JP6535204B2 - Ga2O3系結晶膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Ga系結晶膜の形成方法に関する。
従来、Ga系基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、Ga系基板の主面の面方位を選択することにより、Ga系結晶膜の成長速度を制御することができる。
国際公開第2013/035464号
本発明の目的の1つは、結晶品質に優れるGa系結晶膜を形成することのできるGa系結晶膜の形成方法、及びそのGa系結晶膜を有する結晶積層構造体を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[]のGa系結晶膜の形成方法を提供する。また、本発明の他の態様は、上記目的を達成するために、下記[]の結晶積層構造体を提供する。
[1]MBE法によりGa系基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させる、Ga系結晶膜の形成方法であって、前記Ga系結晶膜の成長温度が560℃以上であり、かつ750℃よりも低く、前記Ga系結晶膜が成長する際の成長表面近傍における付着原子のVI/III比が、1/2よりも小さい、あるいは2よりも大きい、Ga系結晶膜の形成方法。
]前記Ga系結晶膜を成長させながらIV族元素をドープし、前記成長温度が650℃以下であり、前記VI/III比が10以上である、前記[]に記載のGa系結晶膜の形成方法。
MBE法によりGa系基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させる、Ga系結晶膜の形成方法であって、前記Ga系結晶膜の成長温度が560℃よりも高く、かつ750℃以下であり、前記Ga系結晶膜が成長する際の成長表面近傍の雰囲気におけるVI/III比が、1/3以上であり、かつ2よりも小さい、Ga系結晶膜の形成方法。
[4]MBE法によりGa 系基板上にGa 系結晶膜をエピタキシャル成長させる、Ga 系結晶膜の形成方法であって、前記Ga 系結晶膜の成長温度が560℃よりも高く、かつ750℃よりも低く、前記Ga 系結晶膜が成長する際の成長表面近傍の雰囲気におけるVI/III比が、1/3以上、かつ3以下である、
Ga 系結晶膜の形成方法。
]第1のIV族元素を含むGa系基板と、前記Ga系基板上に形成された、表面粗さ(RMS)が1nm未満であり、厚さが300nm以上であり、第2のIV族元素を含むGa系結晶膜と、を含み、前記Ga系結晶膜の深さ方向の前記第2のIV族元素濃度分布のばらつきが20%以下である、結晶積層構造体。
本発明によれば、結晶品質に優れるGa系結晶膜を形成することのできるGa系結晶膜の形成方法、及びそのGa系結晶膜を有する結晶積層構造体を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る結晶積層構造体の垂直断面図である。 図2は、Ga結晶膜の成長レートのO+O混合ガス供給量及び成長温度依存性を表すグラフである。 図3(a)は、原子間力顕微鏡によるGa結晶膜の表面の観察画像である。図3(b)は、図3(a)に示される観察画像から視認される表面状態と、表面の粗さのRMS値が記載された表である。 図4は、二次イオン質量分析法(SIMS)により測定した、Ga基板及びGa結晶膜中のSn濃度の深さ方向のプロファイルを表すグラフである。 図5は、原子間力顕微鏡による、SnがドープされたGa結晶膜の表面の観察画像である。
本発明者らは、Ga系基板上にエピタキシャル成長させるGa系結晶膜について、鋭意研究の結果、結晶品質及び主面の平坦性のVI/III比への依存性、並びにドープしたIV族元素の濃度分布のVI/III比への依存性を新規に見出し、本発明に至った。以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔実施の形態〕
(結晶積層構造体の構成)
図1は、実施の形態に係る結晶積層構造体の垂直断面図である。結晶積層構造体1は、Ga系基板10と、Ga系基板10上にエピタキシャル結晶成長により形成されたGa系結晶膜12を有する。
Ga系基板10は、Ga系単結晶からなる基板である。ここで、Ga系単結晶とは、Ga単結晶、又は、Al、In等の元素が添加されたGa単結晶をいう。例えば、Al及びInが添加されたGa単結晶である(GaAlIn(1−x−y)(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)単結晶であってもよい。Alを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。なお、上記のGa単結晶は、例えば、β型の結晶構造を有する。また、Ga系基板10は、Sn等の導電型不純物を含んでもよい。
Ga系基板10の主面11の面方位は特に限定されず、例えば、(010)、(001)、(110)、(210)、(310)、(610)、(910)、(101)、(102)、(201)、(401)、(−101)、(−201)、(−102)、(−401)である。
Ga系基板10は、例えば、FZ(Floating Zone)法やEFG(Edge Defined Film Fed Growth)法等の融液成長法により育成したGa系単結晶のバルク結晶をスライスし、表面を研磨することにより形成される。
Ga系結晶膜12は、Ga系基板10と同様に、Ga系単結晶からなる。また、Ga系結晶膜12はGa系基板10の主面11上にエピタキシャル結晶成長により形成されるため、Ga系結晶膜12の表面13の面方位は、Ga系基板10の主面11と同じである。また、Ga系結晶膜12は、Sn等の導電型不純物を含んでもよい。
Ga系結晶膜12は、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法等の物理的気相成長法により形成される。
Ga系結晶膜12は、成長温度(基板温度)が560℃以上であり、VI/III比が1/2よりも小さい、あるいは2よりも大きいという条件(以下、成長条件A1とする)の下でのエピタキシャル成長により形成される。ここで、VI/III比は、Ga系結晶膜12が成長する際の成長表面の付着原子比、つまりGa系結晶膜12の成長に直接寄与し得るO原子とGa原子の比である。例えば、成長表面付着原子が3n個のO原子と2n個のGa原子(nは自然数)であるときのVI/III比は1である。
Ga系結晶膜12を成長条件A1の下でエピタキシャル成長させることにより、Ga系結晶膜12の表面13におけるピットの発生を抑えることができる。
ここで、ピットは結晶膜の表面に生じる孔状の欠陥である。ピットの発生を抑えてGa系結晶膜12の結晶品質を高めることにより、結晶積層構造体1を用いて製造される半導体素子の優れた導電層として、Ga系結晶膜12を用いることができる。
さらに、成長温度が750℃よりも低いという条件を成長条件A1に加えた条件(以下、成長条件A2とする)の下でGa系結晶をエピタキシャル成長させることにより、表面13の粗さのRMS(Root Mean Square)値が1nm未満であるGa系結晶膜12を得ることができる。
ここで、RMS値は、原子間力顕微鏡によりGa系結晶膜12の表面13の鉛直方向の高さと水平方向の位置との関係を表す曲線を測定し、その平均線から曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根を求めることにより得られる。
RMS値が大きいと、例えば、結晶積層構造体1を用いてショットキーダイオードやMESFET(Metal-Semiconductor Field Effect Transistor)を製造する場合、Ga系結晶膜12上に形成されたショットキー電極において局所的な電界集中が発生し、素子耐圧の低下を引き起こすおそれがある。これは、Ga系結晶膜12の表面13の凹凸により形成されたショットキー電極の底面の凹凸の凸部に電界が集中することによる。この電界集中を抑えるためのショットキー電極の底面の表面粗さの条件として、RMS値が1nm以下であることが知られている。すなわち、Ga系結晶膜12の表面13のRMS値が1nm以下であれば、ショットキー電極における局所的な電界集中を抑えることができる。
さらに、Ga系結晶膜12を成長させながら、ドナーとなるSn等のIV族元素をドープする場合は、成長温度が650℃以下であり、VI/III比が10以上であるという条件を成長条件A2に加えた条件(以下、成長条件A3とする)の下でGa系結晶膜12をエピタキシャル成長させることにより、IV族元素濃度分布の深さ方向の均一性を高めることができる。
Ga系結晶膜12のIV族元素濃度分布の深さ方向の均一性が高い場合、特に、Ga系結晶膜12の厚さ方向に電流が流れる縦型の半導体素子の製造に有効である。
また、Ga系結晶膜12は、成長温度が560℃よりも高く、VI/III比が1/3以上、かつ3以下という条件(以下、成長条件B1とする)の下でのエピタキシャル成長により形成されてもよい。
Ga系結晶膜12を条件B1の下でエピタキシャル成長させることにより、条件A1の下でエピタキシャル成長させる場合と同様に、Ga系結晶膜12の表面におけるピットの発生を抑えることができる。
さらに、成長温度が750℃以下であり、VI/III比が2よりも小さいという条件を条件B1に加えた条件(以下、成長条件B2とする)でGa結晶をエピタキシャル成長させることにより、表面粗さの指標であるRMS値が1nm未満であるGa系結晶膜12を形成することができる。
(Ga系結晶膜の評価)
以下に、Ga系結晶膜12の表面の結晶品質、平坦性、及びIV族元素濃度分布の深さ方向の均一性についての評価結果を示す。なお、本評価においては、Ga系基板10として主面の面方位が(010)であるGa基板を用いて、Ga系結晶膜12としてのGa結晶膜を、MBE法により、成長温度が560〜750℃、成長時間が30分、GaのBEP(Beam Equivalent Pressure)が2.1×10−4Paの条件で形成した。また、Ga結晶膜成長の酸素源にはO+O混合ガス(OとOの混合ガス)を用いた。混合比率はおよそOが5%、Oが95%である。
図2は、Ga結晶膜の成長レートのO+O混合ガス供給量及び成長温度依存性を表すグラフである。図2の横軸はGa基板の表面へのO+O混合ガスの供給量[arb. unit]であり、縦軸はGa結晶膜の成長レート[μm/h]である。
Gaの供給量は、BEPが2.1×10−4Paに固定されているため一定であり、O+O混合ガスの供給量を0から増加させる間の、Ga結晶膜の成長レートが上昇しているときはVI/III比<1であり、成長レートが飽和した後はVI/III比>1となる。
図2においては、Ga結晶膜の成長レートの上昇が止まる点線で囲まれた領域がおよそVI/III比=1となる領域であり、その領域よりもO+O混合ガスの供給量が小さい領域がVI/III比<1となる領域、大きい領域がVI/III比>1となる領域である。
+O混合ガスは、基板の中心軸上に設置されたパイプから、基板の表面に向かって円錐状に放射される。ここで、基板とパイプの距離を30mm、O+O混合ガスの流量を1sccmとしたときのGa基板の表面へのO+O混合ガスの供給量を1arb. unitとした。例えば、O+O混合ガスの流量を1sccmに保持した状態で基板とパイプの距離を30mmの半分の15mmとすると、Ga結晶膜の成長表面近傍のO+O混合ガスの濃度が4倍になるため、供給量は4arb. unitとなる。
図2から、成長温度ごとの、基板とO+O混合ガスの供給条件とVI/III比との関係を得て、Ga結晶膜の表面の結晶品質、平坦性、及びIV族元素濃度分布の深さ方向の均一性とVI/III比との関係を調査した。
図3(a)は、原子間力顕微鏡によるGa結晶膜の表面の観察画像である。図3(a)は、Ga結晶膜の表面状態の、成長温度及びVI/III比への依存性を表している。なお、各々の画像の一辺の長さは、Ga結晶膜の表面におけるおよそ1μmに相当する。
図3(b)は、図3(a)に示される観察画像から視認される表面状態と、表面の粗さのRMS値が記載された表である。図3(a)の観察画像に対応する各枠の上側には表面状態が記載され、“bunching”は波状のモフォロジーであるステップバンチングが観察されたことを表し、“pit”は孔状の欠陥であるピットが観察されたことを表し、空白はステップバンチング及びピットが観察されなかったことを表す。また、各枠の下側の数値は、表面の粗さのRMS値を表す。
ピットの発生は、Ga結晶膜の結晶品質が低いことを表すものである。また、ステップバンチングが発生する場合は、結晶品質に問題はないものの、平坦性が低く、表面の粗さのRMS値が大きくなる。
図3(a)、(b)が示すように、成長温度が560℃以上であり、VI/III比が1/2よりも小さい、あるいは2よりも大きいという条件(成長条件A1)の下でGa結晶を成長させた場合、表面にピットをほとんど有しないGa結晶膜を形成し得る。
また、成長温度が560℃以上であり、VI/III比が1/3以下、あるいは3以上という条件の下でGa結晶を成長させた場合、より確実にピットの発生を抑えることができる。
さらに、成長温度が560℃以上、かつ750℃よりも低く、VI/III比が1/2よりも小さい、あるいは2よりも大きいという条件(成長条件A2)でGa結晶をエピタキシャル成長させることにより、表面にピットをほとんど有さず、表面粗さのRMS値が1nm未満であるGa結晶膜を形成し得る。
また、成長温度が560℃以上、かつ650℃以下であり、VI/III比が1/3以下、あるいは3以上という条件の下でGa結晶を成長させた場合、より確実にピットの発生を抑え、平坦性をより向上させることができる。
また、成長温度が560℃よりも高く、VI/III比が1/3以上、かつ3以下という条件(成長条件B1)の下でGa結晶をエピタキシャル成長させることにより、表面にピットをほとんど有しないGa結晶膜を形成し得る。
また、成長温度が650℃以上であり、VI/III比が1/3以上、かつ3以下という条件の下でGa結晶を成長させた場合、より確実にピットの発生を抑えることができる。
さらに、成長温度が560℃よりも高く、かつ750℃以下であり、VI/III比が1/3よりも大きく、かつ2よりも小さいという条件(成長条件B2)でGa結晶をエピタキシャル成長させることにより、表面にピットをほとんど有さず、表面粗さのRMS値が1nm未満であるGa結晶膜を形成し得る。
また、成長温度が650℃以上、かつ750℃以下であり、VI/III比が1/2以上、かつ1以下という条件の下でGa結晶を成長させた場合、より確実にピットの発生を抑え、平坦性をより向上させることができる。
次に、Ga結晶膜を成長させながらIV族元素をドープした場合のIV族元素濃度分布の深さ方向の均一性について調査した。ここで、Ga結晶膜の成長温度は560℃とし、VI/III比は1、2、又は10とした。本調査においては、IV族元素としてSnを用いた。
図4は、二次イオン質量分析法(SIMS)により測定した、Ga基板及びGa結晶膜中のSn濃度の深さ方向のプロファイルを表すグラフである。図4の横軸はGa結晶膜の表面からの深さ[μm]を表し、縦軸はSnの濃度[cm−3]を表す。
表面から深さ330nm程度までの領域がGa結晶膜であり、330nmより深い領域がGa基板である。図4は、VI/III比の異なる3試料の測定結果を示しているが、いずれの試料においても、Ga結晶膜よりもGa基板の方が、Sn濃度の平均値が高い。
図4は、Sn濃度の深さ方向の分布が、VI/III比が1又は2であるときは不均一であり、VI/III比が10であるときはほぼ均一であることを示している。VI/III比が10であるときの深さ方向のSn濃度の分布は、2.5×1018±0.5×1018cm-3程度の範囲内に収まり、そのばらつき(平均値に対する最大偏差の絶対値の割合)は20%以下に抑えられている。このことから、VI/III比を10以上とすることにより、Ga結晶膜の深さ方向のSn濃度分布をほぼ均一にできることがわかる。
なお、VI/III比が1又は2であるときのGa結晶膜中のSn濃度がGa基板に近い領域で低くなっているのは、Ga結晶の成長に対してSnのドープが遅れているためであり、この領域にドープされなかった分のSnは、Ga結晶膜の表面近傍に偏析する。このことは、図4のVI/III比が1又は2であるときのSn濃度プロファイルが深さ0の近傍で急上昇していることから確認できる。
図5は、原子間力顕微鏡による、SnがドープされたGa結晶膜の表面の観察画像である。図5に示されるGa結晶膜は、図4に示される例と同様に、560℃の成長温度で形成され、2×1018〜3×1018cm−3を目標値とする濃度のSnがドープされている。なお、各々の画像の一辺の長さは、Ga結晶膜の表面におけるおよそ1μmに相当する。
図5に示されるように、VI/III比が6以下のGa結晶膜の表面は荒れており、VI/III比が10のGa結晶膜の表面はRMSが0.3nmであり、Snをドープしない場合と同様に平坦である。このことから、VI/III比が6以下の時はSnの表面偏析による成長異常が発生し、VI/III比が少なくとも10以上であれば、偏析を抑制できることがわかる。よって、成長温度が560℃であるときには、VI/III比を10以上とすることにより、SnがドープされたGa結晶膜の表面の平坦性を良好にできることがわかる。
また、成長温度が750℃以上の場合は、図3(a)に示した通り、VI/III比が2以上になると表面にステップハンチングが生じるため、Snの偏析を抑制しつつ平坦性を良好にすることは難しい。一方、成長温度が650℃以下であれば、VI/III比を大きくしても平坦性を良好にできるため、成長温度が650℃以下であるときには、VI/III比を10以上とすることにより、SnがドープされたGa結晶膜の表面の平坦性を良好にできるといえる。
上記の評価においては、上述のように、Ga系基板10としてGa基板を用いて、Ga系結晶膜12としてのGa結晶膜を成長させているが、Ga基板以外のGa系基板を用いた場合や、Ga結晶膜以外のGa系結晶膜を用いた場合であっても、同様の評価結果が得られる。また、ドナーとして、Si、Ge等のSn以外のIV族元素を用いた場合であっても、同様の評価結果が得られる。また、Ga系基板10にドープされるIV族元素(第1のIV族元素と呼ぶ)とGa系結晶膜12にドープされるIV族元素(第2のIV族元素と呼ぶ)は同じであっても異なっていてもよい。また、Ga系基板の主面の面方位やGa結晶膜成長の酸素源も限定されない。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、結晶品質及び主面の平坦性に優れるGa系結晶膜を形成することができる。また、Ga系結晶膜にドナーとしてのIV族元素をドープする場合には、Ga結晶膜の深さ方向のIV族元素濃度分布をほぼ均一にすることができる。
また、Ga系結晶膜が結晶品質及び主面の平坦性に優れるため、Ga系結晶膜上に品質のよい結晶膜を成長させることができる。このため、本実施の形態に係るGa系結晶膜を含む結晶積層構造体を高品質な半導体装置の製造に用いることができる。
また、Ga結晶膜の深さ方向のIV族元素濃度分布をほぼ均一にすることができるため、Ga結晶膜の厚さ方向に通電する縦型の半導体素子の優れた構成部材として用いることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1…結晶積層構造体、10…Ga系基板、11…主面、12…Ga系結晶膜、13…表面

Claims (4)

  1. MBE法によりGa系基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させる、Ga系結晶膜の形成方法であって、
    前記Ga系結晶膜の成長温度が560℃以上であり、かつ750℃よりも低く、
    前記Ga系結晶膜が成長する際の成長表面近傍の雰囲気におけるVI/III比が、1/2よりも小さい、あるいは2よりも大きい、
    Ga系結晶膜の形成方法。
  2. 前記Ga系結晶膜を成長させながらIV族元素をドープし、
    前記成長温度が650℃以下であり、
    前記VI/III比が10以上である、
    請求項1に記載のGa系結晶膜の形成方法。
  3. MBE法によりGa系基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させる、Ga系結晶膜の形成方法であって、
    前記Ga系結晶膜の成長温度が560℃よりも高く、かつ750℃以下であり、
    前記Ga系結晶膜が成長する際の成長表面近傍の雰囲気におけるVI/III比が、1/3以上であり、かつ2よりも小さい、
    Ga系結晶膜の形成方法。
  4. MBE法によりGa系基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させる、Ga系結晶膜の形成方法であって、
    前記Ga系結晶膜の成長温度が560℃よりも高く、かつ750℃よりも低く、
    前記Ga系結晶膜が成長する際の成長表面近傍の雰囲気におけるVI/III比が、1/3以上、かつ3以下である、
    Ga系結晶膜の形成方法。
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