JP6528509B2 - 定着部材、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置に用いられる定着部材、該定着部材を備えた定着装置、および、該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、静電潜像担体上に形成された潜像をトナーにより現像し、得られたトナー像を無端ベルト状の中間転写体に一時的に保持させ、この中間転写体上のトナー像を紙などの記録材上に転写する。そして、トナー像が転写された記録材は定着装置に導入され、この記録材が一対の定着部材(加熱部材と加圧部材)により挟持される領域を通過することにより、トナー像が加熱および加圧されて記録部材に定着する。
ところで、近年、画像形成装置を含む電子機器から発生する揮発性有機化合物(VOC)および微粒子が健康に悪影響を与えることが懸念されており、種々の環境規格によってVOCおよび微粒子の発生量が規制されている。
なお、電子写真方式の画像形成装置においては、定着処理(加熱)過程で、定着部材(ローラ)からVOC及び微粒子が発生し易いことが知られている。特に、定着部材は、均一な加圧等のために弾性体層を有しており、弾性体層がシリコーンゴムを含んでいる場合には、シリコーンゴムの熱分解によってシロキサン分子が発生し易い。
このため、多くの画像形成装置では、各部材より発生したシロキサン分子などのVOCおよび微粒子をフィルター等で捕集する対策がとられている。
また、定着部材自体からVOCなどの微粒子が放出しないようにするための対策として、特開2012−185247号公報(特許文献1)には、定着部材のシリコーンゴム部分(弾性体層)をパーフルオロアルコキシアルカン(以下、「PFA」と略す場合がある)樹脂等のフッ素樹脂からなる表面層(離型層)で被覆し、表面層で被覆されていない弾性体層の端部部分にVOCの少ない高硬度なシリコーンゴムを用いる方法が提案されている。
特開2012−185247号公報
しかしながら、フィルター等による捕集だけでは、VOC等の微粒子を完全に除去することは難しく、今後規制が厳しくなると基準を満たせなくなる可能性がある。
また、特許文献1に開示される方法によれば、定着部材自体から放出される微粒子の量を低減することができるが、シロキサン分子等の超微粒子はPFA樹脂等からなる表面層を通過するため、PFA樹脂を通過して放出される超微粒子の量は低減することができない。このため、超微粒子の放出量を低減するための対策として十分とは言えなかった。
なお、近年、粒子径が100nm未満の超微粒子(UFP:Ultrafine Particle)が健康に悪影響を与えることが懸念されており、ブルーエンジェルマーク(BAM:ドイツの環境基準)において、超微粒子の放散量が規格化される動きがある。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、シロキサン分子などの超微粒子の放出量を低減することのできる定着部材、定着装置および画像形成装置を提供することにある。
すなわち、本発明の定着部材は、一対の定着部材を備える定着装置によってトナー像を記録材に定着させる画像形成装置に用いる該一対の定着部材の少なくともいずれかの定着部材であって、上記定着部材は、ロール状の形状を有し、かつ、シリコーンゴムを含む弾性体層と、上記弾性体層の外側に積層された表面層とを含み、上記表面層は、特定の置換基を有するパーフルオロアルコキシアルカン樹脂を主成分として含み、上記特定の置換基は、シロキサン結合を含む基、および、嵩高基から選択される少なくとも1つの置換基であることを特徴とする。
ここで、上記シロキサン結合を含む基に含まれるシロキサン結合の数は1〜10であることが好ましい。
また、上記嵩高基は炭素原子を含み、上記嵩高基の炭素数は8以上であることが好ましい。また、上記嵩高基の炭素数は30以下であることが好ましい。また、上記嵩高基がシロキサン結合を含むことが好ましい。
上記の定着部材において、上記表面層の厚みは、5μm以上、200μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の定着部材を備えた定着装置にも係わる。
また、本発明は、上記の定着装置を備えた画像形成装置にも係わる。
本発明の定着部材は、定着部材の表面層を構成するPFA樹脂に特定の置換基を導入することで、定着部材の弾性体層(シリコーンゴム)から発生するシロキサン分子等の超微粒子を表面層で捕捉することができ、シロキサン分子等の超微粒子の放出量を低減することができるという優れた効果を示す。
実施形態1の定着部材の一部を拡大して示す断面模式図である。 実施形態1の定着部材の一例の断面図である。 図2に示す定着部材のうちの加圧部材の縦断面図である。 (a)および(b)は、実施形態1における加圧部材の製造工程を示す断面図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明に係わる実施形態について、さらに詳細に説明する。なお、以下の実施形態において図面を用いて説明する場合、同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
[実施形態1]
<定着部材>
本実施形態に係る定着部材は、一対の定着部材を備える定着装置によってトナー像を記録材に定着させる画像形成装置に用いる該一対の定着部材の少なくともいずれかの定着部材である。なお、このような画像形成装置の詳細は後述する。
以下、図2および図3に基づき本実施形態の定着部材について説明する。なお、図2は、本実施形態の定着部材の一例の断面図であり、図3は、図2に示す定着部材のうちの加圧部材の縦断面図である。
図2に示す一対の定着部材(加熱部材41および加圧部材42)の各々は、ロール状(外形が略円柱状)の形状を有しており、一対の定着部材が互いに当接して図2の矢印方向に回転する。
本実施形態の定着部材は、定着方式として加熱ローラ方式を採用するものであって、加熱部材(加熱ローラ)41は、内側から順に、少なくともヒータ411、中空部を有する芯金412、および、表面層413を含んでいる(図2参照)。
また、一方の定着部材である加圧部材(加圧ロール)42は、内側から順に、少なくとも芯金421、弾性体層422および表面層423を含んでいる(図2、図3参照)。
そして、この加熱部材41には加圧部材42が下方から圧接されて、加熱部材41と加圧部材42との間に所定の定着ニップが形成されている。
本実施形態では、加熱部材41は、アルミニウム製の芯金412の外表面に、導電材や耐摩耗材が充填されたPFA樹脂やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂をコーティングすることによって形成された表面層413が設けられている。又、この加熱部材41の内部に配置されたヒータ411はハロゲンランプで構成されており、このヒータ411によって加熱部材41が所定の定着温度に加熱される。尚、加熱部材41の表面温度は不図示の温度センサによって常時検出され、その検出信号が不図示のコントローラにフィードバックされることによって加熱部材41の表面温度が所定の定着温度に制御される。
また、加圧部材42は、ステンレス等の金属製の芯金421の外表面に円筒状のシリコーンゴムを含む弾性体層422を形成し、この弾性体層422の外表面を被覆するように表面層(離型層)が設けられている。
なお、加熱部材41は、ヒータ411、芯金412および表面層413以外の他の任意の構成を含むことができ、加圧部材42も、芯金421、弾性体層422および表面層423以外の他の任意の構成を含むことができる。このような他の構成としては、樹脂基材層、接着層、補強層、中間層等が挙げられる。
なお、本実施形態では、加熱部材41は弾性体層を有していないため、本発明の定着部材には含まれず、加圧部材42が本発明の定着部材に該当する。ただし、加熱部材41がシリコーンゴムを含む弾性体層を有している場合は、加熱部材41も本発明の定着部材となり得る。この場合、加圧部材42は、弾性体層を有していても、有していなくてもよく、加圧部材42が本発明の定着部材に該当しても、該当しなくてもよい。
以下、本発明の定着部材に相当する加圧部材42の各構成について説明する。
(弾性体層)
本実施形態の加圧部材42に含まれる弾性体層422は、芯金421の外周表面上にロール状に形成される。なお、弾性体層は芯金421上に直接接して形成される場合だけに限られず、たとえば芯金421上に形成された他の層上に形成されてもよい。
弾性体層は、弾性材料により構成される。弾性材料は、少なくともシリコーンゴムを含有する。弾性材料は、他の材料、たとえば、シリコーンゴム以外の他の熱硬化性エラストマーをさらに含んでいてもよい。かかる他の熱硬化性エラストマーとしては、シリコーンゴム以外のゴム、熱硬化性樹脂系エラストマー等が挙げられる。シリコーンゴム以外のゴムとしては、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム等が挙げられる。熱硬化性樹脂系エラストマーとしては、水素添加ポリブタジエン、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
このような弾性体層の厚みは、特に限定されないが、機械的強度、画質、製造コストなどを考慮し、0.05mm〜30mmであることが好ましい。
(表面層)
本実施形態の定着部材に含まれる表面層は、弾性体層上(弾性体層の外側)に積層される。なお、表面層は弾性体層上に直接接して形成される場合だけに限られず、たとえば弾性体層上に形成された他の層上に形成されてもよい。
ここで、表面層423は、弾性体層422の表面の全面を被覆するようにして形成されることが好ましい(図3、図2)。この場合、弾性体層の表面とは、トナー像が転写(形成)される側の表面を意味する。ただし、弾性体層の表面の一部が表面層により被覆されていない場合であっても、前述のような効果が示される限り、本実施形態を逸脱するものではない。
図1および図2を参照して、このような表面層423は、特定の置換基423bを有するパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)樹脂423aを主成分として含む。
本明細書において、「主成分」とは、材料中に最も多く含まれる成分であり、好ましくは含有率が50質量%より多い成分であり、より好ましくは含有率が70質量%以上の成分であり、さらに好ましくは含有率が80質量%以上の成分である。なお、主成分が100質量%であってもよい(表面層がPFA樹脂のみからなるものであってもよい)。
なお、本実施形態で用いられるPFA樹脂は、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂とも呼ばれるように、四フッ化エチレン(C)とパーフルオロアルコキシエチレン(CFCFOR:Rは置換基を有していてもよいアルキル基を示す。)の共重合体であり、四フッ化エチレン基とパーフルオロアルコキシエチレン基とを含む高分子である。PFA樹脂の一分子中に含まれる四フッ化エチレン基とパーフルオロアルコキシエチレン基との比率は、特に限定されないが、好ましくは、4:1〜1:4である。
また、構成単位として四フッ化エチレン基およびパーフルオロアルコキシエチレン基のみを含むものに限られず、他の構成単位を含む共重合体であっても良い。共重合体である場合、重合体全体に対する他の構成単位の比率は、50質量%以下であることが好ましい。
なお、他の構成単位としては、たとえば、(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニル単量体、オレフィン系炭化水素単量体、ビニルエステル単量体、ビニルハライド単量体、ビニルエーテル単量体などに由来する構成単位が挙げられる。このような他の構成単位は、1種だけに限られず、2種以上であってもよい。
表面層を構成するPFA樹脂は、分子量(重合度)が異なるものを含んでいてもよく、PFA樹脂の質量平均分子量は、好ましくは80000〜2000000であり、より好ましくは150000〜1200000である。
PFA樹脂が有する特定の置換基は、シロキサン結合を含む基、および、嵩高基から選択される少なくとも1つの置換基である。
シロキサン結合を含む基は、シロキサン結合(−Si−O−)を含む限りにおいて特に限定されないが、1つの置換基内に含まれるシロキサン結合の数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である。置換基内のシロキサン結合の数が多くなる程、シロキサン分子の吸着効果(放出抑制効果)が高くなる。一方、シロキサン結合の数が多すぎると、PFA樹脂本来の特性(耐熱性、耐久性、非粘着性等)が損なわれて、定着部材の表面層としての性能が低下する場合がある。なお、本明細書においてシロキサン結合とは、化学式「−Si−O−」で示される結合である。
具体的なシロキサン結合を含む基としては、以下の化学式(7)および(8)に示す基を例示することができる。なお、化学式(7)および(8)において、*は結合手となる位置を示し、*の記号のない鎖末端はメチル基を示す。
Figure 0006528509
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嵩高基とは、立体的な障害によりシロキサン分子がPFA樹脂(表面層)を通過しにくくすることのできるような所定の大きさを有する置換基である。
嵩高基は炭素原子を含むことが好ましい。上記嵩高基の炭素数は、好ましくは 5 以上であり、より好ましくは8以上である。(ただし、嵩高基の炭素数は好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは20以下である。嵩高基の炭素数が多い程、シロキサン分子の吸着効果(放出抑制効果)が高くなる。一方、嵩高基の炭素数が多すぎると、PFA樹脂本来の特性(耐熱性、耐久性、非粘着性等)が損なわれて、定着部材の表面層としての性能が低下する場合がある。
嵩高基としては、脂肪族基、芳香族基などが挙げられる。脂肪族基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいシリル基などが挙げられる。芳香族基としては、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。なお、嵩高基が上述のシロキサン結合を含んでいてもよい。
具体的な嵩高基としては、以下の化学式(9)〜(14)に示す基を例示することができる。なお、化学式(9)〜(14)において、*は結合手となる位置を示し、*の記号のない鎖末端はメチル基を示す。
Figure 0006528509
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特定の置換基のPFA樹脂に付加する方法としては、従来公知の方法を特に制限することなく採用することができるが、一例としては、PFA樹脂の−O−CF基をヒドロキシ基(−OH)に置換する処理を行い、そのヒドロキシ基が付加されたPFA樹脂と、特定の置換基の結合手となる位置にクロル基(−Cl)を有する化合物とを還元反応に付すことにより、特定の置換基を付加する反応を行う方法が挙げられる。
なお、PFA樹脂の1分子中に含まれる上記特定の置換基の数は、特に限定されないが、好ましくは置換されたヒドロキシ基の10%以上80%以下であり、より好ましくは20%以上70%以下である。
表面層を構成するPFA樹脂がこのような特定の置換基を有することにより、次のような作用を示すものと推測される。すなわち、シロキサン分子と親和性の高いシロキサン結合を有する置換基をPFA樹脂に導入することで、シロキサン分子が表面層に捕捉されて通過しにくくなるものと推測される。また、PFA樹脂に嵩高基を導入することで、立体的な障害によりシロキサン分子が表面層を通過しにくくなるものと推測される。
なお、嵩高基が上述のシロキサン結合を含んでいる場合、立体的な障害による効果と、シロキサン分子を捕捉する効果の両方によって、さらに、シロキサン分子が表面層を通過しにくくなると考えられる。
そして、本実施形態の定着部材は、表面層を構成するPFA樹脂にこのような特定の置換基を導入することで、弾性体層(シリコーンゴム)から発生するシロキサン分子等の超微粒子を表面層で捕捉することができ、シロキサン分子などの超微粒子の放出量を低減することができる。
ただし、表面層の厚みが薄すぎると、表面層による耐久性の向上効果を十分に発揮することができなくなってしまう。一方、表面層の厚みが厚すぎると、弾性体層の弾性による転写性の向上効果を十分に発揮することができなくなってしまう。これらの観点から、表面層の厚みは、好ましくは5μm以上200μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下である。
(添加剤)
上記の定着部材(加熱部材および加圧部材)を構成する弾性体層、表面層、および、他の層(例えば、樹脂基材層)は、それぞれ添加剤を含むことができる。そのような添加剤としては、光硬化開始剤、導電性粒子(導電性フィラー)、各種フィラー(主として強度向上を目的とするもの)、各種改質剤(グラフト共重合体など)、有機溶剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑材、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤等を挙げることができる。
(定着部材(加圧部材)の製造方法)
次に、上述の加圧部材42の製造方法について、図4(a)および(b)を参照して以下に説明する。尚、図4(a)および(b)は、本実施形態における加圧部材の製造工程を示す断面図である。
加圧部材42の製造には、縦型の金型90が使用される。この金型90は、加圧部材42の外径と同径の内径を有する円筒型91を垂直に立設し、該円筒型91の上下に上型92と下型93をそれぞれ嵌着することによって構成されている。
加圧部材42の製造に際しては、先ず、図4(a)に示すように金型90内の中心に芯金421を挿入してこれを垂直にセットするとともに、円筒状のPFA樹脂チューブ(表面層423)を円筒型91の内面に沿って挿入セットする。
次に、図4(b)に示すように、別途用意しておいた液状のシリコーンゴム422aを上型92の中心部に形成された注入口92aから金型90内の芯金421と表面層423の間の空間に流し込む。
そして、その状態を加硫すれば、シリコーンゴム422a(弾性体層422)、芯金421及び表面層423が一体化された図3に示すような加圧部材42が製造される。
なお、上述の加圧部材の製造方法は、たとえば、一般に液状シリコーンゴム射出成形システム(LIMS:Liquid Injection Molding System)と呼ばれる方法を用いて、実施することができる。
また、本実施形態では、加熱部材41は弾性体層を有していないが、中空部を有する芯金412と表面層413との間に弾性体層を設ける場合は、上記と同様にしてLIMSによりシリコーンゴムを含む弾性体層を設けることができる。
<定着装置>
本実施形態の定着装置40は、上記で説明した定着部材(加熱部材41および加圧部材42)を備えたものであり、このような定着部材を備える限り、その他の構成は従来公知の構成を特に制限することなく採用することができる。
定着装置40は、トナーを担持するシートを一対の定着部材の間のニップ部に通しつつ加熱および加圧する定着処理により、トナー像を記録材(シート)上に定着させることのできる装置である。
定着装置40は、定着部材以外に、一対の定着部材の少なくとも一方を回転させるための回転駆動装置、加圧部材を加熱部材側へ一定の圧力で加圧するための加圧装置、それらの制御装置などを備えている。
<画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置は、上記で説明した定着装置を備えたものであり、このような定着装置を備える限り、その他の構成は従来公知の構成を特に制限することなく採用することができる。以下、図5に基づき本実施形態の画像形成装置について説明する。図5は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す模式図である。
図5の画像形成装置1は、公知の電子写真方式により記録材上に画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、転写部20と、給紙部30と、定着装置40および制御部5を備え、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置(不図示)から受け付けたプリントジョブに基づき、カラーおよびモノクロのプリントを選択的に実行する。画像形成装置1では、主に、静電潜像担体(感光体ドラム11)に担持されたトナー像を、中間転写体21に1次転写した後、トナー像を中間転写体21から記録材(シートS)へ2次転写し、定着装置40によってトナー像を記録材に定着させることで、記録材上に画像が形成される。
画像プロセス部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の現像色に対応した作像部10Y,10M,10C,10Kを有する。作像部10Yは、静電潜像担体である感光体ドラム11と、その周囲に配された帯電器12、露光部13、現像部14、1次転写ローラ15、クリーナ16などを備えている。帯電器12は、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム11の周面を帯電させる。他の作像部10M,10C,10Kについても作像部10Yと同様の構成であり、同図では符号が省略されている。
露光部13は、帯電された感光体ドラム11をレーザー光により露光走査して、感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。現像部14は、内部に各々の作像部10Y,10M,10C,10Kの色に対応したトナーを含む現像剤を収容しており、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーで現像する。これにより、感光体ドラム11上に各色のトナー像が作像される。すなわち、静電潜像担体にトナー像が担持される。
1次転写ローラ15は、感光体ドラム11上のトナー像を中間転写体(中間転写ベルト)21上に静電作用により転写させる。すなわち、上記のトナー像が中間転写体に1次転写される。クリーナ16は、転写後に感光体ドラム11上に残った残留トナーを清掃する。また、転写部20は、駆動ローラ24と従動ローラ25に張架されて矢印方向に循環走行される中間転写体21を備える。当該中間転写体21は、シームレスベルト形状(すなわち無端ベルト状の形状)であって、設計で決まる所望の周長になるように樹脂材料を射出成型もしくは遠心成型した円筒状のものである。
カラーのプリント(カラーモード)を実行する場合には、作像部10Y,10M,10c,10K毎に、対応する色のトナーによって感光体ドラム11上にトナー像が作像される。なお、このY、M、CおよびKの各色の作像動作は、感光体ドラム11上に作像された各色のトナー像が、走行する中間転写体21の同じ位置に重ね合わせて転写されるように上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。このようにして、中間転写体21上に、各色のトナー像を重ね合わせてなるトナー像が形成される。
給紙部30は、上記の作像タイミングに合わせて、給紙カセットから記録材であるシートSを1枚ずつ繰り出して、繰り出されたシートSを搬送路31上を2次転写ローラ22に向けて搬送する。2次転写ローラ22に搬送されたシートSが2次転写ローラ22と中間転写体21の間を通過する際に、中間転写体21の上に形成された各色トナー像が2次転写ローラ22の静電作用によりシートSに一括して2次転写される。すなわち、該トナー像が、該中間転写体から記録材へ2次転写されることになる。
各色のトナー像が2次転写された後のシートSは、定着装置40まで搬送される。定着装置40は、少なくとも一対の定着部材(加熱部材(加熱ローラ)41および加圧部材(加圧ローラ)42)を備えている。
シートSは、この少なくとも一対の定着部材の間を通過する際に加熱および加圧される。これにより、トナーがシートSの表面に融着して定着された後、シートSは排紙ローラ32によって排紙トレイ33上に排出される。このようにして、記録材上にトナー像に対応した画像が形成される。
なお、上記では、カラーモードを実行する場合の動作を説明したが、モノクロ、例えばブラック色のプリント(モノクロモード)を実行する場合には、ブラック色用の作像部10Kだけが駆動され、上記と同様の動作によりブラック色に対する帯電、露光、現像、転写、定着の各工程を経てシートSにブラック色の画像形成(プリント)が実行される。
中間転写体21上の、シートSに転写しきれなかったトナーやトナーパターンは、中間転写体21を挟んで従動ローラ25に対向する位置に配されたクリーニングブレード26により除去される。また、作像部10Kの、中間転写体21走行方向の下流側には、例えば、反射型の光電センサからなる濃度検出センサ23が配されており、中間転写体21に形成されたトナーパターンの濃度を検出する。
制御部5は、を制御して円滑なプリント動作を実行させる。なお、画ネットワークを介して外部の端末装置から受け付けたプリントジョブのデータに基づき画像形成装置1の装置本体の正面側かつ上側であり、ユーザの操作し易い位置に、操作パネル35が配置されている。操作パネル35は、ユーザからの各種指示を受け付けるボタンやタッチパネル式の液晶表示部などを備えており、当該受け付けた指示内容を制御部5に伝えることができる。
このような画像形成装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ、それらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置を挙げることができる。画像形成装置は、乾式または湿式のいずれであっても良いが、乾式であることが好ましい。
このような本実施形態の画像形成装置は、長期間にわたって画像品質の高い画像を形成することができるという優れた効果を示す。
なお、本実施形態においては、定着部材のうち、加圧部材(加圧ロール)42がシリコーンゴムを含む弾性体層422を有しており、その弾性体層422を被覆するようにPFA樹脂からなる表面層423を形成したが、加熱部材(加熱ロール)41がシリコーンゴムを含む弾性体層を有しており、その弾性体層を被覆するようにPFA樹脂からなる表面層413を形成してもよい。また、加圧部材41と加圧部材42の両者が、シリコーンゴムを含む弾性体層を有しており、その弾性体層を被覆するように、上記の特定の置換基を有するPFA樹脂からなる表面層を形成してもよい。このように、一対の定着部材の少なくともいずれかが、シリコーンゴムを含む弾性体層と、弾性体層の外側に積層された表面層とを含んでいれば、本発明に包含される。
なお、定着部材(加圧部材および加圧部材)において、一般に弾性体層と呼ばれる層以外の層(たとえば、樹脂基材層)であっても、弾性材料としてシリコーンゴムを含有する場合は、本発明における「弾性体層」に相当する。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例では、特定の置換基として「シロキサン結合を含む基」を有するPFA樹脂からなる表面層を有する加圧部材(定着部材)を作製した。
(PFA樹脂チューブの作製)
まず、内面のみにヒドロキシ基の付加処理が施されたPFA樹脂チューブ(商品名「GRC」、グンゼ株式会社製、直径30mm、厚み40μm)を用意した。
化学式(1−1)で示されるヒドロキシ基の付加処理を施した上記PFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gとをトルエン中で、約1時間リフラックス(還流)させた。次に、化学式(1−2)で示されるクロロトリメチルシラン8.94gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(1−3)で示されるシロキサン結合を含む基を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
(加圧部材の作製)
上記のようにして得たシロキサン結合を含む基を内表面に有するPFA樹脂チューブを用いて、上述の加圧部材の製造方法と同様に、液状シリコーンゴム射出成形システム(LIMS)を用いて、加圧部材を作製した。すなわち、円筒型の内面に沿って上記のPFA樹脂チューブを挿入セットし、別途用意しておいた液状のシリコーンゴム(商品名:X−30−3888−U、信越化学工業社製)を金型内の芯金と表面層の間の空間に流し込み、その状態を加硫することで加圧部材を作製した。
なお、芯金としては、ステンレス製の直径28mmのものを用い、シリコーンゴムからなる弾性体層の厚みが2mmとなるように設計した。
<実施例2>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「シロキサン結合を2つ含む基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例2の加圧部材(定着部材)を作製した。
(PFA樹脂チューブの作製)
まず、化学式(2−1)で示されるジクロロジメチルシラン1.29gとNaOMe0.54gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(2−2)で示されるヒドロキシトリメチルシラン0.98gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させることで、化学式(2−3)で示される化合物を得た。
化学式(2−4)で示される実施例1で用いたヒドロキシ基の付加処理を施したPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gとをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(2−3)で示される化合物15.04gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(2−5)で示される「シロキサン結合を2つ含む基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例3>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例3の加圧部材(定着部材)を作製した。
(PFA樹脂の調製)
まず、化学式(3−1)で示される実施例1で用いたヒドロキシ基の付加処理を施したPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gとをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(3−2)で示される2‐クロロ‐2,4,4‐トリメチルペンタン12.23gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(3−3)で示される「嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例4>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例4の加圧部材(定着部材)を作製した。
まず、化学式で示される実施例1で用いたヒドロキシ基の付加処理を施したPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(4−2)で示される1‐クロロヘキサデカン23.54gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(4−3)で示される「嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例5>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「シロキサン結合を含む嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例5の加圧部材(定着部材)を作製した。
化学式(5−1)で示される2‐ヒドロキシ‐2,4,4‐トリメチルペンタン1.30gとNaOMe0.54gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(5−2)で示されるジクロロジメチルシラン1.29gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させることで化学式(5−3)で示される化合物を得た。
化学式(5−4)で示される実施例1で用いたヒドロキシ基の付加処理を施したPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gとをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(5−3)で示される化合物18.33gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂をトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(5−5)で示される「シロキサン結合を含む嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例6>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「シロキサン結合を含む嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例6の加圧部材(定着部材)を作製した。
化学式(6−1)で示される2‐ヒドロキシ‐2,4,4‐トリメチルペンタン1.29gと、NaOMe0.54gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(6−2)で示されるジクロロジメチルシラン2.67gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させることで化学式(6−3)で示される化合物を得た。
化学式(6−4)で示される実施例1で用いたヒドロキシ基の付加処理を施したPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(6−3)で示される化合物29.64gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(6−6)で示される「シロキサン結合を含む嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例7>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例4の加圧部材(定着部材)を作製した。
まず、化学式で示される実施例1で用いたPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(7−2)で示される化合物22.6gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(7−3)で示される「嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例8>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例4の加圧部材(定着部材)を作製した。
まず、化学式で示される実施例1で用いたPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(8−2)で示される化合物20.8gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(8−3)で示される「嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<実施例9>
本実施例では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに付加する特定の置換基として、以下のような「嵩高基」を用いた。それ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例4の加圧部材(定着部材)を作製した。
まず、化学式で示される実施例1で用いたPFA樹脂チューブと同様のPFA樹脂チューブ2.08gと、NaH1.98gをトルエン中、約1時間リフラックスさせた。次に、化学式(9−2)で示されるクロロトリメチルシラン4.47gと化学式(9−3)で示される2‐クロロ‐2,4,4‐トリメチルペンタン6.12gを徐々に加え、更に約1時間リフラックスし、反応を進行させた。
その後、PFA樹脂チューブをトルエンから取り出し、更にトルエンで数回洗うことにより、化学式(9−4)で示される「シロキサン」「嵩高基」を有するPFA樹脂チューブを得た。
Figure 0006528509
<比較例1>
比較例1では、表面層の作製に用いるPFA樹脂チューブに何も置換基を付加しなかった。それ以外の点は、実施例1と同様にして、比較例1の加圧部材(定着部材)を作製した。なお、PFA樹脂チューブとしては、実施例1と同様にヒドロキシ基の付加処理を実施したものを使用した。
[評価]
上記で作製した実施例1〜6および比較例1の加圧部材(定着部材)に関して、以下の評価1〜3を行なった。
<評価1:超微粒子粉塵評価>
上記実施例1〜6および比較例1の各々で作製した加圧部材(定着部材)を、フルカラー複合機(商品名:「bizhub C754」、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の定着装置の加圧部材と交換したプリンタ試験機を用意した。該プリンタ試験機を、容積1mのステンレス製チャンバー内に設置し、チャンバー内が67L/分で換気されるように設定した。
チャンバー内を約1時間換気した後、上記プリンタ試験機による10分間のプリント動作を行い、プリント動作中に装置から排出される粉塵(微粒子)をサンプリングした。トナーは、体積平均粒子径が8μmのものを使用した。
チャンバー内に排出された微粒子をTSI社製微粒子計測器(型式CPC3007)で連続的に測定した。プリント開始からプリント終了後3換気相当分の時間に観測された粒子径10nm〜1000nmの範囲の微粒子の総数を測定した。その結果を表1(「超微粒子粉塵評価」の項)に示す。
<評価2:画像評価>
フルカラー複合機(商品名:「bizhub C754」、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に、実施例1〜6および比較例1の各々で作製した加圧部材(定着部材)をセットして、露光量等を適正化し、20℃、50%RHで、青色のベタ画像(シアン(C)の印字率が100%の画像)を、記録材であるプリンタ用紙(商品名:「J紙」、富士ゼロックス株式会社製、A4サイズ、)に10万枚印刷した。
ベタ画像が印刷されたプリンタ用紙を目視により観察し、スポット(画像の抜け)として観察される「画像汚れ」の数を数えた。このスポットは、加圧部材の表面に付着した微粒子等の影響によって生じるものと考えられる。その結果(画像汚れの数)を表1(「画像評価」の項)に示す。
なお、上記のフルカラー複合機は、レーザー露光および反転現像方式を採用するものであり、静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写し、定着装置40によってトナー像を記録材に定着させることで、記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、模式的には図5で示されるものである。
Figure 0006528509
表1より明らかなように、超微粒子粉塵評価(評価1)の結果から、実施例の加圧部材(定着部材)は、比較例の加圧部材に比し、発生する超微粒子の数を1オーダー以上低減できることが確認できた。
また、画像評価(評価2)の結果から、実施例の加圧部材(定着部材)は、比較例の加圧部材に比し、定着部材表面に付着した微粒子等に起因する画像汚れの数が極めて少ないことが確認できた。なお、画像汚れの数が100(個/枚)以上であると、画像部の汚れが多くなるため、画像部の汚れが認識され実用上問題となるレベルになる。
すなわち、本発明の定着部材、定着装置および画像形成装置は、シロキサン分子などの超微粒子の放出量を低減することができるという優れた効果を示すことが明らかである。
さらに、嵩高基がシロキサン結合を含んでいる実施例5および6の加圧部材(定着部材)は、実施例1〜4の加圧部材よりも、さらに発生する超微粒子の数、および、画像汚れの数が減少していることから、超微粒子の放出量をさらに低減できることが分かる。
以上のように本発明の実施形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置、10 画像プロセス部、11 感光体ドラム、12 帯電器、13 露光部、14 現像部、15 1次転写ローラ、16 クリーナ、20 転写部、21 中間転写体、21a 樹脂基材層、21b 弾性体層、21c 表面層、22 2次転写ローラ、23 濃度検出センサ、24 駆動ローラ、25 従動ローラ、26 クリーニングブレード、30 給紙部、31 搬送路、32 排紙ローラ、33 排紙トレイ、35 操作パネル、40 定着装置、41 加熱部材、411 ヒータ、412 芯金、413 表面層、42 加圧部材、421 芯金、422 弾性体層、422a シリコーンゴム、423 表面層、423a パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)樹脂、423b 特定の置換基、5 制御部、90 金型、91 円筒型、92 上型、92a 注入口、93 下型。

Claims (8)

  1. 一対の定着部材を備える定着装置によってトナー像を記録材に定着させる画像形成装置に用いる該一対の定着部材のうち前記トナー像と接触しない側の定着部材であって、
    前記定着部材は、ロール状の形状を有し、かつ、シリコーンゴムを含む弾性体層と、前記弾性体層の外側に積層された表面層とを含み、
    前記表面層は、特定の置換基を有するパーフルオロアルコキシアルカン樹脂を主成分として含み、
    前記特定の置換基は、シロキサン結合を含む基、および、嵩高基から選択される少なくとも1つの置換基である、定着部材。
  2. 前記シロキサン結合を含む基に含まれるシロキサン結合の数は1〜10である、請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記嵩高基は炭素原子を含み、前記嵩高基の炭素数は5以上である、請求項1または2に記載の定着部材。
  4. 前記嵩高基の炭素数は40以下である、請求項3に記載の定着部材。
  5. 前記嵩高基がシロキサン結合を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着部材。
  6. 前記表面層の厚みが5μm以上、200μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着部材を備えた定着装置。
  8. 請求項7に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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