JP6526982B2 - ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、ヒステリシス特性を有する直動型の摩擦機構に関し、例えばドライバのペダル踏み込みをアシストするブレーキアクチュエータのプッシュロッド等、直動する移動部材の制動に好適なダンパに関する。
特許文献1には、一対のカムを含むダンパのヒステリシス特性を利用して、アクセルペダルの踏み込みに適度な負荷を与えるとともに、アクセルペダルをほぼ一定の位置に保持しているときのドライバの足にかかる負担を低減するアクセルペダルユニットが記載されている。
このアクセルペダルユニットにおいては、アクセルペダルアームの回転が、リンク部材等からなる伝達機構を介してダンパの回転軸に伝達され、これにより、アクセルペダルアームの双方向の回転が制動される。具体的には、リンク部材の回転によりダンパの回転軸が回転するように、リンク部材の一端がダンパの回転軸に固定される。一方、アクセルペダルアームには、アクセルペダルアームの回転軸を挟んでアクセルペダルの反対側の端部に係合部材が固定され、この係合部材がリンク部材にスライド可能に保持される。これにより、アクセルペダルアームが回転すると、リンク部材を介して、アクセルペダルアームの回転方向に応じた方向にダンパの回転軸が回転し、ダンパのヒステリシス特性により、アクセルペダルの踏み込み時には適度な負荷が与えられ、アクセルペダルの復帰時には負荷が軽減する(段落0071〜0084、図13〜図19等)。
特開2002−12052号公報
ところで、自動車のブレーキ等において、ペダル踏み込み時にはドライバの足に適度な負荷が与えられる一方でペダル保持中にはドライバの足にかかる負荷が低減するというペダル操作感を実現しようとすれば、上記従来のアクセルペダルユニットのダンパと同様なダンパを組み込んだ特別なブレーキペダルユニットを自動車に搭載する必要がある。例えば、ドライバのペダル踏み込みをアシストするブレーキアクチュエータのプッシュロッド側から、要求されるペダル操作感に応じたヒステリシス特性を有する制動力をブレーキペダルアームに与えることができれば、任意に選択した汎用のブレーキペダルアームをプッシュロッドに連結するだけで、要求されるペダル操作感を安定に実現することができる。
ところが、上記従来のアクセルペダルユニットに組み込まれたダンパは、アクセルペダルアームの双方向の回転を制動するものであるため、ブレーキアクチュエータのプッシュロッドのような、軸心に沿ってある程度のストロークを往復移動する移動部材の制動にそのまま適用することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸心に沿って往復移動する移動部材を、ストローク全域に渡って、ヒステリシス特性を有する制動力で制動可能なダンパを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、移動部材の変位量に応じた弾性力で摩擦部材をネジ部材の摺動領域に押し当てながら、軸心に沿った移動部材の往復運動をネジ部材の回転運動に変換する。
例えば、本発明に係るダンパは、
軸心に沿って移動する移動部材を制動するダンパであって、
前記移動部材が前記軸心の方向に挿入される、当該移動部材を前記軸心周りに囲む内壁面に第一のネジ部が形成された筒状のハウジングと、
前記第一のネジ部にかみ合う第二のネジ部が形成された外周面と、第一の摺動領域が形成された第一の端面と、前記第一の端面の反対側に位置する、第二の摺動領域が形成された第二の端面と、を有し、前記移動部材の移動に応じて、前記ハウジングの内部を、前記移動部材とともに当該移動部材の軸心に沿って往復移動するネジ部材と、
前記ネジ部材の第一の摺動領域に対向する摺動面を有し、前記移動部材の移動に応じて、前記ハウジングの内部を、前記ネジ部材とともに前記移動部材の軸心に沿って往復移動する第一の摩擦部材と、
前記第一のネジ部のピッチの方向への前記移動部材の変位量に応じた弾性力で前記第一の摩擦部材の摺動面を前記ネジ部材の第一の摺動領域に押し当てる弾性体と、
前記弾性体により前記第一の摩擦部材とともに付勢された前記ネジ部材の第二の摺動領域が押し当てられる摺動面を有し、前記ハウジングの内部を、前記ネジ部材とともに前記移動部材の軸心に沿って往復移動する第二の摩擦部材と、を備え、
前記ネジ部材は、前記移動部材の移動に応じて、前記ハウジングの第一のネジ部と前記第二のネジ部とのかみ合いにより回転して前記第一および第二の摺動領域をそれぞれ前記第一および第二の摩擦部材の摺動面と摺動させながら、前記ハウジングの内部を往復移動する。
本発明によれば、移動部材の往復運動がネジ部材の回転運動に変換されるとともに、移動部材の変位量に応じた弾性力で摩擦部材の摺動面が、回転するネジ部材の摺動領域に押し当てられるため、移動部材のストローク全域において、移動部材に、ヒステリシス特性を有する制動力(往路と復路とにおいて大きさの異なる反力)を与えることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るダンパ1が組み込まれた電動ブレーキアクチュエータのプッシュロッド9にブレーキペダルアーム101が取り付けられている状態の概略図である。 図2は、プッシュロッド9を含めたダンパ1の部品展開図である。 図3(A)は、プッシュロッド9の正面図であり、図3(B)および図3(C)は、図3(A)のA−A断面図およびB−B断面図であり、図3(D)は、プッシュロッド9の右側側面図である。 図4(A)は、ハウジング2の側面図であり、図4(B)は、図4(A)のC−C断面図であり、図4(C)は、図4(A)のD−D断面図である。 図5(A)は、摩擦部材5A、5Bの正面図であり、図5(B)は、図5(A)のE−E断面図である。 図6(A)は、回転ネジ部材6の正面図であり、図6(B)は、図6(A)のF−F断面図である。 図7(A)は、ブレーキペダルが踏み込まれていない状態(初期状態)の制動機構収容室20内における摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6の位置を説明するための概略図であり、図7(B)は、ブレーキペダル踏み込み時の制動機構収容室20内における摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6の位置を説明するための概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。なお、本実施の形態では、ブレーキペダルの踏み込みをアシストする電動ブレーキアクチュエータに組み込まれるダンパ1を一例に挙げる。
図1は、本実施の形態に係るダンパ1が組み込まれた電動ブレーキアクチュエータのプッシュロッド9にブレーキペダルアーム101が取り付けられている状態の概略図であり、図2は、ダンパ1が制動する移動部材の一例であるプッシュロッド9を含めたダンパ1の部品展開図である。
図示するように、本実施の形態に係るダンパ1は、ブレーキペダルが受けた踏力をブレーキシリンダ内のピストンに伝達するプッシュロッド9をこのプッシュロッド9の軸心Oに沿って往復可能に支持する直動型のダンパであり、例えば、一方のロッド挿入口21から他方のロッド挿入口22に向けてプッシュロッド9がその軸心O方向に挿入されるハウジング(ケース3とカバー7との組立て体)2と、ハウジング2に収容され、ヒステリシス特性を有する制動力でプッシュロッド9に制動する制動機構8と、を有している。
ここで、ハウジング2は、ネジ部31が形成された内壁32でプッシュロッド9の一部(後述のシャフト部94)の外周面97を軸心O周りに囲む中空筒状の底付きケース3と、このケース3の開口部30をふさぐカバー7と、を有しており、その内部には、制動機構8の収容空間として、ケース3の内壁32および底部34とカバー7の裏面(ケース3側に向けられる面)70とに囲まれた円柱状の室(以下、制動機構収容室)20が形成されている。
一方、制動機構8は、プッシュロッド9とともに制動機構収容室20の軸心O1に沿って往復移動しながら、ケース3の内壁32のネジ部31とのかみ合いにより制動機構収容室20の軸心O1周りに回転する回転ネジ部材6と、回転ネジ部材6のいずれかの端面(カバー7側およびケース3の底部34側に向けられる平坦な面60)内の摺動領域60A、60Bに対向するように配置され、回転する回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bおよび一方の面(後述の摩擦部材本体50の摺動面53)を摺動させながら回転ネジ部材6とともに往復移動する2枚の摩擦部材(回転ネジ部材6に対してカバー7側に配置された摩擦部材5A、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5B)と、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5Bとケース3の底部34との間に配置され、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53が回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bに押し当てられるように、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間に挟み込まれた回転ネジ部材6を一体としてカバー7側に付勢する弾性体4と、を備えている。なお、弾性体4は、適当な弾性係数を有し、プッシュロッド9のストローク全域において2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6をカバー7に向けて一体として付勢できるものであればよいが、本実施の形態では、弾性体4として1本のコイルスプリング40を備える場合を例示している。
このような構成を有するダンパ1を、プッシュロッド9に連動して制動機構8が作動するように電動ブレーキアクチュエータに組み込むことにより、ブレーキペダルの踏み込みに応じて制動機構収容室20の軸心O1方向に往復移動するプッシュロッド9を、そのストローク全域に渡って、要求されるペダル操作感に応じたヒステリシス特性を有する制動力で制動することができる。以下、制動対象のプッシュロッド9と、このダンパ1の構成する各部(ハウジング2および制動機構8)とについてそれぞれ詳細に説明する。
(1)プッシュロッド9
図3(A)は、プッシュロッド9の正面図であり、図3(B)および図3(C)は、図3(A)のA−A断面図およびB−B断面図であり、図3(D)は、プッシュロッド9の右側側面図である。
図示するように、プッシュロッド9には、一方の端面91側から順に、電動ブレーキアクチュエータのブレーキシリンダ内のピストンを駆動するピストン駆動部93、ダンパ1の制動機構8を作動させる円柱状のシャフト部94、および、ブレーキペダルアーム101が連結されるペダルアーム連結部95、が一体的に形成されている。このプッシュロッド9は、例えばピストン駆動部93側からハウジング2の一方のロッド挿入口21に挿入され、ハウジング2の他方のロッド挿入口22からピストン駆動部93が突き出す位置(図1参照)まで制動機構収容室20の内部に挿入される。
ピストン駆動部93は、ブレーキシリンダ内のピストン後端面に向けてハウジング2の他方のロッド挿入口22からハウジング2の外部(制動機構収容室20の外部)に突き出している。ブレーキペダルの踏み込みによってプッシュロッド9がブレーキシリンダに向かって移動(前進)すると、このピストン駆動部93の先端面(プッシュロッド9の一方の端面)91がピストン後端面に突き当てられてブレーキシリンダ内でピストンが前進する。なお、このピストン駆動部93は、ブレーキシリンダ内のピストン後端面への突き当てに適した任意の形状(例えば円柱形状)を有していればよい。
シャフト部94は、少なくとも一部が制動機構収容室20の内部に収容され、制動機構収容室20において制動機構8の内部(回転ネジ部材6に対してカバー7側に配置されている一方の摩擦部材5Aに形成された後述のロッド挿入穴52、回転ネジ部材6に形成された後述のロッド挿入穴63、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置されている他方の摩擦部材5Bに形成された後述のロッド挿入穴52、コイルスプリング40の内部)に挿入されている。
このシャフト部94の外周面97には、プッシュロッド9の両端面91、92からの距離L1、L2がいずれも、ブレーキペダルの踏み代に応じて定まるプッシュロッド9の最大ストロークよりも長い位置に、環状のフランジ96が形成されている。このフランジ96は、摩擦部材5A、5Bのロッド挿入穴52の内部を通過できないように、摩擦部材5A、5Bのロッド挿入穴52の内径R7よりも大きな外径R2を有している。したがって、ハウジング2の他方のロッド挿入口22から所定の距離の位置にピストン駆動部93が到達する位置までプッシュロッド9が制動機構収容室20に挿入されると、回転ネジ部材6に対してカバー7側に配置された摩擦部材5Aの他方の面(後述の摩擦部材本体50の摺動面53の反対側の面:以下、裏面)54にフランジ96の一方の面(押圧面)961が当接する。ブレーキペダルの踏み込みによって、プッシュロッド9がさらにブレーキシリンダに向かって移動(図7(A)に示した方向α)すると、ブレーキシリンダに向かう方向の力がフランジ96から一方の摩擦部材5Aの裏面54に与えられるため、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間に挟み込まれた回転ネジ部材6は、一体として、コイルスプリング40を圧縮しながら、ケース3の底部34に向かって制動機構収容室20の軸心O1方向に移動する。このとき、回転ネジ部材6が、その両側に配置された摩擦部材5A、5Bの摺動面53から、コイルスプリング40の弾性力に応じた垂直荷重を受けながら制動機構収容室20の軸心O1周りに回転するため、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bと2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53との間には、回転ネジ部材6の回転を妨げる摩擦抵抗が発生する。
ペダルアーム連結部95は、ブレーキペダルアーム101に向かってハウジング2の一方のロッド挿入口21からハウジング2の外部(制動機構収容室20の外部)に突き出している。このペダルアーム連結部95は、例えば円柱形状を有しており、その端面(プッシュロッド9の他方の端面)92には、ブレーキペダルアーム101を回転自在に保持するクレビスジョイント100を固定するためのネジ穴951が形成されている。例えば、クレビスジョイント100にナット104で固定されたボルト103をこのネジ穴951にねじ込み、さらにこのボルト103とナット105とを締結することにより、ブレーキペダルアーム101がプッシュロッド9に回転自在に連結される(図1参照)。これにより、ブレーキペダルアーム101が回転軸102周りに双方向に回転すると、ブレーキペダルアーム101に連動して、プッシュロッド9がその軸心Oに沿って往復移動する。
(2)ハウジング2
上述したように、ハウジング2は、ケース3およびカバー7を有し、これらの組み立てにより制動機構収容室20を形成する。
図4(A)は、ハウジング2の側面図であり、図4(B)は、図4(A)のC−C断面図であり、図4(C)は、図4(A)のD−D断面図である。
図示するように、ケース3は、プッシュロッド9の一方の端面91からフランジ96の押圧面961までの距離L1より短く、かつ、プッシュロッド9の最大ストロークよりも長い底付き中空筒形状を有しており、その開口部30の内周にはネジ部33が形成されている。一方、カバー7は円板形状を有しており、その外周には、ケース3の開口部30の内周に形成されたネジ部33に締結されるネジ部73が形成されている(図2参照)。ケース3の開口部30にカバー7を装着して、カバー7のネジ部73とケース3の開口部30のネジ部33とを締結することにより、ハウジング2の内部には制動機構収容室20が形成される。これにより形成される制動機構収容室20の内部には、プッシュロッド9の最大ストロークに対応する距離の可動領域が制動機構収容室20の軸心O方向に確保されており、また、少なくともフランジ96の押圧面961がハウジング2の一方のロッド挿入口21の位置に到達したときには、ピストン駆動部93がハウジング2の他方のロッド挿入口22から制動機構収容室20の外部に突き出すようにプッシュロッド9を挿入することができる。
カバー7の中央領域には、ハウジング2の一方のロッド挿入口21として、制動機構収容室20の軸心O1が通過する位置に、プッシュロッド9のピストン駆動部93が通過可能な大きさの貫通穴(ピストン駆動部93が円柱状である場合には、ピストン駆動部93の外径R1よりも大きな内径を有する貫通穴)72が形成されている。同様に、ケース3の底部34の中央領域にも、ハウジング2の他方のロッド挿入口22として、制動機構収容室20の軸心O1が通過する位置に、プッシュロッド9のピストン駆動部93が通過可能な大きさの貫通穴(ピストン駆動部93が円柱状である場合には、ピストン駆動部93の外径R1よりも大きな内径R4を有する貫通穴)35が形成されている。このため、プッシュロッド9の軸心Oを制動機構収容室20の軸心O1に位置合わせしながら、このプッシュロッド9を、ピストン駆動部93側からハウジング2の一方のロッド挿入口21(カバー7の貫通穴72)に制動機構収容室20の軸心O1方向に挿入するだけで、このプッシュロッド9を、そのピストン駆動部93がハウジング2の他方のロッド挿入口22(ケース3の底部34の貫通穴35)から制動機構収容室20の外部に突き出すように制動機構収容室20に挿入することができる。
また、ケース3の内壁32には、制動機構収容室20のほぼ軸心O1方向全長に渡って、要求されるペダル操作感等に応じて定めた条数のネジ部31が形成されている。後述するように、回転ネジ部材6は、その外周62に形成されたネジ部61がケース3の内壁32のネジ部31とかみ合うように制動機構収容室20内に配置される。このため、回転ネジ部材6は、制動機構収容室20の軸心O1方向の外力を受けると、制動機構収容室20の軸心O1に沿って往復移動しながら、外周62のネジ部61とケース3の内壁32のネジ部31とのかみ合いによって制動機構収容室20の軸心O1周りに回転する。
さらに、ケース3の内壁32には、制動機構収容室20の軸心O1に沿って、ネジ部31の谷よりも深い複数(例えば3本)のガイド溝36が形成されている。これらのガイド溝36は、例えば、制動機構収容室20の軸心O1周りに所定の角度おきに配列されている。
これらのガイド溝36には、2枚の摩擦部材5A、5Bに設けられている後述のガイド突起部51が、それぞれ、制動機構収容室20の軸心O1方向に摺動可能に収容される。これにより、2枚の摩擦部材5A、5Bは、制動機構収容室20の軸心O1周りの回転運動が拘束された状態、つまり、それらの間に挟み込まれた回転ネジ部材6の回転によるつれ回りを阻止された状態で制動機構収容室20の軸心O1に沿って案内される。このため、回転ネジ部材6の回転により、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bが2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53に摺動する。
また、ケース3の底部34には、貫通穴35を囲む環状のスプリングガイド溝37が形成されている。ケース3にコイルスプリング40が挿入される際、コイルスプリング40の一方の端部41が、このスプリングガイド溝37にはめ込まれて固定される。
なお、ケース3の外周には、必要に応じて、例えば、電動ブレーキアクチュエータのハウジング等にダンパ1を固定するためのフランジ35等が形成される。
(3)制動機構8
上述したように、制動機構8は、回転ネジ部材6、2枚の摩擦部材5A、5B、およびコイルスプリング40を備えており、これらの作動により、ヒステリシス特性を有する制動力をプッシュロッド9に与える。
図6(A)は、回転ネジ部材6の正面図であり、図6(B)は、図6(A)のF−F断面図である。
回転ネジ部材6は、制動機構収容室20の軸心O1方向全長よりも少なくともプッシュロッド9の最大ストローク分短い円筒形状を有しており、その外周62には、ケース3の内壁32のネジ部31に対応するネジ部61が形成されている。また、この回転ネジ部材6の両端面60内には平坦な摺動領域60A、60Bが形成されている。
この回転ネジ部材6は、一方の摺動領域60Aをカバー7側、他方の摺動領域60Bをケース3の底部34側に向けた状態で、外周62のネジ部61がケース3の内壁32のネジ部31とかみ合うように制動機構収容室20内に配置される。このため、回転ネジ部材6は、制動機構収容室20の軸心O1方向の外力を受けると、この外力の方向(ケース3の底部34またはカバー7に向かう方向)に移動しながら、移動方向により定まる回転方向(ネジ部31の巻き方向またはその逆方向)にスムーズに回転する。回転ネジ部材6の回転により、回転ネジ部材6の一方の摺動領域60Aが摩擦部材5Aの摺動面53と摺動するため、回転ネジ部材6の一方の摺動領域60Aと摩擦部材5Aの摺動面53との間には、両者間の摩擦係数と、圧縮されたコイルスプリング40の弾性力に応じた摩擦抵抗が作用する。同様に、回転ネジ部材6の他方の摺動領域60Bと摩擦部材5Bの摺動面53との間にも、両者間の摩擦係数と、圧縮されたコイルスプリング40の弾性力に応じた摩擦抵抗が作用する。
また、この回転ネジ部材6には、プッシュロッド9のシャフト部94が相対回転可能に挿入されるロッド挿入穴63として、制動機構収容室20の軸心O1が両摺動領域60A、60Bを通過する位置に、プッシュロッド9のピストン駆動部93が通過可能な大きさの貫通穴(ピストン駆動部93が円柱状である場合には、ピストン駆動部93の外径R1よりも大きな内径R5を有する貫通穴)63Aが形成されている。
図5(A)は、摩擦部材5A、5Bの正面図であり、図5(B)は、図5(A)のE−E断面図である。
図示するように、2枚の摩擦部材5A、5Bは、ケース3の内径(ネジ部31の山径)よりも小さな外径R6を有する円板状の摩擦部材本体50と、ケース3のガイド溝36の溝深さに応じた長さだけ摩擦部材本体50の外周からその径方向に突き出した、ケース3のガイド溝36と同数(例えば、3つ)のガイド突起部51と、が形成された例えば板状の部材である。
摩擦部材本体50は、一方の面53Aが摺動面53として回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bに対向および面接触するように制動機構収容室20内に配置される。
ガイド突起部51は、制動機構収容室20の軸心O1周りに所定の角度おきに形成されており、それぞれの輪郭は、ケース3のガイド溝36の断面に沿った形状を有している。このようなガイド突起部51は、対応するガイド溝36に収容され、このガイド溝36の内部を、制動機構収容室20の軸心O1に沿って滑らかにスライドする。これにより、2枚の摩擦部材5A、5Bは、制動機構収容室20の軸心O1方向の外力を受けると、上述したように、制動機構収容室20の軸心O1周りの回転運動を阻止された状態(つまり、回転ネジ部材6の回転によるつれ回りを生じずに、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bが摩擦部材本体50の摺動面53と摺動している状態)で制動機構収容室20の軸心O1に沿って案内される。
摩擦部材本体50の中央領域には、プッシュロッド9のシャフト部94が挿入されるロッド挿入穴52として、プッシュロッド9のピストン駆動部93が通過可能な大きさの貫通穴(ピストン駆動部93が円柱状である場合には、ピストン駆動部93の外径R1よりも大きな内径R7を有する貫通穴)52Aが形成されている。このロッド挿入穴52の内径R7は、プッシュロッド9のフランジ96の外径R2よりも小さい。このため、上述したように、ブレーキシリンダに向かってプッシュロッド9が移動(前進)すると、回転ネジ部材6に対してカバー7側に配置された摩擦部材5Aにフランジ96の押圧面961が当接し、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびそれらの間に挟み込まれた回転ネジ部材6が一体としてケース3の底部34に向かって駆動される。
コイルスプリング40は、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5Bとケース3の底部34との間に配置されている。このコイルスプリング40は、制動機構収容室20の軸心O1方向全長(カバー7の裏面70からケース3の底部34までの距離)から2枚の摩擦部材5A、5Bの板厚Tおよび回転ネジ部材6の長さ(摺動領域60A、60B間の距離)Lの合計(2T+L)を差し引いた長さよりも長い自由長を有している。このため、ダンパ1の初期状態(ブレーキペダルが踏み込まれていない状態:図7(A)の状態)において、コイルスプリング40は、ケース3の底部34と一方の摩擦部材5Bとの間で圧縮(プリロード)されており、ブレーキペダルの踏み込みによって、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびそれらの間に挟み込まれた回転ネジ部材6が一体としてケース3の底部34に向かって駆動されると、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5Bとケース3の底部34との間でさらに圧縮される。2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6は、コイルスプリング40によって、ブレーキシリンダ側への変位量に応じた弾性力でプッシュロッド9のフランジ96に押し当てられるため、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bには、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53から、コイルスプリング40の弾性力に応じた垂直荷重がかかる。
このようなダンパ1は、例えば、以下の手順によりプッシュロッド9に組み付けられ、電動ブレーキアクチュエータに組み込まれる。
まず、ケース3の底部34のスプリングガイド溝37にコイルスプリング40の一方の端部41がはめ込まれるように、コイルスプリング40を、一方の端部41からケース3の開口部30に挿入してケース3の内部に配置する。
つぎに、摩擦部材5B、回転ネジ部材6および摩擦部材5Aを、以下に示すように、この順にケース3の内部に収容してゆく。
ケース3の内壁32のガイド溝36に摩擦部材5Bのガイド突起部51を位置合わせしながら、この摩擦部材5Bを、ケース3の底部34側に摩擦部材本体50の他方の面(摺動面53と反対面:以下、裏面)54が向けられた状態でケース3の開口部30に挿入する。摩擦部材5Bは、ケース3の内壁32のガイド溝36にガイド突起部51がはめ込まれた状態でケース3の開口部30に挿入されると、ケース3の底部34に向かう力(例えば自重)を受けるだけで、ケース3の内壁32のガイド溝36に案内されてケース3の底部34に向かってスムーズに移動する。これにより、摩擦部材5Bは、コイルスプリング40の他方の端部42に裏面54を接触させた状態でケース3の内部に配置される。
回転ネジ部材6の一方の端面60をケース3の開口部30に位置付けて、この回転ネジ部材6をケース3の軸心O1周りにわずかに回転させる。これにより回転ネジ部材6の外周62のネジ部61がケース3の内壁32のネジ部31とかみ合うと、この回転ネジ部材6は、ケース3の底部34に向かう力(例えば自重)を受けるだけで、ケース3の軸心O1周りにスムーズに回転しながらケース3の底部34に向かって移動する。これにより、回転ネジ部材6は、一方の端面60の摺動領域60B全域を摩擦部材5Bの摺動面53に接触させた状態でケース3の内部に配置される。
ケース3の内壁32のガイド溝36に摩擦部材5Aのガイド突起部51を位置合わせしながら、この摩擦部材5Aを、回転ネジ部材6の摺動領域60A側に摩擦部材本体50の摺動面53が向けられた状態でケース3の開口部30に挿入する。この摩擦部材5Aも、ケース3の内壁32のガイド溝36にガイド突起部51がはめ込まれた状態でケース3の開口部30に挿入されると、ケース3の底部34に向かう力(例えば自重)を受けるだけで、ケース3の内壁32のガイド溝36に案内されて回転ネジ部材6の他方の端面60に向かってスムーズに移動する。これにより、摩擦部材5Aは、回転ネジ部材6の他方の端面60内の摺動領域60A全域に摺動面53が接触した状態でケース3の内部に配置される。
そして、ケース3の開口部30にカバー7を装着し、カバー7のネジ部73とケース3の開口部30のネジ部33とを締結することによって、ハウジング2内に制動機構収容室20が形成される。コイルスプリング40の自由長は、制動機構収容室20の軸心O1方向全長よりも2枚の摩擦部材5A、5Bの板厚Tおよび回転ネジ部材6の長さLの合計(2T+L)以上大きいため、制動機構収容室20に収容されたコイルスプリング40は、カバー7のネジ部73とケース3の開口部30のネジ部33とを締結により、ケース3の底部34と摩擦部材5Bとの間でわずかに圧縮(プリロード)されている。
その後、プッシュロッド9の軸心Oを制動機構収容室20の軸心O1に位置合わせしながら、このプッシュロッド9を、ピストン駆動部93側からハウジング2の一方のロッド挿入口21に挿入し、ハウジング2の他方のロッド挿入口22からピストン駆動部93が所定の長さ突き出す位置まで制動機構収容室20内に挿入する。制動機構収容室20では、プッシュロッド9のピストン駆動部93が、摩擦部材5Aのロッド挿入穴52、回転ネジ部材6のロッド挿入穴63、摩擦部材5Bのロッド挿入穴52およびコイルスプリング40の内部をこの順に通過するため、プッシュロッド9のシャフト部94が、摩擦部材5Aのロッド挿入穴52、回転ネジ部材6のロッド挿入穴63、摩擦部材5Bのロッド挿入穴52およびコイルスプリング40の内部に挿入された状態となっている。
このようにしてプッシュロッド9にダンパ1を組み付け後、このダンパ1を、プッシュロッド9のピストン駆動部93の先端面91がブレーキシリンダ内のピストンの後端面に突き当たるように、電動ブレーキアクチュエータのハウジング等に固定する。これにより、プッシュロッド9をその軸心Oに沿った往復移動可能に支持したダンパ1が電動ブレーキアクチュエータに組み込まれる。つぎに、電動ブレーキアクチュエータに組み込まれたダンパ1の動作について説明する。
図7は、ブレーキペダル踏み込み前後における制動機構収容室20内の状態変化を説明するための概略図であり、図7(A)は、ブレーキペダルが踏み込まれていない状態(初期状態)の制動機構収容室20内における摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6の位置を示し、図7(B)は、ブレーキペダル踏み込み時の制動機構収容室20内における摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6の位置を示している。ただし、図7(A)(B)においては、コイルスプリング40の輪郭を点線で示すことにより、制動機構収容室20の内部を簡略表示してある。
図7(A)に示すように、ダンパ1の初期状態において、プッシュロッド9のフランジ96は制動機構収容室20の外部に配置されており、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびそれらの間に挟みこまれた回転ネジ部材6は、プリロードされたコイルスプリング40の弾性力によってカバー7の裏面54に対して一体として押圧され、制動機構収容室20内の初期位置に位置付けられている。ここで、制動機構収容室20内における回転ネジ部材6および摩擦部材5A、5Bの初期位置とは、制動機構収容室20内における回転ネジ部材6および摩擦部材5A、5Bの一方の移動限界位置、例えば、各摩擦部材5A、5Bの摺動面53が回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bに密着し、かつ、一方の摩擦部材5Aの裏面54がカバー7の裏面70に当接した状態で2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6が配置される位置である。
ドライバがブレーキペダルを踏み込み、ブレーキペダルアーム101が回転軸102周りに所定の方向に回転すると、プッシュロッド9は、ブレーキペダルアーム101に連動して、ブレーキシリンダ(不図示)に向かう方向αに移動する。なお、以下においては、ブレーキシリンダに向かう方向αへの移動(図7(A)参照)を前進、ブレーキシリンダから遠ざかる方向(方向αの逆方向)βへの移動(図7(B)参照)を後退と呼ぶ。
プッシュロッド9の前進により、プッシュロッド9のフランジ96がハウジング2の一方のロッド挿入口21から制動機構収容室20に進入すると、回転ネジ部材6に対してカバー7側に配置された摩擦部材5Aの裏面54にフランジ96の押圧面961が当接する。これにより、コイルスプリング40の弾性力で、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間に挟み込まれた回転ネジ部材6が一体としてフランジ96の押圧面961に対して押し当てられるため、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bは、2枚の摩擦部材5A、5Bから、コイルスプリング40の弾性力に応じた垂直荷重を受ける。
その後、プッシュロッド9は、コイルスプリング40によりカバー7側に付勢された2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6をケース3の底部34に向けてフランジ96の押圧面961で押し込みながら前進する。
このとき、回転ネジ部材6は、外周62のネジ部61とケース3の内壁32のネジ部31とのかみ合いにより制動機構収容室20の軸心O1周りの所定方向(例えばネジ部61の巻き方向)に回転しながらケース3の底部34に向かって移動するが、2枚の摩擦部材5A、5Bは、ケース3の内壁32のガイド溝36にガイド突起部51が収容されているため、回転ネジ部材6の回転に伴うつれ周りを生じることなくケース3の底部34に向かって案内される。すなわち、2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6は、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53に回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bを摺動させながら、制動機構収容室20の内部を前進する。これにより、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bと2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53との間には、回転ネジ部材6の回転を妨げる方向に摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗から生じる制動力で、回転ネジ部材6の前進、すなわち、ケース3の底部34に向けて回転ネジ部材6および摩擦部材5A、5Bを押し込むプッシュロッド9の前進も妨げられる。
このとき、図7(B)に示すように、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5Bとケース3の底部34との間隔が徐々に狭くなってゆくため、コイルスプリング40は、この摩擦部材5Bの裏面54とケース3の底部34とによってさらに圧縮されてゆく。このため、プッシュロッド9の前進にしたがって、コイルスプリング40の弾性力によって、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびそれらの間に挟み込まれた回転ネジ部材6がフランジ96の押圧面961に対してより強く押し付けられ、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53から回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bが受ける垂直荷重が徐々に増加する。このため、プッシュロッド9の前進とともに、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bと2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53との間の摩擦抵抗が徐々に増大してゆく。これに伴い、プッシュロッド9の前進を妨げる制動力も増大する。
このように、プッシュロッド9の前進に応じて増大する摩擦抵抗により発生する制動力で前進中のプッシュロッド9が制動されるため、ブレーキペダルを踏み込むドライバの足(駆動源)には、ブレーキペダルの踏み込み量に応じた適度な負荷が与えられる。
ここで、ドライバがブレーキペダルの踏み込みを一旦停止すると、プッシュロッド9の前進が停止して、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53と回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bとの間に、今度は、コイルスプリング40の復元を妨げる方向(プッシュロッド9の後退を妨げる方向)の摩擦抵抗が生じる。このため、ブレーキペダルを一定の位置で保持するドライバの足にかかる負荷が急激に減少する。
ドライバがブレーキペダルの踏み込みを緩めることでブレーキペダルアーム101が逆方向に回転すると、プッシュロッド9が後退する。プッシュロッド9の後退により、フランジ96も、ハウジング2の一方のロッド挿入口21に向かって移動するため、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびそれらの間の回転ネジ部材6は、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5Bの裏面54とケース3の底部34との間で圧縮されたコイルスプリング40によって一体として付勢され、プッシュロッド9とともに制動機構収容室20内を後退する。
このとき、回転ネジ部材6は、外周62のネジ部61とケース3の内壁32のネジ部31とのかみ合いにより前進中の回転とは逆方向(例えばネジ部61の巻き方向とは逆の方向)に回転しながらカバー7に向かって制動機構収容室20の軸心O1方向に移動するが、2枚の摩擦部材5A、5Bは、ケース3の内壁32のガイド溝36にガイド突起部51が収容されているため、回転ネジ部材6の回転に伴うつれ周りを生じることなくカバー7に向かって制動機構収容室20の軸心O1方向に案内される。すなわち、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間の回転ネジ部材6は、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53に回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bを摺動させながら制動機構収容室20の内部を後退する。これにより、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bと2枚の摩擦部材5の摺動面53との間には、回転ネジ部材6の回転を妨げる方向に摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗から生じる制動力で、回転ネジ部材6の後退、すなわち、カバー7に向けて回転ネジ部材6および摩擦部材5A、5Bを駆動するプッシュロッド9の後退が徐々に行われる。
ここで、回転ネジ部材6に対してケース3の底部34側に配置された摩擦部材5Bとケース3の底部34との間隔が徐々に広がってゆくため、コイルスプリング40は、ダンパ1の初期状態におけるプリロード状態に徐々に復元してゆく。このため、プッシュロッド9の後退にしたがって、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53から回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bが受ける垂直荷重がさらに徐々に減少し、回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bと2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53との間の摩擦抵抗がさらに徐々に減少してゆく。これに伴い、プッシュロッド9の後退を妨げる制動力も減少する。
このように、プッシュロッド9の後退に応じて減少する摩擦抵抗により発生する制動力で後退中のプッシュロッド9が制動されるため、ブレーキペダルを踏み込むドライバの足(駆動源)には、ブレーキペダルは、ドライバの足の動きにあわせてスムーズに初期位置に復帰する。
以上説明したとおり、本実施の形態に係るダンパ1によれば、制動機構収容室20のほぼ全長に渡って形成されたネジ部31と回転ネジ部材6のネジ部61とのかみ合いによって、プッシュロッド9の往復運動が回転ネジ部材6の回転運動に変換されるとともに、プッシュロッド9の変位量に応じた弾性力で、回転ネジ部材6の両端面60に形成された摺動領域60A、60Bに摩擦部材5A、5Bの摺動面53が押し当てられる。このため、プッシュロッド9のストローク全域において、ヒステリシス特性を有する制動力(往路と復路とにおいて大きさの異なる反力)をプッシュロッド9に与えることができる。したがって、プッシュロッド9の軸心Oに沿った所定方向の力をプッシュロッド9に与える駆動源(ドライバの足)に対して、2枚の摩擦部材5A、5Bの摺動面53と回転ネジ部材6の摺動領域60A、60Bとの間の摩擦抵抗から生じる制動力、すなさち、一ストロークの往路と復路とにおいて大きさの異なる反力(ヒステリシス特性を有する負荷)を与えることができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、本実施の形態においては、自動車の電動ブレーキアクチュエータに組み込まれるダンパ1を例に挙げたが、本発明に係るダンパは、移動部材の往復移動を、ヒステリシス特性を有する制動力で制動することが有用な用途に適用可能である。例えば、自動車の電動ブレーキアクチュエータに限らず、楽器、ゲーム機、各種装置等、ユーザの操作を受け付ける操作部に連結される直動部材を有する様々な機器に組み込むことができる。
また、本実施の形態においては、制動対象のプッシュロッド9のシャフト部94の外周面97に環状のフランジ96を設け、このフランジ96により、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間の回転ネジ部材6を一体としてのプッシュロッド9の軸心O方向に駆動しているが、必ずしも、このようにする必要はない。例えば、制動対象の外周面の所定位置に止め輪等の部材を装着し、この部材により2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間の回転ネジ部材6が駆動されるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、制動対象のプッシュロッド9を、ダンパ1が直接制動する移動部材1としているが、例えば、プッシュロッド9等の本来の制動対象とは別に、外周にフランジが形成された筒状のカラー部材を、ダンパ1が制動する移動部材として準備して、このカラー部材の内側にプッシュロッド9等の制動対象を挿入し、このカラー部材のフランジにより、2枚の摩擦部材5A、5Bおよびその間の回転ネジ部材6が駆動されるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、弾性体4として1本のコイルスプリング40を備える場合を例示しているが、弾性体4は、プッシュロッド9のストローク全域において2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6をカバー7に向けて一体として付勢できるものであればよい。
例えば、ゴム、積み重ねられた複数の皿バネ等の、コイルスプリング40以外の弾性体を弾性体4として用いてもよい。
また、ダンパ1の組み込み対象機器によっては、変位に応じて弾性係数が変化する非線形特性を有する弾性体を弾性体4として用いることによって、例えばブレーキペダルが所定位置まで踏み込まれたタイミングで、ユーザの手足にかかる負荷を急激に変化させてもよい。このような弾性体としては、例えば、制動機構収容室20で2枚の摩擦部材5A、5Bおよび回転ネジ部材6が所定距離前進したタイミングでケース3の底部34と摩擦部材5Bとによる圧縮が開始されるコイルスプリングと上述のコイルスプリング40とが入れ子状に配置された組合わせばね、不等ピッチコイルスプリング等が挙げられる。このような構成によれば、操作部を操作するユーザの手足等に適度な負荷を与えつつ、操作部が所定位置まで操作されたタイミング(プッシュロッド9がその軸心O方向に所定量変位したタイミング)で、ユーザの手足等にかかる負荷を急激に増大させることができるため、操作部が所定の位置まで操作されたこと等を通知する触覚的なシグナルをユーザに与えることができる。
また、本実施の形態においては、複数のガイド溝36をケース3の内壁32に形成し、ガイド溝36と同数のガイド突起部51を2枚の摩擦部材5A、5Bにそれぞれ設けて、すべてのガイド溝36にそれぞれ2枚の摩擦部材5A、5Bのガイド突起部51をはめ込んでいるが、ケース3の内壁32には、少なくとも1本のガイド溝36が形成されていればよく、2枚の摩擦部材5A、5Bには、それぞれ、ケース3の内壁32のいずれかのガイド溝36にはめ込まれるガイド突起部51が少なくとも1つ設けられていればよい。
また、本実施の形態においては、回転ネジ部材6の一方の摺動領域60Aとプッシュロッド9のフランジ96の押圧面961との間、および、回転ネジ部材6の他方の摺動領域60Bとコイルスプリング40との間にそれぞれ摩擦部材5A、5Bを介在させているが、プッシュロッド9のフランジ96の押圧面961を摺動面として利用すれば、回転ネジ部材6の一方の摺動領域60Aとプッシュロッド9のフランジ96の押圧面961との間に摩擦部材5Aを設ける必要はない。
1:ダンパ、 2:ハウジング、 3:ケース、 4:弾性体、 5A、5B:摩擦部材、 6:回転ネジ部材、 7:カバー、 8:制動機構、 9:プッシュロッド、 20:制動機構収容室、 21、22:ハウジングのロッド挿入口、 30:ケースの開口部、 31:ケース内壁のネジ部、 32:ケースの内壁、 33:ケース開口部のネジ部、 34:ケースの底部、 35:ケース底部の貫通穴、 36:ケース内壁のガイド溝、 37:ケース底部のスプリングガイド溝、 40:コイルスプリング、 41、42:コイルスプリングの端部、 50:摩擦部材本体、 51:摩擦部材のガイド突起部、 52:摩擦部材のロッド挿入穴、 53:摩擦部材の摺動面、 54:摩擦部材の裏面、 60A、60B:回転ネジ部材の摺動領域、 61:回転ネジ部材外周のネジ部、 62:回転ネジ部材の外周、 63:回転ネジ部材のロッド挿入穴、 70:カバーの裏面、 72:カバーの貫通穴、 73:カバーのネジ部、 91、92:プッシュロッドの端面、 93:ピストン駆動部、 94:シャフト部、 95:アーム連結部、 97:シャフト部の外周面、 96:フランジ、 100:クレビスジョイント、 101:ブレーキペダルアーム、 104、105:ナット、 103:ボルト、 951:プッシュロッドのネジ穴、 961:フランジの押圧面

Claims (3)

  1. 軸心に沿って移動する移動部材を制動するダンパであって、
    前記移動部材が前記軸心の方向に挿入される、当該移動部材を前記軸心周りに囲む内壁面に第一のネジ部が形成された筒状のハウジングと、
    前記第一のネジ部にかみ合う第二のネジ部が形成された外周面と、第一の摺動領域が形成された第一の端面と、前記第一の端面の反対側に位置する、第二の摺動領域が形成された第二の端面と、を有し、前記移動部材の移動に応じて、前記ハウジングの内部を、前記移動部材とともに当該移動部材の軸心に沿って往復移動するネジ部材と、
    前記ネジ部材の第一の摺動領域に対向する摺動面を有し、前記移動部材の移動に応じて、前記ハウジングの内部を、前記ネジ部材とともに前記移動部材の軸心に沿って往復移動する第一の摩擦部材と、
    前記第一のネジ部のピッチの方向への前記移動部材の変位量に応じた弾性力で前記第一の摩擦部材の摺動面を前記ネジ部材の第一の摺動領域に押し当てる弾性体と、
    前記弾性体により前記第一の摩擦部材とともに付勢された前記ネジ部材の第二の摺動領域が押し当てられる摺動面を有し、前記ハウジングの内部を、前記ネジ部材とともに前記移動部材の軸心に沿って往復移動する第二の摩擦部材と、を備え、
    前記ネジ部材は、前記移動部材の移動に応じて、前記ハウジングの第一のネジ部と前記第二のネジ部とのかみ合いにより回転して前記第一および第二の摺動領域をそれぞれ前記第一および第二の摩擦部材の摺動面と摺動させながら、前記ハウジングの内部を往復移動する
    ことを特徴とするダンパ。
  2. 請求項に記載のダンパであって、
    前記弾性体として、変位に応じて弾性係数が変化する非線形特性を有する弾性体を備える
    ことを特徴とするダンパ。
  3. 請求項記載のダンパであって、
    前記弾性体は、
    前記第一の摩擦部材を、前記ネジ部材の第一の摺動領域に押し当てるように、前記ネジ部材に向けて付勢する第一の弾性体と、
    前記第一の摩擦部材が、前記第一の弾性体を圧縮する方向に所定距離以上移動した場合に圧縮され、前記ネジ部材の第一の摺動領域に前記第一の摩擦部材の摺動面をさらに押し当てる第二の弾性体と、を有することを特徴とするダンパ。
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