JP6525053B2 - 寝具掃除機 - Google Patents

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    • A47L9/28Installation of the electric equipment, e.g. adaptation or attachment to the suction cleaner; Controlling suction cleaners by electric means

Description

本発明は、布団等の寝具の掃除機に関する。
敷き布団及び掛け布団の塵埃を捕集する目的の電気掃除機が特許文献1で提案されている。特許文献1に記載の電気掃除機は、電動送風機と塵埃捕集用のフィルターとを内蔵した本体を有する。特許文献1に記載の電気掃除機の本体は、2枚の布団の間に設置される。この本体は、2枚の布団の外部に固定してあるレールに沿ってモータの動力によって移動させられる。特許文献1に記載の電気掃除機は、この移動に伴って塵埃を除去する。
日本特開2010−125281号公報
特許文献1に示したような、敷き布団と掛け布団の外側に設置しているレールに沿って掃除機を移動させる構成では、ベッド等の寝具に、移動用レール等の機械的構造物を事前に設置するなどの工事が必要となる。このため、一般家庭ではこのような構成の掃除機を採用することが難しい。
本発明の目的は、布団等の寝具を自動的に清掃させることができ、使用者の利便性を向上させることができる寝具掃除機を得ることにある。
この発明になる寝具掃除機は、清掃すべき寝具に接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部と、吸込口と吹出口とを有する通風路と、吸込口から通風路の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機と、通風路に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵部と、電動送風機から吹出口に至る途中で分岐したバイパス風路と、このバイパス風路を流れないで通風路を通過する電動送風機からの空気を加熱する加熱手段と、を備える。バイパス風路及び加熱手段は、通風路に設けられる。電動送風機は、通風路に吸引され加熱手段で加熱された空気を寝具の乾燥用に吹き出すとともに、バイパス風路からも空気を吹き出す。
この発明によれば、使用者の掃除の労力を軽減した利便性の高い寝具掃除機を提供できる。
この発明の寝具掃除機によれば、バイパス風路を温風の供給路以外の排気専用に使用できるので、第1の発明の効果に加え、温風用の空気流を適度範囲に維持して温風の吹き出しへの悪影響が防止される。このため必要な温度や風量の清浄な乾燥風を吹き出させることができ、寝具の乾燥効果が得られる。
本発明の実施の形態1に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。 図1の寝具掃除機の中央部横断面図である。 図1の寝具掃除機の制御に関する構成を示すブロック図である。 図1の寝具掃除機の制御動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。 図5の寝具掃除機の中央部縦断面図である。 図5の寝具掃除機の制御に関する構成を示すブロック図である。 図5で示した寝具掃除機の移動経路(軌跡)と敷き布団の関係を示す説明図である。 図5で示した寝具掃除機の間欠的移動と電力供給のタイミングの説明図である。 図5で示した寝具掃除機の移動経路(軌跡)を示す説明図である。 本発明の実施の形態2の移動経路(軌跡)の第1の変形例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2の移動経路の第2の変形例を示す説明図である。 本発明の実施の形態3に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。 図13の寝具掃除機における駆動輪と敷き布団の垂直的な位置関係を示す説明図である。 図13の寝具掃除機における駆動輪、従動輪及び吸込口の平面的な位置関係を示す説明図である。 実施の形態3に係る寝具掃除機の変形例を示す中央部縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。
実施の形態1.
以下、図1〜図4を参照して、実施の形態1を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。図2は、図1の寝具掃除機の中央部横断面図である。図3は、図1の寝具掃除機の制御に関する構成を示すブロック図である。図4は、図1の寝具掃除機の制御動作を示すフローチャートである。
(定義)
本明細書で「寝具」とは、通気性を有する寝具であり、敷き布団や掛け布団をいう。また敷き布団を使用せずに、ベッドやマットレスパッドの上に就寝している場合には、そのベッドやマットレスパッドも寝具の1種になり得る。ベッドや布団の表面(表側)を、通気性のある布や袋状のもので覆った状態では、それら布や袋等も寝具の一部分とみなす。
本明細書で「寝具乾燥」とは、寝具に対して温風を供給し、寝具の中の湿気を除去することをいう。この寝具乾燥には、温風の供給の際に、寝具を透過した温風の中から塵埃を除去し、綺麗な空気にすることも含む。寝具乾燥によって除去される塵埃には、例えば、土埃や花粉、繊維の屑、飛散した髪の毛、ダニの死骸や糞等の有害物、有害生物等が含まれ、またこれらに限定されない。
本発明で「寝具の掃除」又は「寝具の清掃」とは、寝具側から空気を吸引して寝具の表面や内部にある塵埃を捕集し、寝具を綺麗にすることをいう。塵埃を捕集する手段としては、例えば、フィルター(濾過部材)やサイクロン式集塵器の何れか一方又はその両方が使用される。なお塵埃を捕集する手段は、この2つの方式には限定されない。なお、寝具の清掃時に、寝具に温風を供給して「寝具乾燥」をする場合、その「寝具乾燥」に用いた寝具乾燥機は、寝具掃除機となり得る。
本実施の形態1では、「居住者」とは、寝具掃除機のある1つの家屋や部屋に居住する者をいう。居住者には、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等が含まれる。また居住者には、後述する居住空間HAに所定期間だけ臨時で宿泊する訪問者や、生活を共にするその他の者も含まれる。また居住者には、1つ又は複数の居住空間を1人又は数人で借用している者も含む。なお、寝具掃除機を使用した場合には、居住者を「使用者」と呼ぶ場合がある。
寝具掃除機1の乾燥運転時に、制御装置3が実行する各種プログラム、並びに各種プログラムを実行する際に使用及び作成される各種データ等は、主に記憶部3Rに記憶されている。また記憶部3Rは、例えば、ROM、フラッシュメモリ又はHDD等の不揮発性記憶装置及び作業領域を構成するRAM等の揮発性記憶装置から構成されている。
図1と図2において、1は、本発明の対象となる寝具掃除機である。
図1は、寝具掃除機1を、その進行方向の側方側から見た縦断面図である。
100Aは、寝具掃除機1の掃除の対象となる敷き布団(第1の寝具)であり、ベッド等の家具や床の上に乗せられている。100Bは、この敷き布団100Aの上に重ねて置かれた掛け布団(第2の寝具)である。なお、これら2枚の布団を総称して「寝具」という場合には、参照符号は「100」を用いる。
これら寝具100は、使用者の身長よりも十分大きな寸法に形成されている。寝具100は、ベッドの上に置かれて使用されるものと畳や床に直接置かれて使用されるものに大別され、その両者では若干大きさが異なる。例えばあるメーカのものでは、ベッド用のもので、最も小さな「シングルサイズ」と呼ばれているものでは、掛け布団100Bは、横幅150cm×長さ210cm、また敷き布団100Aは、横幅100cm×長さ200cm程度の大きさである。大きな「ダブルサイズ」と呼ばれているものでは、掛け布団100Bは、横幅190cm×長さ210cm、また敷き布団100Aは、横幅140cm×長さ200cm程度の大きさである。周知のように、布団は、通気性のある布製の表袋の中に、綿(「中綿」ともいう)や羽毛等を詰めることにより、保温機能と、吸放湿機能(湿気を吸い、また吐き出すこと)に富むように設計されている。ここでいう綿とは、木綿の他に、合成繊維でも良く、材質は限定されない。
寝具掃除機1は、図1に示しているように、敷き布団100Aの上に置いて使用される。その際に、掛け布団100Bを寝具掃除機1の上から被せると、上下2枚の寝具100を同時に乾燥することができる。
2は、寝具掃除機1の本体1Aの外郭を形成する本体ケースである。本体ケース2は、プラスチックの一体成型により、平面形状が真円形に形成されており、また縦断面形状は図1に示すように上面の一部が平坦な横長の楕円形を呈している。
本体ケース2は、図1に示すように、上下の中心部を通る水平線HLから上の全体の周囲4方向が、半円形である。言い換えると本体ケース2は、上方から見た場合、平面図に現れる上面の周囲4方向が、半円形である。
この本体ケース2は、後述する機械的駆動部(「機械的推進部」ともいう)4によって通常は進行方向FDに移動する。本体ケース2は、この移動方向の先頭部分の上から下までが一つの半球面になっている。つまり、本体ケース2の先頭部分の表面は3次元の曲面であることが望ましい。この理由については後で述べる。2Bは、本体ケース2の下面(底面)である。この下面2Bは、寝具乾燥運転時に本体ケース2が移動する期間中は、常に敷き布団100Aの上面と接近した位置になることが望ましい。寝具乾燥運転時に本体ケース2が移動する期間中は、下面2Bが敷き布団100Aの上面と接触して摩擦力を発生するような状態のまま、本体ケース2が移動することは望ましくない。
寝具掃除機1は、敷き布団100Aと掛け布団100Bとの間を自力で移動する場合にそれら寝具100との摩擦が少なく進行がスムーズになるように工夫されている。具体的には、本体ケース2の表面全体(少なくとも、上面と前後左右の4つの側面)は、掛け布団100Bの下面と直接接触する場合があることを想定し、できるだけ円滑な表面に形成されている。つまり本体ケース2の表面全体(少なくとも、上面と前後左右の4つの側面)は、前述したように、3次元曲面に形成され、またその曲面には敷き布団100Aや掛け布団100Bの表面が引っ掛かるような細かい突起物が無いように形成されている。なお、ここでいう円滑な表面とは、通常のプラスチック成型によって形成される表面であれば良く、特殊な鏡面仕上げ等、高度な加工等は特段必要ではない。
5A、5Bは、前記本体ケース2の進行方向側(先頭側)の天井面と、反対側の底面に、それぞれ形成された吸込口である。吸込口5A、5Bは、平面的に見ると、図2に示すように本体ケース2の中心点(CPO)を中心とした同心円上にあり、円弧状に形成されている。なお、2つの吸込口5A、5Bを総称する場合には、参照符号は「5」を用いる。
吸込口5から水平線HL側に向けて垂直に連通している空洞が、吸込通路6である。この吸込通路6の上下中間点から後方側(進行方向FDと反対側)には、大きな円形の窓7を介して集塵室8が繋がっている。この集塵室8の中には、その天井部から底部までの全体を仕切るように、塵埃濾過用のフィルター9が設置されている。なお、フィルター9は縦断面形状がジグザグ状になっていて、濾過のために表面積を増加させたものが使用されている。なお、フィルター9は、一層ではなく、窓7に近い側、つまり空気流の上流側に細かい網目状のプレフィルターが置かれ、その下流側には、プレフィルターよりも更に微細な塵埃を捕集できるようなメインフィルターが配置されるなど、複数段設置される構成にしても良い。
さらに集塵室8から後方側には、円形の窓10を介して送風室11が繋がっている。送風室11の中には、回転軸12が水平になっている電動送風機13が設置されている。13Mは、電動送風機13のモータである。14は、窓10と対向するように回転軸12の先端部に固定されたファンである。
さらに送風室11から後方側には、円形の窓15を介して加熱室16が繋がっている。17は、この加熱室16の中に配置されている電気ヒータであり、例えばPTCヒータが使用されている。ヒータ17には、風を通過させるために細かい貫通孔が蜂の巣状に形成されている。なお、ヒータ17は、PTCヒータに限定されず、シーズヒータ等の他の形態の輻射式電気ヒータでも良い。
18は、加熱室16の背後側の壁面の開口19を介して加熱室16と連通した排気通路である。排気通路18の末端部には、本体ケース2の後部の天井面にある吹出口20Aと、本体ケース2の後部の底面2Bにある吹出口20Bとが、それぞれ設けられる。これら2つの吹出口20A、20Bは、上下方向に重なった位置にあり、また図2に示しているように、本体ケース2の中心点(CPO)を中心とした同心円上にあり、円弧状に形成されている。なお、2つの吹出口20A、20Bを総称する場合には、参照符号は「20」を用いる。
22は、機械的駆動部4の中核構造物である駆動輪である。駆動輪22は、寝具掃除機1の重量を支え、また敷き布団100Aの上面に接して十分な摩擦力が得られるよう、大きな直径を有し、また比較的幅広な扁平タイヤ形状を呈している。
駆動輪22は、図2に示しているように本体ケース2をY軸方向に見た(左右)中心線CLYを挟んで、その両側の対称的な位置に1対設けてある。なお、右駆動輪22Rと左駆動輪22Lとは、それぞれ専用のモータ22MR、22MLにより正回転方向及び逆回転方向に回転駆動されるようになっている。
23は、前記機械的駆動部4の中核構造物である走行輪である。走行輪23は、前記駆動輪22とは異なり、モータ22MR、22ML等のような駆動源には駆動されないものである。走行輪23は、本体ケース2の重量を支えながら本体ケース2の移動に伴って回転するだけであるから、「従動輪」とも言う。
上記のように駆動輪22と走行輪23とによって本体ケース2の総重量を支えるが、本体ケース2を敷き布団100Aの上面に置き、また掛け布団100Bを図1に示すように掛けた場合を想定した場合、本体ケース2の上に更に掛け布団100Bの重さも加わる。そして駆動輪22及び走行輪23の設置面積、つまり駆動輪22及び走行輪23が敷き布団100Aと接触する面積が小さい場合は、本体ケース2と掛け布団100Bの重さによって駆動輪22と走行輪23とが、敷き布団100Aの上面から大きく沈み込む。これにより、本体ケース2の底面(下面)2Bが敷き布団100Aを押し下げるような形になることが想定される。そのような状態で本体ケース2を移動させると、本体ケース2の下面2Bが敷き布団100Aの上面と広い範囲で接触し、本体ケース2の水平移動を妨げるような摩擦抵抗が発生する懸念がある。そこで、本実施の形態1では、本体ケース2と掛け布団100Bの重さや、敷き布団100Aの柔らかさ(又は硬さ)等も総合的に考慮し、図1に示すように通常の掛け布団100Bが掛けられても、本体ケース2の底面(下面)2Bと敷き布団100A上面との間に僅かでも間隙GPが確保されるように設定している。間隙GPの大きさは10mm程度あれば良い。
24は、本体ケース2の前方部の下面に検知面が露出するように設置した位置センサーである。位置センサー24は、寝具掃除機1の進行方向FD側の敷き布団100A表面に赤外線等の光線を放射する発光部と、その発光部からの光の反射光を受ける受光部(例えばフォトトランジスタ)とを有している。位置センサー24の検知信号は、制御装置3にインプットされるようになっている。なお、検知用の光線は1本だけではなく、複数本でも良い。また赤外線センサーではなく、超音波センサーでも良い。
25は、吸込口5Aから吸込通路6の中に吸い込まれる空気流に対して、レーザ光線等を当てて所定粒径以上の塵埃の数をカウントする塵埃センサーである。なお、このような塵埃センサー自体は、既に色々なものが知られている。例えば、日本特開2014−236838号公報で紹介された自走式掃除機では、気流に含まれる塵埃の多少を判別する技術が紹介されている。このため塵埃センサーの詳しい説明を省略するが、この塵埃センサー25で計測した塵埃の量に応じて、「塵埃飛散度情報」が制御装置3の中にある塵埃判定部32で生成される。この実施の形態1では、寝具掃除機1が前進する方向で塵埃量を計測するため、塵埃センサー25は、進行方向FD側にある吸込口5Aから窓7の近くまでの間に設置され、その吸込口5Aから流入した直後の空気の塵埃量を計測する。この塵埃飛散度情報は、寝具掃除機1のホストコンピュータとして機能する制御装置3によって電動送風機13の回転数、即ち、空気吸込み能力の制御に利用される。
27Aは、前記送風室11から加熱室16に至る直前に設けたバイパス風路27の入口である。この入口27Aは、電動送風機13からの排気流の一部を、このバイパス風路27から本体ケース2の外部に逃がすことにより、電動送風機13の吸込風量を維持できる。
PTCヒータ等の電気ヒータ17に多量の風を流すためには、電気ヒータ17の通気性、開口率等を上げる必要があり、電気ヒータの大型化、コスト高を招く可能性がある。また電気ヒータで十分な熱を与えられず、寝具100の乾燥には不適当な低い温度のまま吹き出すことにもなる。
これに対してこの実施の形態1では、バイパス風路27を温風の供給路以外の排気専用に使用できるので、温風用の空気流は適度範囲に維持され、温風の吹き出しへの悪影響が防止される。このため必要な温度や風量の乾燥風を吹き出させることができる。なお、図2において、27Bは、本体ケース2の底面に形成したバイパス風路27の出口であり、Y軸方向に細長く形成されている。
以上の説明から明らかなように、本体ケース2の内部には、吸込口5を起点として、吸込通路6、集塵室8、送風室11、加熱室16、排気通路18、開口19、吹出口20と順次連続した「通風路」28が区画形成されている。またその通風路28の途中にある電気ヒータ17の直前部分から分岐し、本体ケース2の外部に連通するバイパス風路27も備えた構成である。
26は、電源としてリチウム・イオン電池等の電池である。この電池26は、機械的駆動部4、電動送風機13、電気ヒータ17のエネルギー源であり、図3以降で説明する制御装置3等の電源でもある。またこの電池26は、家庭用の商用電源(例えば電圧100V)で繰り返し充電し、使用できるものである。
30は、使用者が入力操作情報を制御装置3に与えるための入力操作部31と、電動送風機13の駆動回路33と機械的駆動部4の駆動回路34等を実装した回路基板である。回路基板30は、1枚又は上下に間隔を置いて2枚以上が設置されている。
前記電池26と回路基板30は、図2に示した(左右)中心線CLY上に、重なるように配置されている。このため、回路基板30と電動送風機13と、電池26が、上下方向に一直線上で整列している。電動送風機13と電池26は、この寝具掃除機1の中で最も重量のある部品であるため、このように中心線CLY上に設置し、寝具掃除機1の重量配分が中心線CLYを挟んで、その両側でアンバランスとならないようにしている。これにより、駆動輪22L、22Rそれぞれと敷き布団100Aとの摩擦力にも較差が生じないようにしている。駆動輪22L及び22Rを同一方向に同一回転数だけ回転させた場合、本体ケース2が進行方向FDに真直ぐ進むことになる。
図1において、矢印F1、F2、F3は、前記通風路28の中を流れる空気流を示しており、F1からF2、F2からF3と順次下流へ行くに従って符号が変わる。なお、F2Mは、送風室11から加熱室16に行く第1の流れを示し、F2Vは、送風室11からバイパス風路27の入口27Aに行く空気風の流れを示している。
次に図3について説明する。
図3において、40は、入力操作部31の操作を光で誘導し、また必要な表示を行うための複数のLED(発光ダイオード)を有したLED発光部である。41は、同じく、入力操作部31の操作を音声で誘導し、また必要な報知を行うための音声ガイド部である。
42は、寝具掃除機1のホストコンピュータとして機能する制御装置3の中核を成している中央制御部である。中央制御部42は、マイクロコンピューターで構成されており、後述するように、寝具掃除機1の全体の動作を制御する制御プログラムを格納した記憶部3Rと接続されている。なお、記憶部3Rと中央制御部42は、ハードウエア的には、回路基板30の上に半導体集積回路として形成されている。
塵埃判定部32は、前記した塵埃センサー25の検知出力を受けて、「塵埃飛散度情報」を生成する。つまり、塵埃センサー25で計測した塵埃の量に応じて、塵埃の飛散の大小が分かるような情報を塵埃判定部32が生成する。
43は、寝具100の表面判定部である。表面判定部43は、位置センサー24の受光部(図示せず)からの受光情報を受けて、所定の位置に敷き布団100Aの上面があるかどうかを判定する。仮に、敷き布団100Aの存在が検知されない場合には、瞬時に異常時処理部44に対して、所定の(敷き布団100Aの不存在)異常報知信号を発信する。
45は、電気ヒータ17に対する電力量を制御し、また通電を開始・停止する駆動回路である。駆動回路45は、制御装置3からの駆動指令信号を受けて動作する。
46は、前記2つの駆動輪22R、22Lの回転数をカウントする回転数カウンター47からの回転数信号を受け、それら駆動輪22L、22Rが指令信号通りの回転方向、回転数で回転したかどうかを判定する回転判定部である。
48Lは、駆動輪22Lを回転させる駆動モータである。また48Rは駆動輪22Rを回転させるモータである。各モータ48L及び48Rと、駆動輪22L及び22Rとの間には、適当な差動ギア機構等を介在させている。なお、2つの駆動モータを総称する場合の参照符号は「48」を用いる。
49は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路である。時計回路49には、電池26とは別の専用電源(内蔵電池)から電源が供給される。これにより時計回路49は、長期間に亘って駆動されるようになっている。時計回路49は例えば電波時計でも良く、常に制御装置3から求めがあれば、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものである。このため制御装置3は、寝具掃除機1の運転のタイミングをこの時計回路49からの時間情報によって正確に決定することができる。
電気ヒータ17の駆動回路45と、前記電動送風機13の駆動回路33と、機械的駆動部4の駆動回路34とは、回路基板30とは別の回路基板(図示せず)上に実装しても良い。そして入力操作部31と制御装置3を構成する中央制御部42や記憶部3R等の電子部品は、駆動回路45等に比較して低電圧(数ボルト以下)で駆動されるため、前記回路基板30上に集約すると良い。
(寝具掃除機1の動作)
次に図4について説明する。
図4は、寝具掃除機1の主電源スイッチ(図示せず)をONした後の動作ステップを示している。
ステップS1〜S16が、制御装置3の中の中央制御部42を構成するマイクロコンピューターの動作プログラムにより規定されている。
居住者(使用者)が、寝具掃除機1を敷き布団100Aの上においてスタート(S1)の操作を入力操作部31で行うと、主電源スイッチ(図示せず)がONされる(S2)。すると、制御装置3の中央制御部42を構成するマイクロコンピューターが動作プログラムを起動する。
最初に位置センサー24によって所定の位置に敷き布団100Aがあるかどうかの判定が行われる(S3)。このステップS3で、敷き布団100Aの存在を示す信号が中央制御部42に届かない場合には、これ以上ステップは進行せず、LED発光部40と音声ガイド部41によって、使用者への報知が行われる。報知の内容は例えば「正しい位置に寝具掃除機1をセットして下さい。現在の位置では、敷き布団100Aが検知されていません。」のように案内する。なお、敷き布団100Aの存在を示す信号が中央制御部42に届かない場合には、異常時処理部44がその内容を判断し、上記のような処理をLED発光部40と音声ガイド部41に指令する。入力操作部31において表示部を構成するLED発光部40と、前記音声ガイド部41は、起動されて上記のように動作する(S4)。
ステップS3で、敷き布団100Aの存在が確認されて異常がない場合には、同様にLED発光部40と、前記音声ガイド部41は、それぞれ起動されて、運転開始することを報知する。
次のステップS5では、入力操作部31を起動して使用者からの入力操作を受け付ける準備を完了し、音声ガイド部41を起動して使用者に入力操作を促す(S5)。そして運転モードの選択をするような表示をし、又はこれに代えて、あるいは加えて、音声ガイド部41から発生させた音声で、使用者に対し運転モードの選択を促す。
次に制御装置3の中央制御部42は、自動運転モードが選択されたか、手動運転モードが選択されたかどうかの判定を行う(S6)。自動運転モードには、例えば寝具清掃を所定の時間行うモードが含まれている。例えば、寝具清掃の標準コースの時間は、ダブルサイズの敷き布団の場合、60分と設定されている。また、自動運転モードには、「寝具乾燥」モードも含まれている。一方、手動運転モードには、寝具清掃を使用者が設定した時間だけ行うモードが含まれている。
ステップS6で、「寝具清掃」の自動運転モードが選択された場合には、次のステップ(S7)へ進む。なお、自動運転モードも手動運転モードも選択されない場合には、ステップS6は、「No」となり、ステップS5に戻る。
次に、ステップS7からS15を説明する。これらのステップは、寝具清掃の自動運転モードが選択された場合の動作を示すものである。
まず、自動運転モードが選択された場合、中央制御部42は、自動運転モードで寝具清掃運転開始することを示す「清掃開始指令信号」を生成し、機械的駆動部4に送信する。機械的駆動部4では、その清掃開始指令信号を受けて駆動回路34が駆動モータ48L、48Rの駆動を開始する(S7)。
ステップS7では、駆動回路34が駆動モータ48L、48Rの駆動を開始した時点からの経過時間の計測がスタートする。例えば左駆動輪22Lと右駆動輪22Rが4分の1回転したかどうかは、回転数カウンター47で計測される。本体ケース2は、所定の進行方向FDに移動開始する。例えば左駆動輪22Lと右駆動輪22Rが4分の1回転した時点で回転数カウンター47は「1」とカウントし、更に4分の1回転した時点で「2」とカウントする。なお、左駆動輪22Lと右駆動輪22Rの4分の1回転とは、例えば直線距離で4cm又は5cmに相当する。
次に、ステップS8では、ステップS3とは異なった位置で、再び位置センサー24によって所定の位置に敷き布団100Aがあるかどうかの判定を行う(S8)。このステップS8で、敷き布団100Aの存在を示す信号が中央制御部42に届かない場合には、これ以上ステップは進行せず、異常停止(エラー停止)の処理(S16)に進む。そしてステップS16では、LED発光部40と音声ガイド部41によって、使用者への報知が行われる。報知の内容は例えばステップS3と同様に「敷き布団100Aの位置と、寝具掃除機1の位置を確認して下さい。現在の位置では、敷き布団100Aが検知されていませんので、運転を停止しました。」のように案内する。
ステップS8で、敷き布団100Aの存在が確認されて異常がない場合には、次のステップS9に進む。このステップS9では、左駆動輪22Lと右駆動輪22Rが例えば、4分の1回転したかどうかが回転判定部46で判定される。本体ケース2は、所定の進行方向FDに移動開始する。
ステップS9で、所定の距離だけ移動したことと判定されると、次のステップS10に進む。ステップS10では、機械的駆動部4の駆動が一時停止される一方、電気ヒータ17に通電が開始され、また電動送風機13にも通電が開始され、本体ケース2の吸込口5から敷き布団100A及び掛け布団100Bの内部やその相互間からの空気が吸込通路6の中に吸引される。そして、その空気流の中の塵埃はフィルター9で捕集され、清浄な空気のみが加熱室16に至り、温風となって吹出口20から吹き出される。
ステップS10では、本体ケース2は敷き布団100Aのある位置で一時停止したまま、敷き布団100Aと掛け布団100Bの方向に温風を吹き出すので、それら布団の乾燥ができる。なお、この一時停止期間と温風の吹き出し時間は、同期しており、例えば10秒間又は15秒間だけこの乾燥動作が行われる。所定時間経過すれば、電気ヒータ17と電動送風機13への通電は停止する。そして本体ケース2が、所定の進行方向FDに移動した量のカウントはリセットされ、ゼロに戻る。
次に、ステップS11では、中央制御部42は、機械的駆動部4に駆動開始指令信号を送信し、その指令信号を受けて駆動回路34が駆動モータ48L、48Rの駆動を再び開始する。
次のステップS12では、ステップS7の時点からの経過時間が所定時間(前記したように、例えば60分間)になったかどうかの判定が行われる。ここで、所定時間になっている場合には、寝具清掃運転を終了するため、LED発光部40で運転終了を示す表示が行われ、また音声ガイド部41からも同様に自動運転が所定のプログラム通り完了した旨の報知が音声で行われる(S13)。もし、所定時間に至っていない場合には、前記ステップS8に戻る。
次のステップS14では、主電源スイッチは自動的にOFFとなり、一連の寝具清掃運転を終える(S15)。
(実施の形態1の総括)
実施の形態1において説明した寝具掃除機1は、清掃すべき寝具100に接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部4と、空気が吸い込まれる吸込口5及び空気が吹き出される吹出口20を有する通風路28と、吸込口5から通風路28の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機13と、通風路28に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵部と、通風路28に設けられ、吹出口20から吹き出される空気を加熱する加熱手段と、を備える。電動送風機13は、通風路28に吸引され加熱手段で加熱された集塵後の空気を、寝具100の乾燥用に吹き出す。
この寝具掃除機1は、実施の形態1においては、次のような具体的な構成によって実現されている。すなわち寝具掃除機1は、清掃すべき敷き布団100Aと掛け布団100Bとに接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部4を備える。また寝具掃除機1は、敷き布団100A及び掛け布団100B側からの空気が吸い込まれる上下2カ所の吸込口5A、5Bと空気が吹き出される上下2カ所の吹出口20A、20Bとを有する通風路28を備える。また寝具掃除機1は、吸込口5A、5Bから通風路28の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機13と、通風路28に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵室8に配置されたフィルター9と、を備える。通風路28には、吹出口20A、20Bから吹き出される空気を加熱する電気ヒータ17が備えられる。電動送風機13は、通風路28に吸引され電気ヒータ17で加熱された集塵後の空気を、敷き布団100Aと掛け布団100B双方の乾燥用に吹き出す。
この実施形態1における寝具掃除機1によれば、移動用レール等の機械的構造物を家具に設置するなどの工事を必要とせず、敷き布団100Aの上を駆動輪22L、22Rの回転によって本体ケース2が所定方向に移動し、その移動の過程で、敷き布団100Aと掛け布団100B側から空気を吸い込み、その空気流の中の塵埃を除去して清浄な空気にして、再び本体ケース2の上下2カ所の吹出口20A、20Bから吹き出すことができ、寝具の清掃を行わせることができる。またそのような清浄な空気を吹き出す際に、その空気を温風化して吹き出すので、敷き布団100Aと掛け布団100Bの乾燥もできる。しかも、寝具の掃除用の電動送風機13は、乾燥用の温風を吹き出す電動送風機13でもあるので、通風路28のサイズを小型化でき、これにより寝具掃除機1全体の構成を小型化でき、使い勝手を向上させることができる。
要するに、本発明によれば、寝具を常に良好な状態に維持し快適な睡眠を実現することを目的に、使用者の体力的、時間的な負担を低減した電気機器を実現することができる。寝具に適した掃除機能、乾燥機能、自律走行機能を具備することで、使用者の労力を軽減すると同時にメンテナンス時間が短縮される。また、掃除機能と乾燥機能に必要な電動送風機13を共有することで、小型、軽量、低コスト化を実現することもできる。
また寝具掃除機1は、清掃すべき寝具100に接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部4と、空気が吸い込まれる吸込口5と空気が吹き出される吹出口20とを有する通風路28と、吸込口5から通風路の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機13と、通風路28に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵部と、電動送風機13から吹出口20に至る途中で分岐したバイパス風路27と、このバイパス風路27を流れないで通風路28を通過する電動送風機13からの空気を加熱する加熱手段と、を備える。電動送風機13は、通風路28に吸引され加熱手段で加熱された空気を寝具の乾燥用に吹き出すとともに、バイパス風路27からも空気を吹き出す。
この寝具掃除機1は、実施の形態1においては、次のような具体的な構成によって実現されている。
すなわち寝具掃除機1は、清掃すべき敷き布団100Aと掛け布団100Bとに接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部4を備える。寝具掃除機1は、敷き布団100A及び掛け布団100B側からの空気が吸い込まれる上下2カ所の吸込口5A、5Bと空気が吹き出される上下2カ所の吹出口20A、20Bとを有する通風路28を備える。また寝具掃除機1は、吸込口5A、5Bから通風路28の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機13と、通風路28に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵室8に配置されたフィルター9と、を備える。通風路28には、電動送風機13から吹出口20に至る途中で分岐したバイパス風路27と、このバイパス風路27を流れないで通風路28を通過する電動送風機13からの空気を加熱する電気ヒータ17と、が備えられる。電動送風機13は、通風路28に吸引され電気ヒータ17で加熱された集塵後の空気を寝具の乾燥用に吹き出すとともに、バイパス風路27からも集塵後の空気を吹き出す。
この寝具掃除機1によれば、バイパス風路27を温風の供給路以外の排気専用に使用できるので、集塵されて清浄化された温風用の空気流を適度範囲に維持して温風の吹き出しへの悪影響が防止される。このため必要な温度や風量の清浄な乾燥風を吹き出させることができる。
実施の形態1では、以下に述べるような特徴的な構成によって、更に実用的な効果が得られる。
実施の形態1の寝具掃除機1は、通風路28、集塵部、電気ヒータ17及び電動送風機13を内蔵する本体ケース2を有している。その本体ケース2の下面には、吸込口5Bと吹出口20Bとが、図1に示したように平面的に互いに間隔をおいて形成されている。
このため、吹き出された空気がショート・パスで吸込口5Bに戻ることを抑制でき、吸塵効果を高めることができる。
また吸込口5Bは、機械的駆動部4によって本体ケース2が進行する方向の先頭側に配置されている。吹出口20Bは、機械的駆動部4によって本体ケース2が進行する方向の後尾側に配置されている。
これにより、本体ケース2の先頭側で吸塵できるので、寝具100の広い範囲で吸塵効果を上げることができる。
また吸込口5Aは、本体ケース2の上面に形成されている。吸込口5Bは本体ケース2の下面に形成されている。すなわち吸込口5は、本体ケース2の上面と下面とに形成されている。吹出口20Aは、本体ケース2の上面に形成されている。吹出口20Bは、本体ケース2の下面に形成されている。すなわち吹出口20は、本体ケース2の上面と下面とに形成されている。吸込口5と吹出口20とは、互いに間隔をおいて形成されている。
このため、吹き出された空気がショート・パスで吸込口5に戻ることを抑制できるとともに、敷き布団100Aと掛け布団100Bとの双方から空気を導入し、また双方へ温風を吹き出すことができるので、敷き布団100Aと掛け布団100Bとの双方とも1回の運転で効率良く清掃することができる。
また吸込口5A及び吸込口5B、すなわち吸込口5は、機械的駆動部4によって本体ケース2が進行する方向の先頭側に配置されている。吹出口20A及び吹出口20B、すなわち吹出口20は、機械的駆動部4によって本体ケース2が進行する方向の後尾側に配置されている。
このため、本体ケース2の先頭側で吸塵できるので、寝具100の広い範囲で吸塵効果を上げることができる。
また本体ケース2を平面的に見た場合、その1つの点(中心点CPO)に対して同心円状に、吸込口5と吹出口20とが形成されている。
このため、本体ケース2が90度以上の方向転換(回動)する場合でも、吸込口5と吹出口20の位置を大きく変化させずに、その方向転換前の状態から連続して吸塵又は乾燥することができる。なお、本体ケース2の中心点CPOに、電動送風機13を配置した場合は、電動送風機13に対する吸込口5及び吹出口20からの経路長に差がなくなる。このため、吸込口5及び吹出口20の全体に亘って空気導入や吹き出しが行われ、狭い範囲での空気流通に起因した騒音の発生が抑制される。
また本体ケース2は、機械的駆動部4によって当該本体ケース2が進行する方向と平行な中央部縦断面で見た場合、図1に示したように全体が円形又は横長の楕円形である。
このため、本体ケース2が掛け布団100Bの下面に接触しても、掛け布団100Bは本体ケース2の外形形状によって上方向へ案内される。これにより、掛け布団100Bは本体ケース2の前方への進行に対する大きな抵抗にならず、本体ケース2は安定して直進することができる。
また本体ケース2の内部には、図1に示したように、機械的駆動部4、電気ヒータ17及び電動送風機13の電力供給源となる電池26が内蔵される。
電池26及び電動送風機13は、電池26の真上に電動送風機13が位置する配置である。更に電池26及び電動送風機13は、本体ケース2が進行する方向に沿った中心線CLY上に配置されている。
このため、本体ケース2の中心線CLY上に重量物である電池26と電動送風機13とが位置することになり、本体ケース2の重心位置がその中心部に位置する。これにより、本体ケース2が掛け布団100Bの下面に接触して進行の妨げになるような力を受けても、本体ケース2に左右対称に均等な推進力が発生させられることによって、本体ケース2は前方へ安定して直進することができる。
また吸込口5は、本体ケース2の上面と下面とにそれぞれ形成される。上面の吸込口5と下面の吸込口5とは、共通の吸込通路6を介して互いに連通している。このような構成であるので、仮に一方の吸込口5に敷き布団100A又は掛け布団100Bの表面生地が吸い付いた状態になっても、他方の吸込口5から、吸込通路6を介して通風路28に空気が吸い込まれる。このため、吸込口に敷き布団100Aや掛け布団100Bが強く吸い付いた状態のまま本体ケース2を進行させる事態を回避でき、少ない駆動エネルギーで本体ケース2を円滑に進行させることができる。
実施の形態2.
以下、図5〜図10を参照して、実施の形態2を説明する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。図6は、図5の寝具掃除機の中央部(A−A線)縦断面図である。図7は、図5の寝具掃除機の制御に関する構成を示すブロック図である。図8は、図5で示した寝具掃除機の移動経路(軌跡)と敷き布団の関係を示す説明図である。図9は、図5で示した寝具掃除機の間欠的移動と電力供給のタイミングの説明図である。図10は、図5で示した寝具掃除機の移動経路(軌跡)を示す説明図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一の符合を付け、重複した説明は極力省略する。
(寝具掃除機の構造)
図5は、寝具掃除機1を、その進行方向FDの後方(背後)側から見た縦断面図である。
図5において、寝具掃除機1は、実施の形態1と同じように、敷き布団100Aの上に置いて使用される。その際に、掛け布団100Bを寝具掃除機1の上から被せると、上下2枚の寝具100を同時に清掃・乾燥することができる。
2は、寝具掃除機1の本体外郭を形成する本体ケースである。本体ケース2は、プラスチックの一体成型により、平面形状が真円形に形成されている。また本体ケース2の縦断面形状は楕円形を呈している。このような本体ケース2であるため、寝具掃除機1は、敷き布団100Aと掛け布団100Bとの間を自力で移動する場合、それら寝具100との摩擦が少なく、スムーズに進行する。なお、本体ケース2の表面全体(少なくとも、上面と前後左右の4つの側面)は、掛け布団100Bの下面と直接接触することを想定し、できるだけ円滑な表面に形成されている。つまり本体ケース2の表面全体(少なくとも、上面と前後左右の4つの側面)は3次元曲面に形成され、またその曲面には敷き布団100Aの表面が引っ掛かるような細かい突起が無いように形成されている。これらの点は、実施の形態1と基本的に同じである。
20は、本体ケース2の底面中央部に形成された(清浄空気と温風の)吹出口である。吹出口20の平面形状は、横長長方形又は横長楕円形状である。この吹出口20の横幅寸法は、図5に示すようにSWである。また吹出口20は、図6に示すように、寝具掃除機1の進行方向FDにおける長さがHWに形成されている。前記したように、吹出口20は平面的に見て横長形状であるため、SW>HWの関係になっている。
Wは、本体ケース2の吹出口20に依存する乾燥域である。この乾燥域Wとは、寝具掃除機1がその進行方向FDに移動した際に、敷き布団100Aを乾燥できると判断される横幅である。乾燥域Wは、吹出口20の横幅寸法SWに対し、少なくとも2倍程度の大きさである。例えば、この吹出口20の横幅寸法SWが7cmであった場合、この実施の形態2では、実験結果等から、平均して乾燥域Wは15cmになると想定してある。但し乾燥域Wは、吹出口20と敷き布団100Aとの対向間隔や温風の吹き出し速度等にも影響して変化するので、吹出口20の横幅寸法に対して常に一定の比率の大きさにはならない。
吹出口20は、敷き布団100Aの中にできるだけ多くの温風を導入させるため、敷き布団100Aの上面と出来るだけ近接した位置にあることが望ましい。但し、吹出口20の下端縁が本体ケース2の移動時に敷き布団100Aの上面と接触し、本体ケース2の円滑な進行に障害となる懸念もある。そこで、寝具掃除機1の本体ケース2がその進行方向FDに移動している期間中は、吹出口20の下端縁が敷き布団100Aの上面と離れるようにしてもよい。また本体ケース2が一時停止して温風を吹き出している期間中には、吹出口20の下端縁の位置が(本体ケース2の移動中よりも)低くなるか、又は敷き布団100Aの上面と接触するように、吹出口20を上下に移動させる機構を設けても良い。
17は、吹出口20の中央に横たわるように設けられた電気ヒータであり、PTCヒータが用いられている。このヒータ17は、上下方向に通風用の多数の貫通孔が形成されている。13は、ヒータ17の真上の位置に配置された電動送風機である。
13Mは、この電動送風機13のモータであり、上面が開口した円形の送風ケース50Cに支持されている。この電動送風機13と電気ヒータ17は、敷き布団100A等の寝具を温風で乾燥させる場合の、温風供給源となる。また電動送風機13は、寝具掃除機1を電気掃除機として使用して寝具100の塵埃を除去する場合には、その塵埃を導入する空気流の発生手段ともなる。このように、寝具100の清掃と乾燥の両方の場面で共用できるように、後述する風洞(通風ダクト)55の中央部に電動送風機13のモータ13M及びファン14は配置されている。
22は、大きさ、形状及び材質が全く同じである4個の車輪(駆動輪)である。車輪(駆動輪)22は、吹出口20の前後・左右を囲むように配置されている。言い換えると、車輪(駆動輪)22は、平面的に見た場合、吹出口20の右側に進行方向FDに沿って前後に2個配置され、またその吹出口20を挟んで対称的な左側位置に残りの2個が配置されている。なお、これら車輪22の内、少なくとも左右の1つは、それぞれ専用のモータにより回転駆動され、本体ケース2を前進させ、後退させ、方向転換させる推進力を発揮する。言い換えると、これら車輪22は、後述する車輪駆動部(駆動回路)34によって、左右それぞれ1個ずつが別個に駆動される。そして、寝具掃除機1は、本体ケース2の左右両側の車輪22が同一方向に回転することで前進又は後退し、両輪が互いに逆方向に回転することで方向を転換する。ここで、車輪22と駆動回路34は、機械的駆動部4の主要な構成部分である。
掛け布団100Bがその自重で本体ケース2の上面に被さり接触している状態でも、本体ケース2を所定の方向に進行させるため、前記4個の車輪22は、十分な回転駆動力が与えられるように、敷き布団100Aの上面と摩擦抵抗が発生するような材質で形成されている。また垂直中心線VLを挟んで左右対称位置に、敷き布団100Aの上面と接触する車輪22が配置されている。このため、本体ケース2が掛け布団100Bの下面に接触して進行の妨げになるような力を受けても、本体ケース2に左右対称に均等な推進力が発生させられ、本体ケース2は前方へ安定して直進状態に進行することができる。
5は、本体ケース2の下面に4カ所点在するように形成された吸込口である。この吸込口5は、吹出口20とは逆に、本体ケース2の内部へ空気を導入する入口になる。この吸込口5は、本体ケース2を下方から見た場合、車輪22の前後・左右を囲むような位置に設けられている。全ての吸込口5は、同じ大きさ(口径)に形成されているが、これは一例であり、積極的に異ならせても良い。例えば、寝具掃除機1の進行方向FDにある吸込口5の口径を、逆方向にある吸込口5の口径よりも小さく形成してもよい。これにより、本体ケース2の進行(移動)に伴って、その後方側から吸い込む風量が、前方側の風量よりも大きくなるようにしても良い。また逆に前方側から吸い込む風量を大きくしても良い。また吸込口5の開口形状を、同一形状に全て揃えなくともよい。
52は、前記した4つの吸込口5に、本体ケース2の外側からそれぞれ挿入設置された吸込口ユニットである。この吸込口ユニット52は、吸込口5に連通するように中空の筒形に形成される。吸込口ユニット52の最も下の底面には通気孔が大きく形成されている。その通気孔には、下端が敷き布団100Aの表面に接触するような回転するブラシ53(図7参照)が配置されている。そのブラシ53は、水平な回転軸に支持される。ブラシ53は、専用のモータを有するブラシ駆動部54により、回転軸周囲を回転し、敷き布団100Aの上表面にある塵埃を掻き出す。これにより、吸込口5に吸い込まれる空気流によって敷き布団100Aから塵埃が除去される。なお、図5で示した破線矢印F1は、吸込口5に吸い込まれる空気流を示している。同様に破線矢印F2、F3は、本体ケース2の内部から吹出口20を経由して吹出される風の流れを示している。矢印F3が示す風は、ヒータ17によって暖められるため、温風である。
吸込口ユニット52は、吸込口5から使用者が取り外し、また装着できる構造になっている。この吸込口ユニット52の中には、ブラシ53と、空気中の塵埃を捕集する目の粗いフィルター(「プレフィルター」という。図示せず)と、が設けてある。そのプレフィルターとブラシ53は、その吸込口ユニット52から更に取り外して清掃、洗浄(水洗い)できるようになっている。このため、寝具掃除機1を使用してプレフィルターに溜まった糸くずや、その他塵埃は、使用者が取り除くことができる。同様に、ブラシ53に絡んだ髪の毛等も除去できる。なお、ブラシ53を吸込口ユニット52に組込み、吸込口5部分にセットした状態では、そのブラシ53の一端部に形成してある第1のギア部が、本体ケース2の内部にある第2のギア部と噛み合う。これにより、ブラシ53は回転駆動力を受ける。第2のギアは、専用のモータ(図示せず)によって回転駆動される。
55は、本体ケース2の中で大きな体積を占めている通風ダクトである。通風ダクト55は、前記4つの吸込口5に接続される入口部55Aを備えている。そして中央部には、それぞれの入口部55Aに繋がる出口部55Bが形成された逆円錐形の集塵筒部55Cが形成されている。
集塵筒部55Cは、上面と下面(底面)全体が開放される。集塵筒部55Cの下面に形成された円形の開口部55Uは空気流の出口である。開口部55Uは、上面が開口した円形の送風ケース50の上端部に密着している。そしてこの集塵筒部55Cの内部空間が集塵室8を形成している。
9は、集塵筒部55Cの内周面に密着するように、その集塵筒部55Cの上面開口部55Tから設置されるメインフィルターである。メインフィルター9は、コップ形状に形成される。メインフィルター9は、プレフィルターよりも微細な塵埃を濾過できる機能があり、プラスチックや不織布等で形成されている。なお、このメインフィルター9には、前記4つの出口部55Bの対向部に、それぞれその出口部55Bの口径に合致させた円形の窓が設けられてある。これにより、このメインフィルター9は、通風ダクト55の中に吸引された空気が導入できるようになっている。
51は、メインフィルター9の上面開口を塞ぐように設置された剛体の蓋である。蓋51は、プラスチック材等で形成されている。なお、この蓋51は、メインフィルター9の上面開口縁に着脱自在に装着される。蓋51を持ち上げるとメインフィルター9が持ち上がり、集塵筒部55Cの中から取り出せる構造になっている。
このように、本体ケース2内部には、入口部55Aと出口部55Bを有する通風ダクト55の中から、集塵筒部55C内部、送風ケース50の内部、そして吹出口20に至る一連の通風路28が形成される。この通風路28の途中に、電動送風機13が配置され、入口部55Aから寝具100上の空気が吸引され、その空気流の中に含まれる塵埃がメインフィルター9で空気と分離される構成になっている。このため、温風を供給するための気流発生手段と、塵埃を捕集するための掃除機の基本機能を発揮させる空気導入手段とが、共通の電動送風機13及び通風路28によって実現されている。
また本体ケース2の外郭部には蓋体2Tによって開閉自在に覆われた窓2Wを有する。窓2Wを開放した状態で、集塵室8(集塵筒部55C内部空間)は本体ケース2の外部に開放される構成になる。このため、メインフィルター9に堆積した塵埃を、窓2Wから取り出すことができる。
このように、この実施の形態2の構成によれば、本体ケース2内部空間を有効に活用し、共通の電動送風機13で温風供給と掃除用の気流発生を実現しているので、全体をコンパクトに構成できる。
56は、蓋51の下面中央部に下方へ突出するような形状で取り付けられた消音整流板である。消音整流板56は、音を吸収しやすい材料から逆円錐形状に形成されている。この消音整流板56は、4つの吸込口5から吸い込まれた空気の流れが合流する地点にあり、空気流の合流時に発生する騒音を低下させる効果を得るために設置してある。なお、メインフィルター9は、塵埃が溜まった場合にそのまま廃棄できるような交換自在なものでも良い。その場合、蓋51と消音整流板56とが結合された部品は、何度も使用できるようにすると、経済的で良い。
前述したように、本体ケース2の上面中央部には、蓋51を持ち上げることによってメインフィルター9を取り出すことができるように、円形の窓2Wが形成されている。この窓は、通常時は円形の蓋体2Tで塞がれている。2Pは、蓋体2Tの外周縁に装着された機密性を上げるためのパッキンである。パッキン2Pは、弾力性に富むシリコンゴム製で、中空構造になっている。蓋体2Tを窓2Wに嵌めた場合、このパッキン2Pが圧縮状態に挟まれるので、その窓2Wと蓋体2Tとの間の空気の通過が遮断され、集塵筒部55Cの機密性が保持される。
次に図6について説明する。
57は、集塵筒部55Cから見て後方位置で、風洞55の上方部に設置された制御部主回路基板である。制御部主回路基板57には、後述する寝具掃除機1の制御装置3を構成する各種電気・電子部品が実装されている。
58は、集塵筒部55Cから見てそれより前方位置に斜めに設置された入力回路基板である。入力回路基板58には、後述する入力操作部31(図7参照)を構成する各種電気・電子部品が実装されている。図6では図示していないが、入力操作部31の中には、本体ケース2の天井面の内側に設置した静電容量変化検知電極がある。
59は、入力回路基板58の端部に取り付けてある光センサーである。光センサー59は、本体ケース2上方向からの各種照明用の光や太陽光等の可視光線(図6に破線の矢印で示している)を検出する。つまり光センサー59は、そのような可視光線を感知すると、所定の検知信号を制御装置3に出力する。
本体ケース2は、光センサー59が本体ケース2の外部からの光を感知できるように、例えば乳白色材料(不透明材料)で形成されている。そして光センサー59の真上の部分は、可視光線を透過させやすいように、透明な板が嵌めこまれた窓が形成されるか、又は肉薄形状になっている(但し、肉薄構造であっても、上方からの荷重に対して十分な強度を有しており、本体ケース2全体の剛性を損なわない工夫がされている)。
63は、NFC(近距離無線通信)機能を備えた携帯通信端末機器(図示せず)との間で通信できる近距離無線通信(NFC)用入出力部である。近距離無線通信(NFC)用入出力部63は、入力回路基板58の上に実装されている。
60は、吸込口5から通風ダクト55の内部に吸い込まれる空気流に対して、レーザ光線等を当てて所定粒径以上の塵埃の数をカウントする塵埃センサーである。塵埃センサー60は、実施の形態1の塵埃センサー25に相当するものである。この塵埃センサー60は、進行方向FD側にある吸込口5の近くに設置され、その吸込口5から流入した直後の空気の塵埃量を計測する。この塵埃センサー60で計測した塵埃の量に応じて生成された塵埃飛散度情報は、寝具掃除機1のホストコンピュータとして機能する制御装置3によって、電動送風機13の回転数、即ち、空気吸込み能力の制御に利用される。
61は、本体ケース2の後部側にある吸込口5から通風ダクト55の内部に吸い込まれる空気流に対して、マイナスイオンを発生させて混合させるイオン発生デバイスである。なお、イオン発生デバイスではなく、オゾン発生デバイスを設置しても良い。何れにしても61は、通風ダクト55の内部に流入する寝具100上方の空気に対して、殺菌や消臭の効果を発揮させることを目的に設置しているものである。
62は、寝具表面検知部である。64は、寝具掃除機1の進行方向FD側の敷き布団100A表面に特殊な光を放射する発光部であり、1つ又は複数のLED素子を備えている。65は、発光部64からの光の反射光を受ける受光部で、例えばフォトトランジスタを使用している。これら発光部64と受光部65は、寝具表面検知部62の主要部を構成するものである。なお、この発光部64の「特殊な光」とは、太陽光や室内照明灯の光と同じ可視光線領域の光、又は赤外発光領域の光である。
67は、後述する汚れ検知部68を構成する発光部である。69は、カメラ等の受光部であり、汚れ検知部68を構成する1つの部分である。受光部69は、発光部67によって照らされた敷き布団100Aの上面の所定範囲(例えば、直径数cmの円形又は楕円の範囲)を撮影する。この受光部69は、敷き布団100A等の寝具100表面に近接した位置で、その表面を拡大して接写可能なCCDカメラ等が望ましい。発光部67は、寝具100撮影用の特殊な光を発する発光ダイオード(LED)を有している。特殊な光とは、例えば波長が375〜400nm(ナノメートル)の紫外線である。
図6において、SFは、寝具掃除機1が、移動・停止・移動という動作を繰り返す場合、その1回の移動時に進行方向FDに進む距離である。この距離SFは吹出口20の前後方向の幅HWよりも、1.5倍〜2倍程度大きい。
本体ケース2の上面(正面側)で、NFC入出力部63よりも発光部64に近い側には、静電容量変化を利用したタッチパネル式感知部が配置されている。その感知部はタッチ式の入力操作部31(図7参照)を兼ねている。本体ケース2には、NFC(近距離通信)機能を持った情報通信端末機器(図示せず)との通信を行えるように、情報通信端末機器を示す目標位置を使用者が視認可能に表示するための発光ダイオード素子(図示せず)が、配置されている。この発光ダイオード素子は、本体ケース2Cの内側から光で照らす。またこの発光ダイオード素子はNFC入出力部63に対応して、入力回路基板58の上面に配置してある。
70は、敷き布団100Aが置かれた家屋の床やベッド等の家具を示すものである。
次に図7について説明する。図7は、寝具掃除機1の内部主要構成を示すブロック図であり、図5、図6で説明した構成については、同一符合を付けて重複した説明は省略する。
66は、受光部65が受けた敷き布団100A等の物体からの反射光のデータを一時的に保存する一時記憶部である。
71は、寝具表面検知部62の中核部分を構成する判定部である。判定部71は、撮影部72からの指令信号を受けて動作する。判定部71は、敷き布団100A表面からの反射光のデータを解析して、敷き布団100Aが所定範囲にあるかどうかを判定する。
73は、寝具の汚れ検知部68の中核機能を備えた汚れ判定部である。この判定部73は、撮影部74の指令を受けて、発光部67からのブラックライトの光で撮影した1つの画面の画像データを専用のアルゴリズムで解析する。判定部73は、1つ画面毎に基準画面との比較結果から、相違度合を判定する。例えば判定部73は、1つの画面を薄いブルー背景色にしたまま、その1画面内での周囲と明るさが変化している点の有無をカウントする。なお、細菌には蛍光物質をもつものがあり、ブラックライトを当てることによりそれらの菌の繁殖個所は、周囲よりも白い色となって識別される。
75は、受光部69で取得した画像データを時系列で記録する一時記憶部である。76は、前記判定部73の比較結果データを蓄積し、1回あたりの寝具清掃、寝具乾燥運転終了時に、寝具100全体として、表面の汚れ度合い(例えば、3段階評価)を最終的に判定する寝具汚れ判定部である。寝具汚れ判定部76は、音声ガイド部41による音声情報やLED発光部40を介した発光、点滅等の手段によって、使用者に対して寝具100の汚れ度合いを報知する。
寝具汚れ判定部76で、所定以上の汚れ(例えば、3段階評価で、最も汚れがある評価点)が検知された場合には、制御装置3が、後述する無線通信部(無線入出力部)77を介して情報通信端末機器や家庭内部に設けたホームサーバ等の情報受信機器(図示せず)に対し、寝具の汚れの事実と、詳細な判定データを一括送信して報知することがある。なお、前記音声ガイド部41は、音声合成装置(図示せず)と、この音声合成装置で生成された音声ガイド信号に従って音声を出すスピーカ(図示せず)とを備えている。
42は、前記制御装置3の中核部を構成する中央制御部である。44は、異常発生時に緊急停止等の所定の処理を行うプログラムを有し、異常の判定を行う異常時処理部である。この異常時処理部44は、主電源スイッチ(図示せず)がONされ、制御装置3が寝具清掃運転や寝具乾燥運転を開始した場合、各種電気部品や電気ヒータ17、電動送風機13等からのデータを監視し、異常な運転状態がないかどうか判定する。
78は、ブラシ53が規定通り回転しているかどうかを検出する電流検出部である。電流検出部78は、ブラシ駆動部54のモータに流れる電流を監視している。
79は、100V−50Hz又は60Hzの商用電源である。なお、この商用電源79の下流側には使用者によって開閉される主電源スイッチ(図示せず)があり、このスイッチの開閉ボタンは、前記入力操作部31に配置されている。
なお、電気ヒータ17は、PTCヒータであり、温度上昇に伴って自己に流れる電流を自動的に抑制する特性がある。このPTCヒータ専用の温度検知素子は設けられていないが、前記通風ダクト55内部や本体ケース2の内部温度を監視するための感熱素子、例えばサーミスタ等が設けられて、異常に高い温度にならないよう異常時処理部44が監視している。
次に図8について説明する。
図8は、寝具掃除機1の移動経路MKを示す説明図であり、ダブルサイズの敷き布団100Aの上を、寝具掃除機1が途中まで進行した状態を示している。図5〜図7で説明した構成については、同一符合を付けて重複した説明は省略する。
寝具掃除機1の移動軌跡(経路)MKは、この図8の例では、起点(移動開始点)SAPから終点(移動終了点)STPまでである。移動経路MKは、このように所謂「一筆書き」のような経路に限らず、直線又は曲線を前後又は左右に往復するような経路でも良い。また起点SAPと終点STPを同じにしても良い。つまり、移動経路MKは、必ず出発地点まで戻るように設定にしても良い。
このような移動経路MKを示す制御データは、図8に示すようにX軸とY軸の座標データとして、寝具掃除機1の制御装置3の中央制御部42を構成するマイクロコンピューターにプログラムとして組み込まれている。但し、この移動経路MKの全長や、経路の形は、敷き布団100Aの平面積の大小に可能な限り対応させて決定した方が良い。このため、前記入力操作部31では、乾燥運転開始前に、例えば「面積:大」又は「布団サイズ:大」等のような入力キーを表示させておいて、それが選択されることにより、所望の乾燥面積となるようにしている。またNFC入出力部63を介して情報通信端末機器(図示せず)からも敷き布団100Aのサイズや清掃希望時間等の設定情報を読み込ませることができる。
図8に示すように、寝具掃除機1が移動軌跡MKの上を移動して終点STPまで至った段階では、その寝具掃除機1による乾燥効果が得られる面積(以下、「乾燥面積」という)は、図8で示すKZのようになる。なお、LAは、敷き布団100Aの長さ、WAは、同じくその横幅寸法を示している。なお、清掃ができる「清掃面積」は上記「乾燥面積」よりも広い。それは図5に示した図から明らかなように、1度の進行で乾燥できる「乾燥域」の幅Wよりも左右両側に、それぞれ吸込口5(吸込口ユニット52)があるからである。
図8に示すように、寝具掃除機1の移動する起点SAPは、敷き布団100Aの左端からL1の位置である。起点SAPから見た場合、左側縁からWLの位置、また右側縁からWRの位置、最も先の側縁(後述する第4の辺100E)からL2の位置を移動する移動軌跡MKになっている。このL1、WL、WR、L2は、最初に使用者が寝具掃除機1を置いた位置が起点SAPであった場合であり、この起点SAPの位置が異なれば、L1、WL、WR、L2は変化する。しかし、寝具掃除機1は、後述するように敷き布団100Aの上面から脱落しないように制御装置3によって自動制御される。つまり、敷き布団100Aの形状や面積が異なれば、図8に示した移動軌跡(経路)MKは変化する。前記したような「シングルサイズ」の敷き布団100Aでは、当然ながら移動軌跡MKの全長は短く設定される。
図8において、Wは、図5に示したように、寝具掃除機1が1度の移動によって乾燥効果を発揮できる乾燥域である。また、SFは、寝具掃除機1が、移動・停止・移動という動作を繰り返す場合、その1回の移動時に進行方向FDに進む距離である。この図8に示すように、起点SAPから終点STPまで、複数回折り返して進行する場合には、前記進行方向FDは、その折り返し点では直角(90度)変更され、その後は更に90度転向することになる。このような移動・停止・移動という動作を繰り返すことは、寝具清掃の時も同じである。
この図8から明らかなように、この実施の形態2の寝具掃除機1では、所定の乾燥面積(「乾燥エリア」ともいう)KZを乾燥させるために、隣り合う移動軌跡MKの間隔は、乾燥域Wが連続するように、言い換えると隣り合う2つの乾燥域Wの間に、非乾燥域が生じないように設定されている。これにより、最小の運転時間で、所定の乾燥面積KZを、隙間なく、網羅的に乾燥させることが可能となっている。
また寝具清掃(掃除)の場合には、前述したように1度の運転において、寝具乾燥面積よりも広い「清掃面積」が設定されているので、当然ながら敷き布団100Aの上面の広い範囲を自動的に清掃させることができる。
図8において、CL1は、敷き布団100AのX軸方向における中心線である。寝具掃除機1が、移動・停止・移動という動作を繰り返して移動経路MKを移動する場合、または微速度によって連続的に移動する場合の、何れにおいても、敷き布団100Aの清掃面積及び乾燥面積KZの中は、清掃強度「強」、乾燥度「強」、乾燥度「弱」のように、差が付けられても良い。一般に、就寝者が就寝中に発散する汗等は、特に背中を中心とした部位に多いと言われている。このため、敷き布団100Aの乾燥を主目的にする場合は、中心線CL1より図8において左側領域を中心に乾燥させた方が良い。しかし、冬の季節に就寝する場合、足元の方が温かいと快適な睡眠ができるので、逆に、中心線CL1より右側の乾燥度を上げるように乾燥能力を上げて運転するようにしても良い。乾燥能力を上げるとは、例えば、寝具掃除機1が進行方向FDに距離SFだけ移動した後所定時間停止し、その停止中に電気ヒータ17が温風を発生させる場合、同じ停止時間において電気ヒータ17の供給電力を増加させることをいう。又は、乾燥能力を上げるとは、その寝具掃除機1の停止時間を長くすること等の方法でも良い。このような乾燥度の選択を、使用者が入力操作部31によって任意にできるようにしてある。このため、この実施の形態2の寝具掃除機1は、使い勝手が向上し、実用的なものとなっている。
この実施の形態2の寝具掃除機1には、所定距離移動・停止・所定距離移動という動作を、数十回以上繰り返して移動経路MKを移動する方針が基本的な運転パターンとして採用されている。これは、後述するように、寝具表面検知部62や汚れ検知部68との動作と連携させるために有利であることが1つの理由である。
NFC入出力部63から情報通信端末機器で運転条件を入力できると述べたが、具体的には、情報通信端末機器から寝具100の特定情報も送信すると良い。この寝具100の「特定情報」とは、例えば、敷き布団100Aの、大きさを示すサイズデータやサイズの識別コード(例えば、「Sは、シングルサイズ」、「Wは、ダブルサイズ」等の区別)、当該布団の素材(内部が、羽毛か綿か、などの区別)、布団の表の生地の素材等の情報である。この寝具100の特定情報は、使用者が事前に情報端末通信機器に読み込ませておいたものである。
このようなNFC入出力部63を利用すれば、寝具清掃や寝具暖房の際に、最初に移動経路MKを決めるため、敷き布団100Aの縦寸法(LA)及び横幅寸法(WA)、又は「シングルサイズ」、「ダブルサイズ」等の敷き布団100Aの大きさを示す指標を使用者が入力操作部31で設定するという作業が省略される。
図9に示した通り、この実施の形態2の寝具掃除機1の本体部(本体ケース2)の移動パターンは、所定距離(FS)だけ移動し、その後所定時間(T2)停止したまま、その位置で温風を吹き出しながら、寝具100の掃除を行い、その所定時間(T2)経過後、再び所定距離移動する、という間欠移動する方式である。
図7で説明した車輪駆動部34は、本体ケース2を直線的に前進させる場合には、外径寸法が同じ左右2つの車輪22を同時に、同一方向に同一数だけ比較的低速度で回転させる。そして数秒間(所定時間T1)程度掛けて距離SF(例えば、5cm。これは車輪22が4分の1回転した距離に相当)移動した時点で、回転数カウンター47は「1」とカウントし、更に4分の1回転した時点で、「2」とカウントする。なお、車輪22の4分の1回転とは、例えば直線距離で4cm又は5cmに相当する。
なお、仮に高速度で回転させると、車輪22の表面の材質、摩擦係数にもよるが、敷き布団100Aの上面生地との間でスリップし、電気エネルギーを浪費することになる。なお、このような制御のために、回転判定部46と回転数カウンター47を設けている。
回転数カウンター47の計測データは、リアルタイムで回転判定部46にインプットされる。回転判定部46からは、車輪22の回転と同期して、その判定データが中央制御部42へ出力され、中央制御部42による機械的駆動部4の制御における、フィードバック情報として利用されている。
そして、回転判定部46からの情報で、中央制御部42は、経過時間TAが所定時間T1になったかどうかの判定を行ない、所定距離FSだけ進んだかどうかの判断をする。
経過時間TAが所定時間T1に到達した場合、移動経路(移動軌跡)MKの上で、所定距離FSの1単位だけ進行したことになる。中央制御部42は、移動経路MKの上で、進行後の本体ケース2の位置を示すX軸座標データを更新する。そして所定時間T1の計測結果(カウント値)をリセットする(ゼロに戻る)。
図9は、機械的駆動部4と電気ヒータ17に対する、それぞれの電力供給のタイミング及び電力の量を示した説明図である。
この図から明らかなように、機械的駆動部4の車輪駆動部34に対し、前進指令信号が出され、移動している期間(図9の所定時間T1)の電力量はYワットである(例えば、30W)。
そして、次に機械的駆動部4への通電がゼロとなり、本体ケース2が静止したままの期間(図9の所定時間T2)の電力量はXワットである(例えば、200W又は300W)。このXワットの電力は、電気ヒータ17への発熱用に大半が消費され、残りの殆どは電動送風機モータ13Mで消費される。
このように、この実施の形態2では、機械的駆動部4と電気ヒータ17に対する、それぞれの電力供給の期間(T1、T2)を互いに重ならないようにずらしている。これは限られた電気エネルギーを有効に活用し、瞬間的な総電力量が大きくならないようにするためである。特に電源としてリチウム・イオン電池等の充電池を使用する場合に、定格電流の小さな軽量の充電池を採用でき、コスト抑制や寝具掃除機1の軽量化の点で有益である。
(寝具表面検知部62の動作)
図10の摸式図は、寝具100の上面を、左から右縁100E方向に向かって寝具掃除機1が移動している場合の、移動経路(移動軌跡)MKを示している。黒い点(X1、X2、X3・・・)は、寝具掃除機1が一時停止して温風で寝具100を乾燥しながら清掃動作をする位置である。これらの黒い点の情報は、運転を開始した時点では中央制御部42の制御プログラムの中に生成され、各一時停止位置(X1、X2、・・)の座標(X軸、Y軸)が特定されている。
移動経路(移動軌跡)MKは、寝具掃除機1の本体ケース2が、X3の位置を過ぎ、X4の位置に向かい、X4の位置からは図10の破線で示す半円の経路のように、180度向きを反転させ、所定位置X5に向かうように設定されている。
このX3の位置を過ぎ、X4の位置に向かっている途中で、前記寝具表面検知部62が敷き布団100Aの不存在を検知した場合には、異常時処理部44が次のような動作指令信号を中央制御部42へ発信する。
(1)寝具掃除機1の本体ケース2の移動(前進動作)を、直ちに停止させる(機械的駆動部4に緊急停止指令信号が出る)。
(2)寝具掃除機1の本体ケース2は、敷き布団100Aの不存在を検知して停止した位置SSから、直前の一時停止位置X3に戻るように、機械的駆動部4に、後退のための所定の駆動指令信号を出す。
(3)寝具掃除機1の本体ケース2が直前の一時停止位置X3に戻った時点で、X3の位置からX6の位置に移動するように、次の目標位置の座標をX6の座標に変える。X3の位置から半円状に進行させ、180度向きを反転させて、位置X6まで進める。そして、X6の位置で、平常時と同様に、所定時間T2だけ静止し、この静止状態で清掃と乾燥動作を行わせる。
なお図10の摸式図では、寝具掃除機1の本体ケース2が、敷き布団100Aの不存在を検知して停止した位置SSから、敷き布団100Aの足元側になる第4辺100Eまでの距離は十分大きい。このため図10の摸式図では、寝具掃除機1は、次の目標地点X4を経て破線で半円形状に示すような移動経路MKで進行しても、敷き布団100A上面から脱落することはない。寝具表面検知部62の検知範囲(感知ゾーンSZ)は、本体ケース2の最も前方位置に近い(図6参照)。この実施の形態2の寝具掃除機1では、何らかの不測の原因で第4辺100E側へ脱落することをより確実に避けるため、直前の一時停止位置X3に戻るという方法を採用している。寝具掃除機1を実施する場合、必ずしも一時停止位置X3に戻る制御にしなくとも良い。
この実施の形態2では、敷き布団100Aに接触し、かつ本体ケース2の重量を支える手段は、4つの車輪22である。この車輪22に代えて無限軌道等の他の推進機構を設ければ、図10のL2の寸法を、さらに小さなものにすることは可能である。
また、この図10のL2の寸法は、敷き布団100Aの置かれている状況で適宜変化するように、寝具掃除機1の入力操作部31で設定できる。例えば、畳の上に直接敷き布団100Aが置かれている場合と、ベッドやマットの上に敷き布団100Aが敷かれている場合とでは、後者の方が不安要素は大きい。最初に入力操作部31で、敷き布団100Aの設置状況を入力する段階で、適正に入力すれば、L2の寸法が自動的に広く設定された移動経路MKが選択される。
(その3:光センサー59の動作)
寝具掃除機1が、所定の移動経路(移動軌跡)MKの上を、所定距離FSずつ間欠的に進行し、寝具100の清掃と乾燥を行っている場合、通常は寝具掃除機1の上には掛け布団100Bがある。しかしながら、この掛け布団100Bの位置が水平位置にずれ、移動経路MKの途中では、寝具掃除機1の上方に掛け布団100Bが存在しない場合がある。また寝具清掃及び乾燥運転の途中で、使用者等が掛け布団100Bを一時的に取り除く(上方へ持ち上げる)可能性が考えられる(使用者以外の居住者が、寝具清掃や乾燥運転中であることを知らずに、掛け布団100Bを持ち上げる場合もある)。
上記のような運転の途中で、寝具掃除機1の上方に掛け布団100Bの存在があるかどうかを検知するのが、光センサー59である。仮に乾燥運転の開始前に、掛け布団100Bを掛けていなかった場合には、光センサー59からの検知信号が中央制御部42に入力されない。これにより、異常時処理部44は、異常と判断し、寝具の清掃と乾燥の何れの運転モードも開始されない。
また、一旦運転を開始した後で、光センサー59が掛け布団100Bの存在を検知しない場合、つまり、室内の蛍光灯の光や太陽光を受けた場合には、直ちに運転が停止する。異常時処理部44は、中央制御部42を介して、汚れ検知部68の動作を禁止する。発光部67の特殊な光が使用者等の人体(眼)に入ることは好ましくないための措置である。なお、寝具表面検知部62は、可視光線を使用しているので、掛け布団100Bが上方に無い場合は室内照明灯の光が外乱要素となって正確な検知できない可能性がある。このため寝具表面検知部62も、掛け布団100Bが上方に無い場合は発光動作しない。なお、このような異常事態で自動停止した場合、音声ガイド部41が、音声で使用者へ異常検知の内容を報知する。
(実施の形態2の第1の変形例)
図11は、本発明の実施の形態2の移動経路(軌跡)MKの第1の変形例を示す説明図である。
図11は、敷き布団100Aの上に、4つの移動経路MKを説明のために重ねて図示している。第1の移動経路MK1は、移動開始点SAPから移動開始した寝具掃除機1の本体ケース2が移動する経路を模式的に示したものである。第1の移動経路MK1は、この図11のようにSAPから出発し、時計回り方向に略1周し、移動終了点STPに戻るものである。
同様に、第2の移動経路MK2は、移動終了点STPから更に移動開始点SAPへ戻り、そこから第1の移動経路MK1の外側を所定間隔離れて、時計回り方向に移動する経路である。寝具掃除機1は、移動終了点STPに戻ることで、結果的に2回周回したことになる。
同様に、同じ移動開始点SAPを起点として、第3の移動経路MK3及び第4の移動経路MK4を移動することにより、第1の移動経路MK1の周囲を、3回周ったことになる。
図11では、移動開始点SAPと移動終了点STPとは、接近した位置に隣り合うような配置に描いてあるが、実際は同じ位置にしても良い。つまり、この4つの移動経路MKをX軸座標とY軸座標で表現した場合、移動開始点SAP及び移動終了点STPのX−Y座標は同じにしても良い。なお、移動軌跡MKは4つ以上であっても良いが、以下、4つであることを前提にして説明する。図11において、CL2は、敷き布団100AのY軸方向における中心線である。
寝具掃除機1の中央制御部42には、本体ケース2が移動する経路を指令するためのコンピュータプログラムが格納されている。そのコンピュータプログラムには、移動経路MK(MK1〜MK4)を示すX−Y座標値のデータが使用される。
さらに、移動経路MK1で囲まれる面積を「1」すると、移動軌跡MK1と2とで囲まれる総面積は「2」、移動経路MK1、2及び3で囲まれる総面積は「3」、のように増大する。そこで使用者が寝具掃除機1による清掃面積や乾燥希望面積を決める場合には、上記のような「面積」の指定を行っても良い。但し、就寝者は一般的に敷き布団100Aの中心線CL2の上かその付近に寝るので、移動経路MKを決める場合には、敷き布団100Aの前後・左右の中心点FPを中心に設定することが望ましい。
使用者が、入力操作部31から、各種運転コース(運転モード)を選ぶ場合、上記した面積率を指定しても良い。例えば、「100%」という設定では移動経路MK1〜MK4を全て対象にし、最小の面積比率、例えば「20%」を設定した場合には、移動経路(移動軌跡)MK1のみを本体ケース2が移動するものとする。
更にこの図11に示した移動経路MK1〜4は、その移動開始点SAP〜移動終了点STPまでの経路の長さが異なる。
そこで、使用者が寝具掃除機1による清掃、乾燥希望面積を決める場合には、上記のような「経路の長さ」の指定を行っても良い。例えば、各種運転コース(運転モード)を選ぶ場合、例えば、「全長、最長、又は100%」という設定では第1の移動経路MK1から第4の移動経路MK4まで全て対象にし、「最短」を設定した場合には、第1の移動経路MK1のみを本体ケース2が移動するものとする。「40%」を設定すると、本体ケース2は、第1の移動経路MK1と第2の移動経路MK2の2つだけを移動する。
また、例えば「集中(念入り)乾燥」モードでは、移動経路MKの範囲を、例えば、第1、第2の移動経路MK1、MK2だけに制限して本体ケース2の移動を行ってもよい。その特定の範囲だけは、本体ケース2の単位時間(例えば1分間)あたりの移動距離を減らし、あるいは電気ヒータ17に対する単位時間当たりの電力供給量を増加させることにより、その特定の範囲での清掃効果を高めたりすることができる。これは同様に、この特定の範囲だけの暖房を行うことや、暖房効果を高める運転ができることを意味する。
(実施の形態2の第2の変形例)
図12は、本発明の実施の形態2の移動経路MKの第2の変形例を示す説明図である。
この変形例2では、胸元側エリアZO1と足元側エリアZO2との上に、起点SAPから終点STPまでが1つの線で繋がるように、別々に移動経路MKが設定される。
足元側エリアZO2では、移動起点SAPから中心点FPを経由して、終点STPまでが1つの線で繋がるように移動経路MKが設定される。
第1の移動経路MK1の上の移動開始点SAPから移動開始した寝具掃除機1の本体ケース2は、反時計回り方向に1周して移動開始点SAPに戻って来たあと、その移動開始点SAPから、内側に向きを変更し、同心円状に形成されている第2の移動経路MK2に移る。
本体ケース2は、第2の移動経路MK2を、略1周近く反時計回りに移動して、第3の移動経路MK3に入る。本体ケース2は、足元側エリアZO2の中心点ZP2に到達した段階で、中心点FPに向きを変え、更にその中心点FPで90度直角に向きを変えて、移動終了点STPに至る移動経路を移動する。これによって、足元側エリアZO2の清掃や乾燥運転が終了する。
もし、胸元側エリアZO1まで清掃や乾燥目的の運転する場合には、本体ケース2は、前記中心点FPから、胸元側エリアZO1の第1の移動経路MK1に入る。そして本体ケース2は、第1の移動経路MK1を1周し、第2の移動経路MKに入るよう左方向に向きを変え、このように反時計方向に移動しながら、最終的には胸元側エリアZO1にある移動終了点STPに到達し、移動動作を終えて、運転を終了する。
このように図12に示した移動経路の第2の変形例でも、足元側エリアZO2の移動経路MKと胸元側エリアZO1の移動経路MKは、一本の線で繋がるように設定されているので、寝具掃除機1の本体ケース2を効率良く移動させることができる。
この図11及び図12に示した移動経路の変形例の何れも、「集中(念入り)乾燥」や「集中(念入り)清掃」に利用できる。移動経路MKの範囲(例えば、第1、第2の移動経路だけにする)を制限して本体ケース2の移動を行い、特定の範囲だけの清掃や乾燥を行ったり、あるいは、その特定の範囲での清掃や乾燥効果を高めたりすることができる。後者は、例えば本体ケース2の単位時間(例えば1分間)当たりの移動速度を遅くし、あるいは電気ヒータ17の供給電力量を増加させることで実現できる。また逆に、本体ケース2の移動範囲を、敷き布団100Aの中心部やその周辺等、あるいは足元側エリアZO2だけ等、特定の範囲に限定して短時間に清掃や乾燥を終えることもできる。
(実施の形態2の総括)
実施の形態2において説明した寝具掃除機1は、清掃すべき寝具100に接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部4と、空気が吸い込まれる吸込口5及び空気が吹き出される吹出口20を有する通風路28と、吸込口5から通風路28の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機13と、通風路28に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵部と、通風路28に設けられ、吹出口20から吹き出される空気を加熱する加熱手段と、を備える。電動送風機13は、通風路28に吸引され加熱手段で加熱された集塵後の空気を、寝具100の乾燥用に吹き出す。
この寝具掃除機1は、実施の形態2においては、次のような具体的な構成によって実現されている。すなわち寝具掃除機1は、清掃すべき敷き布団100Aと掛け布団100Bとに接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部4を備える。また寝具掃除機1の本体ケース2には、敷き布団100A側からの空気が吸い込まれる下面4カ所の吸込口5と空気が吹き出される下面1カ所の吹出口20とが形成される。寝具掃除機1は、この吸込口5及び吹出口20を有する通風路28を備える。また寝具掃除機1は、吸込口5から通風路28の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機13と、通風路28に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵室8(集塵筒部55C)に配置されたメインフィルター9と、通風路28にあって、吹出口20から吹き出される空気を加熱する電気ヒータ17と、を備える。また本体ケース2の内部には、電動送風機13と機械的駆動部4と電気ヒータ17とを統括して制御する制御装置3が設けられる。この制御装置3によって本体ケース2の移動経路MKが規制される。電動送風機13は、通風路28に吸引され電気ヒータ17で加熱された集塵後の空気を、敷き布団100A側に向けてその乾燥用に吹き出す。
この実施形態2の寝具掃除機1によれば、移動用レール等の機械的構造物を家具に設置するなどの工事を必要とせず、敷き布団100Aの上を駆動輪22L、22Rの回転によって本体ケース2が所定方向に移動し、その移動の過程で、敷き布団100A側から空気を吸い込み、その空気流の中の塵埃を除去して清浄な空気にして、再び本体ケース2の下面1カ所の吹出口20から吹き出すことができ、寝具の清掃を行わせることができる。またそのような清浄な空気を吹き出す際に、その空気を温風化して吹き出すので、敷き布団100Aの乾燥ができ、また掛け布団100Bの乾燥もできる。しかも、寝具の掃除用の電動送風機13は、乾燥用の温風を吹き出す電動送風機13でもあるので、通風路28のサイズを小型化でき、これにより寝具掃除機1全体の構成を小型化でき、使い勝手を向上させることができる。
なお寝具掃除機1を、敷き布団100Aの上で所定の移動軌跡MKに従って進行させるのではなく、一定の範囲内に自由に移動させる方式でも良い。例えば、敷き布団100Aの上から脱落しない範囲を移動範囲に決め、その範囲を直進や転回、逆方向移動等させることを許容しても良い。
寝具掃除機1を、敷き布団100Aの上で所定の移動軌跡MKに従って進行させる場合、移動経路(移動軌跡)MKは、本体ケース2が移動を開始する前に起点(移動開始点)SAPから終点(移動終了点)STPまでの全行程を確定することなく、進行の過程で、適宜行程を計算して求められても良い。例えば、本体ケース2が移動を開始する前に起点SAPから終点STPまでの全行程の概要を決定し、その後本体ケース2の進行に伴って制御装置3が進路を微調整するようにしても良い。
また、図10の摸式図に示したように寝具掃除機1が一時停止と進行を繰り返して進行する場合、一時停止位置(X1、X2、・・)の全ての座標(X軸、Y軸)が特定されている必要はない。例えば、X1の地点に到達した段階で、次に一時停止するX2の座標を計算で求めるようにしても良い。X1とX4のように長い間隔での目標点を先に決定し、進行の途中で、X1とX4の途中を補間する処理を行って、X2、X3を決定するようにしても良い。
実施の形態2では、以下に述べるような特徴的な構成によって、更に実用的な効果が得られる。
本体ケース2の上面は、図5に示したように、三次元曲面に形成されている。
このため、本体ケース2が掛け布団100Bの下面に接触しても、掛け布団100Bは本体ケース2の三次元曲面形状によって上方向へ案内される。このため掛け布団100Bは、本体ケース2の前方への進行への大きな抵抗にならず、本体ケース2は安定して直進することができる。
機械的駆動部4は、寝具100に接触する車輪22等の回転体を有する。この回転体は、図5に示すように本体ケース2が進行する方向に平行な垂直中心線VLを挟んでその両側位置に、互いに対称的に配置されている。
このため、本体ケース2が掛け布団100Bの下面に接触して進行の妨げになるような力を受けても、本体ケース2の左右対称に均等な推進力を発生させることで、本体ケース2を前方へ安定して直進させることができる。
本体ケース2の内部には、当該本体ケース2が所定の移動経路MKに沿って進むように機械的駆動部4を制御する制御プログラムを保有した制御装置3が内蔵されている。
このため、本体ケース2の移動を寝具掃除機1に任せることができ、使用者の使い勝手を向上させることができる。
図9で説明したように、制御装置3の制御プログラムによって、機械的駆動部4が、間欠的に駆動される。機械的駆動部4は、本体ケース2が第1の所定距離又は第1の所定時間進行した段階で一時的に停止する。当該停止中に電気ヒータ17と電動送風機13に対する通電が行われて温風が吹き出される。この後、電気ヒータ17への通電が一時的に停止されている状態で機械的駆動部4が駆動される。この後本体ケース2が第2の所定距離又は第2の所定時間進行した段階で、機械的駆動部4は一時的に停止する。実施の形態2の寝具掃除機1は、これら動作を順番に繰り返す構成である。
このため、この実施の形態2では、機械的駆動部4と電気ヒータ17に対する、それぞれの電力供給の期間(T1、T2)が互いに重ならない。これにより寝具掃除機1は、限られた電気エネルギーを有効に活用し、瞬間的な総電力量が大きくならない製品となる。これにより、特に電源としてリチウム・イオン電池等の充電池を使用する場合に、定格電流の小さな、軽量の充電池を採用でき、コスト抑制や寝具掃除機1の軽量化の点で有益である。
実施の形態2では、寝具掃除機1の制御装置3は、使用者が入力した運転時間情報に基づいて移動経路MKを決定する実施形態を説明した。この運転時間情報は、事前に規定された「運転時間 長い」、「運転時間 短い」、「お急ぎ」等のような「長短」のイメージを示すものではなく、「60分」、「45分」のように時間を示す数字自体であっても良い。
実施の形態3.
図13〜図16は、本発明の実施の形態3を説明するものである。図13は、本発明の実施の形態3に係る寝具掃除機の中央部縦断面図である。図13では、内部機構は破線にて示している。図14は、図13の寝具掃除機における駆動輪と敷き布団の垂直的な位置関係を示す説明図である。図15は、図13の寝具掃除機における駆動輪、従動輪及び吸込口の平面的な位置関係を示す説明図である。図16は、実施の形態3に係る寝具掃除機の変形例を示す中央部縦断面図である。これら図において、前記実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は、極力省略する。
図13に示す実施の形態3の特徴は、本体ケース2の下面(底面)2Bの中央部に単一の吸込口5を形成したことにある。なお、この本体ケース2は、平面形状が円形又は進行方向FDに沿って長い楕円形であり、また縦断面形状は図13に示すように横長の楕円形を呈している。
本体ケース2の大きさは、縦が20〜25cm、横(進行方向FDの長さ)が20〜25cm、高さが最大で10cm程度である。本体ケース2の大きさは、敷き布団100A及び掛け布団100Bの平面的な大きさに比較して遥かに小さい。このため、本体ケース2は、使用時には図13に示すように、掛け布団100Bによって完全に覆われてしまう。つまり、寝具掃除機1が寝具掃除運転時に移動する空間は、敷き布団100Aと掛け布団100Bとによって覆われた(外部とは区画された)閉鎖空間である。
本体ケース2の内部には、吸込口5から吹出口20に至る一連の通風路28が形成されている。その通風路28の内部には、集塵室8、電動送風機13及び電気ヒータ17が配置されている。吹出口20からは電気ヒータ17によって加熱された空気(温度は40℃〜50℃)が吹き出される。
図13に示した状態は、敷き布団100Aと掛け布団100Bとで形成される閉鎖空間の中に寝具掃除機1が置かれた状態である。図13に示した状態では、本体ケース2の底面2Bと敷き布団100Aとの間の対向間隔(第1の空隙)GP1は、1〜2cm程度である。なお、この第1の空隙GP1は、実施の形態1の間隙GPと同じものである。
機械的駆動部4の駆動輪22と従動輪23とは、それぞれ図13の中に破線で示している。この駆動輪22と従動輪23とは、初期状態では、本体ケース2の下面2Bよりも下方に所定量UNだけ突出するように本体ケース2に回転自在に軸で支持されている。図13に示すように、寝具乾燥時では寝具掃除機1は敷き布団100Aのような柔らかい寝具100に載せられ、また掛け布団100Bが上から掛けられる。この場合には、その掛け布団100Bの重量の一部も本体ケース2の重量に加わり、駆動輪22と従動輪23とは敷き布団100Aの上面よりも下方に沈むことになる。この沈む量を図13では符号UN2で示している。
図13において、23Aは、駆動輪22や吸込口5よりも進行方向FD側において、敷き布団100Aの上面を押さえる押えローラーである。押えローラー23Aは、2つの駆動輪22の進行方向FD側に、それぞれ1つずつ配置されている。なお、この押えローラー23Aは、この実施の形態3において必須の構造物ではない。なお、符号100Mは、吸込口5に流れる吸引流で敷き布団100A表面の生地が盛り上がる様子を仮想的に示している。
次に、図14について説明する。
図14(A)は、前述したように初期状態における本体ケース2の下面2Bの位置と、駆動輪22又は従動輪23の垂直方向の位置と、を示すものである。駆動輪22と従動輪23のそれぞれの下端面は、本体ケース2の下面2Bよりも下方へ所定量UNだけ突出した位置となるように設置されている。
次に、図14(B)は、本体ケース2を敷き布団100Aの上に載せた状態における本体ケース2の下面2Bの位置と、駆動輪22又は従動輪23の垂直方向の位置と、を示すものである。
駆動輪22又は従動輪23は、本体ケース2の下面2Bよりも下方に所定量UNだけ突出した状態は変化しないが、UN1だけ敷き布団100Aに沈んだ状態になる。従って、敷き布団100Aの上面と前記本体ケース2の下面2Bとの間の対向間隔は、第2の空隙GP2になる。この空隙GP2は、UN−UN1=GP2、という計算式で表される。
次に、図14(C)は、本体ケース2の上に、更に掛け布団100Bが掛けられた場合を示したものである。この図14(C)から明らかなように、その掛け布団100Bの重量の一部も本体ケース2の重量に加わるため、駆動輪22又は従動輪23は、敷き布団100Aの上面よりも更に下方に沈む。沈む量をUN2とすると、最終的に、本体ケース2の下面2Bと、敷き布団100Aの上面との対向間隔(空隙)は、この図14(C)に示すように、第1の空隙GP1となる。この空隙GP1は、UN−UN2=GP1、という計算式で表される。乾燥運転時の最終的な本体ケース2の下面2Bと、敷き布団100Aの上面との対向間隔は、前記した第2の空隙GP2よりも小さな第1の空隙GP1である。
この実施の形態3では、本体ケース2の下面2Bと敷き布団100Aの上面とは、間に空隙GP1を介在させて接近した状態に維持される。寝具掃除機1は、この状態で運転できるから、敷き布団100Aの上面に堆積、付着した塵埃は、その真上で近接した位置にある吸込口5に集中して流入する(高速度の)空気流によって効果的に回収される。
さらにこの実施の形態3では、敷き布団100A表面の生地が本体ケース2の吸込口5側に吸い付き、あるいは吸い込まれることを抑制する対策を採用している。以下、その対策内容について説明する。
図15は、駆動輪22及び従動輪23と吸込口5との平面的な位置関係を示している。この図から明らかなように、吸込口5は、短径XLと長径YLを有する三日月形状である。短径XLが進行方向FDと合致しているため、本体ケース2の進行に伴って長径YLの幅で帯状に順次空気が吸込まれることになる。なお、このように、三日月形状の吸込口5にした場合、吸込口5の幅が全体的に均等化され、楕円形に比較すると部分的に幅が広い個所が無い。このため、敷き布団100Aの表面の布地等が不用意に吸い込まれるリスクが少ない。
図15に示しているように、吸込口5から見て進行方向FDでは、駆動輪22が敷き布団100Aの上面を押さえている。
また、前記吸込口5から見て進行方向FDと反対側では、従動輪23が敷き布団100Aの上面を押さえている。つまり、吸込口5を前後から挟むように、本体ケース2の進行方向前方及び後方の合計4カ所で、駆動輪22と従動輪23とが、上方向から敷き布団100Aを押さえている状況になっている。これにより、敷き布団100Aの上面の生地が、吸込口5に流入する空気流によって大きく軽く持ち上げられることがない。
このため、この実施の形態3の構成によれば、敷き布団100A表面の生地が本体ケース2の吸込口5B側に吸い付き、あるいは吸い込まれて、吸引される空気流が阻害されることが抑制される。この実施の形態3の構成によれば、塵埃の吸引力を低下させるということも抑制でき、寝具の掃除を効果的に行わせることができる。
左右にある1対の駆動輪22の間隔RW1と、同じく駆動輪22と従動輪23との間隔WR1は、吸込口5の平面的な大きさや形状によって決定すれば良い。1対の駆動輪22及び駆動輪22と従動輪23とは、走行安定性を損なわない限り、できるだけ相互に接近させた方が良い。
この実施の形態3では、機械的駆動部4の駆動輪22と従動輪23とによって、本体ケース2の下面と敷き布団100Aの上面との間に第1の空隙GP1が保たれた状態で寝具(乾燥・清掃)運転が実行される。
駆動輪22及び従動輪23の、本体ケース2の下面2Bからの突出量UNは一律に決まるものではないが、本体ケース2の重量に応じて、また敷き布団100A及び掛け布団100Bの種類や素材、重量等も考慮して決定される。この突出量UNは、寝具100を想定した実験を重ねて決定できる。つまり、第1の空隙GP1が保たれた状態になるように、前記駆動輪22及び従動輪23の垂直方向の位置が設定される。
図14では駆動輪22と従動輪23との外径寸法が同じであることを前提に説明したが、図13に示したように駆動輪22と従動輪23との外径寸法が異なる場合には、敷き布団100Aの上面から沈む量UN1は、駆動輪22と従動輪23とで同一にならない。
また駆動輪22と従動輪23との外径寸法が同じであって、駆動輪22と従動輪23とがそれぞれ敷き布団100Aの上面に接触する面積も同じであっても、駆動輪22と従動輪23に加わる本体ケース2の重量は同一とは限らない。
そこで、これらの諸条件を考慮し、最終的に敷き布団100Aの上面と本体ケース2の下面2Bとの間の空隙GP1の大きさが、本体ケース2の下面2B全域に亘り、同等となるように設定することが望ましい。しかしながら、図13に示したように前方側に駆動輪22を設け、後方に従動輪23を設け、これらの中間に吸込口5を設けた構成では、前方の駆動輪22周辺と、後方の従動輪23周辺の位置において、空隙GP1の寸法に多少の差があっても、吸込口5の位置が敷き布団100Aの上面に過剰に接近することはない。すなわち、空隙GP1の大きさを、本体ケース2の下面2B全域に亘り、揃えることは絶対条件ではない。
図16は、図13の寝具掃除機1の変形例を示す中央部縦断面説明図である。
この図16で明らかなように、本体ケース2の下面2Bが、前方の駆動輪22側で低く、後方の従動輪23側で高い場合には、本体ケース2の前方側は、水平線HLよりも所定角度αだけ下に傾いた状態になる。直線BLは、この前傾姿勢の本体ケース2の上下方向中心線である。
図16のような前傾状態であっても、吸込口5の部分で空隙GP1の寸法を確保してあれば、図13〜図15に示した寝具掃除機1と同様に、吸込口5での空気吸引効果が得られ、また敷き布団100A上面生地等の吸着等の不具合も抑制できる。しかも、このような前傾姿勢であれば、掛け布団100Bの下面に本体ケース2が進行していく際に、掛け布団100Bから受ける抵抗力が軽減でき、本体ケース2は更に円滑に進行できる。
この前傾姿勢にする場合でも、本体ケース2の進行方向FDの先頭側の底面2Bが、常に敷き布団100Aの上面と密着するような状態は好ましくない。本体ケース2の進行時に、本体ケース2と敷き布団100Aの上面との間の関係が摺接移動の関係になるからである。なお、この「摺接移動」とは、本体ケース2が、底面2Bが敷き布団100Aの上面に載ったまま移動する状態、現象をいう。
なお、本体ケース2は、進行方向FDだけに移動するものではなく、敷き布団100Aの周辺等まで進行した際に、逆向きに移動しても良い。本体ケース2が逆向きに移動する場合には、前記した前傾姿勢をあまり大きくすると、掛け布団100Bの下面に引っ掛かる懸念がある。このため、図13、図16に示したように、本体ケース2の先頭側及び後尾側の表面は、3次元の曲面に形成され、また平面形状は円形又は楕円形に形成されることが良い。もちろん、常に本体ケース2の一方の側が先頭になって進行し、後退(バック走行)しない方式である場合には、上記のような懸念はない。
(実施の形態3の総括)
以上の説明から明らかなように、この実施の形態3の寝具掃除機1は、清掃すべき敷き布団100Aとこの上に重ねられる掛け布団100Bとの間に形成される閉鎖空間内を、機械的駆動部4によって所定方向に移動する本体ケース2を備える。本体ケース2内部には、閉鎖空間内から吸い込まれた空気が導入される吸込口5と当該空気が排出される吹出口20とを両端部に形成した通風路28が形成される。また寝具掃除機1は、この通風路28の中を通過する空気から塵埃を捕集する集塵室8と、通風路28内に空気を流通させる電動送風機13と、通風路28の中の空気を加熱する電気ヒータ17と、電動送風機13及び電気ヒータ17の通電を制御する制御装置3と、を備える。電動送風機13は、電気ヒータ17で加熱された空気を、吹出口20から吹き出す。機械的駆動部4は、敷き布団100Aの上面に接触しながら回転する駆動輪22を有する。この駆動輪22により、本体ケース2の下面2Bと敷き布団100Aの上面との間に第1の空隙GP1が形成された(非接触)状態で、本体ケース2が移動する。
さらに、吸込口5は、本体ケース2の下面2Bに配置され、敷き布団100Aの上面と接近した位置になる。
そして、駆動輪22は、本体ケース2の下面2Bよりも下方に所定量(UN)突出する。敷き布団100Aの上面に本体ケース2単体が載置された状態で、その敷き布団100Aの上面と本体ケース2の下面2Bとの間には、第1の空隙GP1よりも大きな第2の空隙GP2ができる。
さらに、本体ケース2には、駆動輪22と共同で本体ケース2を支える従動輪23が設けられる。この従動輪23も、本体ケース2の下面2Bよりも下方に突出している。
このような構成であるから、敷き布団100Aの上面に堆積、付着した塵埃を、吸込口5に集まる高速度の空気流によって効果的に回収できる。また敷き布団100A表面の生地が本体ケース2の吸込口5側に吸い付き、あるいは吸い込まれて、塵埃の吸引力を低下させるということも抑制され、寝具の掃除が効果的に行われる。
なお、使用者が、電動送風機13の運転能力を調節し、例えば、電動送風機13の能力を2段階の内から1つだけ選択できるようにしてもよい。例えば吸引力を上げた運転を開始したが、途中で吸込口5に流入する空気流によって敷き布団100Aの表面の布等が大きく持ち上げられて吸込口5の一部を塞ぐような形になった場合、吸込風量が低下する。このような吸込風量の低下を制御装置3が検知し、その場合、制御装置3は、自動的に吸込風量を減らすように電動送風機13の能力を下げるという制御をしても良い。又は、制御装置3は、電動送風機13の運転を一旦停止し、自動的に吸込風量を減らすように電動送風機13への指令を変更してから運転を再開させるという制御をしても良い。
また、図15に示した例では、吸込口5から見て進行方向FDに駆動輪22があり、進行方向FDと反対側には、従動輪23が配置されている。本体ケース2を進行方向FDに進めるための無限軌道等の駆動手段があれば、吸込口5の前後には、従動輪23や押えローラー23Aだけが設けられても良い。
また、図15に示したものでは、吸込口5の前後と左右に、駆動輪22と従動輪23とが設けられ、駆動輪22と従動輪23とが、吸込口5を周囲から囲む配置になっている。駆動輪22と従動輪23との配置は、この配置例には限定されない。例えば、吸込口5の前方(進行方向FD側)及び後方に、それぞれ1つずつ駆動輪22を設けても良い。その場合、吸込口5から見て進行方向FDの駆動輪22の回転量よりも、進行方向FDと反対側(つまり後方側)の駆動輪22の回転量を若干大きく設定してもよい。これにより、前後の駆動輪22の間で、敷き布団100Aの上面の布地が常に後方へ引き伸ばされるような緊張状態にされる。この構成は、敷き布団100A表面の生地が、吸込口5側に吸い込まれることを抑制できる1つの有効な手段である。
なお、実施の形態3では、駆動輪22と従動輪23が配置されていたが、駆動輪22だけでも良い。また駆動輪22と従動輪23は、実施の形態3のように、本体ケース2の内部に格納されて敷き布団100Aと接する部分だけが本体ケース2から露出する形態でも良いし、本体ケース2の外部に全部が露出している形態でも良い。
実施の形態4.
図17は、本発明の実施の形態4に係る寝具掃除機1の中央部縦断面図である。図17において、前記した実施の形態1〜3と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は、極力省略する。
図17に示す実施の形態4の特徴は、敷き布団100Aの上面に対して温風(温度は、40℃〜50℃程度)を吹き付け、その後、所定時間後に本体ケース2の下面(底面)2Bの中央部に形成した単一の吸込口5で、吸塵するようにしたことにある。
この本体ケース2は、実施の形態3で説明したものと同様の平面形状と縦断面形状を呈している。なお、走行輪22と従動輪23の外径寸法が略同じであることが、実施の形態3とは異なった点である。
図17において、SFは、寝具掃除機1が、移動・停止・移動という動作を繰り返しながら、進行方向FDに向かって進行する場合、その1回の移動時に進行方向FDに進む距離である。この距離SFは吹出口20の(進行方向の)幅よりも、1.5倍〜2倍程度大きい。例えば、吹出口20の幅が3cmとすれば、1回に進行する距離SFは、5cm〜6cmである。
この寝具掃除機1を運転すると、制御装置3の駆動指令信号を受けて、左右に1対ずつ設けた駆動輪22が、同時に同一方向に同一回転数(実際には1回転を超えないので、同じ回転角度)だけ比較的低速度で回転する。これにより本体ケース2は、数秒間掛けて距離SFを移動する。その後、本体ケース2は、一時的に停止する。本体ケース2は、例えば10秒間〜15秒間だけ停止したままとなる。
その停止中、寝具掃除機1の吹出口20から温風が連続的に吹出される。同時に、吸込口5においては、敷き布団100A側から空気が吸込まれ、敷き布団100Aの塵埃が吸引される。
ところで、この実施の形態4では、吸込口5から空気を吸込む前に、敷き布団100A側に温風を吹きかけているので、敷き布団100Aの表面はもちろん、内部にある中綿等の繊維に潜んでいるダニも吸込口5から吸込む空気流で除去される。実施の形態4に示すものでは、寝具掃除機1が上記のように所定の距離SFずつ一定時間を掛けて進行することから、温風を吹きかけられた敷き布団100Aの特定位置は、温風が吹きかけられてから30秒〜45秒程度経過すると吸込口5の真下に位置する。敷き布団100Aの内部深くに、留まって潜んでいたダニ(例えば、代表例として、ヒョウヒダニ)も、温風を吹きかけられると、その温風を嫌って敷き布団100Aの表面や他の箇所へ移動し始める。実施の形態4では、この移動過程のダニを吸引の空気流で一挙に除去してしまうことができる。なお、ダニは、布団等の繊維に自分の脚を絡み付かせて生息しており、単純に風を送ってもダニは繊維にしがみ付いて離れない行動をすることが知られている。
吸込口5から吸込まれたダニは、塵埃とともに集塵室8に捕集されるが、その集塵室8において死滅する。例えば、ダニは50℃以上の環境が20分以上続くと死滅するといわれている。敷き布団100Aと掛け布団100Bとの間に形成される閉鎖空間内に電気ヒータ17からの温風が循環するため、上記の死滅条件を十分満たすことができる。なお、運転しないときは吸込口5が常にバネ等の力でシャッターにより閉鎖される構成にし、ダニが吸込口5から出ることを防止しても良い。
(実施の形態4の総括)
以上の説明から明らかなように、この実施の形態4の寝具掃除機1は、清掃すべき敷き布団100Aとこの上に重ねられる掛け布団100Bとの間に形成される閉鎖空間内を、機械的駆動部4によって所定方向に移動する本体ケース2を備える。本体ケース2内部には、閉鎖空間内から吸い込まれた空気が導入される吸込口5と当該空気が排出される吹出口20とを両端部に形成した通風路28が形成される。また寝具掃除機1は、この通風路の中を通過する空気から塵埃を捕集する集塵室8と、通風路28内に空気を流通させる電動送風機13と、通風路28の中の空気を加熱する電気ヒータ17と、電動送風機13と及び電気ヒータ17の通電を制御する制御装置3と、を備える。本体ケース2の下面には、その本体ケース2の進行方向の先頭側に吹出口20が、この吹出口と離れた後方位置に吸込口5が、それぞれ配置される。電動送風機13は、電気ヒータ17で加熱された空気を、吹出口20から吹き出す。本体ケース2は、敷き布団100Aの上面に接触しながら回転する機械的駆動部4の駆動輪22により、本体ケース2の下面2Bと敷き布団100Aの上面との間に第1の空隙GP1が形成された非接触状態で移動する。制御装置3は、敷き布団100Aのうち吹出口20に対向した位置が、所定時間後に本体ケース2の進行によって吸込口5の下方に位置するよう、機械的駆動部4を制御する。
このような構成であるから、実施の形態4の寝具掃除機1は、敷き布団100Aの上面に堆積、付着した塵埃を、吸込口5に集まる高速度の空気流によって効果的に回収できる。
また、敷き布団100Aの上面のある部分を見ると、先に温風が吹きかけられ、その後その部分は吸込口5へ向かう空気流により吸引される。このような方式であるから、敷き布団100Aの内部に留まって潜んでいたダニも、寝具掃除機1に吸引される空気流で一挙に除去してしまうことができる。このため、寝具100の掃除を更に効果的に行わせることができる。
なお、温風を吹きかけてから吸込口5で吸引するまでの時間は、上記した例では30秒程度であったが、敷き布団100A内部への温風の浸透時間、ダニが反応して移動開始するまでの時間等を考慮し、少なくとも10秒程度に吸引すると良い。本体ケース2の進行パターンを変更し、温風を吹きかけながら、一時停止せずに連続的に本体ケース2を所定方向FDに進行させてもよい。その進行の過程で連続的に電動送風機13によって吸引動作を行わせ、吸込口5からダニ回収を行うようにしても良い。このためには、本体ケース2の下面に配置した吹出口20と吸込口5との間隔を、本体ケース2が例えば10秒間で移動するように、本体ケース2の進行速度(1秒あたり)を考慮すれば良い。なお、温風を吹きかけてから吸引するまでの時間を長く設定し過ぎると、ダニが他の場所に移動して再び繊維等にしがみ付いてしまうことになるので、好ましくない。
実施の形態4の寝具掃除機1は、本体ケース2が、敷き布団100Aと掛け布団100Bとの間に形成される閉鎖空間内を移動する際に、掛け布団100B表面と本体ケース2外表面との接触部では、その摺接によって本体ケース2の移動を妨げる摩擦力が生ずる。
そこで、機械的駆動部4の駆動輪22や従動輪23の設置位置、又は大きさ(車輪の外径)は、上記の摩擦力に十分打ち勝つ大きさの推進力を維持するため、本体ケース2が敷き布団100Aの上面に載置された状態で、その本体ケース2の下面と敷き布団100Aの上面との間に第1の空隙GP1が保たれた状態が維持されるように設定してある。つまり駆動輪22や従動輪23の設置位置、又は大きさ(車輪の外径)は、本体ケース2の下面と敷き布団100Aの上面とが接近している状態が維持されるように設定してある。
これにより、第1の空隙GP1が保たれた状態で本体ケース2が水平移動し、本体ケース2の下面が敷き布団100Aの上面に載ったまま本体ケース2が摺接移動することが回避される。これにより、摺接移動により本体ケース2の移動が妨げられることはなく、少ない動力で本体ケース2の推進力が維持され、本体ケース2は円滑に進行できる。
実施の形態4の寝具掃除機1では、駆動輪22を、その本体ケース2の下面よりも下方に突出させるという簡単な構成で、敷き布団100Aの上面と本体ケース2の下面との間に所定範囲の隙間が形成される。実施の形態4の寝具掃除機1は、少ない動力で本体ケース2の推進力を維持して円滑に進行させるという効果を、簡単な構成で得ることができる。
実施の形態4の寝具掃除機1では、駆動輪22と従動輪23とは共同して、本体ケース2の下面と第1の寝具である敷き布団100A上面との間が接近した状態を維持する。本体ケース2を移動させる際に、本体ケース2の下面と敷き布団100Aの上面とが接触して敷き布団100Aが本体ケース2の移動を妨げる障害物になることが防止される。これにより、本体ケース2は円滑に進行できる。
実施の形態4の寝具掃除機1では、本体ケース2の下面と敷き布団100A上面との間が接近した状態に維持される。その状態で集塵用空気を吸込む清掃動作をさせると、本体ケース2の下面に配置された吸込口5に流入する高速度の空気流によって、敷き布団100Aの上面に堆積、付着した塵埃が効果的に回収される。
実施の形態4の寝具掃除機1では、敷き布団100A表面を覆う布が本体ケース2の吸込口5側に吸い付き、あるいは吸い込まれて、塵埃の吸引力が低下するということも抑制され、寝具100の掃除を効果的に行わせることができる。
実施の形態4の寝具掃除機1では、本体ケース2が前傾姿勢であれば、本体ケース2が進行していく際に、掛け布団100Bの下面から受ける抵抗力も軽減される。これにより、本体ケース2は更に円滑に進行できる。
実施の形態4の寝具掃除機1では、敷き布団100Aに温風を吹き付け、その温風の浸透によって敷き布団100Aの内部に留まって潜んでいたダニを、敷き布団100Aの表層等に移動開始させる効果が得られる。また実施の形態4の寝具掃除機1は、そのようなダニを高速の空気流で一挙に除去してしまうことができる。このため、寝具の掃除を更に効果的に行わせることができる。
(その他の実施形態)
実施形態1〜4における寝具掃除機1の制御装置3の、少なくとも一部を、集積回路上に形成された論理回路によってハードウエアとして構成してもよいし、CPU等などを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
また、機械的駆動部4の回転判定部46、汚れ検知部68の判定部73、撮影部74、寝具表面検知部62の判定部71、撮影部72、塵埃量検知部(塵埃センサー)25、異常時処理部44の各機能をソフトウェアで実現しても良い。
ソフトウェアによって実現する場合は、寝具掃除機1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、プログラム及び各種データを格納するメモリー等の記憶装置(記録媒体)などを備えた構成になる。そして、上述した機能を実現するソフトウェアである寝具掃除機1の制御プログラムのプログラムコードを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体(例えば各種半導体記憶素子)を、寝具掃除機1に備え、コンピュータがその記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、上記した機能は達成可能である。
また、実施の形態4の寝具掃除機1では、本体ケース2の下面2Bだけに吹出口20及び吸込口5がそれぞれ設けられ、敷き布団100Aに温風を吹き付けることで敷き布団100A側を集中的に清掃する形式であった。本体ケース2の下面2Bに加え、本体ケース2の上面にも温風の吹出口20と、塵埃の吸込口5とがそれぞれ設けられても良い。これにより、敷き布団100Aだけではなく、掛け布団100Bの下面側にある塵埃や掛け布団100Bの中に潜んでいるダニ等の有害生物を除去するようにしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
本発明に係る寝具掃除機、寝具乾燥機は、一般家庭だけではなく、集合住宅や介護施設、宿泊施設等の業務用施設でも広く利用することができる。
CLX 前後中心線
CLY 左右中心線
CPO 中心点
GP 間隙
HL 水平線
MK 移動軌跡(移動経路)
SAP 起点(移動開始点)
STP 終点(移動終了点)
VL 垂直中心線
1 寝具掃除機
2 本体ケース
3 制御装置
3R 記憶部
4 機械的駆動部(機械的推進部)
5 吸込口
5A 吸込口
5B 吸込口
6 吸込通路
7 窓
8 集塵室
9 フィルター
10 窓
11 送風室
12 回転軸
13 電動送風機
13M モータ
14 ファン
15 窓
16 加熱室
17 電気ヒータ(PTCヒータ)
18 排気通路
19 開口
20 吹出口
22 駆動輪
22L 左駆動輪
22R 右駆動輪
23 走行輪(従動輪)
23A 押えローラー
24 位置センサー
25 塵埃センサー(塵埃量検知部)
26 電池
27 バイパス風路
27A 入口
27B 出口
28 通風路
30 回路基板
31 入力操作部
32 塵埃判定部
33 駆動回路
34 駆動回路
40 LED発光部
41 音声ガイド部
42 中央制御部
43 表面判定部
44 異常時処理部
45 駆動回路
48 駆動モータ
48L 駆動モータ
48R 駆動モータ
49 時計回路
50 送風ケース
51 蓋
52 吸込口ユニット
53 ブラシ
54 ブラシ駆動部
55 通風ダクト(風洞)
56 消音整流板
57 制御部主回路基板
58 入力回路基板
59 光センサー
60 塵埃センサー
61 イオン発生デバイス
62 寝具表面検知部
63 近距離無線通信(NFC)用入出力部
64 発光部
65 受光部
66 一時記憶部
67 発光部
68 汚れ検知部
69 受光部
70 家具
71 判定部
72 撮影部
73 判定部
74 撮影部
75 一時記憶部
76 寝具汚れ判定部
77 無線通信部(無線入出力部)
78 電流検出部
79 商用電源
100 寝具
100A 敷き布団
100B 掛け布団

Claims (15)

  1. 清掃すべき寝具に接触して自己推進力を発生させる機械的駆動部と、
    吸込口と吹出口とを有する通風路と、
    前記吸込口から前記通風路の中に塵埃を含んだ空気を吸引する電動送風機と、
    前記通風路に導入される空気流から塵埃を濾過する集塵部と、
    前記通風路に設けられ、前記電動送風機から前記吹出口に至る途中で分岐したバイパス風路と、
    前記通風路に設けられ、前記バイパス風路を流れずに前記通風路を通過する前記電動送風機からの空気を加熱する加熱手段と、
    を備え、
    前記電動送風機は、前記通風路に吸引され前記加熱手段で加熱された空気を前記寝具の乾燥用に吹き出し、前記バイパス風路からも空気を吹き出す寝具掃除機。
  2. 前記通風路、前記集塵部、前記加熱手段及び前記電動送風機を内蔵する本体ケースを更に備え、
    前記吸込口と前記吹出口とは、前記本体ケースの下面に互いに間隔をおいて形成されている請求項に記載の寝具掃除機。
  3. 前記吹出口は、前記寝具に近接した位置又は接触する位置に配置されている請求項に記載の寝具掃除機。
  4. 前記吸込口は、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向の先頭側に配置され、
    前記吹出口は、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向の後尾側に配置されている請求項に記載の寝具掃除機。
  5. 前記通風路、前記集塵部、前記加熱手段及び前記電動送風機を内蔵する本体ケースを更に備え、
    前記吸込口は、前記本体ケースの上面と下面とに形成され、
    前記吹出口は、前記本体ケースの上面と下面とに形成され、
    前記吸込口と前記吹出口とは、互いに間隔をおいて形成されている請求項に記載の寝具掃除機。
  6. 前記吸込口は、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向の先頭側に配置され、
    前記吹出口は、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向の後尾側に配置されている請求項に記載の寝具掃除機。
  7. 前記通風路、前記集塵部、前記加熱手段及び前記電動送風機を内蔵する本体ケースを更に備え、
    前記本体ケースを平面的に見た場合、1つの点に対して同心円状に、前記吸込口と前記吹出口とが形成されている請求項に記載の寝具掃除機。
  8. 前記本体ケースは、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向と直行する垂直方向の縦断面で見た場合、左右対称形状である請求項から請求項の何れか1項に記載の寝具掃除機。
  9. 前記本体ケースは、前記機械的駆動部によって進行する方向と平行な中央部縦断面で見た場合、全体が円形又は横長の楕円形である請求項から請求項の何れか1項に記載の寝具掃除機。
  10. 前記本体ケースの上面は、三次元曲面に形成されている請求項から請求項の何れか1項に記載の寝具掃除機。
  11. 前記機械的駆動部は、清掃すべき寝具に接触する回転体を有し、
    前記回転体は、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向に平行な垂直中心線を挟んで互いに対称に配置されている請求項から請求項の何れか1項に記載の寝具掃除機。
  12. 前記通風路、前記集塵部、前記加熱手段及び前記電動送風機を内蔵する本体ケースを更に備え、
    前記吸込口は、前記本体ケースの上面と下面とにそれぞれ形成され、
    前記本体ケースの上面に形成された前記吸込口と前記本体ケースの下面に形成された前記吸込口とは、共通の吸込通路を介して互いに連通している請求項に記載の寝具掃除機。
  13. 前記本体ケースの内部には、前記機械的駆動部、前記加熱手段及び前記電動送風機の電力供給源となる電池が内蔵され、
    前記電池及び前記電動送風機は、前記機械的駆動部によって前記本体ケースが進行する方向に沿った中心線上に配置されており、かつ前記電動送風機は、前記電池の真上に位置する請求項から請求項の何れか1項に記載の寝具掃除機。
  14. 前記本体ケースの内部には、当該本体ケースが所定の移動経路に沿って進むように前記機械的駆動部を制御する制御プログラムが記憶された制御装置が設けられた請求項から請求項の何れか1項に記載の寝具掃除機。
  15. 前記制御装置は、前記制御プログラムによって、前記機械的駆動部を駆動させ、前記本体ケースが第1の所定距離又は第1の所定時間進行した段階で前記機械的駆動部を一時的に停止させ、前記機械的駆動部を一時的に停止させると前記加熱手段と前記電動送風機への通電を行ってから前記加熱手段への通電を一時的に停止し、前記加熱手段への通電を一時的に停止すると前記機械的駆動部を再び駆動させ、前記本体ケースが第2の所定距離又は第2の所定時間進行した段階で前記機械的駆動部を再び一時的に停止させる請求項14に記載の寝具掃除機。
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