以下、本発明における好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
図1〜図27は、本発明の加熱調理器をオーブンレンジに適用した一実施形態を示している。先ず図1〜図4に基いて、オーブンレンジの全体構成を説明すると、1は略矩形箱状に構成される本体で、この本体1は、製品となるオーブンレンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット2を備えている。また3は、本体1の前面に設けられる開閉自在な扉である。
扉3の上部には、縦開きの扉3を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル4を備えており、扉3の下部には、表示や報知や操作のための操作パネル部5を備えている。操作パネル部5は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段6の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作手段7が配設される。扉3の内部で操作パネル部5の後側には、図示しないが、表示手段6や操作手段7などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。
本体1の下部には、本体1の前面より着脱が可能な給水カセット8と水受け9が各々配設される。給水カセット8は、後述の蒸気発生装置33から発生する蒸気の供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。また水受け9は、本体1からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける有底状の容器である。
本体1の左右側面と上面を形成するキャビネット2は、本体1ひいてはオーブンレンジの底面を形成するオーブン底板11を覆うように、本体1の前面を形成するオーブン前板12と、本体1の後面を形成するオーブン後板13との間に設けられる。また本体1には、加熱調理すべき被調理物Sを内部に収容する調理室14と、調理室14の温度を検出する温度検出素子たるサーミスタ15が設けられる。調理室14の前面はオーブン前板12に達していて、被調理物Sを出し入れするのに開口しており、この開口を扉3で開閉する構成となっている。
調理室14を形成する周壁は、天井壁14aと、底壁14bと、左側壁14cと、右側壁14dと、奥壁14eとからなる。調理室14の奥壁14eは、その中央に吸込み口16を備えており、吸込み口16の周囲には複数の熱風吹出し口17を備えている。また、調理室14の上壁面となるドーム状の天井壁14aに対向して、本体1の上部には、調理室14の上方から被調理物Sを輻射加熱するグリル用の上ヒータ18が設けられ、本体1の底部には、調理室14内に電波であるマイクロ波を供給するために、マグネトロンやアンテナを含むマイクロ波発生装置19が設けられる。これにより、上ヒータ18への通電に伴う熱放射によって、調理室14内に収容した被調理物Sを上方向からグリル加熱し、またマイクロ波発生装置19への通電動作により、調理室14内に収容した被調理物Sにマイクロ波を放射して、被調理物Sをレンジ加熱する構成となっている。
調理室14の左側壁14cと右側壁14dには、調理室14の内部に金属製の角皿21を吊設状態で収納保持するために、左右一対の棚支え22を上下二段に備えている。ここで使用する角皿21は、上面を開口した有底凹状で、その他は無孔に形成される収容部21Aと、収容部21Aの上端より外側水平方向に延設するフランジ部21Bとにより構成される。またフランジ部21Bには、角皿21を通して熱風の流通を可能にする通気孔21Cが開口形成される。図2では、調理室14の内部で下段の棚支え22に角皿21のフランジ部21Bを載せて、収容部21Aに被調理物Sを載せた状態を示しているが、調理に応じて角皿21を上段の棚支え22にだけ載せたり、2枚の角皿21を上段と下段の棚支え22に各々載せたりしてもよく、角皿21に代えて別な焼き網(図示せず)などの付属品を収納保持することもできる。
24は、本体1の内部において、調理室14の室外後方から下方にかけて具備されるオーブン加熱用の熱風ユニットである。この熱風ユニット24は、奥壁14eに取付けられる凸状のケーシング26と、空気を加熱する熱風ヒータ27と、調理室14内に加熱した空気を送り込んで循環させる熱風ファン28と、熱風ファン28を所定方向に回転させる電動の熱風モータ29と、熱風モータ29からの駆動力を熱風ファン28に伝達する伝達機構30と、により概ね構成される。奥壁14eとケーシング26との間の内部空間として、調理室14の室外後方に形成された加熱室31には、熱風ヒータ27と熱風ファン28がそれぞれ配設される一方で、本体1の内部に形成された調理室14とオーブン底板11との間の下部空間32には、熱風モータ29が配設される。そして、熱風ユニット24全体を後側外方から覆うように、本体1の後部にオーブン後板13が配設される。
本実施形態の熱風ファン28は、軸方向に取り入れた空気を、回転時の遠心力によって、軸方向と直角な放射方向に吐き出すいわゆる遠心ファンとして設けられており、管状の熱風ヒータ27は熱風ファン28の放射方向を取り囲んで配置される。発熱部でもある熱風ヒータ27は、例えばシーズヒータ、マイカヒータ、石英管ヒータやハロゲンヒータなどを用いる。前述した吸込み口16や熱風吹出し口17は、調理室14と加熱室31との間を連通する通風部として機能するものである。
そして本実施形態では、熱風モータ29への通電に伴い熱風ファン28が回転駆動すると、調理室14の内部から吸込み口16を通して吸引された空気が、熱風ファン28の放射方向に吹出して、通電した熱風ヒータ27により加熱され、熱風吹出し口17を通過して、調理室14内に熱風が供給される。これにより、調理室14の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室14内の被調理物Sを熱風コンベクション加熱する。また、角皿21の周囲にスリット状の通気孔21Cを設けることで、例えば上下2段の棚支え22に角皿21を各々載せて、熱風ユニット24を利用したオーブン加熱調理を行なった場合でも、各角皿21の通気孔21Cを通して調理室14内で熱風が上下に循環するため、被調理物Sとなる食品を前後左右から包み込んで焼き上げることが可能になる。
調理室14の左側壁14cには、蒸気発生装置33に連通する複数の蒸気噴出孔34が設けられる。これにより、蒸気発生装置33の動作中は、蒸気噴出孔34から調理室14の内部に飽和蒸気や過熱蒸気が供給され、調理室14内に入れられた被調理物Sのスチーム調理を行なう構成となっている。
次に、オーブンレンジの細部構成について、図5〜図12を参照しながら説明する。図5は、タンクとなる給水カセット8を示したもので、プラスチック成形材料からなる給水カセット8は、上面を開口した有底状の貯留部41の前側に、指を掛けることができる凹状の取手42を形成する一方で、取手42とは反対側の貯留部41の後側に、弁体を有する取入口43を備え、さらに貯留部41の左右両側に、水受け9との係合部となるリブ44を有して構成される。そして、本体1から給水カセット8を取り外した単体の状態では、取入口43の弁体が閉じて、貯留部41に収容した水が取入口43から漏出するのを防止し、本体1に給水カセット8を装着した状態では、取入口43が蒸気発生装置33の一部として連通する構成となっている。
図6は、受け部となる水受け9を示したもので、プラスチック成形材料からなる水受け9は、上面を開口した有底状の受け部46と、給水カセット8の外形形状に対応して凹ませたカセット装着部47とを備えており、カセット装着部47に給水カセット8を装着した状態では、リブ44がカセット装着部47の左右側面に係合し、且つ貯留部41の上面がカセット装着部47で覆われる構成となっている。
図7〜図9は、調理室14の左側壁14c外方に装備される蒸発器ユニット49を示している。蒸気生成部となる蒸発器ユニット49は、何れも熱伝導性に優れたアルミダイカスト製のケース51とカバー52とにより中空状に構成される。ケース51は凹状の気化室53を有し、この気化室53を加熱するための蒸発用ヒータとして、棒状のシーズヒータ54がケース51に埋設される。またケース51には、給水カセット8に貯留した水を気化室53に導く取入口55が設けられる。板状のカバー52はケース51の開口面を覆うもので、このカバー52には、気化室53に連通して各蒸気噴出孔34に蒸気を導く複数の導出口56が開口形成される。
調理室14内に蒸気を送り込む蒸気発生装置33は、上述した給水カセット8や、蒸発器ユニット49や、シーズヒータ54の他に、給水カセット8に貯留した水を蒸発器ユニット49に圧送する電動のポンプ(図示せず)や、蒸発器ユニット49内における気化室53の温度を検出するサーミスタなどの気化室温度検出手段59(図10を参照)を備えている。これにより蒸気発生装置33の動作中には、給水カセット8からの水をポンプで蒸発器ユニット49内の気化室53に送り込み、シーズヒータ54への通電により気化室53を所定の温度にまで加熱することで、蒸気噴出孔34から調理室14の内部に飽和蒸気や過熱蒸気が供給され、調理室14内に入れられた被調理物Sのスチーム調理を行なう構成となっている。また本実施形態では、ポンプに与えられる駆動信号によって、ポンプからの吐出流量を調整することで、蒸発発生装置33の蒸気噴出孔34から調理室14内に噴出する蒸気量を可変する構成となっている。
図10は、操作パネル部5の要部構成を示している。同図において、前述の表示手段6は、液晶パネル61と、照明灯62とにより構成される。また操作手段7は、タッチパネル64と、あたためスタートキー65と、とりけしキー66とにより構成される。
液晶パネル61は、例えば加熱の種類や、料理名や、加熱時間や、温度や、調理の写真などの加熱調理に関するあらゆる情報を、文字,数字,記号,写真などでカラー表示するバックライト付きの表示器で、ここでは液晶パネル61に限らず、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず白黒表示でもよい。タッチパネル64は、液晶パネル61の表面上に重ねて設けられたもので、例えば透明素材からなる静電容量方式のタッチパネル64では、使用者がタッチパネル64の表面を指でタッチすると、表面電荷が変化して操作信号が出力される構成となっている。なお、ここでは静電容量方式以外に、例えば抵抗膜方式や、表面弾性波方式や、赤外線方式や、電磁誘導方式のタッチパネル64を用いてもよい。また、指に依るタッチパネル64の操作だけでなく、タッチペンなどのペン状物体を用いて操作してもよい。
あたためスタートキー65は、加熱調理を開始するときに押動操作するキーで、とりけしキー66は途中で加熱調理をやめるときに、また操作や設定を取り消すときに押動操作するキーである。本実施形態では、あたためスタートキー65を必要に応じて点灯または点滅照明するために、LEDなどの照明灯62があたためスタートキー65の近傍に配設される。
図11は、調理室14内の照明手段に関する好ましい例を示したものである。同図において、68a,68bは調理室14の室外側方に配設され、点灯時に調理室14の内部に向けて各々放射状に光La,Lbを出射する上下2段の庫内灯である。上段の庫内灯68aは、上段の棚支え22に載せた角皿21に向けて光Laを出射する位置に設けられ、下段の庫内灯68bは、下段の棚支え22に載せた角皿21に向けて光Lbを出射する位置に設けられる。こうして、調理室14内に上下2か所の庫内灯68a,68bを設け、調理中にこれらの庫内灯68a,68bを点灯させることで、2枚の角皿21を上段と下段の棚支え22に各々載せて調理を行なう2段調理でも、各角皿21に収容した被調理物Sが光La,Lbによる照明で見やすくなる。また、庫内灯68a,68bをLEDとすることで、調理室14内を明るく照明しつつも、省エネを図ることができる。
図12は、オーブンレンジの主な電気的構成を示している。同図において、71はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段71は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
制御手段71の入力ポートには、前述したタッチパネル64やキー65,66による操作手段7や、気化室温度検出手段59の他に、赤外線センサにスイング機構を装備して構成され、調理室14内全体の温度分布を検出することで、そこに収容された被加熱物Sの温度を検出可能にする庫内温度分布検出手段73と、調理室14内の温度を検出するサーミスタ15などの庫内温度検出手段74と、熱風モータ29の回転を検出する熱風モータ回転検出手段75と、扉3の開閉状態を検出する扉開閉検出手段76と、マイクロ波発生装置19を構成するアンテナの原点位置を検出するアンテナ位置検出手段77が、それぞれ電気的に接続される。
制御手段71の出力ポートには、前述した液晶パネル61や照明灯62による表示手段6の他に、マイクロ波発生装置19のマグネトロンやその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段81と、グリル加熱用の上ヒータ18や、オーブン加熱用の熱風ヒータ27や、スチーム加熱用のシーズヒータ54をそれぞれ通断電させるリレーなどのヒータ駆動手段82と、調理室14内にマイクロ波を放射するアンテナを回転駆動させるためのアンテナ駆動手段83と、熱風モータ29を回転駆動させるための熱風モータ駆動手段84と、蒸気発生装置33のポンプを動作させるためのポンプ駆動手段85と、庫内灯68a,68bを駆動するための庫内照明駆動手段86が、それぞれ電気的に接続される。
制御手段71は、操作手段7からの操作信号と、気化室温度検出手段59や、庫内温度分布検出手段73や、庫内温度検出手段74や、熱風モータ回転検出手段75や、扉開閉検出手段76や、アンテナ位置検出手段77からの各検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、マイクロ波加熱手段81と、ヒータ駆動手段82と、アンテナ駆動手段83と、熱風モータ駆動手段84と、ポンプ駆動手段85と、庫内照明駆動手段86に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段6に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、制御手段71が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段71を加熱調理制御部91と、表示制御部92と、庫内照明制御部93と、お気に入りメニュー管理部94として機能させるプログラムを備えている。
加熱調理制御部91は、主に被調理物Sの加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、操作手段7の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段76からの検出信号により、扉3が閉じていると判断した場合に、その操作信号に応じて、マイクロ波加熱手段81や、ヒータ駆動手段82や、アンテナ駆動手段83や、熱風モータ駆動手段84や、ポンプ駆動手段85に制御信号を送出して、調理室14内の被調理物Sに対する加熱調理を制御する。本実施形態では、加熱調理を実行するための被加熱物Sの材料および加熱条件を含む調理情報として、予め複数のメニューが前記メモリの一部をなすメニュー記憶部95に記憶保持されており、加熱調理制御部91は、メニュー記憶部95の中から選択された一つのメニューについて、操作手段7から加熱調理を実行する操作が行われると、その選択されたメニューに従う所定の手順で、被調理物Sを自動的に加熱調理する構成となっている。
表示制御部92は、主に表示手段6の表示に係る動作を制御するもので、特に本実施形態では、液晶パネル61に様々な画面を切換えて表示させるために、電源投入直後に液晶パネル61に初期画面を表示させる初期表示制御部92Aや、操作手段7からの操作信号を受けて、メニュー記憶部95に記憶された複数のメニューの中から一つのメニューを選択したときに、液晶パネル61に第1画面を表示させる第1表示制御部92Bや、操作手段7からの操作信号を受けて、登録されたお気に入りメニューの呼び出しを指示したときに、液晶パネル61に第2画面を表示させる第2表示制御部92Cなどを備えている。
庫内照明制御部93は、主に庫内灯68a,68bの動作を制御するもので、ここでは加熱調理制御部91と連動して、被調理物Sへの加熱調理を行なっている間に庫内灯68a,68bを点灯させる構成となっている。
お気に入りメニュー管理部94は、第1表示制御部92Bが第1画面を液晶パネル61に表示させた状態で、操作手段7からの操作信号を受けて、選択したメニューをお気に入りメニューとして登録する他、登録されたお気に入りメニューを削除する機能を備えている。
次に、上記構成のオーブンレンジについてその作用を説明すると、予め調理室14内に被調理物Sを入れた状態で、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、操作手段7によりメニュー記憶部95の中から一つのメニューを選択操作した後に、あたためスタートキー65を押して調理開始を指示すると、制御手段71のメモリに組み込まれた制御用のプログラムに従って、選択したメニューに対応して生成された制御信号が所定のタイミングで出力され、被調理物Sが加熱調理される。
ここで、例えばオーブン加熱のメニューを選択した場合、加熱調理制御部91は庫内温度検出手段74からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ駆動手段82と熱風モータ駆動手段84に各々制御信号を送出し、熱風ヒータ27と熱風モータ29の通断電を制御する。これにより、熱風モータ29に発生した回転力が伝達機構30を通して熱風ファン28に伝達し、熱風ファン28が加熱室31の内部で一方向に回転して、その速度は熱風モータ回転検出手段75により加熱調理制御部91に取り込まれると共に、調理室14から吸込み口16を通して加熱室31に吸込んだ空気を、通電した熱風ヒータ27側に送り出し、ここで加熱された空気が熱風吹出し口17を通して調理室14に熱風として供給することで、調理室14内の被調理物Sが熱風コンベクション加熱される。
また、スチームを使った蒸し調理(スチーム調理)のメニューを選択した場合、加熱調理制御部91は気化室温度検出手段59からの検出信号を受けて、気化室53が所定の温度となるように、少なくともヒータ駆動手段82とポンプ駆動手段85に各々制御信号を送出して、蒸気発生装置33に組み込まれたポンプの動作と、シーズヒータ54の通断電を制御する。これにより、蒸気噴出孔34から調理室14内に飽和蒸気や過熱蒸気を噴出させ、調理室14内の被調理物Sを蒸し上げる。
また、レンジ調理のメニューを選択した場合、加熱調理制御部91は庫内温度分布検出手段73からの検出信号を受けて、被調理物Sが設定した温度に加熱されるように、アンテナ位置検出手段77からの検出信号で、アンテナの原点位置を確認しながら、マイクロ波加熱手段81とアンテナ駆動手段83に適切な制御信号をそれぞれ送出する。これにより、マイクロ波発生装置19のマグネトロンやアンテナが動作して、回転するアンテナの表面から発生したマイクロ波が調理室14内に供給され、調理室14内の被加熱物Sが高周波加熱される。
さらに、グリル調理のメニューを選択した場合、加熱調理制御部91は庫内温度検出手段74からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、上ヒータ18の通断電が制御され、調理室14内の被調理物Sが上方向からグリル加熱される。
次に、操作パネル部5の表示や操作について、前述の図10や図13〜図27を参照して詳しく説明する。なお以下の説明で、「タブ表示部」とは、この上でタッチパネル64をタッチ操作した場合に、そのタブ表示部に関する詳細情報が液晶パネル61に表示され、他のタブ表示部は引き続き液晶パネル61に表示されるものの、その詳細情報は非表示になる表示部分であり、「ボタン表示部」とは、この上のタッチパネル64をタッチ操作した場合に、液晶パネル61の画面が別なものに切り換わって、このボタン表示部に関する情報だけが液晶パネル61に表示される表示部分である。また「テキスト表示体」とは、文字や数字や記号などの文字列で表した表示体であり、「アイコン表示体」とは、物事を簡単な絵柄で記号化して表した表示体であり、「画像表示体」とは、撮影装置などで撮影された写真や、絵画で描き出された表示体である。
図10は、電源をオンにした直後に液晶パネル61に表示される初期画面として、トップ画面G1を示している。制御手段71は電源が切れた状態で扉3が開いたのを扉開閉検出手段76で検出すると、液晶パネル61を含む各部に電源を入れて、初期表示制御部92Aにより図10に示すようなトップ画面G1を液晶パネル61に表示させる。初期画面G1はいわゆるタブ形式の画面で、その上部には、「毎日1」なるテキスト表示体D1を含むタブ表示部B1と、「毎日2」なるテキスト表示体D2を含むタブ表示部B2と、「手動」なるテキスト表示体D3を含むタブ表示部B3と、「料理集」なるテキスト表示体D4を含むタブ表示部B4と、「設定」なるテキスト表示体D5および「設定」を想起させるアイコン表示体D6を含むタブ表示部B5と、を横に並べて表示したタブ表示領域A1が形成される。また、タブ表示領域A1の下側には、タブ表示領域A1の中で選択された一つのタブ表示部B1に含まれる詳細項目として、「レンジ」なるテキスト表示体D7を含むボタン表示部B7と、「お気に入り」なるテキスト表示体D8を含むボタン表示部B8と、「履歴」なるテキスト表示体D9を含むボタン表示部B9と、「ごはん」なるテキスト表示体D10を含むボタン表示部B10と、「おかず」なるテキスト表示体D11を含むボタン表示部B11と、「二品あたため」なるテキスト表示体D12を含むボタン表示部B12と、を縦横に並べて表示した詳細表示領域A2が形成される。
本実施形態では、電源を入れた直後に、タブ表示領域A1の中で最も左側に位置する「毎日1」のタブ表示部B1を選択した状態のトップ画面G1が液晶パネル61に表示され、ここでは使用者が最も頻繁に利用すると想定される選択可能な詳細項目として、複数のボタン表示部B7〜B12が詳細表示領域A2に表示される。この状態で、例えばタブ表示部B2に重なるタッチパネル64の部位がタッチされると、図13に示すように、表示制御部92は「毎日2」のタブ表示部B2を選択した状態のトップ画面G2を液晶パネル61に表示させる。同様に図示しないものの、表示制御部92は、タブ表示部B3に重なるタッチパネル64の部位がタッチされると、「手動」のタブ表示部B3を選択した状態のトップ画面を液晶パネル61に表示させ、タブ表示部B4に重なるタッチパネル64の部位がタッチされると、「料理集」のタブ表示部B4を選択した状態のトップ画面を液晶パネル61に表示させ、タブ表示部B5に重なるタッチパネル64の部位がタッチされると、「設定」のタブ表示部B5を選択した状態のトップ画面を液晶パネル61に表示させる。このとき、選択された一つの例えばタブ表示部B2は、選択されていない他の4つのタブ表示部B1,B3〜B5とは異なる色に表示される。
なお、本実施形態の制御手段71は、オーブンレンジを使用していないときに自動的に電源を切るオートパワーオフ機能を備えている。具体的には、図10や図13に示すトップ画面G1,G2を液晶パネル61に表示させた状態で、操作手段7を一切操作しない無操作が第1所定時間である例えば1分を経過すると、液晶パネル61のバックライトをそれまでよりも暗く減光し、そこから無操作が第2所定時間である例えば1分(トータルでは無操作が2分)を経過すると、電源を落としたオフ状態になり、液晶パネル61も動作しなくなる。また、液晶パネル61のバックライトが暗くなっているときに、タッチパネル64のタッチを認識すると、バックライトの照度を元の明るい状態に戻す。これは、タブ表示体D3〜D5のトップ画面を液晶パネル61に表示させた場合も同様に動作する。
上述した電源をオフした状態では、制御手段71以外の表示手段6を含む各部の動作電圧が遮断され、制御手段71は扉開閉検出手段76からの出力に基づき、扉3が開いたか否かを監視する。そして、制御手段71で扉3が開いたと判断すると、液晶パネル61を含む各部に電源を投入して、液晶パネル61に「毎日1」を選択したトップ画面G1を表示させる。したがって本実施形態では、オーブンレンジの電源プラグ(図示せず)をコンセントに差し込んだだけでは電源が入らず、そこから扉3を開けることで、電源が切状態から入状態に切り換わる。
図13は、「毎日2」のタブ表示部B2を選択したときに、液晶パネル61に表示されるトップ画面G2を示している。同図において、「毎日2」を選択したトップ画面G2では、「毎日1」を選択したトップ画面G1と同じく、タブ表示領域A1にタブ表示部B1〜B5が横に並んで表示され、詳細表示領域A2には、「毎日2」のタブ表示部B2に含まれる詳細項目として、「3つの解凍」なるテキスト表示体D14を含むボタン表示部B14と、「牛乳」なるテキスト表示体D15を含むボタン表示部B15と、「ゆで野菜」なるテキスト表示体D16を含むボタン表示部B16と、「色々あたため」なるテキスト表示体D17を含むボタン表示部B17と、「トースト」なるテキスト表示体D18を含むボタン表示部B18と、「おすすめ」なるテキスト表示体D19を含むボタン表示部B19が縦横に並んで表示される。
図10に示す「毎日1」を選択したトップ画面G1では、詳細表示領域A2の中で上段のボタン表示部B7〜B9の何れかに重なるタッチパネル64の部位がタッチされると、そのタッチしたボタン表示部B7〜B9に対応する機能の選択画面が、表示制御部92により液晶パネル61に表示される。本実施形態では、ボタン表示部B7上でタッチパネル64をタッチすると、図14に示すレンジ選択画面G3が液晶パネル61に表示され、ボタン表示部B8上でタッチパネル64をタッチすると、図15に示すようなお気に入り選択画面G4が液晶パネル61に表示され、ボタン表示部B9上でタッチパネル64をタッチすると、図16に示すような履歴選択画面G6が液晶パネル61に表示される。
図14に示すレンジ選択画面G3は、その上部に、トップ画面G1で呼び出した機能を示す「レンジ」なるテキスト表示体D21と、「戻る」というテキスト表示体D22および「戻る」を想起させるアイコン表示体D23を含むボタン表示部B22と、を表示した見出し表示領域A3が形成される。また、見出し表示領域A3の下側には、レンジ出力を選択するための詳細項目として、「1000W」なるテキスト表示体D24を含むボタン表示部B24と、「600W」なるテキスト表示体D25を含むボタン表示部B25と、「500W」なるテキスト表示体D26を含むボタン表示部B26と、「200W」なるテキスト表示体D27を含むボタン表示部B27と、「100W」なるテキスト表示体D28を含むボタン表示部B28と、を縦横に並べて表示した詳細表示領域A2が形成される。
そして本実施形態では、表示制御部92が液晶パネル61にレンジ選択画面G3を表示させた状態で、例えばボタン表示部B24上のタッチパネル64をタッチすると、そのボタン表示部B24に対応する1000Wのレンジ出力が選択され、照明灯62によりあたためスタートキー65が点灯照明される。この後、あたためスタートキー65を押動操作することで制御手段71に操作信号が出力されると、加熱調理制御部91は選択されたレンジ出力で被調理物Sへのレンジ加熱を実行する。なお、前述したボタン表示部B24の代わりに、ボタン表示部B25上のタッチパネル64をタッチした場合は、ボタン表示部B25に対応する600Wのレンジ出力が選択され、ボタン表示部B26上のタッチパネル64をタッチした場合は、ボタン表示部B26に対応する500Wのレンジ出力が選択され、ボタン表示部B27上のタッチパネル64をタッチした場合は、ボタン表示部B27に対応する200Wのレンジ出力が選択され、ボタン表示部B28上のタッチパネル64をタッチした場合は、ボタン表示部B28に対応する100Wのレンジ出力が選択される。
図15に示すお気に入り選択画面G4は、前述の第2画面として第2表示制御部92Cが液晶パネル61に表示させるもので、その一側(右側)には、前述のテキスト表示体D22やアイコン表示体D23を含むボタン表示部B22と、「前へ」というテキスト表示体D29および「前へ」を想起させるアイコン表示体D30を含むボタン表示部B29と、登録されたお気に入りメニューの全表示ページ数と現在のページ数を示すテキスト表示体D31と、「次へ」というテキスト表示体D32および「次へ」を想起させるアイコン表示体D33を含むボタン表示部B32と、を縦に並べて表示したページ遷移表示領域A4が形成される。また、ページ遷移表示領域A4の横側には、登録された各々のお気に入りメニューについて、そのお気に入りメニューの料理名を示すテキスト表示体D35および料理の写真を示す画像表示体D36を含むボタン表示部B35A,B35B,B35Cを、リスト形式で縦に並べて表示したリスト表示領域A5が形成される。
本実施形態では、メニュー記憶部95に記憶される種々のメニューの中から、15個のメニューをお気に入りメニューとして登録することができ、登録されたお気に入りメニューのリストを、お気に入り選択画面G4のリスト表示領域A5で3個ずつ表示させることができる。図15では、テキスト表示体D31に「1/5」なる文字列が表示されており、ここに表示されるお気に入り選択画面G4が、第1番目の選択画面であることが理解できる。またリスト表示領域A5には、登録されたお気に入りメニューの中で、「鶏のから揚げ」のメニューに関する情報として、「鶏のから揚げ」なる料理名のテキスト表示体D35とその料理の写真となる画像表示体D36とを横に並べたボタン表示部B35Aと、「ごはん」のメニューに関する情報として、「ごはん」なる料理名のテキスト表示体D35とその料理の写真となる画像表示体D36とを横に並べたボタン表示部B35Bと、「中華まん蒸し」のメニューに関する情報として、「中華まん蒸し」なる料理名のテキスト表示体D35とその料理の写真となる画像表示体D36とを横に並べたボタン表示部B35Cがそれぞれ区画して表示される。なお、お気に入りメニューの登録数や、お気に入り選択画面G4に表示されるお気に入りメニューの数は、本実施形態で示したものに限らず適宜変更が可能である。
この状態から「次へ」のボタン表示部B32上のタッチパネル64をタッチすると、図示しないものの、第2表示制御部92Cによりお気に入り選択画面G4は第2画面に切り換わり、テキスト表示体D31の表示が第2画面を示す「2/5」の文字列になると共に、登録された別のお気に入りメニューに関する情報がリスト表示領域A5に表示される。同様に、「次へ」のボタン表示部B32上のタッチパネル64をタッチすると、その毎にお気に入り選択画面G4を第1番目の選択画面から第5番目の選択画面にまで順次切り換えて表示させることができる。逆に、「前へ」のボタン表示部B29上のタッチパネル64をタッチすると、その毎にお気に入り選択画面G4を第5番目の選択画面から第1番目の選択画面にまで順次切り換えて表示させることができる。
図16に示す履歴選択画面G5は、その上部に、トップ画面G1で呼び出した機能を示す「履歴から選ぶ」なるテキスト表示体D38と、前述のテキスト表示体D22およびアイコン表示体D23を含むボタン表示部B22と、を表示した見出し表示領域A3が形成される。また、見出し表示領域A3の下側には、これまでに加熱調理されたメニューの料理名として、例えば「ハンバーグ」なるテキスト表示体D40を含むボタン表示部B40と、「ハイブリッド予熱あり」なるテキスト表示体D41を含むボタン表示部B41と、「ふっくらパン」なるテキスト表示体D42を含むボタン表示部B42と、「しゃきしゃき野菜とソーセージ」なるテキスト表示体D43を含むボタン表示部B43と、「フランスパン」なるテキスト表示体D44を含むボタン表示部B44と、を縦横に並べて表示した詳細表示領域A2が形成される。
本実施形態では、図10に示す「毎日1」のトップ画面G1で、メニュー記憶部95に記憶された複数のメニューの中から、特定のメニューの料理名を示す複数のテキスト表示体D10〜D12を、詳細表示領域A2の下段に並べて配置している。ここで、一つの例えば「ごはん」のテキスト表示体D10に対応したボタン表示部B10上のタッチパネル64をタッチすると、次に何らかの操作を行なうことなく、直接的に図17に示すようなメニュー画面G6が液晶パネル61に表示されると共に、加熱調理開始を促すのに照明灯62が点灯してあたためスタートキー65を照明する。図示しないが、こうしたメニュー画面G6は、「おかず」に対応したボタン表示部B11や、「二品あたため」に対応したボタン表示部B12の上で、タッチパネル64をタッチした場合も、同様に液晶パネル61に表示される。また、前述のお気に入り選択画面G4を液晶パネル61に表示させた状態で、ボタン表示部B35A,B35B,B35Cの何れかについて、その上のタッチパネル64をタッチすると、それに対応する一つのお気に入りメニューが選択され、お気に入り選択画面G4に代わりメニュー画面G6が液晶パネル61に表示される。
メニュー画面G6は、前述の第1画面として第1表示制御部92Bが液晶パネル61に表示させるもので、その上部には、トップ画面G1やお気に入り選択画面G4で選択したメニューの料理名を示す「ごはん」なるテキスト表示体D47と、前述のテキスト表示体D22およびアイコン表示体D23を含むボタン表示部B22と、を表示した見出し表示領域A3が形成される。また、見出し表示領域A3の下側には、仕上がり設定の状態を例えば「仕上がり:標準」として示すテキスト表示体D48と、仕上がり状態の設定を変更するために、「変更」なるテキスト表示体D49を含むボタン表示部B49と、トップ画面G1やお気に入り選択画面G4で選択した「ごはん」なる料理名のメニューを、お気に入りメニューとして登録するために、「お気に入り登録」なるテキスト表示体D50を含むボタン表示部B50と、加熱調理開始時に調理室14内に入れる付属品や角皿21を入れる位置などを示すために、文字や記号や図柄を組み合わせたアイコン表示体D51と、あたためスタートキー65により加熱調理を実行する操作に移るために、「スタートできます」なる文字とあたためスタートキー65への方向を示す記号とによるアイコン表示体D52と、を一緒に表示した詳細表示領域A2が形成される。
本実施形態では、加熱調理制御部91で設定される被調理物Sのお好みの仕上がり状態を、メニュー画面G6から操作手段7の操作により、例えば「ぬるめ3」,「ぬるめ2」,「ぬるめ1」,「標準」,「あつめ1」,「あつめ2」,「あつめ3」の7段階に可変できるように構成される。この仕上がり状態は、何らかのメニューを選択した直後に、デフォルトで標準の仕上がりとなる「標準」に設定されるが、メニュー画面G6を表示した状態でボタン表示部B49上のタッチパネル64をタッチすると、表示制御部92により図18に示す仕上がり調節画面G7が液晶パネル61に表示され、そこで「標準」の他に標準よりも温めの仕上がりとなる「ぬるめ1」,「ぬるめ2」,「ぬるめ3」や、標準よりも熱めの仕上がりとなる「あつめ1」,「あつめ2」,「あつめ3」に可変できる。そして、最終的にあたためスタートキー65が押動操作されると、加熱制御調理部91は設定された仕上がり状態に応じて、その仕上がり状態があつめまたは強めに設定されるほど、調理室14内の被調理物Sに対する加熱量や加熱時間が増加するように加熱調理の動作を制御する。これにより、使用者の希望する仕上がり状態に応じて、被調理物Sを最適に仕上げることが可能になる。
仕上がり調節画面G7は、その上部に、「仕上がり調節」なるテキスト表示体D54と、前述のテキスト表示体D22およびアイコン表示体D23を含むボタン表示部B22と、を表示した見出し表示領域A3が形成される。また、見出し表示領域A3の下側に形成した詳細表示領域A2には、詳細表示領域A2の中央部に配置された「標準」なるテキスト表示体D55と、詳細表示領域A2の左側部に配置された「ぬるめ」なるテキスト表示体D56と、詳細表示領域A3の右側部に配置された「あつめ」なるテキスト表示体D57と、テキスト表示体D56,D57の間に配置され、現在の仕上がり状態を記号と数字との組み合わせで図形化したアイコン表示体D58と、左方向を図形化したアイコン表示体D59を含むボタン表示部B59と、右方向を図形化したアイコン表示体D60を含むボタン表示部B60と、前述の文字と記号とによるアイコン表示体D52が一緒に表示される。
この中でアイコン表示体D58は、現在選択中の仕上がり状態の設定部分を太く表示し、非選択部分を細く表示する。つまり図18では、アイコン表示体D58の太形部分が「標準」のテキスト表示体D55よりも「あつめ」のテキスト表示体D57に位置しており、さらにその太形部分の中に「1」なる数字が表示されているので、現在の仕上がり状態は「あつめ1」に設定されていることがわかる。また、ここでボタン表示部B59上のタッチパネル64をタッチする毎に、仕上がり状態の設定が1段階ずつ「ぬるめ」側に移動し、逆にボタン表示部B60上のタッチパネル64をタッチする毎に、仕上がり状態の設定が1段階ずつ「あつめ」側に移動する。こうした仕上がり状態の設定調節に拘らず、加熱調理開始を促すのに照明灯62が点灯してあたためスタートキー65を照明する。
前述のメニュー画面G6や仕上がり調節画面G7を液晶パネル61に表示させているときに、照明灯62で照明されたあたためスタートキー65を押すと、加熱調理制御部91は調理室14内の被調理物Sに対する加熱調理を開始する。また表示制御部92は、メニュー画面G6や仕上がり調節画面G7に代わり、図19に示す調理中の画面G8を液晶パネル61に表示させる。この調理中画面G8は、前述の「ごはん」なるテキスト表示体D47の他に、庫内照明制御部93が庫内灯68a,68bを消灯させていることを示すのに、「庫内灯OFF」なるテキスト表示体D62を表示した見出し表示領域A3が上部に形成される。また、見出し表示領域A3の下側には、仕上がり設定の状態を例えば「仕上がり:あつめ1」として示すテキスト表示体D63と、加熱中であることを「加熱中」として示すテキスト表示体D64と、加熱の進行度合いを2種類の四角形を並べて示すアイコン表示体D65と、を表示した詳細表示領域A2が形成される。なお加熱調理中は、「加熱中」なるテキスト表示体D66が所定の時間間隔で点滅を繰り返す(例えば、0.75秒点灯/0.25秒消灯の繰り返し)。
加熱調理制御部91は、加熱調理を開始した後に、庫内温度分布検出手段73や庫内温度検出手段74などからの検出信号を取り込んで、加熱終了までの残時間を予測算出する。そして、その残時間の算出が加熱調理制御部91で確定すると、表示制御部92は図20に示すように、前述のテキスト表示体D64に代わり、残時間を時々刻々と示す例えば「25分00秒」のようなテキスト表示体D68を、調理中画面G8の詳細表示領域A2に表示させる。
こうして、加熱調理制御部91による加熱調理が終了すると、表示制御部92は図21に示すように、液晶パネル61の表示を調理中画面G8から調理終了画面G9に切り換える。この調理終了画面G9は、前述の「ごはん」なるテキスト表示体D47だけを表示した見出し表示領域A3が上部に形成される。また見出し表示領域A3の下側には、前述したテキスト表示体D63の他に、加熱終了であることを「終了しました」として示すテキスト表示体D70と、調理室14内が高温状態であることを「高温注意!」として注意喚起するテキスト表示体D71と、「延長」なるテキスト表示体D72を含むボタン表示部B72と、を表示した詳細表示領域A2が形成される。
そして、液晶パネル61に調理終了画面G9を表示させた状態で、ボタン表示部B72上のタッチパネル64をタッチすると、表示制御部92により図22に示す延長選択画面G10が液晶パネル61に表示される。この調理終了画面G10は、調理終了画面G9と同じ表示構成の見出し表示領域A3が上部に形成され、また見出し表示領域A3の下側には、設定した延長時間を例えば「0秒」として示すテキスト表示体D74と、設定した延長時間をクリアして0にするために、「クリア」なるテキスト表示体D75を含むボタン表示部B75と、延長時間を10分に設定するための「10分」なるテキスト表示体D76を含むボタン表示部B76と、延長時間を1分に設定するための「1分」なるテキスト表示体D77を含むボタン表示部B77と、延長時間を10秒に設定するための「10秒」なるテキスト表示体D78を含むボタン表示部B78と、を表示した詳細表示領域A2が形成される。
延長選択画面G10は、調理終了後に被加熱物Sをさらに加熱する場合に、その延長時間を設定するのに表示されるもので、ここで例えばボタン表示部B76上のタッチパネル64をタッチして、延長時間を10分に設定した後に、あたためスタートキー65を押すと、加熱調理制御部91により被調理物Sを10分間加熱調理することができる。同様に、ボタン表示部B77上のタッチパネル64をタッチして、あたためスタートキー65を押すと、被調理物Sを1分間加熱調理することができ、ボタン表示部B78上のタッチパネル64をタッチして、あたためスタートキー65を押すと、被調理物Sを10秒間加熱調理することができる。
次に、お気に入りメニュー管理部94によるお気に入りメニューの登録や削除について説明すると、図17に示すメニュー画面G6を液晶パネル61に表示した状態で、「お気に入り登録」のボタン表示部B50上のタッチパネル64をタッチすると、現在登録されているお気に入りメニューの数が、上限(例えば15個)に達しているか否かをお気に入りメニュー管理部94で判断する。ここでお気に入りメニュー管理部94は、現在登録されているお気に入りメニューの数が上限未満であり、かつメニュー画面G6に表示される選択したメニューが、お気に入りメニューとして登録されていなければ、その選択したメニューをお気に入りメニューとして登録し、表示制御部92により図23に示すお気に入り登録完了画面G11を液晶パネル61に表示させる。
お気に入り登録完了画面G11は、メニュー画面G6と同じ表示構成の見出し表示領域A3が上部に形成され、また見出し表示領域A3の下側には、お気に入り登録が完了したことを示すのに、例えば「お気に入りに登録しました」なるテキスト表示体D80を表示した詳細表示領域A2が形成される。
その一方でお気に入りメニュー管理部94は、現在登録されているお気に入りメニューの数が上限に達していれば、メニュー画面G6に表示される選択したメニューをお気に入りメニューとして登録せず、表示制御部92により図24に示すお気に入り登録未完了画面G12を液晶パネル61に表示させる。
お気に入り登録未完了画面G12は、メニュー画面G6と同じ表示構成の見出し表示領域A3が上部に形成され、また見出し表示領域A3の下側には、お気に入り登録ができなかったことを示すのに、一連のメッセージからなるテキスト表示体D81を表示した詳細表示領域A2が形成される。
さらにお気に入りメニュー管理部94は、現在登録されているお気に入りメニューの数が上限未満であるものの、メニュー画面G6に表示される選択したメニューが、お気に入りメニューとして既に登録されていれば、その選択したメニューをお気に入りメニューとして登録せず、表示制御部92により図25に示すお気に入り既登録画面G13を液晶パネル61に表示させる。
お気に入り既登録画面G13は、前述のテキスト表示体D50を含むボタン表示部B50に代えて、「お気に入り削除」なるテキスト表示体D83を含むボタン表示部B83を同じ位置に表示させた以外は、図17に示すメニュー画面G6と同一の表示構成を有する。このお気に入り既登録画面G13は、図10や図13に示すトップ画面G1,G2で、タブ表示部B5上のタッチパネル64をタッチして、「設定」のタブ表示部B5を選択した状態のトップ画面を表示させ、そこからお気に入り削除に対応した位置にタッチパネル64をタッチして、図15に示すお気に入り選択画面G4をお気に入りメニューの削除用に表示させた後、ボタン表示部B35A,B35B,B35Cの何れかの位置で、タッチパネル64をタッチすることでも表示できる。
そして表示制御部92は、上述のお気に入り既登録画面G13を液晶パネル61に表示させた状態で、ボタン表示部B83上のタッチパネル64がタッチされると、図26に示すお気に入り削除選択画面G14に表示を切り換える。お気に入り削除選択画面G14は、メニュー画面G6と同じ表示構成の見出し表示領域A3が上部に形成され、また見出し表示領域A3の下側には、「キャンセル」なるテキスト表示体D85を含むボタン表示部B85と、「削除」なるテキスト表示体D86を含むボタン表示部B86と、お気に入り登録が削除できることを示すのに、例えば「お気に入りから削除します」なるテキスト表示体D87と、を表示した詳細表示領域A2が形成される。
このお気に入り削除選択画面G14を液晶パネル61に表示させ、「キャンセル」のボタン表示部B85上でタッチパネル64をタッチすると、液晶パネル61の表示はお気に入り既登録画面G13に戻る。これは、お気に入り削除選択画面G14でボタン表示部B22上のタッチパネル64をタッチした場合や、とりけしキー66を押した場合も同じである。
一方、お気に入り削除選択画面G14を液晶パネル61に表示させ、「削除」のボタン表示部B86上でタッチパネル64をタッチすると、お気に入り既登録画面G13に表示されたお気に入りメニューはお気に入りメニュー管理部94により削除される。また表示制御部92は、お気に入り削除選択画面G14に代わり、図27に示すお気に入り削除完了画面G15を液晶パネル61に表示させる。
お気に入り削除完了画面G15は、メニュー画面G6と同じ表示構成の見出し表示領域A3が上部に形成され、また見出し表示領域A3の下側には、お気に入りメニューが削除されたことを示すのに、例えば「お気に入りから削除しました」なるテキスト表示体D89を表示した詳細表示領域A2が形成される。
なお、図14〜図18の各画面G3〜G7や、図23〜図27の各画面G11〜G15に共通して、ボタン表示部B22上のタッチパネル64をタッチ操作すると、表示制御部92は一つ前の操作画面に表示を切り換える構成となっている。
上述した一連の手順で、特に第1表示制御部92Bが図17で示しようなメニュー画面G6を液晶パネル61に表示させた状態では、選択したメニューの料理名を例えば「ごはん」のような文字で示すテキスト表示体D47や、加熱調理を実行する操作に移るためのアイコン表示体D52や、選択したメニューをお気に入りメニューとして登録するために、例えば「お気に入り登録」のような文字のテキスト表示体D50を含むボタン表示部B50を一緒に表示させるものの、別な選択したメニューの料理を示す写真などの表示体(例えば、図15に示す画像表示体D36)は表示させないようにしている。これは、限られた液晶パネル61の表示領域内に、選択したメニューに関する情報を効果的に表示させるためのもので、使用者は少なくとも選択したメニューの料理名と、そのメニューを次にお気に入りメニューとして登録できたり、加熱調理の実行を操作できたりすることを、メニュー画面G6から直感的に理解できる。
また実際に、メニュー画面G6からお気に入りメニューへの登録は、ボタン表示部B50上のタッチパネル64をワンタッチに操作するだけで行なうことができ、図23に示すお気に入り登録完了画面G11で、選択されたメニューがお気に入りメニューとして登録されたのを確認できる。これは、本実施形態のお気に入りメニュー管理部94が、選択されたメニューがお気に入りメニューとして登録できるか否かを判断する機能を有しているからである。
さらにメニュー画面G6には、設定した仕上がり状態を示すテキスト表示体D48や、仕上がり状態の設定を変更するためのテキスト表示体D49を含むボタン表示部B49が一緒に含まれている。したがって、あたためスタートキー65により加熱調理の開始を指示する前に、ボタン表示部B49を利用して調理の仕上がり状態の設定を変更することができ、設定した仕上がり状態をテキスト表示体D48で確認することができる。
本実施形態では、液晶パネル61にメニュー画面G6を表示させた状態で、あたためスタートキー65を押すと、加熱調理制御部91が直前に設定された仕上がり状態で加熱調理を実行するものの、ボタン表示部B50上のタッチパネル64をタッチして、お気に入りメニュー管理部94が選択したメニューをお気に入りメニューとして登録するときには、そのメニューに関して設定された仕上がり状態を記憶しない。こうすることで、その後で図15に示すお気に入り選択画面G4から、特定のお気に入りメニューを選択して、図17に示すメニュー画面G6を利用して加熱調理を行なうときに、例えば標準の仕上がり状態をデフォルトとして、そこから仕上がり状態の設定をボタン表示部B49で変更できるようにすれば、お気に入りメニューの登録は利用者が選択可能なメニューにのみ依存したものとなり、その使い勝手が著しく向上する。
また本実施形態では、扉3を開いて電源を投入すると、メニュー記憶部95に記憶された複数のメニューの中から、特定のメニューの料理名として、「ごはん」なる文字のテキスト表示体D10を含むボタン表示部B10と、「おかず」なる文字のテキスト表示体D11を含むボタン表示部B11と、「二品あたため」なる文字のテキスト表示体D12を含むボタン表示部B12を含んだ「毎日1」のトップ画面G1が、初期表示制御部92Aにより表示パネル61に表示される。ここで例えば、ボタン表示部B10上のタッチパネル64をタッチ操作すると、第1表示制御部92Bは、「ごはん」に対応した特定のメニューを選択したメニューとして、図17に示すようなトップ画面を液晶パネル61に切り換え表示させる。そのため、例えばトップ画面G1,G2において、「料理集」なるテキスト表示体D4を含むタブ表示部B4上のタッチパネル64をタッチし、図示しない「料理集」のトップ画面を利用して、メニュー記憶部92に記憶する全てのメニューの中から、一つのメニューをわざわざ選択しなくても、頻繁に利用すると想定される特定のメニューの料理名が、電源を入れた直後のトップ画面G1で自動的に表示されるので、このトップ画面G1を利用して操作手段7を操作すれば、特定のメニューを選択したメニューとしたメニュー画面G6に切り換わり、そこから「お気に入り登録」なるテキスト表示体D50を含むボタン表示部B50を利用して、お気に入りメニューへの登録を容易に行なうことが可能になる。
以上のように、本実施形態の加熱調理器としてオーブンレンジは、被調理物Sを加熱する加熱手段としての上ヒータ18や、マイクロ波発生装置19や、熱風ユニット24や、蒸気発生装置33と、加熱調理に関する情報を表示する表示手段6と、使用者の操作により操作信号を出力する操作手段7と、前記加熱手段による被調理物Sへの加熱調理を制御する制御手段71と、を備えている。そして、特に制御手段71は、異なる手順で加熱調理を実行するために、予め複数のメニューが記憶されたメニュー記憶部95と、操作手段7からの操作信号を受けて、メニュー記憶部95に記憶された複数のメニューの中から一つのメニューを選択すると、図17で示したように、その選択したメニューの料理名を示すテキスト表示体D47と、加熱調理を実行する操作に移るためのアイコン表示体D52と、選択したメニューをお気に入りメニューとして登録するためのテキスト表示体D50を含むボタン表示部B50とを一緒に含み、選択したメニューの料理を示す写真などの表示体は含まないメニュー画面G6を、第1画面として表示手段6の液晶パネル61に表示させる第1表示制御部92Bと、メニュー画面G6を液晶パネル61に表示させた状態で、操作手段7からの操作信号を受けて、選択したメニューをお気に入りメニューとして登録するお気に入りメニュー管理部94と、このお気に入りメニュー登録部94により登録された各々のお気に入りメニューに対応して、そのお気に入りメニューの料理名を示すテキスト表示体D35と、お気に入りメニューの料理を示す画像表示体D36とを一緒に含むリスト形式の第2画面として、お気に入り選択画面G4を液晶パネル61に表示させる第2表示制御部92Cと、を有している。
この場合、メニュー記憶部95に記憶された複数のメニューの中から一つのメニューを選択した状態では、その選択したメニューの料理を示す表示体(例えば、画像表示体D36)が、液晶パネル61に表示されるメニュー画面G6に含まれていない。そのため、液晶パネル61の限られた表示領域内に、選択したメニューの料理名を示すテキスト表示体D47や、加熱調理を実行する操作に移るためのアイコン表示体D52や、選択したメニューをお気に入りメニューとして登録するためのテキスト表示体D50を効果的に表示できる。またメニュー画面G6を利用して、使用者が選択したメニューをお気に入りメニューとして登録した後に、別のお気に入り選択画面G4を液晶パネル61に表示させると、今度は登録された各々のお気に入りメニューに対応して、そのお気に入りメニューの料理名だけでなく料理の画像も一緒に表示されるので、複数のメニューの中からお気に入りメニューを正しく容易に登録することが可能となる。
また、本実施形態の制御手段71は、扉3を開いて電源を投入すると、メニュー記憶部95に記憶された複数のメニューの中から、特定のメニューの料理名を示すテキスト表示体D10〜D12を含む初期画面として、「毎日1」のトップ画面G1を表示パネル61に表示させる初期表示制御部92Aをさらに有し、トップ画面G1を液晶パネル61に表示させた状態で、操作手段7からの操作信号を受けて、特定のメニューを選択したメニューとして、トップ画面G1からメニュー画面G6に液晶パネル61の表示を切り換えるように第1表示制御部92Bを構成している。
つまり、メニュー記憶部92の中から一つのメニューをわざわざ選択しなくても、頻繁に利用すると想定される特定のメニューの料理名が、電源を入れた直後のトップ画面G1で自動的に表示されるので、このトップ画面G1を利用して操作手段7を操作すれば、特定のメニューを選択したメニューとしたメニュー画面G6に切り換わり、そこからお気に入りメニューへの登録を容易に行なうことが可能となる。
また、本実施形態の第1表示制御部92Bは、操作手段7で選択したメニューについて、設定した仕上がり状態を示すテキスト表示体D48と、仕上がり状態の設定を変更するためのテキスト表示体D49を含むボタン表示部B49とをさらに含んだメニュー画面G6を液晶パネル61に表示させるように構成されており、制御手段71は、お気に入りメニュー管理部94が選択したメニューをお気に入りメニューとして登録したときに、設定した仕上がり状態を記憶させないように構成している。
仕上がり状態の異なる同じメニューを、お気に入りメニューとしてそれぞれ登録できるようにすると、お気に入りメニューの登録内容が煩雑なものとなってしまう。そこで、液晶パネル61にメニュー画面G6を表示させた状態で、お気に入りメニュー管理部94が選択したメニューをお気に入りメニューとして登録するときには仕上がり状態を記憶せず、その後で図15に示すお気に入り選択画面G4から、特定のお気に入りメニューを選択して、図17に示すメニュー画面G6を利用して加熱調理を行なうときに、例えば標準の仕上がり状態をデフォルトとして、そこから仕上がり状態の設定を変更できるようにすれば、お気に入りメニューの登録は利用者が選択可能なメニューにのみ依存したものとなり、その使い勝手を著しく向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば本実施形態では、扉3を開けたときに電源が投入される構成となっているが、特定の操作手段6を操作した場合に電源が投入される構成であってもよい。