JP6538085B2 - 加熱可能なピンセットおよびこのピンセットの充電装置 - Google Patents
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Description
通常、ピンセットは、金属、プラスチック、繊維強化プラスチック、またはセラミックで製作することができる、相互に接続された2つの脚からなる。
これらの脚、または、その先端部を、わずかな圧力により、相互に近接するように移動させることができる。
ピンセットの先端部が接触すると、ピンセットは、閉じた把持状態となる。
先端部とは、2つの脚の自由端を表し、これらは、先端部という名称どおりに尖っていることもあるが、丸みを帯びていることや、他の形状を呈していることもある。
ピンセットの脚は、さまざまな断面を有する可能性がある。
ピンセットの脚は、直線状または湾曲状である。
また、先端部の内側に溝を設けて、小さなものに係合できるようにすることも可能である。
組織学者は、組織試料を調べる。
その際、通常は、着色されているマイクロメートル規模の薄さの組織切片を操作し、それらの組織切片を顕微鏡で調べる。
スライドガラス上での準備、埋め込み、および/または配置のために、微細な組織切片を扱う必要がある。
そのような組織切片を扱うために、適切な形状の先端部を備えるピンセットが、慣例的に使用される。
ピンセット等の取扱装置が熱伝導率の高い金属物体である場合、それらの取扱装置は、たとえば、冷えたテーブル面の温度を急速に帯びる傾向がある。
これは、試料にとって有害である。
この問題に対するこれまでの救済策は、ピンセットをホットプレートに載せ、加熱されたピンセットを使用するというものであった。
これは、煩雑であり、ピンセットの均一な温度が保証されるわけでもない。
さらに、ピンセットは、質量がそれほど大きくないため、すぐに冷たくなる。
この態様で、生体試料を再現性よく扱うことは不可能である。
加えて、そのようなピンセットを提供する装置も説明される。
そのために、ピンセットは、電力を格納する格納媒体を備えており、この格納媒体が、係合領域となる先端部を予め定められた温度まで直接または間接に加熱し、その温度を維持する。
よって、脚と接続領域、すなわち、ピンセットの本体すべてを、内部に格納媒体が配置されたハウジングとして構築することができる。
ハウジングは、熱がほぼ先端部のみを通じて排出されるように、断熱特性を有する。
よって、材料の蓄熱容量を最適に利用することができる。
また、電気加熱手段は、係合領域となる先端部と熱伝導的に接触している抵抗加熱ヒータであっても有益である。
先端部の端は、加熱要素に挿入され、加熱要素と先端部との間に熱伝導接触を形成する。
必須なのは、充電ステーションに配置したときに、バッテリである電力格納手段が、誘導的に充電される電動歯ブラシのように、電力を格納することである。
そのような充電ステーションの構築に関連して、装置クレームの特徴を、本明細書で後ほど示す。
この制御手段は、予め定められた電力量でピンセットの最適な温度制御を長期間にわたり実現するために、ある種の電力管理を備えることができる。
先端部の温度は、利用可能な電力の最適な使用を可能にする制御手段により、特定の範囲内で調節できるようにすることが可能である。
これを実現するには、被加熱領域を先端部のみに集中させ、できるだけ少ない電力量で先端部を本体温度等に保つことができるようにする必要がある。
先端部は、熱伝導率が高く、蓄熱容量が大きい金属で製作されている必要がある。
また、基材に関係なく、先端部をチタンやチタン合金などの熱伝導性の材料で被覆することも考えられる。
被覆材料は、摩滅を軽減するために、硬質かつ堅牢である必要がある。
これにより、先端部をより堅牢に設計することが可能となる。
上述したように、脚または脚のハウジングは、断熱特性を備えている必要がある。
外側に、ハウジングまたは各脚の触感を向上させる処置を施すことができる。
これは、取っ手や溝を設けるなど、取り扱いを簡素化する処置を施すことにより実現される。
バッテリは、電動歯ブラシと同じように誘導的に充電される。
これらの電気/電子要素およびモジュールについてさらなる説明は、省略する。
同様に機能する装置を参照されたい。
脚の交換可能な自由端である先端部は、摩擦および/または連結により、差込接続、スナップ接続、ねじ込み式接続、またはバヨネット接続を利用して、脚の基部に接続することができる。
先端部の容易な交換により、取り扱いが大幅に向上する。
たとえば、平坦な「先端部」を、必要に応じて、任意の形状の鉤爪の先端部と簡単に交換することができる。
また、先端部を適宜に交換することで、ピンセットを切断/穿孔装置として再構築することもできる。
これにより、一体化された加熱手段に電力を自動的に供給することができる。
詳細には、ピンセットが対応する充電ステーションに配置されたときに、外部電源により内部の一体化された加熱手段に電力を直接供給することもできる。
この請求項12によると、使用準備が整った上記実施形態に係るピンセットを少なくとも1つ提供する充電装置は、充電ステーションを形成する筐体と、筐体の上部に構築された、ピンセットを配置して充電する役割を担う挿入/配置/取付領域とにより特徴づけられる。
ピンセットは、電動歯ブラシと同様に、直立姿勢すなわち垂直状態で充電されることが好ましい。
また、ピンセットを、筐体に構築された充電ベイに配置することも考えられる。
その場合、配置時に、誘導結合が既知の態様で生じる。
この場合、1番目のピンセットを、先端部を加熱して予め定められた温度レベルに保つための電力が使い尽くされるまで、完全な充電加熱状態で使用することができる。
この電力消尽のタイミングを判断するために、先端部の温度を、対応するプロセッサを通じて信号をピンセットに直接発するかまたは充電ステーションを介した非接触接続により発する温度センサを利用して、検出することができる。
ピンセットのバッテリ充電状態が十分でなくなった場合、利用者は、そのピンセットを充電ステーションに置き、2番目のピンセットを使用することができる。
1番目のピンセットは、このタイミングで再充電される。
急速充電のための特別な電子機器を設けることができる。
この場合、ピンセットは、不適切な取り扱いによる損傷の危険性を可能な限り排除する密封式のハウジングを備えることができる。
これに応じて、充電ステーションの筐体も、充電ステーションがいかなる危険性も引き起こさないように、外形に関係なく、連続的な表面を備える。
加えて、この設計では、表面をはるかに容易に清掃することができる。
よって、筐体が、さまざまな形状をした2個1組の先端部を提供する、詳細には、挿入開口または取付ピンである複数のレセプタクルを備えている。
これらの先端部は、充電ステーションが2つのピンセットを備える限り、直立姿勢、突出姿勢、または横向き姿勢で、相互に隣接して提供することができる。
レセプタクル、またはレセプタクルに配置された2個1組の先端部を加熱するために、抵抗加熱ヒータとして構築されるか、または、先端部の材料に直接的に誘導結合された、特別な加熱手段を設けることができる。
この処置は、ピンセットの電力格納手段の電力管理に恩恵をもたらす。
なぜなら、2個1組の交換用先端部を、元の低い温度から、本体温度等に対応する温度まで加熱する必要がなくなるからである。
ピンセットが充電ステーションにある限り、先端部の温度制御過程を既に開始して、ピンセットを温度制御された先端部を備えた状態で提供することができる。
これらすべての機能は、タッチパネルの制御パネルを利用して開始することができる。
制御パネルは、ディスプレイに割り当てられていることが好ましい。
ディスプレイ領域に一体化されたフィルム保護型のスイッチを設けることもできる。
ディスプレイは、充電ステーションの動作モードおよび/またはピンセットの充電状態を示す。
この場合、コンピュータシステムへの統合も可能である。
また、いわゆるアプリの形態の独立したプログラムを備えるオーガナイザーを利用して、ステーションを制御することも考えられる。
こうすると、利用者は、十分な温度制御がなされたピンセットをどのくらい使い続けることができるかを、充電ステーションで判断し、または、推測することができる。
その場合、必要であれば、利用者は、ピンセットを充電ステーションに戻し、格納されている2番目のピンセットを使用することができる。
この状態で、少なくとも1つのピンセットを保持する装置のスイッチが入る。
ピンセットが充電ステーションに適切に据えられている限り、ピンセットに電力が直接供給され、電力すなわち電流が、ピンセットのバッテリから流れることはない。
むしろ、バッテリがバイパスされる間、またはバッテリが適切に充電されている間、ピンセットに電流が直接供給され、または、ピンセットの内部加熱手段に電流が直接供給され、ピンセット、またはピンセットの先端部が動作温度となる。
バッテリ充電過程は、同時に進行する。
ピンセットを充電ステーションに戻すと、上述した過程が自動的に反復される。
すなわち、内部加熱手段に電力が直接供給され、バッテリが充電されつつ、ピンセットの先端部が加熱される。
すなわち、2番目のピンセットの先端部は、動作温度になっており、バッテリは、「満状態」である。
この2番目のピンセットを、1番目のピンセットの充電過程中、すなわち、電力の直接供給によりバッテリを充電しながらピンセットの先端部を加熱している間に、使用することができる。
必要に応じて、ピンセットを交換することができ、少なくとも2つのピンセットを用意して継続的な作業を実現することができる。
その場合、対応する蓄熱器を設けたうえで、ピンセットに熱を蓄え、ピンセットの先端部を動作温度に維持するための十分な熱を蓄熱器が供給できる限り、ピンセットを使い続けることができる。
温度が動作温度を下回った場合、アラームを発して、蓄熱器が「満状態」でなくなった1番目のピンセットを、熱が蓄えられた2番目のピンセットと交換できる。
これらについては、請求項1に従属する請求項を参照し、以下の説明を参照されたい。
本発明の実施形態および図面の説明で、他の実施形態についても説明する。
先端部2は、2個1組で備えられており、すなわち、交換用に用意されている。
電動歯ブラシと同様に、ピンセット1は、ピンセット1に一体化された加熱手段に電力を供給する誘導充電可能なバッテリを備えている。
図面に含まれていない加熱要素は、先端部2の温度を制御する役割を果たす。
先端部2の端は、ピンセットの脚4の温度制御されたレセプタクルに挿入するか、または、温度制御された保持要素に取り付けることができる。
ピンセット1の確実な保持が、保証される。
凹部7は、2個1組の先端部2の挿入部として機能する。
よって、さまざまな形状の先端部2を格納することができる。
これらの先端部2は、先端部2の交換により、ピンセット1に組み付けることができる。
先端部2は、発明の概要で説明したように加熱される。
ディスプレイ9は、タッチパネルとして設計することが可能であり、操作面に一体化されている。
この場合、筐体6の内部につながる縁部/接合部は、設けられない。
よって、筐体6を密封して構築することができる。
筐体6は、すべての面を、アルミニウムまたはプラスチックで製作することができる。
ただし、異なる色および/または表面被覆を施すこともできる。
これらのゴム足10により、筐体6を設置面から離間した態様で安定して設置することができる。
オン/オフ型スイッチ11が、背面に設けられている。
このオン/オフ型スイッチ11は、誤った操作を防ぐために、筐体で陥凹している。
さらに、高電圧接続用のプラグを挿入するためのソケット12が設けられている。
ディスプレイ9と、ディスプレイ9を一体化する役割を果たす表面13とは、調和的にマッチしているが、別々に設計することも可能である。
これら2つは、スイッチフレーム14に一体化されている。
これらの図より、筐体6が側壁にいかなる破壊的要素も備えていないことが明確にわかる。
むしろ、筐体6は、均一な表面で滑らかに構築されている。
図5および図6は、充電のために配置されたピンセット1と、先端部2が挿入された状態の脚4の側方から見た形状とを示している。
また、格納された先端部2も、明確に確認することができる。
装置を安定して配置するためのゴム足10を確認することができる。
また、必須ではないが、通気用スリット15も設けられている。
筐体6が十分な熱伝導率を有していれば、筐体6の内部で生じる熱は、筐体6を通じて排出することが可能であると考えられる。
2 ・・・先端部
3 ・・・充電ステーション
4 ・・・(ピンセットの)脚
5 ・・・(ピンセット配置用の)表面
6 ・・・筐体
7 ・・・(表面5の)凹部
8 ・・・操作面
9 ・・・(操作面の)ディスプレイ
10 ・・・ゴム足
11 ・・・オン/オフ型スイッチ
12 ・・・ソケット
13 ・・・(ディスプレイ用の)表面
14 ・・・スイッチフレーム
15 ・・・通気用スリット
Claims (17)
- 一方の端で弾力的に接続された2つの脚(4)を備え、前記脚(4)の他方の自由端に、連係して係合領域を形成する先端部(2)が形成され、前記先端部(2)を相互に接触させるために前記脚(4)を保持および操作する役割を果たす中央領域が存在する、薄い組織試料である組織学的標本を扱うピンセット(1)であって、
前記先端部(2)および/または脚(4)の接続領域が、電力を格納する格納媒体を有するハウジングとして構築され、
前記格納媒体が、前記係合領域となる先端部(2)を予め定められた温度まで直接または間接に加熱する電力格納手段であり、
前記電力格納手段を誘導的に充電し、および/または内部加熱手段に電流を直接提供する充電ステーション(3)が、設けられていることを特徴とするピンセット(1)。 - 前記ハウジングが、断熱特性を有していることを特徴とする、請求項1に記載のピンセット(1)。
- 前記電力格納手段が、前記係合領域に作用し該係合領域と熱伝導的に接触している詳細には抵抗加熱ヒータである電気加熱手段に電力を供給することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のピンセット(1)。
- 前記抵抗加熱ヒータが、電熱線、加熱コイル、加熱ジャケット、加熱パッド、または加熱カートリッジを加熱要素として備えていることを特徴とする、請求項3に記載のピンセット(1)。
- 前記電力格納手段が、バッテリまたはキャパシタとして構築されていることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のピンセット(1)。
- 前記係合領域を予め定められた設定可能な温度まで加熱するための制御手段が、設けられていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のピンセット(1)。
- 前記先端部(2)が、金属で製作されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のピンセット(1)。
- 前記先端部(2)が、基材に関係なく、チタン、チタン合金の熱伝導性および/または硬質の堅牢な材料で被覆されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のピンセット(1)。
- 前記脚(4)および/またはハウジングが、プラスチックおよび/またはセラミックで製作されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のピンセット(1)。
- 前記先端部(2)を形成する係合領域が、2個1組で交換可能であり、前記脚(4)の交換可能な自由端となる先端部(2)が、摩擦および/または連結により、差込接続、スナップ接続、ねじ込み式接続、またはバヨネット接続を利用して、前記脚(4)に接続可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のピンセット(1)。
- 使用準備が整った請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のピンセット(1)を少なくとも1つ提供する装置であって、
充電ステーション(3)を形成する筐体(6)と、前記筐体(6)の上面または上部(5)に構築された、前記ピンセット(1)を垂直に配置して充電する挿入/配置/取付領域とを備える装置。 - 前記筐体(6)が、2つのピンセット(1)のための2つの挿入/配置/取付領域を有することを特徴とする、請求項11に記載の装置。
- 前記挿入/配置/取付領域が、誘導的に機能する充電ステーション(3)として構築されていることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の装置。
- 前記筐体(6)が、さまざまな形状をした2個1組の先端部(2)を提供する、詳細には挿入開口(7)または接続ピンである複数のレセプタクルを備えていることを特徴とする、請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載の装置。
- 前記レセプタクルおよびレセプタクル内の2個1組の先端部(2)を加熱する加熱手段が設けられ、該加熱手段が、抵抗加熱ヒータとして構築されているか、または、前記先端部(2)に直接的に誘導結合されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
- 前記筐体(6)が、傾斜した前方領域に、前記充電ステーション(3)の動作モードおよび/または前記ピンセット(1)の充電状態を示すディスプレイ(9)を備えていることを特徴とする、請求項11乃至請求項15のいずれか一項に記載の装置。
- 前記充電ステーション(3)とピンセット(1)との間に、前記ピンセット(1)の充電状態/動作モードを前記充電ステーション(3)に伝送し、場合によっては視覚的および/または音響的に通知する、好ましくはBluetooth(登録商標)接続であるワイヤレス接続が存在することを特徴とする、請求項11乃至請求項16のいずれか一項に記載の装置。
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