JP6522388B2 - N−ビニルラクタム系共重合体および樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明はまた、樹脂組成物に関する。より詳しくは、ポリエステルと、環状N−ビニルラクタム系共重合体とを含む、樹脂組成物に関する。
(1)糸量2〜15kg
(2)サドルが0〜10.0%
(3)弾性率の内外層差が20.0%以下、沸騰水収縮率の内外層差が1.5%以下 。
そこで本発明は、ポリエステルに良好な吸湿性と、機械的強度とを付与することが可能な、N−ビニルラクタム系共重合体を提供することを目的とする。
本発明はまた別の課題として、良好な吸湿性と、機械的強度とを有するポリエステル組成物を提供することを目的とする。
本発明の樹脂組成物は、良好な吸湿性と、機械的強度とを有する。よって、ポリエステル繊維の原料として、好ましく使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、環状N−ビニルラクタム系共重合体(以下、「本発明の共重合体」という)を含む。
上記R2が置換または無置換のアルキル基の場合、R2の炭素数は1〜13であることがより好ましく、上記R2が置換または無置換のアリール基の場合、R2の炭素数は6〜10であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される単量体は、例えば特開2014−062176に記載の方法で製造することができる。
本発明の共重合体組成物は、溶剤を含んでいても良い。溶剤としては、後述の重合工程で例示した溶剤が例示される。本発明の共重合体組成物の溶剤の含有量は、例えば0〜99質量%であり、好ましくは0.1〜90質量%である。
本発明の共重合体組成物は、重合開始剤や単量体の残渣等を含んでいても良い。
本発明の共重合体組成物は、N−ビニルラクタムを、該共重合体組成物に含まれるN−ビニルラクタム系共重合体(1)に対して、0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%含んでいても良い。
本発明の共重合体組成物は、下記一般式(1)で表される単量体を、該共重合体組成物に含まれるN−ビニルラクタム系共重合体(1)に対して、0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%含んでいても良い。
本発明の共重合体は、N−ビニルラクタムおよびその他の単量体を含む単量体成分を重合する工程(以下、「重合工程」ともいう)を含み、製造することが好ましい。
上記重合工程において、重合開始剤を用いることが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、スルホキシル酸ナトリウムとt−ブチルヒドロパーオキシド、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、600g以下であることが好ましく、1g以上、500g以下であることがより好ましい。
上記重金属イオンの使用量としては、重合反応液全量に対して、0ppm以上、100ppm以下であることが好ましく、0ppm以上、50ppm以下であることがより好ましい。
溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40〜1000質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、950質量%以下であり、更に好ましくは、900質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%未満であると、得られる重合体の分子量が高くなるおそれがあり、1000質量%を超えると、得られる重合体の濃度が低くなり、保管等のコストが高額になるおそれがある。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステルを含む。
上記ポリエステルとしては、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸から選択される1以上のジカルボン酸に由来する構造単位を必須に含み、ジオール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールから選択される1以上のジオールに由来する構造単位から選択される1種以上の構造単位を必須に含むポリエステルが好ましい。
上記ポリエステルは、重縮合する工程の他に任意の工程を含んで製造してもよく、例えば触媒の失活工程、精製工程等を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステルと、本発明の共重合体とを含む。
本発明の樹脂組成物に含まれる、ポリエステルと、本発明の共重合体との質量の比率は、99:1〜60:40であることが好ましく、98:2〜65:35であることがより好ましく、97:3〜70:30であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記混合する工程以外に任意の工程を含んで製造してもよく、例えば、乾燥工程、成型工程等が例示される。
実施例1と実施例2における重合反応時の反応率および重合体中の特定単量体単位の含有率は、得られた重合反応混合物中の未反応単量体の量をガスクロマトグラフィ(Agilent Technologies社製 6890N)を用いて求めた。
装置:東ソー製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:東ソー製 TSK−GEL ALPHA−M,ALPHA−2500
カラム温度:40℃
流速:0.8ml/min
検量線:TSKgel standard Poly(ethylene oxide)
溶離液:アセトニトリルと0.2M 硝酸ナトリウム水溶液とを1:4で混合した溶液。
樹脂ペレットを、手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC−180C型)を用いて、270℃、10MPaで1分間溶融プレス成形して、厚さ100μmの未延伸フィルムを作製した。得られたフィルムに対し、重さ2.7gの球体を150mmの高さから自由落下させ、球体がフィルムに衝突時にフィルムが割れないものを○、該条件では割れるが、100mmの高さから自由落下させ、球体がフィルムに衝突時にフィルムが割れないものを△、いずれも割れるものを×とした。
樹脂ペレットを、手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC−180C型)を用いて、270℃、10MPaで1分間溶融プレス成形して、厚さ100μmの未延伸フィルムを作製した。得られたフィルムを110℃で12時間乾燥した質量(X)を測定した。続いて、フィルムを40℃、相対湿度80%の恒温槽にて保管し、5時間後に取り出して吸湿後の質量(Y)を測定した。吸湿率は以下の計算式で計算した。
温度計、還流冷却管を備えた容量1Lの四つ口フラスコに、工業用ブタノール(以下、「BuOH」と称する)649.1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液15.6gを仕込み、マグネティックスタラーで撹拌しながら60℃まで昇温した。次に、撹拌下、60℃に保持された反応系中に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」と称する)100.0gを120分かけて等速で滴下した後、更に180分間、60℃に維持(熟成)して反応を終了した。
当該反応液を30℃まで冷却した後、上記フラスコから還流冷却管を取り外し、リービッヒ冷却管、1Lの受器、及び窒素投入管を取り付けた。上記反応系を6.7kPaまで減圧後、反応液を加熱し、液の温度が100℃になるまで未反応のBuOH及び水を留去した。次に、反応液を100℃に維持しながら窒素ガスを反応に使用したAGEに対し6モル%/時で270分間投入し、更に未反応のBuOH及び水を留去した。
二枚パドル型の攪拌翼、ガラス製の蓋、撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器に、2−プロパノール(以下、「IPA」と記す)90.0質量部と上記単量体組成物(1)1.9質量部を仕込み、窒素気流下100rpmで撹拌して、還流するまで昇温した。
単量体溶液として、N−ビニルピロリドン(以下、「NVP」と記す)35.6質量部を用意した。
開始剤溶液としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業社製、以下、「V−601」と記す)1.1質量部にIPA21.4質量部を加えた溶液を調製した。
還流を保ちながら、上記で調製を行った単量体溶液と開始剤溶液を120分間連続的に滴下した。滴下完了後に5質量%のV−601のIPA溶液を1.1質量部、さらに滴下完了後から60分後に5質量%のV−601のIPA溶液を1.1質量部加えて60分還流を保って重合反応を完結させた。なお、重合完結後のNVP及びA1Bの残存量は得られた共重合体に対してそれぞれ1.2質量%、0.7質量%であった。よって、得られた共重合体(A−1)に含まれるNVPとA1Bのモル比は97:3であった。
IPAの一部を留去して、次いで減圧乾燥してラボミルサーにて粉砕することで目的の共重合体(A−1)の粉体を得た。得られた共重合体(A−1)の重量平均分子量は37,900であった。
ポリエステル樹脂(ユニチカ製、MA−2101M)28.45gと得られた共重合体(A−1)1.55gとを、ミキサー(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて270℃で5分間混練し、ポリエステル樹脂とNVP/A1B共重合体との樹脂組成物(B−1)を得た。得られた樹脂組成物(B−1)の評価結果を表1に示す。
二枚パドル型の攪拌翼、ガラス製の蓋、撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器に、IPA102.0質量部と上記単量体組成物(1)3.0質量部を仕込み、窒素気流下100rpmで撹拌して、還流するまで昇温した。
単量体溶液として、NVP28.5質量部を用意した。
開始剤溶液として0.9質量部のV−601にIPA17.1質量部を加えた溶液を調製した。
還流を保ちながら、上記で調製を行った単量体溶液と開始剤溶液を180分間連続的に滴下した。滴下完了後に5質量%のV−601のIPA溶液を0.9質量部、さらに滴下完了後から60分後に5質量%のV−601のIPA溶液を0.9質量部加えて60分還流を保って重合反応を完結させた。なお、重合完結後のNVP及びA1Bの残存量は得られた共重合体に対してそれぞれ2.0質量%、1.7質量%であった。よって、得られた共重合体(A−2)に含まれるNVPとA1Bのモル比は94:6であった。
IPAの一部を留去して、次いで減圧乾燥してラボミルサーにて粉砕することで目的の共重合体(A−2)の粉体を得た。得られた共重合体(A−2)の重量平均分子量は6,700であった。
ポリエステル樹脂(ユニチカ製、MA−2101M)28.41gと得られた共重合体(A−2)1.59gとを、ミキサー(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて270℃で5分間混練し、ポリエステル樹脂とNVP/A1B共重合体との樹脂組成物(B−2)を得た。得られた樹脂組成物(B−2)の評価結果を表1に示す。
二枚パドル型の攪拌翼、ガラス製の蓋、撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器に、IPA69.9質量部、イオン交換水5.0質量部、上記単量体組成物(1)14.6質量部を仕込み、pH10となるまで酢酸を加えた。さらにNVP27.3質量部を加えて、窒素気流下100rpmで撹拌して、還流するまで昇温した。
開始剤溶液として2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製、以下、「V−59」と記す)1.3質量部にIPA11.3質量部を加えた溶液を調製した。
還流を保ちながら、上記で調製を行った開始剤溶液を全量加えて120分間加熱を続けた。120分後に10質量%のV−59のIPA溶液を1.3質量部、投入後から60分後に10質量%のV−59のIPA溶液を1.3質量部加えて60分還流を保って重合反応を完結させた。なお、重合完結後のNVP及びA1Bの残存量は得られた共重合体に対してそれぞれ2.7質量%、2.0質量%であった。よって、得られた共重合体(A−3)に含まれるNVPとA1Bのモル比は80:20であった。
IPAの一部を留去して、次いで減圧乾燥してラボミルサーにて粉砕することで目的の共重合体(A−3)の粉体を得た。得られた共重合体(A−3)の重量平均分子量は9,000であった。
ポリエステル樹脂(ユニチカ製、MA−2101M)27.90gと得られた共重合体(A−3)2.10gとを、ミキサー(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて270℃で5分間混練し、ポリエステル樹脂とNVP/A1B共重合体との樹脂組成物(B−3)を得た。得られた樹脂組成物(B−3)の評価結果を表1に示す。
マックスブレンド(住友重機械工業社の登録商標)型の攪拌翼、ガラス製の蓋、撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたSUS製反応容器に、イオン交換水(420.4質量部)、5%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「5%NaOHaq」と記す)1.5質量部、ジ亜リン酸ナトリウム一水和物(和光純薬工業社製、以下、「SHP・1H2O」と記す)2.5質量部、を仕込み、窒素気流下200rpmで撹拌して、90℃に昇温した。
単量体水溶液として、NVP500質量部にイオン交換水55.6質量部を加えた溶液を調製した。
開始剤水溶液として2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩(和光純薬工業社製、以下、「V−50」と記す)3.0質量部にイオン交換水17.0質量部を加えた溶液を調製した。
窒素を30mL/分で導入し、温度を90±2℃に保ちながら、上記で調製を行った単量体水溶液を360分間連続的に滴下した。また開始剤水溶液は390分間連続的に滴下した。滴下完了後30分間、90℃に保って重合反応を完結させた。
更に88%ギ酸水溶液(和光純薬工業社製)2.9質量部を重合開始から420分後に一括で添加することによりPVP(A−4)の水溶液を得た。
ポリエステル樹脂(ユニチカ製、MA−2101M)28.50gと得られたPVP(A−4)1.50gとを、ミキサー(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて270℃で5分間混練し、ポリエステル樹脂とPVPとの樹脂組成物(B−4)を得た。得られた樹脂組成物(B−4)の評価結果を表1に示す。
二枚パドル型の攪拌翼、ガラス製の蓋、撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器に、IPA55.5質量部とNVP35.6質量部を仕込み、窒素気流下100rpmで撹拌して、還流するまで昇温した。
単量体溶液として、スチレン(以下、「St」と記す)1.9質量部にIPA35.6質量部を加えた溶液を調製した。
開始剤溶液として1.1質量部のV−601にIPA20.3質量部を加えた溶液を調製した。
還流を保ちながら、上記で調製を行った単量体溶液と開始剤溶液を180分間連続的に滴下した。滴下完了後から30分後に5質量%のV601のIPA溶液を3質量部、さらに滴下完了後から90分後に5質量%のV601のIPA溶液を3質量部加えて60分還流を保って重合反応を完結させた。なお、重合完結後のNVP及びStの残存量は得られた共重合体に対してそれぞれ1.3質量%、0.0質量%であった。よって、得られた共重合体(A−5)に含まれるNVPとStの重量比は95:5であった。
IPAの一部を留去して、次いで減圧乾燥してラボミルサーにて粉砕することで目的の共重合体(A−5)の粉体を得た。得られた共重合体(A−5)の重量平均分子量は19,800であった。
ポリエステル樹脂(ユニチカ製、MA−2101M)28.42gと得られた共重合体(A−5)1.58gとを、ミキサー(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて270℃で5分間混練し、ポリエステル樹脂とNVP/St共重合体との樹脂組成物(B−5)を得た。得られた樹脂組成物(B−5)の評価結果を表1に示す。
ポリエステル樹脂(ユニチカ製、MA−2101M)30.00gを、ミキサー(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて270℃で5分間混練した。評価結果を表1に示す。
Claims (4)
- ポリエステルと、環状N−ビニルラクタム系共重合体とを含む、樹脂組成物であり、
該環状N−ビニルラクタム系共重合体が、N−ビニルラクタムに由来する構造単位(a)と、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構造単位(c)とを含み、該共重合体に含まれる構造単位(a)と構造単位(c)とのモル比(構造単位(a):構造単位(c))が50:50〜99:1であり、
該樹脂組成物は、下記の方法で測定した吸湿率が0.40%以上、8%以下である
ことを特徴とする樹脂組成物。
(吸湿率の測定方法)
該樹脂組成物を270℃で5分間混練した後、270℃、10MPaで1分間溶融プレス成形して、厚さ100μmの未延伸フィルムを作製し、得られたフィルムを110℃で12時間乾燥した質量(X)を測定し、続いて、フィルムを40℃、相対湿度80%の恒温槽にて保管し、5時間後に取り出して吸湿後の質量(Y)を測定し、以下の計算式で計算する。
吸湿率(%)=(Y−X)×100/X - 前記樹脂組成物に含まれるポリエステルと環状N−ビニルラクタム系共重合体の質量の比率は、99:1〜60:40であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、溶融混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物の形状は、ペレット状、シート状、棒状、塊状、または粉体状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
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