JP6524252B2 - 光・温度感受性不稔系を創製する方法および植物育種におけるその使用 - Google Patents
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Description
もう一つの好適な例において、前記のGDSLエステラーゼは前記植物の花粉の発育過程における脂質代謝に関与するものである。
もう一つの好適な例において、前記のGDSLエステラーゼはトリグリセリドを加水分解してグリセリンと脂肪酸にするものである。
A1/A0の比は≦80%、好ましくは≦60%、より好ましくは≦40%、最も好ましくは0〜30%で、
ここで、A1は前記植物株における花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの酵素活性で、A0は野生型の同種の植物株における同一のGDSLエステラーゼの酵素活性である。
もう一つの好適な例において、前記TMF1の野生型のアミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5および配列番号6からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記GDSLエステラーゼは植物の花序および葯からなる群から選ばれる細胞、組織または器官で特異的に発現するものである。
もう一つの好適な例において、前記GDSLエステラーゼは葯発育期で特異的に発現するものである。
もう一つの好適な例において、前記の葯発育期は、前葯形成段階(-3日〜0日)、葯形成段階、後葯形成段階(葯形成後1〜5日)を含む。
もう一つの好適な例において、前記GDSLエステラーゼは花粉の減数分裂期で発現のピークに達する。
もう一つの好適な例において、前記植物株における花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの活性を低下させる方法は、GDSLエステラーゼをコードする遺伝子の発現レベルを低下させる方法、および/またはGDSLエステラーゼの活性を低下させる方法を含む。
もう一つの好適な例において、前記GDSLエステラーゼをコードする遺伝子はTMF1遺伝子である。
もう一つの好適な例において、前記TMF1遺伝子は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6で示されるアミノ酸配列をコードするものである。
もう一つの好適な例において、前記の植物は、農作物、林業植物、花卉を、好ましくはイネ科、マメ科およびアブラナ科の植物を、より好ましくはイネ、トウモロコシ、モロコシ、コムギ、ダイズまたはシロイヌナズナを含む。
もう一つの好適な例において、前記の植物は、アブラナ科(Brassicaceae)の植物、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)の植物、シロイヌナズナ(A. thaliana)から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記のコードする遺伝子はTMF1遺伝子である。
もう一つの好適な例において、前記TMF1遺伝子は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6で示されるアミノ酸配列をコードするものである。
もう一つの好適な例において、前記の植物は花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの発現または活性レベルが低下した植物である。
もう一つの好適な例において、前記植物は本発明の第一に係る方法で育成された植物の不稔系である。
もう一つの好適な例において、前記方法は、植物株の代謝レベルを低下させることによって、花粉の細胞膜の合成速度を低下させることを含む。
もう一つの好適な例において、前記低下または遅延は、植物株の成長の環境温度を低下させること、植物株の光照射時間を減少させること、またはこれらの組み合わせによって実現される。
もう一つの好適な例において、植物株の成長の環境温度を低下させる時期は、葯形成段階、花粉成熟段階および開花授粉段階、またはその前後の2週間を含む。
もう一つの好適な例において、植物株の抽薹または出穂の時から植物株の成長温度を低下させ、低温で3〜10日栽培した後、正常の温度に戻して栽培する。
前記植物株の不稔を維持する工程において、本発明の第一に係る方法で育成された植物の不稔系を維持することを含み、
植物株を不稔性から稔性に転換させる工程において、本発明の第三に係る方法で植物株を不稔性から稔性に転換させることを含む、
植物の育種方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記GDSLエステラーゼはTMF1である。
本発明者は、幅広く深く研究したところ、初めて意外に、ある特定の植物不稔系に対し、花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの発現または活性を調節することによって、前記植物株の稔性を調節し、不稔性と稔性の間の制御可能な転換を実現させることができることを見出した。また、本発明者は相応の植物の不稔系の育成などのいくつかの農業育種などで幅広い応用価値がある技術を開発した。これに基づき、本発明を完成させた。
GDSLエステラーゼは、異なる種に存在するスーパーファミリーのタンパク質で、脂質化合物の加水分解および合成において重要な役割を果たす(Akohら, 2004; Brickら, 1995)。植物において、現在、一部のエステラーゼの機能は、ストレス抵抗性、形態発育に関連すると報告された(Cameraら 2005; Ohら 2005)。たとえば、トマトの種子発芽およびカーネーションの花弁の老化のいずれにもエステラーゼの遺伝子の発現がある(Matsuiら 2004; Hongら 2000)。現在、花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼはまだ報告されていない。
本発明に適用する花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼは特に限定されず、任意の植物品種由来のものでもよく、代表的な植物は以下のものを含むが、これらに限定されない。
図13において、Osはイネで、Atはシロイヌナズナで、Sbはモロコシで、Taはコムギで、Zmはトウモロコシで、Gmはダイズである。図13の異なる種におけるTMF1遺伝子のタンパク質配列の類似性および進化解析から、当該遺伝子は異なる種における保存性が強く、シロイヌナズナでは当該遺伝子の突然変異によって不稔性の形質が現れるため、当該遺伝子に対して分子遺伝学的操作を行うことによってほかの種の不稔系を育成することができることがわかる。
1 MSIKLLVLVF SLLIIFTRPK LIADHHLTTR ISPIYPSIST FQPSIPPFLP
51 PSPSRRAQSP TVKPSLPFVP ALFVFGDSSV DSGTNNFLGT LARADRLPYG
101 RDFDTHQPTG RFCNGRIPVD YLGLPFVPSY LGQTGTVEDM FQGVNYASAG
151 AGIILSSGSE LGQRVSFAMQ VEQFVDTFQQ MILSIGEKAS ERLVSNSVFY
201 ISIGVNDYIH FYIRNISNVQ NLYTPWNFNQ FLASNMRQEL KTLYNVKVRR
251 MVVMGLPPIG CAPYYMWKYR SQNGECAEEV NSMIMESNFV MRYTVDKLNR
301 ELPGASIIYC DVFQSAMDIL RNHQHYGFNE TTDACCGLGR YKGWLPCISP
351 EMACSDASGH LWWDQFHPTD AVNAILADNV WNGRHVDMCY PTNLETMLHS
(配列番号1)
シロイヌナズナのTMF1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7で示されるものである。
1 MALPFLLLLA FALLFPLSAP PRCCSAAPAS SPPPSPPPSP AAAAAAPRRT
51 PLVPALFVIG DSTADVGTNN YLGTLARADR EPYGRDFDTR RPTGRFSNGR
101 IPVDYIAEKL GLPFVPPYLE QNMRMGVGSV DLSNIDGMIQ GVNYASAAAG
151 ILSSSGSELG MHVSLSQQVQ QVEDTYEQLS LALGEAATTD LFRKSVFFFS
201 IGSNDFIHYY LRNVSGVQMR YLPWEFNQLL VNAMRQEIKN LYNINVRKVV
251 MMGLPPVGCA PHFLWEYGSQ DGECIDYINN VVIQFNYALR YMSSEFIRQH
301 PGSMISYCDT FEGSVDILKN RDRYGFLTTT DACCGLGKYG GLFMCVLPQM
351 ACSDASSHVW WDEFHPTDAV NRILADNVWS GEHTKMCYPV DLQQMVKLK
(配列番号2)
イネのTMF1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号8で示されるものである。
1 MAVAPLLTLL LLLFLSGSGP RRCSAAATAN STSSPSPPPR PAPLVPALFV
51 IGDSTADVGT NNYLGTLARA DREPYGRDFD THRPTGRFSN GRIPVDYIAE
101 RLGLPFVPPY LEQNMRTGAA DVGLTSIDGM IQGVNYASAA AGIISSSGSE
151 LGMHVSLTQQ VQQVEDTYEQ LSLALGEAAV ANLFRRSVFF VSIGSNDFIH
201 YYLRNVSGVQ MRYLPWEFNQ LLVSTMRQEI KNLYDINVRK VILMGLPPVG
251 CAPHFLEEYG SQTGECIDYI NNVVIEFNYA LRHMSSEFIS QHPDSMISYC
301 DTFEGSVDIL NNREHYGFVT TTDACCGLGK YGGLIMCVLP QMACSDASSH
351 VWWDEFHPTE AVNRILADNV WSSQHTKMCY PLDLQQMVKL KL
(配列番号3)
モロコシのTMF1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号9で示されるものである。
1 MAPSLAHLVC LLLLLLLLLS ALPLSAAAST PRSAPPSAPP TPLVPALFVI
51 GDSTSDVGTN NYLGTLARAD REPYGRDFDT HRPTGRFSNG RIPVDYLAEK
101 LGLPFVPPYL EQSMRMGGGG VGLSNIGGMI QGVNYASAAA GILSSSGSEL
151 GMHVSLTQQV QQVEDTYEQL ALALGEAATV DLFRRSVFFV SIGSNDFIHY
201 YLRNVSGVQM HYLPWEFNQL LVNAVRQEIK NLYNINVRKV VLMGLPPVGC
251 APHFLSDYGS QNGECIDYIN NVVIEFNYGL RHMSSEFIRQ YPDSMISYCD
300 TFEGSVDILE NRDRYGFLTT TDACCGLGKY GGLFICVLPQ MACSDASSHV
351 WWDEFHPTDA VNRILAENVW SGEHTRMCYP VNLQEMVKLKQ
(配列番号4)
コムギのTMF1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号10で示されるものである。
1 MMSVRVIVYL LSTVLVVSST FVESRALLQF QDPSPPSTAP SSSPVPLAPA
51 LFVIGDSSVD CGTNNFLGTF ARADHLPYGK DFDTHQPTGR FSNGRIPVDY
101 LALRLGLPFV PSYLGQTGAV EDMIQGVNYA SAGAGIILSS GSELGQHISL
151 TQQIQQFTDT LQQFILNMGE DAATNHISNS VFYISIGIND YIHYYLLNVS
201 NVDNLYLPWH FNHFLASSLK QEIKNLYNLN VRKVVITGLA PIGCAPHYLW
251 QYGSGNGECV EQINDMAVEF NFLTRYMVEN LAEELPGANI IFCDVLEGSM
301 DILKNHERYG FNVTSDACCG LGKYKGWIMC LSPEMACSNA SNHIWWDQFH
351 PTDAVNAILA DNIWNGRHTK MCYPMNLEDM VNRMAR
(配列番号5)
ダイズのTMF1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号11で示されるものである。
1 MAVAPLFALL VLFLSGPRRC AAAAAAAAAA ASPSSPSPSP RPAPLVPALF
51 VIGDSTADVG TNNYLGTLAR ADREPYGRDF DTHHPTGRFS NGRIPVDYIA
101 ERLGLPFVPP YLEQSMRTGA GGVGLTNIDG MIQGVNYASA AAGIISSSGS
151 ELGMHVSLTQ QVQQVEDTYE QLSLALGEAA AGNLFRRSVF FVSIGSNDFI
201 HYYLRNVSGV QMRYLPWEFN QLLVSTMRQE IKNLYDINVR KVILMGLPPV
251 GCAPHFLEEY GSQTGECIDY INNVVIEFNY ALRHMSREFI SQHPDSMISY
301 CDTFEGSVDI LNNREHYGFV TTTDACCGLG KYGGLIMCVL PQMACSDASS
351 HVWWDEFHPT DAVNRILADN VWSSQHTKMC YPLDLQQMVK LKL
(配列番号6)
トウモロコシのTMF1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号12で示されるものである。
用語「GDSLエステラーゼ」、「GDSLポリペプチド」、「GDSLタンパク質」などとはGDSLタンパク質のアミノ酸配列(たとえば配列番号1〜6)を有するタンパク質またはポリペプチドをいい、入れ替えて使用することができる。特別に説明しない限り、用語「GDSLタンパク質」は野生型と突然変異型のGDSLタンパク質を含む。
(i)一つまたは複数の保存的または非保存的なアミノ酸残基(好ましくは保存的なアミノ酸残基)が置換されたポリペプチドでもよく、このような置換されたアミノ酸残基が遺伝コードでコードされてもされていなくてもよく、
(ii)一つまたは複数のアミノ酸残基に置換基があるポリペプチドでもよく、
(iii)成熟のポリペプチドともう一つの化合物(たとえば、ポリエチレングリコールのようなポリペプチドの半減期を延ばす化合物)と融合したポリペプチドでもよく、
(iv)付加のアミノ酸配列がこのポリペプチドに融合したポリペプチド(たとえばリーダー配列または分泌配列またはこのポリペプチドを精製するための配列またはタンパク質前駆体配列、あるいは融合タンパク質)でもよい。
本発明の好適な実施形態において、「GDSLタンパク質」または「GDSLポリペプチド」の配列は、配列番号1〜6で示されるものである。この用語は、さらに、GDSLタンパク質と同じ機能を有する、配列番号1〜6の配列の変異の様態を含む。これらの変異の様態は、一つまたは複数(通常は1〜50個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜20個、最も好ましくは1〜10個)のアミノ酸の欠失、挿入および/または置換、ならびにC末端および/またはN末端への一つまたは複数(通常は20個以内、好ましくは10個以内、より好ましくは5個以内)のアミノ酸の付加を含むが、これらに限定されない。たとえば、本分野において、機能が近い、または類似のアミノ酸で置換する場合、通常、蛋白質の機能を変えることがない。また、C末端および/またはN末端への一つまたは複数のアミノ酸の付加も、通常、蛋白質の機能を変えることはない。この用語は、さらに、GDSLタンパク質またはポリペプチドの活性断片と活性誘導体を含む。
植物における異なる器官で特異的に発現するエステラーゼ遺伝子は、植物の発育においてエステラーゼは脂質代謝の調節で重要な役割を果たすことも示唆する(Brickら 1995、Huら, 2003)。加水分解酵素であるエステラーゼは、一つ、二つまたは三つのグリセリンを離脱させて脂肪酸とアルコール類を放出することを触媒することができる(AngkawidjajaおよびKanaya 2006)。酵素活性反応は、TMF1が機能性のエステラーゼ活性を有することで、脱エステル作用によって一つのエステル分子を加水分解することを示唆し、花粉の発育において、細胞膜の快速成長には、膜の合成のための遊離脂肪酸を含め、余分な原料の補充が多く必要であるため、小胞子の細胞膜の脂質代謝に関与し、細胞膜の合成に脂質分子の原料を提供することが推測される。
(a)植物における花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの発現または活性を低下させることによって植物の不稔系を創製する方法を提供する。
(b)花粉の細胞膜の合成速度を低下させること、および/または花粉の発育速度を遅延させることによって、不稔性の植物株の形質を稔性に転換させる方法を提供する。
植物材料と栽培
本発明において、シロイヌナズナの材料はLersberg erecta背景のものである。EMS変異種の誘導と選別はZhangら 2007を参照する。4℃の条件において、0.1%アガロース培地で種子を72時間予備発芽させた。植物材料をバーミキュライトで培養し、培養条件は室温24℃で、光培養16時間/暗培養8時間(正常条件)で、抽薹まで培養した。その後、抽薹株を光照射のインキュベーターに移して低温(17℃〜22℃)で培養した。異なる光周期に対して、抽薹株を室温24℃で、それぞれ光培養12時間/暗培養12時間、光培養10時間/暗培養14時間または光培養8時間/暗培養16時間で処理した。
シロイヌナズナのプロトプラストの単離とトランスフェクションの工程はYOOら, .2007を参照する。野生型植物株を鋳型とし、TMF1の全長cDNA断片(終止コドンを除く)をクローンし、GFPタグの融合に使用した。PCR産物をeGFPタグ付きのPMON530ベクターにクローンした後、新しく単離したシロイヌナズナのプロトプラストにトランスフェクトした。トランスフェクション後のプロトプラストを23℃、暗黒の条件で20時間培養した。最後に、ZEISSの共焦点レーザー顕微鏡で観察した(LSM 5 PASCAL; ZEISS, http://www.zeiss.com)。
ニコンのデジタルカメラ(D-7000)で植物材料を撮影した。アレキサンダー染色とDAPI染色はAlexander, 1969; Rossら., 1996を参照する。半薄切片に対し、花芽の異なる発育段階を選んで固定し、Spurrエポキシ樹脂に包埋した(具体的な方法はZhangら, 2007を参照する)。Powertome XL (RMC Products, Tucson, Arizona, USA)ミクロトームで1μmごとにカットしてトルイジンブルーで染色した。Olympus DX51デジカルカメラ(Olympus, Japan)で葯の切片を撮影した。8nm金顆粒で新鮮な雄蕊と花粉粒の材料をコーティングして走査電子顕微鏡の実験を行い、JSM-840顕微鏡 (JEOL, Japan)で観察した。透過型電子顕微鏡の実験では、シロイヌナズナの花序を氷の上で固定液(配合は2.5%グルタルアルデヒド含有0.1Mリン酸緩衝液で、pH 7.2)において固定した。花芽材料はさらに順に樹脂(‘Hard Plus’ Embedding Resin, Unite Kingdom)に包埋した(具体的な方法はZhanら, 2007を参照する)。超薄切片(50-70nm)はJEM-1230透過型電子顕微鏡(JEOL, Japan)で観察した。
全RNAはTrizol試薬(Invitrogen, USA)で成熟土で培養したシロイヌナズナ植物の花組織から抽出することができる。poly-dT(12-18)プライマー、MMLV逆転写酵素および相応の試薬で5μgのRNAから逆転写して1本目のcDNA鎖を得た(60分間、42℃)。合成されたcDNA鎖をPCRの鋳型とした。定量RT-PCRは、SYBR Green I master mix (Toyobo, Japan)を利用してABI PRISM 7300システム(Applied Biosystems, USA)によって検出した。定量RT-PCRのプロセスのパラメーター:95℃ 5分間、94℃ 10秒変性、40サイクル、60℃ アニーリング・伸長1分間。定量RT-PCRで使用されたプライマーは電子版の添付書類にリストアップした。β-チューブリンをコントロールとした。
digoxigenin (DIG) RNA標識キットおよびPCR DIGプライマー合成キット(Roche)の説明書に従って非放射性RNAインサイチューハイブリダイゼーション実験を行った。TMF1に特異的なプライマーでcDNA断片を増幅させた。PCR産物をpSKベクターにクローンしてシークエンシングした(Stratagene)。プラスミドDNAは完全にHindIIIとBamHIで徹底的に消化し、かつこれを鋳型としてT3またはT7 RNAポリメラーゼでそれぞれ転写させた。Olympus DP70デジタルカメラで写真の撮影を行った。
植物タンパク質抽出試薬(Thermo Scientific Prod#89803, USA)で異なる光周期および温度において花芽組織のタンパク質を抽出した。無色の基質である酪酸p-ニトロフェニル(p-nitrophenol butyrate、p-NPB)を20 mMのイソプロパノールに溶解させた。溶液が清澄になって安定した乳状液になるまで、1:10で軽く揺れながらphosphate-Triton X-100緩衝液を希釈した。混合液(50ul)をキュベットに分配し、かつそれぞれ24℃と17℃で15分間予備インキュベートした。植物全タンパク質(0.08ug/ul, 50ul)を含有する各酵素液を50 mMリン酸緩衝液(pH 7 24℃/17℃)で用意した後、基質混合液を入れて反応系を100ulとし、かつ24℃/17℃の条件においてさらに15分間インキュベートした。分光光度計(BIO-RAD Model Smart Spectm Plus)で吸光度405においてp-NPの黄色の反応産物を検出した。最後に、総吸光度からブランク吸光度(植物の酵素を含まない反応混合物)を引いて相応の酵素活性を算出した。
各花芽標本(野生型24℃/17℃、tmf1変異体24℃/17℃)に対して50mgの新鮮な組織を取り、ポリテトラフルオロエチレンのねじ口ガラス管に置いた。1mlの2.5 %硫酸含有メタノールを入れた。サンプルを80℃で1時間加熱して室温で冷却した。その後、順に500 μLペンタン、1.5 mLの0.9% NaClを入れて脂肪酸メチル(FAME)を抽出した。激しく振とうした後、遠心して層分離を促進した。上層の相(ペンタンを含む脂肪酸メチル)の一部を注射小瓶に移した。反応混合物をTrace GC - Polaris Q(Finnigan-spectronex)質量分析装置によって分析した。典型的な質量分析条件は分流式注入または非分流式注入でもよく、炎電子検出器の温度は240℃で、オーブンの温度プログラムは60℃ 2分間、10℃/minで240℃まで、この温度に30分間維持するものである。
発明者はEMS化学誘発突然変異の方法でシロイヌナズナLer生態型からtmf1-1変異体を単離した。同時に、シロイヌナズナCol生態型のT-DNA挿入変異体ライブラリーからエクソンが挿入された変異体tmf1-2を選別した正常の環境温度(24℃)において、ホモ接合体のtmf1変異体の栄養成長が成長であったが、稔性がなくなり、短小な種子のない鞘しかなかった(図1bおよびe)。遺伝分析では、tmf1変異体は胞子体の雄性不稔に属し、単一劣性遺伝子座に制御されることが示された(Yiら, 2006)。出願者は、tmf1変異体を24℃で抽薹まで培養し、それを17℃の連続培養に移し、その後の鞘は全部稔性が回復した(図1cおよびf)。同様の低温条件において、野生型の植物株は影響を受けなかった(結果は未表示)。アレキサンダー染色では、低温条件において変異体の花粉は紫紅色に染色され、野生型と同様であったが(図1i)、正常条件における変異体の葯には稔性の花粉がなかったことが示された(図1h)。この結果は、低温はtmf1変異体における雄性配偶体の発育欠陥を補うことを示した。
tmf1変異体の花粉の発育における欠陥を確定するため、出願者は葯の半薄切片を作った。野生型では、第6および7ステージにおいて、小胞子母細胞は減数分裂を経て四分子体になった(Sandersら, 1999)。その後、小胞子は四分子体から放出され、かつ段々正常の花粉壁を有する3核花粉粒になってきた(図3a)。常温の条件(24℃)におけるtmf1変異体では、葯の発育の第7ステージまで変異体と野生型で視認できる違いが観察されず、これは変異体の雄配偶体の減数分裂は影響を受けないことを示した(図3b)。葯の発育の第8ステージにおいて、tmf1小胞子は四分子体から放出され、野生型と比べ、不規則な腫れの表現型を示した。第9ステージにおいて、ほとんどのtmf1小胞子は分解し始め、その後小胞子の細胞質が収縮・崩壊した。最後に、葯室に一部の退化した花粉の破片しか残らず、正常の花粉が形成できなかった(図3b)。一方、低温の状態(17℃)において、tmf1小胞子は第8ステージの腫れの表現型がまだ存在していた。しかし、その後の発育段階で、ほとんどの小胞子が破裂・分解せず、段々正常に回復し、最終的に僅かな一部の退化した花粉を除き、低温における葯室で正常の成熟花粉粒が生成した(図3c)。
以前の研究で、出願者は既にTMF1遺伝子を精確にシロイヌナズナの4番染色体の49.5Kbの領域に位置づけた。この仕事では、出願者は3000超の後代変異体を利用し、TMF1遺伝子を13 kbの8つの遺伝子を含む領域に位置づけた(図6a)。中では、At4g10950遺伝子はGDSLエステラーゼ/加水分解酵素ファミリーのタンパク質をコードする。tmf1変異体において、当該遺伝子の1つ目のエクソンでACCからATCへの突然変異(スレオニンからイソロイシンへの突然変異)の単一ヌクレオチド突然変異が検出された。Phosphatデータベース(http://phosphat.mpimp-golm.mpg.de/)の予測によると、この突然変異のスレオニンは仮定のリン酸化部位である。T-DNA挿入変異体tmf1-2に対し、出願者はTAIL-PCRの方法を使用し、増幅した境界配列をシークエンシングしたところ、tmf1-2変異体の最後のエクソンにT-DNA挿入が存在することを見出した(図6b)。出願者は遺伝的相補性実験によってさらに検証した。上流のプロモーター領域および下流の領域を含め、At4g10950ゲノムの断片をクローンし、アグロバクテリウム菌を介してtmf1/+ヘテロ接合株に形質転換した。同定によって9つの遺伝子組み換え株のうち7株がtmf1/tmf1背景のものであることが示され、これらの植物株は正常温度(24℃)において稔性が回復して正常の鞘を形成した。これは、At4g10950はTMF1で、相補に使用されたゲノム断片はTMF1の生物学的機能の実行に十分な遺伝情報を含むことを示した。
TMF1タンパク質がエステラーゼの活性を有するかどうか検出するため、出願者は原核発現システムによってその発現・精製を行った。tmf1-1変異体は点突然変異であるため、出願者は同時に野生型TMF1と変異体のTMF1(T90I)遺伝子をクローンして原核発現を行った(図8a)。p-ニトロフェニル(p-nitrophenol butyrate、p-NPB)を基質とし、この二つの精製したタンパク質に対して酵素の測定を行った結果、変異体TMF1(T90I)タンパク質の活性は野生型タンパク質と比べて約50%の活性が低下したことを見出し(図8b)、当該突然変異部位は酵素活性に対する影響が大きいことが示された。また、出願者はGC/MS技術によってさらにそのエステラーゼの機能を検証し、トリグリセリド(Triglyceride)を基質として野生型のTMF1とインキュベートした後、検出結果から、TMF1がトリグリセリドにおける脂肪酸鎖を切断してヘキサデカン酸(hexadecanoic acid)を生成することができることが見出され(図8c)、それが花粉の発育における脂質代謝過程に関与することが示された。
上記の細胞学的観察では、常温(24℃)でほとんどのtmf1変異体の小胞子はリング状空胞期で分解したことが示された。早期の文献では、シロイヌナズナの花粉は成熟過程で体積が段々大きくなったことが示された。出願者はtmf1変異体において、小胞子は快速膨張過程に耐えず花粉の破裂と退化につながったことを推測した。そのため、出願者は野生型の小胞子の雄配偶体の発生過程における表面積を測定し、花芽の大きさによって大きく花粉の発育過程を小胞子放出期(released stage)、1核花粉期(uninucleate stage)、2核花粉期(bicellular stage)および3核花粉期(tricellular stage)と4つの時期に分けた(図11a)。データ統計の結果から、小胞子が四分子体から放出された後の表面積は約500um2であったことが示された。また、1回目の有糸分裂を経た後、2核期の小胞子の面積は約2倍拡大した。3核花粉が形成した後、花粉の表面積が2300um2に増大した(図11b)。同時に、出願者は異なる温度における各時期の成長速度を統計した結果、常温条件(24℃)において小胞子放出期から1核花粉期までの小胞子の成長速度は約8.6um2/hrで、1核花粉期から2核花粉期までの小胞子の成長速度は約38.9um2/hrであったことが示され、細胞学的解析では、ほとんどのtmf1小胞子の破裂はこの段階に存在し、2核花粉期から3核花粉期までの速度は33.7um2/hrであったことが示された。しかしながら、低温条件(17℃)において、第二段階の成長速度が約3倍低下した(図11c)。測定したところ、成長速度は野生型とtmf1変異体で近かった。そのため、この結果は低温で遅延した成長発育の時間はtmf1小胞子の結果を補う要因であることを示唆した。
早期の研究では、長期間日照の培養条件において植物の生殖器官の発育は短期間日照よりも早いことが見出された(Ebling, 1994; Zhuら, 1997)。そのため、出願者は短期間日照の条件においてtmf1小胞子の発育欠陥は回復するか推測した。出願者は常温条件(24℃)において長期間日照(16時間光照射、8時間暗黒/16L8D)で抽薹段階までtmf1変異体を培養した後、それを短期間日照(8時間光照射、16時間暗黒/8L16D)で5日培養した。結果は変異体の稔性が同様に回復したことを示した(図12d)。アレキサンダー染色実験では、長期間日照の条件において変異体の葯内に花粉がなかったが、短期間日照の条件において一定量の花粉が形成したことが示された(図12a)。出願者はさらに常温条件において10時間光照射、14時間暗黒(10L14D)および12時間光照射、12時間暗黒の条件における稔性回復状況を検出したところ、まだ80%以上の植物株の稔性が回復した(図12b)。これらの結果は、tmf1は短期間日照の条件における稔性回復機序は低温処理の機序と類似することを示した。その後、出願者は温度と光照射の条件を合わせて実験を行い、まず出願者は環境温度を下げたが、光照射時間を伸ばしたところ、21℃、20L4Dの条件において68%の植物の稔性が回復したが、同様の温度、22L2Dの条件において回復率が30%以下に低下したことを見出した。しかし、高温(27℃)において、8L16Dの光照射周期で培養した変異体は30%しか稔性が回復しなかったが、10L14Dの光照射周期で培養した変異体の稔性回復率は9%しかなかったが(図12c)、これらの結果はTMF1変異体に対し、環境温度は光照射周期よりも稔性の回復により重要な作用を果たす。
GenBankデータベースの配列アラインメント情報から、TMF1はほとんどの陸生植物でオーソロガスタンパク質を有するが、緑藻にはオーソロガスな存在がない。出願者はシロイヌナズナ、イネ、モロコシ、トウモロコシおよびダイズのタンパク質配列に対して相同性比較を行った結果、GDSLドメインは陸生植物で高度に保存することが示された(図13a)。近隣結合法(neighbor-joining)に基づいて分析して得られた無根系統樹では、異なる種におけるオーソロガス遺伝子は双子葉植物と単子葉植物で明らかな分岐があり、共通の起源を有することが示された(図13b)。
異なる植物においてTMF1タンパク質の相同性が高いため、出願者は野生型イネにおけるOsTMF1(OS02G0290900)遺伝子をクローンし、かつそれをp-C5x原核発現ベクターに構築した。原核発現システムを利用してTMF1-MBP組み換えタンパク質を発現させて精製した。結果は、IPTGを入れた後、70KDの箇所に顕著なバンドがあったことを示した(図14a)。OsTMF1タンパク質がエステラーゼの活性を有するかどうか検出するため、出願者は酪酸p-ニトロフェニル(p-nitrophenyl butyrate、p-NPB)を基質とし、精製した組み換えタンパク質(0.5ug)に対して酵素活性の測定、A405nmの吸光度の測定を行ったところ、OsTMF1タンパク質はp-NPBを加水分解してかつインキュベート時間と正相関することを見出した(図14b)。
上記の実験結果から、イネのTMF1タンパク質は同様にエステラーゼの活性を有し、イネにおけるTMF1タンパク質の発現または活性を低下させることによってイネの不稔系を育成することができることがわかる。
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Claims (16)
- 植物の不稔系を育成する方法であって、前記植物における花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの発現または活性を低下させる工程を含み、前記GDSLエステラーゼは 、TMF1(THERMOSENSITIVE MALE FERTILITY 1)蛋 白質またはその相同性蛋白質であり、
前記TMF1蛋白質は、配列番号1〜6のいずれかにしめされるアミノ酸配列を有し、お よび
前記相同性蛋白質は、前記TMF1蛋白質と同じ機能をともなう配列番号1〜6のいずれ かの配列の野生型であり、そして、配列番号1〜6における1〜20個のアミノ酸の欠失 、挿入、および/または置換、および/または配列番号1〜6のアミノ酸配列のC末端お よび/またはN末端において10個以内の付加を含み、
前記植物は、イネ科、マメ科またはアブラナ科の植物を包む、
前記方法。 - 相同性蛋白質が、1〜10個のアミノ酸の欠失、挿入、および/または置換を含む、請求 項1に記載の方法。
- TMF1蛋白質の野生型のアミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記GDSLエステラーゼが、植物の花序および葯からなる群から選ばれる細胞、組織または器官で特異的に発現するものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記植物における花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの活性を低下させる方法が、GDSLエステラーゼをコードする遺伝子の発現レベルを低下させる方法、および/または、GDSLエステラーゼの活性を低下させる方法を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 植物が、アブラナ科の植物を含む、請求項1に記載の方法。
- 植物が、イネ、トウモロコシ、モロコシ、コムギ、ダイズまたはシロイヌナズナを含む、 請求項1に記載の方法。
- 花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼまたはそのコード遺伝子の使用であって、植物の不稔系の育成、あるいは植物の不稔系を育成する試薬またはキットの製造に使用され、前記GDSLエステラーゼは、TMF1(THERMOSENSITIVE MAL E FERTILITY 1)蛋白質またはその相同性蛋白質であり、
前記TMF1蛋白質は、配列番号1〜6のいずれかにしめされるアミノ酸配列を有し、お よび
前記相同性蛋白質は、前記TMF1蛋白質と同じ機能をともなう配列番号1〜6のいずれ かの配列の野生型であり、そして、配列番号1〜6における1〜20個のアミノ酸の欠失 、挿入、および/または置換、および/または配列番号1〜6のアミノ酸配列のC末端お よび/またはN末端において10個以内の付加を含み、
前記植物は、イネ科、マメ科またはアブラナ科の植物を含む、
前記使用。 - 前記コード遺伝子が、TMF1遺伝子であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
- 植物を不稔性から稔性に転換させる方法であって、花粉の細胞膜の合成速度を低下させる工程、および/または、花粉の発育速度を遅延させる工程を含み、かつ前記植物は花粉の発育に関連するGDSLエステラーゼの発現または活性が低下した植物であり、前記G DSLエステラーゼは、TMF1(THERMOSENSITIVE MALE FER TILITY 1)蛋白質またはその相同性蛋白質であり、
ここで、前記TMF1蛋白質は、配列番号1〜6のいずれかにしめされるアミノ酸配列を 有し、および
前記相同性蛋白質は、前記TMF1蛋白質と同じ機能をともなう配列番号1〜6のいずれ かの配列の野生型であり、そして、配列番号1〜6における1〜20個のアミノ酸の欠失 、挿入、および/または置換、および/または配列番号1〜6のアミノ酸配列のC末端お よび/またはN末端において10個以内の付加を含み、
前記植物は、イネ科、マメ科またはアブラナ科の植物を含む、
前記方法。 - 前記方法が、植物の代謝レベルを低下させることによって、花粉の細胞膜の合成速度を低下させることを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 前記低下または遅延が、植物の成長の環境温度を低下させること、植物の光照射時間を減少させること、またはこれらの組み合わせによって実現されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 植物の成長の環境温度を低下させることが、環境温度(平均温度)を17〜22℃に制御することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 植物の抽薹または出穂の時から植物の成長の環境温度を低下させ、低温で3〜10日栽培した後、正常の温度に戻して栽培することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
- 前記植物が、請求項1に記載の方法で育成された植物の不稔系であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
- 植物の不稔を維持する工程と、植物を不稔性から稔性に転換させる工程と、植物の稔性を維持して育種する工程とを含む植物の育種方法であって、
前記植物の不稔を維持する工程において、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法で育成された植物の不稔系を維持することを含み、
植物を不稔性から稔性に転換させる工程において、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法で植物を不稔性から稔性に転換させることを含み、
前記植物が、アブラナ科の植物を含む、
前記方法。
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