの出口の長手方向の長さの5%以上25%以下の範囲内であることが好ましい。前述の開口の短手方向の長さは、5mm以上80mm以下の範囲内であることが好ましい。
遮風ボックスがダイと隙間をもって対向し、流延装置は延設部材を備えることが好ましい。延設部材は、ダイの出口の長手方向に沿って延びており、上記隙間の支持体側の端部を閉塞する。
本発明の溶液製膜方法は、上記の流延装置を用いてドープからなる流延膜を支持体に形成するステップと、支持体から流延膜を剥ぎ取ることによりフィルムを形成するステップと、フィルムを乾燥するステップとを有する。
遮風ボックスとダイの出口から支持体にわたって形成されるビードとの中間のうち、支持体の幅方向における中央部の圧力であるPCが−40Pa以上0Pa以下の範囲内であり、ビードとダイの開口との間の圧力であるPSが−300Pa以上−10Pa以下の範囲内であり、PC−PSは5Pa以上250Pa以下の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、同伴風がより確実に抑制され、厚みがより均一な光学フィルムが得られる。
本発明を実施した溶液製膜設備の概略図である。 流延ダイと遮風ボックスとの一部断面概略図である。 遮風ボックスの斜視図である。 遮風ボックスの対向板の説明図である。
図1において、本発明を実施した溶液製膜設備10は、光学フィルム(以下、単に「フィルム」と称する)11を連続的に製造するためのものである。製造するフィルム11の厚みは、本実施形態では30μmまたは60μmとしているが、特に限定されず、10μm以上70μm以下の範囲内とされる。以下に示す各実施形態は、フィルム11の厚みが薄い場合ほど、厚みむらの抑制効果と同伴風の抑制効果とが顕著であり、例えば10μm以上50μm以下の範囲内のフィルム11を製造する場合には、従来技術と比べて特に大きな効果が確認されている。
溶液製膜設備10は、上流側から順に、流延装置12とクリップテンタ13と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。なおこの例では、液晶ディスプレイの偏光板の保護膜として用いるフィルム11を製造しているが、これに限られず、例えば、偏光板の保護機能を有する位相差フィルムや低透湿フィルムとして用いるフィルムを製造することができる。
流延装置12は、ポリマーが溶媒に溶解したポリマー溶液であるドープ18から、溶媒を含んだ状態のフィルム11を形成するためのものである。この例では、ドープ18のポリマーをセルローストリアセテート(以下、TACと称する)、溶媒をジクロロメタンとメタノールとの混合物としている。しかしドープ18のポリマーと溶媒とはこれに限定されない。ポリマーの他の例としては、例えば、TACとは異なるセルロースアシレートと、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等が挙げられる。TACとは異なるセルロースアシレートとしては、例えば、セルロースジアセテートと、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。溶媒の他の例としてはメタノールと、ブタノールと、アセトンと、クロロホルム等が挙げられ、こうした物質は単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよく、用いるポリマーの種類に応じて決められる。
流延装置12は、ダイ19と、遮風ボックス20と、吸引機構21と、流延ベルト22と、回転ローラ23,24と、流延ベルト22から流延膜33を剥ぎ取る剥取ローラ25と、温調器26と、送風機27a,27b等を備える。
ダイ19は、供給されてきたドープ18を、内部において案内しながらドープ18の流れを膜状に形成し、流出するためのものである。流延ベルト22は、ダイ19から流出したドープ18を支持して流延膜33を形成するためのものである。
回転ローラ23,24には、環状に形成された支持体としての流延ベルト22が掛け渡される。回転ローラ23,24は回転軸23a,24aを有し、回転軸23a,24aが図示しない駆動装置により回転することにより、周方向に回転する。この回転に伴い流延ベルト22は長手方向に連続的に走行する。ダイ19は、本実施形態においては回転ローラ23上に設けているが、回転ローラ23から回転ローラ24に向かう流延ベルト22上に設けてもよい。走行する流延ベルト22に向けてダイ19からドープ18が連続的に流出することにより、流延ベルト22上に流延膜33が形成される。なお、ダイ19の出口40から流出したドープ18は流延ベルト22にかけて膜状のビード18a(図2参照)を形成する。この例では、支持体として、回転ローラ23,24に掛け渡され、回転ローラ23,24の回転により走行する流延ベルト22を用いているが、これに限られず、流延ドラム(図示無し)を用いてもよい。
流延ベルト22は走行速度が25m/分以上80m/分以下の範囲内にされており、これによりフィルム11の製造速度が25m/分以上80m/分以下の範囲内としている。本実施形態では、流延ベルト22の走行速度並びにフィルム11の製造速度を60m/分にしている。
温調器26は、流延膜33を支持する流延ベルト22のベルト面の温度を所定の値にするためのものである。流延膜33が温調器26は、回転ローラ23,24に取り付けられており、伝熱媒体の温度を調節する温度調節部(図示無し)を備え、温度調節部と回転ローラ23,24内に設けられる流路との間で、所望の温度に調節された伝熱媒体を循環させる。この伝熱媒体の循環により、回転ローラ23,24を介して流延ベルト22の温度を調節する。
送風機27a,27bは、流延膜33を乾燥するためのものである。送風機27a,27bは、ダイ19よりも流延ベルト22の走行方向下流側に設けられる。なお、流延ベルト22の走行方向(以下、単に「走行方向」と称する)は、図中において矢線Xで示す。送風機27a,27bは、本実施形態では、通過する流延膜33に向けて乾燥風を送出するものとしているが、これに限られず、例えば走行方向Xに向けて流延膜33上に乾燥風を供給するものであってもよい。
流延ベルト22上にはこの走行に伴って気流が生じる。この気流である同伴風を遮るための遮風ボックス20は、走行方向Xにおけるダイ19よりも上流に配される。遮風ボックス20は、中空の箱状に形成された遮風部材である。したがって、遮風ボックス20は、走行方向Xにおけるダイ19の上流側、かつ、流延ベルト22の近傍の空間を外部空間と仕切る構造とされている。吸引機構21は、遮風ボックス20と接続しており、遮風ボックス20の内部の気体を吸引する。
剥取ローラ25は、その回転軸を回転ローラ23の回転軸23aと平行に配される。剥取ローラ25は、この例では、フィルム11の搬送路に関して流延ベルト22とは反対側に配されており、周面にフィルム11が巻き掛けられる。剥取ローラ25は、フィルム11の搬送にともなって従動回転する。フィルム11を剥取ローラ25に巻き掛けた状態で、溶液製膜設備10の下流に向けてフィルム11が引っ張られることにより、流延膜33が所定の剥取位置で流延ベルト22から剥がれる。なお、剥取ローラ25をモータによりフィルム11の搬送に同期して回転させてもよい。
流延装置12からクリップテンタ13に至る搬送路には、複数のローラ28が配され、これらのローラ28は、フィルム11をクリップテンタ13に案内する。複数のローラ28によって設定されるフィルム11の搬送路の近傍には、送風装置(図示無し)が設けられてもよい。この送風装置は、溶媒を含んだ状態のフィルム11に、風をあててフィルム11の乾燥をすすめる。
クリップテンタ13は、フィルム11を幅方向に延伸する延伸装置であり、フィルム11の側端部を保持する保持部材としてのクリップ29を複数備える。なお、保持部材は、複数のピンを台に備えたピンプレートであってもよい。複数のクリップ29は、環状に形成されたチェーン(図示無し)に、所定の間隔で取り付けられている。チェーンは、レール(図示無し)に沿って移動自在に取り付けられており、チェーンの移動により、クリップ29はレールに沿って循環移動する。クリップ29は、クリップテンタ13の入口近傍で、案内されてきたフィルム11の保持を開始し、出口に向かって移動して、出口近傍で保持を解除する。保持を解除したクリップ29は再び入口近傍に移動して、新たに案内されてきたフィルム11を保持する。クリップテンタ13は、クリップ29をフィルム11の長手方向と幅方向とに移動させることにより、フィルム11を長手方向に搬送しながら幅方向に延伸する。クリップテンタ13には送風装置30が設けられており、搬送されるフィルム11には送風装置30から乾燥風が送られる。
クリップテンタ13より下流には、本実施形態のように耳切装置31が設けられていてもよい。耳切装置31は、フィルム11の幅方向両側端部を切り離す。切り離された両側端部は、送風によりクラッシャ32に送られて、クラッシャ32により破砕され、ドープ等の原料として再利用される。
乾燥室15には、フィルム11を搬送しながら、さらに乾燥をすすめるためのものである。乾燥室15には多数のローラ34が設けられており、ローラ34のそれぞれにフィルム11が巻き掛けられながら搬送される。乾燥室15内の雰囲気の温度や湿度などは、図示しない空調機により調節されている。
冷却室16は、乾燥室15の下流に設けられており、フィルム11を例えば室温となるまで冷却するためのものである。冷却室16は、雰囲気の温度や湿度などが、図示しない空調機により調節されている。
本実施形態では、冷却室16の下流にナーリング付与ローラ35を設けている。ナーリング付与ローラ35は、フィルム11の両側端部に多数の凹凸からなるナーリングを付与する。巻取室17は巻取機36を備え、巻取機36はプレスローラ38を有する。巻取機36にはフィルム11を巻き取るための巻き芯37がセットされ、駆動部(図示無し)によって巻き芯37を周方向に回転させてフィルム11をプレスローラ38による押さえながら巻き芯37に巻き取る。
図2に示すように、遮風ボックス20は、ダイ19と隙間をもって対向している。なお、製造するフィルム11の種類に応じて、ダイ19のドープ18を出す出口40と流延ベルト22との距離は設定される。出口40は、図2の紙面奥行方向に延びたスリット状に形成されており、出口40の長手方向が流延ベルト22の幅方向に一致するようにダイ19は設けられる。ダイ19と遮風ボックス20とは、それぞれ金属で形成され、温度に応じて寸法がごくわずかではあるが変化する。そこで、ダイ19と遮風ボックス20との寸法が変化してもダイ19と遮風ボックス20とが接触しないように、隙間CLの間隔、すなわちダイ19と遮風ボックス20との距離が設定される。例えば、隙間CLの間隔は、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内に設定され、本実施形態では1.0mmとしている。
遮風ボックス20のダイ19と対向する対向面20sには、延設部材41が突出して設けられている。この延設部材41は、隙間CL(図1参照)のうち流延ベルト22側の端部を閉塞する閉塞部材である。延設部材41は、図3に示すように、流延ベルト22の幅方向Yに沿って延びている。前述の通り、流延ベルト22の幅方向と出口40の長手方向とは一致するから、以下の説明においては、出口40の長手方向にも符号Yを付す。延設部材41は、隙間CL中の空気に生じる非常に小さい波長の気圧波がビード18aに伝わることを抑制するためのものである。図中Zは、鉛直方向であり、出口40の長手方向Yは鉛直方向Zと直交する。延設部材41は、対向面20sにおける流延ベルト22側の端部、すなわち、図2及び図3において対向面20sの鉛直方向Zにおける下側端部に設けられている。なお、延設部材41は隙間CLのうち流延ベルト22側の端部を閉塞するものであるが、延設部材はこの例に限られず、隙間CLの全域を閉塞するものであってもよい。
ダイ19と遮風ボックス20とは、出口40の長手方向Yに長く、かつ、金属で形成されているから、隙間CLを出口40の長手方向Yの全域にわたって閉塞するために、ダイ19と遮風ボックス20とを延設部材41を挟んだ状態で互いに押圧して配することが好ましい。さらに、延設部材41は柔らかい素材で形成されていることが好ましい。例えば、弾性率がダイ19と遮風ボックス20とを構成する金属よりも低い素材が好ましく、このような素材としてはフッ素系ポリマーが挙げられる。フッ素系ポリマーとしては例えばポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、本実施形態でも、ポリテトラフルオロエチレンとしている。なお、延設部材41の素材は、ドープ18に溶媒として使用した液体に溶解しないものとする。
遮風ボックス20は、図2における上方の外部空間と遮風ボックス20の内部空間とを仕切る天板44と、流延ベルト22に近接して対向する対向板45とを有する。対向板45は、走行方向Xに沿って延びており、このため、遮風ボックス20と流延ベルト22との距離は走行方向Xにおいて概ね一定とされている。
天板44には第1開口46が形成されており、対向板45には第2開口47が形成されている。吸引機構21は、遮風ボックス20と第1開口46において接続しており、この第1開口46から遮風ボックス20の内部の気体を吸引する。これにより、対向板45と流延ベルト22との間の気体が、第2開口47から流入し、遮風ボックス20の内部気体として吸引機構21に吸引される。
ここで、遮風ボックス20とビード18aとの中間との圧力のうち、流延ベルト22の幅方向Yにおける中央部の圧力を中央部圧力PCとする。吸引機構21を用いて遮風ボックス20の内部の気体を吸引することにより、中央部圧力PCから大気圧を減じた差であるPC−大気圧を−40Pa以上0Pa以下の範囲内にすることが好ましく、−25Pa以上0Pa以下の範囲内にすることがより好ましく、−15Pa以上0Pa以下の範囲内にすることがさらに好ましい。本実施形態では−30Paまたは−100Paとしている。
第2開口47は、走行方向Xにおける対向板45の下流端に形成されている。図4に示すように、第2開口47は、対向板45に、出口40の長手方向Yにおける一端側と他端側とのそれぞれに、形成されている。なお、図4に示す遮風ボックス20は、対向板45の外郭を示している。第2開口47は、出口40の長手方向Yに延びた、例えば矩形に形成されている。
遮風ボックス20の端縁20eL,20eRは、出口40の端縁EL,ERよりも、流延ベルト22の幅方向Yにおいて外側とされることが好ましく、本実施形態でもそのようにしてある。すなわち、図4における遮風ボックス20の左側の端縁20eLは出口40の左側の端縁ELよりも外側とされ、遮風ボックス20の右側の端縁20eRは出口40の右側の端縁ERよりも外側とされている。このように、出口40の長手方向Yにおける遮風ボックス20の長さは、出口40の長手方向Yの長さよりも大きい。
各第2開口47の外側の端縁47оは、出口40の端縁EL,ERから流延ベルト22の幅方向Yにおける内側40mm以上100mm以下の範囲内であることが好ましい。つまり、流延ベルト22の幅方向Yにおいて、図4における左側の第2開口47の端縁47oは端縁ELより内側であり、右側の第2開口47の端縁47oは端縁ERより内側であり、端縁47oと端縁EL,ERとの距離D1が40mm以上100mm以下の範囲内であることが好ましい。本実施形態では、距離D1は90mmとしている。距離D1は、50mm以上95mm以下の範囲内であることがより好ましく、60mm以上90mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
各第2開口47の内側の端縁47iは、出口40の端縁EL,ERから流延ベルト22の幅方向Yにおける内側140mm以上450mm以下の範囲内であることが好ましい。つまり、流延ベルト22の幅方向Yにおいて、図4における左側の第2開口47の端縁47iは端縁ELより内側であり、右側の第2開口47の端縁47iは端縁ERより内側であり、端縁47iと端縁EL,ERとの距離D2が140mm以上450mm以下の範囲内であることが好ましい。本実施形態では、距離D2は300mmとしている。距離D2は、170mm以上410mm以下の範囲内であることがより好ましく、200mm以上300mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
ここで、第2開口47の長手方向の長さをL1とし、走行方向Yにおける長さである短手方向の長さをL2とする。また、出口40の長手方向Yの長さをL3とする。長さL1は長さL3の5%以上25%以下の範囲内であることが好ましい。つまり、(L1/L3)×100が5以上25以下の範囲内であることが好ましい。本実施形態では、長さL1は長さL3の14%としている。長さL1は長さL3の9%以上22%以下の範囲内であることがより好ましく、14%以上20%以下の範囲内であることがさらに好ましい。
長さL2は、5mm以上80mm以下の範囲内であることが好ましく、本実施形態では20mmである。長さL2は、5mm以上60mm以下の範囲内であることがより好ましく、5mm以上45mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
ここで、遮風ボックス20とビード18aとの中間との圧力のうち、ビード18aと第2開口47との中間の圧力を側部圧力PSとする。中央部PCが−40Pa以上0Pa以下の範囲内であり、側部圧力PSが−300Pa以上−10Pa以下の範囲内であり、中央部圧力PCから側部圧力PSを減じた差PC−PSが5Pa以上250Pa以下の範囲内であることが好ましい。出口40の長手方向Yに延びた第2開口47が、対向板45の走行方向Xにおける下流端、かつ、出口40の長手方向Yにおける一端側と他端側とのそれぞれに形成されているから、中央部圧力PCと側部圧力PSと差PC−PSとが、それぞれ上記範囲内になり、本実施形態でも上記範囲内にしている。具体的には、本実施形態では中央部圧力PCが−30Paであり、側部圧力PSが−100Paであり、差PC−PSが70Paである。中央部圧力PCと側部圧力PSと差PC−PSとが、それぞれ上記範囲内になることにより、ビード18aがより安定化する。中央部PCは、−25Pa以上0Pa以下の範囲内であることがより好ましく、−15Pa以上0Pa以下の範囲内であることがさらに好ましい。側部圧力PSは、−250Pa以上−10Pa以下の範囲内であることがより好ましく、−200Pa以上−10Pa以下の範囲内であることがさらに好ましい。差PC−PSは、5Pa以上210Pa以下の範囲内であることがより好ましく、5Pa以上190Pa以下の範囲内であることがさらに好ましい。
上記構成の作用を説明する。ドープ18は、ポンプ(図示無し)によりダイ19へ連続的に供給される。ダイ19は、内部において、ドープ18を出口40に向けて案内しながら流れの幅を連続的に拡げて膜状にし、出口40から連続的に流出する。ドープ18は、走行する流延ベルト22に向けて流出され、これにより、流延ベルト22上に流延膜33が形成される。出口1と流延ベルト22との間にはビード18aが形成される。
遮風ボックス20は流延ベルト22に近接して設けられており、遮風ボックス20の端縁20eL,20eLは、出口40の端縁EL,ERよりも、流延ベルト22の幅方向Yにおいて外側とされるから、流延ベルト22の走行に伴って流れる同伴風は、走行方向Xにおける遮風ボックス20の上流側の表面で遮られる。この結果、同伴風によるビード18aの振動が抑制され、同伴風が起因の厚みむらが抑えられたフィルム11が得られる。
流延装置12は、吸引機構21を備え、遮風ボックス20の対向板45に第2開口が形成されているから、同伴風のわずかな一部が流延ベルト22と対向板45との間に流入しても、遮風ボックス20を介して吸引機構21へ案内される。これにより、ビード18aに対する同伴風の影響が抑制される。この結果、フィルム11には、同伴風に起因する厚みむらが抑えられる。第2開口47は、走行方向Xにおける対向板45の下流端に形成されているから、流延ベルト22と対向板45との間において流延ベルト22の走行に伴って新たに発生する同伴風も含めて、確実に吸引機構21へ案内される。この結果、同伴風に起因する厚みむらが確実に抑制され、周期性をもつ厚みむらも抑制されたフィルム11が得られる。
吸引機構21を用いて遮風ボックス20の内部の気体を吸引することにより、PC−大気圧で求める差圧を−40Pa以上にするから、−40Pa未満にする場合に比べて、ビード18aを挟んだ上流側の領域と下流側の領域との圧力差が大きくなりビード18aが過度に上流側に引き込まれて出口40から流延ベルト22への着地点までの距離で表されるビード18aの長さが短くなることが抑制される。ビード18aの長さが比較的長いことによって、ビード18aが受ける周囲の振動を吸収する効果が大きくなり、厚みむらが抑制される。PC−大気圧で求める差圧を0Pa以下にするから、0Paより大きくする場合に比べて、吸引による同伴風の排除効果が大きくなり、同伴風によるビード18aの振動を抑制する効果が大きくなる。すなわち、吸引しない場合には同伴風の流入によって中央部圧力PCが0より大きくなり、吸引しても中央部圧力PCが0Paより大きい場合には、同伴風を十分に吸引できておらず,同伴風が残存することを意味している。
第2開口47が出口40の長手方向Yにおける一端側と他端側とのそれぞれに形成されており、第2開口47は出口の長手方向Yに延びているから、出口40の長手方向における中央部よりも一端側と他端側とが同伴風をより強い吸引力で遮風ボックス20内へ吸引する。これにより、ビード18aは、出口40の長手方向Yに沿った態様で形成される。
第2開口47は出口40の長手方向Yに延びており、走行方向Xにおける長さが5mm以上80mm以下の範囲内とされており、このように面積が小さく抑えられて形成されているから、走行方向Xにおけるビード18aの上流側の領域の圧力をより精緻に調整しやすい。このため、ビード18aがより安定するので、フィルム11がより確実に均一な厚みで得られる。
各第2開口47は、端縁47оが端縁EL,ERから流延ベルト22の幅方向Yにおける内側40mm以上とされているから、40mm未満の場合に比べて、遮風ボックス20の端縁20eL、20eRから幅方向Yの中央部に向かって、流延ベルト22と対向板45との隙間に流入する気流が抑制される。このため、幅方向Yにおけるビード18aの端部は同伴風以外の風による振動がより確実に抑制される。また、吸引によって幅方向Yにおける中央部から両端に向って整流された同伴風は、その流れを乱されずに第2開口47から遮風ボックス20の内部へ流入する。また、端縁47оが端縁EL,ERから流延ベルト22の幅方向Yにおける内側100mm以下とされているから、100mmよりも大きい場合に比べて、ビード18aの上流側において同伴風を抑制する緻密な制御が、幅方向Yにおけるビード18aのより端部までより確実に可能になる。各第2開口47は、内側の端縁47iが端縁EL,ERから流延ベルト22の幅方向Yにおける内側140mm以上とされているから、140mm未満の場合に比べて、第2開口47の面積が十分に確保され、このため同伴風の吸引漏れがより確実に抑制される。また同伴風の吸引漏れを防ぐ目的で吸引圧力を上げすぎることによる、ビード18aの上流側の領域と下流側の領域との差圧が大きくなりすぎることが、より確実に抑制される。また、端縁47iが端縁EL,ERから流延ベルト22の幅方向Yにおける内側450mm以下とされているから、450mmよりも大きいの場合に比べて、遮風ボックス20と流延ベルト22との間に走行方向Xにおける上流側から流入する同伴風が、幅方向Yの中央部から両端へより確実に整流されて第2開口47に案内される。これによって幅方向Yの中央部のビード18aへの同伴風の影響を抑制するにあたり、中央部から両端への同伴風の整流効果がより向上する。
長さL1を長さL3の5%以上としているから、5%未満である場合に比べて、幅方向Yにおけるビード18aの全域にわたって同伴風がより確実に吸引され、これによって、同伴風のビード18aへの影響がより抑制される。すなわち、5%未満の場合はビードの幅方向で同伴風排除の効果が得られない箇所が発生する可能性がある。長さL1を長さL3の25%以下としているから、25%より大きい場合に比べて、遮風ボックス20と流延ベルト22との間に走行方向Xにおける上流側から流入する同伴風が、幅方向Yの中央部から両端へより確実に整流されて第2開口47に案内される。これによって幅方向Yの中央部のビード18aへの同伴風の影響を抑制するにあたり、中央部から両端への同伴風の整流効果がより向上する。
長さL2が5mm以上であるから、5mm未満の場合と比べて、第2開口47の面積が十分に確保され、このため同伴風の吸引漏れがより確実に抑制される。また同伴風の吸引漏れを防ぐ目的で吸引圧力を上げすぎることによる、ビード18aの上流側の領域と下流側の領域との差圧が大きくなりすぎることが、より確実に抑制される。長さL2が80mm以下であるから、80mmより大きい場合と比べて、ビード18aへの影響が小さい上流側の領域と下流側の領域との差圧がより確実に維持される。
中央部PCが−40Pa以上0Pa以下の範囲内であり、側部圧力PSが−300Pa以上−10Pa以下の範囲内であり、中央部圧力PCから側部圧力PSを減じた差PC−PSが5Pa以上250Pa以下の範囲内であるから、ビード18aがより安定化し、その結果、厚みがより均一なフィルム11より確実に得られる。
溶液製膜設備10の駆動系ならびに送風系などの各機器の稼働中には機械振動が発生し、これらの機械振動は、隙間CLの空気において増幅したり、共振したりする。このような増幅あるいは共振によって隙間CL中に生じた非常に小さい波長の気圧波(以下、微気圧波と称する)は、延設部材41が設けられているから、ビード18aに伝わることがより確実に抑えられ、ビード18aの振動とビード18aの厚みの変化とがより確実に抑制される。これにより厚みがより均一なフィルム11が得られる。なお、微気圧波がビード18aに伝わることを抑える延設部材41の機能は、微気圧波を減衰する減衰機能と、遮る遮断機能との両方であると考えられる。
延設部材41は、ダイ19と遮風ボックス20とを構成する金属よりも弾性率が低い素材、例えば本実施形態においてはポリテトラフルオロエチレンで形成されているから、延設部材41を挟んだ状態でダイ19と遮風ボックス20とを押圧した場合に、隙間CLが出口40の長手方向Yにわたって延設部材41により、より確実に閉塞されている。この結果、微気圧波がビード18aに伝わることがより確実に抑えられ、ビード18aの振動とビード18aの厚みの変化とがより確実に抑制される。これにより、厚みがより均一なフィルム11がより確実に得られる。
流延ベルト22上で、流延膜33は送風機27a,27bからの乾燥風により乾燥されて、剥ぎ取られるまでにゲル化する。剥取ローラ25は、搬送可能な程度にゲル化した流延膜33を、流延ベルト22から連続的に剥ぎ取り、帯状のフィルム11が形成される。剥ぎ取り時の流延膜33の溶媒含有率は、20質量%以上250質量%以下の範囲であることが好ましい。なお、本明細書において溶媒含有率(単位;%)は乾量基準の値であり、具体的には、溶媒の質量をMS、流延膜33またはフィルム11の質量をMFとするときに、{MS/(MF−MS)}×100で求める百分率である。
フィルム11は、クリップテンタ13へ案内される間、送風装置(図示無し)により風をあてられて乾燥をすすめられる。風の温度は、20℃以上250℃以下であることが好ましい。フィルム11は、クリップテンタ13において、搬送されながら乾燥をすすめられる。この乾燥の間に、延伸されて幅を拡げられる。延伸後に、幅を狭められることもある。こうした幅の変化率は、目的とする例えば光学特性等に応じて決定される。
クリップテンタ13から送り出されたフィルム11は、クリップテンタ13での把持跡のある側端部が耳切装置31で切除された後に、乾燥室15へ送られる。乾燥室15は、ローラ34でフィルム11を支持しながら下流側へ送る。雰囲気の温度や湿度などが調節されている乾燥室15を通過することにより、フィルム11はより乾燥される。フィルム11は冷却室16を通過することで例えば室温となるまで冷却される。
フィルム11は、冷却された後、ナーリング付与ローラ35により両側端部にナーリングが付与される。ナーリングが付与されたフィルム11は、巻取室17で、巻き芯37にロール状に巻き取られる。
この例では、流延膜33に含まれる溶媒の乾燥により流延膜33に自己支持性を発現させているが、これに限られない。例えば、冷却により流延膜33に自己支持性を発現させてもよい。
[実施例1]〜[実施例3]
図1に示す溶液製膜設備10を用いてフィルム11を製造し、実施例1〜3とした。各実施例においては、PC−大気圧で求める差圧を表1の「差圧」欄に示す値にした。なお、製造したフィルム11の厚みは、表1の「厚み」欄に示す。
得られたフィルム11の厚みの均一性と、同伴風の巻き込み故障とについて、以下の評価方法及び評価基準により評価した。なお、厚みの均一性については、下記の通り、厚み変動と周期性厚み変動との2つを評価した。各評価結果は表1に示す。
(1)厚みの均一性
(1−1)厚み変動
巻取機36に巻き取られた各フィルム11について、長手方向に1m以上の長さにわたって、1mm以下のピッチで、幅方向における中心部の厚みを測定した。測定には、打点式の膜厚計を使用した。測定した厚みの最大値と最小値の差をTSとした。以下の評価基準に基づいて、厚み変動として評価した。Aは合格、BとCとは不合格である。
A;TSが0.3μm未満である。
B;TSが0.3μm以上0.7μm未満の範囲内である。
C;TSが0.7μm以上である。
(2−2)周期性厚み変動
各フィルム11について、長手方向に1m以上の長さにわたって、1mm以下のピッチで、幅方向における中心部の厚みを測定した。測定には、打点式の膜厚計を使用した。測定した厚みの最大値と最小値の差をTSとした。また、得られた厚みの測定値を周波数解析した。周波数解析においては、流延ベルト22の走行速度を基に周波数を対応づけた。この解析により、10Hz以上80Hz以下の範囲の周波数をもつ厚みの値が複数特定された。周波数が10Hz以上80Hz以下の範囲である周期性をもつ厚みの振動が複数特定される。それら複数の中から最大の厚み値をもつひとつを特定し、その厚み値TXを求めた。そして、TX/TS×100の算出式で求める値を厚み変化率(単位は%)として求め、以下の評価基準に基づいて、周期性厚み変動として評価した。
A;厚み変化率が4%以下である
B;厚み変化率が4%より大きく8%以下の範囲内である。
C;厚み変化率が8%より大きく15%以下の範囲内である。
D;厚み変化率が15%より大きい。
(2)同伴風の巻き込み故障
流延ベルト22とビード18a及び流延膜33とを高速カメラで撮影し、この撮影した画像を5倍以上15倍以下の範囲に拡大してモニターに表示して目視で観察した。ビード18aが流延ベルト22に着地する着地線よりも下流側の流延ベルト22と流延膜33との間に空気が巻き込まれたか否かを確認し、以下の評価基準により同伴風の巻き込み故障として評価した。評価基準は以下である。
合格 ;空気が巻き込まれなかった。
不合格;空気が巻き込まれた。
Figure 0006538587
[比較例1]〜[比較例8]
実施例1の遮風ボックス20を他の遮風ボックスに置き換えてフィルムを製造し、比較例1〜7とし、実施例1の遮風ボックス20を取り外してフィルムを製造し、比較例8とした。比較例1,比較例2では、第2開口47を備える対向板45を、出口40の長手方向に沿った全域に第2開口が形成された対向板に置き換えた遮風ボックスを用いた。比較例3〜6では、対向板45が無い遮風ボックスを用いた。比較例7では、開口が無い板を流延ベルト22と対向する対向板として備え、ダイ19と対向する対向面20sに開口が形成された板をダイ19と対向するダイ対向板として備えた遮風ボックスを用いた。比較例7のダイ対向板に形成された開口の形状および大きさは実施例1と同じであり、開口はダイ対向板において出口40の長手方向の一端側と他端側とにそれぞれ形成した。また、これら2つの開口は、ダイ対向板の、流延ベルト22側の端部、すなわち鉛直方向Zにおける下端に形成した。比較例8においては、遮風ボックスを用いていないために中央部圧力PCを求める対象位置が無いから、PC−大気圧を求めなかったので表1の「差圧」欄には「−」と記載する。
実施例と同じ方法及び基準で、得られたフィルムの厚みの均一性と、同伴風の巻き込み故障とを評価した。結果は表1に示す。
10 溶液製膜設備
11 フィルム
12 流延装置
13 クリップテンタ
15 乾燥室
16 冷却室
17 巻取室
18 ドープ
18a ビード
19 ダイ
20 遮風ボックス
20s 対向面
21 吸引機構
22 流延ベルト
23,24 回転ローラ
23a,24a 回転軸
25 剥取ローラ
26 温調器
27a,27b 送風機
28 ローラ
29 クリップ
30 送風装置
31 耳切装置
32 クラッシャ
33 流延膜
34 ローラ
35 ナーリング付与ローラ
36 巻取機
37 巻き芯
38 プレスローラ
40 出口
41 延設部材
44 天板
45 対向板
46 第1開口
47 第2開口
47i 内側の端縁
47о 外側の端縁
D1,D2 距離
EL,ER 端縁
L1〜L3 長さ

Claims (7)

  1. 走行する支持体と、
    前記支持体に向けてスリット状の出口からドープを流出するダイと、
    前記支持体の走行方向における前記ダイよりも上流に配され、前記支持体の走行に伴って流れる同伴風を遮る箱状に形成された遮風ボックスと、
    前記遮風ボックスの内部の気体を吸引する吸引機構と、
    を備え、
    前記遮風ボックスは、前記支持体に対向し、前記走行方向に沿って延びた対向板を有し、
    前記対向板は、前記走行方向における下流端、かつ、前記出口の長手方向における一端側と他端側とのそれぞれに、前記出口の長手方向に延びた開口が形成され
    前記遮風ボックスと前記出口から前記支持体にわたって形成されるビードとの中間のうち、前記支持体の幅方向における中央部の圧力をPCとするときに、
    前記吸引機構は、前記遮風ボックスの内部の気体を吸引することにより、PC−大気圧で求める差圧を−40Pa以上0Pa以下の範囲内にする流延装置。
  2. 前記支持体の走行方向に直交する幅方向において、
    前記遮風ボックスの端縁は前記出口の端縁よりも外側であり、
    前記開口の外側の端縁は、前記出口の端縁から内側40mm以上100mm以下の範囲内であり、
    前記開口の内側の端縁は、前記出口の端縁から内側140mm以上450mm以下の範囲内である請求項1に記載の流延装置。
  3. 前記開口の長手方向の長さは、前記出口の長手方向の長さの5%以上25%以下の範囲内である請求項1または2に記載の流延装置。
  4. 前記開口の短手方向の長さは、5mm以上80mm以下の範囲内である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流延装置。
  5. 前記遮風ボックスが前記ダイと隙間をもって対向し、
    前記出口の長手方向に沿って延びており、前記隙間の前記支持体側の端部を閉塞する延設部材が備えられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の流延装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流延装置を用いて前記ドープからなる流延膜を前記支持体に形成するステップと、
    前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取ることによりフィルムを形成するステップと、
    前記フィルムを乾燥するステップとを有する溶液製膜方法。
  7. 前記遮風ボックスと前記出口から前記支持体にわたって形成されるビードとの中間のうち、前記支持体の幅方向における中央部の圧力であるPCが−40Pa以上0Pa以下の範囲内であり、前記ビードと前記開口との間の圧力であるPSが−300Pa以上−10Pa以下の範囲内であり、
    PC−PSは5Pa以上250Pa以下の範囲内である請求項6に記載の溶液製膜方法。
JP2016029948A 2016-02-19 2016-02-19 流延装置及び溶液製膜方法 Active JP6538587B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029948A JP6538587B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 流延装置及び溶液製膜方法
KR1020170010887A KR20170098159A (ko) 2016-02-19 2017-01-24 유연 장치 및 용액 제막 방법
CN201710085318.8A CN107097373B (zh) 2016-02-19 2017-02-17 流延装置以及溶液制膜方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029948A JP6538587B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 流延装置及び溶液製膜方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017144693A JP2017144693A (ja) 2017-08-24
JP6538587B2 true JP6538587B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=59674679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016029948A Active JP6538587B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 流延装置及び溶液製膜方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6538587B2 (ja)
KR (1) KR20170098159A (ja)
CN (1) CN107097373B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6538586B2 (ja) * 2016-02-19 2019-07-03 富士フイルム株式会社 流延装置及び溶液製膜方法
CN107599645B (zh) * 2017-11-13 2019-07-16 北京叶之忆文创科技有限公司 无纸便携打印机
CN112476912B (zh) * 2020-09-27 2022-06-21 浙江中科玖源新材料有限公司 一种透明聚酰亚胺溶液流延方法
CN112476911B (zh) * 2020-09-27 2022-06-10 浙江中科玖源新材料有限公司 一种透明聚酰亚胺溶液流延设备

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1341510A (zh) * 2000-08-28 2002-03-27 富士胶片株式会社 溶液制膜方法
CN1194263C (zh) * 2000-11-07 2005-03-23 富士胶片株式会社 溶液制膜方法
WO2007037463A1 (en) * 2005-09-28 2007-04-05 Fujifilm Corporation Method and apparatus for producing polymer film, polymer film, polarizing plate and liquid crystal display
JP5145165B2 (ja) * 2008-03-03 2013-02-13 富士フイルム株式会社 流延装置、溶液製膜設備及び流延方法
JP2010158834A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Fujifilm Corp 流延装置及び溶液製膜方法
JP2012091397A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルムの製造方法および該製造方法によって製造された光学フィルム
JP6008453B2 (ja) * 2014-03-04 2016-10-19 富士フイルム株式会社 流延装置、溶液製膜設備及び方法
JP6538586B2 (ja) * 2016-02-19 2019-07-03 富士フイルム株式会社 流延装置及び溶液製膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN107097373B (zh) 2020-10-09
KR20170098159A (ko) 2017-08-29
JP2017144693A (ja) 2017-08-24
CN107097373A (zh) 2017-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6538587B2 (ja) 流延装置及び溶液製膜方法
JP6538586B2 (ja) 流延装置及び溶液製膜方法
JP2005047141A (ja) 溶液製膜方法及び装置
TWI658916B (zh) 迷宮式密封件、流延裝置、溶液製膜設備及方法
KR20150104029A (ko) 유연장치, 용액제막 설비 및 방법
JP2018164955A (ja) 切断装置およびフィルム製造方法
CN105949485B (zh) 溶液制膜方法及设备
CN107225717B (zh) 溶液制膜装置及方法
JP6008453B2 (ja) 流延装置、溶液製膜設備及び方法
TW201603983A (zh) 流延膜乾燥裝置及溶液製膜方法
JP6588364B2 (ja) 溶液製膜設備及び溶液製膜方法
KR102148042B1 (ko) 유연 장치, 용액 제막 설비 및 방법
WO2019171875A1 (ja) 温度調整装置及び方法
WO2018061804A1 (ja) 溶液製膜方法
KR102151891B1 (ko) 용액 제막 방법
KR102148041B1 (ko) 유연 장치, 용액 제막 설비 및 방법
JP2018058345A (ja) 溶液製膜方法
JP2017065052A (ja) ダイ、フィルム製造設備、溶液製膜方法及び溶融製膜方法
TW201412626A (zh) 膜浮起裝置、拉幅機、溶液製膜設備及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6538587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250