JP6538322B2 - 液状とろみ剤 - Google Patents

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本発明は液状とろみ剤及び液状とろみ剤の製造方法に関する。
キサンタンガム、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム等に代表される高粘性糊料は、飲食品、医薬品、医薬部外品、香粧品、又は塗料等へのとろみ付与(粘度付与)を目的として、従来から広く用いられている。現在、市販されているとろみ剤の剤型は主に、粉末状(顆粒状含む)又は液状の2タイプであり、粉末状が主流となっている。
粉末状のとろみ剤は、液状のとろみ剤に比較して長期保存性に優れ、保管の占有スペースが少ないという利点を有している。しかし、とろみ剤に用いられる高粘性糊料は高い水和性を有するため、粉末状のとろみ剤を対象組成物(例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品、香粧品、又は塗料等)に添加すると、ダマが顕著に発生し、一旦発生したダマは溶解させることが難しいという問題を有している。
一方、液状のとろみ剤は、粉末状のとろみ剤に比較してダマが発生しないという利点を有する。液状とろみ剤に関する従来技術としては、例えば、糊料と、貧溶媒、低粘性多糖類及び低分子の糖質のいずれかを併用する技術(特許文献1)、キサンタンガムと、アルギン酸ナトリウム、ペクチン又はCMCナトリウムを併用する技術(特許文献2)等が知られている。
特許第3798913号公報 特開2004−208562号公報
特許文献1に開示された技術は、対象組成物に十分な粘性、凝固力を付与するために、液状とろみ剤における糊料濃度を増加させることを目的とした技術である。そして、糊料濃度を増加させた場合に、液状とろみ剤が高粘度になり、流動性がなくなることを防止するため、貧溶媒、低粘性多糖類及び低分子の糖質のいずれかを必須成分として用いる技術である。
しかしながら、貧溶媒、低粘性多糖類及び低分子の糖質のいずれかを必須成分として用いる技術は、数々の問題を有している。例えば、貧溶媒を用いる場合は、粘度付与の対象となる対象組成物の味や香りに悪影響を与えてしまうという問題を有する。同様に、低粘性多糖類を用いる場合も、糊料の粘度発現を抑制するために多量の添加が必要とされるため(例えば、10質量%以上等)、多糖類特有の風味が対象組成物の味や香りに影響を与えてしまうという問題を有する。更には、低粘性多糖類の種類によっては、対象組成物に含まれる成分(例えば、ミネラル等)との相互作用により、液状とろみ剤本来の機能(粘度付与機能)が低下する場合がある。また、低分子の糖質を用いた場合は、加熱殺菌処理により、著しい褐変が生じるため、液状とろみ剤としての商品価値を失ってしまうという問題を有している。
更に、特許文献1に開示された液状とろみ剤の粘度付与効果は未だ満足できるものではない。例えば、特許文献1の段落0020、図2には、キサンタンガム含量が1質量%となるように、水に液状とろみ剤を添加しているが、その初発粘度(添加直後の粘度)は412cPであり、十分な粘度付与効果を有するものではない。
特許文献2に開示された技術は、液状とろみ剤の流動性を確保するため、アルギン酸ナトリウム、ペクチン又はCMCナトリウムを併用する技術である。しかし、アルギン酸ナトリウム及びペクチンは、カルシウム等の多価金属イオンと反応してゲルを形成するため、対象組成物に含まれる成分(例えば、多価金属イオン)との相互作用により、液状とろみ剤が有する粘度付与効果が低下してしまうという問題や、粘度付与の対象となる対象組成物の味や香りに影響を与えてしまう等の問題を有している。
以上のように、従来技術は、液状とろみ剤自体の流動性を確保する技術が主流であった。
一方、本発明者らは、液状とろみ剤の保存性を改善するため、様々な殺菌処理の検討を行ったところ、液状とろみ剤を加熱殺菌処理すると、液状とろみ剤の粘度付与効果が格段に低下してしまうという新たな課題を見出した。本発明は当該課題に鑑みてなされた発明であり、加熱殺菌処理(工程)を経た場合においても、優れた粘度付与効果を有する液状とろみ剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、高粘性糊料を含有する液状とろみ剤において、塩類を含有させ、且つ蒸気殺菌による加熱殺菌処理を行うことで、加熱殺菌処理後も優れた粘度付与効果を有する液状とろみ剤を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の態様を有する液状とろみ剤に関する;
項1.高粘性糊料、塩類及び水を含有し、蒸気殺菌により加熱殺菌処理されたことを特徴とする、液状とろみ剤。
項2.前記塩類がナトリウム塩及び/又はカリウム塩である、項1に記載の液状とろみ剤。
項3.前記塩類が有機酸塩である、項1又は2に記載の液状とろみ剤。
本発明はまた、以下の態様を有する液状とろみ剤の製造方法、及び、蒸気殺菌による加熱殺菌処理後の液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を抑制する方法にも関する;
項4.水、高粘性糊料、及び塩類を混合後、蒸気殺菌により加熱殺菌処理することを特徴とする、液状とろみ剤の製造方法。
項5.水及び高粘性糊料を含有する液状とろみ剤を蒸気殺菌により加熱殺菌処理する前に、液状とろみ剤に塩類を添加することを特徴とする、
加熱殺菌処理後の液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を抑制する方法。
(液状とろみ剤)
本発明の液状とろみ剤は、粘度付与効果を奏する素材として、高粘性糊料を用いる。高粘性糊料は、対象組成物に粘度を付与できる素材であれば、特に制限されない。例えば、キサンタンガム、グァーガム、タラガム、及びローカストビーンガムからなる群から選択される一種以上が挙げられる。液状とろみ剤における高粘性糊料の含量は特に制限されず、液状とろみ剤の用途に応じて適宜調整できるが、好ましい高粘性糊料の含量は、0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%、更により好ましくは1質量%以上5質量%未満、特に好ましくは1〜4質量%である。
本発明では、高粘性糊料として、特に好ましくはキサンタンガムを用いる。
キサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が菌体外に生産する多糖類であり、D−マンノース、D−グルコース、D−グルクロン酸で構成されている。主鎖はβ−1,4結合しているD−グルコースからなり、側鎖は主鎖のD−グルコース残基1つおきにD−マンノース2分子とD−グルクロン酸が結合している。側鎖の末端にあるD−マンノースはピルビン酸塩となっている場合がある。また、主鎖に結合したD−マンノースのC−6位はアセチル化されている場合がある。
液状とろみ剤におけるキサンタンガム含量は、特に制限されず、液状とろみ剤の用途に応じて適宜調整できるが、好ましいキサンタンガム含量は0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%、更により好ましくは1質量%以上5質量%未満、特に好ましくは1〜4質量%である。
本発明の液状とろみ剤は、高粘性糊料に加えて、塩類を含有することを特徴とする。
塩類の種類は特に制限されず、各種塩類を用いることが可能であるが、ナトリウム塩及び/又はカリウム塩を用いることが好ましい。
例えば、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム(例えば、酒石酸水素カリウム等)、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム(例えば、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム等)、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム(例えば、クエン酸三ナトリウム等)、クエン酸カリウム(例えば、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム等)、フマル酸ナトリウム(例えば、フマル酸一ナトリウム等)、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム等が挙げられる。
本発明では、液状とろみ剤に、これら塩類を含有することで、蒸気殺菌による加熱殺菌処理を行った場合における、液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を顕著に抑制することができ、結果として、対象組成物に十分なとろみを付与することが可能な液状とろみ剤を提供することができる。
本発明で用いる好ましい塩類は有機酸塩であり、迅速な粘度発現の観点からは、前記有機酸塩として、グルコン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩及びコハク酸塩からなる群から選択される一種以上の塩類を用いることが望ましい。
液状とろみ剤における塩類の含量は特に制限されないが、好ましい塩類の含量は0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.02〜2.5質量%、更に好ましくは0.03〜2質量%、更により好ましくは0.05〜1質量%である。
本発明の液状とろみ剤の溶媒は特に制限されず、水や有機溶媒等を用いることが可能であるが、本発明の液状とろみ剤は、少なくとも水を含有することを特徴とする。液状とろみ剤における水の含量は特に制限されないが、溶媒の50質量%を越える量が水であることが好ましく、溶媒の70質量%以上が水であることがより好ましい。
本発明者らは、液状とろみ剤の溶媒に占める水の割合を増加させることで、液状とろみ剤を対象組成物に添加した場合の粘度発現性(粘度付与効果)を向上させることが可能であるが、一方で、水の割合が増加すると、加熱殺菌処理後の液状とろみ剤の粘度付与効果が低下しやすいという知見を得た。かかるところ、本発明では、高粘性糊料に加えて、塩類を併用し、且つ蒸気殺菌により加熱殺菌処理することで、溶媒として水を含有した場合における、加熱殺菌処理後の液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を抑制できる。これにより、加熱殺菌処理後も、優れた粘度付与効果を有する液状とろみ剤を提供することができる。
本発明の液状とろみ剤は、蒸気殺菌による加熱殺菌処理を行うことを特徴とする。本発明において、蒸気殺菌による加熱殺菌処理(以下、本明細書中、「蒸気加熱殺菌処理」ともいう)とは、高温蒸気を利用した殺菌処理方法を意味する。例えば、蒸気加熱殺菌処理方法として、オートクレーブ殺菌、熱水スプレー式レトルト殺菌、蒸気式レトルト殺菌、スチーム殺菌等が挙げられる。これら蒸気加熱殺菌処理の殺菌条件は特に制限されないが、好ましくは高圧条件下で100℃以上の蒸気を用いて殺菌処理することが望ましい。例えば、好ましい殺菌温度は100〜145℃であり、より好ましい殺菌温度は100〜125℃である。また、好ましい殺菌時間は5〜60分間であり、より好ましい殺菌時間は10〜30分間である。
本発明の液状とろみ剤の、粘度付与の対象となる対象組成物の種類は特に制限されない。例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品、香粧品、塗料等が挙げられる。特に好ましくは飲食品である。飲食品としては、例えば、水、茶飲料、ジュース、牛乳、スープ、味噌汁、流動食、米飯類、麺類、パン類、惣菜、ミキサー食、ペースト食等が挙げられ、本発明のとろみ剤は、飲食品の種類に制限を受けることなく、各種飲食品に粘度を十分に付与できるという利点を有する。なお、前記飲食品にとろみを付与する場合には、必要に応じて、加水処理やミキサー処理等を行なってもよい。
また、本発明の液状とろみ剤は、ダマが生じにくいという利点を有するため、手撹拌のような弱い撹拌によって対象組成物に粘度を付与する場面においても有効である。更に、とろみのついた状態の対象組成物に対して、液状とろみ剤をつぎ足して使用すること(いわゆる二度入れ)もできるため、本発明の液状とろみ剤は、調理用の液状とろみ剤や、咀嚼・嚥下機能低下者用飲食品向けの液状とろみ剤として、極めて有用性が高い。従来、粉末状のとろみ剤は、手撹拌(例えば、150〜300rpm)などの緩い撹拌条件ではダマが多数発生し、使い勝手に欠けるという問題点を有していたが、本発明の液状とろみ剤は、手撹拌であっても優れた粘度付与効果を奏するという、極めて優れた機能を有する。
(液状とろみ剤の製造方法)
本発明は、液状とろみ剤の製造方法にも関する。
本発明の液状とろみ剤は、水、高粘性糊料、及び塩類を混合後、蒸気殺菌により加熱殺菌処理することで製造することができる。水、高粘性糊料及び塩類の混合方法は特に制限されない。例えば、水に、高粘性糊料及び塩類を添加し、撹拌することで実施できる。
なお、高粘性糊料として、常温の水に溶解可能な糊料(例えば、キサンタンガム等)を用いる場合は、蒸気殺菌による加熱殺菌処理前に、液状とろみ剤を加熱することを要しないが、本発明の液状とろみ剤は蒸気殺菌による加熱殺菌処理前に、高粘性糊料の溶解効率を高めるため、必要に応じて、60〜90℃に加熱することが可能である。その他、蒸気殺菌の加熱殺菌処理条件や、各成分の添加量などは、上記(液状とろみ剤)の記載を参照できる。
(加熱殺菌処理後の液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を抑制する方法)
本発明はまた、蒸気殺菌による加熱殺菌処理に伴う、液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を抑制する方法にも関する。本方法は、水及び高粘性糊料を含有する液状とろみ剤の加熱殺菌処理前に、塩類を添加することで実施できる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。
実験例1:液状とろみ剤の調製(1)
(液状とろみ剤の調製)
表1に示す処方に従って、液状とろみ剤を調製した。具体的には、80℃のイオン交換水に、キサンタンガム、並びに、実施例の場合は各種塩類(グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酢酸ナトリウム又はクエン酸三ナトリウム)を添加し、10分間撹拌した。当該溶液を容器(アルミパウチ)に充填後、蒸気殺菌機(オートクレーブ殺菌機)で加熱殺菌処理(121℃、20分間)し、液状とろみ剤を調製した。また、未殺菌区として、キサンタンガム及び水を含有し、オートクレーブによる加熱殺菌を行わなかった、未殺菌の液状とろみ剤を調製した。
(液状とろみ剤の粘度発現性試験)
200mLビーカーに75gのイオン交換水を添加し、そこへ、未殺菌区の液状とろみ剤、又は殺菌後の液状とろみ剤25gを各々添加し、スパーテルを用いて30秒間撹拌した。撹拌は、1秒間にビーカー内を4回撹拌する速度で行った(240rpmの手撹拌)。撹拌後、混合溶液をスクリュー瓶に移しかえて静置し、粘度の経時変化を測定した。粘度の経時変化は、混合溶液をスクリュー瓶に移しかえた時(イオン交換水へ液状とろみ剤を添加してから1分後)を0分として、0分、5分、10分、20分及び30分後の粘度を測定した。
粘度はBL型回転粘度計を用いて、12rpmの条件で測定した(以下、全ての実験例において粘度測定条件は同じ)。結果を表2に示す。
未殺菌の液状とろみ剤(未殺菌区)及びオートクレーブによる加熱殺菌処理を行った液状とろみ剤(比較例1−1)を対比すると、キサンタンガム含量は同一であるにもかかわらず、加熱殺菌処理前後で、液状とろみ剤の粘度付与効果が大幅に低下していた。具体的には、未殺菌区は、対象組成物(イオン交換水)に液状とろみ剤を添加してから30分後の粘度が3350mPa・sであるのに対し、加熱殺菌処理した比較例1−1の液状とろみ剤を添加した場合は2240mPa・sであり、30分後の対象組成物の粘度に1110mPa・sもの差が生じた。
かかるところ、キサンタンガムに加えて、各種塩類を併用した実施例1−1〜1−8の液状とろみ剤は、30分後には対象組成物に2700〜3910mPa・sもの粘度を付与することができた。特に、塩類として、グルコン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩又はコハク酸塩を用いた実施例1−1〜1−5の液状とろみ剤を添加した対象組成物は、0分後から2380mPa・s以上の粘度が発現し、本発明の液状とろみ剤は、粘度の立ち上がりが非常に早く、迅速な粘性発現性を有することが示された。
また、実施例1−1〜1−8の液状とろみ剤は、加熱殺菌処理により褐変が生じることなく、更に対象組成物(イオン交換水)の味や香りに悪影響を与えることもなく、飲食品用のとろみ剤として有用であることが判明した。
(茶飲料及びオレンジジュースにおける粘度発現性試験)
実施例1−1の液状とろみ剤について、茶飲料及びオレンジジュースにおける粘度発現性試験を行った。
具体的には、200mLビーカーに、茶飲料又はオレンジジュースを各々70g添加し、そこへ、実施例1−1の液状とろみ剤30gを添加し、スパーテルを用いて30秒間撹拌した(240rpmの手撹拌)。撹拌後、混合溶液(茶飲料及びオレンジジュース)をスクリュー瓶に移しかえて静置し、粘度の経時変化を測定した。粘度の経時変化は、混合溶液をスクリュー瓶に移しかえた時(茶飲料及びオレンジジュースへ液状とろみ剤を添加してから1分後)を0分として、0分、5分、10分、20分及び30分後の粘度を測定した。結果を表3に示す。
実施例1−1の液状とろみ剤は、茶飲料及びオレンジジュースに対しても、優れた粘度付与効果を示した。特に、オレンジジュースは、イオン交換水と比較して粘度を付与することが難しい組成物であるが、実施例1−1の液状とろみ剤は、オレンジジュースに対しても、優れた粘度付与効果を示していた。
以上の結果より、本発明の液状とろみ剤は、各種対象組成物に対し、優れた粘度付与効果(十分な粘度発現)を示すことが確認された。
実験例2:液状とろみ剤の調製(2)
(液状とろみ剤の調製)
表4に示す処方に従って、液状とろみ剤を調製した。具体的には、80℃のイオン交換水に、キサンタンガムと、実施例の場合はリンゴ酸ナトリウム又はグルコン酸ナトリウムを添加し、10分間撹拌した。当該溶液を容器(アルミパウチ)に充填後、蒸気殺菌機(オートクレーブ殺菌機)で加熱殺菌処理(121℃、20分間)し、液状とろみ剤を調製した。
(液状とろみ剤の粘度発現性試験)
200mLビーカーに、75gイオン交換水を添加し、そこへ、殺菌後の液状とろみ剤25gを添加し、スパーテルを用いて30秒間撹拌した(240rpmの手撹拌)。撹拌後、混合溶液をスクリュー瓶に移しかえて静置して、混合溶液をスクリュー瓶に移しかえた時(イオン交換水へ液状とろみ剤を添加してから1分後)から30分後の混合溶液の粘度を測定した。結果を表4に示す。
表4に示すように、塩類としてリンゴ酸ナトリウム又はグルコン酸ナトリウムを添加することで、オートクレーブによる加熱殺菌処理後の、液状とろみ剤の粘度付与効果の低下が有意に抑制されていた。

Claims (1)

  1. 水及びキサンタンガムを含有する液状とろみ剤をオートクレーブ殺菌により加熱殺菌処理する前に、
    液状とろみ剤に有機酸(ただし、酢酸ナトリウムを除く)を添加することを特徴とする、
    加熱殺菌処理後の液状とろみ剤の粘度付与効果の低下を抑制する方法。
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