JP6528712B2 - 誘導加熱コイル用鉄心、誘導加熱コイル、および加熱装置 - Google Patents

誘導加熱コイル用鉄心、誘導加熱コイル、および加熱装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属板や金属帯のエッジを加熱するエッジヒーター等に用いられる誘導加熱コイル用鉄心、誘導加熱コイル、およびそれを用いた加熱装置に関する。
金属板や金属帯を加工、圧延するために、金属板や金属帯を加熱することがある。加熱手段として加熱炉を用いた場合、金属板や金属鋼帯の幅方向両端部の温度が、幅中央部に比べて低くなりやすい。幅方向の中央部と両端部とで温度差が大きくなると、加工時や圧延時に不都合が生じる場合がある。例えば、鍛接鋼管は、素材となる鋼板を加熱して管状に成形し、最後につなぎ目を鍛接することにより製造される。管状に成形するために、鋼板は加熱炉により均一に加熱されるが、特に、鍛接される鋼板の幅方向の両端部分の温度が低くなると、鍛接ができなくなる。そこで、加熱炉に加えて、エッジヒーターと呼ばれる鋼板両端部分を加熱する加熱装置が設置される場合が多い(例えば特許文献1)。
一般的に、エッジヒーターには、誘導加熱コイルが用いられる。誘導加熱コイルは、連続走行する金属板や金属帯(鋼板や鋼帯)を板厚方向に挟むように設けられたC型をなす鉄心と、鉄心の鋼板両面側の端部にそれぞれ巻回された巻き線(コイル)とを有し、巻き線に高周波電流を供給することにより、鋼板の板厚方向に貫通する交番磁界を発生させ、この交番磁界により誘導電流を誘起し、この誘導電流に由来するジュール熱により主に鋼板の幅方向両端部を加熱する。
鉄心は、交番磁界の磁束を通すための磁路として機能し、交番磁界の磁束を強化しかつ整える役割を有しており、鉄損(ヒステリシス損および渦電流損)を小さくするために複数の電磁鋼板を鋼板の幅方向に積層して構成されている。また、複数枚積層されている電磁鋼板の間の所々には、鉄損に起因する自己発熱を除くために、内部に冷却水が通流される冷却銅板が設けられている。さらに、交番磁界による誘導起電力によって鉄心に電流が流れることを防止するために、隣接する電磁鋼板の間、および電磁鋼板と冷却銅板との間に絶縁薄板を設けることが行われている(例えば特許文献2)。特許文献2では、絶縁薄板として絶縁紙が使用されているが、実際の誘導加熱コイルでは、絶縁薄板として薄いはがしマイカが使用されることが多い。また、鉄心は多数の電磁鋼板が積層されるため、このような場合は絶縁薄板も多数用いられる。
特開平11−333515号公報 特開平09−17561号公報
ところで、このような誘導加熱コイルでは、巻き線に高周波電流を供給することにより生じる磁界(磁束)により、鉄心を構成する電磁鋼板にも誘導電流が流れるが、鉄心中央部では誘導電流が小さいため発熱が抑えられるのに対し、鉄心の両端部では誘導電流が多く流れるので、発熱量が大きくなる。特に、鉄心の加熱対象である金属板や金属帯に対向する部分では誘導電流が集中しやすく誘導電流が大きくなるため、その部分の発熱が大きくなる。また、巻き線に高周波電流を供給することにより生じる磁界(磁束)の向きによっては、鉄心の厚さ方向に誘導起電力が生じ、その誘導起電力は、鉄心の電磁鋼板積層方向の両端部に対応する部分で大きく、中央部で小さくなるため、鉄心の両端部で絶縁薄板の絶縁破壊が生じやすくなる。また、鋼板に対向する部分は誘導電流による発熱に加えて、加熱された鋼板からの輻射熱にも曝されるため、鉄心の中でも鋼板に対向する部分においてより絶縁薄板が破損しやすくなる。このように絶縁薄板が破損すると、絶縁不良となって、鉄心の内部発熱が一層大きくなり、鋼板の加熱効率が悪くなるとともに、焼損トラブルが発生しやすい。
このため、従来、鉄心の積層方向両端部において、電磁鋼板1枚に対して絶縁薄板を2枚挿入することにより絶縁を強化する対策が取られているが、加熱特性の安定性や効率性が未だ十分とはいえない。また、絶縁薄板の枚数が多くなるとメンテナンスに支障をきたす等の問題も生じる。
したがって、本発明は、操業時における絶縁薄板の損傷を有効に防止することができ、安定性や効率性が高く、かつメンテナンス性も良好な誘導加熱コイル用鉄心、誘導加熱コイル、およびそれを用いた加熱装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(8)を提供する。
(1)金属板を加熱する誘導加熱コイルに用いられ、電磁鋼板と絶縁薄板とが積層されてなる鉄心であって、
積層方向の端部を構成し、前記電磁鋼板と前記絶縁薄板とが交互に積層されてなる複数の第1の積層部と、
積層方向の中央部を構成し、前記電磁鋼板と前記絶縁薄板とが、前記電磁鋼板が2枚以上に対し前記絶縁薄板が1枚の割合で積層されてなる複数の第2の積層部と、
前記第1の積層部どうしの間、前記第2の積層部どうしの間、および前記第1の積層部と前記第2の積層部との間に設けられた冷却部材と
を有し、
前記冷却部材の間隔が、前記端部のほうが前記中央部よりも狭くなるように構成されていることを特徴とする誘導加熱コイル用鉄心。
(2)前記第1の積層部において、前記絶縁薄板は、前記誘導加熱コイルの巻き線に高周波電流が供給された際に生じる誘導電圧により絶縁破壊しない程度の厚さを有することを特徴とする上記(1)に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
(3)前記端部の厚さの領域は、実際に高周波電流が供給された際に発生する誘導電圧が予め決められた閾値以上になる厚さまでの領域であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
(4)高周波電流の周波数が5kHzの場合に、前記端部の厚さの割合が全体の厚さに対して10〜20%であることを特徴とする上記(3)に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
(5)高周波電流の周波数が500Hzの場合に、前記端部の厚さの割合が全体の厚さに対して20〜40%であることを特徴とする上記(3)に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
(6)前記絶縁薄板は、集成マイカで構成されていることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載の誘導加熱コイル用鉄心。
(7)連続走行する金属板を板厚方向に挟むように設けられた上記(1)から(6)のいずれかに記載の鉄心と、
前記鉄心の金属板近傍領域に巻回され、高周波電流が供給される巻き線と
を有し、
前記巻き線に高周波電流が供給されることにより、前記金属板を誘導加熱することを特徴とする誘導加熱コイル。
(8)上記(7)に記載の誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルの巻き線に高周波電流を供給する給電部と
を有し、
前記給電部から前記誘導加熱コイルの前記巻き線に高周波電流を供給することにより、前記金属板のエッジ部を誘導加熱することを特徴とする加熱装置。
本発明によれば、操業時における絶縁薄板の損傷を有効に防止することができ、また、特性の安定性や効率性を高めることができ、さらに、良好なメンテナンス性を得ることができる。
鍛接鋼管の製造ラインの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルを示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルの一部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルに用いられる鉄心の第1の積層部および第2の積層部を示す断面図である。 誘導加熱コイルの巻き線に高周波電流を供給した際に発生する磁界を示す斜視図である。 誘導加熱コイルによる鋼板の加熱のメカニズムを説明するための図である。 鉄心の絶縁低下の要因を説明するための図である。 高周波電流の周波数小と周波数大の場合における、鉄心の厚さ方向の位置と誘導電流・誘導電圧との関係を示す概念図である。 発熱量を低減することができる鉄心の形状例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<鍛接鋼管の製造ライン>
まず、本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルが適用される鍛接鋼管の製造ラインについて説明する。
図1は、鍛接鋼管の製造ラインの一例を示す図である。鍛接鋼管の製造ライン100は、加熱炉1と、エッジヒーター2と、成形鍛接機3と、熱間絞り圧延機4と、回転熱鋸機5とを有している。
一定速度で搬送される鋼板11は、まず、加熱炉1により1200〜1300℃程度に均一に加熱される。その後、加熱された鋼板11はエッジヒーター2で、その幅方向両端部が鍛接可能な1400℃程度に加熱される。その後、鋼板11は成形鍛接機3に送られ、管状に成形されるとともに、両端部が鍛接され、鍛接素管12となる。鍛接素管12は、熱間絞り圧延機4に送られて所定の外径および肉厚に矯正されて鍛接鋼管13となり、鍛接鋼管13は回転熱鋸機5により所定の長さに切断され、冷却槽により冷却される冷却工程を経て製品となる。
<エッジヒーターに適用される誘導加熱コイル>
エッジヒーター2は、本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルにより鋼板11の幅方向両端部を加熱する。
図2は本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルを示す側面図、図3は本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルの一部を示す斜視図、図4は本発明の一実施形態に係る誘導加熱コイルに用いられる鉄心の第1の積層部および第2の積層部を示す断面図である。
図2に示すように、誘導加熱コイル200は、連続走行する鋼板11を板厚方向に挟むように設けられたC型をなす鉄心201と、鉄心201の鋼板11近傍領域、具体的には鋼板上面側および下面側の端部に巻回された巻き線(コイル)202aおよび202bとを有する。なお、図2においては、鋼板11は紙面を貫通する方向に走行する。
図3は、鉄心201の厚さ方向の半分を示しており、鉄心201は厚さ方向の中央面に対して対称に構成されている。図3に示すように、鉄心201は、鋼板の幅方向端部側に対応する端部を構成する複数の第1の積層部204aと、鋼板の中央部側に対応する中央部を構成する複数の第2の積層部204bと、これらの間の複数の冷却部材205とが、その厚さ方向(走行する鋼板の幅方向)に積層されている。また、鉄心201の鋼板11と対向する面には、コイル202a,202bを収容する凹部203が形成されている(図3では、鋼板11の下方側のコイル202bに対応する部分のみを図示)。
本例では第1の積層部204aが鉄心201の一方の端部に2つ設けられており、図示しない他方の端部にも第1の積層部204aが2つ設けられており、これらの間の中央部に第2の積層部204bが13個(6.5個のみ示す)設けられている。ただし、第1の積層部204aおよび第2の積層部204bの数はこれに限定されない。冷却部材205は、水冷構造をなし、第1の積層部204aどうしの間および第2の積層部204bどうしの間および第1の積層部204aと第2の積層部204bとの間に設けられており、内部発熱により高温となった鉄心201を冷却する機能を有する。冷却部材としては、一般に銅板が用いられるが、銅板に限定されるものではない。
図4に示すように、端部の第1の積層部204aは、電磁鋼板211と絶縁薄板212とを交互に積層して構成され(図4(a))、中央部の第2の積層部204bは、第1の積層部204aよりも絶縁薄板212の数を減らした構成を有し、本例では、電磁鋼板211と絶縁薄板212とが、電磁鋼板211が2枚に対して絶縁薄板212が1枚になるように積層されている(図4(b))。また、端部の第1の積層部204aの電磁鋼板211の積層数を中央部の第2の積層部205bよりも少なくして、冷却部材205の間隔を鉄心201端部のほうが中央部よりも狭くなるようにしている。1つの第1の積層部204aの厚さは15〜20mm程度であり、1つの第2の積層部204bの厚さは25〜35mm程度である。
電磁鋼板211としては、一般的な方向性珪素鋼板を好適に用いることができる。また、絶縁薄板212としては、厚さを任意に調整できるものが好ましく、集成マイカが好ましい。冷却部材205としては、内部に冷却水が通流された銅板が用いることができる。
<誘導加熱コイルの加熱動作>
次に、以上のような誘導加熱コイル200の加熱動作について説明する。
誘導加熱コイル200により鋼板11を加熱するにあたり、まず給電部(図示せず)から巻き線202aおよび202bに所定周波数の高周波電流を供給する。これにより、図5に示すように、巻き線の周囲に交番磁界が発生する。そして、図6に示すように、発生した磁界のうち鋼板11の板厚方向に貫通する成分が鋼板11の表面に誘導電流を誘起し、この誘導電流に由来するジュール熱により主に鋼板11の幅方向両端部を加熱する。
このとき、図7に示すように、巻き線202に高周波電流を流すことにより発生した磁界のZ方向の磁束は、鉄心201に誘導電流を生じさせ(図7(a))、鉄心201を発熱させる。また、巻き線202に高周波電流を流すことにより発生した磁界のX方向およびY方向の磁束は、鉄心201の厚さ方向に誘導起電力(誘導電圧)を生じさせる(図7(b))。さらに、鉄心201は、加熱された鋼板11からの輻射熱にも曝される(図7(c))。
鋼板11からの輻射熱の影響に関しては、検証結果により、鉄心201の温度を約190℃まで上昇させることがわかっており、鉄心201の端部の鋼板近傍部分(鋼板下方の上端部分および鋼板上方の下端部分)はさらに加熱される。
すなわち、鉄心201の中央部では誘導電流が小さいため発熱が抑えられるのに対し、鉄心201の両端部、特に、巻き線202近傍部分では誘導電流が多く流れ、発熱量が大きくなる。鉄心201の厚さ方向の誘導電圧についても、鉄心201の中央部では小さいのに対し、鉄心201の両端部、特に、巻き線に隣接した角部で大きくなる。また、鉄心201の鋼板11に対向する部分は鋼板11からの輻射熱にも曝される。
このため、鉄心201の両端部、特に巻き線近傍部分において、発熱や輻射熱による損傷や、絶縁薄板の絶縁破壊が生じやすくなり、鉄心201の絶縁性が低下して鉄心201の自己発熱が増加する。一方、鉄心201の中央部は、誘導起電力は小さく、誘導電流も小さいため、絶縁薄板の絶縁破壊が生じ難く、発熱も抑えられる。
以上に基づいて、本実施形態では、鉄心201の端部の第1の積層部204aでは、電磁鋼板211と絶縁薄板212とを交互に積層するとともに、絶縁薄板212の厚さを、鉄心端部にかかる大きな誘導電圧でも絶縁破壊しない程度の厚さとし(図4(a))、絶縁破壊し難い中央部の第2の積層部204bでは、第1の積層部204aよりも絶縁薄板212の数を減らし、例えば電磁鋼板211が2枚に対して絶縁薄板212が1枚としている(図4(b))。また、端部の第1の積層部204aの電磁鋼板211の積層数を中央部の第2の積層部204bよりも少なくして、冷却部材205の間隔を鉄心201端部のほうが狭くなるようにすることにより、鉄心201の中でより発熱が大きい端部の冷却を強化して、鉄心201端部における絶縁薄板212の熱による損傷を抑制することができる。このような観点から、1つの第1の積層部204aのその厚さは15〜20mmとすることが好ましく、1つの第2の積層部204bの厚さは25〜35mmとすることが好ましい。
上述したように、絶縁薄板212の厚さは、鉄心201の端部において発生する誘導電圧により絶縁破壊しない程度に設定され、隣接する電磁鋼板211の間の絶縁薄板212が1枚で十分に絶縁できるようにする。例えば、電磁鋼板(珪素鋼板)211が0.35mmの場合、絶縁薄板212の厚さは0.25mmに設定される。絶縁薄板212としては、集成マイカが好ましい。集成マイカは、マイカ原鉱を粉砕して紙状に形成することで製造したものであり、均質で安定した絶縁特性を示し、厚さを自由に調整することができる。また、上述したように、鉄心201の中央部は、誘導電圧が小さく、絶縁薄板の絶縁破壊が生じにくいため、絶縁薄板212として端部に用いるものと同じ厚さのものを用いた場合には、絶縁薄板212の数を減らすことができ、例えば電磁鋼板211が2枚に対して絶縁薄板212が1枚とすることができる。また、鉄心201の中央部に作用する誘導電圧によっては、さらに絶縁薄板212の数を減らして、電磁鋼板211が3枚以上に対して絶縁薄板212が1枚とすることも可能である。電磁鋼板の表面には通常、絶縁皮膜が形成されているため、電磁鋼板が隣接していてもある程度の絶縁性を確保することができる。
従来、誘導加熱コイルの製品には、絶縁薄板として、原鉱をはがした薄片を貼り合わせた厚さが0.13mm程度のはがしマイカが用いられ、鉄心の中央部では、電磁鋼板と絶縁薄板とを交互に積層し、端部では、絶縁性を確保するために、薄いはがしマイカを2枚重ねて電磁鋼板の間に挿入することが行われていた。このため、薄い絶縁薄板を多数用いることとなりメンテナンス性が悪く、また必ずしも特性の安定性や効率性も十分とはいえない場合があった。
これに対して、本実施形態では、絶縁薄板212を集成マイカのような厚さの調整が可能なものとし、鉄心201の積層方向端部において絶縁薄板212の厚さを鉄心201の端部に発生する誘導電圧によっても絶縁破壊し難い十分な厚さとし、鉄心201の積層方向端部においては、電磁鋼板211と絶縁薄板212とを交互に積層し、中央部においては、絶縁薄板212の数を端部よりも減らして絶縁性を緩和し、かつ鉄心201の冷却部材205の間隔を端部のほうが中央部よりも狭くなるようにして発熱量が多い端部の冷却効率を高くしたので、操業時における絶縁薄板212の絶縁破壊や熱による損傷を有効に防止することができ、また、特性の安定性や効率性を高めることができ、さらにメンテナンス時に絶縁薄板212の破損が生じ難い良好なメンテナンス性を得ることができる。
ここで、絶縁破壊し難い十分な厚さとは、鉄心201の端部に発生する誘導電圧にもよるが、0.1〜0.5mm程度(絶縁薄板1枚あたり)である。
第1の積層部204aで構成される端部の厚さの領域は、実際に高周波電流が供給された際に発生する誘導電圧が予め決められた閾値以上になる厚さまでの領域とされ、その残余の部分が中央部となる。
<鉄心の端部の厚さと周波数との関係>
誘導電圧や誘導電流の分布は、高周波電流の周波数によって異なるため、鉄心201の全体の厚さに対する第1の積層部204aで構成される端部の厚さの適正な割合は、高周波電流の周波数によって異なる。すなわち、図8の概念図に示されるように、周波数が高いほど、誘導電圧や誘導電流の分布は急峻になり、端部の誘導電圧や誘導電流の高い範囲が狭くなる。例えば、鉄心全体の厚さに対する端部の厚さの割合が、周波数が5kHzの場合は10〜20%が好ましく、周波数が500Hzでは20〜40%が好ましい。
<鉄心の好ましい形状>
鉄心201の自己発熱を抑制する観点からは、鉄心201の形状も重要である。上述の図7のように、誘導電流による発熱は、鉄心201の端部の巻き線近傍部分の発熱が大きいから、図9に示すように、鉄心201の最端部の第1の積層部204aの巻き線202b(202a)近傍部分に切り欠き220を形成して段部を形成することにより、発熱量が多い部分が少なくなって鉄心201の全体の発熱量を低減することができる。
<他の適用>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々変形することが可能である。例えば、上記実施形態では、本発明を鍛接鋼管の製造に用いられる鋼板の両端部を加熱するエッジヒーターに用いた例を示したが、スラブや熱延鋼板等の幅方向両端部をそれぞれ加熱するエッジヒーターに適用することもできる。また、鋼板に限らず他の金属板に適用することもできる。
1 加熱炉
2 エッジヒーター
3 成形鍛接機
4 熱間絞り圧延機
5 回転熱鋸機
100 鍛接鋼管の製造ライン
200 誘導加熱コイル
201 鉄心
202a,202b 巻き線
203 凹部
204a 第1の積層部
204b 第2の積層部
205 冷却部材
211 電磁鋼板
212 絶縁薄板
220 切り欠き

Claims (8)

  1. 金属板を加熱する誘導加熱コイルに用いられ、電磁鋼板と絶縁薄板とが積層されてなる鉄心であって、
    積層方向の端部を構成し、前記電磁鋼板と前記絶縁薄板とが交互に積層されてなる複数の第1の積層部と、
    積層方向の中央部を構成し、前記電磁鋼板と前記絶縁薄板とが、前記電磁鋼板が2枚以上に対し前記絶縁薄板が1枚の割合で積層されてなる複数の第2の積層部と、
    前記第1の積層部どうしの間、前記第2の積層部どうしの間、および前記第1の積層部と前記第2の積層部との間に設けられた冷却部材と
    を有し、
    前記冷却部材の間隔が、前記端部のほうが前記中央部よりも狭くなるように構成されていることを特徴とする誘導加熱コイル用鉄心。
  2. 前記第1の積層部において、前記絶縁薄板は、前記誘導加熱コイルの巻き線に高周波電流が供給された際に生じる誘導電圧により絶縁破壊しない程度の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
  3. 前記端部の厚さの領域は、実際に高周波電流が供給された際に発生する誘導電圧が予め決められた閾値以上になる厚さまでの領域であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
  4. 高周波電流の周波数が5kHzの場合に、前記端部の厚さの割合が全体の厚さに対して10〜20%であることを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
  5. 高周波電流の周波数が500Hzの場合に、前記端部の厚さの割合が全体の厚さに対して20〜40%であることを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
  6. 前記絶縁薄板は、集成マイカで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の誘導加熱コイル用鉄心。
  7. 連続走行する金属板を板厚方向に挟むように設けられた請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の鉄心と、
    前記鉄心の金属板近傍領域に巻回され、高周波電流が供給される巻き線と
    を有し、
    前記巻き線に高周波電流が供給されることにより、前記金属板を誘導加熱することを特徴とする誘導加熱コイル。
  8. 請求項7に記載の誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイルの巻き線に高周波電流を供給する給電部と
    を有し、
    前記給電部から前記誘導加熱コイルの前記巻き線に高周波電流を供給することにより、前記金属板のエッジ部を誘導加熱することを特徴とする加熱装置。
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