以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図40は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
作業機1は、機体(旋回台)2と走行装置3と作業装置4とを有している。
機体2上にはキャビン5が搭載されている。図39に示すように、キャビン5内には運転席6が設けられている。本実施形態では、作業機1の運転席6に着座した運転者の前側(図40の左側)を前方、運転者の後側(図40の右側)を後方、運転者の左側(図40の手前側)を左方、運転者の右側(図40の奥側)を右方として説明する。また、前後方向K1(図40参照)に直交し、かつ地表面と平行な方向である水平方向K2(図39参照)を機体幅方向として説明する。また、機体2の機体幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって機体2における機体幅方向の中心から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって機体2における機体幅方向の中心に近づく方向である。また、本実施形態では、地表面に対して略垂直な方向の回転軸を縦軸、地表面に対して略水平な方向の回転軸を横軸と称する。
走行装置3は、機体2の下部の左側と右側に設けられている。走行装置3は、クローラ式走行装置である。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダC1を伸縮することにより昇降させることができる。
機体2は、走行装置3上に旋回ベアリング8を介して縦軸(旋回軸)O回りに旋回自在に支持されている。機体2は、旋回モータMTによって旋回駆動される。機体2は、縦軸O回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)9を有している。旋回基板9は、鋼板等から形成されており、旋回基板9の下方に配置された旋回ベアリング8に連結されている。旋回ベアリング8は、旋回基板9を縦軸回りに旋回可能に支持する。機体2の後部には、作業装置4との重量バランスをとるためのウエイト(以下、第1ウエイトという)10が装着されている。
図39及び図40に示すように、機体2上の左部には、キャビン5が搭載されている。機体2は、機体幅方向中央の右寄りの前部に支持ブラケット13を有している。支持ブラケット13には、スイングブラケット14が、縦軸回りに揺動自在に取り付けられている。スイングブラケット14には、作業装置4が取り付けられている。
図40に示すように、作業装置4は、ブーム15と、アーム16と、バケット17とを有している。ブーム15の基部(一端側)は、スイングブラケット14に横軸回りに回動自在に枢着されて、上下に揺動自在に支持されている。アーム16の基部(一端側)は、ブーム15の先端側(他端側)に横軸回りに回動自在に枢着されて、前後に揺動自在に支持されている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧により駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
スイングブラケット14は、機体2内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって縦軸回りに揺動自在とされている。ブーム15は、該ブーム15とスイングブラケット14とを連結するブームシリンダC3の伸縮によって横軸回りに揺動自在とされている。アーム16は、該アーム16とブーム15とを連結するアームシリンダC4の伸縮によって揺動自在とされている。バケット17は、該バケット17とアーム16とを連結するバケットシリンダC5の伸縮によってスクイ・ダンプ動作自在とされている。
上記した作業装置4を駆動する油圧機器(ドーザシリンダC1、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5)は、油圧シリンダによって構成されている。
尚、ブーム15及びドーザ装置7は、異なる仕様に変更することができる。
例えば、ブーム15は、ツーピース仕様に変更することができる。ツーピース仕様とは、ブーム15を前ブームと後ブームの2部材で構成し、前ブームと後ブームの連結部で折り曲げ可能とした仕様である。ツーピース仕様の場合は、ブームシリンダC3とは別に、ブーム15を前記連結部で折り曲げる動作を行うためのブームシリンダ(第2ブームシリンダという)が追加で装着される。
また、ドーザ装置7は、A/D(アングルドーザ)仕様に変更することができる。A/D仕様とは、ドーザ装置7のアングル動作(左方及び右方への揺動)を可能とした仕様である。A/D仕様の場合は、ドーザシリンダC1とは別に、アングル動作のためのアングルシリンダが追加で装着される。
図39に示すように、機体2の後部には、エンジンルームE2が設けられている。エンジンルームE2には、エンジンE1、ラジエータ18、オイルクーラ19、レシーバ(受液器)37、コンデンサ38、コンプレッサ39が配置されている。エンジンE1は、エンジンルームE2内にて、旋回基板9上にクランク軸を機体幅方向に向けて設けられている。ラジエータ18は、エンジンE1の右方(機体幅方向の一方)に配置されている。オイルクーラ19、レシーバ(受液器)37、コンデンサ38は、ラジエータ18の右方に配置されている。コンデンサ38は、後述するエアコンユニット70に供給される冷媒を冷却する。コンプレッサ39は、ラジエータ18の左方(機体幅方向の他方)であって且つエンジン10の上方に配置されている。コンプレッサ39は、エアコンユニット70に供給される冷媒を圧縮する。
エンジンE1の左方には、油圧ポンプ21が配置されている。油圧ポンプ21はエンジンE1により駆動される。油圧ポンプ21は、第1ポンプ(メインポンプ)と第2ポンプ(パイロットポンプ)とを有している。第1ポンプは、上述した油圧機器及び油圧アタッチメントを駆動するために使用される。第2ポンプは、主として制御信号圧力(パイロット圧)を供給するために使用される。
エンジンE1の右方には冷却ファン79が設けられている。冷却ファン79は、エンジンE1によって駆動される。冷却ファン79は、右方から左方に向かう空気の流れを生じさせる。
機体2の右部(機体幅方向の一方側)には、タンクルームTRが設けられている。タンクルームTRには、作動油タンク22、燃料タンク23、バッテリ24が配置されている。作動油タンク22は、油圧機器に供給する作動油を貯留する。燃料タンク23は、作動油タンク22の前方に配置されている。燃料タンク23は、エンジンE1に供給する燃料油を貯留する。バッテリ24は、作動油タンク22の前部の右方且つ燃料タンク23の後部の右方に配置されている。
燃料タンク23の上方には、第1制御バルブ11が配置されている。第1制御バルブ11は、油圧機器への作動油の供給を制御する複数の制御バルブを並べて集約(一体化)したものである。複数の制御バルブは、水平方向に並んで配置されている。つまり、第1制御バルブ11は横置きに配置されている。
<カバー>
図1に示すように、機体2の上部は、カバーにより覆われている。カバーは、第1カバー25、第2カバー26、第3カバー27、第4カバー28、第5カバー29及び第6カバー30を含んでいる。
第1カバー25は、エンジンルームE2の後方及び後部上方を覆っている。第2カバー26は、エンジンルームE2の右前部の上方を覆っている。具体的には、第2カバー26は、第1カバー25の前方であって且つエンジンE1の右前部の上方に設けられている。第3カバー27は、第1カバー26の右前方に設けられており、タンクルームTRの上方を覆っている。第4カバー28は、タンクルームTRの右側方を覆っている。第5カバー29は、キャビン5と第3カバー27との間に設けられており、後述する第1縦リブ31と第2縦リブ32との間の空間(縦リブ空間S1という)(図2参照)の後部上方を覆っている。第6カバー30は、第5カバー29の前方に設けられており、縦リブ空間S1の前部上方を覆っている。第6カバー(センターカバー)30は、燃料タンク23の一側方(左方)に設けられ、センターフレーム49に固定されている。
図2に示すように、センターフレーム49は、キャビン5と第3カバー27との間に設けられている。センターフレーム49の上部は、第5カバー29及び第6カバー30により覆われている。センターフレーム49は、左側フレーム49Lと、右側フレーム49Rと、上側フレーム49Uとを有している。左側フレーム49Lは板状であって、一方の面を右方に向けて、他方の面を左方に向けて設けられている。左側フレーム49Lは、後述する第1縦リブ31上の上板67に固定されている。右側フレーム49Rは、左側フレーム49Lの右方に設けられており、上板67上に取り付けられた前板部材68に固定されている。右側フレーム49Rには、ヒンジ(図示せず)を介して第3カバー27が開閉可能に取り付けられる。上側フレーム49Uは、右側フレーム49Rの上部と左側フレーム49Lの上部とを連結している。
<基板>
図3及び図39に示すように、旋回基板9上には、第1縦リブ31、第2縦リブ32、仕切り板33が設けられている。
第1縦リブ31と第2縦リブ32とは、機体幅方向に間隔をあけて設けられている。第1縦リブ31は、機体2の旋回中心にある縦軸Oよりも右方において、旋回基板9上を前方から後方に延びている。第2縦リブ32は、第1縦リブ31の左方において、機体2の旋回中心にある縦軸Oを通って旋回基板9上を前方から後方に延びている。
第1縦リブ31の前端部と第2縦リブ32の前端部は、旋回基板9の前端部より前方に突出している。第1縦リブ31の前端部と第2縦リブ32の前端部との間には、支持ブラケット13が設けられている。また、第1縦リブ31の上部と第2縦リブ32の上部とに渡って上板67が架設されている。上板67の前部は、第1縦リブ31の前部と第2縦リブ32の前部とに跨って設けられている。上板67の後部は、第2縦リブ32の上部に沿って後方に延びている。
図3に示すように、第1縦リブ31は切欠部31aを有している。切欠部31aは、上板67の右側後部において第1縦リブ31の上部を切り欠いて形成されている。第1縦リブ31は切欠部31aにおいて第2縦リブ32より高さが低くなっている。作動油タンク22の左部及び燃料タンク23の左部は、切欠部31aの上方に配置されている。
第2縦リブ32は、切欠部32a及び開口部32bを有している。切欠部32aは、機体2の旋回中心にある縦軸Oの上方に設けられており、第2縦リブ32の下部を切り欠いて形成されている。開口部32bは、切欠部32aの後方に設けられている。
図39に示すように、仕切り板33は、エンジンルームE2の前方に設けられており、機体幅方向に延びている。仕切り板33には、第1縦リブ31の後端部及び第2縦リブ32の後端部が接続されている。
図4、図5に示すように、旋回基板9には、旋回ベアリング8を取り付けるための複数の取付孔9aが設けられている。旋回ベアリング8は、取付孔9aに挿通したボルト(図示略)により旋回基板9の下部に固定される。複数の取付孔9aは、旋回基板9の縦軸Oを中心として円環状に配置されている。図4、図5の破線は、旋回ベアリング8の外周の位置を示している。
<第1制御バルブ>
図6に示すように、第1制御バルブ11は、油圧機器に供給する作動油を制御する複数の制御バルブV1〜V13と、圧油取入れ用のインレットブロックB2と、圧油排出用の第1アウトレットブロックB1及び第2アウトレットブロックB3とを集約(一体化)して構成されている。制御バルブV1〜V13、インレットブロックB2、第1アウトレットブロックB1、第2アウトレットブロックB3は、水平方向に並んで配置されている。制御バルブV1〜V13は、長手方向(スプールの操作方向)に直交する方向(前後方向)に並んでいる。制御バルブV1〜V13は、後述するパイロット圧を受圧部に受けることによってスプールの位置が切り換わる。
本実施形態では、制御バルブV1は、アングルシリンダを制御するA/D制御バルブである。制御バルブV2は、スイングシリンダC2を制御するスイング用制御バルブである。制御バルブV3は、油圧アタッチメントを制御するSP(サービスポート)用第2バルブである。制御バルブV4は、旋回モータMTを制御する旋回用制御バルブである。制御バルブV5は、ブームシリンダC3を制御するブーム用制御バルブである。制御バルブV6は、バケットシリンダC5を制御するバケット用制御バルブである。制御バルブV7は、アームシリンダC4を制御するアーム用制御バルブである。制御バルブV8は、油圧アタッチメントを制御するSP(サービスポート)用第1バルブである。制御バルブV9は、ドーザシリンダを制御するドーザ用第2バルブである。制御バルブV10は、右側の走行装置5の走行モータMRを制御する走行右用制御バルブである。制御バルブV11は、PPS(Pressure of Pump Sensing)信号圧及びPLS(Pressure of Load Sensing)信号圧用のPPS/PLS用制御バルブである。制御バルブV12は、左側の走行装置5の走行モータMRを制御する走行左用制御バルブである。制御バルブV13は、ドーザシリンダを制御するドーザ用第1制御バルブである。
本実施形態では、前方から順に、第1アウトレットブロックB1、A/D制御バルブV1、スイング用制御バルブV2、SP用第2制御バルブV3、旋回用制御バルブV4、ブーム用制御バルブV5、バケット用制御バルブV6、アーム用制御バルブV7、SP用第1制御バルブV8、ドーザ用第2制御バルブV9、走行右用制御バルブV10、インレットブロックB2、PPS/PLS用制御バルブV11、走行左用制御バルブV12、ドーザ用第1制御バルブV13、第2アウトレットブロックB3の順に並んでいる。但し、第1制御バルブ11を構成するバルブの並び順は、本実施形態の並び順には限定されない。
第1制御バルブ11を構成するバルブの数や種類は、作業機1の仕様によって変更可能である。アングルシリンダを制御するA/D制御バルブV1は、A/D仕様の場合に用いられるバルブである。ツーピース仕様の場合は、ツーピース制御バルブが用いられる。つまり、作業機の仕様によって、バルブの連数(セクション数)が決定される。したがって、作業機の仕様によっては、装着されない制御バルブがあり、第1制御バルブ11を構成する制御バルブの連数(セクション数)が少なくなることがある。また、作業機の仕様によっては、第1制御バルブ11を構成する制御バルブの連数が増える場合もある。
図4に示すように、第1制御バルブ11は、支持板34により燃料タンク23の上方の位置で支持されている。第1制御バルブ11の前部は、燃料タンク23の上方に位置している。第1制御バルブ11の後部は、作動油タンク22の延出部22b(後述する)の上方に位置している。
図3に示すように、支持板34は、前ブラケット35及び後ブラケット36により燃料タンク23の上方の位置で支持されている。支持板34は、平面視にて略長方形の平板であって、第1制御バルブ11の下面を支持している。支持板34は、長辺を前後方向に向けて、短辺を機体幅方向に向けて配置されている。支持板34と第1制御バルブ11とは、ボルトにより固定されている。
前ブラケット35は、支持板34の長手方向の中心よりも制御バルブV1〜V13の並列方向の一方側(前側)に配置されている。前ブラケット35は、機体内方側(左側)の端部が支持板34の左側縁から突出し、機体外方側(右側)の端部が支持板34の下方に位置している。前ブラケット35の機体内方側の端部は、上板67の右部上方に位置しており、上板67とボルトBL1により連結されている。
後ブラケット36は、支持板34の長手方向の中心よりも制御バルブV1〜V13の並列方向の他方側(後側)に配置されている。つまり、前ブラケット35と後ブラケット36は、制御バルブV1〜V13の並列方向(前後方向)において離間している。後ブラケット36は、機体外方側(右側)の端部が支持板34の右側縁から突出し、機体内方側(左側)の端部が支持板34の左側縁から突出している。後ブラケット36の機体外方側の端部は、バッテリ24の上方に設けられた支持台69とボルトBL2により連結されている。後ブラケット36の機体内方側の端部は、旋回基板9上に立設された支持柱99の上端とボルトBL3により連結されている。
<切換バルブ>
図6〜図9に示すように、第1制御バルブ11の上方には、当該第1制御バルブ11を構成する制御バルブに接続された切換バルブ80が配置されている。切換バルブ80は三方切換バルブである。切換バルブ80は、入口ポート81と、第1出口ポート82と、第2出口ポート83と、操作ハンドル84とを有している。切換バルブ80は、操作ハンドル84を切り換え操作することにより、入口ポート81から導入された作動油の行先を、第1出口ポート82又は第2出口ポート83に切り換えることができる。
入口ポート81には戻り油路85が接続されている。第1出口ポート82には第1油路86が接続されている。第2出口ポート83には第2油路87が接続されている。これにより、切換バルブ80は、戻り油路85の接続先を、第1油路86と第2油路87のいずれか一方に切り換え可能となっている。
戻り油路85は、油圧機器からの作動油を作動油タンク22に戻すための油路であって、接続具85Aと管継手85Bと油圧ホース85Cとを有している。接続具85Aは、切換バルブ80の入口ポート81に接続されている。管継手85Bは、接続具85Aと油圧ホース85Cとを接続している。油圧ホース85Cは、管継手85Bと前記油圧機器とを接続している。
第1油路86は、管材(第1管材)により構成されている。この第1管材は、第1接続部材86Aと接続管86Bと管継手86Cとを有している。管継手86C及び接続管86Bは、中心軸が上下方向に配置されている。第1接続部材86Aは、切換バルブ80の第1出口ポート82に接続されている。管継手86Cは、一端部(上端部)が第1接続部材86Aの下部に接続され、他端部(下端部)が接続管86Bの一端部(上端部)に接続されている。接続管86Bは、一端部(上端部)が管継手86Cの他端部(下端部)と接続され、他端部(下端部)が制御バルブV8の上部の入口ポートに接続されている。第1接続部材86A、接続管86B及び管継手86Cは、金属等の剛性材から形成されている。管継手86Cは、Oリングを内蔵しており、緩み止めの防止効果が高められている。
第2油路87は、油圧ホース87Aと第2接続部材87Bとを有している。本実施形態では、油圧ホース87Aは、ゴム等の可撓性素材から形成されている。油圧ホース87Aの一端部は、切換バルブ80の第2出口ポート83に接続されている。第2接続部材87Bは、制御バルブV5の出口ポートから作動油タンク22に戻る油路に設けられている。油圧ホース87Aの他端部は、第2接続部材87Bに接続されている。
図8に示すように、第2接続部材87Bと制御バルブV5の出口ポートとは、第1管88、管継手89、第2管90及び接続具91により接続されている。第1管88は、一端部が制御バルブV5の出口ポートと接続され、他端部が管継手89と接続されている。管継手89は、第1管88の他端部と接続具91とを接続している。第2管90は、一端部が接続具91に接続され、他端部が第2接続部材87Bに接続されている。
第2接続部材87Bには、管継手92を介して油圧ホース93が接続されている。油圧ホース93は、作動油タンク22と接続されている。切換バルブ80が、戻り油路85と第2油路87とを接続している場合、戻り油路85を通った作動油は、第2油路87を通って油圧ホース93に入り、作動油タンク22に戻される。切換バルブ80が、戻り油路85と第1油路86とを接続している場合、戻り油路85を通った作動油は、制御バルブV8の入口ポートに入る。
切換バルブ80は、第1油路86を形成する第1管材によって、第1制御バルブ11の上方の位置で支持されている。第1油路86を形成する第1管材(第1接続部材86A、接続管86B、及び管継手86C)は、剛性材から形成されているため、特別な支持部材を必要とせずに、切換バルブ80を、第1制御バルブ11を構成する制御弁の上方(本実施形態の場合は、制御バルブV8の上方)の位置で支持することができる。
尚、第2出口ポート83と第2接続部材87Bとを、可撓性の油圧ホース87Aにより接続する構成に代えて、金属等の剛性材から形成された管材により接続する構成としてもよい。即ち、第2油路87を剛性材から形成された管材としてもよい。この場合は、当該管材と第1油路86を形成する第1管材との両方で、切換バルブ80を第1制御バルブ11の上方に支持することができる。
図9に示すように、切換バルブ80は、操作ハンドル84の回転軸84aが上下方向(縦方向)を向くように配置されている。
切換バルブ80を回転軸84が水平方向を向くように配置した場合、操作ハンドル84の自重により切換バルブ80が切り換わることを防ぐために、切り換え力(切り換えに要する力)を大きくする設定する必要がある。そのため、操作者が切り換え操作をする際に必要な力が大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、切換バルブ80は操作ハンドル84の回転軸84aが上下方向を向くように配置されているため、操作ハンドル84の自重により切換バルブ80が切り換わることがない。そのため、切換バルブ80の切り換え力を大きく設定する必要がないので、操作者が切り換え操作を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、切換バルブ80の上方を第3カバー27(上部カバー)で覆っている。この場合、操作ハンドル84を回転軸84aが水平方向を向くように配置すると、操作ハンドル84と第3カバー27とが干渉するおそれがある。そのため、この干渉を防ぐためにハンドルを短く形成しなければならず、ハンドル操作に必要な力が大きくなる。
これに対して、本実施形態の場合、切換バルブ80を操作ハンドル84の回転軸84aが上下方向を向くように配置しているので、操作ハンドル84が第3カバー27に干渉することを回避しつつ、ハンドル長さを長くしてハンドル操作に必要な力を小さくすることができる。
<給油スイッチ等の配置>
図10及び図11に示すように、燃料タンク23の上面前部であって且つ第1制御バルブ11の前方には、給油部48が設けられている。給油部48は、燃料給油装置を用いて燃料を燃料タンク23に補給するための開口を有し、当該開口は取り外し可能なキャップ50により塞がれている。給油部48の左方であって且つ第1制御バルブ11の前方には、筒体58が突設されている。筒体58は、燃料タンク23の内部と連通している。筒体58には、燃料センサ53が取り付けられている。燃料センサ53の前方には、燃料ゲージ54が設けられている。燃料センサ53及び燃料ゲージ54は、給油部48と後述するホース接続部52との間に配置されている。燃料タンク23の上面前部であって且つ給油部48の右方には、燃料戻し部56が設けられている。燃料戻し部56には、エンジンE1の燃焼室に燃料を噴射するインジェクションポンプからオーバーフローした燃料を燃料タンク23に戻すための戻し管57が接続されている。
図10に示すように、燃料タンク23の一側方(左方)には、給油ポンプ40が設けられている。給油ポンプ40は、ドラム缶等の燃料貯蔵容器から燃料タンク23に燃料を供給するために用いられる。給油ポンプ40は、第1ブラケット41に取り付けられている。第1ブラケット41は、第1板41aと第2板41bとを有している。第1板41aは、前後方向に延びており、機体幅方向の他方側の面(左面)がセンターフレーム49の左側フレーム49Lの機体幅方向の一方側の面(右面)に取り付けられている。第1板41aの機体幅方向の一方側の面(右面)には、給油ポンプ40が取り付けられている。第2板41bは、第1板41aの前方に位置し、機体幅方向に延びている。第2板41bの機体幅方向の他方側の端部(左端部)は、左側フレーム49Lの機体幅方向の一方側の面(右面)に取り付けられている。第1板41aと第2板41bとは一体に形成されている。
燃料タンク23の上方の第1位置には、給油スイッチ42が設けられている。第1位置は、燃料タンク23の上方であって、且つ機体2の水平方向の外縁に近い位置である。本実施形態の場合、第1位置は、燃料タンク23の上方であって、第1制御バルブ11よりも機体幅方向外側(右側)且つ前方である。給油スイッチ42は、給油ポンプ40を作動状態と停止状態とに切り換えるスイッチである。給油スイッチ42は、作動用押しボタン42aと停止用押しボタン42bとを有している。給油スイッチ42は、第2ブラケット46に取り付けられている。
図11、図12、図7に示すように、第2ブラケット46は、第1板46aと第2板46bと第3板46cとを有している。第1板46aは、機体幅方向に延びており、一方の面を前方(給油部48側)に向け、他方の面を後方(第1制御バルブ11側)に向けて配置されている。第1板46aは、支持板34の前端部に固定された取付板47の右部にボルトにより取り付けられ、取付板47から右方に延びている。第1板46aは、長方形の対角線上にある2つの角を切り欠いた形状であり、第1切欠部46dと第2切欠部46eとを有している。第1切欠部46dは、第1板46aの左上部(機体幅方向の他方側の上部)に設けられている。第2切欠部46eは、第1板46aの右下部(機体幅方向の一方側の下部)に設けられている。第1切欠部46dは、ブレザーパイプ59等の配管と第2ブラケット46との干渉を防止するために設けられている。第2切欠部46eは、戻し管57等の配管と第2ブラケット46との干渉を防止するために設けられている。
第2板46bは、第1板46aの上端部から後方に屈曲している。より詳しくは、第2板46bは、第1切欠部46dの右側(機体幅方向の一方側)から後方に屈曲している。第2板46bは、一方の面を上方に向け、他方の面を下方に向けて配置されている。
第3板46cは、第1板46aの右端部(機体幅方向の一方側の端部)であって且つ第1板46aの第2切欠部46eの上方から後方に屈曲している。第3板46cは、一方の面を右方(機体外方)に向け、他方の面を左方(機体内方)に向けて配置されている。第3板46cには、作動用押しボタン42a及び停止用押しボタン42bが取り付けられている。作動用押しボタン42a及び停止用押しボタン42bは、操作面を右方(機体外方)に向けて配置されている。
第3板46cは、第3切欠部46fと第4切欠部46gとを有している。第3切欠部46fは、第3板46cの後上部の角に設けられている。第4切欠部46gは、第3板46cの後下部の角に設けられている。第3切欠部46f及び第4切欠部46gが設けられていることにより、後述するホース44が第2ブラケット46の角に接触することを抑制することができる。第3板46cの上端は第2板46bの右端と接続(溶接)されている。これにより、第2ブラケット46の強度(剛性)が高められる。また、給油スイッチ42に接続される配線の上方及び前方が、第2板46b及び第3板46cにより保護される。
燃料タンク23の上方とは異なる位置(第2位置という)には、給油スイッチ42とは異なる給油ポンプ21の制御機器43が設けられている。本実施形態では、制御機器43は燃料タンク23の一側方(左方)に設けられているが、燃料タンク23の上方とは異なる他の位置(例えば、燃料タンク23の後方等)に設けてもよい。本実施形態では、制御機器43は給油ポンプ21を駆動するためのリレーである(以下、リレー43という)が、リレー43とは異なる給油ポンプ21の制御機器であってもよい。
図10に示すように、リレー43は、第1ブラケット41の第2板41bの前面に取り付けられている。つまり、給油ポンプ40及びリレー43は、共に第1ブラケット41に取り付けられている。言い換えれば、第1ブラケット41は、給油ポンプ40を取り付けるためのブラケットと、リレー43を取り付けるためのブラケットとを兼ねている。リレー43は、給油ポンプ40の前方であって且つ第1制御バルブ11の前部の一側方(左方)に位置している。これにより、リレー43が機体2の前部に位置するため、リレー43のメンテナンスが容易となる。但し、リレー43の位置は、機体2の前部に限定されるものではなく、他の位置(機体2の後部など)であってもよい。また、リレー43の上方は、第6カバー(センターカバー)30により覆われている。これにより、リレー43を保護するための特別なカバーを設けることなく、雨や土砂等からリレー43を保護することができる。
上述のように、本実施形態では、給油ポンプ21の制御機器のうち、給油スイッチ42を燃料タンク23の上方の第1位置に設け、給油スイッチ42とは異なる制御機器(リレー)43を燃料タンク23の上方とは異なる第2位置に設けている。これにより、燃料タンク23の上方において、給油ポンプ21の制御機器が占める空間を小さくすることができる。そのため、第1制御バルブ11を延ばす(長くする)ことが可能となり、作業機1の仕様変更等に伴って、第1制御バルブ11のバルブの連数(セクション数)を容易に増やすことができる。
また、作業者がアクセスする頻度が高い給油スイッチ42が、燃料タンク23の上方であって且つ第1制御バルブ11の機体幅方向外側(右側)に配置されているため、作業者は給油スイッチ42に容易にアクセスすることが可能であり、給油の作業性が良好となる。一方、給油スイッチ42以外の制御機器(リレー43等)は、作業者がアクセスする頻度が低いため、燃料タンク23の一側方(左方)に配置しても殆ど不都合は生じない。つまり、本実施形態では、給油ポンプ21の制御機器について、作業者がアクセスする頻度に着目して、給油スイッチ42と、給油スイッチ42以外の制御機器(リレー等)43との配置を設定している。
また、第1ブラケット41は、給油ポンプ40を取り付けるためのブラケットと、リレー43を取り付けるためのブラケットとを兼用しているため、給油スイッチ42と制御機器(リレー)43とを別の位置(第1位置と第2位置)に配置したことに起因する部品点数の増加を防ぐことができる。また、給油ポンプ40と制御機器43とが近い位置に配置されるため、給油ポンプ40と制御機器43とを接続する配線(電線)を短くすることができる。
図11及び図12に示すように、第2ブラケット46には、ブレザーパイプ59が固定されている。ブレザーパイプ59の一端は、筒体58の側部に接続されている。これにより、ブレザーパイプ59の一端が燃料タンク23の内部に連通している。
ブレザーパイプ59は、第1部分59aと、第2部分59bと、第3部分59cと、第4部分59dと、第5部分59eとを有している。第1部分59aは、筒体58の側部から右方に延びている。第2部分59bは、第1部分59aの右端から屈曲して上方に延びている。第3部分59cは、第2部分59bの上端から屈曲して後方に延びている。第4部分59dは、第3部分59cの後端から屈曲して下方に延びている。第5部分59eは、第4部分59dの下端から屈曲して後方且つ下方に延びている。
第4部分59dは、第2ブラケット46の第1切欠部46dの上下方向に延びる縁に対して、溶接により固定されている。これにより、第2ブラケット46とブレザーパイプ59とが一体化されている。このように、ブレザーパイプ59を、給油スイッチ42が取り付けられた第2ブラケット46と一体化したことによって、ブレザーパイプ59を取り付けるためのブラケットが不要となる。そのため、ブレザーパイプ59の設置に要するスペースが小さくなり、部品点数の削減も可能となる。
図10に示すように、給油ポンプ40の吸入部40aには、ホース44の一端部側44aが接続されている。ホース44は、吸入部40aから燃料タンク23側(右方)に延びてから湾曲して前方に延び、燃料タンク23の前面上部に沿って湾曲して後方に延びた後、下方に延びている。図11に示すように、ホース44の中途部は、クランプ55により保持されている。クランプ55は、燃料タンク23の上面に固定された板バネであり、ホース44を燃料タンク23の前面に押え付けている。図10に示すように、ホース44の他端部側44bは、収納部45に収納されている。収納部45は、円筒状であって、燃料タンク23の他側方(右方)に設けられており、燃料タンク23の他側方側の面(右面)に固定されている。収納部45は、第1制御バルブ11の前部の右方に位置している。そのため、第1制御バルブ11の前方に設けられた給油スイッチ42は、収納部45の近傍に位置している。
図10に示すように、給油ポンプ40の吐出部40bには、ホース51の一端部が接続されている。図11に示すように、ホース51の他端部は、燃料タンク23の上面の前部に設けられたホース接続部52に接続されている。ホース接続部52は、第1制御バルブ11の前方に設けられている。
燃料貯蔵容器から燃料タンク23に燃料を補給する際には、ホース44の他端部側44bを収納部45から取り出して燃料貯蔵容器に接続し、作動用押しボタン42aを押して給油スイッチ42をオンに切り換える。これにより、給油ポンプ40が作動し、燃料貯蔵容器内の燃料がホース44及びホース45を通って、ホース接続部52から燃料タンク23内に供給される。この補給作業時において、給油スイッチ42が収納部45の近傍に位置していることにより、作業者がホース44を収納部45から取り出す際に給油スイッチ42を認識し易くなる。
<第2制御バルブ>
図13〜図15に示すように、作動油タンク22は、本体部22aと延出部22bとを有しており、側面視でL字状に形成されている。本体部22aは、上下方向に長い直方体形状である。延出部22bは、本体部22aの前下部から前方に延出している。
作動油タンク22の本体部22aの機体内方側の面(左面)には、ブラケット60が固定されている。ブラケット60は、平面視L字形の金属板であり、第1板60aと第2板60bとを有している。第1板60aは、本体部22aの機体内方側の面に溶接等により固定されている。第2板60bは、第1板60aの後端部から機体内方側に向けて屈曲している。第2板60bは、一方の面が前方を向き、他方の面が後方を向いている。
第2板60bの前面には、第2制御バルブ12がボルト(図示略)により取り付けられている。即ち、第2制御バルブ12は、ブラケット60を介して作動油タンク22の本体部22aの機体内方側の面に取り付けられている。
第2制御バルブ12は、第1制御バルブ11に対する作動油の供給を制御する複数のバルブを、1つのボディに集約(一体化)して構成されている。これにより、複数のバルブを作動油タンク22に取り付けるためのブラケットが1つで済むため、部品点数を削減することができる。本実施形態では、第2制御バルブ12は、4つのバルブを集約(一体化)して構成されている。この4つのバルブは、比例電磁方式のバルブである。以下、第2制御バルブ12を構成する4つのバルブを、夫々、第1比例バルブ12A、第2比例バルブ12B、第3比例バルブ12C、第4比例バルブ12Dという。
第1比例バルブ12Aは、第1油圧ホース61を介してSP用第1制御バルブV2の受圧部の一方側に接続されている。第2比例バルブ12Bは、第2油圧ホース62を介してSP用第1制御バルブV2の受圧部の他方側に接続されている。第3比例バルブ12Cは、第3油圧ホース63を介してSP用第2制御バルブV8の受圧部の一方側に接続されている。第4比例バルブ12Dは、第4油圧ホース64を介してSP用第2制御バルブV8の受圧部の他方側に接続されている。
SP用第1制御バルブV2は、第1比例バルブ12A又は第2比例バルブ12Bから供給されるパイロット油の圧力(パイロット圧)に基づいて、油圧アクチュエータに供給する作動油の流量を制御する。SP用第2制御バルブV8は、第3比例バルブ12C又は第4比例バルブ12Dから供給されるパイロット圧に基づいて、油圧アクチュエータに供給する作動油の流量を制御する。
図13及び図15に示すように、第2制御バルブ12を構成する複数のバルブ(第1比例バルブ12A、第2比例バルブ12B、第3比例バルブ12C、第4比例バルブ12D)は、縦方向(上下方向)に並んで設けられている。図13に示すように、第1比例バルブ12Aは、第1油圧ホース61を接続するための接続部(以下、第1接続部という)12Aaを有している。第2比例バルブ12Bは、第2油圧ホース62を接続するための接続部(以下、第2接続部という)12Baを有している。第3比例バルブ12Cは、第3油圧ホース63を接続するための接続部(以下、第3接続部という)12Caを有している。第4比例バルブ12Dは、第4油圧ホース64を接続するための接続部(以下、第4接続部という)12Daを有している。第1接続部12Aa、第2接続部12Ba、第3接続部12Ca、第4接続部12Daは、作動油タンク22と反対側(左側)に、縦方向に並んで設けられている。
図15に示すように、第1接続部12Aa、第2接続部12Ba、第3接続部12Ca、第4接続部12Daには、夫々接続管が接続されている。以下、第1接続部12Aaに接続された接続管を第1接続管71、第2接続部12Baに接続された接続管を第2接続管72、第3接続部12Caに接続された接続管を第3接続管73、第4接続部12Daに接続された接続管を第4接続管74という。各接続管は、平面視にてL字形の管路を形成しており、一端側が機体外方側(作動油タンク22側)を向き、他端側が前方を向いている。
第1接続管71は、一端側が第1接続部12Aaに接続され、他端側に第1油圧ホース61が接続されている。第2接続管72は、一端側が第2接続部12Baに接続され、他端側に第2油圧ホース62が接続されている。第3接続管73は、一端側が第3接続部12Caに接続され、他端側に第3油圧ホース63が接続されている。第4接続管74は、一端側が第4接続部12Daに接続され、他端側に第4油圧ホース64が接続されている。
第1油圧ホース61は、第1接続管71の他端側から前方に延びて、SP用第1制御バルブV2の受圧部の一方側に接続されている。第2油圧ホース62は、第2接続管72の他端側から前方に延びて、SP用第1制御バルブV2の受圧部の他方側に接続されている。第3油圧ホース63は、第3接続管73の他端側から前方に延びて、SP用第2制御バルブV8の受圧部の一方側に接続されている。第4油圧ホース64は、第4接続管74の他端側から前方に延びて、SP用第2制御バルブV8の受圧部の他方側に接続されている。
上述したように、第2制御バルブ12は、作動油タンク22と反対側に、複数の油圧ホースの接続部(第1接続部12Aa、第2接続部12Ba、第3接続部12Ca、第4接続部12Da)を有しており、当該接続部は縦方向に並んで設けられている。そのため、各接続部に接続された油圧ホースを相互に干渉させることなく、同一方向(前方)へと略直線的に延ばすことができる。これにより、油圧ホースが占めるスペースが小さくなり、油圧ホースを配置するためのスペースを確実に確保することが可能となる。
第2制御バルブ12の上部には、2つのホース接続部が設けられている。一方のホース接続部(以下、第5接続部という)12aは、油圧ホース65を介して油圧ポンプ21の第2ポンプに接続される。他方のホース接続部(以下、第6接続部という)12bは、油圧ホース66を介して作動油タンク22に接続される。つまり、第5接続部12aはポンプポートであり、第6接続部12bはタンクポートである。
このように、第2制御バルブ12では、複数のバルブ(第1比例バルブ12A、第2比例バルブ12B、第3比例バルブ12C、第4比例バルブ12D)のポンプポートとタンクポートとが共通化されている。言い換えれば、ポンプポート(第5接続部)12aは、第2制御バルブ12を構成する複数のバルブのポンプポートを兼用している。また、タンクポート(第6接続部)12bは、第2制御バルブ12を構成する複数のバルブのタンクポートを兼用している。そのため、第2制御バルブ12を小型化できるとともに、第2接続バルブ12に接続される油圧ホースの数を削減することができる。これにより、第2接続バルブ12に対する油圧ホースの組み付け性が改善される。
<ヒータホース>
図16に示すように、旋回基板9の上方には、運転席6を下方から支持するステップ20が設けられている。ステップ20は、旋回基板9との間に間隔をあけて配置されている。図17に示すように、ステップ20の上面には支持台75が固定されており、支持台75上に運転席6が支持されている。ステップ20の上方且つ運転席6の下方には、エアコンユニット70が配置されている。エアコンユニット70は、レシーバ37、コンデンサ38、コンプレッサ39と共に、キャビン5内部の温度を調整するエアコンを構成している。
図16に示すように、ステップ20の下方には、ヒータホース76が配置されている。ヒータホース76は、エンジン(第1機器)E1とエアコンユニット(第2機器)70とを接続している。
図5、図19に示すように、ヒータホース76は、第1ホース761と第2ホース762とを有している。第1ホース761及び第2ホース762は、ステップ20と旋回基板9との間を通る。
図19に示すように、第1ホース761は、第1送りホース761Aと第1戻りホース761Bとを有している。第2ホース762は、第2送りホース762Aと第2戻りホース762Bとを有している。第1ホース761(第1送りホース761Aと第1戻りホース761B)は、一端部がエンジンE1に接続されており、他端部が第1接続具77に接続されている。第2ホース762(第2送りホース762Aと第2戻りホース762B)は、一端部がエアコンユニット70に接続されており、他端部が第1接続具77に接続されている。つまり、第1ホース761と第2ホース762とは、第1接続具77により接続されている。
図5に示すように、第1ホース761は、第2縦リブ32の開口部32bを通って、エンジンE1が配置されたエンジンルームE2からステップ20の下方に導かれている。図16に示すように、第2ホース762は、エアコンユニット70が配置されたステップ20の上方から、ステップ20の右後部に設けられた開口部20aを通ってステップ20の下方に導かれている。
図19に示すように、第1接続具77は、送りホースを接続可能で且つ作動油を通過可能な送り接続部77Aと、戻りホースを接続可能で且つ作動油を通過可能な送り接続部77Bとを有している。送り接続部77A及び送り接続部77Bは、管材(パイプ)で構成されている。送り接続部77Aと戻り接続部77Bとは、略U字形に屈曲され、並んで配置されている。送り接続部77Aは、上下方向に延びる第1部分771Aと、第1部分771Aの上端部から略直角方向に延びる第2部分772Aと、第1部分771Aの下端部から第2部分772Aと平行に延びる第3部分773Aとを有している。戻り接続部77Bは、上下方向に延びる第1部分771Bと、第1部分771Bの上端部から略直角方向に延びる第2部分772Bと、第1部分771Bの下端部から第2部分772Bと平行に延びる第3部分773Bとを有している。
送り接続部77Aの第2部分772Aには、第2送りホース762Aの他端部が接続されている。送り接続部77Aの第3部分773Aには、第1送りホース761Aの他端部が接続されている。戻り接続部77Bの第2部分772Bには、第2戻りホース762Bの他端部が接続されている。戻り接続部77Bの第3部分773Bには、第1戻りホース761Bの他端部が接続されている。したがって、第1接続具77は、第1ホース761と第2ホース762とを上下方向に接続する。言い換えれば、第1接続具77は、第1ホース761と、第1ホース761よりも下方に配置された第2ホース762とを接続する接続部を有している。
エンジンE1のウォータジャケットで温められた温水は、第1送りホース761Aから送り接続部77A及び第2送りホース762Aを通って、エアコンユニット70の熱交換器に送られ、温水により温められた空気がキャビン5内に供給される。エアコンユニット70の熱交換器に送られた温水は、温度が低下した状態で第2戻りホース762Bから戻り接続部77B及び第1戻りホース761Bを通ってエンジンE1のウォータジャケットに戻される。
第1接続具77は、ステップ20の下方においてブラケット78により旋回基板9上に支持されている。ブラケット78は、ステップ20の下方であって旋回基板9上に固定されている。ブラケット78は、基板部78aと、縦板部78bと、固定部78cとを有している。基板部78aは、取付孔78dにボルトを挿通して旋回基板9に設けられたねじ孔に螺合することにより、旋回基板9上に固定される。縦板部78bは、基板部78aの縁から屈曲して上方に延びている。縦板部78bは、一方の面を右方且つ後方(右斜め後方)に向け、他方の面を左方且つ前方(左斜め前方)に向けて配置されている。固定部78cは、縦板部78bの一方の面に設けられており、当該一方側の面から離れる方向に突出する2つの突片781c,782cを有している。一方の突片781cは、送り接続部77Aの第1部分771Aと接続(溶接)されている。他方の突片782cは、戻り接続部77Bの第1部分771Bと接続(溶接)されている。
図4及び図5に示すように、第1接続具77及びブラケット78は、旋回基板9の幅方向の一端部9b側であって、旋回中心となる縦軸(旋回軸)Oから離れた位置に配置されている。具体的には、第1接続具77及びブラケット78は、縦軸Oと旋回基板9における縦軸Oに垂直な方向の一端部9bとの中間地点Mよりも、一端部9b側に設けられている。本実施形態では、旋回基板9における縦軸Oに垂直な方向の一端部は、旋回基板9の幅方向(機体幅方向と同じ)の一端部9bである。また、本実施形態では、旋回基板9の幅方向の一端部9bは、旋回基板9の左端部である。また、第1接続具77及びブラケット78は、旋回ベアリング8の外周(図4及び図5に破線で示す)よりも縦軸Oに垂直な方向の外側において旋回基板9上に設けられている。より詳しくは、第1接続具77及びブラケット78は、作業者が機体2の他側方(左方)からステップ20の下方に手を差し入れて届く範囲に設けられている。
これにより、エンジンE1に接続された第1ホース761と、エアコンユニット70に接続された第2ホース762との接続作業が容易となる。具体的には、第1ホース761と第2ホース762とを第1接続具77を介して接続する作業を、作業者がステップ20の下方に上体を深く入れて行う必要がなく、機体2の他側方(左方)からステップ20の下方に手を差し入れて行うことができる。
<エアコンホース>
図16に示すように、ステップ20の下方には、エアコンホース94が配置されている。エアコンホース94は、エアコンユニット(第2機器)70と、レシーバ37及びコンプレッサ39(まとめて第3機器という)とを接続している。
図5に示すように、エアコンホース94は、第3ホース941と第4ホース942とを有している。第3ホース941及び第4ホース942は、ステップ20と旋回基板9との間を通過している。
第3ホース941は、ホース941Aとホース941Bとを有している。第3ホース941のうち、一方のホース941Aは、一端部がコンプレッサ39に接続されており、他端部が第2接続具95に接続されている。他方のホース941Bは、一端部がレシーバ37に接続されており、他端部が第2接続具95に接続されている。第4ホース942は、ホース942Aとホース942Bとを有している。第4ホース942(ホース942A、942B)は、一端部がエアコンユニット70に接続されており、他端部が第2接続具95に接続されている。つまり、第3ホース941と第4ホース942とは、第2接続具95により接続されている。また、第2接続具95と第1接続具77とは近傍に配置されているため、第2接続具95における接続作業と、第1接続具77における接続作業とが行い易い。
図5に示すように、第3ホース941は、第2縦リブ32の切欠部32aを通って、コンプレッサ39及びレシーバ37が配置されたエンジンルームE2からステップ20の下方に導かれている。図16に示すように、第4ホース942は、エアコンユニット70が配置されたステップ20の上方から、ステップ20の右後部に設けられた開口部20aを通ってステップ20の下方に導かれている。
第2接続具95は、2つのホースジョイント95A,95Bを有している。一方のホースジョイント95Aは、ホース941Aとホース942Aとを接続している。他方のホースジョイント95Bは、ホース941Bとホース942Bとを接続している。2つのホースジョイント95A,95Bは、第3ホース941(ホース941A、ホース941B)と、第4ホース942(ホース942A、942B)とを前後方向に接続している。言い換えれば、第2接続具95は、第3ホース763と、第3ホース763に対して略水平方向に配置された第4ホース764とを接続する接続部を有している。
第2接続具95(ホースジョイント95A,95B)は、旋回基板9の幅方向の一端部9b側であって縦軸(旋回軸)Oから離れた位置に配置されている。具体的には、第2接続具95は、縦軸Oと旋回基板9の幅方向の一端部(機体幅方向の他方側の端部)9bとの中間地点Mよりも、一端部9b側に設けられている。また、第2接続具95は、旋回ベアリング8の外周よりも外側において旋回基板9上に設けられている。より詳しくは、第2接続具95は、作業者が機体2の他側方(左方)からステップ20の下方に手を差し入れて届く範囲に設けられている。
これにより、レシーバ37及びコンプレッサ39(第3機器)に夫々接続された第3ホース941と、エアコンユニット70に接続された第4ホース942との接続作業が容易となる。具体的には、第3ホース941と第4ホース942とを第2接続具95を介して接続する作業を、作業者がステップ20の下方に上体を深く入れて行う必要がなく、機体2の他側方(左方)からステップ20の下方に手を差し入れて行うことができる。
ここで、第1接続具77はブラケット78を介して旋回基板9上に固定されているが、第2接続具95は旋回基板9上に固定されていない。そのため、第2接続具95を縦軸Oから離れた位置に維持するためには、第2接続具95の移動を規制する必要がある。本実施形態では、第2接続具95の移動を規制するために複数のホースガイドが設けられている。
図4及び図5に示すように、ホースガイドは、第1ホースガイド96と第2ホースガイド97とを有している。
第1ホースガイド96は、中間地点Mよりも縦軸O側(中間地点Mと縦軸Oとの間)に配置されている。具体的には、第1ホースガイド96は、旋回ベアリング8の外周よりも縦軸Oに垂直な方向の内側であって、縦軸Oよりも前方に配置されている。第1ホースガイド96は、直線状に形成されており、下端部が旋回基板9上に固定されて上方に延びている。
第2ホースガイド97は、中間地点Mよりも一端部9b側に配置されている。具体的には、第2ホースガイド97は、旋回ベアリング8の外周よりも縦軸Oに垂直な方向の外側であって、縦軸Oよりも前方に配置されている。第2ホースガイド97は、第1部分97aと第2部分97bとを有している。第1部分97aは、下端部が旋回基板9上に固定されて上方に延びている。第2部分97bは、第1部分97aの上端部から略直角に屈曲して後方に延びている。
第1ホースガイド96及び第2ホースガイド97は、第3ホース941を案内している。第3ホース941(ホース941A、ホース941B)は、エンジンルームE2から第2縦リブ32の切欠部32aを通ってステップ20の下方に導かれ、第1ホースガイド96及び第2ホースガイド97により案内されている。具体的には、第3ホース941は、第1ホースガイド96に当接することにより、前方への移動を規制されながら一端部9b側に延びるように案内され、更に第2ホースガイド97に当接することにより、前方及び上方への移動を規制されながら一端部9b側に延びるように案内されている。
このように、第3ホース941が第1ホースガイド96及び第2ホースガイド97により規制されながら案内されていることにより、第3ホース941に接続された第2接続具95の移動が規制される。また、第2接続具95が第1接続具77を支持するブラケット78よりも一端部9b側に設けられていることによっても第2接続具95の移動が規制される。これにより、第2接続具95が縦軸Oから離れた位置に維持される。
尚、本実施形態では、第3ホース941を案内する複数のホースガイドとして、2つのホースガイド(第1ホースガイド96と第2ホースガイド97)を設けているが、3つ以上のホースガイドを設けてもよい。また、複数のホースガイドは、本実施形態のように異なる形状のものを含んでいてもよいし、全て同じ形状であってもよい。
<運転席周辺>
図17及び図18に示すように、運転席6の左側及び右側には、操作レバー101L,101Rが設けられている。各操作レバー101L,101Rは、当該操作レバーによって操作されるパイロットバルブ(図示略)と接続されている。
左側の操作レバー101Lに接続されたパイロットバルブは、旋回・アーム用パイロットバルブである。旋回・アーム用パイロットバルブは、パイロットホースを介して、旋回用制御バルブV4及びアーム用制御バルブV7と接続されている。旋回・アーム用パイロットバルブは、左側の操作レバー101Lによって操作されることで、旋回用制御バルブV4及びアーム用制御バルブV7を操作する。
右側の操作レバー101Rに接続されたパイロットバルブは、ブーム・バケット用パイロットバルブである。ブーム・バケット用パイロットバルブは、パイロットホースを介して、ブーム用制御バルブV5及びバケット用制御バルブV6と接続されている。ブーム・バケット用パイロットバルブは、右側の操作レバー101Rによって操作されることで、ブーム用制御バルブV5及びバケット用制御バルブV6を操作する。
運転席6の右側には、ドーザレバー102が設けられている。ドーザレバー102は、ドーザ装置7を操作するレバーである。ドーザレバー102は、当該レバーによって操作されるドーザ用パイロットバルブと接続されている。ドーザ用パイロットバルブは、パイロットホースを介してドーザ用第1制御バルブV13と接続されている。
運転席6の前方には、走行レバー103L,103Rと、操作ペダル(スイングペダル104及びSPペダル105)が設けられている。左側の走行レバー103Lは、左側の走行装置3を操作するレバーである。右側の走行レバー103Rは、右側の走行装置3を操作するレバーである。スイングペダル104は、スイングブラケット14を揺動操作するペダルである。SPペダル105は、バケット17の代わりに装着される油圧アタッチメントを操作するペダルである。
走行レバー103L,103Rは、運転席6の前方に配置されている。走行レバー103L,103Rは、ステップ20の下方にある走行用パイロットバルブと接続されている。走行用パイロットバルブは、パイロットホースを介して、走行右用制御バルブV10及び走行左用制御バルブV12と接続されている。走行用パイロットバルブは、左右の走行レバー103L,103Rによって操作されることで、走行右用制御バルブV10及び走行左用制御バルブV12を制御する。運転席6の前方には、走行ペダル106L,106Rが設けられており、走行ペダル106L,106Rによっても走行装置3を操作可能となっている。
スイングペダル104は、走行レバー103L,103Rの右方に配置されている。スイングペダル104は、ステップ20の下方にあるスイング用パイロットバルブと接続されている。スイング用パイロットバルブは、パイロットホースを介して、スイング用制御バルブV2と接続されている。スイング用パイロットバルブは、スイングペダル104によって操作されることでスイング用制御バルブV2を制御する。
SPペダル105は、走行レバー103L,103Rの左方に配置されている。SPペダル105は、ステップ20の下方にあるSP用パイロットバルブと接続されている。SP用パイロットバルブは、パイロットホースを介して、SP用第1制御バルブV8及びSP用第2制御バルブV3と接続されている。SP用パイロットバルブは、SPペダル105によって操作されることで、SP用第1制御バルブV8及びSP用第2制御バルブV3を制御する。
<キャビン>
図20〜図22に示すように、キャビン5は、第1支柱121、第2支柱122、第3支柱123、第1連結板124、第2連結板125、第3連結板126、第4連結板127、下板128、補強部材130を備えている。
第1支柱121、第2支柱122、第3支柱123は、運転席6の近傍に立設される。第1支柱121は、前部121aと、上部121bと、後部121cとを有している。前部121aは、運転席6の右前方に立設される部分であって、下方から上方に延びている。上部121bは、前部121aの上端部から湾曲して後方に延びている。後部121cは、上部121bの後端部から湾曲して下方に延びている。第2支柱122は、前部122aと、上部122bと、後部122cとを有している。前部122aは、運転席6の左前方に立設される部分であって、下方から上方に延びている。上部122bは、前部122aの上端部から湾曲して後方に延びている。後部122cは、上部122bの後端部から湾曲して下方に延びている。第3支柱123は運転席6の左方に立設される。第3支柱123は、第2支柱122の後方に配置されて下方から上方に延びている。第3支柱123の上端部は、上部122bの中途部に接続されている。
第3支柱123には、扉120がヒンジを介して開閉可能に取り付けられている。作業者は、扉120を開放することにより、キャビン5への乗り降りが可能となる。つまり、図20及び図22に示すように、第2支柱122と第3支柱123との間は、キャビン5の乗降口5aとなっている。
図20に示すように、第1連結板124は、第1支柱121の前部121aの下部と、第2支柱122の前部122aの下部とを連結している。第2連結板125は、第1支柱121の前部121aの上部と、第2支柱122の前部122aの上部とを連結している。図21に示すように、第3連結板126は、第1支柱121の後部121cの上部と、第2支柱122の後部122cの上部とを連結している。第4連結板127は、第1支柱121の後部121cの下部と、第2支柱122の後部122cの下部とを連結している。
図21に示すように、下板128は、支柱(第1支柱121、第2支柱122、第3支柱123)の下端部に接続されている。本実施形態では、下板128は、板面の法線方向が支柱(第1支柱121、第2支柱122、第3支柱123)の下端部から上方に延びる延伸方向(縦軸Oと平行方向)と略平行となるように配置されている。支柱(第1支柱121、第2支柱122、第3支柱123)は、下板128に接続されて上方に延びている。
下板128は、四角枠形状の板であり、前枠部128aと、左枠部128bと、右枠部128cと、後枠部128dと、を有している。前枠部128aは、機体幅方向に延びており、第1支柱121の下端部及び第2支柱122の下端部に接続されている。左枠部128bは、前枠部128aの左端部から後方に延びており、第1支柱121の下端部及び第3支柱123の下端部に接続されている。右枠部128cは、前枠部128aの右端部から後方に延びている。後枠部128dは、機体幅方向に延びており、左枠部128bの後端部と右枠部128cの後端部とを接続している。
図21に示すように、下板128は、キャビン内方(運転席6に近づく方向)に突出した複数の突出部128e〜128jを有している。本実施形態では、下板128は、第1突出部128e、第2突出部128f、第3突出部128g、第4突出部128h、第5突出部128i、第6突出部128jを有している。
第1突出部128eは、前枠部128aの左部から後方に突出している。第2突出部128fは、前枠部128aの右部から後方に突出している。第3突出部128gは、左枠部128bの前部から右方に突出している。第4突出部128hは、左枠部128bの後部から右方に突出している。第5突出部128iは、右枠部128cの後部から左方に突出している。第6突出部128jは、後枠部128dの左部から前方に突出している。
各突出部128e〜128jは、ボルトにより機体2に固定される固定部を有している。各固定部は、ボルトが挿通される貫通孔を有している。ここで、第3突出部128gの固定部を代表例として説明する。図23及び図24に示すように、第3突出部128gは、2つの固定部133a,133bを有している。2つの固定部133a,133bは、前後方向(左枠部128bの長さ方向)に間隔をあけて設けられている。固定部133a,133bには貫通孔が形成されており、当該貫通孔に挿通したボルトにより下板128が機体2のステップ20に固定される。言い換えれば、下板128の上部にステップ20が固定される。
キャビン5の乗降口5aの付近は、扉120を開放したときに大きな開口となって強度が低くなるため、補強部材130により補強されている。
図22に示すように、補強部材130は、第1補強材131と、第2補強材129と、第3補強材132とを有している。第1補強材131は、第2支柱122に連結され、第3補強材132は、第3支柱123に連結されている。
図24に示すように、第2補強材129は、第2支柱122と第3支柱123との間に配置されており、前後方向に延びている。第2補強材129は、第1部位129aと第2部位129bとを有している。第1部位129aと第2部位129bとは一体に形成されている。
第1部位129aは、前後方向に延びており、第2支柱122と第3支柱123とを接続している。第1部位129aは、下端部が下板128の左枠部128bの上面に接続(溶接)されており、上方に延びてから湾曲して右方(キャビン5の内方)に延びている。第1部位129aは、支柱側の端部に、支柱に接続(溶接)された第1端部を有している。第1端部は、第2支柱122に接続(溶接)された第1前端部129cと、第3支柱123に接続(溶接)された第1後端部129dとを有している。
第2部位129bは、第1部位129aの長さ方向(前後方向)の中間部分の右側(運転席6側)に、第1部位129aと一体に形成されており、前後方向に延びている。第2部位129bの前後方向の長さは、第1部位129aの前後方向の長さよりも短い。第2部位129bは、下端部が下板128の左枠部128bの上面に接続されており、上方に延びてから湾曲して左方に延びて、第1部位129aと繋がっている。第2部位129bは、支柱側の端部に、支柱と間隔をあけて配置された第2端部を有している。第2端部は、第2支柱122側に設けられ且つ第2支柱122と間隔をあけて配置された第2前端部129eと、第3支柱123側に設けられ且つ第3支柱123と間隔をあけて配置された第2後端部129fとを有している。
図23及び図25に示すように、第1補強材131は、第1板部131aと第2板部131bとを有している。第1板部131aは、一方の面を下方に向け、他方の面を上方に向けて配置されている。第1板部131aは、下板128の上面に取り付けられている。なお、第1板部131aと第2板部131bとは、1枚の板部材を屈曲あるいは湾曲させたものであってもよく、別々の板部材を溶接等により接合したものであってもよい。
第2板部131bは、第1板部131aの機体幅方向の他方側(左側)から起立した板材であって、一方の面を機体幅方向の他方側(左側)に向け、他方の面を機体幅方向の一方側(右側)に向けて配置されている。第2板部131bは、支柱の前記延伸方向と交差する方向(前後方向)に延伸し、当該延伸方向の一端側(前側)が支柱(第2支柱122、第3支柱123)に接続されている。第2板部131bは、第1補強部131cと第2補強部131dとを有している。
第1補強部131cは、第2板部131bの前部(後述する傾斜板部131f)に設けられており、第2支柱122に溶接されている。第1補強部131cは、第1部分131c1と第2部分131c2とを有している。第1部分131cは、第2板部131bの前部上縁に設けられており、第2支柱122の右面(機体幅方向の一方側の面)に対して溶接されている。第2部分131c2は、第2板部131bの前部左面に設けられており、第2支柱122の後縁と溶接されている。図25において、第2部分131c2は隠れた位置(図の裏側)にあるため、溶接された範囲を矢印で示している。第1部分131c1には溶接ビードBE1を示している。
第2補強部131dは、第2補強材129に当接して溶接されている。第2補強部131dは、第1部分131d1と第2部分131d2とを有している。第1部分131d1は、第2板部131bの後部に、第1板部131aより後方に突出して設けられており、第2補強材129の第2部位129bの上面前部と溶接されている。第2部分131d2は、第2板部131bの左面に設けられており、第2補強材129の第1部位129aの右縁に溶接されている。図25において、第2部分131d2は隠れた位置(図の裏側)にあるため、溶接された範囲を矢印で示している。第1部分131d1には溶接ビードBE2を示している。上記の通り、第2板部131bの前記延伸方向の他端側(後側)は、第2補強材129と接続(溶接)されている。
第1板部131aは、第3補強部131eを有している。第3補強部131eは、第1部分131e1と第2部分131e2とを有している。第1部分131e1は、第1板部131aの前部右縁に設けられており、下板128の前枠部128aの上面に溶接されている。第2部分131e2は、第1部分131e1の後方において、第1板部131aの右縁及び後縁に設けられており、下板128の左枠部128bの上面に溶接されている。図25において、第1部分131e1には溶接ビードBE3を示し、第2部分131e2には溶接ビードBE4を示している。溶接ビードBE3と溶接ビードBE4とは連続して設けられている。
上述したように、第1補強材131が、第1補強部131cと第2補強部131dと第3補強部131eとを有している。そのため、作業機1が前後に揺れた場合でもキャビン5と機体2との接続部への応力集中が起こりにくくなり、キャビン5の強度が向上する。
図23及び図25に示すように、第2板部131bは、傾斜板部131fと低板部131gとを有している。傾斜板部131fは、第2板部131bの前部に設けられている。傾斜板部131fは、前記延伸方向の他端側(第2補強部131d側)から前記延伸方向の一端側(第1補強部131c側)に向かうにつれて次第に高くなるように、側面視にて略三角形状に形成されている。傾斜板部131fには、第1補強部131cが設けられている。具体的には、傾斜板部131fの縁部に沿って第1補強部131cが設けられている。傾斜板部131fを設けることにより、第1補強部131cの長さ(溶接ビードBE1の長さ)が延長され、接続強度を向上させることができる。低板部131gは、傾斜板部131fよりも高さが低い部分であって、傾斜板部131fよりも後方(第2補強部131d側)に設けられている。
図23に示すように、第2板部131bは、第1当接部131hを有している。第1当接部131hは、第2板部131bの後部に設けられており、第2補強材129の第2前端部129eに当接し且つ接続されている。第1板部131aは第2当接部131iを有している。第2当接部131iは、第1板部131aの後部に設けられており、第2補強材129の第2前端部129eに当接している。つまり、第2板部131b及び第1板部131aは、共に第2補強材129の第2前端部129eに当接している。第2補強部131dは、第1当接部131h及び第2当接部131iよりも後方に(第2補強材129側に)延びている。
図23に示すように、第1当接部131h及び第2当接部131iは、前記延伸方向の一端側から他端側に沿った位置が、隣り合う2つの固定部133a,133b同士の間の位置である。固定部133a,133bで下板128をボルトにより機体2に固定することによってキャビン5の強度が高くなる。そのため、第2補強材129と第1補強材131とが当接されて溶接される部分である第1当接部131h及び第2当接部131iを、隣り合う2つの固定部133a,133bの間に設けることにより、キャビン5は高い強度を得ることができる。
図26に示すように、第3補強材132は、板材から形成され、一方の面を機体幅方向の他方側(左側)に向け、他方の面を機体幅方向の一方側(右側)に向けて配置されている。第3補強材132は、第1補強部132aと第2補強部132bと第3補強部132cとを有している。第1補強部132aは、第3補強材132の後部に設けられており、第3支柱123の側面(左面)に当接して溶接されている。第2補強部132bは、第3補強材132の前部に設けられており、第2補強材129の上面に当接して溶接されている。第3補強部132cは、第3補強材132の下縁に設けられており、下板128の左枠部128bの上面に当接して溶接されている。
このように、第3補強材132が、第1補強部132aと第2補強部132bと第3補強部132cとを有している。そのため、作業機1が前後に揺れた場合でもキャビン5と機体2との接続部への応力集中が起こりにくくなり、キャビン5の強度が向上する。
また、第3補強材132は第3当接部132dを有している。第3当接部132dは、第3補強材132の前部に設けられており、第2補強材129の第2後端部129fに当接している。第2補強部132bは、第3当接部132dよりも前方に延びている。
尚、本実施形態では、第2補強材129及び補強部材130(第1補強材131と第3補強材132)は、下板128の左枠部128bの上面に接続して設けているが、第2補強材129及び補強部材130を下板128の別の部分(右枠部、前枠部、後枠部)の上面に接続して設けてもよい。
図17及び図18に示すように、ステップ20の上方にはフロアマット134が載置されている。フロアマット134は、運転席6を支持する支持台75の前方に配置されている。フロアマット134の上面には、滑り止め用の複数の凸部134gが設けられている。フロアマット134は、平面視にて略長方形状であり、4つの縁部(外縁部)を有している。4つの縁部は、前縁部134aと、左縁部134bと、右縁部134cと、後縁部134dである。前縁部134aは前枠部128aの上方に配置される。左縁部134bは左枠部128bの上方に配置される。右縁部134cは右枠部128cの上方に配置される。後縁部134dは後枠部128dの前方に配置される。尚、本実施形態では、フロアマット134は、前部134Aと後部134Bの2枚から構成されているが、1枚又は3枚以上で構成してもよい。
図18に示すように、左縁部134bの前部には第1切欠部134eが設けられており、左縁部134bの後部には第2切欠部134fが設けられている。図27に示すように、左縁部134bは、第1切欠部134eにおいて第1補強材131の第2板部131bの側面(右面)に当接している。図28に示すように、左縁部134bは、第2切欠部134fにおいて第3補強材132の側面(右面)に当接している。左縁部134bの中間部(第1切欠部134eと第2切欠部134fとの間の部分)は、第2補強材129の第1部位129aの上面に載置されている。
フロアマット134は、当該フロアマット134の内側から縁部(外縁部)に向けて高くなる傾斜面を有している。傾斜面は、第1傾斜面134hと第2傾斜面134iとを含む。図27に示すように、第1傾斜面134hは、内側から左縁部134bの第1切欠部134eに向けて高くなる傾斜面である。第1傾斜面134hは、第1切欠部134eに沿うように、平面視にてL字状に形成されている。図28に示すように、第2傾斜面134iは、フロアマット134の内側から左縁部134bの第2切欠部134fに向けて高くなる傾斜面である。第2傾斜面134iは、第2切欠部134fに沿うように、平面視にてL字状に形成されている。
第1傾斜面134hの上縁は低板部131gの上縁と同高さに配置されている。第2傾斜面134iの上縁は低板部131gの上縁と同高さに配置されている。これにより、フロアマット134上に堆積した土砂等を乗降口5aから掃き出す際に、第1傾斜面134h及び第2傾斜面134iから低板部131gを越えて掃き出すことができる。そのため、土砂等の掃き出しが容易となり、フロアマット134上に堆積した土砂による油圧機器のコンタミネーションが防止できる。また、フロアマット134の縁部の収まりがよくなるため、良好な外観が得られる。なお、本実施形態では、フロアマット134の上縁を低板部131gの上縁と同高さにするために第1傾斜面134h及び第2傾斜面134iを設けているが、これに限らず、例えば、フロアマット134の略全域(滑り止め用の複数の凸部134gを除く部分)の上面の高さを低板部131gの上縁と同高さにしてもよい。
<アンロードレバー>
図17、図18、図29に示すように、運転席6の一側方(左方)には操縦ボックス135Lが設けられている。運転席6の他側方(右方)には操縦ボックス135Rが設けられている。
操縦ボックス135Rの前方には、エアコンの吹き出し口を有するダクト98が設けられている。操縦ボックス135Rの上部には、操作レバー101Rとアームレスト136Rが取り付けられている。操縦ボックス135Rの上面前部には、蛇腹部材107Rが装着されている。操作レバー101Rは蛇腹部材107Rから上方に突出して上方に延びている。操作レバー101Rは、上方に延びるにつれて前方且つ内方(運転席6の方)に移行している。操縦ボックス135Rの側方(右方)には、ドーザレバー102が取り付けられている。アームレスト136Rは、操縦ボックス135Rの上面後部から上方に延びた後、湾曲して後方に延びている。アームレスト136Rの上面136Raは、前方に向かうにつれて下方に向かう傾斜面とされている。
操縦ボックス135Lの上部には、操作レバー101Lとアームレスト136Lが取り付けられている。操縦ボックス135Lの上面前部には、蛇腹部材107Lが装着されている。操作レバー101Lは蛇腹部材107Lから上方に突出して上方に延びている。操作レバー101Lは、上方に延びるにつれて前方且つ内方(運転席の方)に移行している。アームレスト136Lは、操縦ボックス135Lの上面後部から上方に延びた後、湾曲して後方に延びている。アームレスト136Lの上面136Laは、前方に向かうにつれて下方に向かう傾斜面とされている。
操縦ボックス135Lには、アンロードレバー137が取り付けられている。アンロードレバー137は、上方及び下方に揺動可能に操縦ボックス135Lに支持されている。アンロードレバー137は、油圧機器に対して作動油を供給する否かを操作可能である。アンロードレバー137を下方に揺動したときには、油圧機器に対する作動油の供給が許容される。アンロードレバー137を上方に揺動したときには、油圧機器に対する作動油の供給が遮断され、作業装置4等を駆動することが不可能となる。図17、図18、図29は、アンロードレバー137を下方に揺動した状態(以下、下方揺動状態という)を示している。以下、この下方揺動状態におけるアンロードレバー137の位置について説明する。
図17に示すように、アンロードレバー137は、側面視において、操縦ボックス135Lの前部から前方且つ下方に延びた後、屈曲して前方且つ上方に延びている。また、図18に示すように、アンロードレバー137は、平面視において、操縦ボックス135Lの前部から前方に延びた後、屈曲して前方且つキャビン内方(運転席6の方)に延びている。
図18に示すように、アンロードレバー137の前端部137aは、操作ペダル(SPペダル)105よりも一側方側(左側)に位置している。詳しくは、アンロードレバー137の前端部137aは、操作ペダル(SPペダル)105の一側方側(左側)の端部105aと運転席6における一側方側(左側)の端部とを結ぶ直線L7よりも一側方側(左側)に位置している。なお、図18では、端部105aと運転席6における一側方側(左側)の端部とを結ぶ直線L7として、端部105aと運転席6の左前角部6bとを結ぶ直線を示している。また、図17及び図29に示すように、アンロードレバー137の上端部137bは、操縦ボックス135Lの上面前端部135Laよりも上方に位置しており、運転席6の座面の幅方向中央部6aの高さよりも上方に位置している。また、アンロードレバー137の上端部137bは、アームレスト136Lの上面136Laを前方に延長した延長線L8上に位置している。
上述した構成により、下方揺動状態におけるアンロードレバー137の位置が運転席6から離れた位置となる。そのため、図29の仮想線(二点鎖線)で示すように、運転席6に着座した作業者Hの身長が高い場合でも、作業者Hの左膝が下方揺動状態におけるアンロードレバー137に接触する虞がない。また、作業者Hの左足による操作ペダル(SPペダル)105の操作が、アンロードレバー137により阻害されることがない。
<中継プレート>
図16、図30〜図33に示すように、ステップ20の下面には、中継プレート110が固定されている。中継プレート110は、前記パイロットバルブと第1制御バルブ11とを接続するパイロットホースを中継している。換言すれば、パイロットホースは、パイロットバルブと第1制御バルブ11とを中継プレート110を介して接続している。
中継プレート110により中継されるパイロットホースの種類及び本数は限定されないが、本実施形態では、中継プレート110は、3本のパイロットホースを中継している。以下、便宜上、3本のパイロットホースを、第1パイロットホース、第2パイロットホース、第3パイロットホースという。
第1パイロットホースは、ドーザ用パイロットバルブとドーザ用第1制御バルブV13とを中継プレート110で中継して接続するパイロットホースである。図33に示すように、第1パイロットホースは、ドーザ用パイロットバルブと中継プレート110とを接続する第1上流側ホース114と、中継プレート110とドーザ用第1制御バルブV13とを接続する第1下流側ホース115とを有している。
第2パイロットホースは、ドーザ用パイロットバルブとドーザ用第2制御バルブV9とを中継プレート110で中継して接続するパイロットホースである。図33に示すように、第2パイロットホースは、ドーザ用パイロットバルブと中継プレート110とを接続する第2上流側ホース116と、中継プレート110とドーザ用第2制御バルブV9とを接続する第2下流側ホース117とを有している。
第3パイロットホースは、旋回・アーム用パイロットバルブとアーム用制御バルブV7とを中継プレート110で中継して接続するパイロットホースである。図33に示すように、第3パイロットホースは、旋回・アーム用パイロットバルブと中継プレート110とを接続する第3上流側ホース118と、中継プレート110とアーム用制御バルブV7とを接続する第3下流側ホース119とを有している。
第1上流側ホース114及び第2上流側ホース116は、ドーザレバー102に接続されたドーザ用パイロットバルブから下方に延び、図33に示すようにステップ20の右後部に設けられた開口部20bを通ってステップ20の下方に導かれている。第3上流側ホース118は、操作レバー101Lに接続された旋回・アーム用パイロットバルブから下方に延び、ステップ20の左後部に設けられた開口部20cを通ってステップ20の下方に導かれている。
中継プレート110は、一方の面を右方(機体幅方向の一方)に向け、他方の面を左方(機体幅方向の他方)に向けて配置されている。中継プレート110は、略長方形状の板であり、長手方向を前後方向に向けて配置されている。中継プレート110の前端部と後端部には、夫々固定部材109が取り付けられている。固定部材109は、上下方向に延びており、上端部がステップ20の下面に固定されている。これにより、中継プレート110がステップ20の下面に固定されている。
中継プレート110の後部には、複数の管継手が取り付けられている。各管継手は、2本のホースを連通可能に接続する。図30〜図32に示すように、本実施形態では、3つの管継手(第1管継手111、第2管継手112、第3管継手113)が取り付けられている。第1管継手111は、中継プレート110の後上部に配置されている。第2管継手112は、第1管継手111の下方に配置されている。第3管継手113は、第2管継手112の前方に配置されている。第1管継手111、第2管継手112、第3管継手113は、円筒状であって、中継プレート110に設けられた穴を貫通するように嵌め込まれて溶接されることにより、中継プレート110と一体的に接続されている。
従来は、中継プレート110にホースをナットにより固定していたためにホースの組み付けに時間を要していたが、本実施形態によれば、管継手(第1管継手111、第2管継手112、第3管継手113)が中継プレート110と一体的に接続されているため、ホースの組み付けを容易に行うことができる。
第1管継手111、第2管継手112、第3管継手113は、中継プレート110の両側に(一方の面及び他方の面から)突出している。即ち、第1管継手111は、中継プレート110の一方の面から突出した突出部111aと、中継プレート110の他方の面から突出した突出部111bとを有している。第2管継手112は、中継プレート110の一方の面から突出した突出部112aと、中継プレート110の他方の面から突出した突出部112bとを有している。第3管継手113は、中継プレート110の一方の面から突出した突出部113aと、中継プレート110の他方の面から突出した突出部113bとを有している。
図30に示すように、第1管継手111の突出部111aの中継プレート110からの突出長さをL1、第2管継手112の突出部112aの中継プレート110からの突出長さをL2、第3管継手113の突出部113aの中継プレート110からの突出長さをL3とすると、L1=L3>L2となっている。また、第1管継手111の突出部111bの中継プレート110からの突出長さをL4、第2管継手112の突出部112bの中継プレート110からの突出長さをL5、第3管継手113の突出部113bの中継プレート110からの突出長さをL6とすると、L4=L6<L5となっている。また、本実施形態では、L1+L4=L2+L5=L3+L6とし、第1管継手111、第2管継手112、及び第3管継手113として共通の部品を用いることにより、部品の種類を低減してコストダウンを図っている。
第1管継手111には、上述した第1上流側ホース114と第1下流側ホース115が接続される。具体的には、突出部111aに第1上流側ホース114が接続され、突出部111bに第1下流側ホース115が接続される。
第2管継手112には、上述した第2上流側ホース116と第2下流側ホース117が接続される。具体的には、突出部112aに第2上流側ホース116が接続され、突出部112bに第2下流側ホース117が接続される。
第3管継手113には、上述した第3上流側ホース118と第3下流側ホース119が接続される。具体的には、突出部113aに第3上流側ホース118が接続され、突出部113bに第3下流側ホース119が接続される。
ここで、上述の通り、中継プレート110に取り付けられた複数の管継手(第1管継手111、第2管継手112、第3管継手113)は、中継プレート110からの同方向への突出長さが異なる管継手を含んでいる。つまり、複数の管継手の少なくとも一部は、中継プレート110から同方向への突出長さが互いに異なる。そのため、管継手へのホースの接続(組み付け)を容易に行うことができる。具体的には、中継プレート110の一方の面から突出した突出部111aの突出長さL1と突出部112aの突出長さL2とが異なるため、第1上流側ホース114と第2上流側ホース116とを接続する際に互いに干渉しにくくなり、接続が容易となる。また、突出部113aの突出長さL3と突出部112aの突出長さL2とが異なるため、第3上流側ホース118と第2上流側ホース116とを接続する際に互いに干渉しにくくなり、接続が容易となる。更に、中継プレート110の他方の面から突出した突出部111bの突出長さL4と突出部112bの突出長さL5とが異なるため、第1下流側ホース115と第2下流側ホース117とを接続する際に互いに干渉しにくくなり、接続が容易となる。また、突出部113bの突出長さL6と突出部112bの突出長さL5とが異なるため、第3下流側ホース119と第2下流側ホース117とを接続する際に互いに干渉しにくくなり、接続が容易となる。
図30に示すように、ステップ20は、点検口20dを形成する内縁部を有している。第1管継手111は、点検口20dの下方または点検口20d近傍の下方に配置されている。第2管継手112は、第1管継手111の下方に配置されている。第3管継手113は、点検口20dの直下方に配置されている。点検口20dは、運転席6を支持する支持台75の前方に設けられている。点検口20dは、取り外し可能な蓋体20eによりステップ20の上面側から塞がれている。作業者は、蓋体20eを取り外すことにより、ステップ20上から点検口20dを介して管継手(第1管継手111、第2管継手112、第3管継手113)にアクセスして、管継手にホースを接続することができる。ここで、第2管継手112は第1管継手111の下方にあるが、第1管継手111と前記突出長さが異なる。具体的には、第2管継手112の突出部112bの突出長さL5が、第1管継手111の突出部111bの突出長さL4より長い。そのため、第2管継手112に対するホースの接続を、第1管継手111に邪魔されずに容易に行うことが可能となる。
<ウエイト>
図34に示すように、機体2の後部に設けられた第1ウエイト10は、機体2と反対側の面(後面)に複数の凹部を有している。凹部は、第1凹部141L,141R、第2凹部142L,142R、第3凹部143、第4凹部144、第5凹部145L,145Rを含む。各凹部は、機体2に向けて(前方に向けて)凹んでいる。
第1凹部141L,141Rは、機体幅方向の中心を挟んで対称位置に設けられている。一方の第1凹部141Lは、機体幅方向の一方側(左側)に設けられている。他方の第1凹部141Rは、機体幅方向の他方側(右側)に設けられている。第1凹部141L,141Rは、第1ウエイト10の上下方向の中心よりも下方に位置している。図38に示すように、第1凹部141L,141Rは、後方から前方に向けて次第に径が小さくなる円錐台状に形成されている。
第1凹部141L,141R内には第1固定部146が設けられている。第1固定部146は、機体2に対して固定される部分である。第1固定部146は、第1凹部141内に設けられた挿通部147と、挿通部147に挿通される締結具(ボルト)148とを有している。挿通部147は、円錐台状の第1凹部141の底部(前部)に設けられており、当該底部を前後方向に貫通している。締結具148は、挿通部147に挿通されて、機体2に設けられたねじ孔に締結される。これにより、第1固定部146が機体2に固定される。
第2凹部142L,142Rは、機体幅方向の中心を挟んで対称位置に設けられている。一方の第2凹部142Lは、機体幅方向の一方側(左側)に設けられている。第2凹部142Lは、第1凹部141Lよりも浅く凹んでおり、第1凹部141Lの機体幅方向の他方側(右側)に隣接している。他方の第2凹部142Rは、機体幅方向の他方側(右側)に設けられている。第2凹部142Rは、第1凹部141Rよりも浅く凹んでおり、第1凹部141Rの機体幅方向の一方側(左側)に隣接している。第2凹部142L,142Rは、第1ウエイト10の上下方向の中心よりも下方に位置している。第2凹部142L,142Rには、前方に向けてねじ孔152が設けられている。
第3凹部143は、機体幅方向の中心に設けられている。第3凹部143は、第1ウエイト10の上下方向の略中心に位置している。第3凹部143内には第3固定部151が設けられている。第3固定部151は、機体2に対して固定される部分である。第3固定部151には、締結具(ボルト)150が挿通され、締結具150は機体2に設けられたねじ孔に締結される。これにより、第3固定部151が機体2に固定される。本実施形態では、第1ウエイト10は、2つの第1固定部146と1つの第3固定部151において、機体2に対して固定されている。
第4凹部144は、機体幅方向の中心に設けられている。第4凹部144は、第3凹部143の上方に位置している。第4凹部144には、前方に向けてねじ孔154が設けられている。
第5凹部145L,145Rは、機体幅方向の中心を挟んで対称位置に設けられており、前方に向けて凹んでいる。一方の第5凹部145Lは、機体幅方向の一方側(左側)に設けられている。他方の第5凹部145Rは、機体幅方向の他方側(右側)に設けられている。第5凹部145L,145Rは、第1ウエイト10の上下方向の中心よりも上方に位置している。第5凹部145L,145Rの形状は、後面視において、縦方向(上下方向)よりも横方向(機体幅方向)が長い略平行四辺形である。
第5凹部145L,145Rの底面には、夜間の視認性向上等を目的として、光を反射する反射材153L,153Rが取り付けられている。反射材153L,153Rは、第1ウエイト10の機体2と反対側の面(後面)に取り付けられている。本実施形態では、反射材153L,153Rは、リフレクタラベルであり、第5凹部145L,145Rの底面に貼り付けられている。後面視において、反射材153Lの形状は第5凹部145Lの形状と略一致し、反射材153Rの形状は第5凹部145Rの形状と略一致している。
第1ウエイト10は、吸気口140L,140Rを形成する略四角形状の内縁部を有している。吸気口140L,140Rは、機体2の内部に外気を取り入れるための開口である。吸気口140L,140Rは、機体幅方向の中心を挟んで対称位置に設けられている。吸気口140Lは、第4凹部144に対して機体幅方向の他方側(左側)に位置している。吸気口140Rは、第4凹部144に対して機体幅方向の他方側(右側)に位置している。
図38に示すように、第1ウエイト10の後面10Rは、平面視において、機体外方に向かうにつれて前方に移行するように湾曲している。
本実施形態では、第1ウエイト10の後部に第2ウエイト100を取り付けることができる。つまり、図37及び図38に示すように、機体2の後部に、第1ウエイト10に加えて第2ウエイト100を取り付けることができる。
第2ウエイト100は、第1ウエイト10側に設けられた第1面(前面)100Fと、第1面100Fと反対側の第2面(後面)100Rとを有している。第1面100Fは、第1ウエイト10の後面に略沿うように湾曲している。第2面100Rは、第1面100Fと略平行に湾曲している。
以下、第2ウエイト100の構成について、第2ウエイト100を第1ウエイト10と共に機体2に取り付けた状態(図37及び図38の状態)を基準として説明する。
図35及び図36に示すように、第2ウエイト100は、後方から見て長方形の2つの角部を切り欠いた形状を有している。言い換えれば、第2ウエイト100は、2つの切欠部155L,155Rを有している。切欠部155L,155Rは、機体幅方向の中心を挟んで対称位置に設けられている。一方の切欠部155Lは、機体幅方向の一方側(左側)の上部に設けられている。他方の切欠部155Rは、機体幅方向の他方側(右側)の上部に設けられている。
第2ウエイト100は、中央部100aと、第1延出部100bと、第2延出部100cとを有している。中央部100aは、一方の切欠部155Lと他方の切欠部155Rとの間に位置する。第1延出部100bは、切欠部155Lの下方に位置する。第2延出部100cは、切欠部155Rの下方に位置する。
中央部100aは、機体幅方向の中央付近に配置される部分であり、後方から見て、上辺が下辺よりも長い略台形状に形成されている。中央部100aの縦方向(上下方向)の長さは、第1ウエイト10の縦方向の長さと略等しく形成されている。中央部100aの横方向(機体幅方向)の長さは、第1ウエイト10の横方向の長さより短く形成されている。具体的には、中央部100aの横方向の長さは、反射材153Lと反射材153Rとの間の距離よりも短く形成されている。言い換えれば、切欠部155Lと切欠部155Rとの機体幅方向の距離は、反射材153Lと反射材153Rとの間の距離よりも短く形成されている。また、切欠部155Lの下縁と切欠部155Rの下縁は、反射材153L,153Rよりも下方に位置している。これにより、第2ウエイト100を第1ウエイト10に固定したときに、反射材153Lが切欠部155Lから露出し、反射材153Rが切欠部155Rから露出する。これにより、第2ウエイト100を第1ウエイト10に固定したときに、反射材153L,153Rが覆われることを回避できる。そのため、第2ウエイト100に別の反射材を取り付ける必要がない。また、第2ウエイト100を取り付けた場合であっても第1ウエイト10における反射材153L,153R及びその周辺部の意匠性が損なわれることを防止できる。
また、切欠部155Lと切欠部155Rとの機体幅方向の距離は、吸気口140Lと吸気口140Rとの間の距離よりも短く形成されている。また、切欠部155Lの下縁と切欠部155Rの下縁は、吸気口140L,140Rよりも下方に位置している。これにより、第2ウエイト100を第1ウエイト10に固定したときに、吸気口140Lが切欠部155Lから露出し、吸気口140Rが切欠部155Rから露出する。そのため、第2ウエイト100の取り付けによって、吸気口140L,140Rから機体2内部への外気の取り入れが阻害されることがない。
中央部100aは、第2固定部157U及び突出部161Uを有している。
第2固定部157Uは、後述する第2固定部157L,157Rと共に第1ウエイト10に対して固定される部分である。第2固定部157Uは、第2ウエイト100の機体幅方向の中央に設けられており、第1延出部100b及び第2延出部100cよりも上方に位置している。第2固定部157Uは、第2面(後面)100R側において凹んでおり、第1面(前面)100F側において突出している。第2固定部157Uには貫通孔が形成されており、当該貫通孔に締結具(ボルト)を挿通し、当該締結具のねじ部を第4凹部144に形成されたねじ孔154に螺合する。これにより、第2固定部157Uが、第1ウエイト10の第4凹部144に固定される。
突出部161Uは、第2固定部157Uの下方に設けられており、第1面(前面)100F側において円錐台状に突出している。第2ウエイト100を第1ウエイト10に固定した状態において、突出部161Uは第3凹部143内に突出する。
中央部100aは、吊りボルトを装着するための装着部156L,156Rを有している。装着部156Lは、中央部100aの左上部に設けられている。装着部156Rは、中央部100aの右上部に設けられている。装着部156L,156Rは、中央部100aの他の部分に比べて厚肉に形成されている。装着部156L,156Rの上部には、吊りボルトのねじ部を螺合するためのねじ孔が設けられている。
第1延出部100bは、中央部100aの左下部から左方に延出されている。第1延出部100bは、左下部に薄肉部100dを有している。薄肉部100dの前面には、突出部161Lが設けられている。図36に示すように、突出部161Lは、第1面(前面)100Fから円錐台状に突出している。図38に示すように、第2ウエイト100を第1ウエイト10に固定した状態において、突出部161Lは、第1面(前面)100Fから第1凹部141L内に突出する。薄肉部100dの後面には、後述する第2固定部157L及び取付部158Lが設けられている。第2固定部157Lと取付部158Lとは、機体幅方向に間隔をあけて並んでいる。具体的には、第2固定部157Lが機体内方側(右側)に位置し、取付部158Lが機体外方側(左側)に位置している。
第2延出部100cは、中央部100aの右下部から右方に延出されている。第2延出部100cは、右下部に薄肉部100eを有している。薄肉部100eの前面には、突出部161Rが設けられている。図36に示すように、突出部161Rは、第1面(前面)から円錐台状に突出している。図38に示すように、第2ウエイト100を第1ウエイト10に固定した状態において、突出部161Rは、第1面(前面)から第1凹部141R内に突出する。薄肉部100eの後面には、後述する第2固定部157R及び取付部158Rが設けられている。第2固定部157Rと取付部158Rとは、機体幅方向に間隔をあけて並んでいる。具体的には、第2固定部157Rが機体内方側(左側)に位置し、取付部158Rが機体外方側(右側)に位置している。
第1延出部100bの固定部157Lと取付部158Lとの間、及び、第2延出部100cの固定部157Rと取付部158Rとの間には、夫々ラベル159が貼付されている。ラベル159は、例えば、光を反射する反射材を含むラベルである。
第1延出部100bの第2固定部157Lと、第2延出部100cの第2固定部157Rは、第2面(後面)100R側において凹んでおり、第1面(前面)100F側において突出している。第2固定部157L,157Rには貫通孔が形成されている。図38に示すように、第2固定部157Lに形成された貫通孔に締結具(ボルト)164を挿通し、締結具164のねじ部を第2凹部142Lに形成されたねじ孔152に螺合する。また、第2固定部157Rに形成された貫通孔に締結具(ボルト)165を挿通し、締結具165のねじ部を第2凹部142Rに形成されたねじ孔152に螺合する。これにより、第2固定部157L,157Rが、第1ウエイト10の第2凹部142L,142Rに固定される。
取付部158L,158Rは、必要に応じて付属具を取り付け可能な部分であって、第2面(後面)100Rに設けられている。取付部158Lは、第2面100Rの突出部161Lと対応する位置に設けられている。取付部158Rは、第2面100Rの突出部161Rと対応する位置に設けられている。付属具は、例えば、タイダウンフック等の吊り金具である。取付部158L,158Rは、タイダウンフック等の付属具のねじ部を螺合可能なねじ孔160を有している。取付部158Lに設けられたねじ孔160は、第2面(後面)100R側から突出部161Lに向けて設けられており、突出部161Lの内部まで達している。取付部158Rに設けられたねじ孔160は、第2面(後面)100R側から突出部161Rに向けて設けられており、突出部161Rの内部まで達している。
ここで、突出部161L,161Rが第1凹部141L,141R内に突出しているため、取付部158L,158Rが設けられた部分の厚みを局所的に厚く形成することができる。そのため、ねじ孔160の長さを十分に確保するとともに、取付部158L,158Rの強度を向上させることができる。これにより、第2ウエイト100の全体の厚みを増加させたり、第2ウエイト100の一部を第2面側から後方に突出させたりすることなく、第2ウエイト100に付属具を取り付けることが可能な構造が得られる。したがって、第2ウエイト100を取り付けた場合の作業機1の外形の増大を抑制し、作業機1の後端半径が増加することを抑制するとともに、デザイン性が損なわれることを防止することが可能となる。
<作用効果>
本実施形態の作業機1は、給油スイッチ42が燃料タンク23の上方且つ第1制御バルブ11に対して水平方向の第1位置に設けられ、給油スイッチ42とは異なる給油ポンプ40の制御機器(リレー)43を燃料タンク42の上方とは異なる第2位置に設けられていることにより、燃料タンク23の上方に比較的広い空間を確保することができる。そのため、燃料タンク23の上方に設けられた第1制御バルブ11を水平方向に延長することが可能となり、作業機1の仕様変更等に伴う第1制御バルブ11の大型化に対応することができる。
また、給油スイッチ42が第1制御バルブ11よりも機体2の水平方向の外縁に近い位置に設けられていることにより、作業者がアクセスしやすい位置に給油スイッチ42が配置される。
また、給油ポンプ40及び制御機器43が取り付けられた第1ブラケット41を備えていることにより、給油ポンプ40と制御機器43とを別々のブラケットに取り付けた場合に比べて、部品点数を削減することができると共に、給油ポンプ40及び制御機器43の設置スペースを小さくすることもできる。
また、給油ポンプ40の吸入部40aに一端部側44aが接続されたホース44と、ホース44の他端部側44bを収納する収納部45とを備え、給油スイッチ42は収納部45の近傍に設けられていることにより、作業者が燃料タンク23に燃料を補給する場合において、ホース44を収納部45から取り出す際に給油スイッチ42を認識しやすくなる。
また、制御機器43は燃料タンク23よりも機体2の中央側に設けられており、制御機器43の上方を覆うセンターカバー30を備えていることにより、制御機器43が雨や土砂等によって損傷することが防止できる。
また、燃料タンク23の内部に連通するブレザーパイプ59と、ブレザーパイプ59及び給油スイッチ42が固定され且つ燃料タンク23上に取り付けられた第2ブラケット46と、を備えていることにより、ブレザーパイプ59を取り付けるための専用のブラケットが不要となる。そのため、ブレザーパイプ59の設置に要するスペースが小さくなり、部品点数の削減も可能となる。
また、燃料タンク23は、機体2の幅方向の一方側に配置されると共に、第1制御バルブ11の前方に給油部48を有し、第2ブラケット46は、一方の面が第1制御バルブ11側に配置され且つ他方の面が給油部48側に配置された第1板46aと、第1板46aの上端部から後方に屈曲した第2板46bと、第1板46aの機体2の幅方向の一方側の端部から後方に屈曲して第2板46bと接続されると共に給油スイッチ42が取り付けられた第3板46cと、を有する。これにより、第2ブラケット46を、第1制御バルブ11及び給油部48に干渉させることなく省スペースで配置することができる。また、給油スイッチ42へのアクセスが容易となる。さらに、第2板46bと第3板46cとが接続されていることにより、第2ブラケット46の強度を高めることができる。
また、第1板46aは、機体2の幅方向の他方側の上部に第1切欠部46dを有し、機体2の幅方向の一方側の下部に第2切欠部46eを有していることにより、第2ブラケット46と他の部材(ブレザーパイプ59や戻し管57等)との干渉を防止することができる。
また、油圧機器に供給される作動油を貯蔵する作動油タンク22と、第1制御バルブ11に対する作動油の供給を制御する複数のバルブが集約され且つ作動油タンク22に取り付けられた第2制御バルブ12と、第1制御バルブ11と第2制御バルブ12とを接続する油圧ホース61,62,63,64とを備え、第2制御バルブ12は、作動油タンク23と反対側に複数の油圧ホース61,62,63,64の接続部12Aa,12Ba,12Ca,12Daを有し、当該接続部は縦方向に並んで設けられている。これにより、各接続部12Aa,12Ba,12Ca,12Daに接続された油圧ホース61,62,63,64を相互に干渉させることなく、同一方向へと延ばすことができる。そのため、油圧ホース61,62,63,64が占めるスペースが小さくなり、これらの油圧ホースを配置するためのスペースを確実に確保することが可能となる。
また、油圧機器に作動油を供給する油圧ポンプ21を備え、第2制御バルブ12は、作動油タンク22に繋がる油圧ホース66が接続される1つのタンクポート(第6接続部)12bと、油圧ポンプ21に繋がる油圧ホース65が接続される1つのポンプポート(第5接続部)12aと、を有し、タンクポート12bは複数のバルブのタンクポートを兼用し、ポンプポートは複数のバルブのポンプポートを兼用している。これにより、第2制御バルブ12を小型化できると共に、第2接続バルブ12に接続される油圧ホースの数を削減することができる。そのため、第2接続バルブ12に対する油圧ホースの組み付け性が改善される。
さらに、本実施形態の作業機1は、縦軸O回りに旋回可能な基板9と、基板9の上方に設けられ且つ運転席6を支持するステップ20と、ステップ20と基板9との間を通る第1ホース761と、ステップ20と基板9との間を通る第2ホース762と、第1ホース761と第2ホース762とを接続する第1接続具77と、を備え、第1接続具77は、ステップ20の下方であって、縦軸Oと基板9における縦軸Oに垂直な方向の一端部との中間地点Mよりも前記一端部側に配置されている。これにより、第1接続具77が、基板9の幅方向の一端部9b側であって縦軸(旋回中心)Oから離れた位置に配置される。言い換えれば、第1接続具77が、基板9の幅方向の一端部9bから近い位置に配置される。そのため、第1ホース761と第2ホース762とを第1接続具77を介して接続する作業を容易に行うことができる。
また、基板9を縦軸O回りに旋回可能に支持する旋回ベアリング8を備え、第1接続具77は、旋回ベアリング8の外周よりも縦軸Oに垂直な方向の外側において基板9上に設けられていることにより、第1接続具77が縦軸Oから離れた位置に配置される。これにより、ステップ20の下方において第1ホース761と第2ホース762の接続作業を容易に行うことができる。
また、第1ホース761及び第2ホース762とは別にステップ20と基板9との間を通過する第3ホース941と、第1ホース761、第2ホース762及び第3ホース941とは別にステップ20と基板9との間を通過する第4ホース942と、第3ホース941と第4ホース942とを接続すると共に、中間地点Mよりも一端部側に配置された第2接続具95と、基板9上に設けられ且つ第3ホース941を案内する複数のホースガイド96,97と、を備えている。これにより、第3ホース941と第4ホース942とを第2接続具95を介して接続する作業を容易に行うことができる。また、ホースガイド96,97によって第3ホース941が案内されることにより、第3ホース941に接続され
た第2接続具95の移動が規制されるため、第2接続具95が縦軸Oから離れた位置に維持される。
また、第1接続具77と第2接続具95とは近接して配置されている。これにより、第1接続具77への第1ホース761及び第2ホース762の接続作業と、第2接続具95への第3ホース941及び第4ホース942の接続作業とを簡単に行うことができる。
また、第1接続具77は、第1ホース761と第1ホース761よりも下方に配置された第2ホース762とを接続する接続部を有し、第2接続具95は、第3ホース941と第3ホース941に対して略水平方向に配置された第4ホース942とを接続する接続部を有している。これにより、第1接続具77に接続される第1ホース761及び第2ホース762の接続方向(上下方向)と、第2接続具95に接続される第3ホース941及び第4ホース942の接続方向(水平方向)とが異なるため、両者のホースが互いに干渉すること(絡み合うこと)を防止することができると共に、方向が異なることで誤って接続してしまうことを防止することができる。
また、第1ホース761及び第3ホース941は、エンジンルームE1に設けられた機器に接続され、第2ホース762及び第4ホース942は、ステップ20の上方に設けられた機器に接続されている。これにより、エンジンルーム内の機器と、ステップ20の上方の機器とを簡単に接続することができる。
また、複数のホースガイドが、中間地点Mよりも縦軸O側に配置された第1ホースガイド96と、中間地点Mよりも前記一端部側に配置された第2ホースガイド97とを有することにより、第3ホース941の経路を2つのホースガイドで確実に規制することができる。そのため、第3ホース941に接続された第2接続具95が縦軸Oから離れた位置に確実に維持される。
また、ステップ20の下面に固定された中継プレート110と、2本のホース(114と115、116と117、118と119)を連通可能に接続する管継手111,112,113とを備え、当該管継手は、中継プレート110を貫通して当該中継プレート110の両側に突出し、且つ当該中継プレートと一体的に接続されていることにより、ホースの組み付けを容易に行うことができる。
また、中継プレート110に複数の前記管継手111,112,113が接続されており、前記複数の管継手111,112,113の少なくとも一部は、前記中継プレート110から同方向への突出長さが互いに異なることにより、管継手へのホースの接続(組み付け)を容易に行うことができる。
また、ステップ20は、点検口20dを形成する内縁部を有し、複数の管継手111,112,113として、点検口20dの下方または前記点検口20d近傍の下方に配置された第1管継手111と、第1管継手111の下方に配置され且つ第1管継手111と突出長さが異なる第2管継手112とを含むことにより、ステップ20上から点検口20dを介して管継手111,112にアクセスして、管継手にホースを接続することができる。また、第2管継手112に対するホースの接続を、第1管継手111に邪魔されずに容易に行うことが可能となる。
さらに、本実施形態の作業機1のキャビン5は、下板128と、下板128に接続されて上方に延びる支柱122と、下板128の上面に接続された第1板部131aと、第1板部131aから起立して支柱122に接続された第2板部131bとを有する第1補強材131とを備えている。そのため、作業機1が前後に揺れた場合でも支柱122と下板128との接続部に応力集中が生じることを抑制でき、キャビン5の強度を向上させることができる。
また、第2板部131bは、一端側が支柱122に接続されており、第2板部131bの他端側に接続された第2補強材129を備えている。このように、第2板部131bと第2補強材129とを連結することによって、支柱122の下部における応力集中が更に起こりにくくなり、キャビン5の強度を一層向上させることができる。
また、第2板部131bが、前記他端側から前記一端側に向かうにつれて次第に高くなる傾斜板部131fを有している。これにより、傾斜板部131fによって第2板部131bと支柱122との接続部の面積を増加させることができるので、接続強度を向上させることができる。
また、第2補強材129は、支柱122側の端部に、支柱122に接続された第1端部129c,129dと、支柱122と間隔をあけて配置された第2端部129e,129fと、を含み、第2板部131bは、第2端部129e,129fに接続された第1当接部131hを有し、第1板部131aは、第2端部129e,129fに当接する第2当接部131iを有している。これにより、第1補強材131と第2補強材129とで支柱122を補強することができる。
また、下板128は、作業機1の機体2に固定される複数の固定部133a,133bを有し、第1当接部131h及び第2当接部131iは、第2板部131bの前記一端側から前記他端側に向かう方向に沿った位置が、隣り合う固定部133a,133b同士の間の位置である。これにより、第1当接部131h及び第2当接部131iが、機体2に固定される部分であって強度が高い固定部133a,133b同士の間に位置するため、高い強度を得ることができる。
また、下板128の上面に載置されるフロアマット134を備え、第2板部131bは、傾斜板部131fより低い低板部131gを有し、フロアマット134は第2板部131bの側面に当接し且つ低板部131gと同高さに配置される縁部(左縁部)134bを有する。これにより、フロアマット134上に堆積した土砂等をキャビン5内から掃き出す際に、第2板131bに邪魔されずに容易に掃き出すことができる。また、フロアマット134の縁部の収まりがよくなるため、良好な外観が得られる。
また、フロアマット134が、フロアマット134の内側から縁部(左縁部)134bに向けて高くなる傾斜面(第1傾斜面134h、第2傾斜面134i)を有している。これにより、フロアマット134上に堆積した土砂等をキャビン5内から掃き出す際に、傾斜面を利用して低板部131gを越えて掃き出すことができる。そのため、土砂等の掃き出しが容易となり、フロアマット134上に堆積した土砂による油圧機器のコンタミネーションが防止できる。
また、本実施形態の作業機1は上述したキャビン5を備えているため、作業機1が前後に揺れた場合でもキャビン5の支柱122と下板128との接続部に応力集中が生じることを抑制でき、キャビン5の強度が向上した作業機となる。
また、作業機1は、油圧機器により駆動される作業装置4と、キャビン5内に設けられた運転席6と、運転席6の一側方に設けられた操縦ボックス135Lと、運転席6の前方に設けられた操作ペダル(SPペダル)105と、操縦ボックス135Lに揺動自在に支持され且つ当該揺動によって油圧機器に作動油を供給するか否かを操作可能なアンロードレバー137と、を備え、アンロードレバー137の前端部137aが、操作ペダル105における前記一側方側の端部と運転席6における前記一側方側の端部とを結ぶ直線よりも前記一側方側に位置する。これにより、運転席6に着座した作業者の膝がアンロードレバー137に接触しにくくなる。また、作業者の足による操作ペダル105の操作がアンロードレバー137により阻害されることを防止することができる。
また、アンロードレバー137は上下方向に搖動可能であり、アンロードレバー137の上端部137bが、アンロードレバー137を下方に揺動させた状態において、操縦ボックス135Lの上面前端部135Laよりも上方に位置している。これにより、運転席6に着座した作業者の膝がアンロードレバー137に接触することを、より確実に防ぐことができる。
さらに、本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に固定される第1固定部146と、機体2と反対側の面から機体2側に向けて凹んだ凹部(第1凹部141L,141R)とを有する第1ウエイト10と、第1ウエイト10に固定される第2固定部157L,157Rと、第1ウエイト10側の面である第1面100Fから凹部141L,141R内に突出した突出部161L,161Rと、第1面100Fと反対側の面である第2面100Rの突出部161L,161Rと対応する位置に設けられ且つ付属具を取り付け可能な取付部158L,158Rと、を有する第2ウエイト100と、を備える。これにより、
凹部141L,141R内に突出している突出部161L,161Rと対応する位置に設けられ且つ付属具を取り付け可能な取付部158L,158Rの厚みを、第2ウエイト100を含む機体2の外形を増大させることなく、厚く形成することができる。
また、第1固定部146は、凹部141L,141R内に設けられた挿通部147と、挿通部147に挿通され且つ機体2に対して締結される締結具148とを含むことにより、第1固定部146が凹部141L,141R内に設けられることとなる。そのため、第1固定部146が設けられた凹部141L,141Rを利用して突出部161L,161Rを凹部内に突出させることが可能となる。
また、取付部158L,158Rが、第2面100Rから突出部161L,161Rに向けて設けられ且つ付属具が螺合可能なねじ孔160を含むことにより、ねじ孔160を利用して付属具を取付部158L,158Rに確実に取り付けることができる。
また、第1ウエイト10は、機体2と反対側の面に反射材153L,153Rが取り付けられ、第2ウエイト100は、反射材153L,153Rを露出させる切欠部155L,155Rを有していることから、第2ウエイト100を第1ウエイト10に取り付けたときに、反射材153L,153Rが覆われることが回避できる。そのため、第2ウエイト100に別の反射材を取り付ける必要がない。
また、第1ウエイト10は吸気口140L,140Rを形成する内縁部を有し、第2ウエイト100は、吸気口140L,140Rを露出させて第1ウエイト10に固定されることから、第2ウエイト100の取り付けにより吸気口140から機体2内部への外気の取り入れが阻害されることがない。
以上本発明の実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。