JP6531064B2 - 電着塗装装置及び電着塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電着塗装装置及び電着塗装方法に関し、例えば、大きさの異なる被塗物が連続して搬送される場合に、各被塗物に要求される塗膜厚にてそれぞれ電着塗装を行うための電着塗装装置及び電着塗装方法に関する。
例えば自動車の製造工程において、車両ボデーの外・内板及び袋部内などに対し、防錆等を目的とした下地塗装が行われる。一般に、この下地塗装においては、被塗物である車両ボデーなどを、塗料が貯留された電着槽に浸漬し、通電しながら槽内を移動させ、被塗物に塗膜形成する電着塗装が行われている。より具体的には、前記電着塗装は、図10に模式的に示すように電着槽50内に水性の電着塗料51が貯留される。そして、搬送手段であるコンベア53にハンガー54を介して被塗物Wを吊持すると共に被塗物Wを槽内の塗料51に浸漬し、前記コンベア53により被塗物Wを電着槽50内で移動させる。
また、電着槽内に設置された電極とコンベア53に並行に設けられた集電レール56間に直流電圧を印加することで電着塗装が行われる。コンベア53に並行に集電レール56が設けられ、この集電レール56とハンガー54を介して被塗物Wに電圧を印加するようになっている。例えばカチオン電着塗装の場合、図11に模式的に示すように電着槽50内においては被塗物W側を陰極とし、電着槽50内に設置した陽極板60との間に直流電圧を印加する。これにより、電着塗料51において水の電気分解が生じ、塗料粒子51aとOH−イオンとの作用によって被塗物Wの表面に塗膜55が析出される。
ところで、近年では、自動車生産の多品種少量生産化や注文生産化に伴い、車種に応じたボデーや部品においても小ロットでの生産が求められている。このため、被塗物Wの種類毎に電着塗装装置の部品を変更することなく、一つのラインで対応でき、また、様々な種類の被塗物Wが連続して搬送されても自動的に対応でき、かつ要求される塗膜厚と塗膜品質を達成できる電着塗装装置が求められている。
このような要求に対し特許文献1には、前記集電レール56を電着槽50の入槽域(第1のゾーンと呼ぶ)に設置された1段目レールと、電着槽50の全没域(第2のゾーンと呼ぶ)及び出槽域に設置した2段目レールとで構成し、さらに2段目レールを複数の部分レールに分割し、各部分レールに独立して電圧印加が可能とした電着塗装装置が開示されている。第1のゾーン及び第2のゾーンには、複数本の電極がレールに沿って配列され、前記電極に直流電圧を印加することにより被塗物に対し電着塗装が行われる。
この構成によれば、異なる種類の被塗物Wが連続して搬送される場合においても、前記部分レール毎に対応する被塗物Wに適した電圧印加を行うことができるため、被塗物W毎に目的とする膜厚を高精度に制御することができる。
特許4866980号
ところで従来、前記第1のゾーンにおいては、被塗物が電着塗料中に全没してから電極に通電され、被塗物が第1のゾーンを通過した直後に、次の被塗物の入槽のために第1のゾーンの直流電源が遮断される。被塗物が第1のゾーンから第2のゾーンに移動すると、第2のゾーンでは予め直流電圧が印加されており、これにより電着塗装が行われる。
しかしながら、第1のゾーンの直流電源を遮断した際、第1のゾーンの(下流側の)末端電極が第2ゾーンの(上流側の)前端電極に接近して配置されている場合には、第1のゾーンの末端電極は浮遊導体となり、電流の回り込みによるバイポーラ現象が発生するという課題がある。このバイポーラ現象が発生すると、電極側に塗料成分が引き寄せられ、隔膜電極表面に堆積し、所謂ブツが付着するなどの不具合を引き起こしていた。
このような課題を解決するには、第1ゾーンの末端電極と第2ゾーンの前端電極との距離を大きく確保し、双方の間に無電極ゾーンを形成する構成が考えられる。
しかしながら、第1ゾーンと第2ゾーンとの間に無電極ゾーンが存在すると、被塗物がそこを通過する際、表面電位が低下し、電着塗装の効率が低下するという課題があった。
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、種類の異なる複数の被塗物が連続して電着槽に搬送される電着塗装装置において、各被塗物に要求される塗膜厚にてそれぞれ電着塗装することができるとともに、バイポーラ現象の発生を抑え、且つ効率的に電着塗装を行うことのできる電着塗装装置及び電着塗装方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る電着塗装装置は、電着塗料が貯留された電着槽の中の搬送路を被塗物が搬送され、前記電着槽に配置された隔膜電極と前記被塗物との間に所定の電圧が印加されることにより前記被塗物に塗装する電着塗装装置であって、前記電着槽において、複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置されるとともに、第1の電圧印加手段により所定電圧が通電される第1のゾーンと、前記第1のゾーンの下流側において、複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置されるとともに、第2の電圧印加手段により所定電圧が通電される第2のゾーンと、前記第1のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置され、電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極と、前記第1の隔膜電極に対する電極液の供給/回収制御、及び前記第1のゾーンと第2のゾーンとにおける通電制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとを通電した状態で、被塗物が前記第1のゾーンから前記第2のゾーンに搬送された際、前記第1の隔膜電極から電極液を回収してから、前記第1のゾーンの通電を遮断することに特徴を有する。
このような構成によれば、従来、バイポーラ現象の発生を抑制するために第1のゾーンと第2のゾーンとの間に設けていた無電極領域に、電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極が配置される。
そして、第1のゾーンと第2のゾーンとを通電した状態で、被塗物の第2のゾーンへの移行後に、第1の隔膜電極の電極液が抜かれ、次の被塗物の入槽に備えて第1のゾーンの通電が遮断される。これにより、第1の隔膜電極は浮遊導体にはならないため、電流の回り込みによるバイポーラ現象の発生が抑制される。また、搬送路上で電位が低下する区間がなくなるため、塗装効率を向上することができる。
尚、前記第2のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置され、複数の隔膜室を有し、各隔膜室に対し独立して電極液の供給/回収が可能な第2の隔膜電極を備え、前記制御手段は、被塗物の表面積に応じて前記各隔膜室に対する電極液の供給/回収を制御することが望ましい。
このような構成により、被塗物の大きさに合わせて、各隔膜室を陽極として機能させるかを決定し、電着槽中における通電量を制御することができる。即ち、大きさの異なる被塗物を電着槽に連続搬送しても、各被塗物に適した通電量で電着塗装を行うことができ、大きさの異なる被塗物に対し均一な膜厚の塗装を行うことができる。
前記した課題を解決するために、本発明に係る電着塗装方法は、電着塗料が貯留された電着槽の中の搬送路を被塗物が搬送され、前記電着槽に配置された隔膜電極と前記被塗物との間に所定の電圧が印加されることにより前記被塗物に塗装する電着塗装方法であって、前記電着槽において、前記被塗物が全没状態で、複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置された第1のゾーン、及び前記第1のゾーンの下流側において複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置される第2のゾーンに所定電圧を通電する工程と、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとを通電した状態で、前記被塗物前記第1のゾーンから前記第2のゾーンに搬送する工程と、前記第1のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置され、電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極から電極液を回収する工程と、前記第1の隔膜電極の電極液を全て回収した状態で、前記第1のゾーンの通電を遮断する工程と、前記被塗物の移動が進み、次の被塗物が前記電着液に全没状態で、前記第1のゾーンの隔膜電極に電極液を供給し、前記第1のゾーンに所定電圧を通電する工程とを含むことに特徴を有する。
このような方法によれば、従来、バイポーラ現象の発生を抑制するために第1のゾーンと第2のゾーンとの間に設けていた無電極領域に、電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極が配置される。
そして、第1のゾーンと第2のゾーンとを通電した状態で、被塗物の第2のゾーンへの移行後に、第1の隔膜電極の電極液が抜かれ、次の被塗物の入槽に備えて第1のゾーンの通電が遮断される。これにより、第1の隔膜電極は浮遊導体にはならないため、電流の回り込みによるバイポーラ現象の発生が抑制される。また、搬送路上で電位が低下する区間がなくなるため、塗装効率を向上することができる。
尚、前記被塗物を前記第1のゾーンから前記第2のゾーンに搬送する工程の後、前記第2のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置されるとともに、複数の隔膜室を有し、各隔膜室に対し独立して電極液の供給/回収が可能な第2の隔膜電極に対し、前記被塗物の表面積に応じて前記各隔膜室に対する電極液の供給/回収を制御することが望ましい。
このような方法によれば、被塗物の大きさに合わせて、各隔膜室を陽極として機能させるかを決定し、電着槽中における通電量を制御することができる。即ち、大きさの異なる被塗物を電着槽に連続搬送しても、各被塗物に適した通電量で電着塗装を行うことができ、大きさの異なる被塗物に対し均一な膜厚の塗装を行うことができる。
本発明によれば、種類の異なる複数の被塗物が連続して電着槽に搬送される電着塗装装置において、各被塗物に要求される塗膜厚にてそれぞれ電着塗装することができるとともに、バイポーラ現象の発生を抑え、且つ効率的に電着塗装を行うことができる。
図1は、本発明に係る電着塗装装置を模式的に示した断面図である。 図2は、図1の電着塗装装置に用いる電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極の実施形態を示す縦断面図である。 図3は、図2の隔膜電極の横断面図である。 図4は、図2の隔膜電極の他の状態を示す縦断面図である。 図5は、図1の電着塗装装置に用いる電極液の供給/回収が可能な第2の隔膜電極の実施形態を示す縦断面図である。 図6は、図5の隔膜電極の横断面図である。 図7(a)〜(c)は、電着槽において被塗物を搬送する際の制御を説明するための模式的な断面図である。 図8(a)〜(c)は、図7に続く状態を示す断面図である。 図9(a)、(b)は、被塗物の大きさが異なる場合に、隔膜電極の陽極として機能させる部分の変化を模式的に示す断面図である。 図10は、一般的な電着塗装装置の構成を示す断面図である。 図11は、電着塗装の原理を説明するための断面図である。
以下、本発明にかかる隔膜電極及びそれを用いた電着塗装装置の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。尚、本発明に係る電着塗装装置は、ハンガーに吊した被塗物を、コンベアを用いて一定速度で搬送しながら、電着槽の電着塗料に全没させ、集電レールを介して被塗物と電極との間に所定の電圧を印加し電着塗装を行うものである。
図1は、本発明に係る電着塗装装置を模式的に示した断面図である。図1に示す電着塗装装置1は電着槽2を備え、この電着槽2は、内面をFRP等の電気絶縁材でライニングした舟形の金属タンクを採用し、中に水性塗料からなる電着塗料3を貯留している。前記電着槽2の上方には、被塗物の搬送方向に沿ってコンベア4(搬送手段)が設けられ、コンベア4の下方には、このコンベア4と並行して集電レール10が設けられている。尚、コンベア4にはコンベアパルス発信器17が設けられ、コンベア速度に応じたパルスを発信しており、このコンベアパルスは電着塗装における制御信号として用いられる。
コンベア4には絶縁部5を介してハンガー6が連結され、ハンガー6の上部に設けられた集電子(図示せず)が前記集電レール10と接触するように構成されている。また、本実施の形態において、被塗物Wは自動車ボデーとし、例えば異なるサイズのボデーが混在し、それらがハンガー6に吊持され、電着槽2の電着塗料3中に形成された搬送路に沿って搬送されるようになっている。
また、前記集電レール10は、電着槽2の入槽域に設置された第1レール10aと、その後に続く第2レール10b、第3レール10cとにより構成される。
集電レール10のうち、第1レール10aには、整流機能を持つ第1電源11(第1の電圧印加手段)により一方向に所定の電圧(例えば260V)が印加可能とされ、第2レール10bには、整流機能を持つ第2電源12(第2の電圧印加手段)により一方向に所定の電圧印加(例えば290V)が可能な構成となっている。尚、第3レール10cは被塗物Wが電着液から引き上げられた後での搬送のため常時0Vとなされる。
また、第1レール10a、第2レール10bにそれぞれ対応して、電着槽2内の電着塗料3に没する槽内及び被塗物側面には、複数の隔膜電極15(15A、15B、15C)が配置されている。尚、本実施の形態においては、例えば、被塗物W側を陰極とし、隔膜電極15側を陽極とするカチオン型電着塗装を実施するものとする。
また、以下の説明においては、第1レール10aにより被塗物Wが搬送される電着槽2中の領域を第1のゾーンと呼び、第2レール10bにより被塗物Wが搬送される電着槽2中の領域を第2のゾーンと呼ぶ。
本発明に係る実施の形態においては、例えば3種の隔膜電極15A、15B、15Cが用いられる。
隔膜電極15Aは、従来周知の隔膜電極、即ち、筒状に配置された隔膜内の電極管を陽極とする電着隔膜電極が用いられる。この隔膜電極15Aは、図1に示すように、第1のゾーンの前段及び中段に複数本(例えば図では8本)が所定の間隔を開けて配置される。さらに第2のゾーンの前段及び中段に複数本(例えば図では13本)が所定の間隔を空けて配置される。
また、隔膜電極15Bは、図1に示すように第1のゾーンの後段に複数本(図では3本)が配置される。複数の隔膜電極15Bのうち、末端の電極(第1のゾーンの最も下流側の電極)は、第2のゾーンの前端の電極と距離を離すこと無く配置される。
図2に1本の隔膜電極15Bの縦断面図を示し、図3にその横断面図を示す。図2、図3に示す隔膜電極15Bは、直棒状(筒状)の金属からなる電極管7の周りに配置された筒状の多孔性支持材8と、多孔性支持材8によってその外側に支持された隔膜9(例えばポリエチレンにより形成された膜)とを備える。
前記電極管7と多孔性支持材8と円筒状の隔膜9とは、その両端開口が絶縁キャップ13、14によって塞がれ、電極管7の外周面と多孔性支持材8の内周面との間の空間に隔膜室16が形成されている。この隔膜室16に電極液Lが充填されることによって、隔膜電極15Bが陽極として機能するようになっている。
また、前記電極管7には、第1電源11(第2電源12)の陽極側が接続されており、その内部には電極液Lが流れ込まないように密閉されている(即ち空洞状態)。
また、前記隔膜室16には、第1の流路として供給/回収パイプ20が配管されている。この供給/回収パイプ20は、上部側の絶縁キャップ13に貫挿され、その下端部開口20aが隔膜室16の底部付近(絶縁キャップ14付近)に位置している。この供給/回収パイプ20は、極液槽18から電極液Lを供給する、或いは隔膜室16内の電極液Lを回収するために設けられている。
また、前記隔膜室16には、第2の流路として、隔膜室16内からオーバーフローにより溢れた電極液Lを回収槽21に回収するとともに、隔膜室16内に外部から空気を供給するための供給/回収パイプ22が、上部側の絶縁キャップ13に挿通され、その一端開口22aが隔膜室16内の上部に配置されている。
尚、図2に示すように前記供給/回収パイプ20を通して隔膜室16内に電極液Lが供給されている場合、溢れた電極液Lが前記供給/回収パイプ22を通して回収槽21に回収される。
一方、図4に示すように前記供給/回収パイプ20を通して隔膜室16から電極液Lが回収される場合、前記供給/回収パイプ22を通して外部から隔膜室16に空気が供給され、電極液Lがすべて回収されることによって隔膜室16内が空気に置換されるようになっている。
また、前記供給/回収パイプ20の上端側は、切替バルブ25に接続されている。前記切替バルブ25は、3つの入出力ポートを持ち、その1つに供給/回収パイプ20が接続されている。他の2つのポートはそれぞれポンプP1に接続された回収パイプ26の一端側と、ポンプP2に接続された供給パイプ27の一端側とに接続されている。また、前記回収パイプ26の他端側と、供給パイプ27の他端側とは、それぞれ極液槽18に接続されている。
前記切替バルブ25は、供給/回収パイプ20の接続先を、回収パイプ26と供給パイプ27のいずれかに切り替えるためのものである。
また、極液槽18と回収槽21との間には、ポンプP3に接続されたパイプ28が設けられ、回収槽21に貯まった極液LをポンプP3の駆動で極液槽18に戻すようになっている。
このように構成された隔膜電極15Bを陽極(カチオン電着の場合)として機能させる場合、制御部100の制御により切替バルブ25の切り替え(電極液Lの供給/回収の切り替え)を行い、供給/回収パイプ20と供給パイプ27とを接続する。また、ポンプP2を駆動し、極液槽18から電極液Lを供給/回収パイプ20に流す。これにより、隔膜室16には電極液Lが供給開始され、溢れてオーバーフローした液は、供給/回収パイプ22を通って回収槽21に回収されるようになっている(図2の状態)。
また、第1電源11(第2電源12)からの電圧印加により、電着塗料内の余分な酸が隔膜を通じて隔膜室16内(電極管7)に導かれ、電着塗料内から分離除去される。また、塗料粒子とOH−イオンとの作用によって被塗物Wの表面に塗膜が析出される。
一方、隔膜電極15Bの陽極としての機能を停止させる場合、制御部100の制御により切替バルブ25の切り替えを行い、供給/回収パイプ20と回収パイプ26とを接続する。また、ポンプP1を駆動し、隔膜室16内の電極液Lを供給/回収パイプ20の先端部20aから吸い出し、極液槽18に回収する。また、このとき供給/回収パイプ22を通じて隔膜室16には空気が供給され、隔膜室16内にあった電極液Lは空気に置換される(図4の状態)。これにより、隔膜電極15Bは電極として機能しない状態となされる。
また、隔膜電極15Cは、図1に示すように第2のゾーンの後段に複数本(図では9本)が配置される。
図5は、隔膜電極15Cの縦断面図であり、図6はその横断面図である。図5に示すように、隔膜電極15Cは、複数(本実施形態では3つ)のサブ電極部15C1、15C2、15C3が上下に連結されてなる(即ち、隔膜電極15Bと同様の独立した機能を有する3つのサブ電極部15C1、15C2、15C3が1本の棒状に連結されている)。
図5において、サブ電極部15C1とサブ電極部15C2とは絶縁キャップ23により分離され、サブ電極部15C2とサブ電極部15C3とは絶縁キャップ24により分離されている。
切替バルブ25はサブ電極部15C1に対応するバルブ25Aと、サブ電極部15C2に対応するバルブ25Bと、サブ電極部15C3に対応するバルブ25Cとが設けられている。
各サブ電極部15C1、15C2、15C3の隔膜室16に対し極液Lの供給と回収を行うための供給/回収パイプ20A、20B、20Cのうち、供給/回収パイプ20Aはその下端開口がサブ電極部15C1の隔膜室16下部に配置され、供給/回収パイプ20Bはその下端開口がサブ電極部15C2の隔膜室16下部に配置され、供給/回収パイプ20Cはその下端開口がサブ電極部15C3の隔膜室16下部に配置される。
また、隔膜室16からオーバーフローした液を回収槽21に回収し、かつ空気を隔膜室16に供給するための供給/回収パイプ22A、22B、22Cにおいて、供給/回収パイプ22Aはその下端開口がサブ電極部15C1の隔膜室16上部に配置され、供給/回収パイプ22Bはその下端開口がサブ電極部15C2の隔膜室16上部に配置され、供給/回収パイプ22Cはその下端開口がサブ電極部15C3の隔膜室16上部に配置される。
尚、この実施形態にあっては、図6に示すように、最上部のサブ電極部15C1の隔膜室16内を3本の供給/回収パイプ20A、20B、20Cと2本の供給/回収パイプ22B、22Cが配置される。また、中央のサブ電極部15C2の隔膜室16内に2本の供給/回収パイプ20B、20Cと1本の供給/回収パイプ22Cが配置される。また、最下部のサブ電極部15C3の隔膜室16内に1本の供給/回収パイプ20Cが配置される。
このように構成された隔膜電極15Cを用いる電着塗装装置1によれば、1つの隔膜電極15C内で、さらに陽極として機能させる部分(サブ電極部)と機能させない部分(サブ電極部)とを分けることができるため、より細かな通電量の制御を行うことができる。
また、この電着塗装装置にあっては、第1電源11、第2電源12のオンオフ制御、隔膜電極15B、15Cに対する電極液Lの供給/回収の制御などを所定のプログラムにより実行するコンピュータからなる制御部100を備えている。
続いて、このように構成された電着塗装装置1における様々な大きさの車両を被塗物Wとする電着塗装の工程について説明する。
電着塗装装置1にあっては、電着槽2内の搬送路に沿って、複数の被塗物(車両)Wが連続搬送される。
図7(a)に模式的に示すように、第1のゾーンに最初の被塗物W1が入槽されると、制御部100は、図示しないセンサにより被塗物W1の位置を把握する。図7(a)に示すように、被塗物Wが電着液に全没状態とならない間は、第1電源11と第2電源12とは未だ通電しないオフ状態である。
被塗物W1が完全に電着液に全没状態となると、図7(b)に示すように、第1電源11と第2電源12とは、ともに通電されるオン状態となり、第1のゾーンでは所定の電圧(例えば260V)まで段階的に昇圧される。
また、被塗物W1が第2のゾーンへと搬送開始され、図7(c)に示すように被塗物W1が完全に第2のゾーンへ移動すると、直ぐさま第1のゾーンの後段の隔膜電極15Bの電極液Lを抜く作業が開始される(このとき、第1電源11と第2電源12とはともにオン状態)。
第1のゾーンの後段の隔膜電極15Bの電極液Lが完全に抜かれると、図8(a)に示すように、次の被塗物W2の入槽に備えて第1電源11がオフされ、第1のゾーンの通電が停止される。ここで、前記隔膜電極15Bは、電極液Lが抜かれているため、浮遊導体とはならず、第2ゾーンが第2電源12により通電状態であっても、電流の回り込みによるバイポーラ現象の発生が抑制される。
図8(b)に示すように被塗物W1、W2の移動が進み、さらに図8(c)に示すように次の被塗物W2が電着液に完全に全没すると、先ず第1電源11がオンされ、次に第1のゾーンの後段の隔膜電極15Bに電極液Lが充填される。第1電源11はオンであるため、第1のゾーンが通電される。
一方、第2のゾーンを搬送される被塗物W1は、第2のゾーンの中段までは一定の電圧下で電着塗装が施され、第2ゾーンの後段においては隔膜電極15Cを用いた制御により、細かく膜厚が調整される。
即ち、制御部100は被塗物Wの大きさに応じて各隔膜電極15Cの各サブ電極部15C1、15C2、15C3を陽極として機能させるか否かを制御する。具体的には被塗物Wの大きさによって、複数の隔膜電極15Cの各サブ電極部15C1,15C2、15C3を陽極として機能させるか否かを設定し、被塗物Wの通過に合わせて切替バルブ25A、25B、25Cの切り替えを行うように制御する。
例えば、図9(a)に示すように被塗物WSが小型車ボデーである場合には、隔膜電極15Cにおいて被塗物WSの近傍のサブ電極部のみを陽極として機能させることにより、通電量が小さく抑えられる。これにより過度の塗装を防止し、適切な膜厚を得ることができる。同様に図9(b)に示すように被塗物WLが大型車である場合には、例えば全てのサブ電極部を陽極として機能させることにより、通電量が大きくされ、これにより適切な膜厚を得ることができる。
また、第1のゾーンでの被塗物W2の搬送が進むと、図7(c)に示したように再び第1のゾーンでの通電及び電極の制御が行われることになる。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、従来、バイポーラ現象の発生を抑制するために第1のゾーンと第2のゾーンとの間に設けていた無電極領域に、電極液Lの供給/回収が可能な隔膜電極15Bが配置される。
そして、第1のゾーンと第2のゾーンとを通電した状態で、被塗物W1の第2のゾーンへの完全な移行後に、直ぐさま隔膜電極15Bの電極液Lが抜かれ、次の被塗物W2の入槽に備えて第1のゾーンの通電が遮断される。これにより、隔膜電極15Bは浮遊導体にはならないため、電流の回り込みによるバイポーラ現象の発生が抑制される。また、搬送路上で電位が低下する区間がなくなるため、塗装効率を向上することができる。
さらに、第2のゾーンにおいては、複数のサブ電極部を有し、各サブ電極部において電極液Lの供給/回収を可能とした複数の隔膜電極15Cが配置される。
これにより被塗物Wの大きさに合わせて、各サブ電極部を陽極として機能させるかを決定し、電着槽2中における通電量を制御することができる。即ち、車両ボデーの大きさの異なる被塗物Wを電着槽2に連続搬送しても、各被塗物Wに適した通電量で電着塗装を行うことができ、大きさの異なる被塗物Wに対し均一な膜厚の塗装を行うことができる。
尚、前記実施の形態においては、隔膜電極15Cにおいて、1つの隔膜電極15Cが3つのサブ電極部15C1,15C2,15C3からなるものとしたが、本発明にあっては、サブ電極部の数は限定されるものではない。例えば、2つのサブ電極部や4つのサブ電極部により1つの隔膜電極15Cを構成してもよい。
また、図9に示した例では、被塗物Wの大きさを2種として説明したが、その種類も限定されるものではなく、本発明に係る隔膜電極を用いることにより、より多種の被塗物Wが電着槽2中を搬送される場合にも対応することができる。
1 電着塗装装置
2 電着槽
3 電着塗料
4 コンベア
5 絶縁部
6 ハンガー
7 電極管
8 多孔性支持材
9 隔膜
10 集電レール
10a 第1レール
10b 第2レール
10c 第3レール
11 第1電源(第1の電圧印加手段)
12 第2電源(第2の電圧印加手段)
15A 隔膜電極
15B 隔膜電極(第1の隔膜電極)
15C 隔膜電極(第2の隔膜電極)
17 コンベアパルス発信器
100 制御部
W 被塗物

Claims (4)

  1. 電着塗料が貯留された電着槽の中の搬送路を被塗物が搬送され、前記電着槽に配置された隔膜電極と前記被塗物との間に所定の電圧が印加されることにより前記被塗物に塗装する電着塗装装置であって、
    前記電着槽において、複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置されるとともに、第1の電圧印加手段により所定電圧が通電される第1のゾーンと、
    前記第1のゾーンの下流側において、複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置されるとともに、第2の電圧印加手段により所定電圧が通電される第2のゾーンと、
    前記第1のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置され、電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極と、
    前記第1の隔膜電極に対する電極液の供給/回収制御、及び前記第1のゾーンと第2のゾーンとにおける通電制御を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとを通電した状態で、被塗物が前記第1のゾーンから前記第2のゾーンに搬送された際、前記第1の隔膜電極から電極液を回収してから、前記第1のゾーンの通電を遮断することを特徴とする電着塗装装置。
  2. 前記第2のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置され、複数の隔膜室を有し、各隔膜室に対し独立して電極液の供給/回収が可能な第2の隔膜電極を備え、
    前記制御手段は、被塗物の表面積に応じて前記各隔膜室に対する電極液の供給/回収を制御することを特徴とする請求項1に記載された電着塗装装置。
  3. 電着塗料が貯留された電着槽の中の搬送路を被塗物が搬送され、前記電着槽に配置された隔膜電極と前記被塗物との間に所定の電圧が印加されることにより前記被塗物に塗装する電着塗装方法であって、
    前記電着槽において、前記被塗物が全没状態で、複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置された第1のゾーン、及び前記第1のゾーンの下流側において複数の隔膜電極が前記搬送路に沿って配置される第2のゾーンに所定電圧を通電する工程と、
    前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとを通電した状態で、前記被塗物前記第1のゾーンから前記第2のゾーンに搬送する工程と、
    前記第1のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置され、電極液の供給/回収が可能な第1の隔膜電極から電極液を回収する工程と、
    前記第1の隔膜電極の電極液を全て回収した状態で、前記第1のゾーンの通電を遮断する工程と、
    前記被塗物の移動が進み、次の被塗物が前記電着液に全没状態で、前記第1のゾーンの隔膜電極に電極液を供給し、前記第1のゾーンに所定電圧を通電する工程とを含むことを特徴とする電着塗装方法。
  4. 前記被塗物を前記第1のゾーンから前記第2のゾーンに搬送する工程の後、
    前記第2のゾーンに配置される複数の隔膜電極のうち、少なくとも後段に配置されるとともに、複数の隔膜室を有し、各隔膜室に対し独立して電極液の供給/回収が可能な第2の隔膜電極に対し、前記被塗物の表面積に応じて前記各隔膜室に対する電極液の供給/回収を制御する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載された電着塗装方法。
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