以下、本発明のコンバイン1について説明する。
図1は、コンバイン1の側面図である。図2は、コンバイン1の平面図である。
なお、以下においては、図1に示される矢印Aの向きを進行方向の前向きとする。また、図1には、コンバイン1の前後方向及び上下方向を表す。図2には、コンバイン1の前後方向及び左右方向を表す。
コンバイン1は、走行部2、刈取部3、脱穀部4、フィードチェン5、グレンタンク6、排出オーガ7、運転操作部8、及び、エンジン9を備える。
走行部2は、走行機体2aとクローラ2bとを有する。左右一対のクローラ2bは、走行機体2aを支持している。刈取部3は、コンバイン1において穀稈を刈り取る部位である。刈取部3は、走行機体2aの前部に設けられている。後述するように、コンバイン1の刈取部3は、6条刈用の構成を有する。
脱穀部4は、コンバイン1において穀稈の穂から穀粒を取り離す部位である。脱穀部4は、走行機体2aの上部に設けられている。脱穀部4に設けられたフィードチェン5は、脱穀時に穀稈の株元を把持しながら、穀稈を後方へ搬送する。グレンタンク6は、コンバイン1において脱穀及び選別後の穀粒を貯留するためのものである。グレンタンク6は、脱穀部4の側方に設けられている。
排出オーガ7は、グレンタンク6に貯溜された穀粒を外部へ排出するためのものである。排出オーガ7は、筒形状を有する。図中に示された排出オーガ7は、コンバイン1に収容された状態のものであって、グレンタンク6の後方からコンバイン1の左側前方部にわたる範囲で横たわっている。
次に、図3、図4及び図5を更に用いて、刈取部3について説明する。
刈取部3は、刈取フレーム10、引起装置31、分草板32、刈刃33、掻込装置34、及び、搬送装置35を備える。
図3に示すように、刈取部3の先端には、6条分7つの分草板32が設けられている。各分草板32の先端が尖っており、後部は丸みを帯びた形状を有する。各分草板32によって、刈り取られる穀稈と圃場に残される穀稈とが分離されるとともに、刈り取る穀稈が一条毎に分離される。
引起装置31は、各分草板32によって一条毎に分離された穀稈を引き起こす。引起装置31は、6条分6つの引起ケース61を有する。また、各引起ケース61は、タイン付チェン62を回転駆動可能に支持する。各引起ケース61は、分草板32の後方に位置する。また、各引起ケース61は、その前端よりもその後端が高い位置に配置されるように後傾し、左右方向に沿って適宜の間隔をあけて並べられる。図5に示すように、引起装置31は、一条毎の未刈穀稈を起立させる引起タインS1・S2・S3・S4・S5・S6を備える。各引起タインS1,・・・,S6は、各引起ケース61に設けられる。
掻込装置34は、引起装置31によって引き起こされた穀稈の株元を掻き込む。掻込装置34は、第一掻込機構Rk1、第二掻込機構Rk2、及び、第三掻込機構Rk3を有する。これら第一〜第三掻込機構Rk1〜Rk3は、前側が後側よりも下方に配置されるように後傾し、左右方向に沿って適宜の間隔をあけて並べられている。図3に示すように、掻込装置34は、引起装置31の後方に配置される。
刈刃33を含む切断装置は、掻込装置34の下方に設けられている。刈刃33は、掻込装置34によって掻き込まれた6条分の穀稈C1〜C6を切断する。
刈取フレーム10は、刈取入力ケース11、縦伝動ケース12、横伝動ケース13、複数の分草フレーム14、駆動パイプ15、引起縦伝動ケース16、縦連結フレーム(図示せず)、引起横伝動ケース17、複数の引起駆動ケース18、及び、中搬送駆動ケース20を含む。これら各ケース等は、金属製の管部材であって、中空形状を有する。
刈取入力ケース11は、脱穀部4の前方において左右方向に沿って横たわっている。クローラ2bの上方には、左右一対の装着台83が設けられている。各装着台83の上部には、割パイプ継手84が設けられている。刈取入力ケース11の左右の端部が、割パイプ継手84を介して各装着台83の上部に回転自在に且つ着脱自在に取り付けられている。
縦伝動ケース12は、縦伝動ケース12の前端が後端よりも下方に位置するように、刈取入力ケース11の中間部に接続されている。縦伝動ケース12の軸線方向は、刈取入力ケース11の軸線方向に略直交する。
縦伝動ケース12の前端は、横伝動ケース13の中間部に接続されている。横伝動ケース13の軸線方向は、刈取入力ケース11の軸線方向に略平行であって、縦伝動ケース12の軸線方向に略直交する。
分草フレーム14は、6条分7本の管部材によって構成されている。分草フレーム14の各管部材は、左右方向に沿って適宜の間隔をあけて並べられる。分草フレーム14は、前後方向を向いている。各分草フレーム14の前端部には、各分草板32の先端が前方を向くように、分草板32が取り付けられる。
分草フレーム14の下方には、駆動パイプ15が接続されている。駆動パイプ15によって分草フレーム14の各管部材が連結されることにより、6条分7本の管部材が一体として分草フレーム14を構成する。駆動パイプ15は、横伝動ケース13の前斜下方に位置し、分草フレーム14の左端の管部材と右端の管部材との間に左右方向に沿って架け渡されている。
引起縦伝動ケース16は、横伝動ケース13の左端部に接続されている。引起縦伝動ケース16の上端が下端よりも前方に位置するように、引起縦伝動ケース16は前傾姿勢で起立している。引起縦伝動ケース16の軸線方向は、上下方向を向いている。
一方、横伝動ケース13の右端部には、縦連結フレームが接続されている(図示せず)。縦連結フレームの軸線方向は、上下方向を向いている。
引起横伝動ケース17は、左右方向に沿って、引起縦伝動ケース16の上端部と縦連結フレームの上端部との間に架け渡されている。引起横伝動ケース17には、引起駆動ケース18が連結されている。引起駆動ケース18は、6条分6本の管部材によって構成されている。引起駆動ケース18の各管部材の軸線方向は、上下方向を向いている。各管部材は、左右方向に沿って所定間隔をあけて並べられている。引起横伝動ケース17には、各管部材の上端が接続されている。コンバイン1の平面視又は正面視において、各分草フレーム14の間及び各引起駆動ケース18の間には、各引起ケース61が配置されている。各引起ケース61は、後下方の分草フレーム14と後上方の引起駆動ケース18とに支持されている。
中搬送駆動ケース20は、横伝動ケース13の中間部に接続されている。中搬送駆動ケース20の上端が下端よりも前方に位置するように、中搬送駆動ケース20は前傾姿勢で起立している。中搬送駆動ケース20の軸線方向は、鉛直方向に対して引起縦伝動ケース16よりも大きく傾いている。
中搬送駆動ケース20は、後述する下部搬送装置Bの中央株元搬送機構BCと第二掻込機構Rk2の左側掻込機構R2Lとを支持フレーム85とともに下方から支持している。支持フレーム85は、ブラケット86を介して分草フレーム14に接続されている。
中搬送駆動ケース20の上方には、上部搬送駆動ケース21が設けられている。上部搬送駆動ケース21の軸線方向は、前斜め上方を指しており、中搬送駆動ケース20の軸線方向に略一致する。後述する動力伝達機構30を収容する伝動ケース22には、中搬送駆動ケース20の上端と上部搬送駆動ケース21の下端とが接続されている。また、支持パイプ23が、中央株元搬送機構BCと中央穂先搬送機構UCとの間に設けられている。
更に、刈取フレーム10は、上部センターフレーム19を含む。上部センターフレーム19は、前後方向を向いており、刈取入力ケース11に接続されている。上部センターフレーム19の前端は引起横伝動ケース17の中間部に接続され、後端が刈取入力ケース11の中間部に接続される。上部センターフレーム19は、縦伝動ケース12の上方に位置する。上部センターフレーム19は、掻込装置34及び搬送装置35の上方に位置する。
また、コンバイン1は、油圧シリンダ36を備える。油圧シリンダ36の前端が後端よりも上方に位置するように、油圧シリンダ36は走行機体2aと縦伝動ケース12とに連結されている。刈取部3は、油圧シリンダ36の伸縮によって、刈取入力ケース11を中心にして回転する。この回転によって、刈取部3が昇降する。
次に、図4,5,6を用いて、掻込装置34として、第一掻込機構Rk1、第二掻込機構Rk2、及び、第三掻込機構Rk3を説明する。
右側掻込機構としての第一掻込機構Rk1は、掻込装置34のうちの最も右側に配置される掻込機構である。第一掻込機構Rk1は、6条分の穀稈のうち右側2条分の穀稈(右側から数えて1条目と2条目の穀稈C1・C2)の株元を掻き込む。第一掻込機構Rk1は、左右一対の星形状掻込輪ST1・ST2と、左右一対の突起付きの掻込ベルトBL1・BL2とを備える。
第一掻込機構Rk1は、右側掻込機構と左側掻込機構とを有する。右側掻込機構は、右掻込輪ST1、右掻込ベルトBL1、大径プーリPl1、小径プーリPs1、及び、回転軸G1(図6参照)を含む。左側掻込機構は、左掻込輪ST2、左掻込ベルトBL2、大径プーリPl2、小径プーリPs2、及び、回転軸G2(図6参照)を含む。
中央掻込機構としての第二掻込機構Rk2は、掻込装置34のうちの第一掻込機構Rk1の左隣に配置される掻込機構である。第二掻込機構Rk2は、6条分の穀稈のうちの中央2条分の穀稈(3条目と4条目の穀稈)の株元を掻き込む。第二掻込機構Rk2は、それぞれ星形状を有する左右一対の掻込輪ST3・ST4と、それぞれ突起が付いた左右一対の掻込ベルトBL3・BL4とを備える。
第二掻込機構Rk2は、右側掻込機構R2Rと左側掻込機構R2Lとを有する。右側掻込機構R2Rは、右掻込輪ST3、右掻込ベルトBL3、大径プーリPl3、小径プーリPs3、及び、回転軸G3(図6参照)を含む。左側掻込機構R2Lは、左掻込輪ST4、左掻込ベルトBL4、大径プーリPl4、小径プーリPs4、及び、回転軸G4(図6参照)を含む。
右掻込輪ST3は、回転軸G3回りに回転可能に回転軸G3に固定される。回転軸G3は、その上端が下端よりも前方に位置するように鉛直方向に対して前傾し、右掻込輪ST3は後傾している。左掻込輪ST4は、回転軸G4回りに回転可能に回転軸G4に固定される。回転軸G4は、その上端が下端よりも前方に位置するように鉛直方向に対して前傾し、左掻込輪ST4は後傾している。回転軸G3と回転軸G4とは、略平行である。右掻込輪ST3と左掻込輪ST4とは、左右方向に沿って隣り合うように並べられて、互いに噛み合わされている。
右掻込輪ST3は、第一掻込機構Rk1の左掻込輪ST2の左側方に位置し、当該掻込輪ST2と左右方向に沿って隣り合うように並べられる。つまり、右掻込輪ST3は、左側方の左掻込輪ST4と右側方の左掻込輪ST2とに挟まれるように並べられる。そして、右掻込輪ST3は、左掻込輪ST4に噛み合わされる。
大径プーリPl3は、右掻込輪ST3の上方に配置されて、回転軸G3に固定される。小径プーリPs3は、大径プーリPl3の右前方に配置されて、刈取フレーム10に対して回転自在に設けられる。右掻込ベルトBL3は、大径プーリPl3と小径プーリPs3とに巻き掛けられる。
大径プーリPl4は、左掻込輪ST4の上方に配置されて、回転軸G4に固定される。小径プーリPs4は、大径プーリPl4の右前方に配置されて、刈取フレーム10に対して回転自在に設けられる。左掻込ベルトBL4は、大径プーリPl4と小径プーリPs4とに巻き掛けられる。
右掻込ベルトBL3と左掻込ベルトBL4とは、左右方向に沿って隣り合うように並べられ、張った状態で概ね前後方向に沿って配置される。互いに対向するベルト面間、即ち、右掻込ベルトBL3の左外側面と左掻込ベルトBL4の右外側面との間の距離は、前方から後方へ向かうに従って徐々に小さくなる。
左側掻込機構としての第三掻込機構Rk3は、掻込装置34のうち、第二掻込機構Rk2の左隣に、つまり、最も左側に配置される掻込機構である。第三掻込機構Rk3は、6条分の穀稈のうち左側2条分の穀稈(5条目と6条目の穀稈)の株元を掻き込む。第三掻込機構Rk3は、それぞれ星形状を有する左右一対の掻込輪ST5・ST6と、それぞれ突起が付いた左右一対の掻込ベルトBL5・BL6とを備える。
第三掻込機構Rk3は、右側掻込機構と左側掻込機構とを有する。右側掻込機構は、右掻込輪ST5、右掻込ベルトBL5、大径プーリPl5、小径プーリPs5、及び、回転軸G5を含む(図6参照)。左側掻込機構は、左掻込輪ST6、左掻込ベルトBL6、大径プーリPl6、小径プーリPs6、及び、回転軸G6(図6参照)を含む。
各掻込ベルトBL1・BL2・BL3・BL4・BL5・BL6の前面は、ベルトカバーBc1・Bc2・Bc3・Bc4・Bc5・Bc6によって覆われている。回転軸G1・G2・G3・G4・G5・G6のうちの回転軸G1・G4・G6は、動力を受けて回転する。そのため、回転軸G1・G4・G6に固定された掻込輪ST1・ST4・ST6と掻込ベルトBL1・BL4・BL6とは、動力に応じて駆動する。一方、回転軸G2・G3・G5に固定された掻込輪ST2・ST3・ST5と掻込ベルトBL2・BL3・BL5とは、掻込輪ST2・ST3・ST5の回転を受けることによって回転する。
従って、平面視において右掻込輪ST1が反時計回りに回転することによって、左掻込輪ST2が時計回りに回転する。また、平面視において左掻込輪ST4が時計回りに回転することによって、右掻込輪ST3が反時計回りに回転する。更に、平面視において左掻込輪ST6が時計回りに回転することによって、右掻込輪ST5が反時計回りに回転する。このような掻込輪ST1・ST2・ST3・ST4・ST5・ST6の回転によって掻込ベルトBL1・BL2・BL3・BL4・BL5・BL6が回転し、掻込装置34が穀稈を後上方に掻き込む。
なお、コンバイン1において用いられる動力は、エンジン9の出力に限定されず、電動モータ等の別の構成の出力であってもよい。
次に、搬送装置35について説明する。
なお、以下においては、穀稈が搬送される方向を「搬送方向」という。また、上流とは、搬送方向における刈刃33により近い方をいう。下流とは、搬送方向における脱穀部4により近い方であって刈刃33から離れた方をいう。
搬送装置35は、切断された穀稈を脱穀部4に搬送する。図4に示すように、搬送装置35は、下部搬送装置B、上部搬送装置U、縦搬送装置V、補助搬送装置S、及び、穂先搬送装置Tを備える。
下部搬送装置Bは、刈り取った穀稈の株元を縦搬送装置Vまで把持しながら後上方に搬送する。下部搬送装置Bは、右側株元搬送機構BRと、中央株元搬送機構BCと、左側株元搬送機構BLとを備える。中央株元搬送機構BCは、左側株元搬送機構BLと右側株元搬送機構BRとの間に位置する。
図6に示すように、下部搬送装置Bには、中間合流部X1及び最終合流部X2が形成されている。中間合流部X1及び最終合流部X2は、右側株元搬送機構BRの往路に位置する。中間合流部X1は、中央株元搬送機構BCと近接する位置に形成される。最終合流部X2は、左側株元搬送機構BLと近接する位置に形成される。
中間合流部X1は、中央株元搬送機構BCの往路における最終地点に対峙している。中間合流部X1は、右側株元搬送機構BRの搬送始端部よりも下流に位置する。中間合流部X1においては、2条分の穀稈の株元に3条目及び4条目の穀稈が追加される。最終合流部X2は、左側株元搬送機構BLの往路における最終地点に対峙している。最終合流部X2は、中間合流部X1よりも下流に位置する。最終合流部X2においては、4条分の穀稈の株元に5条目及び6条目の穀稈が追加される。
右側株元搬送機構BRは、第一掻込機構Rk1によって掻き込まれた右側2条分の穀稈の株元に、中央株元搬送機構BCから搬送される2条分の穀稈の株元、及び、左側株元搬送機構BLから搬送される2条分の穀稈の株元を合流させて、6条分の穀稈の株元を縦搬送装置Vまで把持しながら後上方に搬送する。右側株元搬送機構BRの従動スプロケットSn1は、第一掻込機構Rk1の回転軸G1に固定されている。
右側株元搬送機構BRは、搬送チェンH1と、回転軸G1に固定された従動スプロケットSn1と、駆動スプロケットSv1と、この駆動スプロケットSv1の左右に設けられた遊動プーリR1a・R1bと、駆動スプロケットSv1の右前方に設けられたテンションプーリPT1とを有する。搬送チェンH1は、従動スプロケットSn1、駆動スプロケットSv1、遊動プーリR1a・R1b及びテンションプーリPT1に巻き掛けられる。このようにして、右側株元搬送機構BRは、第一掻込機構Rk1の右側掻込機構に連結されている。
中央株元搬送機構BCは、第二掻込機構Rk2によって掻き込まれた中央2条分の穀稈の株元を中間合流部X1まで把持しながら後上方に搬送する。中央株元搬送機構BCは、第二掻込機構Rk2の後方であって左側株元搬送機構BLの右前方に配置されている。中央株元搬送機構BCの搬送始端部は左掻込輪ST4の上方に位置し、搬送終端部は搬送始端部よりも右後方に位置する。中央株元搬送機構BCは、その前端が後端よりも下方に位置するように後傾している(図3参照)。中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2は、第二掻込機構Rk2の回転軸G4に相対回転不能に固定されている。即ち、回転軸G4は、駆動スプロケットSv2を相対回転不能に支持している。
中央株元搬送機構BCは、搬送チェンH2と、回転軸G4に固定された駆動スプロケットSv2と、駆動スプロケットSv2の後方に設けられた従動スプロケットSn2と、従動スプロケットSn2の右方に設けられた遊動プーリR2aと、従動スプロケットSn2の左前方に設けられた遊動プーリR2bと、遊動プーリR2bの前方に設けられたテンションプーリPT2とを有する。搬送チェンH2は、駆動スプロケットSv2、遊動プーリR2a、従動スプロケットSn2、遊動プーリR2b及びテンションプーリPT2に巻き掛けられる。このようにして、中央株元搬送機構BCは、第二掻込機構Rk2の左側掻込機構R2Lに連結されている。
なお、中央株元搬送機構BCの無端帯状体としては、搬送チェンH2に限定されず、回転軸G4に相対回転不能に支持される駆動輪としての駆動プーリと、下側フレーム90a及び上側フレーム90bに相対回転自在に支持される従動プーリとに巻き掛けられる突起付きのベルトであってもよい。
左側株元搬送機構BLは、第三掻込機構Rk3で掻き込んだ左側2条分の穀稈の株元を最終合流部X2まで把持しながら後上方に搬送する。左側株元搬送機構BLの搬送始端部は左掻込輪ST6の上方に位置し、搬送終端部は搬送始端部よりも右後方に位置する。左側株元搬送機構BLは、その前端が後端よりも下方に位置するように後傾している。左側株元搬送機構BLの従動スプロケットSn3は、第三掻込機構Rk3の回転軸G3に固定されている。
左側株元搬送機構BLは、搬送チェンH3と、回転軸G6に固定された従動スプロケットSn3と、駆動スプロケットSv3と、この駆動スプロケットSv3の右後方に設けられた二つの遊動プーリR3a・R3bと、駆動スプロケットSv3の前方に設けられたテンションプーリPT3とを有する。搬送チェンH3は、従動スプロケットSn3、駆動スプロケットSv3、遊動プーリR3a・R3b及びテンションプーリPT3に巻き掛けられる。このようにして、左側株元搬送機構BLは、第三掻込機構Rk3の左側掻込機構に連結されている。
右側株元搬送機構BRは、先ず、2条分(1条目及び2条目)の穀稈を搬送し、中間合流部X1において、中央2条分の穀稈を追加して最終合流部へ搬送する。そして、右側株元搬送機構BRは、最終合流部X2において、4条分の穀稈に、左側2条分の穀稈を追加する。そして、最終合流部X2を通過した6条分の穀稈は、図4に示す縦搬送装置Vを介してフィードチェン5に搬送される。
縦搬送装置Vは、右側株元搬送機構BRの搬送経路における終端部から受け継いだ6条分の穀稈の株元を補助搬送装置Sまで把持しながら後上方に搬送する。図3に示すように、縦搬送装置Vは、下部搬送機構Bよりも後方に位置し、その前端がその後端よりも下方に位置するように後傾している。また、縦搬送装置Vの前端部は下部搬送機構Bの搬送経路における終端部付近に位置し、後端部は前端部よりも左斜後方且つフィードチェン5よりも前方に位置する。
補助搬送装置Sは、縦搬送装置Vの搬送経路における終端部から受け継いだ6条分の穀稈の株元を脱穀部4(図1参照)まで搬送する。補助搬送装置Sは、縦搬送装置Vの後上方に配置されている。補助搬送装置Sの前端部は縦搬送装置Vの搬送経路における終端部付近に位置し、後端部は前端部よりも後上方に位置する。
上部搬送装置Uは、下部搬送装置Bが搬送する穀稈の穂先を搬送する。上部搬送装置Uは、下部搬送装置Bよりも後上方且つ縦搬送装置Vよりも上方に位置し、上部搬送装置Uの前端が後端よりも下方に位置するように後傾している。図4に示すように、上部搬送装置Uは、右側2条分の穀稈C1・C2の穂先を搬送する右穂先搬送機構URと、中央2条分の穀稈C3・C4の穂先を搬送する中央穂先搬送機構UCと、左側2条分の穀稈C5・C6の穂先を搬送する左穂先搬送機構ULとを含む。
穂先搬送装置Tは、右側株元搬送機構BR、縦搬送装置V及び補助搬送装置Sで搬送される6条分の穀稈の穂先を搬送する。穂先搬送装置Tは、上部搬送装置Uの後上方に配置されている。穂先搬送装置Tの前端部は上部搬送装置Uの搬送経路における中途部に位置し、後端部は前端部よりも後上方に位置する。
次に、エンジン9が出力する動力を刈取部3において伝達する構成について、図3〜図8を用いて説明する。なお、図7においては、伝動ケース22を断面で示している。
刈取フレーム10(図4参照)を構成する各パイプ等には、刈取部3のうちの駆動機能を有する構成に動力を伝達する軸が収容されている。刈取入力ケース11(図4参照)には、刈取入力軸41(図5参照)が収容される。刈取入力軸41の軸心方向は、左右方向に略平行である。刈取入力軸41の左端部には、エンジン9の動力が入力される入力プーリ40(図5参照)が固定され、刈取入力軸41の中途部には、縦伝動軸42が連結される。
縦伝動軸42は、縦伝動ケース12(図4参照)に収容される。縦伝動軸42の軸心は、前後方向を向いている。図5に示すように、縦伝動軸42の後端が、ベベルギヤを介して刈取入力軸41に連結される。縦伝動軸42の前端は、ベベルギヤを介して横伝動軸43の中間部に連結される。横伝動軸43は、横伝動ケース13(図4参照)に収容される。横伝動軸43の軸心方向は、左右方向に略平行である。
縦伝動軸42の中途部から取り出された動力は、右側株元搬送機構BRの駆動スプロケットSv1に伝達される。駆動スプロケットSv1の回転によって、駆動スプロケットSv1と従動スプロケットSn1との間において右側株元搬送機構BRの搬送チェンH1が駆動する。そして、従動スプロケットSn1が固定された回転軸G1を中心にして右掻込輪ST1が回転を開始する。これにより、第一掻込機構Rk1の右側掻込機構が駆動して左側掻込機構が従動する。
横伝動軸43の左端から取り出された動力は、左側株元搬送機構BLの駆動スプロケットSv3に伝達される。駆動スプロケットSv3の回転によって、駆動スプロケットSv3と従動スプロケットSn3との間において左側株元搬送機構BLの搬送チェンH3が駆動する。そして、従動スプロケットSn3が固定された回転軸G6(図6参照)を中心にして左掻込輪ST6が回転を開始する。これにより、第三掻込機構Rk3の左側掻込機構が駆動して右側掻込機構が従動する。
また、横伝動軸43の左端から取り出された動力は、左穂先搬送機構ULに伝達される。右穂先搬送機構URと縦搬送装置Vとには、縦伝動軸42の中途部から取り出された動力が伝達される。補助搬送装置Sと穂先搬送装置Tとには、刈取入力軸41の中途部から取り出された動力が伝達される。
横伝動軸43の中間部から取り出される動力は、出力機構50を介して中央株元搬送機構BCと中央穂先搬送機構UCとに伝達される。出力機構50は、ベベルギヤ37aとベベルギヤ37bとの噛み合いによって横伝動軸43に連結される中間軸38、中間軸38に連結される中搬送駆動軸48、及び、中間軸38から中搬送駆動軸48に動力を伝達する伝動ベルトBL9とを含む。中搬送駆動軸48は、中間軸38よりも長い軸長を有する。中搬送駆動ケース20(図3参照)に収容される中搬送駆動軸48は、前斜め上方を向く軸心を有する。中間軸38から中搬送駆動軸48には、無端帯状体としての伝動ベルトBL9によって動力が伝達される。
横伝動軸43の中間部には、ベベルギヤ37aとベベルギヤ37bとの噛み合いによって、中間軸38が連結されている。中間軸38には、伝動ベルトBL9を回転させる駆動プーリ39aが相対回転不能に取り付けられている。中間軸38及び駆動プーリ39aの回転力は、伝動ベルトBL9を介して中搬送駆動軸48に伝達される。伝動ベルトBL9の従動プーリSn9は、相対回転不能に中搬送駆動軸48に取り付けられている。伝動ベルトBL9を介して中間軸38から伝達される動力によって、従動プーリSn9が中搬送駆動軸48とともに一体として回転する。
このように、横伝動軸43と中搬送駆動軸48との間に設けられた中間軸38によって、回転数が変更されたうえで、横伝動軸43から中搬送駆動軸48に動力が伝達される。また、中間軸38と中搬送駆動軸48と伝動ベルトBL9とによって、中央株元搬送機構BC、及び、中央掻込機構としての第二掻込機構Rk2に動力を伝達する出力機構50が構成されている。
なお、無端帯状体としては、伝動ベルトBL9に限定されず、中間軸38に固定される駆動スプロケットと、中搬送駆動軸48に固定される従動スプロケットとに巻き掛けられるチェンであってもよい。
中搬送駆動軸48の回転力は、動力伝達機構30に伝達される。具体的には、中搬送駆動軸48の中間部には、動力伝達機構30の駆動スプロケットSp1が相対回転不能に固定されている。中搬送駆動軸48及び駆動スプロケットSp1の回転は、伝動チェンH7を介して従動スプロケットSp2に伝達される。伝動チェンH7は、駆動スプロケットSp1と従動スプロケットSp2とに巻き掛けられている。
刈取部3においては、これら駆動スプロケットSp1、従動スプロケットSp2及び伝動チェンH7によって、中搬送駆動軸48から中央株元搬送機構BC及び左側掻込機構R2Lへの動力伝達機構30が構成されている。動力伝達機構30において、従動スプロケットSp2には、中搬送駆動軸48の回転力を受ける駆動スプロケットSp1と伝動チェンH7とを介して、動力が伝達される。動力伝達機構30は、伝動ケース22に収容されている(図3参照)。
動力伝達機構30の従動スプロケットSp2は、相対回転不能に回転軸G4(図6参照)に固定され、且つ、中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2及び左側掻込機構R2Lの大径プーリPl4が回転軸G4に相対回転不能に固定されている。そのため、動力伝達機構30における伝動チェンH7及び従動スプロケットSp2を介して、中搬送駆動軸48から伝達される動力によって、回転軸G4、中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2、左側掻込機構R2Lの大径プーリPl4、及び、動力伝達機構30の従動スプロケットSp2が一体となって回転する。
中央株元搬送機構BCの搬送チェンH2は、駆動スプロケットSv2の回転によって、駆動スプロケットSv2と従動スプロケットSn2との間において駆動する。そして、中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2及び左側掻込機構R2Lの大径プーリPl4の回転により、回転軸G4(図6参照)を中心にして左掻込輪ST4が回転を開始する。これにより、第二掻込機構Rk2の左側掻込機構R2Lが駆動する。第二掻込機構Rk2の左側掻込機構R2Lの駆動によって、右側掻込機構R2Rが従動する。
中央株元搬送機構BCにおいて、駆動スプロケットSv2は、搬送往路の始端側に位置している。一方、遊動プーリR2aが中央株元搬送機構BCにおいて搬送往路の終端側に位置しており、中間合流部X1(図6参照)と対峙している。つまり、中搬送駆動軸48からは、動力伝達機構30を介して中央株元搬送機構BCにおける搬送始端部に動力が伝達される。ここでいう中央株元搬送機構BCにおける搬送始端部とは、駆動スプロケットSv2のうちの第二掻込機構Rk2の右側掻込機構R2Rに面する部分の近傍を指す。一方、中央株元搬送機構BCにおける搬送終端部とは、遊動プーリR2aの近傍を指す。
一方、中央株元搬送機構BCの搬送復路には、テンションプーリPT2によって張力が掛けられている。図8に示すように、テンションプーリPT2による張力には、テンションアーム80に連結された引張コイルバネ70が用いられている。テンションアーム80は、ブラケット79を介して上部搬送駆動ケース21に相対回転不能に固定されている。テンションアーム80に一体に設けられたブラケット79は、溶接によって上部搬送駆動ケース21に固定されている。なお、上部搬送駆動ケース21は、伝動ケース22に対して回転可能に接続されている。
テンションアーム80のバネ受け側である一方側端部81には、ロッド付クレビス78が設けられている。テンションアーム80のプーリ作動側である他方側端部82には、テンションプーリPT2のプーリ軸SPが固定されている。テンションプーリPT2がプーリ軸SPに対して自由に回転できるように、テンションプーリPT2に設けられたラジアル軸受(図示せず)の内輪にプーリ軸SPが支持されている。テンションプーリPT2は、搬送チェンH2の輪の内側に位置している。
中央株元搬送機構BCの上側フレーム90bには、バネ台としてのリブ97が相対移動不能に設けられている。コイルバネ70の一端のフック71が、リブ97に形成された孔に引っ掛けられて上側フレーム90bに支持されている。クレビス78のロッドの先端には板部77が形成され、コイルバネ70の他端のフック72は、板部77にあけられた孔に引っ掛けられている。このように、上側フレーム90bとテンションアーム80とがコイルバネ70を支持している。
テンションアーム80は、コイルバネ70の弾性力によって、中搬送駆動軸48回りに回転できる。コイルバネ70がクレビス78及びテンションアーム80を圧縮方向に引っ張ることにより、ブラケット79を含むテンションアーム80が上部搬送駆動ケース21とともに中搬送駆動軸48回りに回転する。この回転により、テンションプーリPT2が、搬送チェンH2の輪の内側から外側に向かって搬送チェンH2を押し付けて、搬送チェンH2に張力が掛けられる。
図3に示すように、伝動ケース22は、左掻込輪ST4の前上方に位置するとともに、中央株元搬送機構BCの後下方に位置している。図8に示すように、搬送チェンH2の搬送往路の一部が伝動ケース22の右側面に沿って形成されているとしても、伝動ケース22の右側面は、搬送経路よりも右方に位置していない。即ち、伝動ケース22及び動力伝達機構30は、穀稈の搬送に対して、伝動ケース22が干渉することが無いように構成されており、伝動ケース22は、中央株元搬送機構BCの搬送経路における往路を横断しない位置に設けられている。
また、図7に示すように、伝動ケース22は、左掻込輪ST4と平行に設けられている。詳細には、伝動ケース22内部の伝動チェンH7の回転平面は、左掻込輪ST4の回転平面に平行である。更に、伝動チェンH7の回転平面は、左掻込ベルトBL4の回転平面及び中央株元搬送機構BCの搬送チェンH2の回転平面と平行であって、回転軸G4及び中搬送駆動軸48に直交している。
伝動ケース22は、鋼鉄材等の金属によって形成されている。伝動ケース22は、上側ケースと下側ケースとによって構成されている。これにより、伝動ケース22は、左右及び前後の側面とともに上面22a及び下面22bを含み、箱形状を有する。伝動ケース22は、支持フレーム85を含む刈取フレーム10に支持されるとともに、中搬送駆動軸48及び中搬送駆動ケース20を介して横伝動ケース13を含む刈取フレーム10に支持されている。即ち、中搬送駆動軸48を含む上部搬送駆動ケース21及び中搬送駆動ケース20、伝動ケース22、及び、支持フレーム85は、一つの強固な構造部材としての剛体を構成している。
そして、回転軸G4の下端部がこの強固な剛体における伝動ケース22に支持されるので、回転軸G4が安定して回転でき、更に、左掻込ベルトBL4及び左掻込輪ST4が安定して作動できる。また、左掻込ベルトBL4及び左掻込輪ST4を含む左側掻込機構R2Lの安定した作動を受けることによって、右側掻込機構R2Rが安定して作動できる。また、中央株元搬送機構BCについては、回転軸G4に支持される駆動スプロケットSv2が安定して回転できるので、搬送チェンH2の回転が安定する。このようにして、伝動ケース22を含む構造部材の構成によれば、中央掻込機構としての第二掻込機構Rk2と中央株元搬送機構BCとを安定して作動させることができる。
伝動ケース22の下面22bは、左掻込輪ST4に平行である。左掻込輪ST4の表面が下面22bに沿って配置されるように、左掻込輪ST4は、伝動ケース22の下面22bの直ぐ下方に設けられている。つまり、左掻込輪ST4と伝動ケース22の下面22bとの間には殆ど隙間があけられておらず、左掻込輪ST4と伝動ケース22の下面22bとの間の隙間は、例えば左掻込輪ST4の厚みよりも小さく、ベルトカバーBc4の厚みよりも小さい。従って、左掻込輪ST4の回転により、伝動ケース22の下面22bは左掻込輪ST4に付着する泥等をかき落とすことができる。即ち、伝動ケース22は、左掻込輪ST4のスクレーパとしての機能を果たすことができる。
また、伝動ケース22は、伝動ケース22の側面に沿って穀稈が搬送されるガイド機能を有しており、中央株元搬送機構UCにおいて穀稈の束が重なること防止している。よって、中央株元搬送機構UCにおける穀稈の搬送性能の安定化を図ることができる。
なお、伝動ケース22内の動力伝達の構成は、チェンH7及びスプロケットSp1・Sp2を含む構成に限定されず、ベルト及びプーリ、歯車若しくはスプラインが形成された軸同士が連結された構成、平歯車同士若しくは異なる複数種の歯車同士の噛み合いによって動力を伝達する構成、又は、これらのうちの少なくとも二つの組み合わせを用いた構成であってもよい。
図5に示すように、中央穂先搬送機構UCは、駆動プーリPv1、従動プーリPy1及びプーリPy2を含む。駆動プーリPv1は、中搬送駆動軸48の上端部に相対回転不能に固定されている。図7に示すように、中搬送駆動軸48は、伝動ケース22を貫通して上方に突出している。
中搬送駆動軸48のうちの伝動ケース22の下面を貫通して伝動ケース22に収容される部分には、動力伝達機構30の駆動スプロケットSp1が取り付けられている。更に、駆動スプロケットSp1が取り付けられた部分よりも上方の部分において、中搬送駆動軸48は、伝動ケース22の上面から上方に突出している。中搬送駆動軸48の当該突出端は、中央穂先搬送機構UCの下側フレーム91を貫通し、当該突出端部には、中央穂先搬送機構UCの駆動プーリPv1が相対回転不能に取り付けられている。中搬送駆動軸48の上端部と中間部との間の部分は、上部搬送駆動ケース21に収容されている。上部搬送駆動ケース21に収容された部分よりも上方の部分が下側フレーム91を貫通する。
回転軸G4は、中央株元搬送機構BCの上方において、ベルトカバーBc4に相対回転自在にベルトカバーBc4を貫通しており、この貫通した上端部に頭付ボルトが取り付けられている。一方、回転軸G4のうち、中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2が取り付けられた部分よりも下側には、動力伝達機構30の従動スプロケットSp2が相対回転不能に取り付けられている。従動スプロケットSp2は、伝動ケース22に収容されている。そして、従動スプロケットSp2が取り付けられた部分よりも下側の部分は、伝動ケース22から下方に突出している。更に、回転軸G4の下端には、左掻込輪ST4が相対回転不能に取り付けられている。即ち、回転軸G4は、中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2よりも下方において左掻込輪ST4を相対回転不能に支持している。
中央穂先搬送機構UCの従動プーリPy1は、駆動プーリPv1よりも後方において下側フレーム91及び上側フレーム92に相対回転自在に支持されている。また、中央穂先搬送機構UCのプーリPy2は、駆動プーリPv1よりも前方において下側フレーム91及び上側フレーム92に相対回転自在に支持されている。中央株元搬送機構BCの従動スプロケットSn2は、中央穂先搬送機構UCの従動プーリPy1よりも下方において、下側フレーム90a及び上側フレーム90bに相対回転自在に支持されている。
中央穂先搬送機構UCにおいて、駆動プーリPv1、従動プーリPy1及びプーリPy2の間には、突起付きの掻込ベルトBL8が巻き掛けられている。中央穂先搬送機構UCには、中搬送駆動軸48から駆動プーリPv1を介して動力が伝達される。
なお、中央穂先搬送機構UCにおいて、駆動プーリPv1は、搬送復路の一部を構成しており、搬送往路の終端部を引っ張るように作動する。このように、駆動プーリPv1の作動によって掻込ベルトBL8が緩むことが防止されているので、中央穂先搬送機構UCは、掻込ベルトBL8によって穀稈の穂先側を安定して穂先搬送装置Tまで搬送できる。
また、横伝動軸43の左端には、引起縦伝動軸46がベベルギヤを介して連結されている。引起縦伝動軸46は、引起縦伝動ケース16に収容されている。引起縦伝動軸46の上端には、ベベルギヤを介して引起横伝動軸47が連結されている。引起横伝動軸47は、引起横伝動ケース17に収容されている。
引起横伝動軸47には、ベベルギヤを介して複数の引起駆動軸59が連結されている。各引起駆動軸59には、ベベルギヤを介して引起タイン駆動軸57が連結されている。引起タイン駆動軸57は、引起駆動ケース18に挿入されている。引起タイン駆動軸57の下端は、引起駆動ケース18の下端部から突出している。
各引起タイン駆動軸57の下端部には、引起ケース61の引起タインS1,・・・,S6の駆動に用いられる駆動スプロケット58が固定されている。各駆動スプロケット58は、各タイン付チェン62の上部を巻回することによって支持する。タイン付チェン62には、それぞれ、引起タインS1,・・・,S6が取り付けられている。
横伝動軸43から引起縦伝動軸46、引起横伝動軸47、引起駆動軸59及び引起タイン駆動軸57を介して、各引起ケース61の駆動スプロケット58に動力が伝達される。引起縦伝動軸46の中途部には、引起変速機構60が組み込まれている。各引起ケース61の引起タインS1,・・・,S6の駆動速度は、引起変速機構60によって切り替えられる。また、横伝動軸43から取り出された動力は、刈刃33に伝達される。
掻込装置34によって後方に掻き込まれる穀稈C1〜C6は、刈刃33によって切断される。切断後の穀稈C1・C2、穀稈C3・C4、及び、穀稈C5・C6が、搬送装置35において互いに合流しつつ脱穀部4に搬送される。搬送装置35においては、穀稈C1〜C6の株元が下部搬送装置B、縦搬送装置V及び補助搬送装置Sによって搬送され、穂先が上部搬送装置U及び穂先搬送装置Tによって搬送される。
次に、中央掻込機構としての第二掻込機構Rk2の左側掻込機構R2Lの回転について、図7,図9を用いて説明する。
伝動ケース22及び動力伝達機構30は、中搬送駆動軸48を中心にして、刈取フレーム10(図4参照)に対して回転可能に構成されている。また、左側掻込機構R2Lは、伝動ケース22及び動力伝達機構30が中搬送駆動軸48を中心にして回転することに伴って、前延フレーム87とともに支持フレーム85を含む刈取フレーム10に対して回転できるように構成されている。
図7に示すように、左側掻込機構R2Lにおいて、前延フレーム87は、ベルトカバーBc4、小径プーリPs4及び左掻込ベルトBL4を上方に向けて強固に支持している。左側掻込機構R2Lは、伝動ケース22を介して、中搬送駆動ケース20及び支持フレーム85を含む刈取フレーム10に支持されている。前延フレーム87は、回転軸G4を支持する伝動ケース22とベルトカバーBc4との間に設けられて、これらに接続されている。
回転軸G4は、伝動ケース22に相対回転自在に支持されている。伝動ケース22の天井側と底面側とにそれぞれ設けられた軸受121・122の外輪が伝動ケース22に支持されている。回転軸G4には、軸受121の内輪と軸受122の内輪とが支持されている。伝動ケース22は、図示しないロック機構を介して支持フレーム85に固定されることにより、刈取フレーム10に下方から支持されている。
中搬送駆動軸48の上側の一部を収容する上部搬送駆動ケース21は、中央穂先搬送機構UCの下側フレーム91と伝動ケース22とに接続されている。伝動ケース22は、支持フレーム85によって下方から支持されている。これら支持フレーム85、中搬送駆動ケース20、中搬送駆動軸48、伝動ケース22、ベルトカバーBc4及び前延フレーム87は、一つの剛体として、中央株元搬送機構BCと左側掻込機構R2Lとを支持している。
中央株元搬送機構BCと中央穂先搬送機構UCとの間には、支持パイプ23が設けられている。支持パイプ23は、中央穂先搬送機構UCの下側フレーム91と、中央株元搬送機構BCの上側フレーム90bとに接続されている。中央穂先搬送機構UCは、中搬送駆動軸48及び上部搬送駆動ケース21に加えて、支持パイプ23を介して、中央株元搬送機構BCの上側フレーム90bに支持されている。
中央株元搬送機構BCの上側フレーム90bには、支持パイプ23の下端部が固定されている。中央穂先搬送機構UCの下側フレーム91には、支持パイプ23の上端部が固定されている。
伝動ケース22は、中搬送駆動軸48に対して回転可能に構成されている。伝動ケース22の天井側に設けられた軸受123の外輪と、底面側に設けられた軸受124の外輪とが伝動ケース22に支持されている。また、軸受123の内輪と軸受124の内輪とが、中搬送駆動軸48に支持されている。これにより、伝動ケース22及び動力伝達機構30は、中搬送駆動軸48に対して回転できる。
伝動ケース22及び動力伝達機構30の回転と同時に、回転軸G4を含む左側掻込機構R2Lが回転する。このように、伝動ケース22、動力伝達機構30、及び、ベルトカバーBc4と回転軸G4とを含む左側掻込機構R2Lは、支持フレーム85に対して一体となって回転できる。更に、回転軸G4及び左側掻込機構R2Lの回転に伴って、回転軸G4に取り付けられた駆動スプロケットSv2が中搬送駆動軸48回りに回転することにより、中央株元搬送機構BCも回転できる。
伝動ケース22及び動力伝達機構30は、手動によって回転できる。例えば、伝動ケース22の左側面に、図示しない操作レバー及び上述のロック機構が設けられている。オペレータが操作レバーを操作すると、ロック機構による伝動ケース22の回転の制限が解除される。これにより、伝動ケース22及び動力伝達機構30は、中搬送駆動軸48に対して自由に回転できる状態に移行する。
そして、オペレータが伝動ケース22を押し引きすることにより、伝動ケース22及び動力伝達機構30が回転する。更に、伝動ケース22及び動力伝達機構30の回転により、回転軸G4の移動とともに左側掻込機構R2Lが中搬送駆動軸48回りに回転する。このように、伝動ケース22及び動力伝達機構30が中搬送駆動軸48を中心にして回転することに伴って、ベルトカバーBc4、左掻込輪ST4、大径プーリPl4、小径プーリPs4、及び、左掻込ベルトBL4を含む左側掻込機構R2Lが、前延フレーム87とともに支持フレーム85を含む刈取フレーム10に対して回転できる。
図9(A)に示すように、コンバイン1が穀稈を掻き込むように作動する場合には、左掻込輪ST4のピッチ円P1と右掻込輪ST3のピッチ円P2とが接しており、両ピッチ円P1・P2間に隙間が生じていない(即ち、隙間Gaが零である)。これにより、左掻込輪ST4の回転を受けて右掻込輪ST3が回転できる。
一方、図9(B)に示すように、左側掻込機構R2Lの回転により、両ピッチ円P1・P2間に所定の隙間Gbが生じるように、第二掻込機構Rk2において右側掻込機構R2Rに対して左側掻込機構R2Lを離すことができる。また、回転軸G4とともに中央株元搬送機構BCの駆動スプロケットSv2が回転することにより、搬送チェンH2(図6参照)の搬送始端部と右側株元搬送機構BRとの間隔を広げることができる。そのため、第二掻込機構Rk2において各掻込機構の間に詰まった穀稈を容易に取り除くことができる。
或いは、伝動ケース22と動力伝達機構30と左側掻込機構R2Lとを回転させる動力として、図示しない電動モータ、エンジン9等を用いることにしてもよい。
例えば、伝動ケース22及び動力伝達機構30を回転させるモータの駆動軸が、伝動ケース22に連結されている。このモータの回転によって、中搬送駆動軸48に対して伝動ケース22及び動力伝達機構30が回転する。
なお、中央穂先搬送機構UCについては、中央株元搬送機構BCとともに回転する構成であってもよく、中央株元搬送機構BCの回転によっても回転しない構成であってもよい。例えば、支持パイプ23の下端部は、図示しないロック機構を介して中央株元搬送機構BCの上側フレーム90bに固定されている。伝動ケース22及び動力伝達機構30を回転させる場合に、このロック機構による固定を解除することにより、上側フレーム90bに対する支持パイプ23の下端部の固定を解消できる。これにより、中央株元搬送機構BCの回転とは別に、中央穂先搬送機構UCは、元の位置に留まることができる。
なお、コンバイン1は、引起装置31が回転可能に構成されている。引起横伝動ケース17を中心にして、引起駆動ケース18及び引起ケース61が上方に向かって回転する。
引起駆動ケース18及び引起ケース61の回転については、6条分すべてが回転する構成であってもよく、左端の引起駆動ケース18及び引起ケース61と、右端の引起駆動ケース18及び引起ケース61とを除く4条分が回転する構成であってもよい。
或いは、引起装置31において左端部又は右端部の何れかに設けられた上下方向を向いた軸を中心にして、引起駆動ケース18及び引起ケース61が回転する構成でもよい。又は、引起装置31には、引起タインS1と引起タインS6との間の何れかの位置において観音開きの構成が設けられていてもよい。
引起装置31の回転に伴って、掻込装置34をコンバイン1の正面において露出させることにより、オペレータは、上述のように下部搬送装置B、掻込装置34等の穀稈の詰まりを解消できる。
次に、出力機構50のうちの中間軸38に設けられたトルクリミッタ140について、図10〜図12を用いて説明する。
上述のように、横伝動ケース13に収容される横伝動軸43には、縦伝動ケース12に収容される縦伝動軸42から動力が伝達される(図4,5参照)。図10に示すように、横伝動ケース13は、左側ケース13a及び右側ケース13bを含む。縦伝動ケース12には、割パイプ継手113が接続されている。割パイプ継手113の左右には、それぞれ左側ケース13a及び右側ケース13bが接続されている。上述のベベルギヤ37a及びベベルギヤ37b(何れも図5参照)は、割パイプ継手113に収容されている。
割パイプ継手113の上面には、複数のボルトによって収容ケース130が取り付けられている。収容ケース130は、ベルトケース131とベルトカバー132とを含む。ベルトカバー132は、ベルトケース131の上方を覆う。上述の駆動プーリ39a、伝動ベルトBL9及び従動プーリSn9(何れも図5参照)は、ベルトケース131とベルトカバー132とによって囲まれる空間に収容されている。
図12に示すように、ベルトケース131の底面137には、中間軸38が貫通する軸孔138が形成されている。中間軸38の下端部38cは、割パイプ継手113内部において横伝動軸43(図5参照)に連結されている。下端部38cに相対回転不能に取り付けられたベベルギヤ37bには、横伝動軸43の中間部に相対回転不能に取り付けられたベベルギヤ37a(図5参照)が噛み合わされている。中間軸38は、軸孔138を通ってベルトケース131内部に露出する。そして、中間軸38の途中部の外周に、駆動プーリ39aを含むボス付プーリ39が取り付けられている。
軸孔138には、ラジアル軸受145の外輪が支持されている。軸孔138には、凹溝146が形成されており、凹溝146に軸受145の外輪が嵌め込まれる。また、軸受145の下方への移動を制限する止め輪147が、軸受145の下方に設けられている。軸受145の内輪は、中間軸38に支持されている。従って、横伝動軸43から動力を受ける中間軸38は、ベルトケース131に対してベベルギヤ37bとともに自由に回転できる。
図10に示すように、収容ケース130のうちのベルトカバー132の上面には、中搬送駆動ケース20の下端部を構成する筒状部134が形成されている。ベルトカバー132の上面から前斜め上方に延出される筒状部134内部には、中搬送駆動軸48が収容されている。中搬送駆動軸48の下端部は、ベルトケース131内部に配置され、この下端部に伝動ベルトBL9が巻き掛けられる従動プーリSn9(何れも図5参照)が相対回転不能に取り付けられている。
中搬送駆動軸48は、収容ケース130に対して自由に回転できる。ベルトケース131の図示しない底面には、軸受(図示せず)の外輪が支持される凹部が形成されており、この軸受の内輪が中搬送駆動軸48の下端部に支持されている。また、この軸受の上方に従動プーリSn9が設けられており、従動プーリSn9の上方に別の軸受(図示せず)が設けられている。上方の軸受の内輪は中搬送駆動軸48の途中部に支持されており、ベルトカバー132の図示しない天井面には、この軸受の外輪が支持される凹部が形成されている。
図11に示すように、ベルトカバー132には、軸孔136が形成されている。軸孔136は、ベルトカバー132内部の天井面から上面135までを貫通している。軸孔136と筒状部134とは、ベルトカバー132において左右に並んで形成されている。軸孔136からベルトカバー132の上方には、中間軸38とともにボス付プーリ39が突出している。これらの各突出端部は、トップカバー133(図10参照)によって覆われている。トップカバー133は、複数のボルトによって着脱自在にベルトカバー132の上面135に取り付けられている(図10及び図11参照)。
中間軸38においてベルトカバー132の上方に突出した突出端部には、トルクリミッタ140が設けられている。より具体的には、中間軸38の突出端部には、ボス付プーリ39の突出端部としての上端部39d及びシヤーピン141によって構成されるトルクリミッタ140が設けられている。そして、シヤーピン141、中間軸38の突出端部及びボス付プーリ39の突出端部は、トップカバー133によって覆われている。即ち、トップカバー133は、割パイプ継手113から前斜め上方(詳細には、割パイプ継手113から収容ケース130の前斜め上方)に突出した中間軸38の突出端部及びボス付プーリ39の上端部39dと、トルクリミッタ140とを覆う。
略円筒形状を有するボス付駆動輪としてのボス付プーリ39は、中間軸38とともに一体として回転できるように、中間軸38の外周に設けられている。図12に示すように、ボス付プーリ39は、中間軸38が貫通する軸孔39bを有するとともに、円盤状の駆動プーリ39aを含む。ボス付プーリ39の軸芯が中間軸38の軸芯C38に略一致するように、中間軸38の外周に沿ってボス付プーリ39が取り付けられる。伝動ベルトBL9(図5参照)が巻き掛けられる駆動プーリ39aは、ボス付プーリ39の下部にこれに一体として形成されている。
駆動プーリ39aが形成された部分よりも上方のボス部39cには、ラジアル軸受142の内輪が支持されている。軸受142の外輪は、ベルトカバー132に相対回転不能に支持される。即ち、ボス付プーリ39は、ベルトカバー132に相対回転可能に支持されている。また、軸受142の上方において、ボス部39cには、スラスト軸受143が取り付けられる。
ボス付プーリ39の上端部39dには、ピン孔39eと凹部39fとが形成されている。ピン孔39eは、ボス付プーリ39の軸芯(即ち、中間軸38の軸芯C38)を通って、ボス部39cの二箇所を貫通する。凹部39fは、上端部39dの外表面が内側に向かって窪むように切削されることによって形成されている。凹部39fは、上端部39dの外周に沿って略円形状に形成されており、ピン孔39eは、ボス付プーリ39の軸芯に直交して、凹部39fを横切っている。
中間軸38を貫通させる軸孔39bは、ボス付プーリ39の上端から下端まで形成されている。中間軸38は、軸孔39bを通ってボス付プーリ39を上下に貫通している。中間軸38の上端は、ボス付プーリ39の上端よりも上方に位置する。中間軸38の突出端部としての上端部38aには、ピン孔38bが形成されている。ピン孔38bは、中間軸38の軸方向に直交して軸芯C38を通り、中間軸38を貫通する。
中間軸38のピン孔38bとボス付プーリ39のピン孔39eとにシヤーピン141が挿入されることによって、中間軸38の上端部38aにトルクリミッタ140が設けられる。シヤーピン141は、ボス付プーリ39の上端部39dと、中間軸38の上端部38aとを貫通する。このような構成によって、中間軸38と中搬送駆動軸48と伝動ベルトBL9とを含む出力機構50(図5参照)のうち、中間軸38にトルクリミッタ140が設けられている。
また、中間軸38のピン孔38bとボス付プーリ39のピン孔39eとにシヤーピン141が挿入されることにより、ボス付プーリ39は中間軸38とともに一体として回転できる。ボス付プーリ39と中間軸38とが一体として回転することにより、図5に示すように、横伝動軸43から伝動ベルトBL9を介して中搬送駆動軸48に動力が伝達される。軸孔39bを通って中間軸38が貫通したボス付プーリ39のうちの駆動プーリ39aは、伝動ベルトBL9とともに収容ケース130に収容されている。
図12に示すように、シヤーピン141の脱落防止のために、ボス付プーリ39の凹部39fに止め輪144が取り付けられている。以下のように、シヤーピン141の交換等の場合には、止め輪144をボス付プーリ39の外周から取り外したうえで、シヤーピン141をピン孔38b・39eから引き抜くことができる。図11においては、シヤーピン141の図示のために、止め輪144の図示を便宜的に省略している。
トルクリミッタ140の作動としては、以下の通りである。中央株元搬送機構BC又は第二掻込機構Rk2に(何れも図6参照)において穀稈の詰まり等が発生する場合には、中央株元搬送機構BC又は第二掻込機構Rk2に所定量以上の負荷が掛かる。このような場合に、搬送チェンH2(図6参照)の回転が低下することによって、中搬送駆動軸48(図5参照)及びボス付プーリ39の回転が、横伝動軸43(図5参照)から動力を受ける中間軸38の回転に対して遅くなる。つまり、中間軸38からの入力トルクに対してボス付プーリ39の回転が制限される。これにより、中間軸38の上端部38aとボス付プーリ39の上端部39dとの相対回転を制限しているシヤーピン141に、せん断力が掛かる。そのうえで、シヤーピン141に耐荷重以上のせん断力が掛かると、シヤーピン141が破断して、ボス付プーリ39に対して中間軸38が空転する。
ボス付プーリ39に対する中間軸38の回転により、ボス付プーリ39及び伝動ベルトBL9の回転トルクが失われるため、中搬送駆動軸48への動力の伝達が遮断される。このようにして、トルクリミッタ140は、中央株元搬送機構BC又は第二掻込機構Rk2に所定量以上の負荷が掛かる場合に、中央株元搬送機構BC及び中央掻込機構としての第二掻込機構Rk2(図6参照)への動力の伝達を遮断する。
コンバイン1の刈取部3においては、トップカバー133をベルトカバー132の上面135から取り外すことによって、シヤーピン141の交換を含めてトルクリミッタ140について容易にメンテナンスできる。上述のように、トップカバー133は、中間軸38の突出端部としての上端部38a、筒状回転体の突出端部としての上端部39d及びシヤーピン141を覆っている。トップカバー133が図11に示すように取り外された状態においては、中間軸38の上端部38a(図12参照)及びボス付プーリ39の上端部39dが、収容ケース130から露出している。また、これらの上端部38a・39dに形成されたピン孔38b・39eには、シヤーピン141が貫通している。そして、ボス付プーリ39の凹部39fに嵌め込まれた止め輪144を取り外すことによって、収容ケース130から外部にシヤーピン141が露出した状態で、シヤーピン141をピン孔38b・39eから容易に引き抜くことができる。
なお、中間軸38に設けられるトルクリミッタ140としては、シヤーピン141を用いた構成に限定されず、オーバーランニングクラッチの機構を備えたクラッチ等、トルクリミッタに用いられる公知の他の構成であってもよい。トップカバー133は、このようなトルクリミッタを覆う構成であればよい。
本発明のコンバイン1の刈取部3の構成は、5条刈又は7条刈の構成にも適用可能である。具体的には、5条刈用の刈取部については、一つの中央掻込機構に動力を伝達する構成に適用することができる。一方、7条刈りの刈取部については、三つの中央掻込機構のうち、二つの中央株元搬送機構に連結される各掻込機構に動力を伝達する構成のうちの何れか一方又は両方に適用することができる。