JP6523283B2 - 優れた滑り特性と適切な硬度を有する窒化モリブデン - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つの窒化モリブデン層を備えた層系に関し、この窒化モリブデン層は、六方晶系窒化モリブデンに特有の非常に良好な滑り特性を有するが、同時に、2600HVと3700HV(ビッカーズ硬度)の間、または、26〜27GPaと37〜38GPa(押込み硬度HIT)の間の、「適切な」硬度を有する。
本発明はまた、部品の表面処理の方法に関し、部品の少なくとも1つの表面を、本発明に従って被覆し、好ましくはその後、トライボロジー用途において滑り特性を向上させ対象物の摩耗と断裂を減じるよう、ブラッシング方法を用いて後処理する。
従来技術
先行技術において、部品を被覆するために窒化モリブデン層または窒化モリブデン系層を使用することは周知である。
たとえばRammは、DE102010053751A1において、滑り要素のそれぞれの部品を被覆するための窒化モリブデン層を有する被覆系を使用できることを開示している。この文献は、部品の表面を窒化モリブデン層で被覆することにより、鋼鉄に対する摩擦係数の低減と、被覆された部品の表面の鋼鉄汚れの低減双方が可能であることを教示している。文献DE102010053751A1の図4のXRD回折パターンは、開示されている窒化モリブデン層が、主として、窒化モリブデンのガンマまたはゼータ相を指す、立方構造を有することを、示している。加えて、これらの層の層硬度が約3000HVであること、および、これらの層を、PVDアークプロセスにより、窒素の反応雰囲気において、被覆温度450℃、窒素圧力3.5Pa、および負の基板バイアス電圧−20Vで、モリブデンターゲットを用いて堆積させたことが、記載されている。摩擦係数は、被覆後に研磨された被覆面と、被覆後に後処理が行なわれなかった被覆面双方について求められた。DE102010053751A1において、Rammは、一酸化モリブデンまたは酸窒化モリブデンからなり被膜の最上層として使用される他の層も示唆している。さらに、窒化モリブデンのさまざまな相の成長は、窒化モリブデン層をたとえばパルススパーク蒸発によっておよび/またはパルスバイアス電圧を用いて堆積させる場合は、パルスパラメータを調整することで、十分に調節できることが、注目される。
Urgen他は、Surface and Coatings Technology 94-95 (1997) 501-506において、反応性窒素雰囲気におけるモリブデンターゲットのPVDアーク蒸発により堆積させた窒化モリブデン層について報告している。異なる相を有する窒化モリブデン層は、窒素圧力を変化させ、被覆温度を450℃と500℃の間に保ち、負の基板バイアス電圧として−50Vを用いることによって作製された。Urgenは、窒化モリブデンの立方ガンマ相(γ−MoN)の形成が、0.4Paまたは0.8Paという低い窒素圧力を用いることによって改善されたこと、および、窒化モリブデンの六方デルタ相(δ−MoN)の形成が、1.2Paまたは1.8Paというより高い窒素圧力を用いることによって改善されたことを、報告している。γ−MoNを含む層の硬度値が30000N/mm〜36000N/mmであったのに対し、δ−MoNを含む層の硬度値はより高く約38000N/mm以上であった。後に研磨された窒化モリブデン層に対するトライボロジーテストは、窒素含有量がより多い窒化モリブデン層は、摩耗特性がより優れており、摩擦係数がより低く、亀裂を形成する傾向が低下していることを示した。
Maierは、DE102012207814A1において、部品、特に滑り要素を、主成分がモリブデンと窒素である主層を有する保護被膜で被覆することを提案しており、好ましくは、この主層を窒化モリブデン層として形成し、保護被膜を部品に対するPVDアーク法によって堆積させ、主層を、層堆積後に、微粉砕および/またはラップ仕上げおよび/またはホーニングおよび/または研磨によって平滑化する。にもかかわらず、Maierは、主層としての窒化モリブデン層の堆積に関する明確な被覆パラメータを開示していない。主層の窒素含有量が好ましくは20〜60at%であってもよいことしか記載されていないが、25〜40at%という、より低い窒素含有量が好ましい。特に、窒素含有量は30〜35at%であることが最も好ましい。さらに、部品の特に高い機械的安定性を保証するために、主層の硬度が好ましくは1500HVと2200HVの間であることが記載されている。Maierは、主層の低い硬度と少ない窒素含有量との組合わせを提案しているので、主層として、少なくとも本質的にガンマ相を含む窒化モリブデン(γ−MoN)層が、滑り要素の被膜に最適であると、妥当に結論付けることができる。
Kazmanli他も、Surface and Coatings Technology 167 (2003) 77-82において、窒化モリブデン被膜をPVDアーク法によって堆積させ、その場合にモリブデンターゲットを窒素の反応性雰囲気において蒸発させることについて報告している。Kazmanliは、Urgenと同様に、純粋なγ−MoNの形成は基本的に低い窒素圧力、たとえば0.8Paまたは0.4Paを用いることによって改善し、純粋なδ−MoNの形成はより高い窒素圧力、たとえば1.9Paを用いて改善することを、教示している。しかしながら、Kazmanliはまた、ガンマとデルタの混合相を、中間の窒素圧力としてたとえば1.2Paまたは1.5Paを用いて形成することについて報告している。Kazmanliはさらに、窒化モリブデン層の堆積中のバイアス電圧と基板温度が重要な役割を果たし得ることを教示している。高い負のバイアス電圧、たとえば−250V〜−350Vの場合、結果としてMoイオンのエネルギーが増加するはずであり、それによってガンマ相の形成が改善される可能性がある。しかしながら、低い負のバイアス電圧、たとえば−50V〜−150Vの場合、デルタ相を形成できるはずである。Kazmanliはさらに、300℃から380℃の基板温度で堆積させた窒化モリブデン層がデルタ相の形成を示したのに対し、410℃〜510℃というより高い基板温度で堆積させた窒化モリブデン層がガンマとデルタの混合相の形成を示し、これらの異なる窒化モリブデン層いずれの堆積においても、窒素圧力1Paと負のバイアス電圧−150°Vを用いたことを、報告している。調べたこれらの窒化モリブデン層の硬度値は、ガンマ相の層が約3372HV、デルタ相の層が約5085HV、ガンマ相とデルタ相の混合相の層が4750HVであった。
Hanbey Hazarも同様に、Materials and Design 31 (2010) 624-627において、ディーゼルエンジンの部品上に、アークPVD法によって、被覆温度300℃、電流125A、被覆圧力0.4Pa、および負のバイアス電圧−100Vを用いて堆積させた窒化モリブデン層について、報告している。被覆プロセス中、被覆チャンバ内に窒素ガスのみを導入したのかまたは窒素を含有するガスを導入したのかは明記されていない。Kazmanliとは異なり、Hanbey Hazarは、デルタ相を有するが層の硬度がKazmanliが報告しているものよりも遥かに低い2000HVである窒化モリブデン層について報告している。
技術的課題の説明
上記文献の教示によると、滑り要素を、アークPVDによって堆積させた窒化モリブデン層で被覆し、その後、被覆された面を研磨することが、好都合である。
しかしながら、滑り特性が改善されるか否かについては明示されておらず、排他的にもしくは主としてγ−MoNを有する窒化モリブデン層、または、排他的にもしくは主としてδ−MoNを有する窒化モリブデン層、または、γ−MoNとδ−MoN双方を有する窒化モリブデン層が、最適である。
同時に、どの相のどのような硬度値が実際に得られ最適であるかについても不明である。
同様に、堆積させた窒化モリブデンの特定の相または特定の混合相と、特定の層硬度との、予め定められた組合わせを得るには、どのパラメータを使用すべきかが、不明である。
その後の、窒化モリブデン層で被覆された表面の研磨に関し、部品表面の処理のための研磨プロセスを、工業的に如何に使用できるかが、不明である。その主な原因は、たとえばピストンピンおよびピストンリングのような複雑な形状を有する被覆部品の処理のためのこのような方法を工業生産で使用するのは、非常に高コストで複雑であることにある。
たとえばブラッシング方法であり、工業生産環境において窒化モリブデンで被覆された部品の処理に十分適用できる、単純でより低コストのプロセスを使用するためには、窒化モリブデン層が、ブラッシングし易いことと、むしろ低硬度、好ましくは3700HV以下の硬度を有する傾向があることが、望ましいまたは必要であろう。
しかしながらこの場合も、多くのトライポロジー用途において、被膜硬度が低すぎることは望ましくない。よって、窒化モリブデン層の硬度は、できる限り2600HVに等しく、好ましくは2600HVよりも高いことが必要である。
発明の目的
本発明の目的は、窒化モリブデン層およびその作製方法を提供することであり、この窒化モリブデン層は、滑り特性が極めて良好であり、同時に、「妥当な」被膜硬度として、好ましくは2600HV以上3700HV以下の被膜硬度を有する。
本発明の他の目的は、窒化モリブデン層の後処理のための経済的なプロセスを提供することである。
発明の説明
本発明の目的は、請求項1に記載の被膜、請求項13に記載の被覆方法、および、請求項15に記載の被覆表面の後処理のためのブラッシングプロセスを提供することにより、達成される。
本発明は、少なくとも1つのMo−N系硬質材料層を備えた被膜に関し、このMo−N系硬質材料層は少なくとも主として窒化モリブデンの六方相δ−MoNを含み、2つのピークの強度比(δ−MoN220)/(δ−MoN200)が3以上、好ましくは10以上、より好ましくは30以上である。
本発明のMo−N系硬質材料層は、被膜の最上層として堆積させることが好ましい。
特定の用途では、被膜が1つ以上のMo−N系硬質材料被膜のみを含むことが好都合である場合があることがわかっている。しかしながら、硬質材料層系は、たとえば接着層または支持層、またはその他の種類の層として機能し得る、他の材料の層も含み得る。
本発明の好ましい実施形態に従うと、Mo−N系硬質材料層は、好ましくは本質的に窒化モリブデンからなる。
本発明の別の好ましい実施形態に従うと、Mo−N系硬質材料層が、2600HVと3700HVの間のビッカーズ硬度、または、27GPaと38GPaの間の押込み硬度HITを有する。
本発明の他の好ましい実施形態に従うと、MoN−系硬質材料層は、−1Paと−9Paの間の残留圧縮応力を有する。
好ましくは、残留応力は−2Paと−8Paの間である。
本発明のさらに他の好ましい実施形態に従い、Mo−N系硬質材料層の表面を、その後、ブラッシングプロセスによって処理する。
好ましくは、このように後処理されたMo−N系硬質材料層は、Rpkx<Rvkxによって特徴付けられる表面粗さを有する。
本発明に従う被膜は、好ましくはPVD技術によって作製される。
好ましくは、本発明に従う被膜の少なくともMo−N系層を、真空被覆チャンバ内で、少なくとも主として窒素ガスを含む雰囲気における、少なくとも主としてモリブデンを含む少なくとも1つのターゲットのアーク蒸発により、基板表面上に堆積させ、Mo−N系硬質材料層の堆積時間の少なくとも大部分の間、被覆温度を300℃よりも低く保つ。
Mo−N系硬質材料層の堆積中の被覆温度は、好ましくは280℃以下、より好ましくは250℃以下、さらにより好ましくは225℃以下である。
本発明の枠組みの中において、被覆温度という用語は、Mo−N系硬質材料層の堆積中の、被覆すべき基板の温度であると理解されるものである。
好ましくは、Mo−N系硬質材料層の堆積時間の少なくとも大部分の間において、可能であれば、窒素ガスのみを被覆チャンバの中に入れる。最低量のその他のガス(たとえば最低量のアルゴンまたはクリプトンまたは酸素または炭素または水素等)は、原則的に、本発明の層の作製にとって問題とはならないはずである。
好ましくは、Mo−N系硬質材料層の堆積時間の少なくとも大部分の間において、負のバイアス電圧を、被覆対象である基板上に印加する。
好ましくは、Mo−N系硬質材料層堆積のために、本質的にモリブデンからなるターゲットのみを使用する。
意外にも、本発明のMo−N系硬質材料層堆積のための窒素圧力およびバイアス電圧等のプロセスパラメータの選択に関するプロセスパラメータウィンドウは、本発明に従う被覆方法を使用する場合、非常に大きい。
本発明を、以下の図面および実施例に基づいてより詳細に説明する。
本発明のMo−N系層および非発明のMo−N系層の堆積に使用された被覆パラメータを示し、本発明の層は、少なくとも主として窒化モリブデンのデルタ相を含む。 一定のバイアス電圧における、被覆温度および窒素圧力の、窒化モリブデンの六方デルタ相および立方ガンマ相の形成に対する影響を示す(本発明の文脈において、特に図2において、ガンマ相について述べるときは、ゼータ相、またはガンマ相とゼータ相の混合相も意図している)。 一定の窒素圧力における、被覆温度およびバイアス電圧の、窒化モリブデンのデルタ相およびガンマ相の形成に対する影響を示す(本発明の文脈において、特に図3において、ガンマ相について述べるときは、ゼータ相、またはガンマ相とゼータ相の混合相も意図している)。 本発明の実施例1に従い堆積させたMo−N層のXRD回折パターン(口径1mmの場合のT2TおよびGI)を示す。 本発明の実施例2に従い堆積させたMo−N層のXRD回折パターン(口径1mmの場合と0.2mmの場合のT2TおよびGI)を示す。 本発明の実施例3に従い堆積させたMo−N層のXRD回折パターン(口径1mmの場合のT2TおよびGI)を示す。 本発明の実施例1に従い堆積させたMo−N層のXRD回折パターン(口径1mmの場合のT2TおよびGI)(下側)と、非発明の実施例5に従い堆積させたMo−N層のXRD回折パターン(口径1mmの場合のT2TおよびGI)(上側)双方を示す。 ブラッシング法を用いて異なる処理が施された表面を有する、本発明によって作製したMo−N系硬質材料層の、粗さRz、Rpkx、Rpk、およびRvkxを示す。 Mo−N層で被覆されたピストンピンを用いてテストされた対象物の摩耗と断裂を示す。 DLC被膜で被覆されたピストンピンを用いてテストされた対象物の摩耗と断裂を示す。
図9は、被覆されたピストンピンを用いてテストされた対象物の摩耗と断裂を示す。テストは、被覆後の後処理なしのピストンピン(0x)と、被覆後に後処理が施されたピストンピン双方を用いて行なわれた。図9aは、Mo−N層で被覆されたピストンピンの場合のテスト結果を示す。図9bは、同じテストの結果を示すが、ピストンピンはa−C:HタイプのDLC被膜で覆われていた。図8および図9に記載されているテストいずれにおいても、Mo−Nで被覆された部品(図8と図9a)およびDLCで被覆された部品(図9b)に対し、以下の後処理を実施した。
・0x:処理せず
・1xw:弱いブラッシング処理を1回
・2xw:弱いブラッシング処理を2回
・3xw:弱いブラッシング処理を3回
・4xw:弱いブラッシング処理を4回
・1xn:強力なブラッシング処理を1回
・4xn:強力なブラッシング処理を4回
本発明の枠組みの中において、窒化モリブデンのガンマ相(γ−MoN)の形成に言及するとき、これは、むしろ、窒化モリブデンの立方相の形成として理解されるべきである、すなわち、ガンマ相もしくはゼータ相の形成、または、ガンマおよびゼータである2つの立方相の混合相の形成として、理解されるべきである。
ゼータ相(ζ−MoN)もガンマ相と同様、窒化モリブデンの立方相であるが、ゼータ相は、ガンマ相(γ−MoN)と比較すると、窒素をより多く含む。ゼータ相における窒素含有量は、超化学量論の範囲(NがMoよりも多い)に入る可能性さえある。XRD回折パターンにおいて、ガンマ相はゼータ相とほとんど区別できない。なぜなら、これら2つの相は上述の通り立方相であるからである。このため、これら2つの相の形成は、たとえば化学組成を詳細に解析した場合に限り、正確に検出できる。しかしながら、層の中に複数の相が存在する場合、ガンマまたはゼータ相の正確な判別は非常に難しい。そういう訳で、本発明の明細書では何度もγ−MoNと記載されているが、これはζ−MoNである可能性もある。現存する、窒化モリブデンの立方相のXRD回折パターンに関する文献における記載では、γ相という用語が常に用いられているので、本発明では、ゼータ相である可能性もある、窒化モリブデンの立方相と単純に記載するのではなく、ガンマ相と記載する。
図1は、堆積プロセスの選択されたいくつかの実施例の表を示し、この表における実施例1〜3では、本発明のMoN硬質材料層を堆積させ、実施例4〜6では、非発明のMoN硬質材料層を堆積させた。
本発明の文脈におけるXRD研究では、下記の装置と測定プログラムを使用した。
XRD装置
・銅アノード
・発電機電圧:40kV
・発電機電流:30mA
・1または0.2mmのスリット(0.2mmのスリットは実施例2のみであったが、その理由は、1mmのスリットを用いて測定すると信号が飽和したからである)
測定プログラム シータ2シータ(T2T)
・T2Tの範囲:20〜80°
・増分:0.02°
・時間/ステップ:1秒
測定プログラム 微小角入射(glancing incidence)(GI)
・入射角:2°
・T2Tの範囲:20〜80°
・増分:0.02°
・時間/ステップ:1秒
これらの実施例および解析において、高速度鋼1.2842 90MnCrV8およびさまざまな高速度鋼製のすべり要素、ならびに標準ピストンピン(被覆後にブラッシングされたピストンピン表面に対する実験用)からの試験片を、Oerlikon Balzers Coating AG社の設備において被覆した。すべての実施例において、モリブデンターゲットを、アークPVDにより、窒素雰囲気において蒸発させた。プロセス圧力としての窒素圧力を、被覆チャンバ内の窒素ガスの流量を制御することによって一定に保った。バイアス電圧を被覆対象の基板に印加した。同一のアーク被覆ソースおよびアーク電流値を、すべてのプロセスに用いた。被覆温度、窒素圧力、およびバイアス電圧のみを、図1の情報に従い変化させた。
本発明に従い被覆温度として200℃±15℃を用いて堆積させた、実施例1、2、および3において作製したMoN系硬質材料被膜は、少なくとも大部分において窒化モリブデンのデルタ相を含む。1.5Paという低いN圧力(図1、実施例1に示される)または−120Vという高い負のバイアス電圧(図1、実施例3に示される)を用いた場合でも、図4、図5、および図6に示される、対応するXRD回折パターンからわかるように、窒化モリブデンのデルタ相の形成を判別することができた。
一方、被覆温度として300℃以上を用い、実施例4、5、および6に従って作製した層のXRD回折パターンは、立方構造を示しており、これは、窒化モリブデンのガンマおよび/またはゼータ相の形成を示す(図7の実施例5(5)のMo−N系層のXRD回折パターン参照)。
図7では、示されている2つのXRD回折パターン、すなわち本発明のMo−N系硬質材料被膜(実施例1(1))のXRD回折パターンと、非発明のMo−N系硬質材料被膜(実施例5(5))のXRD回折パターンの違いがわかる。
本発明に従うMo−N系硬質材料被膜の堆積のための被覆温度は、50℃以上、より好ましくは100℃以上、最も好ましくは150℃以上である。
さらに、発明者らは、200℃±50℃以下の被覆温度を使用することにより、本発明に従うMo−N層を、1.5Paよりも低いまたは6Paよりも高い窒素圧力および/または(絶対値で)−20Vよりも低いまたは(絶対値で)−120Vよりも高い負のバイアス電圧を使用した場合に、製造できることを、見出した。
本発明の実施形態または好ましい実施形態のさらなる詳細
本発明に従うと、−10V〜−150Vのバイアス電圧を使用するのが好ましい。
本発明に従うと、1Pa〜6Paの窒素圧力を使用するのが好ましい。
先に述べたように、本発明により作製したMo−N層は、窒化モリブデンのデルタ相の特徴的な六方構造を示す。同時に、本発明に従い作製した層は、2600HVと3700HVの間のビッカーズ硬度、または、26〜27GPaと37〜38GPaの間の押込み硬度HITを示す。
本発明に従う少なくとも1つのMo−N層を有する被膜の好ましい実施形態に従うと、本発明のMo−N層の弾性率は、300GPaと500GPaの間、好ましくは330GPaと470GPaの間、より好ましくは350GPaと450GPaの間である。
本発明に従う被膜の別の好ましい実施形態に従うと、本発明のMo−N層が示す残留圧縮応力は、−1GPa〜−9GPa、好ましくは−2GPa〜−8GPaである。
本発明に従う被膜の他の好ましい実施形態に従うと、本発明のMo−N層の押込み硬度HITは、28GPaよりも高く37GPaよりも低い。
トライボロジーテスト中に、発明者らは、3000HV〜3600HVのビッカーズ硬度、または30GPaと36GPaの間の押込み硬度HITを有する本発明のMo−N層が、特定の用途に特に好適であることを、見出した。
特に優れた滑り特性が、たとえば、34GPa〜35GPaのHIT硬度、31GPa〜32GPaの降伏点、および350GPa〜450GPaの弾性率を有する本発明のMo−N層において、見出された。
上記のように、Mo−N層は、適切な表面粗さの良好な表面仕上げを得るために、ブラッシングプロセスによって処理することが好ましく、このことは、良好な滑り特性が要求されるトライボロジー用途において特に重要である。
カソード(ターゲット)からのマクロ粒子(小滴または飛沫)の発生を原因とする、カソードアーク蒸着(アーク蒸発またはアークPVD)によって作製された層の中/上における粗さの増加が、非常に目立つ。たとえば研磨またはブラッシングまたはマイクロビームによる後処理は、カソードアーク蒸発によって作製されたすべての層において、粗さの大幅な低減をもたらしていない。その理由は、層への飛沫の取込みが、異なる安定度で生じたことと、そのために層が層自身によってある程度十分に後処理されたことにある。
しかしながら、本発明のMo−N系硬質材料被膜の場合、ブラッシングによる後処理は非常に良く機能する。
このことは図8に示されている。図8では、ほぼ同じ厚みの本発明のMo−N系硬質材料被膜(単純にMo−N層、または本発明の文脈においては本発明のMoーN層とも呼ぶ)の粗さが、ブラッシングによる異なる後処理の前後で比較されている。
図9aは、本発明により被覆されたピストンピンに対して機能させたときの、対象物であるCuSn8ピンの、摩耗と断裂を示す。これとの比較として、図9bは、DLC被覆ピストンピンについての摩耗および断裂曲線を示す。いずれの場合も、先に述べた弱い(w)ブラッシングおよび強力な(n)ブラッシングを1回または複数回行なうさまざまなブラッシング方法を用いた。実に驚くべきことに、同じ処理を用いたにもかかわらず、本発明のMoN層は、DLC層の後処理と比較して、対象物の摩耗と断裂が少ない。これは、Mo−N層の初期粗さが飛沫(小滴)のためにDLC層よりも大きいことからしても、驚くべきことである。このことは、本発明に従い本明細書において提案する工業用ブラッシングを用いるとこれらの飛沫をいかに有効に除去できるかを、示している。発明者らは、特に、Mo−Nについてより低いRpkx値を得るためにはブラッシングの設定をそれ程強くないようにすることが必要であり、そうすると、後処理プロセスが一層容易になるとともに再現し易くなることを、見出した。要約すると、本発明のMo−N層は簡単に後処理することができ、その結果、ピーク粗さRpk、Rpkxの特性値が大幅に減じられると言うことができる。
Rpkx値と比較してRvkx値が高いことにより、特に少量の油で十分な潤滑を保証する潤滑ポケットの形成が改善される。
対象物の摩耗および断裂を少なくするために、Rpkx<0.3pm、好ましくは<0.2pm、より好ましくは<0.15pmが要求される。
本発明の特に好ましい実施形態に従うと、Mo−N層の窒素含有量は、45at%〜55at%である。
本発明の層における窒素含有量とモリブデン含有量との原子%での測定比率は、ほぼ50:50であった。この本発明の層に対するアークPVDプロセスにおいて、モリブデンターゲットをカソードとする作業中、220Aのアーク電流、200℃の被覆温度(=基板温度)、−20Vの負のバイアス電圧、および3Paの窒素圧力を用いた。
本発明の他の実施形態に従い、被覆対象である基板と窒化モリブデン層との間の界面として接着層を堆積させる。この文脈における接着層として、Crおよび/またはCrNは、好ましくは60nm未満であり用途に応じて特に好ましくは10nmと50nmの間である厚みを有する、特に好適な層である。
本発明に従う方法の極めて好ましい実施形態に従うと、本発明により作製されるMo−N硬質材料層を、窒素雰囲気におけるモリブデンターゲットのアーク蒸発を用いて、被膜の最外層として堆積させ、その後、Rpkx<Rvkxの表面粗さが得られるまで、ブラッシング方法を用いて後処理する。

Claims (15)

  1. 少なくとも1つのMo−N系硬質材料層を備えた被膜であって、前記Mo−N系硬質材料層は少なくとも主として窒化モリブデンの六方相δ−MoNを含み、
    シータ2シータで得たXRD回折パターンにおける2つのピークの強度比(δ−MoN220)/(δ−MoN200)が3以上であることを特徴とする、被膜。
  2. 前記Mo−N系硬質材料層が本質的に窒化モリブデンからなることを特徴とする、請求項1に記載の被膜。
  3. 前記2つのピークの強度比(δ−MoN220)/(δ−MoN200)が10以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の被膜。
  4. 前記2つのピークの強度比(δ−MoN220)/(δ−MoN200)が30以上であることを特徴とする、請求項3に記載の被膜。
  5. 前記Mo−N系硬質材料層が、2600HVと3700HVの間のビッカーズ硬度、または、27〜38GPaのHIT硬度を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被膜。
  6. 前記HIT硬度が、28GPaよりも大きく38GPa未満または37GPa未満であることを特徴とする、請求項5に記載の被膜。
  7. 前記MoN−系硬質材料層が、−1GPaと−9GPaの間の範囲に含まれる残留圧縮応力を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の被膜。
  8. 前記残留圧縮応力が、−2GPaと−8GPaの間の範囲に含まれることを特徴とする、請求項7に記載の被膜。
  9. 前記Mo−N系硬質材料層が、300GPaと500GPaの間、好ましくは330GPaと470GPaの間、より好ましくは350GPaと450GPaの間の弾性率を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の被膜。
  10. 前記Mo−N系硬質材料層が前記被膜の最外層として堆積させられており、前記層の表面の少なくとも1つの領域が、条件Rpkx<Rvkxを満たす表面粗さを有し、好ましくは、表面パラメータRpkx<0.3μmを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の被膜。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の被膜を有する、基板、好ましくは工具または部品、より好ましくは滑り部材。
  12. 前記基板の表面と前記Mo−N系硬質材料層との間に、好ましくは窒化クロムを含むまたは窒化クロムからなる、少なくとも1つの中間層があることを特徴とする、請求項11に記載の被覆された基板。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の被膜を堆積させる方法であって、少なくとも前記Mo−N系硬質材料層を、アークPVDプロセスによって、被覆対象である基板の表面上に堆積させ、少なくとも主としてモリブデンを含む少なくとも1つのターゲット、好ましくはモリブデンのターゲットを、少なくとも主として窒素ガスを含有する雰囲気においてアーク蒸発させ、前記Mo−N系硬質材料層の堆積時間のうちの少なくとも大部分の間、300℃未満、好ましくは280℃未満、より好ましくは200℃±50℃である被覆温度を使用することを特徴とする、方法。
  14. 少なくとも、前記窒化モリブデン層の堆積時間の大部分の間、好ましくは、前記窒化モリブデン層の全堆積時間の間、負のバイアス電圧を、被覆対象である基板上に印加することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項10に記載の被膜を作製する方法であって、前記最外層であるMo−N系硬質材料層における予め定められた表面粗さRpkx<Rvkxが、ブラッシングプロセスを用いることによって得られ、前記ブラッシングプロセスを、好ましくはアークPVD法によって先に堆積させたMo−N系硬質材料層の後処理のために用いる、方法。
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