JP2016075229A - ベーン式真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、大型自動車に搭載されるベーン式真空ポンプはエンジンルームの空間の効率化を図るために、エンジンに連設され、エンジンにより駆動される。
この自動車用真空ポンプにおいては、ロータやベーン等の摺動部の潤滑を確保したり、気密を維持したりするために、潤滑油(以下、オイルという)をポンプ室に供給する給油口が設けられている。
ポンプ室に接続された吸入口と吐出口と給油口とを有するケーシングと、前記ポンプ室で回転するロータの中心で径方向に形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に径方向出入り可能に支持されたベーンとを備えているベーン式真空ポンプにおいて、
前記ポンプ室において発生して前記吐出口から吐出されるオイルミストを滴化してオイルミストの排出を防止するオイルミスト排出防止構造が、前記ケーシングに設けられていることを特徴とするベーン式真空ポンプ。
本実施形態において、本発明に係るベーン式真空ポンプは、自動車のブレーキ倍力装置の真空源として使用する真空ポンプに適用するものとして構成されている。
図1に示されているように、真空ポンプはポンプ室11を形成するケーシング10を備えている。ケーシング10は一端が開放され他端が閉塞された略円筒形状に形成されたケーシング本体10aと、ケーシング本体10aの一端開口を閉塞する略円板形状に形成されたプレート10bとを備えており、プレート10bがケーシング本体10aの開口側端面に当接されることにより、ポンプ室11が形成されている。
各ベーン溝13には平板形状に形成されたベーン14の内側端部が径方向に進退するようにそれぞれ摺動自在に嵌合されている。ベーン14の外側端部はポンプ室11のケーシング本体10aの内周面に、ベーン14の一側面はポンプ室11のケーシング本体10aの側面に、ベーン14の反対側の側面はポンプ室11のプレート10bの端面にそれぞれ摺接した状態になっている。
ロータ12における隣合うベーン溝13、13間には各中空部15がロータ12を貫通するようにそれぞれ開設されている。
ロータ12の一側面における各ベーン溝13の底に対応する位置には、ベーン溝用給油溝22がそれぞれ放射状に刻設されており、同じく各中空部15の底部の中央に対応する位置には、中空部用給油溝23がそれぞれ放射状に刻設されている。
給油口20はロータ12のベーン溝用給油溝22群および中空部用給油溝23群の軌跡のうち最下端付近に臨むように配置されている。したがって、給油口20に供給されたオイルはロータ12の回転に伴って、各ベーン溝用給油溝22および各中空部用給油溝23に順次供給されて行く。
プレート10bにおける軸受18の外側には雄印籠結合部28が形成されている。雄印籠結合部28はエンジン1(図1の想像線参照)のハウジング2に形成された雌印籠結合部3に印籠結合される。
プレート10bにおける雄印籠結合部28の外側には、シールリング29を収納する収納溝30が雄印籠結合部28を包囲するように円形に没設されている。雄印籠結合部28が雌印籠結合部3に印籠結合された状態において、シールリング29は圧縮変形されて当接面間をシールする。
図1〜図3に示されているように、滴化溝41は吐出口34と同心円の円弧形状に形成されている。滴化溝41の径方向幅は吐出口34の径方向幅よりも大きく設定されており、滴化溝41と吐出口34の径方向外側端は一致されている。滴化溝41の周方向幅は吐出口34の周方向幅よりも大きく設定されている。滴化溝41の回転方向にて死点と反対側端(以下、終端とする)は吐出口34の終端よりも若干長く設定されており、滴化溝41の回転方向にて死点側端(以下、始端という)は死点を越えるように設定されている。したがって、滴化溝41は滴化空間42が充分な容積を確保するように吐出口34よりも大きく設定されている。
衝突壁部材43は断面L字形状の衝突壁45を備えており、衝突壁部材43がプレート10bに締結された状態において、衝突壁45のL字形状の水平部はプレート10bの端面に形成された滴化溝41の開口を閉塞している。衝突壁45の下端部にはドレン46が外周縁辺部を直線に切り欠かれて形成されている。
オイル溜部材47の外径は雄印籠結合部28の外径よりも若干だけ小さく設定されている。オイル溜部材47の先端辺はプレート10bの端面から隙間Sだけ離間している。したがって、ドレン46は滴化空間42の内外を連絡する通路を形成している。
オイル溜部材47の円弧の一端にはオイル溜48の一端開口を部分的に遮蔽する邪魔板49が直角に屈曲されている。オイル溜48の円弧の他端は全開している。
ちなみに、吐出口34から吐出した空気はオイルミスト排出防止構造のオイル溜48の両端開口を通ってエンジン1のハウジング2内に噴出する。
このハウジング2内に排出されたオイルミストがエンジン1外へ排出されると、白煙が発生したり、オイルの消費量が増加する。
すなわち、ポンプ室11内の空気に随伴して吐出口34から吐出するオイルミスト(図示せず)は滴化溝41を閉塞している衝突壁部材43の衝突壁45に衝突することによって流速を低減された後に、滴化空間42を流れてオイル溜48に到達する。このとき、減速したオイルミスト同士は互いに結合して滴化(水滴化)するとともに、オイル滴同士が互いに結合して大きなオイル滴塊(図示せず)となってオイル溜48に溜まる。
エンジン1が停止すると、オイル溜48および滴化空間42に溜まったオイルはドレン46からエンジン1のハウジング2内に流れ落ちる。
つまり、オイルミスト(霧)はオイルミスト排出防止構造40によって飛散しないオイル滴塊に変化させられるので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されることはない。
本変形例が第一実施形態に係るオイルミスト排出防止構造と異なる点は、衝突壁部材およびオイル溜部材の構成である。
本変形例に係るオイルミスト排出防止構造40Aはチャンネル型鋼形状の円弧形に形成された衝突壁オイル溜兼用部材(以下、兼用部材という)43Aを備えている。図2に参照されるように、兼用部材43Aはプレート10bに同心円に配置されるとともに、プレート10bに形成された一対の雌ねじ穴に一対の取付孔がそれぞれ整合されて、一対のボルトが一対の取付孔にそれぞれ挿通されて一対の雌ねじ穴にそれぞれ螺入されることにより、プレート10bに締結されている。
兼用部材43Aのチャンネル型鋼形状の底壁は衝突壁45Aを形成しており、兼用部材43Aがプレート10bに締結された状態において、衝突壁45Aはプレート10bの端面に形成された滴化溝41の開口に対峙している。
兼用部材43Aは円弧筒内空間(チャンネル型鋼の溝内空間)によってオイル溜48Aを形成している。兼用部材43Aの径方向外側壁の先端辺はプレート10bの端面から隙間Sだけ離間している。兼用部材43Aの下端部にはオイル溜48Aの内外を連絡するドレン46Aが隙間Sによって形成されている。兼用部材43Aの一端にはオイル溜48Aの一端開口を部分的に遮蔽する邪魔板49Aが直角に屈曲されている。オイル溜48Aの他端は全開している。
すなわち、ポンプ室11内の空気に随伴して吐出口34から吐出するオイルミスト(図示せず)は滴化溝41に対峙した衝突壁45Aに衝突することによって流速を低減された後に、滴化空間42およびオイル溜48Aを流れる。このとき、オイルミスト同士が互いに結合して滴化し、さらに、オイル滴同士が結合してオイル滴塊(図示せず)となってオイル溜48Aに溜まる。
エンジン1が停止すると、オイル溜48Aに溜まったオイル滴塊はドレン46Aからエンジン1のハウジング2内に流れ落ちる。
つまり、オイルミスト(霧)はオイルミスト排出防止構造40Aによって飛散しないオイル滴塊に変化させられるので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出することはない。
第二変形例に係るオイルミスト排出防止構造40Bが第一変形例のオイルミスト排出防止構造40Aと異なる点は、エンジン側からポンプ側への逆流を阻止する逆止弁50が吐出口34に設けられている点、である。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、吐出口およびオイルミスト排出防止構造の構成である。
本実施形態において、吐出口34Aはケーシング本体10aにポンプ室11の周面で開口するように形成されている。吐出口34Aには吐出路34Cの一端が接続されており、吐出路34Cの他端はケーシング本体10aのプレート10bとの合わせ面において開口して二次側吐出口34Bを構成している。
滴化溝61の二次側吐出口34Bに対峙した溝底面は衝突壁65を形成している。衝突壁65の二次側吐出口34Bに対向する位置には吐出孔63が穿設されている。エンジン1のハウジング2には吐出孔(以下、ポンプ側吐出孔という)63に連通するエンジン側吐出孔64がハウジング2内に開口するように穿設される。
オイル溜溝67の溝底面にはドレン69が穿設されている。エンジン1のハウジング2にはドレン(以下、ポンプ側ドレンという)69に連通するエンジン側ドレン70がハウジング2内に開口するように穿設される。
エンジン1が停止すると、滴化空間62およびオイル溜68に溜まったオイル滴塊はポンプ側ドレン69およびエンジン側ドレン70からエンジン1のハウジング2内に流れ落ちる。
つまり、オイルミスト(霧)はオイルミスト排出防止構造60によって飛散しないオイル滴塊に変化させられるので、オイルミストが真空ポンプ外へ排出されることはない。
本変形例に係るオイルミスト排出防止構造60Aが第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造60と異なる点は、途中で直角に屈曲した吐出路34Dが衝突壁65Aを形成している点、である。
したがって、本変形例によれば、オイルミスト滴化効果を高めることができる。
第二変形例に係るオイルミスト排出防止構造60Bが第二実施形態に係るオイルミスト排出防止構造60と異なる点は、エンジン側からポンプ側への逆流を阻止する第一逆止弁71が吐出口34Bに設けられ、同じく第二逆止弁72が吐出孔63に設けられ、同じく第三逆止弁73がドレン69に設けられている点、である。
10…ケーシング、10a…ケーシング本体、10b…プレート、11…ポンプ室、12…ロータ、13…ベーン溝、14…ベーン、15…中空部、16…回転軸、17…スプライン、18…軸受、19…歯車、
20…給油口、21…給油路、22…ベーン溝用給油溝、23…中空部用給油溝、
24…吸入口、25…吸入弁、
26…カムリング、27A…シールリング、27…収納溝、28…雄印籠結合部、29…シールリング、30…収納溝、31、32…フランジ、31a、32a…ボルト挿通孔、33…ボルト、
34…吐出口、35…雌ねじ穴、36…ボルト、
40…オイルミスト排出防止構造、41…オイルミスト滴化溝(滴化溝)、42…オイルミスト滴化空間(滴化空間)、43…衝突壁部材、44…取付孔、45…衝突壁、46…ドレン、47…オイル溜部材、48…オイル溜、49…邪魔板、
40A…オイルミスト排出防止構造、43A…衝突壁オイル溜兼用部材(兼用部材)、45A…衝突壁、46A…ドレン、48A…オイル溜、
40B…オイルミスト排出防止構造、50…逆止弁、
60…オイルミスト排出防止構造、34A、34B…吐出口、34C…吐出路、61…オイルミスト滴化溝(滴化溝)、62…オイルミスト滴化空間(滴化空間)、63…ポンプ側吐出孔、64…エンジン吐出孔、65…衝突壁、66…連通路、67…オイル溜溝、68…オイル溜、69…ポンプ側ドレン、70…エンジン側ドレン、
60A…オイルミスト排出防止構造、34D…吐出路、
60B…オイルミスト排出防止構造、71…第一逆止弁、72…第二逆止弁、73…第三逆止弁。
Claims (6)
- ポンプ室に接続された吸入口と吐出口と給油口とを有するケーシングと、前記ポンプ室で回転するロータの中心で径方向に形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に径方向出入り可能に支持されたベーンとを備えているベーン式真空ポンプにおいて、
前記ポンプ室において発生して前記吐出口から吐出されるオイルミストを滴化してオイルミストの排出を防止するオイルミスト排出防止構造が、前記ケーシングに設けられていることを特徴とするベーン式真空ポンプ。 - 前記オイルミスト排出防止構造は、前記吐出口から吐出したオイルミストの流速を低減させてオイルミストを滴化する衝突壁を備えていることを特徴とする請求項1に記載のベーン式真空ポンプ。
- 前記オイルミスト排出防止構造は、前記吐出口から吐出したオイルミストを滴化する滴化空間を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のベーン式真空ポンプ。
- 前記オイルミスト排出防止構造は、前記オイル滴の塊を溜めるオイル溜を備えていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のベーン式真空ポンプ。
- 前記オイルミスト排出防止構造は、前記オイル溜から前記オイル滴塊を排出するドレンを備えていることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のベーン式真空ポンプ。
- 前記オイルミスト排出防止構造は、前記吐出口に逆止弁を備えていることを特徴とする請求項1、2、3、4 または5に記載のベーン式真空ポンプ。
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KR102453438B1 (ko) * | 2020-06-15 | 2022-10-12 | 주식회사 한중엔시에스 | 리저버 일체형 진공 펌프 |
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