JP6525185B2 - ベーン式真空ポンプ - Google Patents

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本発明は、ベーン式真空ポンプに関し、例えば、トラックやバスのような大型自動車に搭載されるベーン式真空ポンプに利用して有効なものに関する。
大型自動車にはブレーキ用マスタシリンダ、クラッチ用マスタシリンダ、真空倍力装置、ドア開閉装置、エンジン制御アクチュエータ用作動装置等を作動させるために、ベーン式真空ポンプが搭載される。
一般に、大型自動車に搭載されるベーン式真空ポンプはエンジンルームの空間の効率化を図るために、エンジンに連設され、エンジンにより駆動される。
従来のこの種のベーン式真空ポンプとして、特許文献1に開示された自動車用真空ポンプがある。この自動車用真空ポンプは、複数枚のベーンがロータに開設されたベーン溝に径方向に摺動自在に挿入されており、ベーンが回転時に受ける遠心力により溝から自然に突出してポンプ室の内周面と押接することにより、ベーンが構成する隣合う圧力室相互の気密を維持するように構成されている。
この自動車用真空ポンプにおいては、ロータやベーン等の摺動部の潤滑を確保したり、気密を維持したりするために、潤滑油(以下、オイルという)をポンプ室に供給する給油口が設けられている。
特開平11−62864号公報
しかしながら、従来のベーン式真空ポンプにおいては、吸入した空気と給油されたオイルとがポンプ室内で攪拌されることによってオイルミスト(オイル霧)が発生し、このオイルミストが吐出口からベーン式真空ポンプ外へ排出されるという問題点がある。オイルミストが真空ポンプ外に排出されると、オイル消費量増加や白煙発生の原因になる。
本発明の目的は、オイルミストの排出を防止することができるベーン式真空ポンプを提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)エンジンに連設されて前記エンジンにより駆動されるベーン式真空ポンプであって、ポンプ室に接続された吸入口と吐出口と給油口とを有するケーシングと、前記ポンプ室で回転するロータの中心で径方向に形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に径方向出入り可能に支持されたベーンとを備え、前記ケーシングは円筒形状に形成されたケーシング本体と、前記ケーシング本体と共に前記ポンプ室を形成し、円板形状に形成されて前記吐出口が設けられ、前記ケーシングを前記エンジンに取り付けるプレートとを備えているベーン式真空ポンプにおいて、
前記ポンプ室において発生して前記吐出口から吐出されるオイルミストを滴化してオイルミストの排出を防止するオイルミスト排出防止構造が、前記ケーシングに設けられており、前記オイルミスト排出防止構造は、
前記プレートにおける前記吐出口の前記ポンプ室と反対側に隣接して形成されており、前記吐出口から吐出したオイルミストを滴化するオイルミスト滴化空間を形成するオイルミスト滴化溝と、
前記プレートの前記ポンプ室と反対側端面に当接されて固定されており、前記吐出口から吐出した前記オイルミストの流速を低減させて前記オイルミストを滴化する衝突壁が前記オイルミスト滴化溝の開口に対向して形成された衝突壁部材と、
前記衝突壁に隣接して設けられ前記衝突壁が滴化した前記オイルミストの滴を溜めるオイル溜と、
前記オイル溜の一端開口の一部を遮蔽する邪魔板と、を備えている、
ことを特徴とするベーン式真空ポンプ。
(2)エンジンに連設されて前記エンジンにより駆動されるベーン式真空ポンプであって、ポンプ室に接続された吸入口と吐出口と給油口とを有するケーシングと、前記ポンプ室で回転するロータの中心で径方向に形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に径方向出入り可能に支持されたベーンとを備え、前記ケーシングは円筒形状に形成されたケーシング本体と、前記ケーシング本体と共に前記ポンプ室を形成し、円板形状に形成されて前記ケーシングを前記エンジンに取り付けるプレートとを備えているベーン式真空ポンプにおいて、
前記ポンプ室において発生して前記吐出口から吐出されるオイルミストを滴化してオイルミストの排出を防止するオイルミスト排出防止構造が、前記プレートに設けられており、前記オイルミスト排出防止構造は、
前記プレートにおける前記ケーシング本体との合わせ面に前記吐出口に隣接して形成されており、前記エンジン内に接続され、前記吐出口から吐出した前記オイルミストを滴化するオイルミスト滴化空間を形成しているオイルミスト滴化溝と、
前記オイルミスト滴化溝の底面によって形成されており、前記吐出口から吐出した前記オイルミストの流速を低減させて前記オイルミストを滴化する衝突壁と、を備えている、 ことを特徴とするベーン式真空ポンプ。
前記した手段によれば、オイルミストがベーン式真空ポンプ外へ排出されるのを防止することができる。
本発明の第一実施形態であるベーン式真空ポンプを示す側面断面図である。 (a)は図1のII−II線に沿う断面図、(b)は図2のb−b線に沿う断面図である。 本発明の第一実施形態であるベーン式真空ポンプのオイルミスト排出防止構造を示す分解斜視図である。 第一実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第一変形例を示しており、(a)は側面断面図、(b)は図2(b)に相当する断面図である。 第一実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第二変形例を示しており、(a)は側面断面図、(b)は図2(b)に相当する断面図である。 本発明の第二実施形態であるベーン式真空ポンプを示す一部省略側面断面図である。 図6のVII −VII に沿う一部省略断面図である。 第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第一変形例を示す一部省略側面断面図である。 第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第二変形例を示す一部省略側面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に即して説明する。
図1〜図5は本発明の第一実施形態を示している。
本実施形態において、本発明に係るベーン式真空ポンプは、自動車のブレーキ倍力装置の真空源として使用する真空ポンプに適用するものとして構成されている。
図1に示されているように、真空ポンプはポンプ室11を形成するケーシング10を備えている。ケーシング10は一端が開放され他端が閉塞された略円筒形状に形成されたケーシング本体10aと、ケーシング本体10aの一端開口を閉塞する略円板形状に形成されたプレート10bとを備えており、プレート10bがケーシング本体10aの開口側端面に当接されることにより、ポンプ室11が形成されている。
ポンプ室11の内部には円柱形状のロータ12がポンプ室11の中心より偏心されて収容されている。すなわち、ロータ12の外径はポンプ室11の内径よりも小径に形成されており、ロータ12の中心線O12がポンプ室11の中心線O11に対して所定方向に所定量だけ偏心されて中心線O11と平行に配置されている。ロータ12の外周面には複数条のベーン溝13が、周方向に等間隔に配されて中心線O12と平行方向に延在し、かつ、中心線O12の法線上において互いに略等しい深さを持つように形成されている。
各ベーン溝13には平板形状に形成されたベーン14の内側端部が径方向に進退するようにそれぞれ摺動自在に嵌合されている。ベーン14の外側端部はポンプ室11のケーシング本体10aの内周面に、ベーン14の一側面はポンプ室11のケーシング本体10aの側面に、ベーン14の反対側の側面はポンプ室11のプレート10bの端面にそれぞれ摺接した状態になっている。
ロータ12における隣合うベーン溝13、13間には各中空部15がロータ12を貫通するようにそれぞれ開設されている。
ロータ12には回転軸16が同心に挿入されてスプライン17によって結合されており、回転軸16はプレート10bに設置された軸受18によって回転自在に支持されている。回転軸16は軸受18の外側端部に歯車19を固定されており、歯車19によってエンジンのクランクシャフト(図示せず)に連結される。
ケーシング本体10aには給油口20がポンプ室11に開口するように開設されており、給油口20には給油路21が接続されている。給油路21はエンジンのオイルパンに貯留されたオイル(潤滑油)を供給するための給油装置(図示せず)に接続されており、オイルを給油口20へ供給する。
ロータ12の一側面における各ベーン溝13の底に対応する位置には、ベーン溝用給油溝22がそれぞれ放射状に刻設されており、同じく各中空部15の底部の中央に対応する位置には、中空部用給油溝23がそれぞれ放射状に刻設されている。
給油口20はロータ12のベーン溝用給油溝22群および中空部用給油溝23群の軌跡のうち最下端付近に臨むように配置されている。したがって、給油口20に供給されたオイルはロータ12の回転に伴って、各ベーン溝用給油溝22および各中空部用給油溝23に順次供給されて行く。
ケーシング本体10aの上部には吸入口24がポンプ室11に連通するように開設されている。吸入口24は真空タンク(図示せず)に接続される。吸入口24には真空タンクからポンプ室11への流れだけを許容する吸入弁25が設置されている。
プレート10bのポンプ室11側端面には円形のカムリング26が突設されており、カムリング26の中心線と回転軸16の中心線との関係は、ポンプ室11の中心線O11とロータ12の中心線O12との関係に対応するように設定されている。カムリング26の外周には各ベーン14の内側端面の一部がそれぞれ摺動自在に当接されている。したがって、ロータ12が回転されると、ベーン14はカムリング26上を摺動しながらベーン溝13に対して進退し、ケーシング10の内周面に対する押接を維持しつつ公転する。
図1に示されているように、プレート10bのポンプ室11側の端面にはシールリング27Aを収納した収納溝27がポンプ室11を包囲するように円形に没設されている。プレート10bがケーシング本体10aの開口端面に当接された状態において、シールリング27Aは圧縮変形されて当接面間をシールする。
プレート10bにおける軸受18の外側には雄印籠結合部28が形成されている。雄印籠結合部28はエンジン1(図1の想像線参照)のハウジング2に形成された雌印籠結合部3に印籠結合される。
プレート10bにおける雄印籠結合部28の外側には、シールリング29を収納する収納溝30が雄印籠結合部28を包囲するように円形に没設されている。雄印籠結合部28が雌印籠結合部3に印籠結合された状態において、シールリング29は圧縮変形されて当接面間をシールする。
プレート10bの外周には3本のフランジ31が放射状に突設されており、ケーシング本体10aにおけるプレート10b側の外周部にもフランジ32がこれらと対応するように突設されている。プレート10bおよびケーシング本体10aの各フランジ31、32には各ボルト挿通孔31a、32aがそれぞれ穿設されている。雄印籠結合部28が雌印籠結合部3に印籠結合された状態において、プレート10bおよびケーシング本体10aの各フランジ31、32は各ボルト挿通孔31a、32aに挿通されたボルト33によってエンジン1のハウジング2に共締めされる。
プレート10bの下部には円弧形状の吐出口34がポンプ室11に連通するように開設されている。ポンプ室11における吐出口34の位置は、ポンプ室11の内周面とロータ12の外周面とが最も接近する位置(以下、死点という)よりもロータ12の回転方向手前側に設定されている。すなわち、ベーン14は死点よりも先に吐出口34に到達するように設定されている。吐出口34は回転方向にて死点と反対側に延長されており、吐出口34の周方向の一端(以下、終端とする)は死点から離れている。
本実施形態に係るベーン式真空ポンプにおいては、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されるのを防止するオイルミスト排出防止構造40が、ケーシング10の一部であるプレート10bの吐出口34に設けられている。
本実施形態に係るオイルミスト排出防止構造40は吐出口34のポンプ室11と反対側に隣接して形成されたオイルミスト滴化溝(以下、滴化溝という)41を備えており、滴化溝41は吐出口34から吐出されたオイルミストを滴化(水滴化)するオイルミスト滴化空間(以下、滴化空間という)42を形成している。
図1〜図3に示されているように、滴化溝41は吐出口34と同心円の円弧形状に形成されている。滴化溝41の径方向幅は吐出口34の径方向幅よりも大きく設定されており、滴化溝41と吐出口34の径方向外側端は一致されている。滴化溝41の周方向幅は吐出口34の周方向幅よりも大きく設定されている。滴化溝41の回転方向にて死点と反対側端(以下、終端とする)は吐出口34の終端よりも若干長く設定されており、滴化溝41の回転方向にて死点側端(以下、始端という)は死点を越えるように設定されている。したがって、滴化溝41は滴化空間42が充分な容積を確保するように吐出口34よりも大きく設定されている。
オイルミスト排出防止構造40は円弧形状に形成された衝突壁部材43を備えており、衝突壁部材43の円弧形状の両端部には一対の取付孔44、44がそれぞれ形成されている。衝突壁部材43はプレート10bに同心円に配置されるとともに、プレート10bに形成された一対の雌ねじ穴35、35に一対の取付孔44、44がそれぞれ整合されて、一対のボルト36、36が一対の取付孔44、44にそれぞれ挿通されて一対の雌ねじ穴35、35にそれぞれ螺入されることにより、プレート10bに締結されている。
衝突壁部材43は断面L字形状の衝突壁45を備えており、衝突壁部材43がプレート10bに締結された状態において、衝突壁45のL字形状の水平部はプレート10bの端面に形成された滴化溝41の開口を閉塞している。衝突壁45の下端部にはドレン46が外周縁辺部を直線に切り欠かれて形成されている。
衝突壁部材43の衝突壁45と反対側の端面には、断面L字形状の円弧形に形成されたオイル溜部材47が同心円に配されて固定されている。オイル溜部材47は円弧筒内空間によってオイル溜48を形成している。
オイル溜部材47の外径は雄印籠結合部28の外径よりも若干だけ小さく設定されている。オイル溜部材47の先端辺はプレート10bの端面から隙間Sだけ離間している。したがって、ドレン46は滴化空間42の内外を連絡する通路を形成している。
オイル溜部材47の円弧の一端にはオイル溜48の一端開口を部分的に遮蔽する邪魔板49が直角に屈曲されている。オイル溜48の円弧の他端は全開している。
次に、以上の構成に係る真空ポンプの作用を説明する。
ロータ12が回転軸16によって回転されると、ベーン14はカムリング26の上を摺動しながらベーン溝13に対して進退し、ケーシング10の内周面に対する押接を維持しつつ公転する。ベーン14の公転に伴って、隣合うベーン14、14が画成する各圧力室が拡張および収縮されるため、空気は吸入口24から吸入されるとともに、吐出口34から吐出され、吸入口24に流体的に接続される真空タンクの空気が吸引される。
ちなみに、吐出口34から吐出した空気はオイルミスト排出防止構造のオイル溜48の両端開口を通ってエンジン1のハウジング2内に噴出する。
ロータ12の回転に伴って、ベーン溝用給油溝22および中空部用給油溝23は遠心力を受けるため、オイル(図示せず)は給油口20からベーン溝用給油溝22および中空部用給油溝23に取り込まれ、径方向外向きに流出して行く。このオイル45の流れにより、ポンプ室11、ロータ12およびベーン14の摺接面が潤滑され、かつまた、ポンプ室11の内部における気密が維持される。
ここで、給油口20から給油されたオイルはポンプ室11内において吸入された空気と共に攪拌されることによりオイルミストを生成する。このオイルミストはポンプ室11内の空気に随伴して吐出口34から真空ポンプ外であるエンジン1のハウジング2内に排出される。
このハウジング2内に排出されたオイルミストがエンジン1外へ排出されると、白煙が発生したり、オイルの消費量が増加する。
しかし、本実施形態においては、オイルミスト(霧)を滴化(水滴化)するオイルミスト排出防止構造40がケーシング10の一部であるプレート10bの吐出口34に設けられているので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されるのを防止することができる。
すなわち、ポンプ室11内の空気に随伴して吐出口34から吐出するオイルミスト(図示せず)は滴化溝41を閉塞している衝突壁部材43の衝突壁45に衝突することによって流速を低減された後に、滴化空間42を流れてオイル溜48に到達する。このとき、減速したオイルミスト同士は互いに結合して滴化(水滴化)するとともに、オイル滴同士が互いに結合して大きなオイル滴塊(図示せず)となってオイル溜48に溜まる。
エンジン1が停止すると、オイル溜48および滴化空間42に溜まったオイルはドレン46からエンジン1のハウジング2内に流れ落ちる。
つまり、オイルミスト(霧)はオイルミスト排出防止構造40によって飛散しないオイル滴塊に変化させられるので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されることはない。
本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)空気に随伴して吐出口から吐出したオイルミストが真空ポンプ外へ排出されるのを防止することができる。
(2)オイルミストが真空ポンプ外へ排出されるのを防止することができるので、白煙が発生したり、オイルの消費量が増加するのを未然に防止することができる。
(3)吐出口から吐出した後にオイルミスト(霧)を滴化(水滴化)させるので、真空ポンプ内の摩耗や異音等の悪影響が真空ポンプに及ぶのを回避することができる。
(4)オイルミスト排出防止構造がケーシングに配されているので、エンジン側を改造せずに済ますことができ、また、エンジンとのレイアウトを簡単化することができる。
(5)ベーンの枚数を増加することによってオイルミストを低減する場合に比較して、コストを低く抑えられる。
図4は第一実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第一変形例を示している。
本変形例が第一実施形態に係るオイルミスト排出防止構造と異なる点は、衝突壁部材およびオイル溜部材の構成である。
本変形例に係るオイルミスト排出防止構造40Aはチャンネル型鋼形状の円弧形に形成された衝突壁オイル溜兼用部材(以下、兼用部材という)43Aを備えている。図2に参照されるように、兼用部材43Aはプレート10bに同心円に配置されるとともに、プレート10bに形成された一対の雌ねじ穴に一対の取付孔がそれぞれ整合されて、一対のボルトが一対の取付孔にそれぞれ挿通されて一対の雌ねじ穴にそれぞれ螺入されることにより、プレート10bに締結されている。
兼用部材43Aのチャンネル型鋼形状の底壁は衝突壁45Aを形成しており、兼用部材43Aがプレート10bに締結された状態において、衝突壁45Aはプレート10bの端面に形成された滴化溝41の開口に対峙している。
兼用部材43Aは円弧筒内空間(チャンネル型鋼の溝内空間)によってオイル溜48Aを形成している。兼用部材43Aの径方向外側壁の先端辺はプレート10bの端面から隙間Sだけ離間している。兼用部材43Aの下端部にはオイル溜48Aの内外を連絡するドレン46Aが隙間Sによって形成されている。兼用部材43Aの一端にはオイル溜48Aの一端開口を部分的に遮蔽する邪魔板49Aが直角に屈曲されている。オイル溜48Aの他端は全開している。
本変形例においても、オイルミスト排出防止構造40Aがケーシング10の一部であるプレート10bの吐出口34に設けられているので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されるのを防止することができる。
すなわち、ポンプ室11内の空気に随伴して吐出口34から吐出するオイルミスト(図示せず)は滴化溝41に対峙した衝突壁45Aに衝突することによって流速を低減された後に、滴化空間42およびオイル溜48Aを流れる。このとき、オイルミスト同士が互いに結合して滴化し、さらに、オイル滴同士が結合してオイル滴塊(図示せず)となってオイル溜48Aに溜まる。
エンジン1が停止すると、オイル溜48Aに溜まったオイル滴塊はドレン46Aからエンジン1のハウジング2内に流れ落ちる。
つまり、オイルミスト(霧)はオイルミスト排出防止構造40Aによって飛散しないオイル滴塊に変化させられるので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出することはない。
図5は第一実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第二変形例を示している。
第二変形例に係るオイルミスト排出防止構造40Bが第一変形例のオイルミスト排出防止構造40Aと異なる点は、エンジン側からポンプ側への逆流を阻止する逆止弁50が吐出口34に設けられている点、である。
本変形例に係るオイルミスト排出防止構造40Bによれば、逆止弁50によって空気の逆流を確実に防止することができるばかりでなく、オイルミストの減速効果を逆止弁50によって高めることができる。
図6〜図9は本発明の第二実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、吐出口およびオイルミスト排出防止構造の構成である。
本実施形態において、吐出口34Aはケーシング本体10aにポンプ室11の周面で開口するように形成されている。吐出口34Aには吐出路34Cの一端が接続されており、吐出路34Cの他端はケーシング本体10aのプレート10bとの合わせ面において開口して二次側吐出口34Bを構成している。
本実施形態に係るオイルミスト排出防止構造60は二次側吐出口34Bに隣接してプレート10bに形成されたオイルミスト滴化溝(以下、滴化溝という)61を備えており、滴化溝61は二次側吐出口34Bから吐出されたオイルミストを滴化するオイルミスト滴化空間(以下、滴化空間という)62を形成している。滴化溝61は回転軸16と同心円の円弧形状に形成されている。滴化溝61は滴化空間62が充分な容積を確保するように二次側吐出口34Bよりも大きく設定されている。
滴化溝61の二次側吐出口34Bに対峙した溝底面は衝突壁65を形成している。衝突壁65の二次側吐出口34Bに対向する位置には吐出孔63が穿設されている。エンジン1のハウジング2には吐出孔(以下、ポンプ側吐出孔という)63に連通するエンジン側吐出孔64がハウジング2内に開口するように穿設される。
プレート10bの滴化溝61の下側には円弧溝に形成されたオイル溜溝67が同心円に配されて形成されている。オイル溜溝67は円弧溝内空間によってオイル溜68を形成している。プレート10bのオイル溜溝67と滴化溝61との間には連通路66が、滴化空間62とオイル溜68とを連通させるように形成されている。
オイル溜溝67の溝底面にはドレン69が穿設されている。エンジン1のハウジング2にはドレン(以下、ポンプ側ドレンという)69に連通するエンジン側ドレン70がハウジング2内に開口するように穿設される。
次に、本実施形態に係るオイルミスト排出防止構造60の作用を説明する。
ポンプ室11内の空気に随伴して二次側吐出口34Bから吐出するオイルミスト(図示せず)は滴化溝61の溝底面が形成している衝突壁65に衝突することによって流速を低減された後に、滴化空間62および連通路66を流れてオイル溜68に到達する。このとき、減速したオイルミスト(霧)同士は互いに結合して滴化(水滴化)するとともに、オイル滴同士が互いに結合して大きなオイル滴塊(図示せず)となって滴化空間62およびオイル溜68に溜まる。
エンジン1が停止すると、滴化空間62およびオイル溜68に溜まったオイル滴塊はポンプ側ドレン69およびエンジン側ドレン70からエンジン1のハウジング2内に流れ落ちる。
つまり、オイルミスト(霧)はオイルミスト排出防止構造60によって飛散しないオイル滴塊に変化させられるので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されることはない。
本実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
図8は第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第一変形例を示している。
本変形例に係るオイルミスト排出防止構造60Aが第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造60と異なる点は、途中で直角に屈曲した吐出路34Dが衝突壁65Aを形成している点、である。
本変形例においては、ポンプ室11内の空気に随伴して吐出口34Aから吐出したオイルミスト(図示せず)は吐出路34Dの途中に形成された衝突壁65Aに衝突することによって流速を低減されるので、吐出路34Dを流れる間にもオイルミストは互いに結合して滴化して行く。
したがって、本変形例によれば、オイルミスト滴化効果を高めることができる。
図9は第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造の第二変形例を示している。
第二変形例に係るオイルミスト排出防止構造60Bが第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造60と異なる点は、エンジン側からポンプ側への逆流を阻止する第一逆止弁71が吐出口34Bに設けられ、同じく第二逆止弁72が吐出孔63に設けられ、同じく第三逆止弁73がドレン69に設けられている点、である。
本変形例に係るオイルミスト排出防止構造60Bによれば、各逆止弁71、72、73によって空気の逆流を確実に防止することができるばかりでなく、オイルミストの減速効果を各逆止弁71、72、73によって高めることができる。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、エンジン側からポンプ側への逆流を阻止する逆止弁は、第一実施形態に設けてもよいし、第二実施形態の第一変形例に設けてもよい。
第二実施形態のオイルミスト滴化空間、連通路およびオイル溜は、ケーシング本体に設けてもよい。
前記実施形態においては、本発明を自動車のブレーキ倍力装置の真空源として使用する真空ポンプに適用した場合につき説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ベーン式真空ポンプ全般に広く適用することができる。
1…エンジン、2…ハウジング、3…雌印籠結合部、
10…ケーシング、10a…ケーシング本体、10b…プレート、11…ポンプ室、12…ロータ、13…ベーン溝、14…ベーン、15…中空部、16…回転軸、17…スプライン、18…軸受、19…歯車、
20…給油口、21…給油路、22…ベーン溝用給油溝、23…中空部用給油溝、
24…吸入口、25…吸入弁、
26…カムリング、27A…シールリング、27…収納溝、28…雄印籠結合部、29…シールリング、30…収納溝、31、32…フランジ、31a、32a…ボルト挿通孔、33…ボルト、
34…吐出口、35…雌ねじ穴、36…ボルト、
40…オイルミスト排出防止構造、41…オイルミスト滴化溝(滴化溝)、42…オイルミスト滴化空間(滴化空間)、43…衝突壁部材、44…取付孔、45…衝突壁、46…ドレン、47…オイル溜部材、48…オイル溜、49…邪魔板、
40A…オイルミスト排出防止構造、43A…衝突壁オイル溜兼用部材(兼用部材)、45A…衝突壁、46A…ドレン、48A…オイル溜、
40B…オイルミスト排出防止構造、50…逆止弁、
60…オイルミスト排出防止構造、34A、34B…吐出口、34C…吐出路、61…オイルミスト滴化溝(滴化溝)、62…オイルミスト滴化空間(滴化空間)、63…ポンプ側吐出孔、64…エンジン吐出孔、65…衝突壁、66…連通路、67…オイル溜溝、68…オイル溜、69…ポンプ側ドレン、70…エンジン側ドレン、
60A…オイルミスト排出防止構造、34D…吐出路、
60B…オイルミスト排出防止構造、71…第一逆止弁、72…第二逆止弁、73…第三逆止弁。

Claims (6)

  1. エンジンに連設されて前記エンジンにより駆動されるベーン式真空ポンプであって、ポンプ室に接続された吸入口と吐出口と給油口とを有するケーシングと、前記ポンプ室で回転するロータの中心で径方向に形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に径方向出入り可能に支持されたベーンとを備え、前記ケーシングは円筒形状に形成されたケーシング本体と、前記ケーシング本体と共に前記ポンプ室を形成し、円板形状に形成されて前記吐出口が設けられ、前記ケーシングを前記エンジンに取り付けるプレートとを備えているベーン式真空ポンプにおいて、
    前記ポンプ室において発生して前記吐出口から吐出されるオイルミストを滴化してオイルミストの排出を防止するオイルミスト排出防止構造が、前記ケーシングに設けられており、前記オイルミスト排出防止構造は、
    前記プレートにおける前記吐出口の前記ポンプ室と反対側に隣接して形成されており、前記吐出口から吐出したオイルミストを滴化するオイルミスト滴化空間を形成するオイルミスト滴化溝と、
    前記プレートの前記ポンプ室と反対側端面に当接されて固定されており、前記吐出口から吐出した前記オイルミストの流速を低減させて前記オイルミストを滴化する衝突壁が前記オイルミスト滴化溝の開口に対向して形成された衝突壁部材と、
    前記衝突壁に隣接して設けられ前記衝突壁が滴化した前記オイルミストの滴を溜めるオイル溜と、
    前記オイル溜の一端開口の一部を遮蔽する邪魔板と、を備えている、
    ことを特徴とするベーン式真空ポンプ。
  2. 前記衝突壁部材は前記プレートより小径の円弧形状に形成されており、前記衝突壁が前記吐出口に対向するように前記プレートに同心円に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のベーン式真空ポンプ。
  3. 前記オイル溜は前記プレートより小径の円弧形状に形成されて、前記プレートに同心円に配置されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のベーン式真空ポンプ。
  4. エンジンに連設されて前記エンジンにより駆動されるベーン式真空ポンプであって、ポンプ室に接続された吸入口と吐出口と給油口とを有するケーシングと、前記ポンプ室で回転するロータの中心で径方向に形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に径方向出入り可能に支持されたベーンとを備え、前記ケーシングは円筒形状に形成されたケーシング本体と、前記ケーシング本体と共に前記ポンプ室を形成し、円板形状に形成されて前記ケーシングを前記エンジンに取り付けるプレートとを備えているベーン式真空ポンプにおいて、
    前記ポンプ室において発生して前記吐出口から吐出されるオイルミストを滴化してオイルミストの排出を防止するオイルミスト排出防止構造が、前記プレートに設けられており、前記オイルミスト排出防止構造は、
    前記プレートにおける前記ケーシング本体との合わせ面に前記吐出口に隣接して形成されており、前記エンジン内に接続され、前記吐出口から吐出した前記オイルミストを滴化するオイルミスト滴化空間を形成しているオイルミスト滴化溝と、
    前記オイルミスト滴化溝の底面によって形成されており、前記吐出口から吐出した前記オイルミストの流速を低減させて前記オイルミストを滴化する衝突壁と、を備えている、 ことを特徴とするベーン式真空ポンプ。
  5. 前記オイルミスト滴化空間および前記衝突壁が滴化した前記オイルミストの滴を溜めるオイル溜を形成しているオイル溜溝が前記プレートの前記ケーシング本体との合わせ面に形成されており、前記オイル溜と前記オイルミスト滴化空間とを接続する連絡路が前記プレートの前記ケーシング本体との合わせ面に形成されており、前記オイル溜と前記エンジン内とを接続するドレンが前記オイル溜溝の底面に穿設されている、ことを特徴とする請求項4に記載のベーン式真空ポンプ。
  6. 前記オイルミスト滴化空間が前記オイルミスト滴化溝の底面に穿設された吐出孔によって前記エンジン内に接続されている、ことを特徴とする請求項4に記載のベーン式真空ポンプ。
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