JP6529849B2 - 制御プログラムの作成方法、camシステム、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents
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Description
液体の噴流が被加工物表面に接触すると、噴流は、被洗浄物表面のうち、接触した部位の表面に沿って、流れの方向を変化させる。このとき、噴流と被洗浄物表面の接触した部位に残存するバリ、切りくずその他の異物は、噴流の動圧を受けて除去される。
特に、被洗浄物の空洞部(洗浄ランス挿入部)に、洗浄ランスを挿入する場合の位置座標の演算が難しかった。洗浄ランスが、軸体から斜めに洗浄液を噴出する場合や、挿入される空洞部が鋳抜き穴等の不定形穴である場合に、洗浄ランスの挿入プログラムを作成することが難しかった。本発明は、コンピュータを用いて、洗浄ランスを被洗浄物の空洞部に挿入する制御プログラムを容易に作成することを課題とする。
Pi=Zi+Ri/tanθ ・・・式1
ここで、Zi:前記被洗浄モデルにおける前記洗浄目標の位置座標
Ri:前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離
θ:前記噴流モデルにおける前記洗浄軸線と前記噴流とのなす噴出角度
上記構成によれば、演算処理装置は、空洞部の洗浄対象箇所を、噴流の中心軸が通過するように、洗浄軸線上における洗浄ランスの目標位置座標(高さ)を決定できる。したがって、上記構成では、ユーザが指定した洗浄対象箇所に噴流を当てるための制御プログラムを、コンピュータを用いて容易に、正確に作成できる。
例えば、空洞部が機械加工又は抜型を用いた鋳造により製作されている場合、空洞部は、開口部から底面に向けて、同一の断面をもつか、開口部からほぼ一定の抜き勾配で底面に向けて徐々に断面が狭くなっている。このような場合に、底面の図心を基準点とすれば、洗浄ランスは、空洞部のほぼ中央を通って挿入される。
Ri=R2+(Zi−Z2)/tanφ ・・・式2
ここで、R2:前記開口部の半径
Z2:前記衝突位置座標
Zi:被洗浄物の洗浄目標の位置座標
φ:前記空洞部の壁面のテーパ角度
かかる構成によれば、洗浄目標に対して適切な洗浄作業を行うことができる。
〈制御プログラムの制御対象装置〉
図1を参照して、本発明の実施形態に係る洗浄ランスの制御プログラムが使用される制御対象となる洗浄装置10について説明する。
洗浄装置10は、本発明の実施形態に係る制御プログラムを使用して洗浄ランス25を移動経路に沿って移動させながら被洗浄物17を洗浄する装置である。
洗浄装置10は、数値制御されてXYZ方向に自在に移動できるクイル11と、クイル11に設けられるタレット12と、タレット12のタレット面にそれぞれスピンドル部13と共に取り付けられるノズル21、23、25を備えている。ノズル21、23、25の内、下向きに割出した一つの洗浄ランス25は、C軸方向に連続回転でき、その回転角度を位置決めできる。また、洗浄装置10は、被洗浄物17を戴置する戴置台16を備えている。戴置台16は、被洗浄物17を戴置した状態でA軸方向に自在に回転角度を位置決めできる。
空洞部54は、一般的には、ドリル加工やボーリング加工等の切削加工によって形成された円柱形状をなした穴(貫通穴や有底穴)、又は鋳造によって形成された円錐台形状の穴(有底のテーパ穴)である。本実施形態においては円形の開口部56に対して、空洞終端部である底面57が同軸に形成された有底のテーパ穴の空洞部54を対象として説明する。
なお、本実施形態においては、底面57を有する空洞部54について説明するが、底面57に限定されるものではなく、空洞部54の軸方向における中間位置に形成されたテラス状の段部、開口部56の反対側の開口部等であってもよい。
なお、以下の説明において、洗浄ランス25の移動経路である経路53において洗浄範囲51等に対してそれぞれ適切に設定された送り速度を「割り当て速度」という。
なお、本実施形態においては、洗浄範囲51に対して低速の制御送りとしたが、洗浄範囲51を含むように第3の所定長さL3(図7参照)だけ上下方向に洗浄範囲51を拡大した特定範囲を設定して低速の制御送りをしてもよく、この特定範囲については後記する。
図4を参照して、コンピュータであるCAMシステム40の構成について説明する。
CAMシステムは、演算処理装置41、入力装置42、表示装置43、出力装置45、記憶装置47がバス48で接続されている。入力装置42は、キーボードの他、タッチパネル、マウスその他のポインティングデバイスを含む。表示装置43は、GUIを備えている。入力装置42、出力装置45はUSBポート、光学ドライブ、LAN接続ポートその他の入出力装置を含む。
記憶装置47は、制御プログラムの作成方法を実行させるための命令や命令セットを記憶する命令記憶手段471と、目標位置座標Pi等の演算処理装置41で求めた演算結果、並びに種々のデータや設定条件およびパラメータを記憶するデータ記憶手段472と、を備えている。
衝突位置データ記憶手段472bは、被洗浄物17の衝突位置67を記憶する。
洗浄ランスモデル記憶手段472cは、洗浄ランス25の形状データ、具体的には洗浄ランス25の基準点26、開口部挿入時の洗浄ランス25の姿勢を記憶する。
噴流モデル記憶手段472dは、噴流35に対する基準点(本実施形態においては洗浄ランス25の基準点26と同じ)、軸部25aの回転軸14に対する噴流の噴出方向を表す角度θ1を記憶する。
パラメータ記憶手段472gは、第1の所定長さL1、第2の所定長さL2、第3の所定長さL3、並びに洗浄ランス25の移動経路である経路53における割り当て速度等の予め設定された各種のパラメータを記憶する。
図3、図4及び図6を参照して、CAMシステム40による、洗浄ランス25の制御プログラムの作成方法について説明する。ユーザは、入力装置42を介して、洗浄ランス25が被洗浄物17に挿入されるときの、洗浄ランス25の姿勢、及び被洗浄物17の姿勢を入力する。姿勢記憶手段472fは、洗浄ランス25、被洗浄物17の姿勢を収納する(S1)。ユーザは、表示装置43上のGUI上に表示された被洗浄物の3D立体モデルにおいて、空洞部54の開口部56および底面57を、入力装置42を介して入力する。衝突位置データ記憶手段472bは、開口部56及び底面57の形状及び位置を記憶する(S2)。ユーザは、入力装置42を介して、表示装置43上のGUI上に表示された被洗浄物の3D立体モデルにおいて、空洞部54の洗浄範囲51の上限位置60及び下限位置59を入力する。衝突データ記憶手段472bは、上限位置60および下限位置59を格納する(S3)。
図3、図4を参照して、洗浄軸線62を演算する洗浄軸線設定ステップS4について詳細に説明する。
空洞部54は、開口部56と底面57が同軸上にあるテーパ形状をなしているため、洗浄軸線設定手段41aは、開口部56の図心を基準点69として演算する。
図7を参照して、洗浄ランス25の移動の挿入開始位置63を演算する挿入開始位置演算ステップS5について詳細に説明する。図7は、図3の模式図の洗浄軸線62を通過し、XZ平面に平行な断面で切断したときの断面図を示す。洗浄軸線62がX=X1、Y=Y1を通り、Z軸に平行に設けられている。
図7を参照して、衝突位置67に対する目標位置座標Piを演算する洗浄目標位置演算ステップS6について詳細に説明する。洗浄目標位置演算手段41cは、衝突位置データ記憶手段472bに格納された衝突位置67である下限位置59、データ記憶手段472に格納された洗浄軸線62、洗浄ランスモデル記憶手段472cに記憶された角度θに基づいて、洗浄ランス25の目標位置座標Piを演算する。底面57から数えてi番目の衝突位置67(ここでは下限位置59)に対する、洗浄ランス25の位置のZ座標PZiは洗浄軸線62上に、式3に基づいて演算される。位置65AのZ軸座標PZiは、衝突位置59のZ座標Zi、衝突位置59と洗浄軸線62との最短距離Ri、及び洗浄ランス25の軸部25aと噴流35とのなす角度θにより、下式で演算される。
PZi=Zi+Ri/tanθ ・・・式3
洗浄軸線62はX=X1,Y=Y1を通るため、下限位置59に対応する位置座標は、(X1,Y1,PZi)となる。
洗浄目標位置演算手段41cは、洗浄目標である洗浄対象部位61を画定する衝突位置67(上限位置60から下限位置59まで)を含むように特定範囲を設定する。
具体的には、ユーザは第3の所定長さL3を入力装置42を介して、CAMシステム40に入力する。パラメータ記憶手段472gは、第3の所定長さL3を記憶する。洗浄目標位置演算手段41cは、上限位置60に対しては、洗浄軸線62に沿って開口部56寄りに第3の所定長さL3分だけ移動した位置66Bを特定範囲の上限位置として設定する。即ち、位置66Bの目標位置座標Pj1は、(X1,Y1,PZj+L3)となる。データ記憶手段472は、衝突位置67に対応する位置座標として、変更前のPjに加えて、Pj1を記憶する。
なお、本実施形態においては、ユーザが任意に設定することとしたが、洗浄目標位置演算手段41cが予め設定された余裕長さを加算して設定してもよい。
また、洗浄対象部位61が、洗浄軸線62に沿って幅を持たない場合(上限位置60と下限位置59が略一致するような場合)であっても、同様に演算され得る。この場合において、第3の指定長さL3を0にすると、位置65B、66Bは同一点となる。経路作成手段41g1は、位置65Bと位置66Bが同一の場合、その位置65Bにおいて洗浄ランスが一時停止するように制御プログラムを作成できる。
図7を参照して、挿入限界位置64の演算に係る挿入限界位置演算ステップS7について詳細に説明する。
挿入限界位置64は、洗浄軸線62と底面57との交点から、洗浄軸線62に沿って開口部56寄りに第2の所定の長さL2だけ離間した地点として、挿入限界位置演算手段41dによって演算される。挿入限界位置64の座標Z64は、底面のZ座標をZ57とすると、(X1,Y1,Z57+L2)となる。演算された挿入限界位置64は、データ記憶手段472に収納される。
このとき、ユーザは、第2の所定長さL2を入力装置42を介して入力することに替えて、ユーザは、先端点25cから底面57との距離L21を入力し得る。パラメータ記憶手段472gは、第2の所定の長さL2に替えてL21を記憶する。挿入限界位置演算手段41dは、距離L21及び距離Lに基づいて、挿入限界位置64を演算する。
挿入折り返し位置設定手段41eは、洗浄軸線62において、噴流35が洗浄目標に対する目標位置座標Piから第3の所定長さL3(L3=0も含む)だけ空洞部54内に進入した位置を挿入折り返し位置65Bとして設定する挿入折り返し位置設定ステップを実行する。
図7を参照して、比較演算である挿入折り返し位置比較ステップS8について詳細に説明する。
挿入折り返し位置比較演算手段41gは、衝突位置データ記憶手段472bに収納されている衝突位置67(上限位置60、下限位置59、衝突位置81)に噴流35が衝突する時のそれぞれの目標位置座標Pi(位置66、位置65、位置82)について、挿入限界位置64よりも底面57側にあるか否かを比較する。データ記憶手段472は、比較の結果、挿入限界位置64よりも底面57寄りにある位置82の目標位置座標Pifについて、その旨をフラグを立てることによって記憶する。
折り返し位置変更ステップS9について詳細に説明する。
データ記憶手段472は、位置81に対応する洗浄ランスの目標位置として、目標位置座標Pifの座標に加えて、挿入限界位置64の座標を収納する。
図3と図7を参照して、経路53及び制御プログラムを作成する制御プログラム作成ステップS10、S11について詳細に説明する。
制御プログラム作成ステップは、経路作成手段41g1によって、洗浄ランス25が開口部56を通って挿入折り返し位置まで空洞部54に進入し、挿入折り返し位置65Bから開口部56の方へ引戻すように洗浄ランス25の経路53を作成する経路作成ステップS10と、経路作成手段41g1が作成した洗浄ランス25の経路53から、洗浄プログラム作成手段41g2によって、数値制御プログラムを作成する洗浄プログラム作成ステップS11と、を含んでいる。
F=CndS ・・・(式4)
ここで、C[−]は定数、nは洗浄ランスに配置される噴口の個数、d[mm]は噴口の孔径d[mm](不図示)、Sは洗浄ランスの回転速度[s−1]を表す。定数Cは、軌跡のピッチに対する孔径dの倍率を示し、好ましくは0.2〜20、より好ましくは、0.5〜5が選択される。
洗浄プログラム作成手段41g2は、経路作成手段41g1が作成した経路53から、数値制御プログラムを作成する。洗浄プログラム作成手段41g2は、命令記憶手段471に記憶された挿入方法に従って、洗浄装置10の軸速度、軸座標などの定義を制御プログラムに挿入する。洗浄プログラム作成手段41g2は、洗浄ランス25が空洞部54へ挿入される前、かつ、挿入開始位置63に到達する前に噴流35を噴射する命令を挿入する。そして、洗浄ランス25が空洞部54から抜き出され、挿入開始位置63へ到達した後に噴流35を停止する命令を挿入する。
図8、図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、洗浄ランス25が、回転軸14を中心として自在に回転方向に位置決めされる場合に対する、洗浄ランス25の制御プログラム作成を取り上げる。ここで、第1実施形態と同一の箇所については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8に示すように、洗浄装置100は、制御プログラムを実行する装置である。スピンドル部13は、回転可能にホルダ27を軸支する。洗浄ランス25は、回転軸14に垂直に、ホルダ27に固定されている。ホルダ27は、洗浄ランス25と一体となって、回転軸14を中心として自在に回転方向に位置決めされる。洗浄ランス25の回転方向の姿勢は、C軸座標α(°)として与えられる。洗浄ランス25は、軸28と直角に取り付けられている。軸部25aの先端部から、軸部25aの正面から見てβ(°)傾いた平面上で、軸部25aの中心軸線からθ2°の傾きで噴流35が噴出する。
ユーザは、洗浄ランス25を挿入する際のB軸座標およびC軸座標を、表示装置43のGUI及び入力装置42を介して、CAMシステム40に入力する。記憶装置47の姿勢記憶手段472f(図4参照)は、B軸座標及びC軸座標αを記憶する。
ここで、V軸は、基準点69を原点として、演算した洗浄軸線62に沿って被洗浄物17の外側に向かう方向を正方向とする座標軸とする。W軸は、V軸と噴流35の中心とを通る平面73上に、基準点69を原点として、V軸に垂直でかつ噴流35の噴射方向を正として与えられる。基準点69を原点として、V軸、W軸のそれぞれに垂直な方向をU軸とする。
図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、空洞部54が円筒形状、又は円錐台形状である場合に、洗浄特定部位の距離Rを演算し、目標位置座標Piの演算を簡略化する。なお、上述の第1実施形態と同一の箇所については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
Ri=R2+(Zi−Z2)tanφ ・・・式5
ここで、R2は開口部56の半径、Z2は被洗浄物17の基準点から見た開口部56の高さ、Ziは被洗浄物の洗浄目標の位置座標、φは前記空洞部の壁面のテーパ角度を示す。
テーパ角度φは、式6に基づいて演算できる。
φ=tan−1((R2−R1)/(Z2−Z1)) ・・・式6
ここで、R1は底面形状の半径、R2は開口部56の半径、Z1は被洗浄物17の基準点から見た底面57の高さ、Z2は被洗浄物17の基準点から見た開口部56の高さを表す。
図10及び式4は、空洞部54が円錐台である場合について説明したが、φ=0として、空洞部54が円筒形である場合にも適用できる。また、R1=0として、空洞部54が円錐形である場合にも適用できる。もちろん、洗浄軸線62がZ軸以外の軸に沿っている場合や、洗浄軸線62が各軸から傾斜している場合についても、他の実施形態と同様に適用できる。
以上の実施形態では、数値制御されるタレット式の洗浄装置10、100を例に説明したが、洗浄ランス25を用いたあらゆる洗浄機に適用できる。例えば、軸制御が、数値制御ではなく、特定のプログラム言語によって制御される場合には、演算された座標値を利用して、制御される言語によって記述される制御プログラムを作成できる。洗浄ランス25の回転が、C軸に沿って座標値及び移動速度で指令される場合には、挿入開始位置、中間位置、挿入限界位置、の座標には、XYZ軸およびC軸座標を演算して与えうる。もちろん、制御プログラムが回転座標系で指示される場合には、上述の実施形態に基づいて演算して得られた直交座標系における目標位置座標を回転座標系へ一次変換した後に、制御プログラムを作成できる。
17 被洗浄物
21 ノズル
25 洗浄ランス
26 基準点
35 噴流
40 CAMシステム
41 演算処理装置
41a 洗浄軸線設定手段
41b 挿入開始位置演算手段
41c 洗浄目標位置演算手段
41d 挿入限界位置演算手段
41e 挿入折り返し位置設定手段
41f 挿入折り返し位置比較演算手段
41g 制御プログラム作成手段
41g1 経路作成手段
41g2 洗浄プログラム作成手段
42 入力装置
43 表示装置
45 出力装置
47 記憶装置
49 表示画面
51 洗浄範囲
53 経路(移動経路)
53a,53b 区間(移動経路)
54 空洞部
55 表面
56 開口部
57 底面(空洞終端部)
59 下限位置(衝突位置)
60 上限位置(衝突位置)
61 洗浄対象部位
62 洗浄軸線
63 挿入開始位置
64 挿入限界位置
67 衝突位置
69 基準点
471 命令記憶手段
472 データ記憶手段
472a 被洗浄物モデル記憶手段
472b 衝突位置データ記憶手段
472c 洗浄ランスモデル記憶手段
472d 噴流モデル記憶手段
472e 洗浄装置データ記憶手段
472f 姿勢記憶手段
472g パラメータ記憶手段
L1 第1の所定長さ
L2 第2の所定長さ
L3 第3の所定長さ
Pi 目標位置座標
Ri 洗浄軸線から洗浄目標までの距離
Zi 洗浄目標の位置座標
Claims (14)
- コンピュータに実行させて作成し、被洗浄物の空洞部に開口部から洗浄ランスを洗浄軸線に沿って挿入し前記空洞部に設定された洗浄目標に対して噴流を噴出して前記空洞部内を洗浄する洗浄ランスの制御プログラムの作成方法であって、
前記コンピュータの演算処理装置が、
前記コンピュータの記憶装置に格納された前記被洗浄物および前記空洞部を表す被洗浄物モデル、前記洗浄目標の位置を示す衝突位置データ、前記洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデル、並びに前記洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを参照して、
前記噴流が衝突位置に衝突する、前記洗浄軸線上における前記洗浄ランスの目標位置座標Piを下記の式1によって演算する洗浄目標位置演算ステップと、
前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記目標位置座標Piまで進入するように当該洗浄ランスの移動経路を作成する制御プログラム作成ステップと、
を実行することを特徴とする制御プログラムの作成方法。
Pi=Zi+Ri/tanθ ・・・式1
ここで、Zi:前記被洗浄モデルにおける前記洗浄目標の衝突位置座標
Ri:前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離
θ:前記噴流モデルにおける前記洗浄軸線と前記噴流とのなす噴出角度 - 前記洗浄軸線において、前記目標位置座標Piから所定長さ(L3)だけ前記空洞部内にさらに進入した位置を挿入折り返し位置として設定する挿入折り返し位置設定ステップを含み、
前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記挿入折り返し位置まで前記空洞部に進入し、当該挿入折り返し位置から前記開口部の方へ引戻すように当該洗浄ランスの移動経路を作成すること、
を特徴とする請求項1に記載の制御プログラムの作成方法。 - 請求項1に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定ステップをさらに含み、
前記洗浄軸線設定ステップでは、前記演算処理装置が、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
を特徴とする制御プログラムの作成方法。 - 請求項2に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定ステップをさらに含み、
前記洗浄軸線設定ステップでは、前記演算処理装置が、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
を特徴とする制御プログラムの作成方法。 - 請求項4に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記洗浄軸線設定ステップでは、前記図心は、前記開口部から前記挿入折り返し位置までの間における前記空洞部の最も狭い当該空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
を特徴とする制御プログラムの作成方法。 - 請求項2に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記空洞部は、予め設定された空洞終端部を有し、
前記演算処理装置は、
前記洗浄軸線において前記空洞終端部の位置と前記洗浄ランスモデルに基づいて前記洗浄ランスの挿入限界位置を演算する挿入限界位置演算ステップと、
前記挿入折り返し位置と前記挿入限界位置とを比較する折り返し位置比較ステップと、
前記折り返し位置比較ステップにおいて前記挿入折り返し位置が前記挿入限界位置よりも前記空洞終端部に近い場合には、当該挿入折り返し位置を前記挿入限界位置と同じ位置または当該挿入限界位置と前記洗浄ランスの目標位置座標Piとの間の位置に変更する折り返し位置変更ステップと、
をさらに含んで実行することを特徴とする制御プログラムの作成方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記演算処理装置は、
前記空洞部が、前記洗浄軸線を中心として回転させて得られる回転形状である場合には、
前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離Riを式2によって演算することを特徴とする制御プログラムの作成方法。
Ri=R2+(Zi−Z2)/tanφ ・・・式2
ここで、R2:前記開口部の半径
Z2:前記開口部の位置座標
Zi:前記衝突位置座標
φ:前記空洞部の壁面のテーパ角度 - 請求項2、請求項4、請求項5または請求項6に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記被洗浄物モデルは、前記洗浄目標を含むように設定された特定範囲を有し、
前記演算処理装置は、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記特定範囲に対しては、前記洗浄ランスの前記開口部から前記挿入折り返し位置までの移動経路における他の範囲よりも前記洗浄ランスを低速で移動または一時停止させる制御プログラムを作成すること、
を特徴とする制御プログラムの作成方法。 - 請求項8に記載の制御プログラムの作成方法であって、
前記演算処理装置は、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記特定範囲の前記開口部側の限界点に対する前記洗浄ランスの前記目標位置座標Piである上限位置と、前記特定範囲の前記開口部とは反対側の限界点に対する前記洗浄ランスの前記目標位置座標Piである下限位置と、を求め、前記上限位置と前記下限位置との間の区間では、前記洗浄ランスを前記低速で移動させる制御プログラムを作成すること、
を特徴とする制御プログラムの作成方法。 - CAMシステムであって、
請求項1に記載の制御プログラムの作成方法を実行させるための命令を記憶する命令記憶手段と、
前記被洗浄物および前記空洞部を表す被洗浄物モデルを記憶する被洗浄物モデル記憶手段と、前記洗浄目標の位置を示す衝突位置データを記憶する衝突位置データ記憶手段と、前記洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデルを記憶する洗浄ランスモデル記憶手段と、前記洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを記憶する噴流モデル記憶手段と、を有するデータ記憶手段と、
前記洗浄目標位置演算ステップを実行する洗浄目標位置演算手段と、
前記制御プログラム作成ステップを実行する制御プログラム作成手段と、
前記演算処理装置に結合され、前記命令記憶手段およびデータ記憶手段にアクセス可能なグラフィカルユーザインターフェースを有する表示装置と、
前記命令記憶手段およびデータ記憶手段に結合された入力装置と、
を備えたことを特徴とするCAMシステム。 - 請求項10に記載のCAMシステムであって、
前記洗浄軸線において、前記目標位置座標P i から所定長さ(L3)だけ前記空洞部内にさらに進入した位置を挿入折り返し位置として設定する挿入折り返し位置設定ステップを実行する挿入折り返し位置設定手段をさらに備え、
前記制御プログラム作成手段は、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記挿入折り返し位置まで前記空洞部に進入し、当該挿入折り返し位置から前記開口部の方へ引戻すように当該洗浄ランスの移動経路を作成すること、
を特徴とするCAMシステム。 - 請求項10または請求項11に記載のCAMシステムであって、
前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定手段をさらに含み、
前記洗浄軸線設定手段は、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
を特徴とするCAMシステム。 - プログラムであって、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の制御プログラムの作成方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
- 記録媒体であって、請求項13に記載のプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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