JP6531478B2 - 金属管管端部の旋削加工方法及び金属管の製造方法 - Google Patents

金属管管端部の旋削加工方法及び金属管の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属管管端部の旋削加工方法及びその加工方法を用いた金属管の製造方法に関する。
油井管に代表される、金属管同士の接続には、ねじ継手が用いられる。ねじ継手はたとえば、金属管の管端部に形成されるピンと、カップリング又は金属管の端部に形成されるボックスとを備える。ピンの雄ねじの先端部と、ボックスの雌ねじの底部(基部)には、それぞれねじ無し金属接触部が形成される。金属管の一端(ピン)をカップリング(ボックス)に挿入し、雄ねじと雌ねじとを互いに締め付ける。これにより、ピン及びボックスのねじ無し金属接触部が互いに接触して金属−金属間シール部(以下、単にシール部)が形成される。このシール部がねじ継手の気密性を確保する。
上述のとおり、シール部は気密性を確保する。しかしながら、シール部にガスや油等が溜まる場合がある。この空間に溜まったガス等は、接合された金属管内の密封性を低下する。
これを防止するために、特表2011−501075号公報(特許文献1)では、ピン(金属管)のシール部の一部に溝を設けシール部間に溜まったガス等を管内面側に排出する。
ピンのシール部に溝を設ける方法はたとえば、切削工具を用いて金属管の管端面、又は、管端面に隣接する外面を切削して溝を設ける方法がある。金属管の溝は、旋削によって切削されることが多い。旋削は旋盤等によって金属管を切削工具に対し相対的に回転させながら切削工具を管軸方向等に送り、切削する方法である。旋削により金属管の管端面又は外面に溝を形成する場合、溝は螺旋状に形成される。以下、旋削により形成される溝を螺旋溝と称する。
金属管管端部を旋削する場合、金属管の回転速度及び切削工具の送り量は、金属管の材料により適宜設定される。しかしながら、金属管の回転速度は、生産効率の観点から一定以上の回転速度を保つ必要がある。そのため、切削工具の金属管に対する送り量が小さい場合、螺旋溝は切削工具の送り方向(管軸方向や半径方向)に短く、管周方向に長い溝になる。この場合、切削不良等で溝が途中で途切れてしまう。溝が途切れてしまえば、シール部間に溜まったガス等が排出できない恐れがある。そのため、切削工具の送り方向に所定の長さを有する螺旋溝を設ける場合、切削工具の送り量を大きくする必要がある。しかしながら、金属管に対する切削工具の送り量が大きい場合、切削不良になる場合がある。切削不良はたとえば、切削工具の振動、切削部のバリやカエリ等である。金属管に対する切削工具の送り量が大きい場合さらに、切削工具の寿命が短くなりやすい。
切削不良を抑制し、寿命が長い切削工具及び切削加工方法が、特開2008−36795号公報(特許文献2)及び特開2010−17801号公報(特許文献3)に開示されている。
特許文献2に開示された切削工具は、一つの切削用チップに主に切削を担う主切刃と、バリを抑制するバリ取り刃と、面粗度を良くする副切刃とを備える。これにより。各刃先寿命が均一になり、チップの有効活用が可能になる、と特許文献2には記載されている。
特許文献3に開示された切削加工方法は、ワークの動剛性が大きい角度を検出し、切削工具の切込み角度を動剛性が大きい角度に設定する。これにより、びびり振動の発生を抑え、仕上げ面の精度が高い加工ができる、と特許文献3には記載されている。
特表2011−501075号公報 特開2008−36795号公報 特開2010−17801号公報
特許文献1にはシール部間に溜まったガス等を排出する螺旋溝を有する鋼管用ねじ継手が開示されているものの、切削不良を抑制し、かつ、切削工具の寿命を向上できる溝の切削加工方法について、検討されていない。特許文献2の切削工具は、被切削物に対する送り量が大きい場合、切削不良が発生する場合がある。特許文献3の切削加工方法は、金属管の管端部の管端面、又は、管端面に隣接する外面への溝の切削に適した切込み角度についての記載はされていない。
本発明の目的は、金属管の管端部に溝を形成する旋削加工において、切削工具の送り量が大きくても切削不良を抑制でき、切削用チップの寿命を向上できる、金属管管端部の旋削加工方法及び金属管の製造方法を提供することである。
本発明の実施形態による金属管管端部の旋削加工方法は、準備工程と、設定工程と、旋削加工工程と、を備える。準備工程では、金属管と、頂角が60°以下の切削用チップを有する切削工具と、を準備する。設定工程では。切削用チップの前切れ刃角を5〜90°に設定する。旋削加工工程では、金属管を、管軸を中心に回転させ、金属管に対する切削工具の送り量を10mm/rev以上とし、金属管管端部を旋削加工する。
本発明の実施の形態による金属管管端部の他の旋削加工方法は、準備工程と、設定工程と、切削加工工程とを備える。準備工程では、金属管と、切削用チップを有する切削工具とを準備する。旋削加工工程では、金属管を、管軸を中心に回転させ、金属管に対する切削工具の送り量を10mm/rev以上とし、金属管管端部を旋削加工する。旋削加工工程では、金属管への1パスあたりの切込み深さをD(mm)とし、切り込み幅をL(mm)としたとき、D×L≦2.0mm2を満たす条件で旋削加工する。
本発明による金属管管端部の旋削加工方法は、金属管の管端部への溝の旋削加工において、金属管に対する切削工具の送り量が大きい場合でも切削不良を抑制でき、切削用チップの寿命を向上できる。
図1は、金属管の継手部の断面図である。 図2は、図1に示す金属管に溝を設けた金属管管端部の斜視図である。 図3は、本実施形態の旋削加工方法の模式図である。 図4は、切削工具の送り量と切削抵抗との関係を示した図である。 図5は、本実施形態の旋削加工工程の模式図である。 図6は、金属管を切削中のチップ先端の模式図である。 図7は、切削断面積と切削抵抗との関係を示した図である。
本実施形態による金属管管端部の旋削加工方法は、準備工程と、設定工程と、旋削加工工程とを備える。準備工程では、金属管と、頂角が60°以下の切削用チップを有する切削工具とを準備する。設定工程では。切削用チップの前切れ刃角を5〜90°に設定する。旋削加工工程では、金属管を、管軸を中心に回転させ、金属管に対する切削工具の送り量を10mm/rev以上とし、金属管管端部を旋削加工する。
本実施形態による旋削加工方法は、頂角が60°以下のチップを有する切削工具の前切れ刃角を5〜90°に設定することで切削抵抗を抑制する。これにより、金属管に対する切削工具の送り量が10mm/rev以上であっても、金属管管端部への溝の施削加工において、切削不良を抑制できる。
本実施形態による金属管管端部の他の旋削加工方法は、準備工程と、旋削加工工程と、を備える。準備工程では、金属管と、切削用チップを有する切削工具と、を準備する。旋削加工工程では、金属管を、管軸を中心に回転させ、金属管に対する切削工具の送り量を10mm/rev以上とし、金属管管端部を旋削加工する。旋削加工工程では、金属管への1パスあたりの切込み深さをD(mm)及び切り込み幅をL(mm)としたとき、D×L≦2.0mm2を満たす条件で旋削加工する。
本実施形態による旋削加工方法は、管端部に溝を旋削加工するときの切削量を規定する。これにより、金属管に対する切削工具の送り量が10mm/rev以上であっても、管端部への溝の切削加工において、切削不良を抑制しつつ金属管を旋削加工することができる。
好ましくは、旋削加工工程では、切削用チップにより旋削加工される管端部は、金属管の外面であり、金属管に対する切削工具の送り方向は、管軸方向である。
この場合、金属管管端部の外面に管軸を中心とする螺旋溝を旋削することができる。
好ましくは、旋削加工工程では、切削用チップにより旋削加工される管端部は、金属管の管端面であり、金属管に対する切削工具の送り方向は、金属管の径方向である。
この場合、金属管管端部の管端面に管軸を中心とする螺旋溝を旋削することができる。
本実施形態による、金属管の製造方法は、上述の金属管管端部の旋削加工方法によって、管端部を旋削加工する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1の実施形態]
図1は、金属管同士の嵌合部の断面図である。図1の金属管1はたとえばピンであり、金属管2はたとえばボックスである。図1の金属管2はカップリングであってもよいし、インテグラル型のねじ継手に利用される金属管であってもよい。
図1を参照して、ねじ継手において、金属管1(ピン)の管端部が金属管2(ボックス)に挿入され、締め付けられたとき、金属管1のメインショルダ部S2及びサブショルダ部S1で、金属管2は金属管1と圧着する。
メインショルダ部S2は金属管1の管端面であり、サブショルダ部S1はメインショルダ部S2と隣接する金属管1の外面部分である。メインショルダ部S2は、内面側の縁から外面側の縁に向かって管端の前方に傾斜している。サブショルダ部S1は、メインショルダS2の外面側の縁につながっている。サブショルダ部S1の外径は、管端から後方に向かうに従って大きくなる。つまり、サブショルダ部S1はテーパ形状を有する。
ねじ継手の使用環境等により、締め付け時、メインショルダ部S2及びサブショルダ部S1にガスが入り込む場合がある。この場合、メインショルダ部S2及びサブショルダ部S1の密着性は低下する。
この対策として、たとえば、図2に示すとおり、金属管1の管端面に相当するメインショルダ部S2の内面側の縁S2Aから外面側の縁S2Bにわたって溝3を形成する。溝3は、金属管1の中心軸に対して螺旋状に延びる。したがって、以降の説明では、溝3を螺旋溝3と称する。螺旋溝3を形成することにより、螺旋溝3を介してガスがメインショルダ部S2外に排出される。そのため、メインショルダ部S2の密着性が高まる。
同様に、金属管1の管端面に隣接する外面部分に相当するサブショルダ部S1の前端の縁から後端の縁にわたって螺旋溝3を形成してもよい。サブショルダ部S1に形成される螺旋溝3も、ガスをサブショルダ部S1外に排出する。そのため、サブショルダ部S1の密着性が高まる。
金属管1を切削加工する場合、金属管1は旋削加工されることが多い。生産効率を高めるため、旋削加工により金属管1に螺旋溝3を形成できるのが好ましい。旋削加工では、金属管1を切削するために切削工具を用いる。金属管1を旋削するとき、回転している金属管1に対し切削工具は移動しながら金属管1を切削する。したがって、旋削加工で溝3を設けた場合、図2に示すように、溝3は管軸を中心とする螺旋溝3となる。
金属管1の管端面(メインショルダ部)S2は、金属管1の径方向に略平行である。また、金属管1の管端面S2に隣接する外面(サブショルダ部)S1は、金属管の管軸方向に略平行である。したがって、管端面S2及び外面S1に旋削加工により螺旋溝3を形成する場合、切削工具の送り量を大きくしなければならない。ここでいう送り量は、金属管1の1回転当たりの切削工具の移動量を示す。
金属管1に対する切削工具の送り量を大きくすれば、切削不良になりやすい。切削不良はたとえば、切削工具の振動、切削部のバリやカエリ等である。切削不良が生じた場合、切削工具の寿命が短くなりやすい。切削工具の送り量が大きい場合はたとえば、金属管1の1回転当たりの切削工具の送り量が10mm/rev以上の場合である。
本発明者らは、螺旋溝3を形成する際に、切削工具の送り量を10mm/rev以上とした場合でも、切削不良を抑制できる金属管の旋削加工方法について検討した。
図3は、本実施形態の旋削加工方法の模式図である。図3では金属管1の断面として示す。図3を参照して、本実施形態の旋削加工方法では、切削工具4を用いて金属管1を旋削する。切削工具4は、切削用チップ5(以下、「チップ」とも呼ぶ。)及びシャンク6を備える。
図3では、チップ5は、スローアウェイチップである。この場合、チップ5は、シャンク6と分離可能に取り付けられる。しかしながら、チップ5はスローアウェイチップに限定されない。チップ5とシャンク6とを一体化した切削工具4を用いてもよい。
シャンク6はチップ5を保持する。シャンク6は図示しない移動装置に取り付けられる。切削工具4は金属管1の径方向又は管軸方向に移動できる。図3中の矢印は、切削工具4の送り方向を示す。金属管1の管端面S2に螺旋溝3を設ける場合、送り方向は金属管1の径方向である。金属管の外面S1に螺旋溝3を設ける場合、送り方向は金属管1の管軸方向である。
図3において、αはチップ5の頂角を示す。チップ5の頂角αは60°以下である。βはチップ5の前切れ刃角である。前切れ刃角βは、金属管1の切削された面1Aとチップ5の前切れ刃5Aとがなす角度である。一般に、前切れ刃角βが小さい場合、チップ5の刃先に熱が発生しやすい。また、切削中にチップ5が振動しやすくなる。Dは切削工具4の切込み深さを示す。切粉10はチップ5の横切れ刃5Bに沿って形成される。
本発明者らは、切削不良を抑制するために、金属管1を旋削時の前切れ刃角βと切削抵抗との関係を検討した。本発明者らは様々な前切れ刃角βを設定し、それぞれの場合における切削工具の送り量と切削抵抗との関係を検討した。
具体的には、図3に示す切削工具4を用いて、金属管1を旋削加工した。金属管1の回転速度を60rpmとした。チップ5の切込み深さDを0.4mmとした。チップ5の頂角αを55°とした。前切れ刃角βを、5、15、60°の3種類に設定した。各前切れ刃角βに設定された切削工具4を用いて、金属管1を旋削し、チップ5に受ける切削抵抗を測定した。切削抵抗は、切削工具4が金属管1から受ける3方向分力(主分力、送分力、背分力)の合力とし(式(1))、旋盤に備わる動力計で測定した。
切削抵抗=√[(主分力) +(送分力) +(背分力) (1)
旋削に用いた金属管1は、22Cr系二相ステンレス鋼を素材とする直径130mmの継目無鋼管を用いた。旋削加工により得られた送り量(mm/rev)と切削抵抗(N)との関係をグラフにして図4を作成した。
図4の横軸は、切削工具の送り量(mm/rev)を示す。縦軸は、切削抵抗の値(N)を示す。△は前切れ刃角βが5°の場合のデータを示す。□は前切れ刃角βが15°の場合のデータを示す。○は前切れ刃角βが60°の場合のデータを示す。
図4を参照して、前切れ刃角βが15°及び60°の場合、切削抵抗の最大値は約2000N以下であった。前切れ刃角βが15°及び60°の場合、送り量が10mm/rev以上に増大しても、切削抵抗の値は増大しなかった。一方、前切れ刃角βが5°の場合、送り量が10mm/rev以上に増大すると、切削抵抗値は顕著に増大して10000Nを超えた。なお、本実験で用いた旋盤の動力計は10000N以上の切削抵抗は測定できないものを使用した。そのため、動力計が10000Nを示す場合、切削抵抗が10000N以上であると判断した。
以上より、前切れ刃角βを5°未満に設定すれば、切削抵抗が増大して、金属管1に螺旋溝3を形成するのが困難となる。したがって、切削工具4の送り量を10mm/rev以上として金属管1に螺旋溝3を旋削する場合、切削工具4の前切れ刃角βは5°以上にするのが好ましい。
上述した知見に基づき、本実施形態の金属管の旋削加工方法は完成した。以下、本実施形態の旋削加工方法の各工程を詳述する。
[準備工程]
準備工程では、図3に示す金属管1と、チップ5を有する切削工具4とを準備する。チップ5の頂角αは、60°以下である。頂角αが60°を超えれば、螺旋溝3の幅が広くなりすぎる。螺旋溝3が大きすぎれば、管端面(メインショルダ)S2又は外面(サブショルダ)S1の気密性がかえって低下する。頂角αが60°以下であれば、メインショルダS2及びサブショルダS1の気密性を確保できる程度の断面積の小さい螺旋溝3を切削できる。
[設定工程]
設定工程では、チップ5の前切れ刃角βを5〜90°に設定する。前切れ刃角βが5°未満である場合、図4に示すとおり切削抵抗が顕著に増大する。この場合、切削中にチップ5に振動や熱等が発生し切削不良となりやすい。一方、前切れ刃角βが90°を超えると、切粉10が排出されにくくなる。したがって、前切れ刃角βを5〜90°に設定する。前切れ刃角βの好ましい下限は10°であり、より好ましくは15°である。前切れ刃角βの好ましい上限は、60°である。
[旋削加工工程]
図5は、本実施形態の旋削加工工程の模式図である。図5を参照して、金属管1を旋盤等に取り付け、金属管1を管軸X周りに回転させる。回転速度はたとえば、50〜160rpmである。その後、回転している金属管1にチップ5を押し当てる。設定工程で設定した前切れ刃角βで金属管1を旋削する。切削工具4の送り量は、10mm/rev以上に設定する。図5は、金属管1の管端部の外面(サブショルダ)S1に螺旋溝3を設ける場合の模式図である。しかしながら、螺旋溝3を設ける場所は管端部1の外面S1に限定されない。螺旋溝3は、金属管1の管端面S2に設けられてもよい。この場合、切削工具4は、金属管1の径方向に移動する。
上述したように第1の実施形態による旋削加工方法は、チップ5の前切れ刃角βを5〜90°に設定し、金属管1を旋削する。これにより、切削抵抗が抑制されるため、切削工具4の送り量を10mm/rev以上で金属管1を旋削しても、切削不良を抑制することができ、切削工具4のチップ5の寿命を向上できる。
[第2の実施形態]
第1の実施の形態と異なる他の旋削加工方法を採用しても、送り量を速くして螺旋溝3を形成する場合に切削不良が発生するのを抑制できる。
図6は、金属管1を切削中のチップ5の先端の模式図である。図6を参照して、ハッチング部は、切削断面積を示す。Lは、切削断面積の幅を示す。旋削加工により螺旋溝3を形成する場合、Lは螺旋溝3の幅である。Dは、チップ5の切り込み深さを示し、螺旋溝3の深さに相当する。したがって、切削断面積は、切削した螺旋溝3の深さD(mm)及び幅L(mm)に基づいて、次の式(2)に概算される。
切削断面積=D×L (2)
本発明者らは、図3に示す切削工具4を用いて、金属管1を旋削加工した。このとき、金属管1は、22Cr系二相ステンレス鋼を素材とする直径177.8mmの継目無鋼管であり、金属管1の回転速度を50rpmとした。チップの切込み深さ及び切削工具の前切れ刃角を調整し、種々の切削断面積に設定した。実験結果に基づいて、切削抵抗と切削断面積との関係を求め、図7を作成した。
図7中の□は送り量が50mm/revの場合のデータを示す。○は送り量が25mm/revの場合のデータを示す。△は送り量が10mm/revの場合のデータを示す。▽は送り量が5mm/revの場合のデータを示す。切削抵抗は、上述した式(1)によって測定した。
図7を参照して、切削断面積が2mm以下の場合、全て送り量の場合において、切削抵抗は約2000N以下であった。しかしながら、切削断面積が2mmを超えると、送り量が10mm/rev以上のときの切削抵抗は顕著に増大して10000Nを超えた。図4の場合と同様に、旋盤の動力計は10000N以上の切削抵抗を測定できなかったため、動力計が10000Nを示す場合、切削抵抗が10000N以上であると判断した。
以上より、切削断面積を2.0mm2以下に設定すれば、切削抵抗を低減できる。そのため、切削工具の送り量を10mm/rev以上に設定しても、切削不良を抑制しつつ、金属管1に螺旋溝3を形成できる。
上述した知見に基づいた、第2の実施形態による旋削加工方法は次の準備工程と、旋削加工工程とを備える。
[準備工程]
準備工程では、図3に示す金属管1と、チップ5を有する切削工具4と、を準備する。図3では、チップ5の形状がひし形の場合を示す。しかしながら、第2の実施形態ではチップ5の形状はひし形に限定されない。チップ5の形状は特に限定されず、三角形や、四角形でもよい。
[旋削加工工程]
旋削加工工程では、第1の実施形態と同様に、図5を参照して、金属管1を管軸X周りに回転させる。金属管1を回転させた後、回転している金属管1にチップ5を押し当てる。第2の実施形態では、チップ5の前切れ刃角βは特に限定されない。第2の実施形態では、切削断面積が2.0mm2以下となるようにチップ5を金属管1に対し配置し、旋削すればよい。切削工具4の送り量は、10mm/rev以上に設定する。本実施形態の切削加工方法では、第1の実施形態と同様に、螺旋溝3を設ける場所は管端部の外面S1に限定されない。螺旋溝3は、金属管の管端面S2に設けられてもよいし、外面S1に形成されてもよい。
上述したように第2の実施形態による旋削加工方法は、切削断面積が2.0mm2以下となるように金属管1を旋削する。これにより、切削抵抗が抑制される。そのため、切削工具4の送り量を10mm/rev以上で金属管1を旋削しても、切削不良を抑制でき、チップ5の寿命が高まる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1、2 金属管
3 螺旋溝
4 切削工具
5 チップ

Claims (5)

  1. 金属管管端部の旋削加工方法であって、
    金属管と、頂角が60°以下の切削用チップを有する切削工具とを準備する準備工程と、
    前記切削用チップの前切れ刃角を5〜90°に設定する設定工程と、
    前記金属管を管軸を中心に回転させ、前記金属管に対する前記切削工具の送り量を10mm/rev以上とし、前記金属管管端部を旋削加工する旋削加工工程と、を備え、
    前記旋削加工工程では、前記切削工具の切削抵抗が2000N以下である、金属管管端部の旋削加工方法。
  2. 金属管管端部の旋削加工方法であって、
    金属管と、切削用チップを有する切削工具とを準備する準備工程と、
    前記金属管を管軸を中心に回転させ、前記金属管に対する前記切削工具の送り量を10mm/rev以上とし、前記金属管管端部を旋削加工する旋削加工工程と、を備え、
    前記旋削加工工程では、
    前記金属管への1パスあたりの切込み深さをD(mm)とし、切り込み幅をL(mm)としたとき、D×L≦2.0mmを満たす条件で旋削加工前記切削工具の切削抵抗が2000N以下である、金属管管端部の旋削加工方法。
  3. 請求項1又は2に記載の金属管管端部の旋削加工方法であって、
    前記旋削加工工程では、
    前記切削用チップにより旋削加工される前記管端部は、前記金属管の外面であり、
    前記金属管に対する前記切削工具の送り方向は、前記管軸方向である、金属管管端部の旋削加工方法。
  4. 請求項1又は2に記載の金属管管端部の旋削加工方法であって、
    前記旋削加工工程では、
    前記切削用チップにより旋削加工される前記管端部は、前記金属管の管端面であり、
    前記金属管に対する前記切削工具の送り方向は、前記金属管の径方向である、金属管管端部の旋削加工方法。
  5. 金属管の製造方法であって、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の金属管管端部の旋削加工方法によって、前記管端部を旋削加工する工程を備える、金属管の製造方法。
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