JP2004209331A - 洗浄条件算出装置及び洗浄装置 - Google Patents

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孝佳 鳥居
Tatsuya Mizobe
達也 溝部
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Abstract

【課題】洗浄装置において、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄を可能とすることである。
【解決手段】ノズル12aの先端から加圧洗浄液を吐出させ、ワーク表面11における液圧分布を調べたところ、最高液圧PMAXの位置はノズル12aの吐出軸の位置yになく、吐出軸の位置yを中心として半径Rの円16a上にあり、円16aの外側の領域22も内側の領域24も、その液圧は最高液圧PMAXより低い値を示す。したがって、最高液圧PMAXを洗浄に必要な洗浄液圧Pにあわせ、ノズルピッチLを2Rとし、ワーク10をノズル12a,12b,12cの配置方向であるY方向に直交するZ方向に移動させることで、ワーク表面11上を最高液圧の位置を示す円16a,16b,16cをつなげた状態のままでZ方向に走査させてワーク表面11の全領域について洗浄液圧Pを確保できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄条件算出装置及び洗浄装置に係り、特に、複数のノズルから加圧洗浄液を吐出して被洗浄物を洗浄する際の洗浄条件算出装置及び洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械加工されたワークは、加工後に残留切粉、機械加工の際に付着した冷却剤等の除去のために洗浄が施される。機械加工されたワークは、例えばキリ穴、ネジ穴、段付、凹部等の立体的に複雑な形状を有しているため、これらの深穴や複雑なくぼみ等に対しても十分な洗浄が必要である。そこで、特許文献1−4に示されるように、加圧洗浄液をワークにむけて噴射させ、複雑な形状部に流体の流れを起し、切粉等を流れに乗せて洗い流す方法が用いられる。この方法は、IFW(Injection Flood Wash)と呼ばれることがある。
【0003】
例えば、特許文献1−3は、洗浄液を満たした洗浄槽内で加圧洗浄液を噴射する液中洗浄と、空の洗浄槽内での洗浄との組み合わせに係る一連の技術が開示されている。ここでは、複数のノズルから加圧洗浄液を噴射させることが示されている。また、特許文献4には、洗浄槽に対し相対的に回転・上下運動させる洗浄バスケットと、洗浄槽内に対向して設けられ段違いに配置された複数の水噴射ノズルが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−345168号公報
【特許文献2】
特開平5−345169号公報
【特許文献3】
特開平5−345170号公報
【特許文献4】
特開2000−15192号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、IFWについての全般的な洗浄法について従来技術は開示しているが、実際の洗浄条件についてはあまり知られていない。例えば、IFWにおいては、ワークに加圧洗浄液を噴射し、ワーク全体に水流を行き渡らせ、くぼみ内の切粉等をその水流にのせて洗い流す方法がとられる。この洗浄に必要な水流を起こすためには、ワークの表面において、ある程度の液圧が必要であることが経験上わかってきている。
【0006】
しかし、ワークの表面においてある程度の液圧が必要であることがわかっても、その圧力を発生するための設備的な条件は、例えば加圧ポンプの加圧力、洗浄液流量、ノズルの寸法、ノズルの配置、ワークとノズルとの間の洗浄間隔等、パラメータが多い。したがって、ワークにあわせ個別的な洗浄実験を行って十分な洗浄が行えるかどうか確認が必要で、洗浄条件を定めるために相当の時間を要している。
【0007】
また、十分な洗浄を行うために、洗浄条件が過剰になりがちで、加圧ポンプの容量等が必要以上に大きくなり、洗浄装置全体が過大なものとなっている。
【0008】
例えば、ワークがある程度大きいときには、特許文献1−4にも示されるように、複数の吐出ノズルを並べて用いる。この場合、仮にノズルピッチが広すぎると、ノズルとノズルの間では液圧が低くなるので、この隙間の部分の液圧を確保しようとするとポンプの加圧力を上げることになる。そのときには、全体の液圧分布が高圧側にシフトするので、もともと十分な液圧を有していた部分まで過剰な液圧に加圧されることになり、加圧ポンプに対して過剰な負荷となっている。
【0009】
これに対し、ノズルピッチを狭くすれば、隣り合うノズルのそれぞれによる液圧十分の領域を重ならせることができるが、過剰な重なりは、洗浄個所に対する過剰な洗浄液の供給につながり、加圧ポンプに対して過剰な負荷となっている。
【0010】
このように、ノズルピッチ1つとっても、従来技術は、十分な洗浄を行うための条件を示していず、洗浄条件が経験により定められている。したがって、加圧ポンプ等の洗浄液供給装置の容量が必要以上に大きくなりがちで、洗浄装置全体が過大なものになりがちとなっている。
【0011】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄を可能とする洗浄条件算出装置及び洗浄装置を提供することである。本発明の他の目的は、個別的な洗浄実験を要せず、十分な洗浄を可能とする洗浄条件算出装置及び洗浄装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
1.本発明に関連する知見
本発明は、ノズルから吐出した加圧洗浄液がワークの表面に当たるときに、その最高液圧の位置が、吐出軸の中心に相当するところになく、吐出軸の中心を中心とするリング上にあることを見出したことに基づく。
【0013】
図1は、その様子を示す模式図である。図においてワーク10の表面11は平坦とし、ワーク表面11に向き合い、距離Dを離してノズル12a,12b,12cが配置される。なお、図示していないが、ワーク10及びノズル12a,12b,12cは洗浄液が満たされた洗浄槽の中に配置されている。ノズル12a,12b,12cからは、吐出軸14a,14b,14cに沿ってワーク表面に向けて加圧洗浄液が吐出される。図において吐出軸14a,14b,14cはワーク表面11に垂直に交わるものとしてある。ワーク表面11上に座標軸の原点をとり、図に示すようにその吐出軸14a,14b,14cに平行な方向をX方向、ノズル12a,12b,12cの並び方向をY方向、X方向及びY方向に直交しかつワーク表面11に沿った方向をZ方向とする。
【0014】
例えばある時刻tでノズル12aの先端から吐出した加圧洗浄液の挙動を観察すると、加圧洗浄液は、時間の経過とともに吐出軸14aの方向(−X軸方向)に進行すると同時にYZ平面内でリング状に広がる。図には、時刻t,tと進み、時刻tでワーク表面に到達したものとして示した。
【0015】
ワーク表面11における加圧洗浄液の液圧分布について圧力検出器を用いて調べたところ、その液圧分布は図2に示す通りである。すなわち、最高液圧PMAXの位置20は、ノズル12aの吐出軸の位置yになく、吐出軸の位置yを中心として半径Rの円16a上にあり、円16aの外側の領域22も内側の領域24も、その液圧は最高液圧PMAXより低い値を示す。
【0016】
このメカニズムは明らかではないが、例えば、ノズル先端から圧力波が液体等の伝播媒体中を伝播するときに、波動として、図1に示す−X軸方向に進行するとともに、−X軸に垂直な面(YZ面)内で広がって伝播するモデルを考えることができる。これに類似の現象として、例えば、水面上を同心円状にいくつもの波が広がってゆくことはよく観察されることである。
【0017】
この観察結果によると、隣り合うノズルのピッチLが2Rより大きいときは、図1、図2に示すように、ワークの表面における最高液圧の位置を示す円16a,16b,16cは互いに離れている。仮に、ノズルピッチLを2Rとすれば、図1におけるY方向において、最高液圧の位置を示す円16a,16b,16cはちょうどつながることができる。この状態でも、つながった最高液圧の位置を示す円の内部の領域24においては、最高液圧PMAXより低い液圧である。
【0018】
そこで、ワーク10をノズル12a,12b,12cの配置方向であるY方向に直交するZ方向に移動させれば、ワーク表面11上を最高液圧の位置を示す円16a,16b,16cがZ方向に走査する形になり、2Rの幅の領域18a,18b,18cは必ず最高液圧PMAXの液圧を受けることになる。したがって、ノズルの数をワーク10のY方向の寸法に合わせて十分な数準備し、ノズルピッチLを2Rとして、ノズル12a,12b,12cの配置方向に直交する方向にワーク10を移動させれば、ワーク表面11の全領域について最高液圧PMAXを確保できる。ワーク10のZ方向への移動は、Z方向における揺動あるいは、Y方向に平行な回転軸周りにワーク10を回転させることでもよい。
【0019】
ワーク表面11においてちょうど最高液圧PMAXとする条件は、ノズル先端の形状寸法、例えばノズル径dや、ノズル先端の洗浄液吐出圧P、及びワーク表面11とノズル先端との間の洗浄間隔D等のパラメータの組み合わせとなる。図3は、洗浄間隔Dとノズル径dを一定として洗浄液吐出圧Pを変化させ、そのときのワーク表面における最高液圧PMAXと最高液圧の位置を示す円の直径2Rについてその変化の様子の一例を示したものである。図に示すように、洗浄液吐出圧Pが増加するにつれ最高液圧PMAXが上昇し、最高液圧の位置を示す円の直径2Rが増加することがわかる。このような関係データは、実験で再現よく求めることができ、さまざまなノズル径d、洗浄間隔Dについてあらかじめ収集しておいてデータベースとすることができる。
【0020】
以上の観察結果に基づいて、さまざまなワークについてワーク表面が十分に洗浄できる条件を調べたところ、ワークの形状やそれに施された機械加工の部位、種類等が同様のワークについては、ある程度の形状、寸法、機械加工の寸法等が異なっても、ワーク表面においてほぼ同じ値の洗浄液圧P以上あれば、十分に洗浄が行えることがわかった。
【0021】
したがって、図2の関係を用いれば、ノズル径d、洗浄間隔Dを与えて、ワーク表面における最高液圧PMAXがちょうど洗浄液圧Pとなる洗浄液吐出圧Pと、そのときの2Rを求めることができる。そこで、ノズルピッチLを2Rに設定し、ノズル数についてはワークを十分カバーできる数とし、ワークをノズルの配置方向に直交する方向に移動させつつ、ノズル先端から洗浄液吐出圧Pの加圧洗浄液をワークに向けて吐出させれば、ワークの表面全域をちょうど洗浄液圧の洗浄液でカバーできる。すなわち、過剰な洗浄液吐出圧になることなく、加圧ポンプ等の容量を洗浄に必要な最小のものとすることができる。ここで、ワークの表面において、各ノズルの吐出軸を中心として直径2Rの領域は、ワークをノズルの配置方向に直交する方向に移動させることで、洗浄液圧Pを確保できる領域となる。そこで、以下では特に断らない限り、洗浄液圧Pを確保できる領域あるいは洗浄液圧領域とは、上記2Rの領域をさすものとする。
【0022】
このように、ノズルから吐出した加圧洗浄液がワークの表面に当たるとき、その最高液圧の位置が、吐出軸を中心とするリング上にあることに基づき、そのリングをつなげるようにノズルピッチを定め、ワークをノズルの配置方向に直交する方向に移動させる構成により、ワーク表面全域をちょうど洗浄に必要な洗浄液圧を有する加圧洗浄液でカバーでき、過剰な洗浄液吐出圧になることを防止できる。
【0023】
2.課題解決手段
本発明に係る洗浄条件算出装置は、洗浄槽内に複数のノズルを配置し、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向に移動させながら、各ノズルに洗浄液供給手段から加圧洗浄液を供給し吐出させて洗浄する洗浄装置に用いられ、所定の洗浄液圧Pを被洗浄物の表面で確保する洗浄条件を算出する洗浄条件算出装置であって、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する、被洗浄物の表面とノズルとの間の洗浄間隔Dと、ノズルの先端の洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとを格納する液圧関係データベースと、洗浄間隔Dを与えて液圧関係データベースを検索し、被洗浄物の表面で洗浄液圧Pとなる洗浄吐出圧Pを取得する洗浄吐出圧取得手段と、取得した洗浄吐出圧Pの下で、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域を、液圧関係データベースから検索し取得する洗浄液圧領域取得手段と、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、複数のノズルの配置ピッチを設定するノズルピッチ設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
上記構成により、洗浄液圧Pを満足する、洗浄間隔Dと洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとを格納する液圧関係データベースを備える。このデータベースを用いて、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、複数のノズルの配置ピッチを設定する。したがって、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向に移動させる洗浄装置において、被洗浄物表面全域をちょうど洗浄液圧Pを有する加圧洗浄液でカバーでき、過剰な洗浄液吐出圧になることを防止できる。
【0025】
また、本発明に係る洗浄条件算出装置において、取得した洗浄液吐出圧に基づいて洗浄液供給手段の容量を算出する洗浄液供給容量算出手段を備えることが好ましい。上記構成により、被洗浄物表面全域をちょうど洗浄液圧Pを有する加圧洗浄液でカバーする洗浄液吐出圧Pとでき、過剰な洗浄液吐出圧になることを防止し、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄が可能となる。
【0026】
また、本発明に係る洗浄条件算出装置は、洗浄槽内に複数のノズルを配置し、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向に移動させながら、各ノズルに洗浄液供給手段から加圧洗浄液を供給し吐出させて洗浄する洗浄装置に用いられ、所定の洗浄液圧Pを被洗浄物の表面で確保する洗浄条件を算出する洗浄条件算出装置であって、ノズル寸法ごとの洗浄液圧Pに関するデータを格納するデータベースであって、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する、被洗浄物の表面とノズルとの間の洗浄間隔Dと、ノズルの先端の洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとを、格納する液圧関係データベースと、各ノズル寸法ごとに、洗浄間隔Dを与えて液圧関係データベースを検索し、被洗浄物の表面で洗浄液圧Pとなる洗浄吐出圧Pを取得する洗浄吐出圧取得手段と、各ノズル寸法ごとに、取得した洗浄吐出圧Pの下で、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域を、液圧関係データベースから検索し取得する洗浄液圧領域取得手段と、各ノズル寸法ごとに、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、複数のノズルの配置ピッチを算出するノズルピッチ算出手段と、各ノズル寸法ごとに、算出されたノズルピッチから、被洗浄物の洗浄範囲をカバーできるノズル数を算出するノズル数算出手段と、各ノズル寸法ごとに、取得した洗浄液吐出圧と算出されたノズル数とに基づいて洗浄液供給手段の容量を算出する洗浄液供給容量算出手段と、算出された洗浄液供給手段の容量を最小にするノズル寸法とノズルピッチとノズル数とを選定するノズル選定手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
上記構成により、洗浄液圧Pを満足する、洗浄間隔Dと洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとをノズル寸法ごとに格納する液圧関係データベースを備える。このデータベースを用いて、各ノズル寸法ごとに、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるようなノズルの配置ピッチと、ノズル数と、洗浄液供給手段の容量を算出する。そして、算出された洗浄液供給手段の容量を最小にするノズル寸法とノズルピッチとノズル数とを選定する。したがって、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向に移動させる洗浄装置において、被洗浄物表面全域をちょうど洗浄液圧Pを有する加圧洗浄液でカバーでき、かつ洗浄液供給手段の容量を最小にするノズル条件を定めることができ、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄が可能となる。
【0028】
また、液圧関係データベースは、洗浄液が満たされている洗浄槽内において複数のノズルが洗浄液中に加圧洗浄液を吐出する液中洗浄に関する液圧関係データベースであることが好ましい。また、液圧関係データベースは、被洗浄物移動機構が被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向の回転軸に回転させる回転洗浄に関する液圧関係データベースであることが好ましい。
【0029】
また、本発明に係る洗浄装置は、洗浄槽と、洗浄槽内に配列され、被洗浄物に向けて加圧洗浄液を吐出する複数のノズルと、各ノズル間のピッチLを可変するノズルピッチ変更手段と、ノズルとの間に洗浄間隔Dをおいて配置された被洗浄物を、ノズルの配列方向に直交する方向に移動させる被洗浄物移動機構と、ノズル先端において洗浄吐出圧Pを有する加圧洗浄液をノズルに供給する洗浄液供給手段と、被洗浄物の表面で所定の洗浄液圧Pを生じさせるように、ノズルピッチ変更手段におけるノズルピッチLの設定と、洗浄液供給手段における洗浄吐出圧Pの設定とを制御する洗浄条件制御手段と、を備え、洗浄条件制御手段は、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する洗浄間隔Dと洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとに基づいて、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、洗浄液吐出圧Pの設定と、ノズルピッチLの設定とを制御することを特徴とする。
【0030】
上記構成により、ノズルの配列方向に直交する方向に移動させる被洗浄物移動機構と、各ノズル間のピッチLを可変するノズルピッチ変更手段と、ノズルピッチLの設定と、洗浄吐出圧Pの設定とを制御する洗浄条件制御手段とを備える。そして、洗浄条件制御手段は、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する洗浄間隔Dと洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとに基づいて、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、洗浄液吐出圧Pの設定と、ノズルピッチLの設定とを制御する。したがって、被洗浄物表面全域をちょうど洗浄液圧Pを有する加圧洗浄液でカバーするように、洗浄液吐出圧PとノズルピッチLを設定でき、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄が可能となる。
【0031】
また、本発明に係る洗浄装置において、洗浄槽には洗浄液が満たされており、複数のノズルは洗浄液中に加圧洗浄液を吐出することが好ましい。また、被洗浄物移動機構は、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向の回転軸に回転させる回転機構であることが好ましい。
【0032】
また、本発明に係る洗浄装置において、好ましくは、加圧洗浄液を吐出する複数の吐出ノズルに近接して配列され、被洗浄物の方向から洗浄液を吸い込む複数の吸込ノズルを備え、洗浄液供給手段は、吸込加圧ポンプと、洗浄槽から回収された洗浄液を収容する1次タンクと、1次タンクと接続され、よりきれいな洗浄液を収容する2次タンクと、直列接続された1次タンクと2次タンクと第1切替バルブとを介し、洗浄槽と1次タンクとの間を接続する第1吸込流路と、直列接続された洗浄液濾過フィルタと、第1切替バルブとを介し、複数の吸込ノズルと吸込加圧ポンプとの間を接続する第2吸込流路と、直列接続された第2切替バルブと第3切替バルブとを介し、複数の吐出ノズルと吸込加圧ポンプとの間を接続する吐出流路と、吸込加圧ポンプ側から第3切替バルブを介して1次タンクへ向けて設けられ、吸い込み洗浄液をバイパスさせるバイパス流路と、加圧洗浄液を吐出する吐出モードと、複数の吸込ノズルから洗浄液を吸い込む吸込モードとを、第1切替バルブ、第2切替バルブ及び第3切替バルブの動作の制御により交互に実行させるバルブ制御手段と、を含み、バルブ制御手段は、吐出モードにおいて、第1切替バルブの切り替えにより2次タンクと吸込加圧ポンプとを接続し、第2切替バルブを開き、第3切替バルブの切り替えにより吸込加圧ポンプと複数の吐出ノズルとを接続して、2次タンクから吸込加圧ポンプを介し複数の吐出ノズルへの加圧洗浄液の供給を実行させ、吸込モードにおいて、第1切替バルブの切り替えにより複数の吸込ノズルと加圧ポンプとを接続し、第2切替バルブを閉じ、第3切替バルブの切り替えにより加圧ポンプと1次タンクとをバイパス流路を介して接続して、洗浄液を複数の吸込ノズルから吸い込み1次タンクへ回収することを実行させる。
【0033】
上記構成により、加圧洗浄液を吐出する複数の吐出ノズルに近接して配列され、被洗浄物の方向から洗浄液を吸い込む複数の吸込ノズルを備え、これらに接続する第1吸込流路、第2吸込流路、吐出流路、バイパス流路と、加圧ポンプ、1次タンク、2次タンクを備える。そして、第1切替バルブ、第2切替バルブ及び第3切替バルブの動作を制御して、2次タンクから吸込加圧ポンプを介し複数の吐出ノズルへ加圧洗浄液を供給する吐出モードと、洗浄液を複数の吸込ノズルから吸い込み1次タンクへ回収する吸い込みモードとを交互に実行させる。したがって、被洗浄物に向けて加圧洗浄液を吐出させるごとに被洗浄物の近傍から汚れた洗浄液を速やかに吸い込むことができ、洗浄を効率的に行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図4は、洗浄条件算出装置において洗浄条件を算出あるいは設定する対象となる洗浄装置30の断面構成図で、図5はその平面配置図である。洗浄装置30は、洗浄液32が満たされた洗浄槽34と、洗浄槽34内に配置されワーク36に向けて加圧洗浄液を吐出する複数の吐出ノズル38と、加圧ポンプ40と、複数の吐出ノズル38と加圧ポンプ40とを接続する洗浄液供給路42と、ワーク36を洗浄液32内で回転させる回転機構44とを備える。
【0035】
複数のノズル38は、洗浄槽34の底面にほぼ平行な面上に2列配置され、各列の配置方向は、回転機構44の回転軸46に平行である。各ノズル38は、ワーク36の下側から加圧洗浄液を吐出するように斜め上方にノズルの開口が向けられて配置される。各列のノズルは、回転機構44の回転軸46の方向に平行な方向にピッチLで各吐出軸が配置される等ピッチ配列の複数のノズル38aと、その端部側に設けられた補助ノズル38bとを含む。等ピッチ配列の複数のノズル38aにおけるノズル先端と、ワーク36の表面との間の間隔が洗浄間隔Dである。
【0036】
以下に詳述する洗浄条件算出装置、すなわちワークの表面において洗浄に必要な洗浄液圧Pを確保できる洗浄条件を算出する洗浄条件算出装置の処理においては、上記構成の洗浄装置30における諸パラメータが用いられる。例えば、複数のノズル38aにおけるノズル開口の直径d、ノズルの配列ピッチL、ノズル数、複数のノズル38aの先端における洗浄液吐出圧P、洗浄間隔Dが用いられる。なお、洗浄条件算出に当たって、洗浄間隔Dは、ワーク36を回転したときに、各ノズル先端とワーク36の表面との距離がもっとも遠い距離とすることができる。
【0037】
図6は、洗浄条件算出装置50のブロック図である。洗浄条件算出装置50は、一般的なコンピュータで構成することができ、CPU52と、洗浄条件算出にあたり前提条件を入力するキーボード等の入力部54と、算出結果を出力するプリンタ、ディスプレイ等の出力部56、洗浄条件パラメータ間の関係のデータを格納する記憶装置58とを備え、これらは内部バスにより相互に接続される。また、通信制御部60を設け、例えば後述するノズルピッチを可変できる洗浄装置110等とネットワークで接続することもできる。
【0038】
記憶装置58は、ワークの表面における液圧に関係するデータを格納する液圧関係データベース62と、実用可能な複数種類の加圧ポンプの容量に関するデータを格納するポンプ関係データベース64と、ノズル径等の異なる複数種類のノズルに関するデータを格納するノズル関係データベース66とを含む。
【0039】
図7は、液圧関係データベース62のデータ構造の一例を説明する図である。液圧関係データベース62は、ノズル先端の洗浄液吐出圧Pに関する第1データ群100と、洗浄液圧Pを確保できる領域2Rに関する第2データ群102を含む。第1データ群100も第2データ群も、洗浄間隔Dを検索キーとして読み出すことができる。洗浄間隔Dを与えたときに、第1データ群100は、ノズル径dごとに、洗浄液吐出圧Pと洗浄液圧Pとの関係を記述したデータが読み出せる。また、第2データ群102は、ノズル径dごとに、洗浄液吐出圧Pと領域2Rとの関係を記述したデータが読み出せる。なお、これらのデータ群は、図3における(P−P)関係および(P−2R)関係を、(P−P)関係及び(P−2R)に書き直したものに相当する。
【0040】
液圧関係データベース62において、洗浄間隔Dを検索キーとして、例えばD=150mmと入力することで、第1データ群の中のD=150mmのデータ100aと、第2データ群の中のD=150mmのデータ102aとを読み出すことができる。つぎに、データ100a,102aにおいて、ノズル径dを検索キーとして、別途得られている洗浄液圧Pに対応する洗浄液吐出圧Pと領域2Rとを読み出すことができる。このようなデータ構造の液圧関係データベース62を用いて、洗浄間隔Dを与え、洗浄液圧Pを満たす(ノズル径d,洗浄液吐出圧P,領域2R)の組み合わせデータ104を取得できる。
【0041】
再び図6に戻り、CPU52は、液圧関係データベース62を検索して洗浄液吐出圧Pを取得する洗浄液吐出圧取得部70、領域2Rを取得する洗浄液圧領域取得部72、ノズルピッチLを算出するノズルピッチ算出部74、ワークをカバーできるだけのノズル数を算出するノズル数算出部76、加圧ポンプの容量を算出するポンプ容量算出部78、最小のポンプ容量におけるノズル条件を選定するノズル選定部80を含む。
【0042】
上記構成における作用を図8、図9のフローチャートを用いて説明する。最初に、入力部54から、洗浄液圧Pと洗浄間隔Dを入力する(S10)。洗浄液圧Pは、複数種類のタイプのワーク別に別途求められている値を、データベースの形式にして記憶装置58に格納しておき、これを読み出すことでもよい。
【0043】
次に、洗浄間隔Dを検索キーとして液圧関係データベースを検索し(S12)、図7で説明したデータ構造を利用して、洗浄液圧Pを満たす(ノズル径d,洗浄液吐出圧P,領域2R)の組み合わせデータを取得する(S14)。取得した(ノズル径d,洗浄液吐出圧P,領域2R)の組み合わせデータから、各ノズル径dごとに、ノズルピッチL、ノズル数、ポンプ容量を算出する(S16)。この工程の詳細については、図9を用いて後述する。
【0044】
こうしてノズルとポンプの組み合わせが得られるので、これらの組み合わせを出力する(S18)。出力された組み合わせから、ポンプ関係データベース64及びノズル関係データベース66を参照し、実用化できる範囲で最小の容量のポンプを決定し、そのポンプ容量に対応するノズル条件、すなわちノズル径、ノズルピッチ、ノズル数を選定する(S20)。S18の出力は、出力部56において外部に表示し、その結果により、ポンプ関係データベース64及びノズル関係データベース66に検索を実行させ、その結果を最小容量ポンプ及びそのときのノズル条件として出力させることができる。また、S18においてその結果を外部に出力しないで、自動検索を実行させて最小容量ポンプ及びそのときのノズル条件として出力させてもよい。
【0045】
図9は、S16の工程をさらに詳細にサブ工程に分けて説明した部分フローチャートである。S14の工程に引き続き、液圧関係データベースの第1データ群及び第2データ群においてノズル径dを入力し(S30)、その第2データ群のデータから、そのノズル径dに対応する領域2Rを検索する。取得した領域2RをノズルピッチLとすれば、ワーク表面において洗浄液圧領域をつなげることができるので、ノズルピッチL=2Rとして、ノズルピッチLを算出する(S32)。
【0046】
つぎに、対象とするワークのサイズ、特にノズル配列方向の長さを入力部54から入力する(S34)。そして、このワークサイズをカバーできるノズル数を算出する(S36)。例えばワークのノズル配列方向の長さをWとすれば、一列のノズル数は、W/2Rで算出できる。W/2Rに1−2本余裕を加えてもよい。ノズルの配列が2列のときは、これらの値を2倍する。
【0047】
また、液圧関係データベースの第1データ群のデータから、入力されたノズル径dに対応する洗浄液吐出圧Pを取得し、その洗浄液吐出圧Pと、ノズル径d、ノズル数から、対象ワークを洗浄するのに必要な洗浄流量Qを算出する(S38)。そして、入力部54から、加圧ポンプから吐出ノズルに至る供給路の損失を算出する(S40)。この供給路の損失と洗浄液吐出圧Pとに基づいてポンプ供給圧力を算出し、洗浄流量Qとあわせて加圧ポンプの容量を算出する(S42)。
【0048】
このS30からS42の工程を各ノズル径dについて繰り返し(S44)、洗浄液圧を確保できるノズル条件とポンプ容量との組み合わせ表を作成する(S46)。ここでノズル条件とは、ノズル径d、ノズルピッチL及びノズル数である。このようにして作成された組み合わせ表は、S18において組合せ候補として出力される。
【0049】
このようにして、洗浄条件算出装置50は、液圧関係データベース62に格納されているデータを検索し、前提条件を与えて演算を行うことで、ワークの表面において洗浄に必要な洗浄液圧Pを確保できる洗浄条件の組み合わせを出力することができ、これらの組み合わせの中で、ポンプ容量を最小にするノズル条件を出力できる。したがって、その最小ポンプ容量の加圧ポンプ、そのノズル条件のノズル構成を備えるように洗浄装置を設定し、ノズルの先端で所定の洗浄液吐出圧になるように加圧洗浄液を供給することで、ワークの表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげることができ、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄が可能となる。
【0050】
図10は、ノズルピッチが可変な洗浄装置110の平面配置図である。図4、図5と同様の構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。洗浄装置110において、ワーク36を交換し、そのときに起こる洗浄間隔Dの変化に応じて、複数のノズル112は、ワーク36の表面における各ノズルの吐出軸間のピッチを可変できる。
【0051】
ノズルピッチの変更は、洗浄条件制御部118の制御の下でノズルピッチ可変アクチュエータにより行われる。具体的には、各ノズルをスライドさせるスライド機構、あるいは、各ノズルの吐出軸の方向を偏向させる首振り機構等を用いて、ワーク36の表面において洗浄液圧を確保する領域をつなげるように、各ノズルの吐出軸間のピッチを変更することができる。図においては、洗浄間隔がDからDに変化したことに応じ、スライド機構を用い、各ノズル間のピッチを変更した場合で、ノズルピッチLのときを実線で、ノズルピッチがLのときを破線で示してある。
【0052】
洗浄条件制御部118は、ワーク36の表面において洗浄液圧Pを満足する洗浄間隔Dと洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときのワークの表面において洗浄液圧Pを確保できる領域2Rとのデータとに基づいて、ワークの表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、洗浄間隔がDからDに変化したことに応じ、ノズルピッチ可変アクチュエータ114におけるノズルピッチLの設定と、加圧ポンプ116における洗浄液吐出圧Pの設定とを制御する。洗浄間隔がDからDに変化したことは、手入力により洗浄条件制御部118に入力してもよく、また、洗浄間隔検出センサを設け、自動的に洗浄条件制御部118に入力してもよい。
【0053】
ノズルピッチが可変な洗浄装置においては、ワークの表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、洗浄液吐出圧Pの設定と、ノズルピッチLの設定とを制御する。したがって、ワーク表面全域をちょうど洗浄液圧Pを有する加圧洗浄液でカバーするように、洗浄液吐出圧PとノズルピッチLを設定でき、加圧ポンプの容量を抑制しつつ十分な洗浄が可能となる。
【0054】
図11は、吐出ノズルに加えさらに吸込ノズルを設けることで、洗浄の効率のさらなる向上を図る洗浄装置130の構成図であり、図12はその洗浄槽部分の平面図である。洗浄装置130は、ノズルピッチ可変型の洗浄装置の基本構成を有し、したがってノズルピッチアクチュエータ及び洗浄条件制御部を備えるが、その部分は図10を用いて説明したとおりであるから、図11、図12において重複を避けてそれらの記載は省略した。また、以下において図4、図5と共通の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0055】
洗浄装置130は、洗浄液を吸い込む複数の吸込ノズル132と、洗浄液の吸い込みと吐出を行う洗浄液供給手段134と、洗浄液供給手段134に設けられた複数の切替バルブの動作を制御し、加圧洗浄液を吐出する吐出モードと、複数の吸込ノズルから洗浄液を吸い込む吸込モードとを交互に実行させるバルブ制御部136とを備える。
【0056】
複数の吸込ノズル132は、加圧洗浄液を吐出する複数の吐出ノズル38に近接して配列され、ワーク36の方向から洗浄液32を吸い込む機能を有するノズルである。複数の吸込ノズル132は、複数の吐出ノズル38の配列方向に平行に配列され、各列において、各吸込ノズル132と各吐出ノズル38とは交互に配置される。
【0057】
洗浄液供給手段134は、吸込加圧ポンプ140と、洗浄槽34から回収された洗浄液32を収容する1次タンク142と、1次タンク142と接続され、よりきれいな洗浄液を収容する2次タンク144とを備える。
【0058】
また、洗浄液供給手段134は、2つの吸込流路146,148と1つの吐出流路150とバイパス流路152とを含み、3個の切替バルブ154,156,158を含む。すなわち、第1吸込流路146は、直列接続された1次タンク142と2次タンク144と第1切替バルブ154とを介し、洗浄槽34と1次タンク142との間を接続する。第2吸込流路148は、直列接続された洗浄液濾過フィルタ160と、第1切替バルブ154とを介し、複数の吸込ノズル132と吸込加圧ポンプ140との間を接続する。吐出流路150は、直列接続された第2切替バルブ156と第3切替バルブ158とを介し、複数の吐出ノズル38と吸込加圧ポンプ140との間を接続する。また、バイパス流路152は、吸込加圧ポンプ140側から第3切替バルブ158を介して1次タンク142へ向けて設けられ、吸い込み洗浄液をバイパスさせる。
【0059】
バルブ制御部136は、加圧洗浄液を吐出する吐出モードと、複数の吸込ノズルから洗浄液を吸い込む吸込モードとを、第1切替バルブ154、第2切替バルブ156及び第3切替バルブ158の動作の制御により交互に実行させる機能を有する。図13は、吐出モードと、吸込モードにおける3個の切替バルブに対する動作の制御を示す図である。
【0060】
すなわち、吐出モードにおいて、第1切替バルブ154の切り替えにより2次タンク144と吸込加圧ポンプ140とを接続し、第2切替バルブ156を開き、第3切替バルブ158の切り替えにより吸込加圧ポンプ140と複数の吐出ノズル38とを接続して、2次タンク144から吸込加圧ポンプ140を介し複数の吐出ノズル38への加圧洗浄液の供給を実行させる。この際、第3切替バルブ158において、流路162を介し一部の加圧洗浄液を洗浄液濾過フィルタ160に戻すこともできる。
【0061】
また、吸込モードにおいて、第1切替バルブ154の切り替えにより複数の吸込ノズル132と吸込加圧ポンプ140とを接続し、第2切替バルブ156を閉じ、第3切替バルブ158の切り替えにより吸込加圧ポンプ140と1次タンク142とをバイパス流路152を介して接続して、洗浄液32を複数の吸込ノズル132から吸い込み1次タンク142へ回収することを実行させる。
【0062】
吸込ノズルを備える洗浄装置においては、ワークに向けて加圧洗浄液を吐出させるごとに被洗浄物の近傍から汚れた洗浄液を速やかに吸い込むことができ、洗浄を一層効率的に行うことができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明に係る洗浄条件算出装置及び洗浄装置によれば、洗浄液供給装置の容量を抑制しつつ十分な洗浄が可能となる。本発明に係る洗浄条件算出装置及び洗浄装置によれば、個別的な洗浄実験を要せず、十分な洗浄が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎となる、ワーク表面における液圧分布の様子を示す模式図である。
【図2】本発明の基礎となる、ワーク表面における液圧分布を示す図である。
【図3】本発明の基礎となる、洗浄液吐出圧Pと最高液圧PMAX及び最高液圧の位置を示す円の直径2Rの関係の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の洗浄条件算出装置における洗浄条件算出の対象となる洗浄装置の断面構成図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の洗浄条件算出装置における洗浄条件算出の対象となる洗浄装置の平面配置図である。
【図6】本発明に係る実施の形態における洗浄条件算出装置のブロック図である。
【図7】本発明に係る実施の形態の洗浄条件算出装置における液圧関係データベースのデータ構造の一例を説明する図である。
【図8】本発明に係る実施の形態における洗浄条件算出のフローチャートである。
【図9】本発明に係る実施の形態における洗浄条件算出の一部詳細フローチャートである。
【図10】本発明に係る実施の形態における洗浄装置の平面配置図である。
【図11】本発明に係る他の実施の形態における洗浄装置の構成図である。
【図12】本発明に係る他の実施の形態における洗浄装置の平面配置図である。
【図13】本発明に係る他の実施の形態の洗浄装置において、吐出モードと、吸込モードにおける3個の切替バルブに対する動作の制御を示す図である。
【符号の説明】
10,36 ワーク、11 ワーク表面、12a,12b,12c,38,38a,112 ノズル、14a,14b,14c 吐出軸、16a,16b,16c 円、20 最高液圧PMAXの位置、30,110,130 洗浄装置、32 洗浄液、34 洗浄槽、40,116 加圧ポンプ、44 回転機構、46 回転軸、50 洗浄条件算出装置、52 CPU、58 記憶装置、62 液圧関係データベース、64 ポンプ関係データベース、66 ノズル関係データベース、70 洗浄液吐出圧取得部、72 洗浄液圧領域取得部、74 ノズルピッチ算出部、76 ノズル数算出部、78 ポンプ容量算出部、80 容量最小ノズル選定部、114 ノズルピッチ可変アクチュエータ、118 洗浄条件制御部、132 吸込ノズル、134 洗浄液供給手段、136 バルブ制御部、140 吸込加圧ポンプ、142 1次タンク、144 2次タンク、146 第1吸込流路、148 第2吸込流路、150 吐出流路、152 バイパス流路、154 第1切替バルブ、156 第2切替バルブ、158 第3切替バルブ、160 洗浄液濾過フィルタ。

Claims (9)

  1. 洗浄槽内に複数のノズルを配置し、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向に移動させながら、各ノズルに洗浄液供給手段から加圧洗浄液を供給し吐出させて洗浄する洗浄装置に用いられ、所定の洗浄液圧Pを被洗浄物の表面で確保する洗浄条件を算出する洗浄条件算出装置であって、
    被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する、被洗浄物の表面とノズルとの間の洗浄間隔Dと、ノズルの先端の洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとを格納する液圧関係データベースと、
    洗浄間隔Dを与えて液圧関係データベースを検索し、被洗浄物の表面で洗浄液圧Pとなる洗浄吐出圧Pを取得する洗浄吐出圧取得手段と、
    取得した洗浄吐出圧Pの下で、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域を、液圧関係データベースから検索し取得する洗浄液圧領域取得手段と、
    被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、複数のノズルの配置ピッチを設定するノズルピッチ設定手段と、
    を備えることを特徴とする洗浄条件算出装置。
  2. 請求項1に記載の洗浄条件算出装置において、
    取得した洗浄液吐出圧に基づいて洗浄液供給手段の容量を算出する洗浄液供給容量算出手段を備えることを特徴とする洗浄条件算出装置。
  3. 洗浄槽内に複数のノズルを配置し、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向に移動させながら、各ノズルに洗浄液供給手段から加圧洗浄液を供給し吐出させて洗浄する洗浄装置に用いられ、所定の洗浄液圧Pを被洗浄物の表面で確保する洗浄条件を算出する洗浄条件算出装置であって、
    ノズル寸法ごとの洗浄液圧Pに関するデータを格納するデータベースであって、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する、被洗浄物の表面とノズルとの間の洗浄間隔Dと、ノズルの先端の洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとを、格納する液圧関係データベースと、
    各ノズル寸法ごとに、洗浄間隔Dを与えて液圧関係データベースを検索し、被洗浄物の表面で洗浄液圧Pとなる洗浄吐出圧Pを取得する洗浄吐出圧取得手段と、
    各ノズル寸法ごとに、取得した洗浄吐出圧Pの下で、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域を、液圧関係データベースから検索し取得する洗浄液圧領域取得手段と、
    各ノズル寸法ごとに、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、複数のノズルの配置ピッチを算出するノズルピッチ算出手段と、
    各ノズル寸法ごとに、算出されたノズルピッチから、被洗浄物の洗浄範囲をカバーできるノズル数を算出するノズル数算出手段と、
    各ノズル寸法ごとに、取得した洗浄液吐出圧と算出されたノズル数とに基づいて洗浄液供給手段の容量を算出する洗浄液供給容量算出手段と、
    算出された洗浄液供給手段の容量を最小にするノズル寸法とノズルピッチとノズル数とを選定するノズル選定手段と、
    を備えることを特徴とする洗浄条件算出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1に記載の洗浄条件算出装置において、
    液圧関係データベースは、洗浄液が満たされている洗浄槽内において複数のノズルが洗浄液中に加圧洗浄液を吐出する液中洗浄に関する液圧関係データベースであることを特徴とする洗浄条件算出装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1に記載の洗浄条件算出装置において、
    液圧関係データベースは、被洗浄物移動機構が被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向の回転軸に回転させる回転洗浄に関する液圧関係データベースであることを特徴とする洗浄条件算出装置。
  6. 洗浄槽と、
    洗浄槽内に配列され、被洗浄物に向けて加圧洗浄液を吐出する複数のノズルと、
    各ノズル間のピッチLを可変するノズルピッチ変更手段と、
    ノズルとの間に洗浄間隔Dをおいて配置された被洗浄物を、ノズルの配列方向に直交する方向に移動させる被洗浄物移動機構と、
    ノズル先端において洗浄吐出圧Pを有する加圧洗浄液をノズルに供給する洗浄液供給手段と、
    被洗浄物の表面で所定の洗浄液圧Pを生じさせるように、ノズルピッチ変更手段におけるノズルピッチLの設定と、洗浄液供給手段における洗浄吐出圧Pの設定とを制御する洗浄条件制御手段と、
    を備え、
    洗浄条件制御手段は、
    被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを満足する洗浄間隔Dと洗浄液吐出圧Pとの関係データ、及びそのときの被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域のデータとに基づいて、被洗浄物の表面において洗浄液圧Pを確保できる領域をつなげるように、洗浄液吐出圧Pの設定と、ノズルピッチLの設定とを制御することを特徴とする洗浄装置。
  7. 請求項6に記載の洗浄装置において、
    洗浄槽には洗浄液が満たされており、複数のノズルは洗浄液中に加圧洗浄液を吐出することを特徴とする洗浄装置。
  8. 請求項6または7に記載の洗浄装置において、
    被洗浄物移動機構は、被洗浄物をノズルの配置方向に直交する方向の回転軸に回転させる回転機構であることを特徴とする洗浄装置。
  9. 請求項7に記載の洗浄装置において、
    加圧洗浄液を吐出する複数の吐出ノズルに近接して配列され、被洗浄物の方向から洗浄液を吸い込む複数の吸込ノズルを備え、
    洗浄液供給手段は、
    吸込加圧ポンプと、
    洗浄槽から回収された洗浄液を収容する1次タンクと、
    1次タンクと接続され、よりきれいな洗浄液を収容する2次タンクと、
    直列接続された1次タンクと2次タンクと第1切替バルブとを介し、洗浄槽と1次タンクとの間を接続する第1吸込流路と、
    直列接続された洗浄液濾過フィルタと、第1切替バルブとを介し、複数の吸込ノズルと吸込加圧ポンプとの間を接続する第2吸込流路と、
    直列接続された第2切替バルブと第3切替バルブとを介し、複数の吐出ノズルと吸込加圧ポンプとの間を接続する吐出流路と、
    吸込加圧ポンプ側から第3切替バルブを介して1次タンクへ向けて設けられ、吸い込み洗浄液をバイパスさせるバイパス流路と、
    加圧洗浄液を吐出する吐出モードと、複数の吸込ノズルから洗浄液を吸い込む吸込モードとを、第1切替バルブ、第2切替バルブ及び第3切替バルブの動作の制御により交互に実行させるバルブ制御手段と、
    を含み、
    バルブ制御手段は、
    吐出モードにおいて、第1切替バルブの切り替えにより2次タンクと吸込加圧ポンプとを接続し、第2切替バルブを開き、第3切替バルブの切り替えにより吸込加圧ポンプと複数の吐出ノズルとを接続して、2次タンクから吸込加圧ポンプを介し複数の吐出ノズルへの加圧洗浄液の供給を実行させ、
    吸込モードにおいて、第1切替バルブの切り替えにより複数の吸込ノズルと加圧ポンプとを接続し、第2切替バルブを閉じ、第3切替バルブの切り替えにより加圧ポンプと1次タンクとをバイパス流路を介して接続して、洗浄液を複数の吸込ノズルから吸い込み1次タンクへ回収することを実行させることを特徴とする洗浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108246692A (zh) * 2018-01-05 2018-07-06 浙江大学 一种高压旋转喷杆的喷嘴布局设计方法

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