JP6535974B1 - 法律文書作成支援システム、法律文書作成支援方法及びプログラム - Google Patents

法律文書作成支援システム、法律文書作成支援方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】法律文書のひな型・書式が提供できるに過ぎない従来技術では、取引関係・契約種別の特殊性や当事者の立場を勘案する必要がある個別のケースに対応した法律文書の作成に柔軟に対応できているとは言い難かった。
【課題を解決するための手段】少なくとも二以上の質問データを出力して得られる回答データを踏まえ、所定単位で保持されるテキストデータを配置ルールに従い構成して法律文書データを生成したうえでユーザに提供できる法律文書作成支援システムなどを提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、法律文書の作成を支援するためのシステム、同システムを動作させるための方法及びプログラムなどに関する。
社会生活を営むうえで、取引関係に立つ者同士で契約を取り交わす機会は多い。いっぽうで取引関係者がみな契約締結の前提となる法的知識を持ち合わせているとは限らない。そこで通常、契約を取り交わす際に必要となる契約書や約款、利用規約といった法律文書は、弁護士などの法知識を持った専門家に作成を依頼したり、一定の書面ひな型が収蔵された書籍や電子媒体を利用したりすることで対処されていた。
また、ネットワークを利用して法的知識の不足を補い法律文書を作成するための技術的手段が用いられてきた。具体的には、ユーザに対して一定内容の質問に回答させることで、その需要を満たすような法律文書の書式を提示する技術が開示されている。
特開2007−200268
しかしながら、同文献に記載されている先行技術は、あくまで法律文書の書式を提供するための技術であって、必ずしもユーザ固有の需要を満たしているとは言い難かった。換言すると、提供されるのはあくまで書式であって、ユーザごとの個々の事情に即した条項で構成される法律文書の作成を支援する技術とは言い難かった。
以上のような課題を解決すべく、本発明は、法律文書を構成するテキストデータを所定単位ごとに保持する条項データ保持部と、法律文書における所定のテキストデータの配置位置を規律するためのルールである配置ルールを保持する配置ルール保持部と、テキストデータを選択するためのデータである質問データを保持する質問データ保持部と、ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する質問データ出力部と、ユーザ端末から質問データへの回答に関するデータである回答データを受信する回答データ受信部と、回答データ受信部にて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出するテキストデータ抽出部と、テキストデータ抽出部にて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する法律文書データ生成部と、法律文書データ生成部にて生成された法律文書データを出力する法律文書データ出欲部と、からなる法律文書作成支援システムなどを提案する。
主に以上のような構成をとる本発明によって、ユーザごとのニーズに対応した法律文書の作成を支援することが可能になる。
本発明の法律文書作成支援システムを用いて秘密保持契約書(NDA)を作成しようとするユーザの管理する端末であるユーザ端末の表示画面の一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムの機能ブロックの一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムの条項データ保持部におけるテキストデータ保持の一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムの配置ルール保持部における配置ルール保持の一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムの質問データ保持部における質問データ保持の一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムの質問データ保持部における質問データ保持の別の一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 実施形態1の法律文書作成支援システムにおける処理の流れの一例を示す図 実施形態1の法律文書作成支援システムにおける処理の流れの別の一例を示す図 実施形態2の法律文書作成支援システムの機能ブロックの一例を示す図 実施形態2の法律文書作成支援システムにおける処理の流れの一例を示す図
まず図1を示す。図1は本発明の概要を示す図で、本発明の法律文書作成支援システムを用いて秘密保持契約書(NDA)を作成しようとするユーザの管理する端末であるユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。同図では秘密保持契約書の作成支援のため、ユーザに対して向けられた「一般的な秘密情報管理体制、秘密情報管理規程の作成に加え、厳格な管理体制を構築する義務を受領者に課しますか?」という質問データ(「Q1」というタイトルがついている)が表示されている。そして同質問の横には「はい」「いいえ」「どちらでもない」という回答データを入力するためのボタンが設けられており、ユーザは当該ボタンのうち自らの意思に最も適合した回答ボタンをクリック又はタッチすることで、回答データを送信する。
なお、同図の下面には「10%」という数値と横に伸びたバーが表示されている。同表示は、当該時点でユーザに対して表示している質問データが、法律文書データ生成に必要な回答データの10%を得るために必要なデータであることを意味している。つまり、同図において示されている例の場合、質問データへの回答データを受信すると、あと90%に相当する量の質問データをさらに出力し、当該質問データに対応する回答データを受信することで、法律文書データを受けることができる。
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1、2、などに対応する。実施形態2は、主に請求項1、2、3などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。

<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の法律文書作成支援システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「法律文書作成支援システム」0200は、「条項データ保持部」0201と、「配置ルール保持部」0202と、「比較質問データ保持部」0203と、「質問データ出力部」0204と、「回答データ受信部」0205と、「テキストデータ抽出部」0206と、「法律文書データ生成部」0207と、「法律文書データ出力部」0208と、を有する。
なお、以下で詳しく説明する法律文書作成支援システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードや操作ボタン、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、マイク、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
<機能的構成>
「条項データ保持部」0201は、法律文書を構成するテキストデータを所定単位ごとに保持するように構成されている。法律文書を構成するテキストデータとしては、文書のタイトル(業務委託契約書、秘密保持契約書、サービス利用規約、など)、前文、各条項、作成日付、当事者欄など、法律文書として通常有することが想定されるテキストデータのことを指しており、特定の回答データと関連づけて保持されている。より具体的にいうと、法律文書として秘密保持契約書を例にとった場合、契約締結の目的に関する条項、秘密情報の定義に関する条項、秘密情報の取扱い権限に関する条項など、法律文書の性質に応じて設けることが考えられる条項のテキストデータが含まれる。
テキストデータはそれぞれテキストの内容に応じたIDが付されてもよい。具体的にいえば、先ほどの秘密保持契約の例で挙げたように、個々の条項や法律文書における性質をそれぞれに独自のIDを付与してテキストデータと関連づけることが考えらえる。IDは一のテキストデータに複数関連付けられてよく、例えば、「タイトル」「条項」「前文」「当事者」「条項/目的規定」「条項/定義」「条項/利用目的」などのように関連づけてよい。当該構成を採用すれば、ユーザからの回答データを踏まえたテキストデータの抽出を容易にすることが可能になる。
なおテキストデータは、所定単位ごとに保持される。具体的には、法律文書を構成する個々の条項を「条」の単位ごとに保持する構成や、「条」に内包される単位である「項」や「号」の単位ごとに保持する構成が考えられる。
また、複数の「条」にまたがるテキストデータをまとめて一の単位として保持する構成があってもよく、これらの保持のあり方は複数のパターンが混在して存在してもよい。法律文書は、改めて配置ルール保持部の説明で詳述するとおり、その形式上個々のテキストの配置自体に一定の意義をもつ場合が少なくない。例えば一般条項と呼ばれることのある条項のように、準拠法や裁判管轄、双方協議事項項といった複数の条項からなるテキストがまとめて記載されることが一般的である場合が存在する。当初よりそれらの条項を一の単位としてまとめて保持しておくことで、その後のテキストデータ抽出及び法律文書データ作成の際の処理を容易に行うことができるようになる。
ここで図3を示す。同図は、条項データ保持部におけるテキストデータ保持の一例を示す図である。同図は秘密保持契約書を構成するテキストデータが一の表を構成するように示されているが、まず「目的」というタイトルでカテゴライズされた枠の中で「AA001」「AA002」「AA003」との個別のIDを付されたテキストデータとして、それぞれ「本契約は、本契約に定めるとおり●●●●の開発のため(以下「本目的」という。)に開示された秘密情報の機密保持について定めることを目的とする。」「本契約は、甲乙間の取引のため(以下「本目的」という。)に開示された秘密情報の機密保持について定めることを目的とする。」「本契約は、本契約に定めるとおり●●●●の検討等のため(以下「本目的」という。)に開示された秘密情報の機密保持について定めることを目的とする。」とのテキストデータが格納されている。このように、秘密保持契約を締結する目的について、その用途に応じたテキストデータが格納されている。
次に同図においては、「複製・複写」というタイトルでカテゴライズされた枠の中で「BA001」「BA002」「BA003」との個別のIDを付されたテキストデータとして、それぞれ「甲及び乙は、秘密情報の複製・複写を行うことができる。なお、本条に基づき複製・複写が行われた情報についても、秘密情報として取り扱われるものとする。」「甲及び乙は、秘密情報を、本目的に必要な範囲内でのみ複製・複写を行うことができる。なお、本条に基づき複製・複写が行われた情報についても、秘密情報として取り扱われるものとする。」「甲及び乙は、秘密情報を、開示者の事前の承諾を得た場合に限り、複製・複写を行うことができる。なお、本条に基づき複製・複写が行われた情報についても、秘密情報として取り扱われるものとする。」とのテキストデータが格納されている。これらの規定はいずれも秘密情報を受領した者による複製・複写の可否やその範囲について規定したテキストデータであるところ、順番に、秘密情報の受領者にとって厳しい内容を規定した内容にて格納されている。
さらに同図においては「準拠法・合意管轄」というタイトルでカテゴライズされた枠の中で「BD001」とのIDを付されたテキストデータとして、「第○条 本契約の有効性、解釈及び履行については、日本法に従って解釈されるものとする。」「 第○条 本契約に関する紛争については、○○地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。」との二のテキストデータがまとめて一の単位で格納されている。これらの規定はそれぞれ契約の準拠法、裁判管轄について触れた別個のテキストデータであるが、通常法律文書上は併記されることが多いことから、まとめて一の単位で格納されている。
なお同図では数か所で伏字を用いて説明を行ったが、そのうち裁判管轄に関する伏字については、上記説明のような表記のほか、当該スペースを空欄にしたうえで、ユーザが自身にとり有利と思われる内容に追記ないし書き換え可能なような形式にて出力されることが望ましい。また、第○条というような条項番号に関する伏字については、予め特定の数字を入れ込むのではなく空欄として出力されることが望ましい。当該構成を採用することにより、配置ルールを用いて複数のテキストデータが配置されたのちに、当該テキストデータの相対位置に応じた適切かつ柔軟な条項番号を入れ込むことが可能になる。
以上図3を用いて説明したように、本実施形態の法律文書作成支援システムにおけるテキストデータは、それぞれ固有のIDを付された状態でそれぞれの特徴ごとに複数格納されている。これらのテキストデータは随時内容の加除修正が可能であるほか、新たなテキストデータの追加や法改正等により使用が適切でないと判断されるものの削除等の処理を行うことが可能である。
「配置ルール保持部」0202は、法律文書における所定のテキストデータの配置位置を規律するためのルールである配置ルールを保持するように構成されている。テキストデータの配置位置は法律文書の種別・性質に応じてそれぞれ決まることが多く、配置ルールも法律文書の種別・性質に応じて複数用意され保持される。具体的には、秘密保持契約書と業務委託契約書、サービス利用規約などの契約書では、いずれもその内容を構成するテキストデータの内容及び配置位置は異なり得る。
なお配置ルールは、特定のテキストデータの配置位置を規定するように構成される場合のほか、特定のIDが付与されたテキストデータの配置位置を規定するように構成される場合や、所定単位ごとにまとめて保持されるテキストデータごとの配置位置を規定するように構成される場合もあってよく、さらにはそれらを組み合わせた構成からなるルールであってももちろんよい。特に配置ルールとして、所定単位ごとにまとめて保持されるテキストデータごとの配置位置を規定することにより、法律文書データ生成に際してテキストデータが専門的見地から不自然に構成されたり、そのような不自然な構成を修正するための余計な処理を行ったりせずにスムーズな法律文書作成支援を実現することができる。
ここで図4を示す。同図は、配置ルール保持部における配置ルール保持の一例を示す図である。同図に示されている配置ルールは、テキストデータと関連付けられたIDと当該IDと法律文書における配置位置とを関連付けることによって、法律文書におけるテキストデータの配置位置を規律している。
同図において示されている配置ルールは、図3を用いて示した条項データ保持部にて保持されるテキストデータと関連しており、以下でその一例を説明する。まず冒頭はIDが「XX001」「XX002」「XX003」は、例えば「秘密保持契約書」「業務委託契約書」「雇用契約書」などのように法律文書におけるタイトルを示すテキストデータの配置位置に関するルールが示されている。また、「AA001」「AA002」「AA003」などのIDで特定される契約締結の目的に関するテキストデータは、そもそも本文の最初に配置されるのが通常であるとの前提に立って「第1条」という配置位置を与えられている。
次に、「BA001」「BA002」「BA003」などのIDで特定される、秘密情報の複製・複写に関するテキストデータについては、契約締結の目的に関する規定のように、「第○条」などのように特定の配置位置を特定することは困難であるが、他のテキストデータとの相対的な配置位置は決めることができ、同配置ルールにおいては秘密情報の使用範囲に関する規定の後ろに配置されるべきとのルールが示されている。
そのあとも、法律文書本文部分の最後には、準拠法・管轄に関するテキストデータの一群であるID「BD001」で示されるテキストデータが配置されたり、契約締結日付に関するID「CC001」で示されるテキストデータが本文最後方部分の次の欄に配置されたり、その後ろにID「CX001」「CX002」で示されるテキストデータが、それぞれ順番に「甲」「乙」などの名称で特定されるかたちで配置されるようなルールが示されている。
「質問データ保持部」0203は、テキストデータを選択するためのデータである質問データを保持するように構成されている。質問データは特定のテキストデータを選択するために直接必要となる質問である直接質問である場合もあれば、特定のテキストデータを選択するためのより直截な質問データを選択するための質問である間接質問である場合もある。
個々の質問データはいずれも、特定の種別の法律文書及び特定の回答データと関連付けられて保持されている。以下秘密保持契約書と関連付けられている質問データの一例を示す。まず「秘密保持契約書(NDA)」と関連付けられる質問データのなかに「この秘密保持契約は従業員に対して業務上の秘密保持義務を遵守させるために締結するものですか?」「この秘密保持契約は、商品の売買や取引のために締結するものですか?」「相手方に自社の重要な情報を提供しますか?」「自社の提供する情報と相手方から提供する情報の量は以下(1)から(3)のうちどれですか?」などの質問データが保持されているとする場合が考えられる。このように、質問データは正否を訪ねる内容のものであっても、多肢選択を促す内容のものであってもよく、ユーザからの自由記載を許容するような質問内容であってもよく特にその形式は限定されない。
ここで図5を示す。同図は、質問データ保持部における質問データ保持の一例を示す図である。同図に示されている質問データは「契約締結の目的はどれですか?」と続けて「(1)他社と共同開発をおこなうため」「(2)他社との取引を始めるため」「(3)事業締結等の検討のため」「(4)M&Aのため」「(5)その他」の5つの選択肢を付与する内容から構成される。そして、当該質問データに対応する回答として、上記選択肢に応じた(1)ないし(5)が受信すべき回答データとして関連付けられている。同図に示された例ではさらに、当該回答データと図3を用いて説明した条項データ保持部にて保持されているテキストデータに割り当てられたIDとが関連付けられている。例えば、「(1)他社と共同開発をおこなうため」という選択肢を選択する回答データを受信した場合、ID「AA001」にて特定されるテキストデータ、すなわち「本契約は、本契約に定めるとおり●●●●の開発のため(以下「本目的」という。)に開示された秘密情報の機密保持について定めることを目的とする。」とのテキストデータが関連付けられている。
なおここで伏字にしている箇所は、敢えて具体的な内容を入れずに伏字にして提供することが好ましい。従って、伏字として出力する場合もあれば、当該スペースを空欄にして出力される場合もあってよい。当該各構成を採用することにより、ユーザのあらゆる目的に合致して利用させることが可能になる。
またここで図6を示す。同図は質問データ保持部における質問データ保持の別の一例を示す図である。同図には3つの質問データが示されており、それぞれ「取引契約を締結する義務がないことを明記しますか?」「秘密情報の受領者に対し、秘密情報を用いた競業(開示者と同種の事業を営むこと)を禁止しますか?」「受領者に秘密保持契約違反があった場合、違約金を課しますか?」という内容から構成されている。どの質問データもそれぞれ「はい」「いいえ」のいずれかの回答データによる回答が求められるところ、同図を用いた例の場合は、図5を用いて説明した例の場合とは異なり、特定のIDにて示されるテキストデータが選択されるのではなく、個々の回答データを特定するためのIDである回答IDが関連付けられている。このように回答データに固有のIDを割り当てて管理する構成を採用することにより、当該回答IDと関連付けられた再質問を出力することができるほか、複数の回答IDを組み合わせることで関連付けられる一ないし一群のテキストデータを選択することで、ユーザの志向する法律文書データを生成することを容易にすることができる。
「質問データ出力部」0204は、ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力するように構成されている。一の質問データを出力する構成は、当該質問データに対する回答データの内容だけではユーザに対し最適な法律文書生成の支援が困難であるため、本発明の構成の対象からは除外される。
なお、質問データは少なくとも二以上出力するように構成される必要があるが、いちどに二以上の質問データを出力するのではなく、複数回に分けて一又は複数の質問データを出力するように構成されてもよい。具体的には、図1を用いて示した例のように、後記回答データ受信部にて受信した回答データの内容に応じてさらに質問データを出力する再質問手段を備えることで複数回質問データを出力することが考えられる。つまり再質問手段にて出力される質問データは必ずしも二以上である必要はなく、質問データ出力部にて一度出力された質問データに対応する回答データに応じて再質問手段で一の質問データを再質問した場合には、本発明の構成を充足することになる。
ちなみに、回答データの内容に対応した再質問を行うこと自体は、本発明の必須の構成ではない。ただ質問データの出力を複数回に分けて行うことにより、ユーザが繰り返し多くの質問データへの回答に飽きてシステムの利用を中止(離脱)してしまう事態を避けることができる。
「回答データ受信部」0205は、ユーザ端末から質問データへの回答に関するデータである回答データを受信するように構成されている。回答データは質問データの質問形式に対応した回答形式でユーザ端末から送信される。
回答データは、具体的なテキストデータとして構成されていてもよいが、質問データとの関連付けを示すIDを付して当該IDをも回答データとして構成し、当該IDを受信する構成も考えられる。具体的に言えば、図6を用いて既に説明した回答IDのような位置づけである。回答データにIDを付する構成を採用して当該IDを用いた法律文書データの生成を行うことで、後記テキストデータの抽出のための処理負担を軽減することが可能になる。
なお、質問データ出力部の再質問手段にて再質問が出力された場合には、回答データ受信部の再回答データ受信手段にて当該再質問への回答である再回答データを回答データとして受信するように構成することが考えられる。再回答データをも踏まえることでテキストデータ抽出のための処理負担を軽減することができるようになる。
「テキストデータ抽出部」0206は、回答データ受信部にて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出するように構成されている。「回答データに基づいて」とは、回答データの内容とあらかじめ関連付けられたテキストデータを抽出することを意味している。より具体的に言えば、図5を用いて説明したようなルールに基づいて関連付けが判断されるテキストデータや、図6を用いて説明したような回答IDの組み合わせによって関連付けが判断されるテキストデータなどが抽出される。いずれにせよ、様々な仕組みに基づいて回答データが一のテキストデータと関連付けられている場合は、当該テキストデータが抽出される。
以上の処理の一例を、図3及び5の各図に示されている具体例を用いて説明する。まず図5に記載された「契約締結の目的はどれですか?」との質問データを質問データ出力部にて出力し、その後ユーザ端末から「(2)他社との取引を始めるため」との内容の回答データを回答データ受信部を通じて受信したとする。その場合には、当該回答データの内容及び同データに紐づくID「AA002」に従い、図3に規定されるように、条項データ保持部にて保持されるテキストデータのうち「目的」欄への配置が規定されているID「AA002」と紐づく「本契約は、甲乙間の取引のため(以下「「本目的」という。)に開示された秘密情報の機密保持について定めることを目的とする。」とのテキストデータが抽出される。
なお、回答データが複数のテキストデータと関連付けられているような場合には、それらのテキストデータを選択可能な形式にて抽出してもよいし、さらに同一のユーザ端末に対する質問を再質問手段を通じて出力し、当該再質問に対する再回答データを用いて当該複数のテキストデータを一に特定して抽出する処理をおこなってもよい。この場合、テキストデータ抽出部において再回答データ活用手段を再回答データをも用いてテキストデータを抽出するように構成することとなる。当該構成を採用することで、ユーザにとり好適な法律文書作成に資する質問データを回答データの内容を踏まえて出力することができ、ユーザに対し、本来必要のない質問データに対し回答させる不便さを回避することが可能になる。
ちなみに、特定のアカウントを有するユーザとの関係においては、予め所定の質問については事前に質問と回答との関連付けを記録しておき、当該記録の内容を読み込むことで質問と回答の処理を一部割愛し、法律文書データ生成の処理を行うことも考えられる。また、質問データ、再質問、回答データ又は再回答データの内容や質問と回答の関連付けなどを、当該質問と回答の内容に応じて外部からの指示により又は所定のプログラムを用いた機械学習の方法により随時更新することも可能である。当該構成を採用することにより、特定種別の法律文書作成の頻度が高いユーザや、法律文書の種別にかかわらず、特定の条項を盛り込むことにつき強い関心のあるユーザに対し、繰り返し同様の質問データへの回答を強いることなく好適な法律文書作成を支援することが可能になる。
「法律文書データ生成部」0207は、テキストデータ抽出部にて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成するように構成されている。「配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する」とは、抽出した複数のテキストデータを配置ルールに従って組み合わせることで、新たな法律文書データを生成する場合に限られない。例えば、予め複数パターンの法律文書データを雛形データとして保持しておき、抽出した複数のテキストデータを配置ルールに従って構成した場合に当該構成に合致又は最も近似する構成の雛形データを法律文書データとして採用する構成もここでいう「法律文書データを生成する」機能に含まれる。
以上の処理を図3、4、5の各図に示されている内容を踏まえて改めて説明する。まず図5に記載された「契約締結の目的はどれですか?」との質問データを出力した結果、「(2)他社との取引を始めるため」との内容の回答データを受信する。そして当該回答データの内容及び同データに紐づくID「AA002」に従い、図3に規定される条項データ保持部から「目的」欄への配置が規定されているID「AA002」と紐づく「本契約は、甲乙間の取引のため(以下「「本目的」という。)に開示された秘密情報の機密保持について定めることを目的とする。」との条項がテキストデータとして抽出される。その後ここで抽出されたテキストデータは、図4に記載されている配置ルールのうちID「AA002」と関連付けられている事項の記載内容(第1条)に従い、「第1条」という配置位置に配置される。
なおここで説明したのは、法律文書である秘密保持契約書の作成支援技術を提供するにあたり、当該文書の第1条の生成に際して行われる処理である。本実施形態の法律文書支援作成システムにおいては、当該処理と同時又は別個に、第2条以下の各条項の規定についても、上記と同様の処理を繰り返し行うことにより、ユーザにとり好適な法律文書を作り上げていくことになる。このように、法律文書データ出力に先立って、二以上の複数の質問に対応する回答の内容を個別に参照するだけでなく、その配置位置も加味した処理を行うことにより、個々のユーザにとってその需要を満たす内容の法律文書データを生成することが可能になる。
「法律文書データ出力部」0208は、法律文書データ生成部にて生成された法律文書データを出力するように構成されている。出力態様は特に限定されないが、文書形式やクラウド上で表示又は加除修正が可能な形式など、ユーザにて編集可能な形式にて出力することが望ましい。当該構成を採用することで、出力後の相手方との交渉経過を踏まえた内容の修正などを柔軟かつスムーズに行うことが可能になる。
<具体的な構成>
ここで図7を示す。同図は本実施形態の法律文書作成支援システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0701と、「記憶装置(記憶媒体)」0702と、「メインメモリ」0703と、「入力インターフェース」0704、「出力インターフェース」0705、「ネットワークインターフェース」0706と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」0707や「ディスプレイ」0708などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。また、ネットワークインターフェースを介して「ユーザ端末」0709などの外部装置と情報の送受信を行う。このネットワークインターフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0799などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。
(条項データ保持部の具体的な構成)
条項データ保持部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域に法律文書を構成するテキストデータを格納することにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「条項データ保持プログラム」0710をメインメモリに読み出して実行し、テキストデータを所定単位ごとに定められたアドレスに格納する。条項データは、内部あるいは外部の端末から書込まれあるいは作成され、変更される。
(配置ルール保持部の具体的な構成)
配置ルール保持部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域に法律文書における所定のテキストデータの配置位置を規律するためのルールを格納することにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「配置ルール保持プログラム」0720をメインメモリに読み出して実行し、配置ルールを所定のアドレスに格納する。配置ルールもまた条項データと同様、内部あるいは外部の端末から書込まれあるいは作成され、変更される。
(質問データ保持部の具体的な構成)
質問データ保持部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域にテキストデータを選択するためのデータである質問データを格納することにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「質問データ保持プログラム」0730をメインメモリに読み出して実行し、質問データを所定のアドレスに格納する。質問データもまた、条項データや配置ルールと同様、内部あるいは外部の端末から書込まれあるいは作成され、変更される。
(質問データ出力部の具体的な構成)
質問データ出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「質問データ出力プログラム」0740をメインメモリに読み出して実行し、ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、質問データ保持部にて保持される質問データのうち少なくとも二以上の質問データを読み出して出力する処理を行う。
なお、質問データ出力プログラムの実行に際しては、少なくとも回答データ受信プログラムの実行により回答データを受信した以降の段階で「再質問サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、当該回答データの内容に応じてさらにユーザ端末に対し、質問データ保持部にて保持される質問データを出力する処理を行うことも可能である。
(回答データ受信部の具体的な構成)
回答データ受信部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「回答データ受信プログラム」0750をメインメモリに読み出して実行し、ユーザが操作する端末であるユーザ端末から送信される回答データを受信し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
なお、回答データ受信プログラムの実行に際しては、少なくとも再質問サブプログラムの実行により再び質問データが出力された以降の段階で「再回答データ受信サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、当該質問データに応じた再回答データを回答データとして受信し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
(テキストデータ抽出部の具体的な構成)
テキストデータ抽出部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「テキストデータ抽出プログラム」0760をメインメモリに読み出して実行し、回答データ受信プログラムの実行により得られた回答データに基づいて格納されている所定単位のテキストデータを読み出し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
なお、テキストデータ抽出プログラムの実行に際しては、少なくとも再回答データ受信サブプログラムの実行により再び回答データを受信した以降の段階で「再回答データ活用サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、回答データ受信プログラムの実行により得られた回答データに加え再回答データとして格納された回答データをも用いて格納されている所定単位のテキストデータを読み出し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
(法律文書データ生成部の具体的な構成)
法律文書データ生成部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「法律文書データ生成プログラム」0770をメインメモリに読み出して実行し、テキストデータ抽出プログラムの実行により得られたテキストデータを、配置ルール保持プログラムの実行により保持されている配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する処理を行い、当該生成された法律文書データをメインメモリの所定のアドレスに格納する。
(法律文書データ出力部の具体的な構成)
法律文書データ出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「法律文書データ出力プログラム」0780をメインメモリに読み出して実行し、法律文書データ生成プログラムの実行により得られた法律文書データを読み出すと、当該法律文書データを所定の出力先に対し出力する。
<処理の流れ>
図8は、本実施形態の法律文書作成支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0801では、ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する処理を行う(質問データ出力ステップ)。次にステップS0802では、ユーザ端末から受信した情報が質問データへの回答に関するデータである回答データであるかどうかを判断し、回答データでないとの判断結果であれば引き続きユーザ端末から情報を受信した場合に同様の判断をおこなういっぽう、回答データであるとの判断結果であれば当該回答データを受信する(回答データ受信ステップ)。そしてステップS0803として、回答データ受信ステップにて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出し(テキストデータ抽出ステップ)、ステップS0804として、テキストデータ抽出ステップにおいて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する(法律文書データ生成ステップ)。その後ステップS0805として法律文書データ生成ステップにて生成された法律文書データを出力する(法律文書データ出力ステップ)。
なお、ここで図9を示す。同図は本実施形態の法律文書作成支援システムにおける処理の流れの別の一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0901では、ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する処理を行う(質問データ出力ステップ)。次にステップS0902では、ユーザ端末から受信した情報が質問データへの回答に関するデータである回答データであるかどうかを判断し、回答データでないとの判断結果であれば引き続きユーザ端末から情報を受信した場合に同様の判断をおこなういっぽう、回答データであるとの判断結果であれば当該回答データを受信する(回答データ受信ステップ)。そしてステップS0903にて回答データ受信ステップにて受信した回答データの内容に応じてさらに質問データを出力するかどうかを判断するものとし、ここでの判断結果が再質問すべきであるとの内容であれば、ステップS0901以降の処理を繰り返すこととなる。また判断結果が再質問は必要でないという内容である場合には、テキストデータ出力ステップ以降のステップS0803以降の処理の流れと同様である。なおこの場合、ステップS0903で行う再質問は、同図のうちステップS0904にて記載されているテキストデータ抽出ステップの後に処理されてもよい。
<効果>
以上の構成を採用する法律文書作成支援システムを利用することにより、ユーザごとのニーズに対応した法律文書の作成を大きな情報処理上の負荷をかけることなく支援することが可能になる。
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の法律文書作成支援システムは、基本的には実施形態1の法律文書作成支援システムの技術的特徴と同様であるが、ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付ける立場情報入力受付部をさらに有し、質問データ出力部が入力を受け付けた立場情報に応じた質問データを出力する立場依存質問データ出力手段を有する点を更なる技術的特徴として備えている。以下では、実施形態1とは異なる上記特徴について詳しく説明をする。
<機能的構成>
図10は、本実施形態の法律文書の評価を一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「法律文書作成支援システム」1000は、「条項データ保持部」1001と、「配置ルール保持部」1002と、「比較質問データ保持部」1003と、「質問データ出力部」1004と、「回答データ受信部」1005と、「テキストデータ抽出部」1006と、「法律文書データ生成部」1007と、「法律文書データ出力部」1008と、「立場情報入力受付部」1009を有し、質問データ出力部はさらに「立場依存質問データ出力手段」1010とを有する。基本的な構成は、実施形態1の図2を用いて説明した法律文書作成支援システムと共通するため、以下では相違点である「立場情報入力受付部」と「立場依存質問データ出力手段」の機能について説明する。
「立場情報入力受付部」1009は、ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付けるように構成される。ここでいう「自身の立場」としては、法律文書である契約書におけるどの当事者であるかという立場(例えば、秘密保持契約書における秘密情報の開示者や受領者、業務委託契約書における業務委託者と受託者、など)である場合であってもよく、当該法律文書で規律する法律関係におけるパワーバランスであってもよい。これらの異なる種別の情報をそれぞれ立場情報として入力を受け付けてももちろんよい。これらの立場情報を取得することにより、ユーザによる法律文書作成の意図や、当該法律文書作成にあたってのパワーバランスをも踏まえた法律文書データを生成することができる。
なお、立場情報の入力受付は、できる限り質問データの出力に先立って入力を受け付けることが望ましい。すなわち、立場情報の入力を受け付け、当該入力受付をトリガーとして質問データを出力することが望ましく、当該構成をとることによって網羅的な質問データを出力せず、効率的な法律文書作成支援を行うことが容易になる。
「立場依存質問データ出力手段」1010は、質問データ出力部にて入力を受け付けた立場情報に応じた質問データを出力するように構成される。秘密保持契約の作成支援のケースを例として説明すると、立場情報として「開示者」の入力を受け付けると、「秘密保持契約の存在自体や内容、協議や交渉過程について、公表を禁止しますか?」などのように、開示者の需要をみたすような質問データを出力する。この場合には例えば、「秘密保持契約を締結するからといって、以後の取引契約を締結する義務がないことを明記しますか?」などのように、あたかも秘密情報の受領者にとって重要な意義を有すると思われる質問データは出力せず、ユーザに対して効率よく質問データに対する回答データを入力させることができるようになる。
なお、立場依存質問データ出力手段においては、あくまで立場情報に応じた質問データを出力する機能を有しているものの、当該構成を採用する全ての場合において、立場情報に応じた質問データのみを出力することまでをも意味するものではない。質問データ出力部としては、立場依存質問データ出力手段により立場情報に応じた質問データと、立場情報に依存しない質問データとが混在して出力されることもあり得るのであり、本発明はそのような構成を排除しない。
<具体的な構成>
本実施形態の法律文書作成支援システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図7を用いて説明した実施形態1の法律文書作成支援システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「立場情報入力受付部」及び「立場依存質問データ出力手段」の具体的な処理について説明する。
(立場情報入力受付部の具体的な構成)
立場情報入力受付部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「立場情報入力受付プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付ける処理を行う。
(立場依存質問データ出力手段の具体的な構成)
立場依存質問データ出力手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「質問データ出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行するに際し「立場依存質問データ出力サブプログラム」をも読み出して実行し、立場情報入力受付プログラムの実行により受け付けた立場情報に応じた質問データを少なくとも二以上読み出して出力する処理を行う。
<処理の流れ>
図11は、本実施形態の法律文書作成支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1101では、ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付ける(立場情報入力受付ステップ)、次にS1102では、ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する処理を行うが、この際立場情報入力受付ステップにて入力を受け付けた立場情報に応じた質問データをも出力する(立場依存質問データ出力サブステップ)。その後ステップS1103でユーザ端末から受信した情報が質問データへの回答に関するデータである回答データであるかどうかを判断し、回答データでないとの判断結果であれば引き続きユーザ端末から情報を受信した場合に同様の判断をおこなういっぽう、回答データであるとの判断結果であれば当該回答データを受信する(回答データ受信ステップ)。そしてステップS1104として、回答データ受信ステップにて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出し(テキストデータ抽出ステップ)、ステップS1105として、テキストデータ抽出ステップにおいて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する(法律文書データ生成ステップ)。その後ステップS1106として法律文書データ生成ステップにて生成された法律文書データを出力する(府法律文書データ出力ステップ)。
<効果>
本実施形態の法律文書の評価システムを用いることにより、実施形態1の法律文書の評価システムを用いる場合に比べ、よりユーザの負担感を減じつつ当事者間の関係性も踏まえた実態に即した情報を提供することができる。
0200・・・法律文書作成支援システム、0201・・・条項データ保持部、0202・・・配置ルール保持部、0203・・・質問データ保持部、0204・・・質問データ出力部、0205・・・回答データ受信部、0206・・・テキストデータ抽出部、0207・・・法律文書データ生成部、0208・・・法律文書データ出力部

Claims (3)

  1. 法律文書を構成するテキストデータを所定単位ごとに保持する条項データ保持部と、
    法律文書における所定のテキストデータの配置位置を規律するためのルールである配置ルールを保持する配置ルール保持部と、
    テキストデータを選択するためのデータである質問データを保持する質問データ保持部と、
    ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する質問データ出力部と、
    ユーザ端末から質問データへの回答に関するデータである回答データを受信する回答データ受信部と、
    回答データ受信部にて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出するテキストデータ抽出部と、
    テキストデータ抽出部にて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する法律文書データ生成部と、
    法律文書データ生成部にて生成された法律文書データを出力する法律文書データ出力部と、
    からなる法律文書作成支援システムであって、
    ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付ける立場情報入力受付部をさらに有し、
    質問データ出力部は、入力を受け付けた立場情報に応じた質問データを出力する立場依存質問データ出力手段を有する法律文書作成支援システム。
  2. 法律文書を構成するテキストデータを所定単位ごとに保持する条項データ保持部と、法律文書における所定のテキストデータの配置位置を規律するためのルールである配置ルールを保持する配置ルール保持部と、テキストデータを選択するためのデータである質問データを保持する質問データ保持部と、を有する法律文書作成支援システムの動作方法であって、
    ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する質問データ出力ステップと、
    ユーザ端末から質問データへの回答に関するデータである回答データを受信する回答データ受信ステップと、
    回答データ受信ステップにて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出するテキストデータ抽出ステップと、
    テキストデータ抽出ステップにて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する法律文書データ生成ステップと、
    法律文書データ生成ステップにて生成された法律文書データを出力する法律文書データ出力ステップと、
    からなる法律文書作成支援システムの動作方法であって、
    ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付ける立場情報入力受付ステップをさらに含み、
    質問データ出力ステップは、入力を受け付けた立場情報に応じた質問データを出力する立場依存質問データ出力サブステップを含む法律文書作成支援システムの動作方法。
  3. 法律文書を構成するテキストデータを所定単位ごとに保持する条項データ保持部と、法律文書における所定のテキストデータの配置位置を規律するためのルールである配置ルールを保持する配置ルール保持部と、テキストデータを選択するためのデータである質問データを保持する質問データ保持部と、を有する法律文書作成支援システムを動作させるプログラムであって、
    ユーザが操作する端末であるユーザ端末に対し、少なくとも二以上の質問データを出力する質問データ出力ステップと、
    ユーザ端末から質問データへの回答に関するデータである回答データを受信する回答データ受信ステップと、
    回答データ受信ステップにて受信した回答データに基づいて条項データ保持部にて保持されるテキストデータを抽出するテキストデータ抽出ステップと、
    テキストデータ抽出ステップにて抽出したテキストデータを配置ルール保持部にて保持される配置ルールに従い構成して法律文書データを生成する法律文書データ生成ステップと、
    法律文書データ生成ステップにて生成された法律文書データを出力する法律文書データ出力ステップと、
    を有する法律文書作成支援プログラムであって、
    ユーザから自身の立場に関する情報である立場情報の入力を受け付ける立場情報入力受付ステップをさらに有し、
    質問データ出力ステップは、入力を受け付けた立場情報に応じた質問データを出力する立場依存質問データ出力サブステップをさらに備える法律文書作成支援プログラム。
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