JP6534937B2 - 可燃性ガス検出装置 - Google Patents

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本発明は、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスの濃度を検出する可燃性ガス検出装置に関する。
近年、環境保護および自然保護などの社会的要求から、高い効率を有し且つ環境への負荷が少ないエネルギー源として、燃料電池の研究が活発に行われている。燃料電池の中で、固体高分子型燃料電池が、作動温度が低く出力密度が高いなどの利点により、家庭用のエネルギー源または車載用のエネルギー源として着目されている。固体高分子型燃料電池は水素を燃料として用いているため、水素漏れを検出するガス検出装置が必要になる。
従来、互いに異なる温度に制御される2つの発熱抵抗体の各端子間電圧に基づいて、被検出雰囲気中に存在する可燃性ガスの濃度を検出する可燃性ガス検出装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような可燃性ガス検出装置では、1つの発熱抵抗体の端子間電圧に基づいて、可燃性ガスのガス濃度を演算するとともに、互いに異なる温度に制御される2つの発熱抵抗体の各端子間電圧に基づいて、被検出雰囲気の湿度を演算する。そして、この可燃性ガス検出装置は、演算された湿度を用いて、演算されたガス濃度を補正し、この補正値を、検出結果として採用していた。
特開2008−180542号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、被検出雰囲気の湿度を演算し、さらに、演算された湿度を用いてガス濃度を補正するという処理を行うために、可燃性ガスの濃度を検出するための演算処理負荷が大きいという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、可燃性ガスの濃度を検出するための演算処理負荷を低減することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の可燃性ガス検出装置は、発熱抵抗体と、出力検出部と、温度取得部と、第1記憶部と、第2記憶部と、基準算出部と、第1濃度算出部と、記憶実行部と、第2濃度算出部と、第2ガス濃度出力部とを備える。
発熱抵抗体は、被検出雰囲気内に配置されて、可燃性ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する。
出力検出部は、発熱抵抗体が予め設定された設定温度に対応する抵抗値となるように発熱抵抗体に通電して、可燃性ガスへの熱伝導による発熱抵抗体の抵抗値の変化に対応した出力値を検出する。
温度取得部は、被検出雰囲気の温度を示す温度情報を取得する。
第1記憶部は、可燃性ガスの濃度が0であり、且つ、湿度が予め設定された一定値になっている安定環境における出力値を基準出力値として、基準出力値と温度情報との相関関係を示す基準出力値換算データを記憶する。なお、「可燃性ガスの濃度が0」とは、可燃性ガス検出装置による検出限界より小さい濃度であることをいう。
第2記憶部は、出力値から基準出力値を減算した減算値と、可燃性ガスの濃度との相関関係を示す濃度換算データを記憶する。
基準算出部は、温度取得部により取得された温度情報と、基準出力値換算データとに基づいて、被検出雰囲気の温度に対応した基準出力値を算出する。
第1濃度算出部は、出力検出部により検出された出力値と、基準算出部により算出された基準出力値と、濃度換算データとに基づいて、可燃性ガスの濃度を算出する。
記憶実行部は、第1濃度算出部により算出された可燃性ガスの濃度を第1算出ガス濃度として、可燃性ガスの濃度が0であるときの第1算出ガス濃度であることを示す予め設定された基準判定条件が成立すると、基準判定条件の判定対象となった第1算出ガス濃度を基準濃度として記憶する基準濃度記憶処理を実行する。
第2濃度算出部は、第1濃度算出部より算出された第1算出ガス濃度から、記憶実行部により記憶された基準濃度を減算した減算値を、第2算出ガス濃度として算出する。
第2ガス濃度出力部は、第2濃度算出部により算出された第2算出ガス濃度を示す第2ガス濃度情報を出力する。
このように構成された本発明の可燃性ガス検出装置は、被検出雰囲気の湿度を演算することなく可燃性ガスの濃度を検出することができ、可燃性ガスの濃度を検出するための演算処理負荷を低減することができる。
なお、上記の第1算出ガス濃度は、可燃性ガスの濃度が0であり且つ湿度が予め設定された一定値になっている安定環境における出力値を基準として算出されたものである。一方、上記の基準判定条件が成立したときの第1算出ガス濃度は、可燃性ガスの濃度が0であり且つ湿度が上記の一定値であるとは限らない環境において算出された可燃性ガスの濃度(つまり、湿度の影響によって誤差として算出された水素ガスの濃度)とみなせる。すなわち、被検出雰囲気において、安定環境の湿度と、基準判定条件が成立したときの湿度とが相違する場合に、基準判定条件が成立したときの第1算出ガス濃度が0でない値となる。
そして、本発明の可燃性ガス検出装置では、基準判定条件が成立したときの第1算出ガス濃度を基準として、可燃性ガスの濃度を算出する。より詳細には、基準判定条件が成立したときの第1算出ガス濃度を基準濃度として記憶し、以降に第1濃度算出部にて算出される第1算出ガス濃度と記憶された基準濃度との変化量(減算値)に基づいて、可燃性ガスの濃度を算出する。すなわち、本発明の可燃性ガス検出装置では、基準判定条件が成立したときの湿度と、その後の湿度とが大きく相違しないと見なすことにより、被検出雰囲気の湿度の演算を省略している。
また本発明の可燃性ガス検出装置では、第2ガス濃度出力部は、更に、第1濃度算出部により算出された第1算出ガス濃度を示す第1ガス濃度情報を出力するようにしてもよい。
これにより、本発明の可燃性ガス検出装置は、本発明の可燃性ガス検出装置の検出結果を取得する装置に対して、第2ガス濃度情報だけではなく第1ガス濃度情報も提供することができる。このため、本発明の可燃性ガス検出装置の検出結果を取得する装置は、第2ガス濃度情報が異常であると判断した場合に、第1ガス濃度情報を利用することが可能となり、本発明の可燃性ガス検出装置からの検出結果を全く利用できなくなるという事態の発生を抑制することができる。
また本発明の可燃性ガス検出装置は、第1ガス濃度出力部と、出力禁止部とを備えるようにしてもよい。第1ガス濃度出力部は、第1濃度算出部により算出された第1算出ガス濃度を示す第1ガス濃度情報を出力する。出力禁止部は、第2ガス濃度出力部が第2ガス濃度情報を出力する場合には、第1ガス濃度出力部による第1ガス濃度情報の出力を禁止する。
これにより、本発明の可燃性ガス検出装置は、第1ガス濃度情報および第2ガス濃度情報の何れか一方を出力するため、可燃性ガスの濃度を示す情報を出力するための処理負荷を低減することができる。
また本発明の可燃性ガス検出装置は、異常判断部と、再記憶実行部とを更に備えるようにしてもよい。異常判断部は、第2濃度算出部による算出結果が異常であるか否かを判断する。再記憶実行部は、第2濃度算出部による算出結果が異常であると異常判断部が判断した場合に、再度、記憶実行部に基準濃度記憶処理を実行させる。
これにより、本発明の可燃性ガス検出装置は、基準判定条件が成立したときに記憶された基準濃度に起因して可燃性ガスの濃度を示す情報が異常となる状況が継続してしまう事態の発生を抑制することができる。
可燃性ガス検出装置1の構成を示す回路図である。 ガス検出素子2の平面図である。 ガス検出素子2の断面図である。 濃度演算処理を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
本発明が適用された実施形態の可燃性ガス検出装置1は、熱伝導式のガス検出器であり、被検出雰囲気内(例えば、燃料電池自動車の客室内)に設置されて、水素の漏れを検出する目的等に用いられる。なお、被検出雰囲気とは、可燃性ガス検出装置1の検出対象となるガス雰囲気をいう。
可燃性ガス検出装置1は、図1に示すように、ガス検出素子2、制御部3、演算部4および直流電源5を備える。
ガス検出素子2は、水素ガスの濃度を検出する。制御部3は、ガス検出素子2の動作を制御する。演算部4は、ガス検出素子2からの出力信号に基づいて水素ガス濃度を算出する処理を実行する。直流電源5は、制御部3と演算部4に電力を供給する。
ガス検出素子2は、図2に示すように、基部11と、発熱抵抗体12と、電極13,14と、配線15,16とを備える。
基部11は、ガス検出素子2の本体を構成するものであり、主にシリコンを材料として矩形板状に形成された部材である。基部11は、縦横ともに数mm程度の大きさ(本実施形態では、3mm×3mm程度の大きさ)に形成されている。
基部11は、図3に示すように、シリコン基板21と、シリコン基板21の表面に形成された絶縁層22とを備える。絶縁層22は、例えば二酸化ケイ素(SiO)および窒化珪素(Si)等の絶縁性材料で形成されている。
シリコン基板21の中央には、平面視において正方形状に形成されてシリコン基板21を貫通する空洞部23が形成される。これにより基部11は、シリコン基板21を枠体とし絶縁層22を薄膜としたダイヤフラム構造を有する。
発熱抵抗体12は、自身の温度変化により抵抗値が変化するとともに温度抵抗係数が大きい導電性材料(本実施形態では白金(Pt))で線状に形成されている。そして、線状の発熱抵抗体12は、絶縁層22のうち空洞部23と対向する領域の内部に、渦巻き状に埋め込まれている(図2参照)。
電極13,14は、例えばアルミニウム(Al)または金(Au)で形成され、基部11の表面に設置される。図2に示すように、電極13および電極14はそれぞれ、配線15,16を介して、線状の発熱抵抗体12の一端および他端に接続される。
また、絶縁層22の内部には測温抵抗体17が設けられている。測温抵抗体17は、電気抵抗が温度に比例して変化する導電性材料で線状に形成されている。この測温抵抗体17は、絶縁層22の内部に、蛇行状に埋め込まれている(図2参照)。本実施形態では、測温抵抗体17は、温度の上昇に伴って抵抗値が増大する導電性材料(本実施形態では白金(Pt))で形成されている。
さらに基部11の表面には、電極18,19が設置される。電極18および電極19はそれぞれ、線状に形成された測温抵抗体17における長手方向の一端および他端に接続される。
制御部3は、図1に示すように、通電制御回路31と、温度検出回路32とを備える。
通電制御回路31は、発熱抵抗体12の温度を一定に保つ回路であり、ブリッジ回路41と増幅回路42と電流調整回路43とを備える。
ブリッジ回路41は、発熱抵抗体12と、固定抵抗51,52,53とを備えるホイートストンブリッジ回路である。
発熱抵抗体12は、一端が固定抵抗52に接続され、他端が固定抵抗51に接続されている。以下、発熱抵抗体12と固定抵抗52との接続点を接続点P1+という。また、発熱抵抗体12と固定抵抗51との接続点を接続点PGという。接続点PGは接地される。
固定抵抗51は、発熱抵抗体12に接続されていない側の端部が固定抵抗53に接続される。以下、固定抵抗51と固定抵抗53との接続点を接続点P1−という。
固定抵抗52は、発熱抵抗体12に接続されていない側の端部が、固定抵抗53において固定抵抗51に接続されていない側の端部と接続される。以下、固定抵抗52と固定抵抗53との接続点を接続点PVという。
そしてブリッジ回路41は、接続点P1+と接続点P1−との間に生ずる電位差がゼロになるように、電流調整回路43から制御電圧が印加される。これにより、発熱抵抗体12の抵抗値、つまり、発熱抵抗体12の温度が一定になるように制御される。
なお固定抵抗51は、発熱抵抗体12が設定温度(例えば、400℃)になるように制御される抵抗値を有する。
増幅回路42は、差動増幅回路であって、演算増幅器81と、固定抵抗82,83,84と、コンデンサ85とを備える。
固定抵抗82は、演算増幅器81の非反転入力端子と接続点P1+との間に接続される。固定抵抗83は、演算増幅器81の反転入力端子と接続点P1−との間に接続される。固定抵抗84およびコンデンサ85は、演算増幅器81の反転入力端子と出力端子との間に並列接続される。
非反転入力端子の入力電圧が反転入力端子の入力電圧より大きい場合には、増幅回路42が出力する調整信号Cの値が大きくなる。一方、非反転入力端子の入力電圧が反転入力端子の入力電圧より小さい場合には、調整信号Cの値が小さくなる。
電流調整回路43は、PNP型のトランジスタであり、エミッタ、コレクタおよびベースを有する。電流調整回路43のエミッタは、直流電源Vccを供給する電源ラインに接続される。電流調整回路43のコレクタは、接続点PVに接続される。電流調整回路43のベースは、演算増幅器81の出力端子に接続される。
このため、調整信号Cの値が大きくなると、電流調整回路43を構成するトランジスタのオン抵抗が大きくなり、電流調整回路43を介して直流電源Vccからブリッジ回路41へ流れる電流が減少する。一方、調整信号Cの値が小さくなると、オン抵抗が小さくなり、直流電源Vccからブリッジ回路41へ流れる電流が増大する。
このように構成された通電制御回路31では、直流電源5からブリッジ回路41への通電が開始されると、増幅回路42および電流調整回路43は、接続点P1+と接続点P1−との間に生じる電位差がゼロになるようにブリッジ回路41に流れる電流を調整するフィードバック制御を行う。これにより、発熱抵抗体12の抵抗値、すなわち発熱抵抗体12の温度が、固定抵抗51によって決まる一定値に制御される。
具体的には、被検出雰囲気中の可燃性ガスの濃度が変化することにより、発熱抵抗体12から可燃性ガスに奪われる熱量が、発熱抵抗体12において発生する熱量より大きくなった場合には、発熱抵抗体12の温度が低下して、発熱抵抗体12の抵抗値が減少する。逆に、発熱抵抗体12から可燃性ガスに奪われる熱量が、発熱抵抗体12において発生する熱量より小さくなった場合には、発熱抵抗体12の温度が上昇して、発熱抵抗体12の抵抗値が増大する。
上述のように発熱抵抗体12の抵抗値が減少すると、増幅回路42および電流調整回路43は、ブリッジ回路41に流れる電流、言い換えると、発熱抵抗体12において発生する熱量を増大させる。逆に、発熱抵抗体12の抵抗値が増大すると、ブリッジ回路41に流れる電流、言い換えると、発熱抵抗体12において発生する熱量を減少させる。このようにして、増幅回路42および電流調整回路43は、発熱抵抗体12の抵抗値、言い換えると発熱抵抗体12の温度を一定の値に近づけるフィードバック制御を行う。
そして、接続点P1+の電圧を測定することにより、発熱抵抗体12に流れる電流の大きさを検出することができる。この電流の大きさは、発熱抵抗体12の温度(言い換えると抵抗値)を一定に保つために必要な熱量、つまり、発熱抵抗体12から可燃性ガスへ奪われる熱量に対応する。そして、発熱抵抗体12から可燃性ガスへ奪われる熱量は、可燃性ガスの濃度に依存する。このため、接続点P1+の電圧を測定することにより、可燃性ガスの濃度を検出することができる。
なお、発熱抵抗体12が設定温度(本実施形態では、400℃)になるように制御されている場合における接続点P1+の電圧を発熱抵抗体電圧Vhという。
次に温度検出回路32は、ブリッジ回路91と増幅回路92とを備える。
ブリッジ回路91は、測温抵抗体17と、固定抵抗101,102,103とを備えるホイートストンブリッジ回路である。
測温抵抗体17は、一端が固定抵抗103に接続され、他端が接地される。以下、測温抵抗体17と固定抵抗103との接続点を接続点P2−という。
固定抵抗101は、一端が固定抵抗102に接続され、他端が接地される。以下、固定抵抗101と固定抵抗102との接続点を接続点P2+という。
固定抵抗102は、固定抵抗101に接続されていない側の端部が、直流電源Vccを供給する電源ラインに接続される。
固定抵抗103は、測温抵抗体17に接続されていない側の端部が、直流電源Vccを供給する電源ラインに接続される。
増幅回路92は、差動増幅回路であって、演算増幅器111と、固定抵抗112,113,114と、コンデンサ115とを備える。
固定抵抗112は、演算増幅器111の非反転入力端子と接続点P2+との間に接続される。固定抵抗113は、演算増幅器111の反転入力端子と接続点P2−との間に接続される。固定抵抗114およびコンデンサ115は、演算増幅器111の反転入力端子と出力端子との間に並列接続される。
そして増幅回路92は、接続点P2+と接続点P2−との電圧差を増幅して増幅電圧差Vtを演算部4へ出力する。以下、増幅電圧差Vtを測温抵抗体電圧Vtという。
演算部4は、CPU131、ROM132、RAM133および信号入出力部134等を有する周知のマイクロコンピュータを備えている。
演算部4のROM132は、基準電圧換算データ141と、濃度換算データ142を記憶する。基準電圧換算データ141は、基準電圧Vh0と測温抵抗体電圧Vtとの相関関係を示す。基準電圧Vh0は、予め設定された安定環境における発熱抵抗体電圧Vhの値であり、被検出雰囲気の温度の変化により値が変化する。安定環境とは、水素ガスの濃度が0であり、且つ、湿度が予め設定された一定値(本実施形態では、ほぼ0%)になっている環境である。なお、「水素ガスの濃度が0」とは、可燃性ガス検出装置1による検出限界より小さい濃度であることをいう。濃度換算データ142は、発熱抵抗体電圧Vhから基準電圧Vh0を減算した減算値と、水素ガス濃度との相関関係を示す。
演算部4は、直流電源5から給電が開始されると起動し、演算部4の各部を初期化した後に、後述する濃度演算処理を開始する。
次に、濃度演算処理の手順を説明する。
濃度演算処理が開始されると、演算部4の演算処理装置は、図4に示すように、まずS10にて、濃度演算処理で用いるフラグを初期化する。具体的には、演算部4のRAM133に設けられている移行禁止フラグと記憶フラグをクリアする。次にS20にて、発熱抵抗体12と測温抵抗体17に通電する制御を開始する。
そしてS30にて、通電制御回路31から発熱抵抗体電圧Vhを取得し、温度検出回路32から測温抵抗体電圧Vtを取得する。その後S40にて、S30で取得した測温抵抗体電圧Vtと、基準電圧換算データ141とに基づいて、測温抵抗体電圧Vtに対応する基準電圧Vh0を算出する。
さらにS50にて、S30で取得された発熱抵抗体電圧Vhから、S40で算出された基準電圧Vh0を減算した減算値を算出し、この減算値と濃度換算データ142とに基づいて、減算値に対応する水素ガス濃度を算出する。以下、S50で算出された水素ガス濃度をガス濃度Naという。
次にS60にて、S50で算出されたガス濃度Naが予め設定された移行判定濃度を超えているか否かを判断する。ここで、ガス濃度Naが移行判定濃度を超えている場合には、S70にて、演算部4のRAM133に設けられている移行禁止カウンタをインクリメント(1加算)する。そして、S80にて、移行禁止カウンタの値が予め設定された禁止判定回数(本実施形態では、例えば5回)と一致しているか否かを判断する。ここで、移行禁止カウンタの値が禁止判定回数と一致していない場合には、S100に移行する。一方、移行禁止カウンタの値が禁止判定回数と一致している場合には、S90にて、移行禁止フラグをセットし、S100に移行する。そしてS100に移行すると、S50で算出されたガス濃度Naを示す情報を、演算部4の信号入出力部134から出力し、S30に移行する。
またS60にて、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合には、S110にて、移行禁止フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、移行禁止フラグがセットされている場合には、S100に移行する。一方、移行禁止フラグがセットされていない場合には、S120にて、記憶フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、記憶フラグがセットされている場合には、S150に移行する。
一方、記憶フラグがセットされていない場合には、S130にて、記憶フラグをセットする。そしてS140にて、S50で算出された最新のガス濃度Naを基準濃度NaCとして演算部4のRAM133に記憶し、S150に移行する。
そしてS150に移行すると、S50で出されたガス濃度Naから、RAM133に記憶されている基準濃度NaCを減算した減算値をガス濃度Nbとして算出する。さらにS160にて、S150で算出されたガス濃度Nbが0未満であるか否かを判断する。ここで、ガス濃度Nbが0以上である場合には、S190に移行する。一方、ガス濃度Nbが0未満である場合には、S170にて、記憶フラグをクリアする。さらにS180にて、ガス濃度Nbを0に設定し、S190に移行する。
そしてS190に移行すると、S150で算出したガス濃度Nbを示す情報、またはS180で設定されたガス濃度Nbを示す情報を、演算部4の信号入出力部134から出力し、S30に移行する。
このように構成された可燃性ガス検出装置1は、発熱抵抗体12と、通電制御回路31と、ROM132とを備える。
発熱抵抗体12は、被検出雰囲気内に配置されて、水素ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する。
通電制御回路31は、発熱抵抗体12が予め設定された設定温度に対応する抵抗値となるように発熱抵抗体12に通電して、水素ガスへの熱伝導による発熱抵抗体12の抵抗値の変化に対応した発熱抵抗体電圧Vhを検出する。
可燃性ガス検出装置1は、被検出雰囲気の温度を示す測温抵抗体電圧Vtを取得する。
ROM132は、水素ガスの濃度が0であり、且つ、湿度が予め設定された一定値になっている安定環境における発熱抵抗体電圧Vhを基準電圧Vh0として、基準電圧Vh0と測温抵抗体電圧Vtとの相関関係を示す基準電圧換算データ141を記憶する。
ROM132は、発熱抵抗体電圧Vhから基準電圧Vh0を減算した減算値と、水素ガスの濃度との相関関係を示す濃度換算データ142を記憶する。
可燃性ガス検出装置1は、取得された測温抵抗体電圧Vtと、基準電圧換算データ141とに基づいて、被検出雰囲気の温度に対応した基準電圧Vh0を算出する。
可燃性ガス検出装置1は、検出された発熱抵抗体電圧Vhと、算出された基準電圧Vh0と、濃度換算データ142とに基づいて、水素ガスの濃度を算出する。
可燃性ガス検出装置1は、算出された水素ガスの濃度をガス濃度Naとして、ガス濃度Naが予め設定された移行判定濃度以下である場合に、このガス濃度Naを基準濃度NaCとしてRAM133に記憶する処理(以下、基準濃度記憶処理)を実行する。
可燃性ガス検出装置1は、算出されたガス濃度Naから、記憶された基準濃度NaCを減算した減算値を、ガス濃度Nbとして算出する。
可燃性ガス検出装置1は、算出されたガス濃度Nbを示す情報を出力する。
このように構成された可燃性ガス検出装置1は、被検出雰囲気の湿度を演算することなく水素ガスの濃度を検出することができ、水素ガスの濃度を検出するための演算処理負荷を低減することができる。
なお、ガス濃度Naは、水素ガスの濃度が0であり且つ湿度が予め設定された一定値になっている安定環境における基準電圧Vh0を基準として算出されたものである。一方、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合のガス濃度Naは、水素ガスの濃度が0であり且つ湿度が上記の一定値であるとは限らない環境において算出された水素ガスの濃度(つまり、湿度の影響によって誤差として算出された水素ガスの濃度)とみなせる。すなわち、被検出雰囲気において、安定環境の湿度と、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合の湿度とが相違する場合に、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合のガス濃度Naが0でない値となる。
そして、可燃性ガス検出装置1では、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合のガス濃度Naを基準として、水素ガスの濃度を算出する。すなわち、可燃性ガス検出装置1では、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合の湿度と、その後の湿度とが大きく相違しないと見なすことにより、被検出雰囲気の湿度の演算を省略している。
また可燃性ガス検出装置1は、算出されたガス濃度Naを示す情報を出力する。そして可燃性ガス検出装置1は、ガス濃度Nbを示す情報を出力する場合には、ガス濃度Naを示す情報の出力を禁止する。これにより、可燃性ガス検出装置1は、ガス濃度Naを示す情報およびガス濃度Nbを示す情報の何れか一方を出力するため、水素ガスの濃度を示す情報を出力するための処理負荷を低減することができる。
また可燃性ガス検出装置1は、ガス濃度Nbが0未満であるか否かを判断する。そして可燃性ガス検出装置1は、ガス濃度Nbが0未満であると判断した場合に、再度、基準濃度記憶処理を実行する。これにより、可燃性ガス検出装置1は、ガス濃度Naが移行判定濃度以下である場合に記憶された基準濃度NaCに起因して水素ガスの濃度を示す情報が異常となる状況が継続してしまう事態の発生を抑制することができる。
以上説明した実施形態において、通電制御回路31は本発明における出力検出部、S30の処理は本発明における温度取得部、ROM132は本発明における第1記憶部および第2記憶部、S40の処理は本発明における基準算出部である。
また、S50の処理は本発明における第1濃度算出部、S140の処理は本発明における記憶実行部、S150の処理は本発明における第2濃度算出部、S190の処理は本発明における第2ガス濃度出力部である。
また、水素ガスは本発明における可燃性ガス、発熱抵抗体電圧Vhは本発明における出力値、測温抵抗体電圧Vtは本発明における温度情報、基準電圧Vh0は本発明における基準出力値、基準電圧換算データ141は本発明における基準出力値換算データである。
また、ガス濃度Naは本発明における第1算出ガス濃度、S60の判断条件は本発明における基準判定条件、基準濃度NaCは本発明における基準濃度、ガス濃度Nbは本発明における第2算出ガス濃度である。
また、S100の処理は本発明における第1ガス濃度出力部、S60の処理は本発明における出力禁止部、S160の処理は本発明における異常判断部、S120,S170の処理は本発明における再記憶実行部である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態では、S190の処理において、ガス濃度Nbを示す情報を出力するものを示したが、S190の処理において、ガス濃度Naを示す情報とガス濃度Nbを示す情報の両方を出力するようにしてもよい。これにより、可燃性ガス検出装置1は、可燃性ガス検出装置1の検出結果を取得する装置(以下、出力先装置)に対して、ガス濃度Nbを示す情報だけではなくガス濃度Naを示す情報も提供することができる。このため、出力先装置は、ガス濃度Nbが異常であると判断した場合に、ガス濃度Naを利用することが可能となり、可燃性ガス検出装置1からの検出結果を全く利用できなくなるという事態の発生を抑制することができる。また、可燃性ガス検出装置1によれば、ガス濃度Naを示す情報とガス濃度Nbを示す情報の両方を出力する構成を採りつつ、ガス濃度Naが移行判定濃度より大きいと判定した場合にガス濃度Naを出力する構成を採っていることで、ガス濃度Nbを算出して出力する前に、ガス濃度Naを基にした濃度情報を外部に速やかに報せることが可能となる。
1…可燃性ガス検出装置、2…ガス検出素子、3…制御部、4…演算部、12…発熱抵抗体、17…測温抵抗体、31…通電制御回路、32…温度検出回路、131…CPU、132…ROM、133…RAM、134…信号入出力部、141…基準電圧換算データ、142…濃度換算データ

Claims (4)

  1. 被検出雰囲気内に配置されて、可燃性ガスへの熱伝導によって自身の温度が変化するとともに自身の抵抗値が変化する発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体が予め設定された設定温度に対応する抵抗値となるように前記発熱抵抗体に通電して、前記可燃性ガスへの熱伝導による前記発熱抵抗体の抵抗値の変化に対応した出力値を検出する出力検出部と、
    前記被検出雰囲気の温度を示す温度情報を取得する温度取得部と、
    前記可燃性ガスの濃度が0であり、且つ、湿度が予め設定された一定値になっている安定環境における前記出力値を基準出力値として、前記基準出力値と前記温度情報との相関関係を示す基準出力値換算データを記憶する第1記憶部と、
    前記出力値から前記基準出力値を減算した減算値と、前記可燃性ガスの濃度との相関関係を示す濃度換算データを記憶する第2記憶部と、
    前記温度取得部により取得された前記温度情報と、前記基準出力値換算データとに基づいて、前記被検出雰囲気の温度に対応した前記基準出力値を算出する基準算出部と、
    前記出力検出部により検出された前記出力値と、前記基準算出部により算出された前記基準出力値と、前記濃度換算データとに基づいて、前記可燃性ガスの濃度を算出する第1濃度算出部と、
    前記第1濃度算出部により算出された前記可燃性ガスの濃度を第1算出ガス濃度として、前記可燃性ガスの濃度が0であるときの前記第1算出ガス濃度であることを示す予め設定された基準判定条件が成立すると、前記基準判定条件の判定対象となった前記第1算出ガス濃度を基準濃度として記憶する基準濃度記憶処理を実行する記憶実行部と、
    前記第1濃度算出部より算出された第1算出ガス濃度から、前記記憶実行部により記憶された前記基準濃度を減算した減算値を、第2算出ガス濃度として算出する第2濃度算出部と、
    前記第2濃度算出部により算出された前記第2算出ガス濃度を示す第2ガス濃度情報を出力する第2ガス濃度出力部と
    を備える可燃性ガス検出装置。
  2. 前記第2ガス濃度出力部は、更に、前記第1濃度算出部により算出された前記第1算出ガス濃度を示す第1ガス濃度情報を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の可燃性ガス検出装置。
  3. 前記第1濃度算出部により算出された前記第1算出ガス濃度を示す第1ガス濃度情報を出力する第1ガス濃度出力部と、
    前記第2ガス濃度出力部が前記第2ガス濃度情報を出力する場合には、前記第1ガス濃度出力部による前記第1ガス濃度情報の出力を禁止する出力禁止部と
    を備える請求項1に記載の可燃性ガス検出装置。
  4. 前記第2濃度算出部による算出結果が異常であるか否かを判断する異常判断部と、
    前記第2濃度算出部による算出結果が異常であると前記異常判断部が判断した場合に、再度、前記記憶実行部に前記基準濃度記憶処理を実行させる再記憶実行部と
    を更に備える請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の可燃性ガス検出装置。
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