JP6530171B2 - 培養産生物の回収方法 - Google Patents

培養産生物の回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6530171B2
JP6530171B2 JP2014183641A JP2014183641A JP6530171B2 JP 6530171 B2 JP6530171 B2 JP 6530171B2 JP 2014183641 A JP2014183641 A JP 2014183641A JP 2014183641 A JP2014183641 A JP 2014183641A JP 6530171 B2 JP6530171 B2 JP 6530171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
recovering
culture solution
filtration membrane
membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014183641A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016054686A (ja
Inventor
将史 芝野
将史 芝野
千尋 加藤
千尋 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Medical Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Medical Co Ltd
Priority to JP2014183641A priority Critical patent/JP6530171B2/ja
Priority to US14/640,511 priority patent/US20160068565A1/en
Publication of JP2016054686A publication Critical patent/JP2016054686A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6530171B2 publication Critical patent/JP6530171B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/34Extraction; Separation; Purification by filtration, ultrafiltration or reverse osmosis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/02Hollow fibre modules
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/14Dynamic membranes
    • B01D69/141Heterogeneous membranes, e.g. containing dispersed material; Mixed matrix membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/66Polymers having sulfur in the main chain, with or without nitrogen, oxygen or carbon only
    • B01D71/68Polysulfones; Polyethersulfones
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2323/00Details relating to membrane preparation
    • B01D2323/15Use of additives
    • B01D2323/218Additive materials
    • B01D2323/2182Organic additives
    • B01D2323/21839Polymeric additives
    • B01D2323/2187Polyvinylpyrolidone

Description

本発明は、培養産生物を産生する細胞の培養において、培養液に含まれる培養産生物を回収する方法に関する。
細胞培養技術は、成長ホルモン、エリスロポエチンなど各種のバイオ医薬品の製造には欠かせない技術であり、近年の医療の進歩に大きく貢献している。
これら有用物質の産生を目的とした、工業的な細胞の培養法は、大きく分けて、付着培養法と、懸濁培養法(浮遊培養法)の2つの方式に分類されるが、スケールアップの容易さ、大スケールでの制御の容易さなどから、懸濁培養法が主流となっている。
懸濁培養によって細胞を培養する方法においては、例えば、スピナーフラスコなどの培養槽中に調整された撹拌機能を設け、撹拌機能として、マグネティックスターラー又は機械的に駆動されるシャフト上の羽根車などを用いた培養法が提案されている。しかし、この培養法においては、一定量の栄養分の中で培養されるため細胞の生長増殖は比較的低い密度で停止する。このような細胞の懸濁培養法において、懸濁液中の細胞と、古い培養液及び産生された培養産生物とを長期にわたって効率よく分離し、古い培養液及び培養産生物を培養槽外へ取り出すことで、培養槽内の細胞の生育環境を長期間最適条件下に維持し続ける方法が検討されている。
上述の分離に中空糸膜を使用し、長期にわたり分離を行う、すなわち使用による膜の汚染を防ぐ手段として、例えば、特許文献1には、培養液の流動方法を新鮮培地の供給時と培養液の排出時とで逆転させる方法が記載されている。また、近年ではATF(alternating tangential flow)と呼称される交互流濾過という方法を用いることで膜の汚染を押さえつつ長時間、高密度の細胞培養を行うことが可能となり、生産性を高める有用な方法となりつつある。
生産性の向上は代替品のないバイオ医薬品製剤のコストダウン、製剤使用の拡大、医療費の削減につながり、医療の進歩に与える影響は計り知れない。
培養と組み合わせて濾過を行うシステム全体について、種々の工夫、改良が示されている。例えば、特許文献2〜4には交互流濾過を実現するためのシステムが開示されている。また、特許文献5には濾過を行う濾過膜についてその素材、構造、孔径及び濾過圧に関する知見が示されているものの、この用途に適した濾過膜に関してはまだ改良の余地がある。
特開平2−200176号公報 特表2012−503540号 米国特許第6544424号 特許第5003614号 特開2012−135249号
上記のこれまでの交互流濾過システムに用いられている濾過膜は、使用を続けるにつれ、目的物(細胞が産生した有用物質)の膜透過性が低下することが明らかになった。結果として、産生物の回収率が低下するばかりでなく、凝集体などの産生物に由来する不純物の増加を引き起こすことがある。産生物の回収率の低下は製造コストの高騰、医療費の高騰につながり、凝集体などの不純物の増加は、例えば、中和抗体の生成を引き起こすなど、製剤として用いたときに患者が引き起こす副作用の原因となりうる。いずれも医療上の由々しき問題である。
このような背景のもと、本発明は、培養産生物を産生する細胞の培養において、より生産性の高い培養方法及び培養産生物の回収方法を提供することを課題とする。本発明は、また、交互流濾過に適した濾過膜を使用した濾過方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、培養産生物を産生する細胞の培養液の交互流濾過においては、培養液側の膜表面に緻密層を有しない濾過膜及び培養液側表面の平均孔径が特定の範囲の濾過膜を交互流濾過に用いると、より生産性の高い培養を行うことができることを見いだした。このような濾過膜を、培養産生物を産生する細胞の培養における交互流濾過において使用することで、産生物の透過性を長期間維持し、産生物由来の不純物生成を低減することが可能である。この結果、培養産生物を産生する細胞について、より生産性の高い培養を行うことが可能となる。
すなわち、本発明は、以下の方法に関する。
[1]
培養産生物を産生する細胞の培養において、培養液に含まれる培養産生物を回収する方法であって、
B.前記培養液を濾過膜に送液する工程、
C.前記培養液の流れを、前記濾過膜表面に平行な方向に往復運動させるように変化させつつ濾過して透過液を得る交互流濾過工程、
D.前記濾過膜を透過せずに残った残培養液を返液する工程、及び
G.前記透過液から培養産生物を回収する工程、
を含み、
前記B工程に用いる濾過膜として、培養液側表面の平均孔径が20μm以上100μm以下の多孔膜を用いる、培養産生物の回収方法。
[2]
培養産生物を産生する細胞の培養において、培養液に含まれる培養産生物を回収する方法であって、
B.前記培養液を濾過膜に送液する工程、
C.前記培養液の流れを、前記濾過膜表面に平行な方向に往復運動させるように変化させつつ濾過して透過液を得る交互流濾過工程、
D.前記濾過膜を透過せずに残った残培養液を返液する工程、及び
G.前記透過液から培養産生物を回収する工程、
を含み、
前記B工程に用いる濾過膜として、培養液側表面の直径20μm未満となる孔の割合が培養液側表面の孔全体の50%以下である多孔膜を用いる、培養産生物の回収方法。
[3]
前記濾過膜が、培養液側表面の平均孔径が透過液側表面の平均孔径より大きい多孔膜である、[1]又は[2]に記載の培養産生物の回収方法。
[4]
前記濾過膜が中空糸膜である、[1]〜[3]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[5]
前記濾過膜の最小孔径が0.1μm以上1μm以下である、[1]〜[4]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[6]
前記濾過膜が、疎水性高分子と、ポリビニルピロリドンのブレンド物から構成される多孔質中空糸膜である、[1]〜[5]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[7]
前記濾過膜が、管壁を膜厚方向に3等分して3つの領域に分割したときに、前記濾過膜の透過液側表面である外側面を含む外周領域のポリビニルピロリドンの含有割合が、前記濾過膜の培養液側表面である内側面を含む内周領域のポリビニルピロリドンの含有割合より大きい中空糸膜である、[6]に記載の培養産生物の回収方法。
[8]
前記疎水性高分子が、ポリスルホンである、[6]又は[7]に記載の培養産生物の回収方法。
[9]
前記B工程の前に、
A.培養液中で、培養産生物を産生する細胞を培養して培養産生物を産生する工程、
を含む、[1]〜[8]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[10]
前記B〜D工程の何れかと同時又は前記B〜D工程の何れかの前もしくは後に、
E.新しい培養液を連続的及び/又は間欠的に供給する工程
を含む、[1]〜[9]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[11]
前記D工程の後に、
F.前記残培養液を排出する工程
を含む、[1]〜[10]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[12]
前記A工程が、培養槽に貯留された培養液中で行われる、[1]〜[11]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[13]
前記C工程が、筒状容器内に収納された濾過膜において行われる、[1]〜[12]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[14]
培養10日後の培養産生物の濾過膜透過率が、培養3日後の培養産生物の濾過膜透過率の70%以上である、[1]〜[13]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[15]
培養10日後の培養液中の凝集体比率が、培養2日後の培養液中の凝集体比率の150%未満である、[1]〜[14]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[16]
培養10日後の透過液中の凝集体比率が、培養2日後の透過液中の凝集体比率の150%未満である、[1]〜[15]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[17]
前記培養産生物が、生理活性物質である、[1]〜[16]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[18]
前記培養産生物が、タンパク質、ウイルス、エクソソーム及び核酸からなる群から選択される、[1]〜[17]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[19]
前記培養産生物が、免疫グロブリンである、[1]〜[18]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
[20]
前記培養が、連続培養である、[1]〜[19]の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
本発明によれば、培養産生物を産生する細胞の培養において、より生産性の高い培養及び培養産生物の回収を行うことができる。
図1は、実施例1(MF−SL(ATF))、比較例1(MF−SL(TFF))、比較例2(RT(Spectrum)(ATF))及び比較例3(RT(Spectrum)(TFF))の連続培養における、膜面積換算累積産生タンパク質量の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、培養産生物を産生する細胞の培養において、培養液に含まれる培養産生物を回収する方法である。
本実施形態において、細胞が産生する培養産生物は、細胞培養によって細胞が産生するものであれば特に限定されないが、例として、生理活性物質が挙げられ、より具体的には、タンパク質、ウイルス、エクソソーム、核酸(miRNAなど)などが挙げられる。特に、医薬品として利用される有用物であることが好ましく、具体例としては、ホルモン、サイトカイン、成長因子、酵素、血漿タンパク、エクソソーム、ウイルス様粒子、免疫グロブリン(抗体)などが挙げられる。これら有用物は、有用物を産生する細胞を培養することにより得ることができ、好適には、有用物を産生する細胞により生合成され、培養液中に放出される。
本実施形態において、培養産生物を産生する細胞とは、所望の培養産生物を、細胞内のタンパク質合成反応を利用して生産する細胞をいい、具体的には、大腸菌、CHO細胞等などが挙げられる。例えばATCCに供託された以下の細胞株などを用いることができる(CRL12444株、CRL12445株、CRL10762株)。そのような培養産生物産生能を有するよう改変した細胞であってもよい。上記細胞を培養して培養産生物を産生する条件及び培地組成などは培養産生物を産生することができる方法であれば特に限定されない。
本実施形態において、培養は、細胞が培養産生物を産生する方法であれば限定されないが、スケールアップの容易さ、大スケールでの制御の容易さなどの観点から、懸濁培養が好ましい。また、培養は、どのような方式で行われるものであってもよく、例えば、連続培養、フェドバッチ(流加)培養、バッチ(回分)培養等の方式が挙げられる。ここで、攪拌機能を追加するため、スピナーフラスコなどを設けてもよい。また、撹拌機能として、マグネティックスターラー又はシャフト上の羽根車などを用いてもよい。
本実施形態において、培養は、より培養産生物の生産性を高める観点から、連続培養であることが好ましい。連続培養とは、培養産生物を効率よく産生するために、新しい培養液を供給しつつ古い培養液を排出しながら細胞を培養する方法である。特に、効率よく産生するためには、培養産生物産生細胞の培養において、新しい培養液を培養槽内に供給しつつ、古い培養液を、培養槽外に排出し、培養槽内の培養産生物産生細胞の成育環境を最適条件下に維持しながら、長期で高密度培養を行うことが好ましい(例えば、特開昭61−257181号参照)。
ここで、培養産生物を産生する細胞の培養時の最適条件として、例えば、培養槽内の培養液のグルコース濃度を適切に制御することが挙げられる。例えば、培養槽内から一定量の培養液を取り出して、グルコース濃度を測定し、新しい培養液の供給量や、古い培養液の排出量を調整して、培養槽内の培養液のグルコース濃度を制御することができる。また、培養時の最適条件として、培養液中の乳酸などの代謝産物量を適切に制御することが挙げられる。この場合も同様に、培養槽内から一定量の培養液を取り出して、乳酸などの代謝産物量を測定し、上記のように制御することができる。
本実施形態における培養産生物の回収方法は、例えば、以下の工程を含む。
A.培養液中で、培養産生物を産生する細胞を培養して培養産生物を産生する工程、
B.前記培養液を濾過膜に送液する工程、
C.前記培養液の流れを、前記濾過膜表面に平行な方向に往復運動させるように変化させつつ濾過して透過液を得る交互流濾過工程、
D.前記濾過膜を透過せずに残った残培養液を返液する工程、及び
G.前記透過液から培養産生物を回収する工程。
なお、本実施形態の培養産生物の回収方法において、上記の各工程は、必ずしも順番通りに行われる必要はなく、適宜培養槽内の培養産生物の産生細胞の成育環境を最適条件下に維持しながら、長期で高密度の培養を行えるように各工程を行うことができる。例えば、A工程を継続的に行いつつ、B〜D及びG工程を進めることができる。
また、本実施形態の培養産生物の回収方法は、上記の工程以外の工程が含まれていてもよい。例えば、B〜D工程の何れかと同時又はB〜D工程の何れかの前もしくは後に、
E.新しい培養液を連続的及び/又は間欠的に供給する工程、
が含まれていてもよい。さらに、D工程の後に、
F.濾過されずに残った残培養液を排出する工程
が含まれていてもよい。
本実施形態の培養産生物の回収方法は、濾過膜を備える濾過装置と、培養槽とを用いて実施することができ、培養槽には、濾過膜へ培養液を送液する流出口及び濾過膜を透過せずに残った残培養液を返液する流入口を設けることができる。これらの流出口及び流入口は、同じであっても異なっていてもよい。さらに、培養槽には、培養槽内の培養液をサンプリングする流出口、新鮮培地を供給する流入口、残培養液を系外に排出する排出口を設けることができる。また、テストに用いるための装置等として、濾過膜を通過した透過液を培養槽に戻す流入口を設けてもよい。
また、上記の濾過装置には、培養槽からの培養液を濾過膜に送液する流入口及び濾過膜を通過せずに残った残培養液を培養槽に返液する流出口を設けることができる。これらの流出口及び流入口は、同じであっても異なっていてもよい。濾過膜を透過せずに残った残培養液は、培養液中で、培養産生物を産生する細胞を培養して培養産生物を産生する工程(A工程)又は培養液を濾過膜に送液する工程(B工程)に導入する培養液(培養槽)に
返液してもよい。さらに、濾過装置には、濾過膜内を交互流濾過により透過した、培養液と産生された培養産生物とを含む透過液の流出口及び濾過膜を濾過せずに残った残培養液を系外に排出する流出口を設けることができる。
培養槽と、濾過装置とは、必要に応じて送液手段により適宜接続される。例えば、細胞を連続培養する場合、培養槽から濾過膜へ培養液を送液する流出口と、この流出口とは異なる、濾過膜を透過せずに残った残培養液を培養槽へ返液する流入口とにより、培養槽と濾過装置とを接続することができる。連続培養を行うために、モニタリングするための圧力計、重量計、各種ポンプ(ダイヤフラムポンプ等)なども適宜設けられる。また、濾過装置は、交互流濾過に適していることから、筒状容器であることが好ましい。
濾過後の透過液からの培養産生物の回収は、各タンパク質の種類に応じて当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、透過液に含まれる培養産生物を、そのまま溶液として回収してもよいし、遠心、濃縮、精製等を適宜行って回収してもよい。
本実施形態においては、培養産生物を産生する細胞の培養において、培養産生物の生産性の高い培養を行うために、培養液の流れを、濾過膜表面に平行な方向に往復運動させるように変化させつつ濾過する交互流濾過により、培養液の濾過を行う。交互流濾過は、交互流濾過を行う装置、例えばRefine Technology社製のATF−2と、濾過膜を有する濾過モジュールとを組み合わせて行うことができる。
本実施形態の方法は、培養産生物を産生する細胞の培養において、すなわち、培養産生等の産生細胞の培養を継続しながら濾過をする際に好適に用いられる方法であるが、培養を、例えば、予め培養槽に貯留された培養液中で一定期間行い、所望の量のタンパク質が産生された後に行ってもよい。その際、濾過を行う間、培養を継続して行っていてもよい。
その場合、本実施形態の培養産生物の回収方法は、上記B〜D工程を含む。
また、このとき、上記E工程を含めることができ、E工程において供給する新鮮な培養液の量を減量することにより、濾過を終了させることができる。
本実施形態においては、培養産生物の生産性を高めるという観点から、濾過膜として、培養液側表面に緻密層を実質的に有しない多孔膜を用いることが好ましい。具体的には、後述の実施例に記載の内側面孔径の測定方法にならい、重複せず、特定の場所に偏らない膜表面上の領域10カ所程度について100個以上の孔を顕微鏡で観察し、得られた顕微鏡写真における細孔を円形近似処理し、その面積から100個以上の孔の直径を求める。このとき、直径が20μm未満となる孔の割合から緻密層の有無を確認することができる。緻密層を有しない多孔膜を用いるという観点から、培養液側表面の直径が20μm未満となる孔の割合が培養液側表面の孔全体の50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましく、20%以下であることがさらにより好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
本実施形態においては、培養産生物の生産性を高めるという観点から、濾過膜として、培養液側表面の平均孔径が20μm以上100μm以下の多孔膜を用いることが好ましい。濾過膜の平均孔径は、例えば、後述の実施例に記載の方法を用いて確認することができる。交互流濾過工程中に濾過膜の培養液側表面の膜孔に対して疎水性物質等の保持と除去が常に繰り返される。このことにより、ある特定物質の蓄積による高濃度層の生成が防がれ、この高濃度層による浸透性の低下に起因するその特定物質、すなわち、ここでは目的タンパク質の透過率の低下を防ぐことができる。例えば、濾過膜の培養液側表面の平均孔径が20μm以上であることにより、膜面への特定物質の堆積による膜孔の閉塞を防止することができ、100μm以下であることにより、濾過膜の強度を適正な範囲とすることができる。培養液側表面の平均孔径が20μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上60μm以下であることがより好ましい。
また、多孔膜の形状は、中空糸膜であることが好ましい。多孔質中空糸膜によれば、低圧での濾過が可能であり、培養産生物産生細胞へのダメージが少ないため、連続培養等における濾過工程に好適である。特に、濾過の経過によって膜が閉塞する過程で、タンパク質の透過率が低下しにくく、長期間タンパク質透過率を維持できる多孔質中空糸膜を用いることで、高い生産性を実現できる。
本実施形態においては、濾過膜は、疎水性高分子と、親水性高分子のブレンド物から構成されているものであることが好ましい。特に、親水性高分子が、ポリビニルピロリドンであることが好ましい。濾過膜は、疎水性高分子と、親水性高分子のポリビニルピロリドンのブレンド物から管壁が構成されている多孔質中空糸膜であることが好ましい。多孔質中空糸膜に、疎水性高分子を使用することで、適度な機械的強度を持たせることができ、連続培養等のような長期使用にも耐える耐久性を持たせることができるため好適である。また、親水性高分子であるポリビニルピロリドンを適正量含有させたブレンド物から管壁が構成されていることにより、破砕した細胞、抗体等の疎水性物質粒子の吸着による膜汚染や、各種医薬品の精製工程において培養産生物の回収率の低下を防止することができる。
濾過膜のポリビニルピロリドン含有量は、多孔質中空糸膜の総質量を基準としたとき、0.2質量%以上3質量%以下であることが好ましい。0.2質量%以上であることにより、疎水性物質等の吸着による汚染による膜孔内の閉塞を防止することができ、3質量%以下であることにより、機械的強度を保つことができ、親水性高分子の膨潤による膜孔の閉塞を防止し濾過抵抗が大きくなるのを防ぐことができる。
濾過膜は、管壁を膜厚方向に3等分して3つの領域に分割したときに、透過液側表面である外側面を含む外周領域のポリビニルピロリドンの含有割合が、培養液側表面である内側面を含む内周領域のポリビニルピロリドンの含有割合より大きいものを用いることが好ましい。これは、濾過工程中、内周領域においては膜孔より小さい疎水性物質等の粒子を保持することでデプス濾過の効果を発揮することができ、一方外周領域においては疎水性物質の粒子の吸着による膜孔への閉塞を防止することができるためである。
本実施形態において、培養産生物の生産性を高めるという観点から、濾過膜は、培養液側表面の平均孔径が透過液側側面の平均孔径より大きい多孔質中空糸膜であることが好ましい。これは、培養液側表面の孔では疎水性物質等を膜孔内部に保持してデプス濾過の効果を果たし、透過液側表面では濾過時の疎水性物質等の分画効果を果たすためである。
濾過膜に含まれるポリビニルピロリドンは、多孔質中空糸膜の製造に好適な溶液粘度とすることができる観点で、重量平均分子量が400000以上800000以下のものであることが好ましい。
濾過膜は、孔径20μm以上の孔を、少なくとも50%以上有するものであることが好ましく、60%以上有するものであることがより好ましく、70%以上有するものであることがさらに好ましく、80%以上有するものであることが特に好ましい。連続培養等に使用する濾過膜は長期間での使用と高い透過処理量が必要とされる。孔径50μm以上の孔が50%以上であることにより、膜内部の除去物を保持可能であり、デプス濾過の効果を十分に得ることができる。
濾過膜は、最小孔径が0.1μm以上1μm未満である多孔膜であることが好ましく、中空糸膜であることが好ましい。また、透過液側表面側に、孔径0.1μm以上1μm未満の層を有することが好ましく、透過液側表面の孔径が0.1μm以上1μm未満であることが好ましい。上記孔径が0.1μm以上であることにより、濾過抵抗や濾過に要する圧力の上昇による細胞に対するダメージを防止することができる。孔径が1μm以下であることにより、十分な分画性を得ることができる。最小孔径が0.2μm以上0.8μm未満であることがより好ましく、0.3μm以上0.6μm未満であることが更に好ましい。
濾過膜は、管壁の膜厚が300μm以上1000μm以下の多孔質中空糸膜であることが好ましく、350μm以上800μm以下であることがより好ましい。膜厚は、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。膜厚が300μm以上であることにより、膜内部の除去物を保持可能であり、デプス濾過の効果を十分に得ることができる。また、適当な濾過速度を維持することができる。膜厚が1000μm以下であることにより、モジュールあたりの有効な断面積を維持し、濾過性能を優れたものとすることができる。
濾過膜は、下記の式(I)を満たすものであることが好ましい。
out/Cin≧2 (I)
[式(I)中、Coutはポリビニルピロリドンの前記外周領域における含有割合を示し、Cinはポリビニルピロリドンの前記内周領域における含有割合を示す。]
親水性高分子がこのような分布を示す多孔質中空糸膜は、内周領域における、デプス濾過の効果と、外周領域における、除去物の吸着による膜孔の閉塞防止効果とに一層優れる。
濾過膜は、内径が1000μm以上2000μm以下の多孔質中空糸膜であることが好ましい。連続培養等においては培養液が高密度の細胞懸濁液となるが、内径が1000μm以上であることにより、中空糸の入り口が凝集した懸濁物質によって閉塞することを防止することができ、また、内径が2000μm以下であることにより、モジュールあたりの有効な断面積を維持し、濾過性能を優れたものとすることができる。
本実施形態において、濾過膜が疎水性高分子を含む場合、疎水性高分子は、ポリスルホンを含むものが好ましい。この疎水性高分子であれば、多孔質中空糸膜が温度変化や圧力変化に対する強度に一層優れ、高い濾過性能を発現することができる。
本実施の形態において、上記B〜D工程を最適な条件で行うことによって、高い効率で培養産生物を回収することでき、また、培養液中の凝集体比率の増加を長期間低く維持することができる。
例えば、培養槽内の培養液の細胞密度が10×105cells/mL以上2000×105cells/mL以下の培養液を濾過膜に送液して、B工程を実施することが好ましい。10×105cells/mL以下であると、細胞密度が低く目的とする培養産生物の産生量が少量である場合があり、一方、細胞密度が2000×105cells/mL以上であると、細胞密度が高く培養液中の栄養成分が不足するため、速やかに培地交換を実施する必要があり得る。
また、B工程における培養液の送液と、D工程における残培養液の返液との時間的な間隔は、3秒以上26秒以下に設定することが好ましい。この送液と返液とは、典型的にはポンプ(ダイヤフラムポンプ等)を用いて行われるが、3秒以下であると、装置の作動下限値等の制限により、ポンプによる送液の安定供給ができない場合があり、26秒以上であると、培養液中の細胞が中空糸膜内に滞留する時間が長くなるため、細胞へのダメージが引き起こされる場合がある。
また、B工程における培養液の送液と、D工程における残培養液の返液の際の流量は、2L/分、m2以上40L/分、m2以下に設定することが好ましい。2L/分、m2以下であると、培養液中の細胞が中空糸膜内に滞留する時間が長くなるため細胞へのダメージが引き起こされる場合があり、40L/分、m2以上のときは、ポンプによる送液の安定供給ができない場合がある。
また、連続培養によって培養を行う場合、培養液を循環させる際の流速は、2L/分、m2以上40L/分、m2以下に設定することが好ましい。2L/分、m2以下であると、培養液中の細胞が中空糸膜内に滞留する時間が長くなるため、細胞へのダメージが引き起こされる場合があり、40L/分、m2以上のときは、ポンプによる送液の安定供給ができない場合がある。
また、E工程における培養液の供給は、連続培養によって培養を行う場合、10L/日、m2以上200L/日、m2以下で培養液を供給することが好ましい。10L/日、m2以下では細胞に十分な栄養が供給されない場合があり、200L/日、m2以上のときは、培養産物濃度が十分に高まらない場合がある。
連続培養等を行う場合の、培養槽に保持されている培養液量と、濾過膜の面積比である、培養液量/濾過膜面積比は5L/m2〜200L/m2であることが望ましい。5L/m2以下では膜面積に対して液量が少なく、循環などに支障をきたす場合があり、200L/m2以上では膜面積に対して液量が多く、閉塞が起こりやすくなる場合がある。
本実施形態の一態様においては、培養を継続しても、培養産生物の濾過膜透過率が低下しにくく、より生産性の高い培養(好ましくは連続培養)を行うことができる。例えば、培養10日後の培養産生物の濾過膜透過率が、培養3日後の培養産生物の濾過膜透過率の70%以上であり得る。また、例えば、培養産生物が免疫グロブリンG(IgG)である場合、培養10日後の濾過膜のIgG透過率は、培養3日後の濾過膜のIgG透過率の70%以上であり得る。75%以上が好ましく、80%がより好ましく、85%以上がさらに好ましく、90%以上、95%以上及び98%以上が特に好ましい。
培養産生物の濾過膜透過率は、例えば後述の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。好ましい態様において、培養液の細胞密度が10×105cells/mL以上2000×105cells/mL以下、培養液の送液する際の流量が2L/分、m2以上40L/分、m2以下である場合、例えば、細胞の種類、細胞数、培養液組成、連続培養時の流速等の条件の1以上について、後述の実施例1に記載の条件で連続培養を行った場合に、培養10日後の濾過膜のIgG透過率が、培養3日後の濾過膜のIgG透過率の70%以上となる。
本実施形態の一態様においては、培養を継続しても培養液中及び/又は透過液中の培養産生物(例えばIgG等)の凝集体比率が低く、より生産性の高い培養(好ましくは連続培養)を行うことができる。例えば、培養10日後の培養液中の凝集体比率が、培養2日後の培養液中の凝集体比率の150%未満であり得、培養10日後の透過液中の凝集体比率が、培養2日後の透過液中の凝集体比率の150%未満であり得る。好ましい態様において、培養液の細胞密度が10×105cells/mL以上2000×105cells/mL以下、培養液の送液する際の流量が2L/分、m2以上40L/分、m2以下である場合、例えば、細胞の種類、細胞数、培養液組成、連続培養時の流速等の条件の1以上について、後述の実施例1に記載の条件で連続培養を行った場合に、上記の凝集体比率となる。
本実施形態において、上記のような濾過膜の一例示として、下記の実施例で用いられる濾過膜などがある。また、本実施形態においては、国際公開第2010/035793号公報に記載される濾過膜を用いることもできる。各測定方法も、国際公開2010/035793号公報に準じて測定することができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいてより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施形態に用いられる測定方法は以下のとおりである。
(1)内側面孔径の測定、並びに、最小孔径層の位置及び緻密層の有無の確認
凍結乾燥した多孔質中空糸膜の内側面を、電子顕微鏡(株式会社キーエンス製、VE−9800)を用いて1視野において10個以上の孔が観測可能な倍率で観察した。得られた顕微鏡写真における細孔10個を円形近似処理し、その面積から求めた直径の平均を内側面孔径とした。凍結乾燥した多孔質中空糸膜の断面を内側面側から外側面側へ向かって連続して顕微鏡観察し、断面孔径が最小になる層(最小孔径層)の位置を確認した。
また、多孔質中空糸膜の最内面の構造を顕微鏡観察し、内側面孔径から緻密層の有無を確認した。具体的には、上述の、1視野において細孔10個の観察を行い、重複せず特定の場所に偏らない膜表面上の領域10ヶ所程度の視野において100個以上の孔について行い、直径が20μm未満となる孔の割合が50%を超える場合に、緻密層が有ると判断した。直径が20μm未満となる孔の割合が50%以下である場合に、緻密層が無いと判断した。
(2)最小孔径層の孔径決定法
ポリスチレンラテックス粒子(JSR株式会社製、SIZE STANDARD PARTICLES)を、0.5質量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)に、粒子濃度が0.01質量%になるように分散させ、ラテックス粒子分散液を調整した。
多孔質中空糸膜を用いてラテックス粒子分散液の濾過を行い、濾過前後のラテックス粒子の濃度変化を測定した。この測定を、0.1μmから約0.1μm刻みでラテックス粒子径を変えながら行いラテックス粒子の阻止曲線を作成した。この阻止曲線から、98%透過阻止可能な粒子径を読み取り、その径を最小孔径層の孔径(阻止孔径)とした。
「(1)最小孔径層の位置の確認」により、外周領域に最小孔径層があることが確認できたとき、「(2)最小孔径層の孔径決定法」により決定される最小孔径層の孔径(阻止孔径)は、外周領域の阻止孔径である。
(3)多孔質中空糸膜の内径、外径及び膜厚の測定
多孔質中空糸膜を円管状に薄くきりそれを光学顕微鏡(株式会社キーエンス製、VH6100)で観察し、多孔質中空糸膜の内径(μm)、外径(μm)を測定した。得られた内径、外径から下記の式(II)を用いて膜厚を算出した。
膜厚(μm)=(外径−内径)/2 (II)
(4)タンパク質濃度及び透過率の測定
連続培養時の濾過工程後の透過液及び培養槽内の培養液のタンパク質濃度をELISA法で定量分析を行った。
多孔質中空糸膜のタンパク質透過率については下記の式(III)を用いて算出した。
タンパク質透過率X=(透過液のタンパク質濃度)/(透過液をサンプリングした際の培養槽内の培養液のタンパク質濃度)×100 (III)
(5)培養槽内の総細胞密度及び細胞生存率の測定
連続培養中の培養槽の培養液をサンプリングして、細胞数自動計測装置(GE Healthcare製 CYTORECON)を使用して総細胞密度及び細胞生存率を測定した。
(6)培養液及び濾過液中のIgG凝集体比率の測定
培養液又は濾過液からのIgGの精製には市販のアフィニティクロマトグラフィ担体カラム(MabSelect、GEヘルスケア・ジャパン株式会社)を用いた。抗体の吸着及び溶出条件は、製品に付属の説明書に従った。抗体を担体カラムから溶出する際の溶液の水素イオン指数は、pH3.0であった。回収された溶出液の水素イオン指数は、1mol/Lトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用いる滴定により、pH5.0とした。
得られた抗体標品の抗体凝集体比率の測定には高速液体サイズ排除クロマトグラフィのシステムを利用した。すなわち、リザーバタンク(移動相、0.1mol/Lリン酸、0.2mol/Lアルギニン、pH6.8)、送液ポンプ(送液線速1.68cm/min)、サンプルループ(容量100μL)、カラム(室温)、検出器(紫外線、波長280nm)、ドレンの順に接続した該システムを用いて抗体標品をロードした後、検出器から検出された吸光度から、抗体標品に含有される凝集体の比率を定量した。内径(直径)7.8mm、ベッド高さ300mmの東ソーTSKGEL G3000SWXLカラムを用いた。典型的には、溶出時間16分迄に2量体以上の凝集体ピーク(ピークA)が検出され、溶出時間16分乃至18分に単量体ピーク(ピークB)が検出される。これらのピークの面積から、下記(IV)式を用いて抗体凝集体比率を算出した。
凝集体比率(%)=100×(ピークAの面積)/(ピークAの面積+ピークBの面積) (IV)
(実施例1)
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を無血清培地(Invitrogen社 CD opti CHO AGT without 2ME)で培養して、CHO細胞懸濁液を得た。
あらかじめ12L容量の細胞培養槽、細胞培養液中の細胞と使用済み培地を分離する膜として多孔質中空糸膜モジュール(旭化成メディカル社製、BioOptimal MF−SLに内蔵されている中空糸膜を用いて作製したミニモジュール、膜面積0.085m2)、該膜を装填した連続培養用の交互流濾過用システム(ATF−2、Refine Technology製)、未使用の培地を培養槽に供給する培地タンクのすべてを接続してオートクレーブ滅菌した。なお培養槽には培養槽から多孔質中空糸膜へ培養液を送液する流出口、培養槽内の培養液をサンプリングする流出口、新鮮培地を供給する流入口を設けた。
4.5Lの新鮮無血清培地にヒト免疫グロブリンG(日本血液製剤機構製 献血ヴェノグロブリンIH5%静注2.5g/50mL)を培養液に対して0.5mg/mLの濃度で添加して模擬培養液として培養槽に送入し、さらに5×E5cells/mLのCHO細胞懸濁液を1L送入し培養を開始した。その後、総細胞数が1.5×E7cells/mLに増殖したことを確認した後に、細胞培養液を一部抜きだして培養槽内の液量を4Lに調整した後、交互流濾過用システムを起動して培養液の濾過及びヒト免疫グロブリンGを培養液に対して0.5mg/mLの濃度で添加した未使用の培地を模擬培養液として培養槽へ供給する連続培養を開始した。
交互流濾過用システムのダイアフラムポンプにより培養槽から多孔質中空糸膜への送液を行い、濾過を行った。送液量はPermeate量の250倍となるように0.5〜1.2L/分(6〜14L/分、m2)に設定した。培地交換率は連続培養スタート時には1総培養液量/日として培養槽内の総細胞密度の増加に合わせて0.75〜1.75総培養液量/日の範囲内(=約35〜約82L/日、m2)で培地交換率を上げた。多孔質中空糸膜の透過液流出口にはポンプを設置し未使用培地の供給量と同じ一定速度で透過液を抜き出し、またその透過液量を随時測定できるように重量計も設置した。
1日1回培養槽及び透過液をサンプリングして総細胞密度、細胞生存率、タンパク濃度を測定し、タンパク濃度からタンパク質透過率を計算した。また透過液のタンパク濃度、透過液重量、使用している多孔質中空糸膜の膜面積からm2換算した累積産生タンパク量を計算した。結果を表1及び図1に示す。
培養日数10日目の総細胞密度は5.30×E7cells/mLで細胞生存率は76.47%、タンパク質透過率は82.1%、累積産生タンパク量は234.2g/m2であった。
以下に示す比較例1〜3に対して細胞生存率、タンパク透過率及び累積産生タンパク量は高く、本方法の有用性が示された。
(比較例1)
あらかじめ12L容量の細胞培養槽、細胞培養液中の細胞と使用済み培地を分離する膜として多孔質中空糸膜モジュール(旭化成メディカル社製、BioOptimal MF−SLに内蔵されている中空糸膜を用いて作製したミニモジュール、膜面積0.085m2)、未使用の培地を培養槽に供給する培地タンクのすべてを接続してオートクレーブ滅菌した。なお培養槽には培養槽から多孔質中空糸膜へ培養液を送液する流出口、多孔質中空糸膜内を通過して培養槽に戻る流入口、培養槽内の培養液をサンプリングする流出口、新鮮培地を供給する流入口を設けた。
4.5Lの新鮮無血清培地にヒト免疫グロブリンGを培養液に対して0.5mg/mLの濃度で添加して模擬培養液として培養槽に送入し、さらに5×E5cells/mLのCHO細胞懸濁液を1L送入し培養を開始した。
その後、総細胞数が1.5×E7cells/mLに増殖したことを確認した後に、細胞培養液を一部抜きだして培養槽内の液量を4Lに調整した後、濾過を開始した。濾過はペリスタックポンプにより培養槽から多孔質中空糸膜への送液を行い、タンジェンシャルフロー濾過を行った。送液量はずり速度2900s-1となるように設定して連続培養を行った。ヒト免疫グロブリンGを培養液に対して0.5mg/mLの濃度で添加した未使用の培地を模擬培養液として1〜1.75総培養液量/日の範囲内で培養槽へ供給し、多孔質中空糸膜の透過液流出口にはポンプを設置し未使用培地の供給量と同じ一定速度で透過液を抜き出し、またその透過液量を随時測定できるように重量計も設置した。
実施例1と同様にサンプリングを行い、各種測定を行った結果を表1に示す。培養日数10日間目の総細胞密度は4.32×E7cells/mLで細胞生存率は75%、タンパク質透過率は68%、累積産生タンパク量は213.5g/m2であった。
(比較例2)
多孔質中空糸膜として、Refine Technology社製 MFホロファイバーモジュール(阻止孔径0.2μm、膜面積0.13m2)を使用し、液量を膜面積換算で実施例1と同じになるように調整した以外は、実施例1と同様にして交互流濾過用システムを用いた連続培養を行った。
実施例1と同様にサンプリングを行い、各種測定を行った結果を表1に示す。培養日数10日間目の総細胞密度は4.39×E7cells/mLで細胞生存率は73%、タンパク質透過率は41%、累積産生タンパク量は166.1g/m2であった。
(比較例3)
多孔質中空糸膜として、SPECTRUM社製Midicross X32E−301−02N(阻止孔径0.2μm、膜面積0.0065m2)を使用し、液量を膜面積換算で実施例1と同じになるように調整した以外は、比較例1と同様にして連続培養を行った。
実施例1と同様にサンプリングを行い、各種測定を行った結果を表1に示す。培養日数10日間目の総細胞密度は3.73×E7cells/mLで細胞生存率は68%、タンパク質透過率は38%、累積産生タンパク量は157.6g/m2であった。
なお、実施例1及び比較例1で用いた中空糸膜は:
ポリスルホンとポリビニルピロリドンのブレンド物から構成された中空糸膜であり;
ポリビニルピロリドン含有量は、多孔質中空糸膜の総質量を基準としたとき、1.2質量%であり;
外側面(透過液側)を含む外周領域のポリビニルピロリドンの含有割合が、内側面(培養液側)を含む内周領域のポリビニルピロリドンの含有割合より大きく;
濾過膜に含まれるポリビニルピロリドンの重量平均分子量が44万のグレードであり;
孔径20μm以上の孔を、90%有し;
out/Cin[Coutはポリビニルピロリドンの前記外周領域における含有割合を示し、Cinはポリビニルピロリドンの前記内周領域における含有割合を示す]の値が約2.7であった。
比較例2及び3で用いた中空糸膜は、ポリエーテルスルホン製の中空糸膜であった。
さらに、前記実施例1並びに比較例2及び3における、培養液及び透過液中の産生物凝集体比率を比較した結果を以下に示す。
培養初期(day2)ではいずれの膜モジュールを用いた場合でも培養液中及び濾過液中の凝集体比率に差は認められないが、培養後期(day10)においては実施例1(BioOptomal MF−SL使用)でのみ凝集体比率の増加が抑えられていた。以上より、培養継続時の不純物比率の増加を抑制するという本方法の有用性が示された。
本発明は、培養産生物を産生する細胞の培養において、より生産性の高い培養方法及び培養産生物の回収方法を提供することができるという産業上の利用可能性を有する。本発明は、バイオ医薬等の分野において有用である。

Claims (21)

  1. 培養産生物を産生する細胞の培養において、培養液に含まれる培養産生物を回収する方法であって、
    B.前記培養液を濾過膜に送液する工程、
    C.前記培養液の流れを、前記濾過膜表面に平行な方向に往復運動させるように変化させつつ濾過して透過液を得る交互流濾過工程、
    D.前記濾過膜を透過せずに残った残培養液を返液する工程、及び
    G.前記透過液から培養産生物を回収する工程、
    を含み、
    前記B工程に用いる濾過膜として、培養液側表面の平均孔径が20μm以上100μm以下の多孔膜を用い、
    前記培養産生物が免疫グロブリンであり、
    前記細胞が免疫グロブリン産生能を有するよう改変したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、培養産生物の回収方法。
  2. 培養産生物を産生する細胞の培養において、培養液に含まれる培養産生物を回収する方法であって、
    B.前記培養液を濾過膜に送液する工程、
    C.前記培養液の流れを、前記濾過膜表面に平行な方向に往復運動させるように変化させつつ濾過して透過液を得る交互流濾過工程、
    D.前記濾過膜を透過せずに残った残培養液を返液する工程、及び
    G.前記透過液から培養産生物を回収する工程、
    を含み、
    前記B工程に用いる濾過膜として、培養液側表面の直径20μm未満となる孔の割合が培養液側表面の孔全体の50%以下である多孔膜を用い、
    前記培養産生物が免疫グロブリンであり、
    前記細胞が免疫グロブリン産生能を有するよう改変したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、培養産生物の回収方法。
  3. 前記濾過膜が、培養液側表面の平均孔径が透過液側表面の平均孔径より大きい多孔膜である、請求項1又は2に記載の培養産生物の回収方法。
  4. 前記濾過膜が中空糸膜である、請求項1〜3の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  5. 前記濾過膜の最小孔径が0.1μm以上1μm以下である、請求項1〜4の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  6. 前記濾過膜が、疎水性高分子と、ポリビニルピロリドンのブレンド物から構成される多孔質中空糸膜である、請求項1〜5の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  7. 前記濾過膜が、管壁を膜厚方向に3等分して3つの領域に分割したときに、前記濾過膜の透過液側表面である外側面を含む外周領域のポリビニルピロリドンの含有割合が、前記濾過膜の培養液側表面である内側面を含む内周領域のポリビニルピロリドンの含有割合より大きい中空糸膜である、請求項6に記載の培養産生物の回収方法。
  8. 前記疎水性高分子が、ポリスルホンである、請求項6又は7に記載の培養産生物の回収方法。
  9. 前記B工程の前に、
    A.培養液中で、培養産生物を産生する細胞を培養して培養産生物を産生する工程、
    を含む、請求項1〜8の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  10. 前記B〜D工程の何れかと同時又は前記B〜D工程の何れかの前もしくは後に、
    E.新しい培養液を連続的及び/又は間欠的に供給する工程
    を含む、請求項1〜9の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  11. 前記D工程の後に、
    F.前記残培養液を排出する工程
    を含む、請求項1〜10の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  12. 前記A工程が、培養槽に貯留された培養液中で行われる、請求項9〜11の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  13. 前記C工程が、筒状容器内に収納された濾過膜において行われる、請求項1〜12の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  14. 培養10日後の培養産生物の濾過膜透過率が、培養3日後の培養産生物の濾過膜透過率の70%以上である、請求項1〜13の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  15. 培養10日後の培養液中の凝集体比率が、培養2日後の培養液中の凝集体比率の150%未満である、請求項1〜14の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  16. 培養10日後の透過液中の凝集体比率が、培養2日後の透過液中の凝集体比率の150%未満である、請求項1〜15の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  17. 培養液の細胞密度が10×10 5 cells/mL以上2000×10 5 cells/mL以下であり、培養液を送液する際の流量が2L/分、m 2 以上40L/分、m 2 以下であり、培養10日後の培養産生物の濾過膜透過率が、培養3日後の培養産生物の濾過膜透過率の70%以上である、請求項14に記載の培養産生物の回収方法。
  18. 培養液の細胞密度が10×10 5 cells/mL以上2000×10 5 cells/mL以下であり、培養液を送液する際の流量が2L/分、m 2 以上40L/分、m 2 以下であり、培養10日後の培養液中の凝集体比率が、培養2日後の培養液中の凝集体比率の150%未満である、請求項15に記載の培養産生物の回収方法。
  19. 培養液の細胞密度が10×10 5 cells/mL以上2000×10 5 cells/mL以下であり、培養液を送液する際の流量が2L/分、m 2 以上40L/分、m 2 以下であり、培養10日後の透過液中の凝集体比率が、培養2日後の透過液中の凝集体比率の150%未満である、請求項16に記載の培養産生物の回収方法。
  20. 前記培養が連続培養である、請求項1〜19の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
  21. 培養産生物である免疫グロブリンの凝集体増加が抑制される、請求項1〜20の何れかに記載の培養産生物の回収方法。
JP2014183641A 2014-09-09 2014-09-09 培養産生物の回収方法 Active JP6530171B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014183641A JP6530171B2 (ja) 2014-09-09 2014-09-09 培養産生物の回収方法
US14/640,511 US20160068565A1 (en) 2014-09-09 2015-03-06 Method for harvesting culture product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014183641A JP6530171B2 (ja) 2014-09-09 2014-09-09 培養産生物の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016054686A JP2016054686A (ja) 2016-04-21
JP6530171B2 true JP6530171B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=55436900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014183641A Active JP6530171B2 (ja) 2014-09-09 2014-09-09 培養産生物の回収方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20160068565A1 (ja)
JP (1) JP6530171B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023277173A1 (ja) 2021-06-30 2023-01-05 旭化成メディカル株式会社 ウイルスの回収方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230080504A (ko) 2016-07-25 2023-06-07 리플리겐 코포레이션 교번 접선 유동식의 신속한 수확
JP7043125B2 (ja) * 2016-10-28 2022-03-29 旭化成メディカル株式会社 連続培養における有用物質の回収方法
TWI675696B (zh) * 2017-06-01 2019-11-01 美商Emd密理博公司 用於灌注應用之切向流過濾裝置
US10792594B2 (en) * 2017-12-28 2020-10-06 Replegin Corporation Dual pumping arrangement for a hollow fiber filter
US10799816B2 (en) * 2017-12-28 2020-10-13 Repligen Corporation Plunger pumping arrangement for a hollow fiber filter
JP2019142794A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 株式会社日立製作所 修飾タンパクおよびその使用法
WO2019173752A1 (en) 2018-03-08 2019-09-12 Repligen Corporation Tangential flow depth filtration systems and methods of filtration using same
WO2019181234A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 富士フイルム株式会社 生産物の製造方法
CA3097195A1 (en) 2018-05-25 2019-11-28 Repligen Corporation Tangential flow depth filtration system and methods
JP7355498B2 (ja) * 2019-02-05 2023-10-03 株式会社日立製作所 培養方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT1720972E (pt) * 2004-03-05 2014-04-07 Dsm Ip Assets Bv Processo para cultura de células por perfusão contínua e fluxo alternativo tangencial
CN104263700A (zh) * 2006-07-14 2015-01-07 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 改进的细胞培养方法
EP2014760A1 (en) * 2007-06-13 2009-01-14 CMC Biopharmaceuticals A/S A method for producing a biopolymer (e.g. polypeptide) in a continuous fermentation process
EP2957628A1 (en) * 2010-10-05 2015-12-23 Novo Nordisk Health Care AG Process for protein production
CN107988166B (zh) * 2011-07-01 2022-03-15 美国安进公司 哺乳动物细胞培养
GB201211256D0 (en) * 2012-06-25 2012-08-08 Glaxosmithkline Biolog Sa Fermentation process
JP2014024824A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Asahi Kasei Medical Co Ltd 潅流培養における有用タンパク質を含む培養液の濾過方法
EP2900804B1 (en) * 2012-09-27 2019-09-18 GE Healthcare Bio-Sciences AB Tangential flow perfusion system
JP2014129319A (ja) * 2012-11-29 2014-07-10 Asahi Kasei Medical Co Ltd 抗体タンパク質の精製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023277173A1 (ja) 2021-06-30 2023-01-05 旭化成メディカル株式会社 ウイルスの回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20160068565A1 (en) 2016-03-10
JP2016054686A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6530171B2 (ja) 培養産生物の回収方法
JP7043125B2 (ja) 連続培養における有用物質の回収方法
TWI675696B (zh) 用於灌注應用之切向流過濾裝置
AU2010286628B2 (en) Continuous recovery harvest bag
AU2017301691B2 (en) Alternating tangential flow rapid harvesting
US9982226B2 (en) Discontinuous fed batch processing with the use of alternating bioreactors
EA035665B1 (ru) Способ и система для обработки клеточной культуры
KR20190135489A (ko) 세포 배양물 정화
WO2019240222A1 (ja) 細胞培養システム及び細胞培養方法
WO2017180724A1 (en) Perfusion filtration systems
JP2014024824A (ja) 潅流培養における有用タンパク質を含む培養液の濾過方法
US20210107938A1 (en) Polypeptide separation method, polypeptide production method, and polypeptide purification device
JP2009045019A (ja) タンパク質の製造方法
JP2023501693A (ja) ウイルスベクターの調製方法
CN112322496B (zh) 一种新冠病毒s1蛋白的灌流生产系统及方法
US20230235263A1 (en) Systems and methods for filtration of cell cultures
WO2024079608A1 (en) Perfusion bioreactor tangential flow filtration
CN115894604A (zh) 重组蛋白澄清纯化方法
CN116948947A (zh) 一种外泌体的分离纯化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6530171

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150