JP6534015B2 - 燃料電池のためのセパレータおよびセル・スタック - Google Patents

燃料電池のためのセパレータおよびセル・スタック Download PDF

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Description

この発明は燃料電池の構成部材としてのセパレータおよび該セパレータを含む構成部材を組合せたセル・スタックに関する。
第35図に従来の高分子形燃料電池(PEFC)の単セル基本構成を示す。
単セル90は,膜電極接合体(MEA)91の両側にリブ付セパレータ(RS)98を押着して構成される。膜電極接合体(MEA)91は電解質膜92(PEM)の両面にアノード93,カソード94それぞれを,圧着またはホットプレスで整形一体化したものである。アノード93およびカソード94はそれぞれ触媒層(CL)95,多孔質層(MPL)96およびガス拡散層(GDL)97からなる。単セルの出力電圧が理論的に最大でも1.2Vであるので,単セルを積層して高出力電圧を得る。
セパレータ98は,隣接する単セルの+極(カソード),−極(アノード)の電気的接合の機能と,セパレータ表面に設けられたガス流路から両極にそれぞれカソード・ガス(空気,酸素),アノード・ガス(燃料,水素)を供給する役割を担う。
ガス拡散層(GDL)97は,通常,フッ素樹脂(PTFE)等で部分撥水化処理を施したカーボンペーパやカーボン繊維不織布,織布などで構成される。多孔質層(MPL)96は,通常,適度に撥水化(または浸水化)と細孔径制御された炭素微粒子からなる多孔質層で,均一厚触媒層形成と触媒反応層への反応ガス供給または触媒反応生成物(生成水)の円滑な物質移動を行わせる機能を果たす。また,触媒層(CL)95は白金ナノ粒子を炭素微粒子担体上に高分散担持した触媒(Pt/CB)を導電性イオノマー(Nafion等)をバインダーとして電解質(PEM)表面にコート,または多孔質膜(MPL)表面にコートされているものである。触媒自身の反応活性,特に酸素還元反応(ORR)活性と,これへの酸素,プロトン供給速度が電池性能決定の主要因子である。セパレータ98の流路からの反応ガス(水素,酸素)は,ガス拡散層(GDL)97,多孔質層(MPL)96を通って触媒層(CL)95に供給される。生成水はこの逆経路を通って排出される。
セパレータの一例としては,ガス不浸透化処理を施した黒鉛化炭素プレートに機械加工で流路を形成したものがある。しかし,この種のセパレータは性能的には導電性,耐食性,信頼性において優れるものの,コンパクト化が困難であり,燃料電池自動車(FCV)等の量販時に求められるコストの2桁程度高額となり,安価な代替品の開発が必須であった。
これまでに炭素材/樹脂複合材の熱/加圧成形品や表面耐食処理加工した金属成型品が提案されてきている。しかし,前者は薄膜化と機械的強度の両立が困難である。後者においてはステンレス材表面の酸化膜中への導電性突起物形成,貴金属メッキ,耐食金属クラッド化などの試みにも拘わらず,コンパクト性は満足できるものの,腐食耐性,コストなどの面から大きな課題が残されている。
いずれにしても,セパレータの表面には,第35図に示すように,溝状のガス流路が形成される。セパレータそれ自体が単なる金属平板であっても,その金属平板に,溝状のガス流路をもつガス流路形成体が接合されている(たとえば,特許文献1)。
特開2011−150801
このように,カソード・ガスまたはアノード・ガスを溝状のガス流路を通して供給する構造では,これらのガスが流路に沿って局在するので,触媒層や電解質膜に向けて均一に拡散させるためのガス拡散層などが欠かせない。炭素繊維素材等からなるガス拡散層は高コストの要因となっている。
この発明は,カソード・ガス,アノード・ガス,冷却水を含む流体の供給機能に加えて,これらの流体の拡散機能を備えたセパレータを提供することを目的とする。
この発明はさらに,前記流体をできるだけ均一に供給,拡散させることができる構造のセパレータを提供することを目的とする。
さらにこの発明は,カソードとして,アノードとして,もしくは冷却水供給用として,またはこれらの用途を兼ね備えた種々の形態のセパレータを提供するものである。
さらにこの発明は,上記の各種セパレータおよび他の構成要素を積層して形成される燃料電池セル・スタックを提供する。
第1の発明による燃料電池のためのセパレータは,金属板の少なくとも一面において,流体供給拡散層が多孔質層により形成され,前記流体供給拡散層には,その一部として,流体の供給側から排出側に向う方向に交叉する(斜めまたは垂直に交わる)方向にのびる均等化層(均等化部)が,少なくとも流体の供給側に形成されているものである。
セパレータそのものに多孔質層による流体供給拡散層が形成されているから,このセパレータによると,燃料電池で用いる各種流体(カソード・ガス,アノード・ガス,冷却水)を供給し,かつ流体供給拡散層の全面に拡散させることができる。また,流体供給拡散層には,その一部として,流体の供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのびる均等化層(均等化部)が,少なくとも流体の供給側に形成されているから,流体を流体供給拡散層の全面にほぼ均一に分布させることが可能であり,ガスの場合にはカソード側,アノード側に効率的に供給できるし,冷却水の場合には面方向にほぼ均一に冷却できる。一実施態様では均等化層も多孔質層であるから,当然に均等化層でも流体が拡散し,発電,集電や冷却に寄与する。
この発明の好ましい実施態様では,前記金属板の少なくとも一面の周囲が緻密枠,好ましくは電子導電性の緻密枠で囲まれ,前記緻密枠の内部の流体供給口(入口),排出口(出口)の部分を除く全面に前記流体供給拡散層が形成され,前記均等化層は緻密枠の全幅にわたってのびているものである。
流体供給拡散層の周囲が緻密枠で囲まれているから流体の漏洩を防止することができる。均等化層は緻密枠の全幅にわたって設けられているから,流体の圧力または流量の確実の均一化が可能となる。そして,流体供給拡散層は緻密枠内の全面(流体供給口,排出口を除く)に設けられているので,カソード,アノードの反応有効領域を全面的に利用でき,発電と集電に最大限に寄与するとともに,後述するようにセパレータや他の構成部材をスタックしたときに,溝などの空間がないので機械的強度を高く保つことができる。
この発明のさらに好ましい実施態様では,前記金属板の少なくとも一面(両面の方が一層好ましい)に耐食層が形成され,前記耐食層の上に前記流体供給拡散層が形成されている。これにより,金属板の耐食性が高まる。金属板に形成される流体供給孔,排出孔の内周面にも耐食層を形成しておくとよい。
この発明の実施態様では,流体供給拡散層および均等化層は導電性多孔質層である。さらに,金属板上の耐食層も,好ましくは上記緻密枠も導電性を持つ。このようにしてセパレータはその全面において集電能力(機能)を持つ。
流体供給拡散層は一実施態様では,導電材と高分子樹脂の混合物を含む構成であり,ホットプレス,好ましくはホット等方圧プレスで硬化される。均等化層も同じように導電材と高分子樹脂の混合物を含む構成であり,均等化層とそれ以外の部分では流体抵抗(一例としては気孔率)が異なる。耐食層,および好ましくは上記緻密枠も導電材と高分子樹脂の混合物を含む構成であるが,流体の通過または透過を遮断するものである。
流体の種類に応じて,前記均等化層の流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗よりも小さいことが好ましい場合(たとえば,ガスの場合)と,前記均等化層の流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗よりも大きいことが好ましい場合(たとえば,冷却水の場合)がありうる。
さらに,均等化層の配置も流体の種類に応じて変えることが望ましい。たとえば,前記均等化層を,流体の供給口に連続する領域,流体の排出口に連続する領域,およびこれらの領域の間の領域に,互いに離れて設ける方が良い場合(たとえば,ガスの場合)と,前記均等化層を,流体の供給側において前記供給口から少し離れた領域(近傍領域),および流体の排出側において前記排出口から少し離れた領域(近傍領域)に設ける方が良い場合(たとえば,冷却水の場合)とがある。
この発明の他の実施態様では前記均等化層(均等化部)は前記流体供給拡散層内に形成された層状空間または溝である。この層状空間または溝はトンネルまたは下向き溝でもよい。さらに好ましくは,この均等化溝に,ガス供給溝またはガス排出溝が交叉して連続している。これらの溝は流体供給拡散層に比較的幅の狭い溝として形成される。
この発明によると,さまざまなタイプのセパレータを提供することができる。
一のタイプのセパレータでは,2種類の反応ガスの一方のための流体供給拡散層が前記金属板の一方の面に,前記反応ガスの他方のための流体供給拡散層が前記金属板の他方の面に,それぞれ形成されている。
他のタイプのセパレータでは,前記金属板の一面にのみ,反応ガスのための流体供給拡散層が形成されている。さらに他のタイプのセパレータでは,前記金属板の一面または両面に冷却水のための流体供給拡散層が形成されている。
さらに他のタイプのセパレータでは,前記金属板の一面に反応ガスのための流体供給拡散層が,他面に冷却水のための流体供給拡散層がそれぞれ形成されている。
この発明のさらに他の実施態様では,前記流体供給拡散層の前記均等化層以外の領域に,多孔質材からなる複数のリブが,流体供給側から流体排出側に向う流体流路を規定するように形成されている。リブもまた多孔質材により構成されるから,リブの部分でも流体の供給,拡散が行なわれる。この実施態様は特に冷却水用に有効である。上記リブそれ自体の流体抵抗は前記均等化層の多孔質層の流体抵抗よりも大きい。
リブの構造には種々の変形例がある。たとえば,複数のリブが波形に形成されている,隣接するリブの間隔または幅が,流体供給側から流体排出側に向って変化している,もしくは中央部から側方に向って変化している,などである。
セパレータの他のタイプのものとして,前記金属板の一面に反応ガスのための流体供給拡散層が,他面に冷却水の流路を規定するリブ構造体が形成されているものを挙げることができる。
第2の発明による燃料電池のためのセパレータは,金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,前記耐食層の上に流体供給拡散層が多孔質層により形成されているものである。
金属板に耐食層が形成されていることによりその耐食性が高まり,また多孔質層の流体供給拡散層が形成されていることにより,流体の供給と拡散を達成することができる。
好ましい実施態様では,金属板の少なくとも一面の周囲が緻密枠で囲まれ,前記緻密枠の内部の流体供給口(入口),排出口(出口)の部分を除く全面に前記流体供給拡散層が形成されている。緻密枠により流体の漏洩が防止され,流体供給拡散層が緻密枠内に全面的に(流体供給口,排出口は除く)形成されることにより,発電,集電効率が高まる。
望ましい実施態様では,前記流体供給拡散層には,その一部として,流体の供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのびる均等化層(均等化部)が,少なくとも流体の供給側に形成されている。均等化層の存在により,流体をほぼ均等に拡散させることができる。均等化層(均等化部)は前記流体供給拡散層内に形成された層状空間(空間層または溝)(前記流体供給拡散層の表面による壁によって囲まれた空間(少なくとも一面は開口していてもよい。))を含む概念である。層状空間はトンネルまたは下向き溝でもよい。
好ましくは,前記流体供給拡散層および均等化層は導電性多孔質層により形成される。さらに,耐食層と好ましくは緻密枠も導電性を持つ。
上述した第1の発明および第2の発明のセパレータにおいて,セパレータの流体供給拡散層表面に,さらに他の多孔質シートが接合されている。この他の多孔質シートは膜電極接合体において,電解質膜の両側の触媒層の外面に設けられる多孔質層の役割を持つものであることが好ましい。この場合には,膜電極接合体に多孔質層は必ずしも必要ではなくなる。
第3の発明による燃料電池における冷却水のためのセパレータは,金属板の少なくとも一面に導電性の耐食層が形成され,前記耐食層の周辺に緻密枠が形成され,前記緻密枠の内部の冷却水供給口および排出口の近傍においてそれぞれ均等化層が前記緻密枠の全幅にわたって形成され,前記均等化層の間に冷却水流路が,多孔質材のリブまたは層により形成されているものである。
前記多孔質材および緻密枠は導電性を有することが好ましい。
上述したすべての態様のセパレータは,次に述べるように,燃料電池のためのセル・スタックを構成するために用いることができる。
第4の発明による燃料電池のためのセル・スタックは,カソード・ガスおよびアノード・ガス用の少なくとも2種類のセパレータを含み,各セパレータは,金属板の少なくとも一面において,対応するガスのための流体供給拡散層が多孔質層により形成され,前記流体供給拡散層には,その一部として,流体の供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのびる均等化層(均等化部)が,少なくとも流体の供給側に形成されているものであり,前記少なくとも2つのセパレータはそれらの流体供給拡散層の間に,少なくとも電解質膜およびその両面の触媒層を挟んで対向するように積層されているものである。
上記の2種類のセパレータによって挟まれる膜電極接合体は電解質膜およびその両面に触媒層を有するものでよく(セパレータに上述した多孔質シートが設けられている場合),または触媒層の外側に多孔質層を持つものでよい。セパレータ自体が流体供給拡散層を有しているので,従来の高価なガス拡散層は必ずしも必要ない。これにより,より安価な燃料電池が提供できうるし,セル・スタック全体の厚さも薄くすることが可能となる。
第5の発明による燃料電池のためのセル・スタックは,カソード・ガスおよびアノード・ガス用の少なくとも2種類のセパレータを含み,各セパレータは,金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,前記耐食層上に,対応するガスのための流体供給拡散層が多孔質層により形成されているものであり,前記少なくとも2つのセパレータはそれらの流体供給拡散層の間に,少なくとも電解質膜およびその両面の触媒層を挟んで対向するように積層されているものである。このセル・スタックにおいても,従来の高価なガス拡散層の省略が可能である。
第5の発明のセル・スタックのセパレータにおいて,好ましくは,前記流体供給拡散層には,その一部として,ガスの供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのびる均等化層(均等化部)が,少なくともガスの供給側に形成されている。
第4,第5の発明のセル・スタックのセパレータにおいて,好ましくは,前記セパレータの流体供給拡散層表面に,さらに他の多孔質シートが接合される。
他の実施態様では,前記流体供給拡散層が緻密枠により囲まれる。
さらに他の実施態様では,前記流体供給拡散層および緻密枠が導電性を有する。
さらに他の実施態様では,金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,この耐食層上に多孔質材により冷却水の流路が形成されている冷却水用セパレータがさらに積層される。
第1図は,この発明の一実施例の燃料電池セル・スタックを概念的に示すもので,正面からみた図である。
第2図は,この発明の一実施例の燃料電池セル・スタックを概念的に示すもので,側面からみた図である。
第3図は,エンド・プレートの平面図である。
第4図は,第3図のIV−IV線に沿う断面図である。
第5図は,この発明の他の実施例の燃料電池セル・スタックを概念的に示すもので,正面からみた図である。
第6図は,タイプCAのセパレータの平面図である。
第7図は,第6図のVII−VII線に沿う拡大断面図である。
第8図は,第7図の一部をさらに拡大して示す断面図である。
第9図は,タイプAのセパレータの平面図である。
第10図は,第9図のX−X線に沿う拡大断面図である。
第11図は,タイプCのセパレータの第10図に相当する拡大断面図である。
第12図は,タイプAWのセパレータの平面図である。
第13図は,第12図のXIII−XIII線に沿う拡大断面図である。
第14図は,タイプAWのセパレータの変形例を示す平面図である。
第15図は,第14図のXV−XV線に沿う拡大断面図である。
第16図は,タイプCWのセパレータの第13図に相当する拡大断面図である。
第17図は,タイプWのセパレータの平面図である。
第18図は,第17図のXVIII−XVIII線に沿う拡大断面図である。
第19図は,タイプCのセパレータの変形例を示す平面図である。
第20図は,第19図のXX−XX線に沿う拡大断面図である。
第21図は,さらに変形例を示す第20図相当の拡大断面図である。
第22図は,さらに変形例を示す第20図相当の拡大断面図である。
第23図は,タイプCAのセパレータの変形例を示す平面図である。
第24図は,第23図のXXIV−XXIV線に沿う拡大断面図である。
第25図は,タイプCAのセパレータのさらに他の変形例を示す平面図である。
第26図は,第25図のXXVI−XXVI線に沿う拡大断面図である。
第27図は,第25図のXXVII−XXVII線に沿う拡大断面図である。
第28図は,タイプCAのセパレータのさらに他の変形例を示し,流体供給拡散層上にさらに他の多孔質シートが接合されているものを示す平面図である。
第29図は,第28図のXXIX−XXIX線に沿う拡大断面図である。
第30図は,タイプWAのセパレータのさらに他の変形例を示す平面図である。
第31図は,第30図のXXXI−XXXI線に沿う拡大断面図である。
第32図は,タイプWAのセパレータのさらに他の変形例を示す平面図である。
第33図は,第32図のXXXIII−XXXIII線に沿う拡大断面図である。
第34図は,この発明の実施例による新しいタイプの膜電極接合体を示す断面図である。
第35図は,従来の燃料電池の単セルの構成例を示す分解斜視図である。
以下,図面を参照してこの発明の実施例について詳細に説明する。燃料電池スタックを構成する各種セパレータや膜電極接合体(N−MEA),絶縁シート,集電板などはその厚さが百μm(または数百μm)オーダーから数mm(または十mm程度の)オーダーのものであり,これらの厚さを厳密に描くことは不可能であるので,各図において厚さをやや誇張して描いてある。また,金属平板(金属板)30に断面であることを示すハッチングを施す一方,流体供給拡散層などについてはハッチングを省略したり,薄膜,シート等は単に太い実線で描いてあるなど,図が煩雑になるのを避け,見易さ,分り易さを優先して表現している箇所もあることを,了解されたい。さらに,第1図,第2図,第5図においては,各種セパレータ21,22,23,24,26,膜電極接合体(N−MEA)81,集電板27A,27B,絶縁シート28A,28Bおよびエンド・プレート75,76が,分りやすくするために,離間して描かれているが,これらは,図示された配列の順に,相互に密に接合されているものである。
燃料電池スタック
第1図および第2図はこの発明における実施例の燃料電池セル・スタックを概念的に示すものである。燃料電池の単セルは,概念的には,電解質膜(高分子膜)(触媒層を含めてもよい)とこれを挟むカソード側構成要素およびアノード側構成要素とから構成される。第1図および第2図に示すセル・スタックでは,2つの単セル置きに冷却水の供給拡散層(Wで示す)が設けられている。
燃料電池スタック20は,積層された各種タイプのセパレータ21,22,23または24,およびそれらのカソード・ガス供給拡散層(Cで示す)とアノード・ガス供給拡散層(Aで示す)との間に挟まれた膜電極接合体(N−MEA)81から構成されている。
各種タイプのセパレータには次のものがある。
金属平板30の一面にカソード・ガス供給拡散層Cが形成され,他の面にアノード・ガス供給拡散層Aが形成されたもの。以下,これをタイプCAのセパレータ21という。
金属平板30の一面にのみアノード・ガス供給拡散層Aが形成されたもの。以下,これをタイプAのセパレータ22という。
金属平板30の一面にのみカソード・ガス供給拡散層Cが形成されたもの。以下,これをタイプCのセパレータ23という。
金属平板30の一面にアノード・ガス供給拡散層Aが形成され,他の面に冷却水の供給拡散層Wが形成されたもの。以下,これをタイプAWのセパレータ24という。
第1図,第2図,第5図には図示されていないが,金属平板30の一面にカソード・ガス供給拡散層Cが形成され,他の面に冷却水の供給拡散層Wが形成されたもの。以下,これをタイプCWのセパレータ25という。
さらに,金属平板の一面に冷却水の供給拡散層Wが形成されたセパレータもある。以下,これをタイプWのセパレータ26という(第5図参照)。金属平板の両面に冷却水の供給拡散層Wを形成してもよい。
これらの各種セパレータの構成の詳細については後述する。
この実施例の膜電極接合体(N−MEA)81は,第35図に示す従来の膜電極接合体91と異なり,第34図に示すように,電解質膜(PEM)82,その両側に密着する触媒層(CL)85,および触媒層85の外側にそれぞれ設けられる多孔質層(MPL)86から構成される。これは新しいタイプの膜電極接合体である。後に述べるようにセパレータに多孔質層86に相当する多孔質シート86Aが設けられた場合には,膜電極接合体(N−MEA)81から多孔質層86を省略することができる。
第1図,第2図から理解できるように,燃料電池セル・スタック20において,上述した各種セパレータ21〜24は,それらのカソード・ガス供給拡散層Cとアノード・ガス供給拡散層Aとが膜電極接合体(N−MEA)81を挟んで対向して単セルを構成し,これらの単セルがカソード側とアノード側が交互になるように配置され,単セル2つ置きに冷却水供給拡散層Wが設けられ,そして冷却水供給拡散層Wには金属平板30(好ましくはタイプAまたはCの金属平板30)が対向するように,各種セパレータ21〜24が組合されてスタックされ,それらの両端に集電板27A,27Bが配置され,さらにそれらの外側に絶縁シート28A,28Bを介在させてエンド・プレート75,76で両側から押圧されている。スタックの両端に位置し,集電板27A,27Bに接するセパレータについては,その金属平板30(耐食層)が外方を向くようにすることが好ましい。
2つのエンド・プレート75,76は,上述したセパレータ,膜電極接合体等をその面内で均一な力で押圧できるような構造となっている。すなわち,一方のエンド・プレート75について説明すると,第3図,第4図に示すように,このアノード側エンド・プレート75の表面は,全体的に中央部に向って厚さが厚くなるように傾斜し,また中央から4隅に向って放射状にリブ75Aが形成され,リブ75Aの高さも中央において最も高くなるように傾斜し,中央に押圧用突起75aが形成されている。他方のカソード側エンド・プレート76も同じ構成である。これらのエンド・プレート75,76の内面は平坦である。エンド・プレート75,76の押圧用突起75a,75bを締付バネ・サポート74により外方から内方に向けて押圧することにより,各セパレータ等の面内において均等な力が働く。締付バネ・サポート74はサポート部分74Cとその両端から直角にのびるバネ部分74A,74Bを備え,バネ部分74A,74Bには突起75a,76aが嵌る凹部が形成されている。
アノード側エンド・プレート75の一端部にはアノード・ガス導入口71A,カソード・ガス導出口72Bおよび冷却水導出口73Bがそれぞれあけられている。他方,カソード側エンド・プレート76の一端部(アノード側エンド・プレートの上記一端部とは反対側)には,アノード・ガス導出口71B,カソード・ガス導入口72Aおよび冷却水導入口73A(第2図ではこれらがまとめて破線で示されている)があけられている。これらの導入口,導出(排出)口にはそれぞれ対応する流体の供給管(チューブ),排出管(チューブ)が接続される。
第5図は燃料電池スタックの他の例を示している。第1図,第2図に示すものと同一物には同一符号を付し,重複説明を避ける。
第5図に示す燃料電池スタック20Aにおいては,カソード・ガス供給拡散層Cとアノード・ガス供給拡散層Aとこれらの間に挟持された膜電極接合体(N−MEA)とを含む単セルの1つ置きに冷却水供給拡散層Wが設けられ,かつスタック20Aの両端の位置にも冷却水供給拡散層Wが配置されている。このように,冷却水供給拡散層Wを多く配置することにより,安定かつ迅速な温度制御を行なえる(寒冷地で起動する場合には供給拡散層Wに温水を供給することもできる)構造となっている。
タイプCAのセパレータ
タイプCAのセパレータ21は第6図,第7図および第8図に示されている。このセパレータ21は,基板としての方形の金属平板(金属シート)(金属板)30の一方の面にアノード側の流体(ガス)(燃料,具体的には主に水素Hを含むガス)供給拡散層(水素供給拡散層)41が,他方の面にカソード側の流体(ガス)(空気または酸素O)供給拡散層42が形成されているものである。
より詳細に述べると,金属平板30の縦方向の一端部には,横方向に並べて(第6図において右,左,中央の順に),アノード・ガス供給(導入)孔61A,カソード・ガス(および生成水)排出孔62B(たとえば第9図参照。第6図では酸素(および生成水)出口62O),冷却水排出孔63Bがあけられ,他端部には同じように,アノード・ガス排出孔61B,カソード・ガス供給(導入)孔62A(たとえば第9図参照。第6図では酸素入口62I)および冷却水供給(導入)孔63Aがあけられている。そして金属平板30の上記の各供給孔,排出口があけられた部分を除く,中央部のほぼ全体が流体供給拡散層が形成される領域となっている。これらの各供給孔,排出孔および流体供給拡散層形成領域のそれぞれの周囲は緻密枠32によって囲まれている。緻密枠32はこれらの流体の漏洩を防ぐ。緻密枠32の外面には各供給孔,排出孔,流体供給拡散層形成領域を囲むように,枠32に沿って溝33Aが形成され,ここにガスケット(パッキン,Oリングなどのシール材)33が設けられる。金属平板30の両面には,上記の供給孔,排出孔があけられている部分を除いて,その全面に耐食層(耐食コート)31が形成されている(第8図参照)。好ましくは各供給(導入)孔や排出孔の内周面にも耐食層を形成する。必要であれば金属平板30の側面,端面にも耐食層を形成する。この耐食層31は緻密枠32と同じ緻密層であり,金属平板30の腐食を防ぐ。ガスケット33は接合される他のセパレータまたは膜電極接合体81もしくは集電板27A,27Bと密着して流体の漏洩を防ぐものである。
第6図に示されるカソード側の構造について説明すると,酸素(カソード・ガス)供給孔62Aは酸素(カソード・ガス)入口62Iとなり,酸素排出孔62Bは酸素出口62Oとなって,流体供給拡散層42の形成領域とつながっている。流体供給拡散層形成領域には,その全面にわたって流体供給拡散層42が,緻密枠32内に,緻密枠32と同じ高さ(厚さ)に,形成されている。そしてこの流体供給拡散層42には,その一部として,縦長の金属平板30の横方向にのびる(ガス圧)均等化層42Bが,酸素入口62Iに接する部分領域,酸素出口62Oに接する部分領域,およびこれらの部分領域間のいくつかの部分領域に,互いに離間して,幅方向全体にわたって,設けられている。これらの均等化層42Bは,酸素入口62I(流体供給側)から酸素出口62O(流体排出側)に向うとは交叉している。均等化層42B以外の流体供給拡散層の部分を符号42Aで示す。均等化層42Bも流体供給拡散層42の一部を構成している。この実施例では均等化層42Bとそれ以外の拡散層42Aとは酸素入口62Iから酸素出口62Oに向って交互に設けられている。
流体供給拡散層42は(均等化層42Bも)導電性多孔質層である。そして,均等化層42Bは,それ以外の領域42Aよりも流体抵抗が小さい。したがって,酸素入口62Iから適切に加圧されて供給される酸素ガスはまず流体抵抗の小さい均等化層42B(酸素入口62Iに接する領域)内でセパレータ21の幅の全体にわたってほぼ均等に拡散する。酸素ガスは流体供給拡散層42(均等化層42B以外の部分42A)内を酸素入口62Iから酸素出口62Oの方向に向って拡散していく。酸素は流体抵抗の小さい各均等化層42B内で幅方向にも拡散してガス圧の均等化が図られることになる。流体供給拡散層42内を拡散しながら酸素は,この流体供給拡散層42に接して設けられた膜電極接合体81(第34図)に供給され,発電反応に寄与する。残った酸素と生成された水は酸素出口62Oに向って排出される。
このように流体供給拡散層42(42A,42B)は,セパレータ21のほぼ全面に設けられている(各種流体の供給孔,排出孔の部分を除く)ので,セパレータ21の大部分の領域が発電反応に貢献することとなり,反応有効領域として最大限に利用できることとなる。また,セパレータ21のほぼ全面に流体供給拡散層42(42A,42B)(および緻密枠32)が形成され,凹溝,その他の空間がないので,セル・スタックのスタック方向(積層方向)に機械的強度が高いものとなっており,締付バネ・サポート74による締付力を充分にサポートできる。
流体供給拡散層は,導電材(好ましくは炭素系導電材)と高分子樹脂の混合物を含む構成である。高分子樹脂に炭素系導電材を混合することにより,高分子樹脂に高い導電性を付与することができ,また高分子樹脂の耐食性を向上させることができる。炭素系導電材の含有率を調整することにより,流体供給拡散層の流体抵抗(後述する気孔率)を調整(制御)することができる。特に炭素繊維を多く混入すると流体抵抗が減少する(気孔率が大きくなる)。逆に,高分子樹脂の含有率を増加させることにより流体抵抗を高くする(気孔率を小さくする)ことができる。均等化層42Bは炭素系導電材の含有率を高くし,かつ炭素繊維を添加して流体抵抗を他の部分42Aよりも低く(気孔率を高く)する。好ましくは,耐食層31および枠32も炭素系導電材と高分子樹脂の混合物であり,高分子樹脂の含有率を高めて,導電性を確保しつつ緻密化したものである。
炭素系導電材としては,黒鉛,カーボンブラック,ダイヤモンド被覆カーボンブラック,炭化ケイ素,炭化チタン,カーボン繊維,カーボンナノチューブなどを用いることができる。
高分子樹脂には熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。高分子樹脂の例には,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,メラミン樹脂,ゴム系樹脂,フラン樹脂,フッ化ビニリデン樹脂などがある。
金属平板30は,インコネル,ニッケル,金,銀,白金のうち一以上からなる金属,またはオーステナイト系ステンレス鋼板への金属のめっきもしくはクラッド材であることが好ましい。これらの金属を用いることにより,耐食性を向上できる。
タイプCAのセパレータ21の他の面(アノード側の面)には,水素ガス(アノード・ガス)のための流体供給拡散層41が形成されている(第7図参照)。流体供給拡散層41のパターンは第6図に示すアノード側の流体供給拡散層42のパターンと次の点を除いて基本的に同じである。すなわち異なる点は,流体供給拡散層41の領域は水素供給孔61A(水素入口61I)および水素排出孔61B(水素出口61O)とつながっていること(第9図を参照)(酸素入口62I,酸素出口62Oとは連続していない),アノード・ガス(水素ガス)圧均等化層41Bの流体抵抗は酸素ガス圧均等化層42Bの流体抵抗よりも大きくてよいこと,また流体供給拡散層の他の部分41Aの流体抵抗もカソード・ガス(酸素ガス)の流体供給拡散層の部分42Aよりも大きくてよいこと,そして水素ガス供給拡散層41の厚さは酸素ガス流体供給拡散層42の厚さよりも薄くてよいことである。これらに違いは,通過するアノード・ガス(燃料水素)の流量,粘性がカソード・ガスのそれに比べ小さいことに基づく。均等化層41Bはもちろん水素入口61Iから水素出口61Oに向う方向と交叉するように配置されている。
タイプAのセパレータ
タイプAのセパレータ22は第9図および第10図に示されている。
タイプAのセパレータ22では金属平板30の一面にのみアノード側の均等化層41Bを含む流体供給拡散層41が形成されている。金属平板30の他の面は耐食層31によって被覆されている。このようなセパレータは,燃料電池スタックの最上層または最下層や,冷却水用の流体供給拡散層を有するセパレータ(タイプAW,CW)または冷却水専用のセパレータ(タイプW)と接する位置に配置するのに適している。このことは,次に述べるタイプCのセパレータ23についても同じである。
タイプCのセパレータ
タイプCのセパレータ23の第7図に相当する断面が第11図に示されている。タイプCのセパレータ23においても金属平板30の一面にのみカソード側の均等化層42Bを含む流体供給拡散層42が形成され,他の面には耐食層31が形成されているだけである。
タイプAWのセパレータ
タイプAWのセパレータが第12図および第13図に示されている。このセパレータ24では,金属平板30の一面に冷却水用の流体供給拡散領域43Rが形成され,他の面にはアノード・ガスの均等化層41Bを含む供給拡散層41(既に説明した)が形成されている。以下では,冷却水用の流体供給拡散領域43Rの構成について説明する。
流体供給拡散領域43Rは冷却水の供給孔63A(冷却水入口63I)および冷却水の排出孔63B(冷却水出口63O)と連続している。水流均等化層43Bは冷却水入口63Iと冷却水出口63Oからそれぞれ少し離れて(近くに)設けられている。すなわち,多孔質材よりなる流体供給拡散層43Cが冷却水入口63Iおよび出口63Oにそれぞれ接して設けられ,その内方にそれに隣接して均等化層43Bが設けられている。均等化層43Bは,冷却水入口63Iから冷却水出口63Oに向う方向と交叉(直交)するように,流体供給拡散領域43Rの幅方向の全体にわたって形成されている。そして,2つの均等化層43Bの間の中央部の広い空間に,冷却水の流路を形成する多数のリブ43Dが流れの方向に沿って直線状に,互いの間に流路となる間隔をあけて設けられている。リブ43Dもまた多孔質材により形成されている。しだがって,リブ43D内にも冷却水が通過し,リブ43Dの部分でも冷却効果が得られる。
冷却水入口63Iと冷却水出口63Oに接して設けられる水の供給と拡散のための,多孔質層で形成される流体供給拡散層43Cの流体抵抗は,上述したアノード・ガス,カソード・ガスのための流体供給拡散層に比べてかなり小さく設定されている。そして均等化層43Bの流体抵抗の方が流体供給拡散層43Cの流体抵抗よりも大きい。それは水は気体に比べて粘性が高いので,冷却水入口63Iから拡散層43Cに入った冷却水を流体抵抗の小さい部分43Cで充分に拡散させるとともに,次の均等化層43Bで,冷却水出口63Oの方向に進むのを阻害してセパレータ24の幅全体にわたって充分に広がるようにするためである。リブ43Dを構成する多孔質材については冷却水が通過するものであればよい。冷却水の循環抵抗を低減するため,冷却水供給拡散層43C,均等化層43B,リブ43Dの厚さは,カソード・ガス供給拡散層42やアノード・ガス供給拡散層41よりも厚い方が好ましい。
冷却水のための供給拡散層については,すべての層43B,43C,リブ43D,耐食層31および緻密枠32を含めて,必ずしも導電性を付与する必要はない。もちろん多孔質層,多孔質リブや,緻密枠,耐食層を形成するために炭素系材料を用いれば導電性が付与され,そのことにより,スタックしたときにカソードとアノードを電気的に接続することができるので,冷却水のためのセパレータにも導電性を持たせた方がよい。
第14図および第15図はタイプAWのセパレータの他の例を示すものである。第12図,第13図に示すものと異なる点について説明する。
第14図および第15図のタイプAWのセパレータ24Aでは,金属平板30の一面に冷却水用の流体供給拡散層43が形成され,他の面にはアノード側の水素の供給拡散層41が形成されている。
流体供給拡散層43が形成される領域は冷却水の供給孔63A(冷却水入口63I)および冷却水の排出孔63B(冷却水出口63O)と連続している。水流均等化層43Bは冷却水入口63Iと冷却水出口63Oからそれぞれ少し離れて(近くに)設けられている。流体供給拡散層43の均等化層43B以外の部分43Aは,冷却水入口63I,出口63Oに接して設けられているとともに,2つの均等化層43Bの間の広い面積の場所に設けられている。水の供給と拡散のために,多孔質層で形成される流体供給拡散層43の流体抵抗は,上述したアノード,カソード側の水素または酸素のための流体供給拡散層に比べてかなり小さく設定されている。そして均等化層43Bの流体抵抗の方がそれ以外の部分43Aの流体抵抗よりも大きい。
タイプCWのセパレータ
上述したタイプAWのセパレータ24,24Aは,金属平板の一面に冷却水の流体供給拡散領域43Rまたは流体供給拡散層43が形成され,他の面にアノード側の水素ガスのための流体供給拡散層41が形成されている。第16図に示すように,金属平板の一面に冷却水の水流均等化層43Bを含む流体供給拡散領域43Rまたは流体供給拡散層43を形成し,他の面にカソードの酸素ガス(および生成水)のための均等化層42Bを含む流体供給拡散層42を形成したセパレータ25をつくることができる。このセパレータがタイプCWのセパレータである。
タイプWのセパレータ
金属平板の一面にのみ冷却水の均等化層を含む流体供給拡散領域もしくは流体供給拡散層を形成し,他の面には耐食層のみを形成したセパレータをタイプWのセパレータという。タイプWのセパレータの一例がセパレータ26として第17図,第18図に示されている。このセパレータ26は金属平板30の一面に第12図,第13図に示すものと同じ冷却水用の均等化層43Bを含む流体供給拡散領域43Rが形成されているものである。金属平板30の一面に第14図,第15図に示すものと同じ冷却水用の均等化層43Bを含む流体供給拡散層43を形成してもよい。金属平板の両面に冷却水の流体供給拡散領域または流体供給拡散層を形成してもよい。
セパレータの製造等
好ましくは耐食層,緻密枠,流体供給拡散層(均等化層を含む),リブ等は等方圧加圧により形成する。たとえば熱硬化性樹脂を用いる場合(上述したように熱可塑性樹脂でもよい),炭素系導電材粉末(および,必要ならば炭素繊維),樹脂粉末および揮発性溶剤を混練してペースト状にする。このペーストには,耐食層および緻密枠用のもの,流体供給拡散層の均等化層用のもの,流体供給拡散層のそれ以外の部分用のもの,リブ用のもの等,多数種類を用意しておく。そして,金属平板上に,耐食層および緻密枠のパターン,流体供給拡散層のうちの均等化層のパターン,ならびにそれ以外の部分のパターン,必要に応じてリブのパターン等を順次プリント,スタンプ,絞り出し等により形成する。各パターンの形成ごとに溶剤を揮発させる。上記のすべてのパターンが形成された金属平板の全体を軟質の薄いゴムバックに入れ,真空に脱気した後,ゴムバックを耐圧容器に入れ,加熱流体を容器内に導入して,加圧,加熱流体で等方圧加圧して樹脂を硬化させる。緻密枠,流体供給拡散層,リブ等の高さ(厚さ)を最終的に同じ高さ(厚さ)にするために,樹脂硬化の際の収縮の程度に応じて,これらの各層やリブ等の高さ(厚さ)をパターン作製時に調整しておくことが好ましい。
一方で金属平板上に耐食層を形成しておき,他方で緻密枠,均等化層を含む流体供給拡散層(一種のシート)を形成し,最後にこれらを熱圧着させることもできる。このとき緻密枠は金属平板上の耐食層と同時に作成してもよい。第1段階で金属平板上に耐食層と緻密枠とを作成し,この後第2段階で均等化層と流体供給拡散層のペーストを金属平板の耐食層上に順次印刷し,乾燥させた後,ロールプレス(ホットプレス)で硬化させるようにすることもできる。
ガス供給拡散層と均等化層のペーストを,炭素系導電材と熱硬化性樹脂により作製する一例を挙げておく。炭素系導電材を85wt%(重量パーセント)(内,カーボンブラックが0.5,カーボンファイバ(長さ約20μm)が9.5の割合),エポキシ樹脂15wt%の配合で混練した場合,加圧成形後にできるガス供給拡散層の気孔率(気孔率については下で述べる)は約60%であった。また,炭素系導電材を80wt%(内,カーボンブラック1.0,カーボンファイバ9.0の割合)とエポキシ樹脂20wt%の配合で混練,加圧成形して得られる均等化層の気孔率は50%であった。
特に流体供給拡散層(均等化層を除く)の流体抵抗と均等化層の流体抵抗は,多孔質層の気孔率と流体の流れる方向に直交する面の面積(各層の高さ(厚さ)と幅)に依存する。気孔率が大きくなれば流体抵抗は小さくなる。流体が流れる面積が大きくなれば流体抵抗は小さくなる(単位面積当りの流体抵抗は一定である)。おおよその目安としては,流体供給拡散層(均等化層を除く)の気孔率は,アノード・ガスの流体供給拡散層については30〜85%程度,カソード・ガスについては50〜85%程度,冷却水については70〜100%(100%はリブによる流路空間の場合)程度である。また,均等化層の気孔率については,アノード・ガスの場合40〜90%程度,カソード・ガスの場合55〜90%程度,冷却水の場合50〜80%程度である。気孔率Pは,測定が容易な,P=(多孔質体中の気孔の体積)/(多孔質体の体積)で定められる。ここで,気孔は外部に通じていない気孔を含む真の気孔である。
変形例
第19図から第22図は,タイプCのセパレータの変形例を示している。
まず第19図および第20図を参照して,タイプCのセパレータ23Aの緻密枠32内の液体(ガス)供給拡散領域42R内において,カソード・ガス(酸素)入口62Iおよびカソード・ガス(酸素)出口62Oにそれぞれ臨む箇所に,およびこれに連続して緻密枠32内の幅方向の全体にわたってやや細く,カソード・ガス供給拡散層部分(導入,導出部分)42Cが設けられ,これらのガス供給拡散層部分42Cの間のガス供給拡散領域42Rのほぼ全体にわたって(幅方向にはその全幅にわたって)ガス供給拡散層42A1が設けられている。拡散層部分42Cの流体抵抗は中央部の拡散層42A1のそれよりも小さい。そして特徴的なことは,ガス圧均等化層42B1がガス供給拡散層42A1内に空間(層状空間,空間層または溝)として形成されていることである(ここで,空間とは多孔質層内の孔空間よりもはるかに大きい(たとえば数十μm以上)空間である)。この空間(層)はガス供給拡散層42A1の表面による壁によって囲まれて形成された層状の空間である(少なくとも一面は開放していてもよい)。この空間層はガス圧均等化溝と表現することもできるので,以下,均等化溝の用語を用いる。ガス圧均等化溝42B1はガス供給拡散領域42Rの幅(横)方向の全体にのびており,その深さは耐食層31にほぼ達している。ガス圧均等化溝42B1はカソード・ガス入口62Iとカソード・ガス出口62Oを結ぶ方向と交叉している。均等化溝42B1はガス供給拡散領域42R内の縦方向に複数本(この例では3本)設けられ,供給拡散層42A1が4つ(4段)に分割されている。
さらに,供給拡散層部分42Cから供給拡散層42A1内に入り込んで,またはガス均等化溝42B1から供給拡散層42A1内に入り込んで(いずれも,供給拡散層42A1を突き抜けてガス圧均等化溝42B1または供給拡散層部分42Cには達していない),ガス圧均等化溝42A1よりも幅が狭い複数本のガス供給溝(空間層)42Baが,縦方向に(均等化溝42A1と直交(交叉)する方向に)形成されている。そして,横方向に隣接するこれらのガス供給溝42Baの間において,供給拡散層42A1の途中から均等化溝42B1または供給拡散層部分42Cに至るまで同じく幅の狭い複数本のガス排出溝(空間層)42Bbが縦方向に形成されている。これらの溝42Ba,42Bbの深さは均等化溝42B1と同程度である。
カソード・ガス入口62Iから供給拡散層部分42Cに供給されたカソード・ガスは,供給拡散層部分42C内を幅方向に拡散しながら(供給拡散層部分42Cは均等化層としても機能する),一部はガス供給溝42Ba内に入り,他の一部は第1段の供給拡散層42A1内に入り,拡散しながら,カソード・ガス出口62Oの方向に向っていく。ガス供給溝42Ba内に入ったガスは第1段の供給拡散層42A1内に入り,その一部はガス排出溝42Bbに入り,第1段の均等化溝42B1に達する。第1段の(ガス入口62Iに最も近い)供給拡散層42A1に入ったガスもすべて第1段の均等化溝42B1に達し,幅方向(横方向)にガス圧が均等化される。ガスは同じようにして,第2,第3,第4段の供給拡散層42A1,第2,第3段の均等化溝42B1を経て,さらに供給拡散層部分42Cから,ガス出口62Oに達する。もちろん,ガスはガス入口62Iから出口62Oに向う過程で発電反応に貢献する。ガス供給溝42Ba,ガス排出溝42Bbはガス圧均等化層としても働く。
一例として,ガス供給拡散層42A1はカーボンブラックとテフロン樹脂(PTFE)を混練して作製することができる。配合比はたとえば7対3(wt%)である。カーボンブラックとテフロン樹脂を水溶液中で分散させ,硝酸アルミニウムを加えて凝集(沈殿)させる。均一に混ったカーボンブラックとテフロン樹脂を濾過し,270℃で乾燥させたのち粉砕する。この粉体からホットプレスにより供給拡散層42A1となるシートを作製する。耐食層31,緻密枠32が形成された金属平板内に導電性接着剤(カーボンブラック,エポキシ樹脂の混練物)を塗布し,その上に上記シートをホットプレスにより接着する。このとき,均等化溝42B1,ガス供給溝42Ba,ガス排出溝42Bb等に対応する凸部(凸条パターン)の型を有するプレスを用いればこれらの溝42B1,42Ba,42Bbが形成される。凸条パターンの高さを少し低くしておけば,第21図に示すように,深さが耐食層31に達しない浅い均等化溝42B2をつくることができる。金属平板に接着する前に,上記シートにホットプレスでやや浅い溝を作成しておき,溝が形成されたシートを裏返して金属平板30の耐食層31上に接着すれば,第22図に示すように,供給拡散層42A3の内部に下向き溝(トンネル)(均等化溝)42B3が形成されたものを作製できる。このとき,ガス供給溝42Ba,ガス排出溝42Bbも同様にトンネル状に形成することができるし,そのようにしてもよい。
なお,供給拡散層の部分42Cを形成せずに空間にしておき,ここに小さな沢山の支柱(高さは供給拡散層42A1の厚さと同じ)を形成してもよい。
この変形例はタイプA,タイプCAのセパレータにも適用できるのはいうまでもない。
第23図および第24図はタイプCAのセパレータの変形例を示している。このセパレータ21Aにおいては,金属平板30の一面にカソード・ガスの流体供給拡散層42が,他面にアノード・ガスの流体供給拡散層41が設けられている点は上記実施例(第6図,第7図)と同じである。この変形例では,各流体供給拡散層41,42内にリブ41D,42Dが設けられている。
カソード・ガスの流体供給拡散層42について説明する。カソード・ガスの入口62Iから出口62Oに向って多段にリブ群の層が設けられている。各リブ42Dは流れの方向にジグザグ形状で,隣接するリブの間は多孔質層で埋められている。カソード・ガスの入口62Iおよび出口62Oに隣接する領域,およびリブ群の間がガス圧均等化層42Bである。リブ42Dは流体供給拡散層42よりも流体抵抗の大きい(気孔率の小さい)多孔質材により形成されている。リブ42Dの高さと流体供給拡散層42の厚さ(高さ)は等しい。このジグザグなリブは,カソード・ガスの均一拡散,生成水蒸気または生成液水の強制排除を促進させることを意図している。アノード・ガスの流体供給拡散層41においても同じような目的,構成である。
第25図,第26図および第27図はタイプCAのセパレータのさらに他の変形例を示している。
このセパレータ21Bにおいては,カソード・ガスの入口62Iと出口62Oの位置が先述したものと逆である。ガスの入口62Iから出口62Oに向って多段にリブ群の層が形成されているのは先の変形例と同じであるが,リブのジグザグ形状の細かさとリブ間隔がリブ群の層ごとに変化している。すなわち,ガスの入口62Iの付近ではリブ42Eのジグザグ形状が大型で,かつリブ間隔が広いが,ガスの出口62Oに向うにつれてリブ42F,42G,42Hのようにリブのジグザグ形状が細かくなり,かつリブ間隔が狭くなっている。
第28図および第29図はタイプCAのセパレータのさらに他の変形例を示している。このセパレータ21Cは第23図および第24図に示すセパレータ21Aの流体供給拡散層41,42(およびリブ41D,42D)の表面に,多孔質層86(第34図)に相当する多孔質シート86Aが接合されている。この多孔質シート86Aは流体供給拡散層41,42の全領域(入口62I,出口62Oに隣接する一部を除く)を覆っている。このようなセパレータを用いた場合には膜電極接合体(N−MEA)として,電解質層82とその両面に接合された触媒層85とから構成され,多孔質層86が無いものを用いることができる。
以上の変形例はタイプCAのセパレータについて説明したが,他のタイプのセパレータのカソード・ガスまたはアノード・ガスの流体供給拡散層にも適用できるのはいうまでもない。
第30図および第31図はタイプAWのセパレータ24(第12図,第13図)の変形例を示すものである。このセパレータ24Bでは,冷却水の流体供給拡散層側において,冷却水入口63Iと冷却水出口63Oに接して設けられる流体供給拡散層43Cが均等化層の役割を果たし,この流体供給拡散層43C間の広い流体供給拡散領域(空間)43Rには波形のリブ43Eが,冷却水の流路を形成するように,間隔をあけて設けられている。リブ43Eは流体供給拡散層43Cに接し,多孔質材で形成されている。
アノード・ガスの流体供給拡散層41にも,同じように波形のリブ41Dが形成されているが,リブ41Dの間は流体供給拡散層41の多孔質材で埋められている(第24図に示すものと同じ構造)。
第32図および第33図はさらに他の変形例を示している。このタイプAWのセパレータ24Cにおいては,冷却水の供給拡散領域43Rに設けられるリブが冷却水の流れる方向に直交する方向において,外側にあるもの(リブ43E)についてはその間隔が広く,中央にあるリブ43Fについてはその間隔が狭くなっている。このようにして,セパレータ24Cの幅方向の範囲において,ほぼ等しく冷却水が流れるように工夫されている。
上記においては,いずれも流体(水素,酸素,冷却水)はセパレータの縦方向に流れるようになっているが,距離の短い横方向に流れるように,すべての,またはいくつかの各供給孔,排出孔の位置を定めてもよい。
なお,多孔質層は最適運転条件等の情況に応じて撥水化または親水化することが好ましい。多孔質層86または多孔質シート86Aは親水性にしておくことが好ましい。
20,20A 燃料電池スタック
21,21A,21B,21C,22,23,23A,24,24A,24B,24C,25,26 セパレータ
27A,27B 集電板
28A,28B 絶縁シート
30 金属平板
31 耐食層
32 緻密枠
41 アノード・ガス供給拡散層
41A,42A,42C,43A 流体供給拡散層の部分
41B,42B ガス圧均等化層
42,42A1,42A3 カソード・ガス供給拡散層
42B1,42B3 ガス圧均等化溝(ガス圧均等化空間層)(ガス圧均等化層空間)
42Ba ガス供給溝
42Bb ガス排出溝
42D,42E,42F,42G,42H,43D,43E,43F リブ
43 冷却水供給拡散層
43B 水流均等化層
43C 冷却水供給拡散層(均等化層)
43R 冷却水供給拡散領域
75,76 エンド・プレート
81 膜電極接合体
82 電解質膜
85 触媒層
86 多孔質層
86A 多孔質シート

Claims (32)

  1. 金属板の少なくとも一面において,流体供給拡散層が多孔質層により形成され,
    前記流体供給拡散層には,その一部として,流体の供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのび,その流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗と異なる均等化層が,少なくとも流体の供給側に形成されている,
    燃料電池のためのセパレータ。
  2. 前記金属板の少なくとも一面の周囲が緻密枠で囲まれ,前記緻密枠の内部の流体供給口,排出口の部分を除く全面に前記流体供給拡散層が形成され,前記均等化層は緻密枠の全幅にわたってのびている,請求項1に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  3. 前記金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,前記耐食層の上に前記流体供給拡散層が形成されている,請求項1または2に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  4. 前記金属板の両面に耐食層が形成されている,請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  5. 前記均等化層は,流体の供給口に連続する領域,流体の排出口に連続する領域,およびこれらの領域の間の領域に,互いに離れて形成されている,請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  6. 前記均等化層は,流体の供給側において供給口から離れた領域,および流体の排出側において排出口から離れた領域に形成されている,請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  7. 前記均等化層が多孔質層であり,その流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗よりも小さい,請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  8. 前記均等化層が多孔質層であり,その流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗よりも大きい,請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  9. 前記流体供給拡散層が導電性多孔質層により形成されている,請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  10. 前記均等化層が導電性多孔質層により形成されている,請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  11. 前記均等化層が流体供給拡散層内に形成された層状空間または溝である,請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  12. 前記層状空間または溝がトンネルまたは下向き溝である,請求項11に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  13. 前記均等化層にガス供給溝またはガス排出溝が連続して形成されている,請求項11に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  14. 2種類の反応ガスの一方のための流体供給拡散層が前記金属板の一方の面に,前記反応ガスの他方のための流体供給拡散層が前記金属板の他方の面に,それぞれ形成されている,請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  15. 前記金属板の一面にのみ,反応ガスのための流体供給拡散層が形成されている,請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  16. 前記金属板の一面に反応ガスのための流体供給拡散層が,他面に冷却水のための流体供給拡散層がそれぞれ形成されている,請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  17. 前記金属板の少なくとも一面に冷却水のための流体供給拡散層が形成されている,請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  18. 前記流体供給拡散層の前記均等化層以外の領域に,多孔質材からなる複数のリブが,流体供給側から流体排出側に向う流体流路を規定するように形成されている,請求項1から17のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  19. 上記リブの流体抵抗が前記均等化層の多孔質層の流体抵抗よりも大きい,請求項18に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  20. 前記リブが波形に形成されている,請求項18または19に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  21. 隣接する前記リブの間隔または幅が流体供給側から流体排出側に向って変化している,請求項18または19に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  22. 前記金属板の一面に反応ガスのための流体供給拡散層が,他面に冷却水の流路を規定するリブ構造体が形成されている,請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセパレータ。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載のセパレータの流体供給拡散層表面に,さらに他の多孔質シートが接合されている燃料電池のためのセパレータ。
  24. 金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,前記耐食層の周辺に緻密枠が形成され,前記緻密枠の内部の冷却水供給口および排出口の近傍においてそれぞれ多孔質層により形成され均等化層の役割を果たす液体供給拡散層が前記緻密枠の全幅にわたって形成され,前記液体供給拡散層の間の流体供給拡散領域に,冷却水供給口側から冷却水排出口側に向う冷却水流路が,多孔質材のリブまたは層により形成されており,前記液体供給拡散層の流体抵抗が前記液体供給拡散領域の流体抵抗と異なる,燃料電池における冷却水のためのセパレータ。
  25. 前記多孔質材が導電性を有する,請求項24に記載の燃料電池における冷却水のためのセパレータ。
  26. 請求項1から25のいずれか一項に記載のセパレータを含む燃料電池のためのセル・スタック。
  27. カソード・ガスおよびアノード・ガス用の少なくとも2種類のセパレータを含み,
    各セパレータは,金属板の少なくとも一面において,対応するガスのための流体供給拡散層が多孔質層により形成され,前記流体供給拡散層には,その一部として,流体の供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのび,その流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗と異なる均等化層が,少なくとも流体の供給側に形成されているものであり,
    前記少なくとも2つのセパレータはそれらの流体供給拡散層の間に,少なくとも電解質膜およびその両面の触媒層を挟んで対向するように積層されている,
    燃料電池のためのセル・スタック。
  28. カソード・ガスおよびアノード・ガス用の少なくとも2種類のセパレータを含み,
    各セパレータは,金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,前記耐食層上に,対応するガスのための流体供給拡散層が多孔質層により形成されているものであり,
    前記少なくとも2つのセパレータはそれらの流体供給拡散層の間に,少なくとも電解質膜およびその両面の触媒層を挟んで対向するように積層されており
    前記流体供給拡散層には,その一部として,ガスの供給側から排出側に向う方向に交叉する方向にのび,その流体抵抗がそれ以外の流体供給拡散層の流体抵抗と異なる均等化層が,少なくともガスの供給側に形成されている,
    燃料電池のためのセル・スタック。
  29. 前記セパレータの流体供給拡散層表面に,さらに他の多孔質シートが接合されている,請求項27または28に記載の燃料電池のためのセル・スタック。
  30. 前記流体供給拡散層が緻密枠により囲まれている,請求項27から29のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセル・スタック。
  31. 前記流体供給拡散層および緻密枠が導電性を有する,請求項30に記載の燃料電池のためのセル・スタック。
  32. 金属板の少なくとも一面に耐食層が形成され,この耐食層上に多孔質材により冷却水の流路が形成されている冷却水用セパレータがさらに積層されている,請求項27から31のいずれか一項に記載の燃料電池のためのセル・スタック。
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