JP6529849B2 - 制御プログラムの作成方法、camシステム、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents

制御プログラムの作成方法、camシステム、制御プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、制御プログラムの作成方法、CAMシステム、制御プログラム、および記録媒体に関し、特に、洗浄ランスの移動経路を作成する制御プログラムの作成方法、CAMシステム、制御プログラム、および記録媒体に関する。
液体を高圧に昇圧し、被加工物に対向するノズルから噴出する洗浄装置がある。この種の洗浄装置において、ノズルをXYZ軸を持つ移動装置に配設し、被洗浄物をジグに固定し、移動装置がノズルを被加工物のねじ穴、交差穴、フライス切削部のエッジ(以下、「洗浄対象部位」という。)に沿って移動させることで、洗浄対象部位に残存するバリ、切りくずその他の異物を除去することが開示されている(例えば特許文献1)。
液体の噴流が被加工物表面に接触すると、噴流は、被洗浄物表面のうち、接触した部位の表面に沿って、流れの方向を変化させる。このとき、噴流と被洗浄物表面の接触した部位に残存するバリ、切りくずその他の異物は、噴流の動圧を受けて除去される。
上述の洗浄装置では、被加工物の全面に液体噴流を当てることが望ましい。しかし、一般的には、洗浄時間が限られているため、得られるべき洗浄効果に基づいて、洗浄対象部位を選別する。そして、選別した結果に応じて移動装置の移動プログラムを作成する。このような洗浄装置においては、ノズルの軌跡の選択が加工結果及び洗浄バリ取り効果に大きな影響を及ぼす。
ノズルの軌跡は、被洗浄物に対して、洗浄装置をハンドル等により移動させて位置座標を記憶するか、又は被洗浄物の基準点からのノズルの座標を手計算して、プログラムを作成する方法が取られてきた。
特開平8−90365号公報
しかし、洗浄装置をハンドル等により移動させて位置座標を記憶する方法によれば、ノズル位置の割り出しは不正確にならざるを得ない。また、ノズル座標の計算は、噴流の噴出方向を図示し、幾何学に基づいて行うため、困難であった。
特に、被洗浄物の空洞部(洗浄ランス挿入部)に、洗浄ランスを挿入する場合の位置座標の演算が難しかった。洗浄ランスが、軸体から斜めに洗浄液を噴出する場合や、挿入される空洞部が鋳抜き穴等の不定形穴である場合に、洗浄ランスの挿入プログラムを作成することが難しかった。本発明は、コンピュータを用いて、洗浄ランスを被洗浄物の空洞部に挿入する制御プログラムを容易に作成することを課題とする。
上記課題に鑑みて、本発明の制御プログラムの作成方法は、コンピュータに実行させて作成し、被洗浄物の空洞部に開口部から洗浄ランスを洗浄軸線に沿って挿入し前記空洞部に設定された洗浄目標に対して噴流を噴出して洗浄する洗浄ランスの制御プログラムの作成方法であって、前記コンピュータの演算処理装置が、前記コンピュータの記憶装置に格納された前記被洗浄物および前記空洞部を表す被洗浄物モデル、前記洗浄目標の位置を示す衝突位置データ、前記洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデル、並びに前記洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを参照して、前記洗浄目標に対する前記洗浄軸線上における前記洗浄ランスの目標位置座標Pを下記の式1によって演算する洗浄目標位置演算ステップと、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記目標位置座標Pまで進入するように当該洗浄ランスの移動経路を作成する制御プログラム作成ステップと、を実行することを特徴とする制御プログラムの作成方法。
=Z+R/tanθ ・・・式1
ここで、Z:前記被洗浄モデルにおける前記洗浄目標の位置座標
:前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離
θ:前記噴流モデルにおける前記洗浄軸線と前記噴流とのなす噴出角度
ここで、「洗浄」とは、噴流による洗浄又は噴流によるバリ取り等の加工を包括する意味で用いる。
上記構成によれば、演算処理装置は、空洞部の洗浄対象箇所を、噴流の中心軸が通過するように、洗浄軸線上における洗浄ランスの目標位置座標(高さ)を決定できる。したがって、上記構成では、ユーザが指定した洗浄対象箇所に噴流を当てるための制御プログラムを、コンピュータを用いて容易に、正確に作成できる。
本発明の制御プログラムの作成方法は、前記洗浄軸線において、前記目標位置座標Pから所定長さ(L3)だけ前記空洞部内にさらに進入した位置を挿入折り返し位置として設定する挿入折り返し位置設定ステップを含み、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記挿入折り返し位置まで前記空洞部に進入し、当該挿入折り返し位置から前記開口部の方へ引戻すように当該洗浄ランスの移動経路を作成することが好ましい。
本発明の制御プログラムの作成方法において、前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定ステップをさらに含み、前記洗浄軸線設定ステップでは、前記演算処理装置が、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、が好ましい。
上記構成によれば、演算処理装置が、記憶装置に記憶された被洗浄物の形状データの開口部の形状から、容易に、洗浄軸線を決定できる。このため、ユーザが洗浄軸線を通過する基準点を設定する必要がない。洗浄ランスが挿入される洗浄軸線が、空洞部を表す図心を通過するため、洗浄ランスの挿入姿勢における軸部が空洞部の軸方向とほぼ一致していれば、洗浄ランスは、空洞部のほぼ中央を通って挿入される。
本発明の制御プログラムの作成方法において、前記洗浄軸線設定ステップでは、前記図心は、前記開口部から前記挿入折り返し位置までの間における前記空洞部の最も狭い当該空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、が好ましい。
かかる構成によれば、例えば円錐形状等のように開口部又は底面が狭くなっている場合に、洗浄軸線は、開口部又は底面のいずれか狭い方の形状に合わせて適切に設定される。
例えば、空洞部が機械加工又は抜型を用いた鋳造により製作されている場合、空洞部は、開口部から底面に向けて、同一の断面をもつか、開口部からほぼ一定の抜き勾配で底面に向けて徐々に断面が狭くなっている。このような場合に、底面の図心を基準点とすれば、洗浄ランスは、空洞部のほぼ中央を通って挿入される。
本発明の制御プログラムの作成方法において、前記空洞部は、予め設定された空洞終端部を有し、前記演算処理装置は、前記洗浄軸線において前記空洞終端部の位置と前記洗浄ランスモデルに基づいて前記洗浄ランスの挿入限界位置を演算する挿入限界位置演算ステップと、前記挿入折り返し位置と前記挿入限界位置とを比較する折り返し位置比較ステップと、前記折り返し位置比較ステップにおいて前記挿入折り返し位置が前記挿入限界位置よりも前記空洞終端部に近い場合には、当該挿入折り返し位置を前記挿入限界位置と同じ位置または当該挿入限界位置と前記洗浄ランスの目標位置座標Pとの間の位置に変更する折り返し位置変更ステップと、をさらに含んで実行すること、が好ましい。
上記構成によれば、予め、洗浄ランスが挿入可能な位置を挿入限界位置として演算し、挿入深さが挿入限界位置を超えないよう、演算される。そのため、ユーザが指定し、記憶装置に収納された洗浄箇所を洗浄できるように洗浄ランスの挿入位置を演算したときに、挿入した洗浄ランスが底面に衝突することを防止できる。
記憶装置が洗浄対象部位を記憶し、演算処理装置が記憶装置に収納された洗浄対象物の3次元形状モデルの洗浄対象部位の形状に基づいて目標位置座標Pを算出し、洗浄対象部位の全域に対応する目標位置座標Pの範囲を算出するときには、式1に基づいて、洗浄対象部位の周囲の多数の点に対応する座標を演算し、その集合の限界値を求める必要がある。このような演算方法は、演算装置に高い負荷をかける。洗浄対象部位の全周に対する目標位置座標Pの限界値を容易に求める課題が新たに生ずる。
そこで、本発明の制御プログラムの作成方法において、前記演算処理装置は、前記空洞部が、前記洗浄軸線を中心として回転させて得られる回転形状である場合には、前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離Rを式2によって演算することが好ましい。
=R+(Z−Z)/tanφ ・・・式2
ここで、R:前記開口部の半径
:前記衝突位置座標
:被洗浄物の洗浄目標の位置座標
φ:前記空洞部の壁面のテーパ角度
上記構成によれば、演算処理装置は、空洞部を円筒又は円錐台とみなし、空洞部の開口部の位置及び半径並びに空洞部の壁面のテーパ角度を特定し、洗浄対象部位の存在する範囲の上限位置及び下限位置を決定するだけで、容易に洗浄目標に対する洗浄ランスの目標位置座標Pを演算できる。
本発明の制御プログラムの作成方法において、前記被洗浄物モデルは、前記洗浄目標を含むように設定された特定範囲を有し、前記演算処理装置は、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記特定範囲に対しては、前記洗浄ランスの前記開口部から前記挿入折り返し位置までの移動経路における他の範囲よりも前記洗浄ランスを低速で移動または一時停止させる制御プログラムを作成すること、が好ましい。
かかる構成によれば、洗浄目標に対して適切な洗浄作業を行うことができる。
本発明の制御プログラムの作成方法において、前記演算処理装置は、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記特定範囲の前記開口部側の限界点に対する前記洗浄ランスの前記目標位置座標Piである上限位置と、前記特定範囲の前記開口部とは反対側の限界点に対する前記洗浄ランスの前記目標位置座標Piである下限位置と、を求め、前記上限位置と前記下限位置との間の区間では、前記洗浄ランスを前記低速で移動させる制御プログラムを作成すること、が好ましい。
本発明は、CAMシステムであって、請求項に記載の制御プログラムの作成方法を実行させるための命令を記憶する命令記憶手段と、前記被洗浄物および前記空洞部を表す被洗浄物モデルを記憶する被洗浄物モデル記憶手段と、前記洗浄目標の位置を示す衝突位置データを記憶する衝突位置データ記憶手段と、前記洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデルを記憶する洗浄ランスモデル記憶手段と、前記洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを記憶する噴流モデル記憶手段と、を有するデータ記憶手段と、前記洗浄目標位置演算ステップを実行する洗浄目標位置演算手段と、前記制御プログラム作成ステップを実行する制御プログラム作成手段と、前記演算処理装置に結合され、前記命令記憶手段およびデータ記憶手段にアクセス可能なグラフィカルユーザインターフェースを有する表示装置と、前記命令記憶手段およびデータ記憶手段に結合された入力装置と、を備えたCAMシステムとすることが好ましい。
また、前記CAMシステムは、前記洗浄軸線において、前記目標位置座標P i から所定長さ(L3)だけ前記空洞部内にさらに進入した位置を挿入折り返し位置として設定する挿入折り返し位置設定ステップを実行する挿入折り返し位置設定手段をさらに備え、前記制御プログラム作成手段は、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記挿入折り返し位置まで前記空洞部に進入し、当該挿入折り返し位置から前記開口部の方へ引戻すように当該洗浄ランスの移動経路を作成すること、が好ましい。
また、前記CAMシステムにおいて、前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定手段をさらに含み、前記洗浄軸線設定手段は、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、が好ましい。
本発明によれば、洗浄ランスを被洗浄物の空洞部に挿入する制御プログラムを容易に作成できる。
本発明の第1実施形態の洗浄装置を表す斜視図である。 本発明の第1実施形態の洗浄ランスを表す斜視図である。 本発明の第1実施形態における、洗浄ランスを空洞部に挿入する模式図である。 本発明の第1実施形態のCAMシステムの装置構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の表示装置の代表的なGUIを示す。 本発明の第1実施形態の洗浄プログラムの作成手順を表すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の洗浄洗浄ランスの位置座標の算出方法を表す模式図である。 本発明の第2実施形態における、洗浄ランスを空洞部に挿入する模式図である。 本発明の第2実施形態の洗浄ランスの位置座標の算出方法を示す模式図である。 本発明の第3実施形態における、洗浄ランスの位置座標の算出方法を示す模式図である。
「第1実施形態」
〈制御プログラムの制御対象装置〉
図1を参照して、本発明の実施形態に係る洗浄ランスの制御プログラムが使用される制御対象となる洗浄装置10について説明する。
洗浄装置10は、本発明の実施形態に係る制御プログラムを使用して洗浄ランス25を移動経路に沿って移動させながら被洗浄物17を洗浄する装置である。
洗浄装置10は、数値制御されてXYZ方向に自在に移動できるクイル11と、クイル11に設けられるタレット12と、タレット12のタレット面にそれぞれスピンドル部13と共に取り付けられるノズル21、23、25を備えている。ノズル21、23、25の内、下向きに割出した一つの洗浄ランス25は、C軸方向に連続回転でき、その回転角度を位置決めできる。また、洗浄装置10は、被洗浄物17を戴置する戴置台16を備えている。戴置台16は、被洗浄物17を戴置した状態でA軸方向に自在に回転角度を位置決めできる。
洗浄装置10は、クイル11の位置座標、戴置台16の回転角度、ノズル21、23、25の割出角度、又はノズル21、23、25の回転速度をコンピュータ制御することにより、ノズル21、23、25の内、下向きに割出したノズル(図1では洗浄ランス25)を被洗浄物17に対向させる。そして、下向きに割出したノズルから被洗浄物17に向けて洗浄液を噴射することで、被洗浄物17に洗浄液の噴流31を当てる。被洗浄物17の、洗浄が必要な個所に噴流31が当たることで、その箇所に付着した異物やバリを除去する。
なお、ノズルの取付け個数、タレット面に取り付けられるノズルの種類は適宜変更できる。また、一つのタレット面に複数のノズルを回転又は回転角度の割り出しができるように取付けても良い。
図2を参照して、洗浄ランス25について説明する。洗浄ランス25は、スピンドル部13の先端に回転可能に取り付けられる。洗浄ランス25は、スピンドル部13から洗浄液を供給される。洗浄ランス25は、フランジ29と、Z方向に延びる軸部25aと、を備えている。軸部25aの噴孔27から、噴射する方向が軸方向からθの角度をもって棒状の噴流35を噴出する。角度θは、0°から150°までが主に利用される。軸部25aは、複数の噴流35によるXY方向の反力を打ち消すように噴口を備えることができる。洗浄ランス25は、スピンドル部13を回転させることで回転軸14を中心に回転できる。洗浄ランス25の移動経路である経路53を作成する際の、洗浄ランス25の位置座標の基準点26は、回転軸14と、噴流35の中心軸15との交点で与えられる。ここで、基準点26と先端点25cとの距離を距離Lとする。基準点26を、上述のように決定することで、洗浄ランス25の座標演算が容易になる。
図3を参照して、洗浄装置10で洗浄される被洗浄物17および洗浄ランス25の使用方法について、被洗浄物17に形成された空洞部(洗浄ランス挿入部)54を対象として説明する。
空洞部54は、一般的には、ドリル加工やボーリング加工等の切削加工によって形成された円柱形状をなした穴(貫通穴や有底穴)、又は鋳造によって形成された円錐台形状の穴(有底のテーパ穴)である。本実施形態においては円形の開口部56に対して、空洞終端部である底面57が同軸に形成された有底のテーパ穴の空洞部54を対象として説明する。
なお、本実施形態においては、底面57を有する空洞部54について説明するが、底面57に限定されるものではなく、空洞部54の軸方向における中間位置に形成されたテラス状の段部、開口部56の反対側の開口部等であってもよい。
空洞部54は、被洗浄物17の表面55に広がる開口部56から内面に向かって延在している。空洞部54に対して、横方向から交差するように孔58が貫通している。空洞部54及び孔58が切削加工等によって形成されるときに、空洞部54と孔58との交差部にバリが生じ、孔58、空洞部54内に切りくず、油汚れ、搬送時に付着した繊維その他の異物が残留する。この交差部等の、洗浄が必要となる部位を、洗浄目標である洗浄対象部位61と呼ぶ。洗浄装置10は、噴流35を噴出し、回転している洗浄ランス25を、空洞部54内に挿入して、空洞部54内のバリ又は異物を除去する。
洗浄ランス25は、空洞部54内では洗浄軸線62に沿って移動する。洗浄軸線62に沿う方向の洗浄ランス25の移動経路を経路53という。洗浄ランス25は、空洞部54の上空まで早送り移動し、空洞部54の上空から空洞部54内を洗浄軸線62に沿って経路53を進み、所定の折り返し位置65B(図7参照)から引き戻すように移動する。
洗浄ランス25の用途について説明する。洗浄ランス25が回転しながら空洞部54内を洗浄軸線62に沿って移動すると、噴流35が空洞部54の壁面に沿って衝突する軌跡は、螺旋状に描かれる。描かれる螺旋83のピッチは、送り速度が大きくなれば広く、小さくなれば狭くなる。洗浄対象部位61に対応する壁面の範囲(以後、「洗浄範囲51」という。)を低速に制御送りすることで、噴流35が空洞部54の壁面に密に衝突する。このため、洗浄対象部位61に付着した異物又はバリがむらなく除去される。洗浄軸線62に沿って移動する経路53において、低速の制御送りを波線(経路53b)で表す。それ以外の部分は実線(経路53a)で表す。
なお、洗浄ランス25は、回転軸14(図2参照)に沿って回転せずに挿入されても良い。この場合、洗浄範囲51において、洗浄ランス25の送り速度を適切な速度(割り当て速度)に制御する。具体的には、洗浄範囲51以外の部分については、洗浄ランス25は、早い送り速度で制御送りされる。そして、洗浄範囲51については、洗浄ランス25は、それ以外の部位に比較して遅い速度で制御送りされる。
なお、以下の説明において、洗浄ランス25の移動経路である経路53において洗浄範囲51等に対してそれぞれ適切に設定された送り速度を「割り当て速度」という。
洗浄範囲51は、通常、洗浄ランス25を挿入する洗浄軸線62の方向に沿う所定の範囲を備えている。洗浄範囲51の開口部56寄りの限界位置を上限位置60、底面57寄りの限界位置を下限位置59と呼ぶ。上限位置60、下限位置59は、洗浄範囲51を画定するための限界点であり、噴流が衝突すべき位置であるから、上限位置60、下限位置59、を衝突位置67と呼ぶ。
なお、本実施形態においては、洗浄範囲51に対して低速の制御送りとしたが、洗浄範囲51を含むように第3の所定長さL3(図7参照)だけ上下方向に洗浄範囲51を拡大した特定範囲を設定して低速の制御送りをしてもよく、この特定範囲については後記する。
(CAMシステムの構成)
図4を参照して、コンピュータであるCAMシステム40の構成について説明する。
CAMシステムは、演算処理装置41、入力装置42、表示装置43、出力装置45、記憶装置47がバス48で接続されている。入力装置42は、キーボードの他、タッチパネル、マウスその他のポインティングデバイスを含む。表示装置43は、GUIを備えている。入力装置42、出力装置45はUSBポート、光学ドライブ、LAN接続ポートその他の入出力装置を含む。
記憶装置47は、RAM(Randam Access Memory)その他の主記憶装置、磁気ドライブ、フラッシュメモリその他の補助記憶装置を含む。
記憶装置47は、制御プログラムの作成方法を実行させるための命令や命令セットを記憶する命令記憶手段471と、目標位置座標P等の演算処理装置41で求めた演算結果、並びに種々のデータや設定条件およびパラメータを記憶するデータ記憶手段472と、を備えている。
データ記憶手段472は、被洗浄物17および空洞部54を表す被洗浄物モデルを記憶する被洗浄物モデル記憶手段472aと、洗浄目標の位置を示す衝突位置データを記憶する衝突位置データ記憶手段472bと、洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデルを記憶する洗浄ランスモデル記憶手段472cと、洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを記憶する噴流モデル記憶手段472dと、洗浄装置10の軸構成や洗浄装置10を駆動するパラメータ等の洗浄装置データ記憶手段472eと、開口部挿入時の洗浄ランス25の姿勢及び挿入時の被洗浄物17の姿勢を記憶する姿勢記憶手段472fと、演算処理装置41が演算に用いる各種パラメータを記憶するパラメータ記憶手段472gと、を備えている。
被洗浄物モデル記憶手段472aは、被洗浄物17の形状データを記憶する。
衝突位置データ記憶手段472bは、被洗浄物17の衝突位置67を記憶する。
洗浄ランスモデル記憶手段472cは、洗浄ランス25の形状データ、具体的には洗浄ランス25の基準点26、開口部挿入時の洗浄ランス25の姿勢を記憶する。
噴流モデル記憶手段472dは、噴流35に対する基準点(本実施形態においては洗浄ランス25の基準点26と同じ)、軸部25aの回転軸14に対する噴流の噴出方向を表す角度θ1を記憶する。
パラメータ記憶手段472gは、第1の所定長さL1、第2の所定長さL2、第3の所定長さL3、並びに洗浄ランス25の移動経路である経路53における割り当て速度等の予め設定された各種のパラメータを記憶する。
演算処理装置41は、記憶装置47に格納された被洗浄物17および空洞部54を表す被洗浄物モデル、洗浄目標の位置を示す衝突位置データ、洗浄ランス25の形状を表す洗浄ランスモデル、並びに洗浄ランス25から噴出する噴流35を表す噴流モデルを参照して、洗浄軸線設定ステップと、挿入開始位置演算ステップと、洗浄目標位置演算ステップと、挿入限界位置演算ステップと、挿入折り返し位置設定ステップと、折り返し位置比較ステップと、折り返し位置変更ステップと、制御プログラム作成ステップと、を実行する。
演算処理装置41は、(1)洗浄ランス25を空洞部54内に挿入する洗浄軸線62を演算する洗浄軸線設定手段41aと、(2)洗浄ランス25の挿入開始位置63を演算する挿入開始位置演算手段41bと、(3)衝突位置67に対する目標位置座標Pを演算する洗浄目標位置演算手段41cと、(4)洗浄ランス25の挿入限界位置64を演算する挿入限界位置演算手段41dと、(5)挿入折り返し位置65Bを設定する挿入折り返し位置設定手段41eと、目標位置座標Pと挿入限界位置64とを比較する挿入折り返し位置比較演算手段41fと、洗浄ランス25の制御プログラムを作成する制御プログラム作成手段41gと、を備えている。
制御プログラム作成手段41gは、洗浄ランス25の移動経路である経路53を作成する経路作成手段41g1と、洗浄ランス25の経路53から数値制御プログラムを作成する洗浄プログラム作成手段41g2と、を備えている。
図5は、表示装置43が備えるグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface、以下、GUI)が表示する、代表的な表示画面49を示している。表示画面49は、被洗浄物17の3次元形状モデルを表示している。ユーザは、表示画面49に表示された3次元形状モデル上で洗浄の対象となる空洞部54の開口部56、底面57、洗浄範囲51等を入力装置42を介して入力する。
衝突位置データ記憶手段472bは、ユーザが指定した衝突位置67を記憶する。また、ユーザは、画面を切り替え、洗浄装置10のストローク、被洗浄物17の配置、洗浄ランス25及び噴流35の設定をGUI上で行い得る。ユーザの入力内容は、記憶装置47のデータ記憶手段472に記憶される。
(制御プログラムの作成)
図3、図4及び図6を参照して、CAMシステム40による、洗浄ランス25の制御プログラムの作成方法について説明する。ユーザは、入力装置42を介して、洗浄ランス25が被洗浄物17に挿入されるときの、洗浄ランス25の姿勢、及び被洗浄物17の姿勢を入力する。姿勢記憶手段472fは、洗浄ランス25、被洗浄物17の姿勢を収納する(S1)。ユーザは、表示装置43上のGUI上に表示された被洗浄物の3D立体モデルにおいて、空洞部54の開口部56および底面57を、入力装置42を介して入力する。衝突位置データ記憶手段472bは、開口部56及び底面57の形状及び位置を記憶する(S2)。ユーザは、入力装置42を介して、表示装置43上のGUI上に表示された被洗浄物の3D立体モデルにおいて、空洞部54の洗浄範囲51の上限位置60及び下限位置59を入力する。衝突データ記憶手段472bは、上限位置60および下限位置59を格納する(S3)。
洗浄軸線設定手段41aは、開口部56の形状及び位置に基づいて基準点69を演算し、データ記憶手段472に格納する。洗浄軸線設定手段41aは、データ記憶手段472に格納された基準点69及び洗浄ランス25の姿勢に基づいて、洗浄ランス25を挿入する洗浄軸線62を決定する洗浄軸線設定ステップを実行する(S4)。
データ記憶手段472は、洗浄軸線62を記憶する。次いで、挿入開始位置演算手段41bは、開口部56から空洞部54の外側に洗浄軸線62に沿って、パラメータ記憶手段472gに記憶された第1の所定長さL1離間した位置を、挿入開始位置63の座標として演算する(S5)。データ記憶手段472は、演算された挿入開始位置63の座標を記憶する。洗浄目標位置演算手段41cは、洗浄ランス25から噴出した噴流35が上限位置60及び下限位置59に命中する洗浄ランス25の位置65,66の目標位置座標Pを演算する(S6)。挿入限界位置演算手段41dは、洗浄軸線62に沿って、底面57から、第2の距離L2離間した位置を、挿入限界位置64の座標として演算する(S7)。折り返し位置比較演算手段41fは、それぞれの目標位置座標Pが、挿入限界位置64よりも底面57寄りか否かを比較演算する(S8)。
経路作成手段41g1は、挿入限界位置64よりも底面57寄りの目標位置座標Pを、挿入限界位置64に変更する(S9)。経路作成手段41g1は、記憶した目標位置座標Pに基づき、洗浄ランス25の通過する経路53を作成する(S10)。洗浄プログラム作成手段41g2は、それぞれ演算した挿入開始位置63、挿入限界位置64、位置65、66に基づいて制御プログラムを作成する(S11)。
〈洗浄軸線設定ステップ〉
図3、図4を参照して、洗浄軸線62を演算する洗浄軸線設定ステップS4について詳細に説明する。
空洞部54は、開口部56と底面57が同軸上にあるテーパ形状をなしているため、洗浄軸線設定手段41aは、開口部56の図心を基準点69として演算する。
洗浄軸線設定手段41aは、被洗浄物モデル記憶手段472aが収納している被洗浄物17の3次元形状モデル、姿勢記憶手段472fが収納している空洞部54内に挿入されるときの洗浄ランス25の姿勢および被洗浄物17の姿勢、及びデータ記憶手段472が収納する基準点69に基づいて、洗浄軸線62を演算する。洗浄ランス25、被洗浄物17が、それぞれ洗浄ランス25が空洞部54内に挿入される姿勢を取るときに、洗浄軸線62は、軸部25aと平行であり、かつ、洗浄軸線62が基準点69を通過するように演算される。
洗浄軸線設定手段41aは、空洞部54の開口部56と底面57が同軸上にあるような場合には、開口部56の図心から求めた基準点69に基づいて、一義的に洗浄軸線62を演算できる。空洞部54が、挿入姿勢における洗浄ランス25の軸線25bに沿って延びており、空洞部54の内部空間に大きな凹凸がない場合には、上記のように決定された洗浄軸線62は、ほぼ空洞部54の中央部を通る。洗浄ランス25が、洗浄軸線62に沿って挿入されるため、洗浄ランス25は、空洞部54の中央を抜差しされるように挿入され、空洞部54の壁面と洗浄ランス25とが干渉しにくいように、洗浄軸線62が合理的に設定される。
なお、洗浄軸線設定手段41aが、開口部56の図心を基準点69として演算することに替えて、洗浄軸線設定手段41aは、洗浄ランス25の軸部25aの回転軸14の方向へ底面57を開口部56に投影させたときの投影面積が重なる図形の図心を、基準点69として演算しえる。空洞部54が、開口部56又は底面57において、最も面積の小さい横断面を備えるときは、上述の方法で決定された洗浄軸線62は、横断面の最も小さい面で、横断面の広がりについてほぼ中央に位置するように決定される。このため、洗浄ランス25を空洞部54内に挿入したときに洗浄ランス25と空洞部54との干渉を避けやすい位置に洗浄軸線62を演算できる。
洗浄軸線設定手段41aは、基準点69が開口部56の図心として演算することに替えて、基準点69を底面57の図心とするよう演算し得る。
基準点69はユーザが任意に入力装置42を介して、入力することもできる。入力された基準点69は、演算処理装置41によってパラメータ記憶手段472gに格納される。この場合には、開口部56又は底面57の形状によらずユーザが決定する。このように構成すれば、洗浄ランス25が回転を伴わず挿入される場合や、空洞部54が複雑な形状を備える場合に、プログラム作成の自由度を向上できる。
〈挿入開始位置演算ステップ〉
図7を参照して、洗浄ランス25の移動の挿入開始位置63を演算する挿入開始位置演算ステップS5について詳細に説明する。図7は、図3の模式図の洗浄軸線62を通過し、XZ平面に平行な断面で切断したときの断面図を示す。洗浄軸線62がX=X1、Y=Y1を通り、Z軸に平行に設けられている。
挿入開始位置63は、洗浄軸線62上で、かつ、基準点69から、空洞部54の外側に第1の所定長さL1だけ離間した地点として、挿入開始位置演算手段41bによって演算される。ここでは、開口部56の位置がZ=Z56であるため、挿入開始位置63は、(X1,Y1,Z56+L1)と演算される。演算された挿入開始位置63は、データ記憶手段472に記憶される。
第1の所定長さは、被洗浄物17の形状、戴置台(不図示)の形状、距離L(図2参照)、及び位置決め精度により定められ、空洞部54への洗浄ランス25の挿入前に、洗浄ランス25を早送りして位置決めするときに、洗浄ランス25が被洗浄物17、戴置台(不図示)と干渉しないために必要な長さとして、空洞部54毎にユーザーによって任意に定められる。
なお、ユーザは、第1の所定長さL1を入力装置42を介して入力することに替えて、ユーザは、先端点25cから開口部56との距離L11を入力し得る。このとき、パラメータ記憶手段472gは、L1に替えてL11を記憶する。挿入開始位置演算手段41bは、L11及び距離L(図2参照)に基づいて、挿入開始位置63を演算する。
〈洗浄目標位置演算ステップ〉
図7を参照して、衝突位置67に対する目標位置座標Pを演算する洗浄目標位置演算ステップS6について詳細に説明する。洗浄目標位置演算手段41cは、衝突位置データ記憶手段472bに格納された衝突位置67である下限位置59、データ記憶手段472に格納された洗浄軸線62、洗浄ランスモデル記憶手段472cに記憶された角度θに基づいて、洗浄ランス25の目標位置座標Pを演算する。底面57から数えてi番目の衝突位置67(ここでは下限位置59)に対する、洗浄ランス25の位置のZ座標PZiは洗浄軸線62上に、式3に基づいて演算される。位置65AのZ軸座標PZiは、衝突位置59のZ座標Z、衝突位置59と洗浄軸線62との最短距離R、及び洗浄ランス25の軸部25aと噴流35とのなす角度θにより、下式で演算される。
Zi=Z+R/tanθ ・・・式3
洗浄軸線62はX=X1,Y=Y1を通るため、下限位置59に対応する位置座標は、(X1,Y1,PZi)となる。
〈特定範囲の設定〉
洗浄目標位置演算手段41cは、洗浄目標である洗浄対象部位61を画定する衝突位置67(上限位置60から下限位置59まで)を含むように特定範囲を設定する。
具体的には、ユーザは第3の所定長さL3を入力装置42を介して、CAMシステム40に入力する。パラメータ記憶手段472gは、第3の所定長さL3を記憶する。洗浄目標位置演算手段41cは、上限位置60に対しては、洗浄軸線62に沿って開口部56寄りに第3の所定長さL3分だけ移動した位置66Bを特定範囲の上限位置として設定する。即ち、位置66Bの目標位置座標Pj1は、(X1,Y1,PZj+L3)となる。データ記憶手段472は、衝突位置67に対応する位置座標として、変更前のPに加えて、Pj1を記憶する。
洗浄目標位置演算手段41cは、下限位置59に対応する位置65A(X1,Y1,PZi)に対しては、底面57寄りに第3の所定長さL3だけ移動した位置65Bを特定範囲の下限位置として設定する。即ち、位置65Bの位置座標Pi1は、(X1,Y1,PZi−L3)となる。データ記憶手段472は、下限位置59に対応する目標位置座標Pとして、変更前の位置65Aに加えて、位置65Bを記憶する。
第3の所定長さL3は、洗浄目標を含むように特定範囲を設定するためのパラメータ(いわば余裕長さ)である。洗浄ランス25は、回転しながら挿入されるため、噴流35の空洞部54内面における軌跡は螺旋83(図3参照)を描く。洗浄ランス25の回転方向と送り速度によっては、噴流が十分に洗浄対象部位61に衝突しない場合がある。第3の所定長さL3は、その不確実性を補償するために設けられる。第3の所定長さL3は、大きすぎると動作時間が過大になるので、洗浄ランス25の噴口径(不図示)、および洗浄装置10における洗浄ランス25の移動動作に基づく位置決め精度、サーボゲイン等を考慮して適宜設定する。第3の所定長さL3は、好ましくは、噴口径(不図示)の1倍ないし3倍として設定される。
なお、本実施形態においては、ユーザが任意に設定することとしたが、洗浄目標位置演算手段41cが予め設定された余裕長さを加算して設定してもよい。
なお、第3の所定長さL3は0としても良い。この場合には、特定範囲は、洗浄範囲51と合致する。
また、洗浄対象部位61が、洗浄軸線62に沿って幅を持たない場合(上限位置60と下限位置59が略一致するような場合)であっても、同様に演算され得る。この場合において、第3の指定長さL3を0にすると、位置65B、66Bは同一点となる。経路作成手段41g1は、位置65Bと位置66Bが同一の場合、その位置65Bにおいて洗浄ランスが一時停止するように制御プログラムを作成できる。
また、データ記憶手段472は、変更前の位置65A、66Aに加えて、変更後の位置65B、66Bの座標を記憶することに替えて、変更前の位置65A、66Aを位置65B、66Bに上書きして記憶しても良い。
〈挿入限界位置演算ステップ〉
図7を参照して、挿入限界位置64の演算に係る挿入限界位置演算ステップS7について詳細に説明する。
挿入限界位置64は、洗浄軸線62と底面57との交点から、洗浄軸線62に沿って開口部56寄りに第2の所定の長さL2だけ離間した地点として、挿入限界位置演算手段41dによって演算される。挿入限界位置64の座標Z64は、底面のZ座標をZ57とすると、(X1,Y1,Z57+L2)となる。演算された挿入限界位置64は、データ記憶手段472に収納される。
第2の所定長さL2は、洗浄ランス25の基準点26から洗浄ランス25の先端点25cまでの距離L(図2参照)に対して、さらに干渉余裕長さを加算して定める。洗浄ランス25の基準点26から洗浄ランス25の先端点25cまでの距離は、洗浄ランス25の形状から設定する。干渉余裕長さは、底面57及び洗浄ランス25の寸法精度、洗浄装置10における洗浄ランス25の位置決め精度、洗浄ランス25の振れ、サーボゲイン等を考慮して設定する。第2の所定長さL2は、小さすぎると干渉を十分に防止できず、大きすぎると洗浄可能範囲が過剰に制限される。好ましくは、干渉余裕長さは、1〜3mmとして設定される。
なお、本実施形態においては、第2の所定長さL2を洗浄ランス25の基準点26を基準として設定したが、洗浄ランス25の先端点25cを基準として設定してもよい。
このとき、ユーザは、第2の所定長さL2を入力装置42を介して入力することに替えて、ユーザは、先端点25cから底面57との距離L21を入力し得る。パラメータ記憶手段472gは、第2の所定の長さL2に替えてL21を記憶する。挿入限界位置演算手段41dは、距離L21及び距離Lに基づいて、挿入限界位置64を演算する。
〈挿入折り返し位置設定ステップ〉
挿入折り返し位置設定手段41eは、洗浄軸線62において、噴流35が洗浄目標に対する目標位置座標Pから第3の所定長さL3(L3=0も含む)だけ空洞部54内に進入した位置を挿入折り返し位置65Bとして設定する挿入折り返し位置設定ステップを実行する。
〈挿入折り返し位置比較ステップ〉
図7を参照して、比較演算である挿入折り返し位置比較ステップS8について詳細に説明する。
挿入折り返し位置比較演算手段41gは、衝突位置データ記憶手段472bに収納されている衝突位置67(上限位置60、下限位置59、衝突位置81)に噴流35が衝突する時のそれぞれの目標位置座標P(位置66、位置65、位置82)について、挿入限界位置64よりも底面57側にあるか否かを比較する。データ記憶手段472は、比較の結果、挿入限界位置64よりも底面57寄りにある位置82の目標位置座標Pifについて、その旨をフラグを立てることによって記憶する。
〈折り返し位置変更ステップ〉
折り返し位置変更ステップS9について詳細に説明する。
データ記憶手段472は、位置81に対応する洗浄ランスの目標位置として、目標位置座標Pifの座標に加えて、挿入限界位置64の座標を収納する。
なお、目標位置座標Pifについて、データ記憶手段472がフラグを立てて記憶し、経路作成手段41g1がフラグの有無に基づいて洗浄ランス25の移動経路である経路53(図3参照)を作成することに替えて、折り返し位置比較演算手段41fが、比較に引き続き、目標位置座標Pifを挿入限界位置64に変更できる。このときにおいては、データ記憶手段472は、挿入限界位置64に変更された目標位置座標Pifを記憶する。
〈制御プログラム作成ステップ〉
図3と図7を参照して、経路53及び制御プログラムを作成する制御プログラム作成ステップS10、S11について詳細に説明する。
制御プログラム作成ステップは、経路作成手段41g1によって、洗浄ランス25が開口部56を通って挿入折り返し位置まで空洞部54に進入し、挿入折り返し位置65Bから開口部56の方へ引戻すように洗浄ランス25の経路53を作成する経路作成ステップS10と、経路作成手段41g1が作成した洗浄ランス25の経路53から、洗浄プログラム作成手段41g2によって、数値制御プログラムを作成する洗浄プログラム作成ステップS11と、を含んでいる。
経路作成手段41g1は、上述のように演算された挿入開始位置63、目標位置座標P,Pを、底面57から遠い順に並べる。そして、経路作成手段41g1は、挿入開始位置63から、中間的な位置Pを底面57から遠い順に通過し、最も底面57に近い目標位置座標Pで折り返し、挿入開始位置63に戻るように、洗浄ランス25の経路53を作成する。洗浄ランス25は、空洞部54の外側の挿入開始位置63から、空洞部54内部に挿入され、挿入開始位置63へ引戻されるため、空洞部54の壁面に干渉しない経路をたどる。
経路作成手段41g1は、下限位置59、上限位置60に対応する目標位置座標Pは、第3の所定長さL3オフセットした位置65B、66Bの位置座標を用いて経路53を作成する。ここで、目標位置座標Pのうち、フラグが立てられた目標位置座標Pifについては、経路作成手段41g1は、目標位置座標Pを挿入限界位置64に変更して、経路53を作成する。
経路作成手段41g1が、挿入限界位置64よりも底面57に近い目標位置座標Pifを、挿入限界位置64に変更するため、洗浄ランス25と底面57との干渉が予防される。
経路作成手段41g1が、目標位置座標Pifを書換えることなく、経路作成段階において挿入限界位置64を使用するため、経路作成手段41g1が経路53を一旦作成した後に挿入限界位置64が変更されたときにも、再度目標位置座標Pifを演算し直す必要がない。
経路作成手段41g1は、特定範囲の経路51bについては、位置66Bと位置65Bとを結ぶ直線補間移動を割り当てる。経路作成手段41g1は、パラメータ記憶手段472gに格納された割当て速度Fを、それぞれの洗浄範囲51に対応する洗浄軸線62に沿った経路53bに割り当てる。経路53bに割当てる速度F[mm/s]は、式4で算出される。
F=CndS ・・・(式4)
ここで、C[−]は定数、nは洗浄ランスに配置される噴口の個数、d[mm]は噴口の孔径d[mm](不図示)、Sは洗浄ランスの回転速度[s−1]を表す。定数Cは、軌跡のピッチに対する孔径dの倍率を示し、好ましくは0.2〜20、より好ましくは、0.5〜5が選択される。
経路作成手段41g1は、洗浄範囲51に対応しない経路53の区間53a(折り返し後の区間を含む。)については、洗浄範囲に対応する区間53bに比較して早い速度による直線補間移動又は、早送り移動を割当てることができる。早い送り速度による直線補間移動を割当てる場合には、好ましくは、洗浄範囲に対応する区間53bに割当てた速度の2〜500倍を割当てる。
経路作成手段41g1を上述のように構成することで、一つ一つの洗浄目標をそれぞれ洗浄1回と挿入または抜き取りの1回の合計2回のみ通過し、折り返しが1度のみの無駄のない経路53を作成できる。1つの洗浄範囲51につき、洗浄ランス25が3回以上通過しないため、それぞれの洗浄範囲51に対する噴流35の衝突密度を容易に設定できる。
なお、経路作成手段41g1は、上述の経路53を作成する事に替えて、挿入開始位置63から、挿入限界位置64に挿入し、最も底面57に近い目標位置座標Pで折り返し、目標位置座標Pを底面57から近い順に通過し、挿入開始位置63に戻るように、洗浄ランス25の経路を作成できる。
洗浄プログラムを作成するステップS11について詳細に説明する。
洗浄プログラム作成手段41g2は、経路作成手段41g1が作成した経路53から、数値制御プログラムを作成する。洗浄プログラム作成手段41g2は、命令記憶手段471に記憶された挿入方法に従って、洗浄装置10の軸速度、軸座標などの定義を制御プログラムに挿入する。洗浄プログラム作成手段41g2は、洗浄ランス25が空洞部54へ挿入される前、かつ、挿入開始位置63に到達する前に噴流35を噴射する命令を挿入する。そして、洗浄ランス25が空洞部54から抜き出され、挿入開始位置63へ到達した後に噴流35を停止する命令を挿入する。
「第2実施形態」
図8、図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、洗浄ランス25が、回転軸14を中心として自在に回転方向に位置決めされる場合に対する、洗浄ランス25の制御プログラム作成を取り上げる。ここで、第1実施形態と同一の箇所については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
〈制御対象〉
図8に示すように、洗浄装置100は、制御プログラムを実行する装置である。スピンドル部13は、回転可能にホルダ27を軸支する。洗浄ランス25は、回転軸14に垂直に、ホルダ27に固定されている。ホルダ27は、洗浄ランス25と一体となって、回転軸14を中心として自在に回転方向に位置決めされる。洗浄ランス25の回転方向の姿勢は、C軸座標α(°)として与えられる。洗浄ランス25は、軸28と直角に取り付けられている。軸部25aの先端部から、軸部25aの正面から見てβ(°)傾いた平面上で、軸部25aの中心軸線からθ°の傾きで噴流35が噴出する。
本実施形態の構成の洗浄ランス25は、洗浄装置100がXYZ方向と、X軸周りに回転するA軸方向に被洗浄物17が回転し、Z軸周りに回転するC軸方向にノズル又はノズルホルダが回転できる、5自由度を備えている点に鑑みて設けられている。即ち、Y軸周りに回転するB軸に垂直な方向に設けられている空洞部54であれば、B軸方向に位置決めすることで、空洞部54の長手方向をZ軸方向に平行にできる。この場合には、第1実施形態の制御プログラム作成方法が、被洗浄物17に良く適合する。しかし、空洞部54の長手方向がB軸方向に垂直ではないとき、例えばB軸に平行なときに、洗浄ランス25を挿入する場合がある。本実施形態は、このような場合によく適合する。
洗浄ランス25、ホルダ27は、被洗浄物17、及び洗浄ランス25の姿勢が、特定の姿勢を取ったときに、予め定められた空洞部54に挿入可能に製作されている。
〈洗浄プログラムの作成方法〉
ユーザは、洗浄ランス25を挿入する際のB軸座標およびC軸座標を、表示装置43のGUI及び入力装置42を介して、CAMシステム40に入力する。記憶装置47の姿勢記憶手段472f(図4参照)は、B軸座標及びC軸座標αを記憶する。
なお、空洞部54の形状が、円筒形又は円錐台等の回転体形状である場合、次の代替方法を使用できる。洗浄軸線設定手段41aが空洞部54の中心軸のXY平面上のX方向からの角度を取得する。洗浄軸線設定手段41aは、洗浄ランス25の軸部25aが、取得したXY方向の傾きと平行になるように、C軸座標αを演算する。姿勢記憶手段472fは、演算されたC軸座標α(°)を格納する。
図8を参照して、洗浄軸線設定手段41aは、第1実施形態と同様に、開口部56の基準点69及び洗浄軸線62を演算する。
ここで、V軸は、基準点69を原点として、演算した洗浄軸線62に沿って被洗浄物17の外側に向かう方向を正方向とする座標軸とする。W軸は、V軸と噴流35の中心とを通る平面73上に、基準点69を原点として、V軸に垂直でかつ噴流35の噴射方向を正として与えられる。基準点69を原点として、V軸、W軸のそれぞれに垂直な方向をU軸とする。
図9を参照して、挿入開始位置演算手段41bは、挿入開始位置63を、VW平面上で演算する。洗浄目標位置演算手段41cは、目標位置Pを、W−V平面上で演算する。挿入限界位置演算手段41dは、挿入限界位置64をW−V平面上で演算する。経路作成手段41g1は、UVW空間における目標位置座標Pに基づいて経路53を作成する。各演算方法は第1実施形態と同様である。
洗浄プログラム作成手段41g2は、経路作成手段41g1が作成した経路53に基づいて、制御プログラムを作成する。制御プログラムは、適用される洗浄装置10の制御装置に適合するように作成される。例えば、制御プログラムがXYZAC軸に基づき数値制御される場合には、洗浄プログラム作成手段41g2は、作成した経路のU軸座標値、V軸座標値、W軸座標値を一次変換により、X軸座標値、Y軸座標値、Z軸座標値に変換する。洗浄プログラム作成手段41g2は、XYZ各座標値に基づいて制御プログラムを作成する。
「第3実施形態」
図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、空洞部54が円筒形状、又は円錐台形状である場合に、洗浄特定部位の距離Rを演算し、目標位置座標Pの演算を簡略化する。なお、上述の第1実施形態と同一の箇所については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ユーザは、表示装置43のGUI、入力装置42を介して、被洗浄物17の3次元モデル上において、開口部56、及び底面57を指定する。衝突位置データ記憶手段472bは、開口部56、及び底面57の形状及び位置を記憶する。洗浄軸線設定手段41aは、開口部56の図心を基準点69として、演算する。洗浄軸線設定手段41aは、基準点69を通過し、Z軸に平行に洗浄軸線62を演算する。データ記憶手段472は、これらを記憶する。
洗浄目標位置演算手段41cは、底面57の形状および開口部56の形状から、底面57の半径R1、開口部56の半径R2をそれぞれ演算する。洗浄目標位置演算手段41cは、底面57の位置および開口部56の位置から、底面57の高さ座標Z1、開口部56の高さ座標Z2をそれぞれ演算する。
式3を適用するに当たり、洗浄目標位置演算手段41cは、衝突位置の高さ座標Zにおける、壁面と洗浄軸線62との距離Rを式5に基づいて演算する。
=R+(Z−Z)tanφ ・・・式5
ここで、Rは開口部56の半径、Zは被洗浄物17の基準点から見た開口部56の高さ、Zは被洗浄物の洗浄目標の位置座標、φは前記空洞部の壁面のテーパ角度を示す。
テーパ角度φは、式6に基づいて演算できる。
φ=tan−1((R−R)/(Z−Z)) ・・・式6
ここで、Rは底面形状の半径、Rは開口部56の半径、Zは被洗浄物17の基準点から見た底面57の高さ、Zは被洗浄物17の基準点から見た開口部56の高さを表す。
上述のように演算すれば、洗浄目標位置演算手段41cは、容易に目標位置座標Pを演算できる。
なお、式5、式6は、距離Rを、開口部56の半径及び衝突位置の高さに基づいて演算したが、底面57の半径及び衝突位置の高さに基づいて演算しても構わない。式5、式6をまとめてR、R、Z、Z、Zから直接Rを求めても良い。
図10及び式4は、空洞部54が円錐台である場合について説明したが、φ=0として、空洞部54が円筒形である場合にも適用できる。また、R1=0として、空洞部54が円錐形である場合にも適用できる。もちろん、洗浄軸線62がZ軸以外の軸に沿っている場合や、洗浄軸線62が各軸から傾斜している場合についても、他の実施形態と同様に適用できる。
〈代替手段〉
以上の実施形態では、数値制御されるタレット式の洗浄装置10、100を例に説明したが、洗浄ランス25を用いたあらゆる洗浄機に適用できる。例えば、軸制御が、数値制御ではなく、特定のプログラム言語によって制御される場合には、演算された座標値を利用して、制御される言語によって記述される制御プログラムを作成できる。洗浄ランス25の回転が、C軸に沿って座標値及び移動速度で指令される場合には、挿入開始位置、中間位置、挿入限界位置、の座標には、XYZ軸およびC軸座標を演算して与えうる。もちろん、制御プログラムが回転座標系で指示される場合には、上述の実施形態に基づいて演算して得られた直交座標系における目標位置座標を回転座標系へ一次変換した後に、制御プログラムを作成できる。
本発明は、タレットを備えない洗浄装置、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット等、あらゆる形態の洗浄装置に適応できる。例えば、垂直多関節ロボットが被洗浄物を把持し、固定された回転軸に洗浄ランスが回転可能に軸支され、垂直多関節ロボットが把持した被洗浄物を、洗浄ランスに差し込む場合が想定される。
10 洗浄装置
17 被洗浄物
21 ノズル
25 洗浄ランス
26 基準点
35 噴流
40 CAMシステム
41 演算処理装
41a 洗浄軸線設定手段
41b 挿入開始位置演算手段
41c 洗浄目標位置演算手段
41d 挿入限界位置演算手段
41e 挿入折り返し位置設定手段
41f 挿入折り返し位置比較演算手段
41g 制御プログラム作成手段
41g1 経路作成手段
41g2 洗浄プログラム作成手段
42 入力装置
43 表示装置
45 出力装置
47 記憶装置
49 表示画面
51 洗浄範囲
53 経路(移動経路)
53a,53b 区間(移動経路)
54 空洞部
55 表面
56 開口部
57 底面(空洞終端部)
59 下限位置(衝突位置)
60 上限位置(衝突位置)
61 洗浄対象部位
62 洗浄軸線
63 挿入開始位置
64 挿入限界位置
67 衝突位置
69 基準点
471 命令記憶手段
472 データ記憶手段
472a 被洗浄物モデル記憶手段
472b 衝突位置データ記憶手段
472c 洗浄ランスモデル記憶手段
472d 噴流モデル記憶手段
472e 洗浄装置データ記憶手段
472f 姿勢記憶手段
472g パラメータ記憶手段
L1 第1の所定長さ
L2 第2の所定長さ
L3 第3の所定長さ
i 目標位置座標
i 洗浄軸線から洗浄目標までの距離
i 洗浄目標の位置座標

Claims (14)

  1. コンピュータに実行させて作成し、被洗浄物の空洞部に開口部から洗浄ランスを洗浄軸線に沿って挿入し前記空洞部に設定された洗浄目標に対して噴流を噴出して前記空洞部内を洗浄する洗浄ランスの制御プログラムの作成方法であって、
    前記コンピュータの演算処理装置が、
    前記コンピュータの記憶装置に格納された前記被洗浄物および前記空洞部を表す被洗浄物モデル、前記洗浄目標の位置を示す衝突位置データ、前記洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデル、並びに前記洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを参照して、
    前記噴流が突位置に衝突する、前記洗浄軸線上における前記洗浄ランスの目標位置座標Piを下記の式1によって演算する洗浄目標位置演算ステップと、
    前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記目標位置座標Piまで進入するように当該洗浄ランスの移動経路を作成する制御プログラム作成ステップと、
    を実行することを特徴とする制御プログラムの作成方法。
    i=Zi+Ri/tanθ ・・・式1
    ここで、Zi:前記被洗浄モデルにおける前記洗浄目標の衝突位置座標
    i:前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離
    θ:前記噴流モデルにおける前記洗浄軸線と前記噴流とのなす噴出角度
  2. 前記洗浄軸線において、前記目標位置座標Piから所定長さ(L3)だけ前記空洞部内にさらに進入した位置を挿入折り返し位置として設定する挿入折り返し位置設定ステップを含み、
    前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記挿入折り返し位置まで前記空洞部に進入し、当該挿入折り返し位置から前記開口部の方へ引戻すように当該洗浄ランスの移動経路を作成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の制御プログラムの作成方法。
  3. 請求項1に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定ステップをさらに含み、
    前記洗浄軸線設定ステップでは、前記演算処理装置が、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
    を特徴とする制御プログラムの作成方法。
  4. 請求項に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定ステップをさらに含み、
    前記洗浄軸線設定ステップでは、前記演算処理装置が、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
    を特徴とする制御プログラムの作成方法。
  5. 請求項4に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記洗浄軸線設定ステップでは、前記図心は、前記開口部から前記挿入折り返し位置までの間における前記空洞部の最も狭い当該空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
    を特徴とする制御プログラムの作成方法。
  6. 請求項2に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記空洞部は、予め設定された空洞終端部を有し、
    前記演算処理装置は、
    前記洗浄軸線において前記空洞終端部の位置と前記洗浄ランスモデルに基づいて前記洗浄ランスの挿入限界位置を演算する挿入限界位置演算ステップと、
    前記挿入折り返し位置と前記挿入限界位置とを比較する折り返し位置比較ステップと、
    前記折り返し位置比較ステップにおいて前記挿入折り返し位置が前記挿入限界位置よりも前記空洞終端部に近い場合には、当該挿入折り返し位置を前記挿入限界位置と同じ位置または当該挿入限界位置と前記洗浄ランスの目標位置座標Piとの間の位置に変更する折り返し位置変更ステップと、
    をさらに含んで実行することを特徴とする制御プログラムの作成方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記演算処理装置は、
    前記空洞部が、前記洗浄軸線を中心として回転させて得られる回転形状である場合には、
    前記洗浄軸線から前記洗浄目標までの距離Riを式2によって演算することを特徴とする制御プログラムの作成方法。
    i=R2+(Zi−Z2)/tanφ ・・・式2
    ここで、R2:前記開口部の半径
    2:前記開口部の位置座標
    i:前記衝突位置座標
    φ:前記空洞部の壁面のテーパ角度
  8. 請求項2、請求項4、請求項5または請求項6に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記被洗浄物モデルは、前記洗浄目標を含むように設定された特定範囲を有し、
    前記演算処理装置は、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記特定範囲に対しては、前記洗浄ランスの前記開口部から前記挿入折り返し位置までの移動経路における他の範囲よりも前記洗浄ランスを低速で移動または一時停止させる制御プログラムを作成すること、
    を特徴とする制御プログラムの作成方法。
  9. 請求項8に記載の制御プログラムの作成方法であって、
    前記演算処理装置は、前記制御プログラム作成ステップにおいて、前記特定範囲の前記開口部側の限界点に対する前記洗浄ランスの前記目標位置座標Piである上限位置と、前記特定範囲の前記開口部とは反対側の限界点に対する前記洗浄ランスの前記目標位置座標Piである下限位置と、を求め、前記上限位置と前記下限位置との間の区間では、前記洗浄ランスを前記低速で移動させる制御プログラムを作成すること、
    を特徴とする制御プログラムの作成方法。
  10. CAMシステムであって、
    請求項に記載の制御プログラムの作成方法を実行させるための命令を記憶する命令記憶手段と、
    前記被洗浄物および前記空洞部を表す被洗浄物モデルを記憶する被洗浄物モデル記憶手段と、前記洗浄目標の位置を示す衝突位置データを記憶する衝突位置データ記憶手段と、前記洗浄ランスの形状を表す洗浄ランスモデルを記憶する洗浄ランスモデル記憶手段と、前記洗浄ランスから噴出する噴流を表す噴流モデルを記憶する噴流モデル記憶手段と、を有するデータ記憶手段と、
    前記洗浄目標位置演算ステップを実行する洗浄目標位置演算手段と、
    前記制御プログラム作成ステップを実行する制御プログラム作成手段と、
    前記演算処理装置に結合され、前記命令記憶手段およびデータ記憶手段にアクセス可能なグラフィカルユーザインターフェースを有する表示装置と、
    前記命令記憶手段およびデータ記憶手段に結合された入力装置と、
    を備えたことを特徴とするCAMシステム。
  11. 請求項10に記載のCAMシステムであって、
    前記洗浄軸線において、前記目標位置座標P i から所定長さ(L3)だけ前記空洞部内にさらに進入した位置を挿入折り返し位置として設定する挿入折り返し位置設定ステップを実行する挿入折り返し位置設定手段をさらに備え
    前記制御プログラム作成手段は、前記洗浄ランスが前記開口部を通って前記挿入折り返し位置まで前記空洞部に進入し、当該挿入折り返し位置から前記開口部の方へ引戻すように当該洗浄ランスの移動経路を作成すること、
    を特徴とするCAMシステム。
  12. 請求項10または請求項11に記載のCAMシステムであって、
    前記洗浄軸線を設定する洗浄軸線設定手段をさらに含み、
    前記洗浄軸線設定手段は、前記洗浄軸線方向から見た前記空洞部を表す図心を通過するように前記洗浄軸線を設定すること、
    を特徴とするCAMシステム。
  13. プログラムであって、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の制御プログラムの作成方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 媒体であって、請求項13に記載のプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記媒体。
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