JP6521424B2 - 拡管プラグおよび拡管プラグの設計方法 - Google Patents

拡管プラグおよび拡管プラグの設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、拡管プラグおよび拡管プラグの設計方法に関するものである。
一般に空調機や冷凍機のフィンチューブ式の熱交換器には冷媒を流すための伝熱管が使用されている。この伝熱管として、管内に微細なフィン(内面フィン)を形成した伝熱管を使用することで、従来の平滑管と比較して管内伝熱特性が飛躍的に向上することが知られている。
このような伝熱管を使用して熱交換器を製造する際には、まず、伝熱管を挿通するための孔が予め形成された例えばアルミニウム合金製の多数の放熱板を、伝熱管の長さ方向に沿って所定のピッチで重なるように並べる。次に、伝熱管を各放熱板の孔内に挿通する。さらに、伝熱管内に拡管プラグを押込むことで伝熱管を拡管し、伝熱管の外径を放熱板の孔径より大きくする。これによって伝熱管の外周と放熱板の孔の内周面とを密着させる。
拡管プラグを押し込み、伝熱管を拡管する工程(拡管工程)では、伝熱管の内面フィンが倒れてしまうことがあった。内面フィンに倒れが生じると伝熱管を所定の外径になるまで管を拡管できず伝熱管と放熱板との間の密着性が低下する。これを防ぐために、伝熱管の材質や内面フィンの形状に合わせて、内面フィンの倒れが生じづらい拡管ロッドが様々に開発されている(例えば特許文献1、2)。
特開2011−208823号公報 特許第4913371号公報
近年、エアコン性能の向上と消費電力の節約に伝熱管には更なる熱伝達性能の向上が要求されており、その中で、幅が細く内面フィン高さの高いハイスリムフィンを有する伝熱管が使用されている。しかしながら、ハイスリムフィン化するにつれて、拡管時に内面フィンが倒れやすくなり、所望の拡管率を得ることができなくなるという問題があった。
また、銅資源の枯渇などの背景から、伝熱管として軽量で安価なアルミニウム又はアルミニウム合金から形成する要求が高まっている。アルミニウム及びアルミニウム合金は、銅合金に比べて強度に劣るため、耐圧強度の面から伝熱管の底肉厚を、銅合金を用いた場合に比べて厚くする必要がある。したがって、拡管時に拡管プラグ挿入方向に加わる荷重(拡管荷重)が増大し伝熱管の座屈が生じ易くなるとともに拡管プラグの摩耗しやすくなるという問題があった。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みなされたものであり、拡管時の拡管荷重を低減しつつ、内面フィンの倒れを抑制し十分な拡管率を得ることができる拡管プラグの提供を目的とする。
本発明者らの鋭意検討により、拡管時の拡管荷重及び拡管率は、伝熱管の内周面と当接する拡管プラグのヘッド部の曲率半径が重要なパラメータであることが分かった。ヘッド部の曲率半径を小さくすると拡管荷重を抑制できる一方で拡管率が小さくなってしまう。また、ヘッド部の曲率半径を大きくすると拡管率を高めることができる一方で拡管荷重が大きくなる。本発明者らはさらに鋭意検討を進め、所定の拡管率を得るとともに最も拡管荷重を抑制するための最適な曲率半径を有する拡管プラグの形状を見出した。
本発明の拡管プラグは、内周面に複数の内面フィンが形成された伝熱管に挿入することで、前記伝熱管を拡管する拡管プラグであって、軸部と、その先端側に形成されるヘッド部と、を有し、前記ヘッド部は、その横断面が先端部側から最大径部まで徐々に直径を大きくする略円形状であり、前記ヘッド部は、前記最大径部から前記先端部側に向かって形成される主拡管部を備え、前記主拡管部の縦断面の曲率半径Rの上限及び下限が、前記最大径部の直径Dと以下の式の関係を有し、
前記ヘッド部は、前記先端部と前記主拡管部との間に、前記主拡管部と滑らかに接続される予備拡管部を備え、前記予備拡管部を、前記伝熱管の最小管内径より小径の前記先端部から前記最小管内径より大径の予備拡管終了部までを5mm以上7.9mm以下の曲率半径で接続し、前記予備拡管終了部の直径である予備拡管終了径を、以下の式で表すことを特徴とする。
上限R=−9.37×D +196.69×D −1375.5×D+3214
下限R=−14.43×D +286.66×D −1897.6×D+4190
={K×β×(α −α )/α }+β
ただし、D は、予備拡管終了径であり、Kは0.45以上0.65以下の予備拡管係数であり、βは、拡管前の前記伝熱管の最小管内径であり、α は、拡管前の前記伝熱管の外径であり、α は、拡管後の前記伝熱管の外径である。
また、本発明の拡管プラグは、前記最大径部の直径が、5.7mm以上7.0mm以下であってもよい。
また、本発明の拡管プラグは、拡管前の前記伝熱管が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、外径が6mm以上8mm以下であり、底肉厚が0.45mm以上0.65mm以下であり、外径に対する底肉厚の比が0.05以上0.11以下であり、前記内面フィンが前記伝熱管の長手方向に対し螺旋状に形成されているものに適用できる。
また、本発明の拡管プラグは、前記ヘッド部が、前記最大径部と当該最大径部より小径の後端部との間に後面拡管部を有し、前記後面拡管部が、前記最大径部から前記後端部までを10mm以下の曲率半径で接続するものであっても良い。
また、本発明の拡管プラグに係る設計方法は、内周面に複数の内面フィンが形成された伝熱管に挿入することで、前記伝熱管を拡管する拡管プラグの設計方法であって、軸部と、その先端側に形成されるヘッド部と、を有し、前記ヘッド部は、その横断面が先端部側から最大径部まで徐々に直径を大きくする略円形状である拡管プラグにおいて、前記ヘッド部に、前記最大径部から前記先端部側に向かって形成される主拡管部を設け、前記主拡管部の縦断面の曲率半径Rを、前記最大径部の直径Dにより表される以下の式の上限及び下限の間に設定し、前記ヘッド部において、前記先端部と前記主拡管部との間に、前記主拡管部と滑らかに接続される予備拡管部を設け、前記予備拡管部において、前記伝熱管の最小管内径より小径の前記先端部から前記最小管内径より大径の予備拡管終了部までを5mm以上7.9mm以下の曲率半径で接続し、前記予備拡管終了部の直径である予備拡管終了径D を、以下の式で表す関係とすることを特徴とする拡管プラグの設計方法。
上限R=−9.37×D +196.69×D −1375.5×D+3214
下限R=−14.43×D +286.66×D −1897.6×D+4190
={K×β×(α −α )/α }+β
ただし、D は、予備拡管終了径であり、Kは0.45以上0.65以下の予備拡管係数であり、βは、拡管前の前記伝熱管の最小管内径であり、α は、拡管前の前記伝熱管の外径であり、α は、拡管後の前記伝熱管の外径である。

また、本発明の拡管プラグに係る設計方法は、内周面に複数の内面フィンが形成された伝熱管に挿入することで、前記伝熱管を拡管する拡管プラグの設計方法であって、軸部と、その先端側に形成されるヘッド部と、を有し、前記ヘッド部は、その横断面が先端部側から最大径部まで徐々に直径を大きくする略円形状であり、前記ヘッド部に、前記最大径部から前記先端部側に向かって形成される主拡管部を設け、前記最大径部の直径と、前記主拡管部の縦断面の曲率半径とを様々に変えた複数の拡管プラグを想定し、複数の前記拡管プラグにより前記伝熱管を拡管した際の拡管率と拡管荷重とをグラフにプロットし、複数の前記拡管プラグのうち、前記最大径部の直径が同一のものを一群として、前記グラフの各群同士の共通接線をとり、前記最大径部の直径が同一の一群に対し、前記共通接線に最も近接する前記曲率半径を最適な曲率半径とする。
本発明の拡管プラグは、ヘッド部に形成された主拡管部の曲率半径を最適化し、拡管工程における拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めることができる。拡管時の拡管荷重を抑制することで、伝熱管の座屈を防止するとともに、ヘッド部の摩耗を低減でき、拡管プラグの寿命を長くすることができる。
第1実施形態に係る拡管プラグにより伝熱管を拡管して熱交換器を組み立てる手順を示す斜視図である。 第1実施形態に係る拡管プラグにより伝熱管を拡管する拡管工程を示す部分断面図である。 第1実施形態の拡管プラグにより拡管される伝熱管の一例を示す横断面図であり、図3(a)は、断面全体を示し、図3(b)は内面フィンを拡大して示す。 第1実施形態の拡管プラグにより拡管される伝熱管の一例を示す縦断面図を示す。 第1実施形態の拡管プラグを示し、図5(a)は斜視図であり、図5(b)はヘッド部の側面図である。 第2実施形態の拡管プラグのヘッド部の側面図である。 第2実施形態の拡管プラグにより伝熱管を拡管する拡管工程を示す部分断面図であり、図7(a)は拡管プラグを伝熱管の開口部に挿入しようとする瞬間の状態を示し、図7(b)は拡管プラグを伝熱管の内部に完全に挿入させた状態を示す。 第1のシミュレーションの結果である拡管率と拡管荷重の関係をまとめたグラフである。 第1のシミュレーションの結果から求めた拡管プラグのヘッド部の最大直径と曲率半径の望ましい範囲を示すグラフである。 第2のシミュレーションの結果である拡管率と拡管荷重の関係をまとめたグラフである。 第2のシミュレーションの結果から求めた拡管プラグのヘッド部の最大直径と曲率半径の望ましい範囲を示すグラフである。 第3のシミュレーションの結果である拡管率と拡管荷重の関係をまとめたグラフである。 第3のシミュレーションの結果から求めた拡管プラグのヘッド部の最大直径と曲率半径の望ましい範囲を示すグラフである。 一般的な拡管プラグを用いた場合の、拡管工程におけるストローク(押込み量)と拡管荷重(拡管プラグに加わる挿入方向の荷重)の相関関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
<拡管工程>
図1に本発明の一実施形態である拡管プラグ1を用いた熱交換器の製造方法を示す。
この製造方法は、所定間隔に平行に並設する複数のフィン材15(放熱板)に形成された挿通孔15aに伝熱管11を通した状態で、伝熱管11に拡管プラグ1を挿入して拡管し伝熱管11の外周をフィン材15の挿通孔15aの内径部に密着させて熱交換器を製造する方法である。
以下にこの拡管工程の具体的な手順について説明する。
まず、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製のフィン材15を複数重ねてフィン集合体16を構成する。各フィン材15において伝熱管11を挿通する予定位置には、挿通孔15aが形成されている。これらの挿通孔15aが一直線状に並ぶように各フィン材15を配置する。
また、伝熱管11をU字状に曲げてヘアピンパイプを構成しておく。これにより伝熱管11の開口部11aは、一側にそろえられ他側にU字部11bが形成される。このヘアピンパイプ(伝熱管11)を必要本数だけフィン集合体16の挿通孔15aに挿通する。各伝熱管11の開口部11aはフィン集合体16の一側に揃えておく。
この状態において各伝熱管11の開口部11aから拡管プラグ1を強制的に押し込む。
ヘッド部3が開口部11aより内側に完全に入ったところで、開口部11a近傍の伝熱管11外周を把持治具でクランプする。ここまで(把持治具によるクランプを行うまで)の拡管工程は、伝熱管11の長手方向に対し圧縮力が加わる押込み式(縮み式)の拡管工程と呼ばれる。
把持治具によるクランプ工程以降も、ヘッド部3が伝熱管11のU字部11b近傍に到達するまでヘッド部3を強制的に押込む。
図2は、ヘッド部3が伝熱管11を拡管する拡管動作を示す部分断面図である。拡管プラグ1は、ヘッド部3の外周面に沿わせるように伝熱管11を拡管する。このとき、把持治具により伝熱管11の開口部11aが固定(クランプ)されているため、伝熱管11には長手方向に対し引張力が加わる。このように、クランプ工程以降の拡管工程は伝熱管11に引張力が加わり吊下げ式(縮みレス式)の拡管工程と呼ばれる。
押込み式、吊下げ式の拡管工程において、拡管プラグ1のヘッド部3が伝熱管11を押し広げて塑性変形させて伝熱管11を拡管できる。拡管された伝熱管11はフィン材15の挿通孔15aを押し広げるようにフィン材15に結合するので、伝熱管11をフィン材15に機械的に接合できる。
次に、把持治具によるクランプを解除しこの拡管プラグ1を引き抜く。この工程は引抜工程と呼ばれる。吊下げ式の拡管工程が終了した時点で、伝熱管11には拡管が行われている。したがって、引抜工程は伝熱管11の塑性変形を行わない。ただし、把持治具によるクランプを経ることによって、伝熱管11の開口部11aの近傍は縮径されている。したがって引抜工程では、開口部11aの拡管を再度行うことになる。
以上の工程を経て、拡管工程が完了する。図2に示すように拡管プラグ1を挿入することで、伝熱管11の外径は、拡管前外径αから拡管後外径αに拡管される。
<伝熱管>
図3(a)に、本実施形態の拡管プラグ1によって拡管される伝熱管11の拡管前の横断面図を示す。図3(b)に、図3(a)に示す伝熱管11の内面フィン12の一部の拡大図を示す。また、図4に伝熱管11の縦断面図を示す。
図3(a)に示すように、伝熱管11の内周面には、中心に向いて突出する内面フィン12が複数形成されている。また、図4に示すように、内面フィン12は、伝熱管11の長さ方向全長に渡り、伝熱管11の長さ方向に対して螺旋状に形成されている。内面フィン12は、伝熱管11の内周面周方向に所定の間隔で複数隣接形成されている。内面フィン12は周方向に沿って例えば、30〜72個形成されている。
内面フィン12は、伝熱管11の横断面において、伝熱管11の中心に向く頂部12aとこの頂部12aを挟むように延在する傾斜部12b、12bとを有する横断面視等脚台形状に形成されている。これらの内面フィン12は、伝熱管11の内周面の周方向に所定の間隔で配されており、隣接する内面フィン12、12の間にフィン溝14が形成されている。
内面フィン12の高さhは例えば0.05mm〜0.35mm程度とされる。また、内面フィン12のフィン幅jは、例えば0.05mm〜0.4mmとされる。内面フィン12のフィンピッチiは、伝熱管11の内径と、形成される内面フィン12の個数によって決まり、例えば0.05mm〜0.7mmとされる。
内面フィン12は、伝熱管11の内周面に沿ってその長さ方向に螺旋を描くように形成されている。内面フィン12の捻れ角θは、15°〜40°程度に形成されている。なお、捻れ角θとは、図4に示すように伝熱管11の縦断面を描いた場合、管の内側に表示される螺旋溝あるいは螺旋フィンの直線状に描かれる部分の延長線Sと管の外面とのなす角度を示す。
伝熱管11の内面に内面フィン12を設けることで、伝熱管11の内面の表面積を大きくして熱伝達効率を高めることができる。また、内面フィン12が伝熱管11の長さ方向に対し螺旋状に形成されていることで、伝熱管11に冷媒が流れる際、冷媒との熱交換効率を良好にすることができる。さらに熱伝達効率を大きくするためには、フィン幅jが細く内面フィン12が高い(即ち高さhが大きい)ハイスリムフィンが有効である。しかしながら、ハイスリムフィン化するにつれて、拡管プラグ1を挿入する際に内面フィン12が倒れやすくなる。内面フィン12の倒れが発生すると、伝熱管11の伝熱特性が低下するのみならず、所定の拡管率を得ることができなくなり、伝熱管11とフィン材15の挿通孔15a(図1参照)が十分に密着せず、熱交換器としての性能が大きく低下する。後段において詳しく説明するヘッド部3を備えた拡管プラグ1を用いて拡管を行うことによって、内面フィン12の倒れを抑制し、十分な拡管率を得ることができる。
伝熱管11の底肉厚t(フィン溝14に対応する部分の管の肉厚)は、0.45mm以上0.65mm以下とされる。伝熱管11の外径α(拡管前外径α)は、例えば6mm以上8mm以下とされる。
この伝熱管11は、拡管プラグ1が挿入され例えば3%〜8%の拡管率で拡管される。この場合、拡管後の外径α(拡管後外径α)は、5.15mm〜10.8mmとされる。
伝熱管11は、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いることができる。
伝熱管11にアルミニウム合金を用いる場合は、そのアルミニウム合金に特に制限はなく、JISで規定される1050、1100、1200等の純アルミニウム系、あるいは、これらにMnを添加した3003に代表される3000系のアルミニウム合金等を適用できる。勿論、これら以外にJISに規定されている5000系〜7000系のアルミニウム合金のいずれかを用いて伝熱管11を構成しても良い。
アルミニウム又はアルミニウム合金は、銅合金に比べて強度に劣る。したがって、耐圧強度の面から伝熱管11の底肉厚tを銅合金で形成した伝熱管の底肉厚と比較して厚くする必要がある。底肉厚tが厚いアルミニウム及びアルミニウム合金からなる伝熱管11を拡管しようとすると、拡管荷重が大きくなる。これにより、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる伝熱管11は、拡管工程において座屈が発生しやすくなる。
伝熱管11としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いる場合において、拡管前の伝熱管11の外径αに対する伝熱管11の底肉厚tの比(t/α)が、0.05以上0.11以下であることが好ましい。
第1実施形態の拡管プラグ1(若しくは第2実施形態の拡管プラグ21)は、このような伝熱管11に対して、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めて拡管工程を行うことができる。また、t/αが0.11を超える場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる伝熱管11の拡管時の拡管荷重が大きくなりすぎる虞がある。さらに、t/αが、0.05に満たない場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる伝熱管11の耐圧強度が不足する虞がある。
<拡管プラグの第1実施形態>
図5(a)は本発明に係る一実施形態の拡管プラグ1を示す斜視図である。また、図5(b)は、この拡管プラグ1のヘッド部3の側面図である。
図5(a)に示すように、拡管プラグ1は、軸部2とその先端側に一体形成されたヘッド部3とからなる。軸部2の後端側には、ねじ軸2aが形成されている。拡管プラグ1は、ねじ軸2aの部分に対し、嵌合自在なねじ穴を有する図示略の延長ロッドをねじ接合して拡管プラグ1の長さを調整できる。これにより、拡管プラグ1の長さを調整し、伝熱管11の全長に渡り、拡管できるように調整できる。
図5(b)に示すように、ヘッド部3は、樽型形状をなして軸部2より径が大きくなるように膨出形成されている。また、ヘッド部3の横断面は、略円形に形成されている。なお、横断面が「略円形」とは、円形である伝熱管11の内周に沿った形状であることを意味している。例えば、横断面円形のヘッド部3の表面に溝が設けられ横断面に凸部が形成されていてもよい。
ヘッド部3は、平坦面をなす先端部3aと、軸部2と接続される後端部3dとを有している。また、先端部3aと後端部3dの間には、最大径部3cが形成されている。ヘッド部3の横断面は、直径FDの先端部3aから直径Dの最大径部3cにかけて徐々に大きくなっている。また、最大径部3cから後端部3dにかけては、徐々に小さくなっていく。
ヘッド部3において、先端部3aから最大径部3cまでは、主拡管部6とされる。また、最大径部3cから後端部3dまでは、後面拡管部7とされる。即ち、ヘッド部3は、最大径部3cを境に先端側が主拡管部6、後端側が後面拡管部7とされる。
先端部3aの直径FDは、拡管対象である伝熱管11の最小内径β(図2参照)より小さい径に形成されており伝熱管11の内径にスムーズに挿入できる。
最大径部3cの直径(最大直径)Dは、拡管される伝熱管11の内径βと、必要な拡管率から適宜設定される。本実施形態の拡管プラグ1においては、最大直径Dを、5.7mm以上7.0mm以下とすることで、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めて拡管工程を行うことができる。
主拡管部6は、拡管プラグ1を伝熱管11に挿入する際に、伝熱管11を径方向外側に押し広げて拡管する役割を果たす。主拡管部6は、先端部3aから最大径部3cまでを曲率半径Rで接続する曲面である。
主拡管部6の曲率半径Rは、3mm以上30mm以下であることが好ましい。主拡管部6の曲率半径Rを3mm以上とすることで、内面フィン12の倒れを抑制できる。また、主拡管部6の曲率半径Rが、30mmを超える場合は、拡管荷重が大きくなり、拡管工程において伝熱管11が座屈する懸念が高まる。したがって、主拡管部6の曲率半径Rは30mm以下とすることが好ましい。
また、主拡管部6の曲率半径Rは、最大径部3cの直径Dを用いた以下の(式1)の上限を超えず、以下の(式2)の下限を下回らない。
上限R=−9.37×D+196.69×D−1375.5×D+3214…(式1)
下限R=−14.43×D+286.66×D−1897.6×D+4190…(式2)
主拡管部6の曲率半径Rを(式1)、(式2)に示す関係とすることで、拡管工程における拡管荷重と拡管率とのバランスを最適とする拡管プラグ1を供給できる。
上述の(式1)、(式2)は、最大径部3cの直径Dと、主拡管部6の縦断面の曲率半径Rとを様々に変えた複数の拡管プラグ1を想定したシミュレーションから得られている。このシミュレーションは、複数の拡管プラグ1により伝熱管11を拡管した際の拡管率と拡管荷重とをグラフにプロットし、複数の拡管プラグ1のうち、最大径部3cの直径Dが同一のものを一群として、グラフの各群同士の共通接線をとり、最大径部3cの直径Dが同一の一群に対し、共通接線に最も近接する曲率半径Rを最適な曲率半径とすることで求められている。
なお、上述の(式1)、(式2)の根拠については、後段の実施例で詳しく説明する。
ヘッド部3の最大径部3cより後方には、後面拡管部7が形成されている。後面拡管部7は、曲率半径BRを有する曲面である。後面拡管部7は、拡管プラグ1を伝熱管11から引き抜く際に(引抜工程において)、弾性変形分だけ縮径した伝熱管11を再度径方向外側に押し広げて引抜をスムーズにさせる役割を果たす。加えて、把持治具によるクランプによって、縮径した伝熱管11の開口部11a(図1参照)の近傍を再度拡管する役割を果たす。
この再度拡管される伝熱管11の開口部11aは、拡管と縮径を経ているため、加工硬化が起こっている。したがって、後面拡管部7の曲率半径BRを適切に設定しない場合は、引抜工程において、伝熱管11に過度に引張応力が加わり、伝熱管11の破断が起こる。また、この引抜工程において、過度の引張応力が加わると、伝熱管11自身が伸長しその際に径方向に引けが生じる。即ち、拡管した伝熱管11が縮径されてしまう。
このような現象を防ぐために、後面拡管部7の曲率半径BRは、10mm以下とすることが好ましい。10mm以下とすることで、伝熱管11に過度な引張応力が加わることを抑制できる。
拡管プラグ1の軸部2は、強度の高い鋼材、例えば、JIS規定SCM435で示されるクロムモリブデン鋼からなる。また、拡管プラグ1のヘッド部3は超硬合金から一体形成されている。ヘッド部3は軸部2に対しカシメ加工により結合されているか、銀ろう等を用いたろう付け手段により結合されている。
ヘッド部3を構成する超硬合金としては、周期律表IVa、Va、VIa族元素の炭化物をFe、Co、Niなどの鉄系金属で焼結した超硬合金を用いることができる。一例として、WC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−Ta−Co系合金、WC−TiC−Ta−Co系合金、WC−Ni系合金、WC−Ni−Cr系合金などを適宜用いることができる。
一例としてWC粒子にCoを5〜17質量%添加した超硬合金においてHRC85〜95の範囲を得ることができるので、本実施形態の拡管プラグ1の構成材料に適用することができる。上述の超硬合金としてJISV10、V20、V30、V40、V50、V60などで規定されている種類の超硬合金を利用することができる。
拡管プラグ1とともに拡管時に用いる潤滑油は、引火点100℃以下、動粘度1.0mm/S(at40℃)以上の潤滑油を用いることが好ましい。
この条件に用いることができる潤滑油として例示するならば、ダフニーパンチオイルAF−2A(出光興産製:動粘度1.37mm/S)を挙げることができる。
第1実施形態の拡管プラグ1によれば、ヘッド部3に形成された主拡管部6の曲率半径を最適化し、拡管工程における拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めることができる。拡管時の拡管荷重を抑制することで、伝熱管11の座屈を防止するとともに、ヘッド部3の摩耗を低減でき、拡管プラグ1の寿命を長くすることができる。
<拡管プラグの第2実施形態>
次に、拡管プラグの第2実施形態について説明する。
図6に、第2実施形態の拡管プラグ21を示す。また、図7(a)、(b)に、拡管プラグ21を用いて伝熱管11(図3、図4参照)の拡管工程を行う際の伝熱管11の部分断面図を示す。
第2実施形態の拡管プラグ21は、上述の第1実施形態の拡管プラグ1と比較して、ヘッド部23において、主拡管部26Bと先端部23aとの間に、予備拡管部26Aが形成されている点が異なる。
なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図14に、一般的な拡管プラグを用いた場合の、拡管工程におけるストローク(押込み量)と拡管荷重(拡管プラグに加わる挿入方向の荷重)の相関関係の一例を示す。図14に示すように、拡管工程の拡管荷重は、拡管プラグ挿入直後にピークを迎える。これは、拡管プラグのヘッド部を伝熱管の開口部に挿入する際に最も大きな拡管荷重(初期拡管荷重)が生じることを意味する。
第2実施形態の拡管プラグ21は、予備拡管部26Aを有していることにより、開口部11aに挿入する際の初期拡管荷重を抑制できる。
拡管プラグ21は、軸部22とその先端側に一体形成されたヘッド部23とからなる。ヘッド部23は、樽型形状をなして軸部22より径が大きくなるように膨出形成されている。ヘッド部23は、平坦面をなす先端部23aと、軸部22と接続される後端部23dとの間に最大径部23cが形成されている。また、ヘッド部23の横断面は、略円形に形成されている。横断面の直径は、先端部23aから最大径部23cにかけて徐々に大きくなっていき、最大径部23cから後端部23dにかけて徐々に小さくなっていく。先端部23aは直径FDに形成され、最大径部23cは直径Dに形成されている。
ヘッド部23は、先端部23aから最大径部23cまでを前面拡管部26とされる。また、ヘッド部23は、最大径部23cから後端部23dまでを後面拡管部27とされる。
前面拡管部26は、拡管プラグ21を伝熱管11に挿入する際に、伝熱管11を径方向外側に押し広げて拡管する役割を果たす。前面拡管部26は、それぞれ異なる曲率半径を有する予備拡管部26Aと主拡管部26Bに、予備拡管終了部23bを境として分けられる。
予備拡管部26Aは、曲率半径SRを有する一様な曲面である。また、主拡管部26Bは、曲率半径Rを有する一様な曲面である。
予備拡管部26Aの曲面と主拡管部26Bの曲面は、予備拡管終了部23bにおいて、滑らかに接続されている。即ち、予備拡管部26Aと主拡管部26Bは、縦断面をとった時に互いの接線の傾きが一致した点でエッヂを生じることなく接続されている。
予備拡管部26Aは、図7(a)に示すように、伝熱管11の開口部11aに当接し、初期拡管荷重を受けながら伝熱管11を最初に拡管する部分である。
予備拡管部26Aの曲率半径SRは、5mm以上7.9mm以下であることが好ましい。
一般的に拡管荷重は、伝熱管に拡管プラグを挿入する時の拡管荷重(初期拡管荷重)が最も大きくなる(図14に示すグラフ参照)。予備拡管部26Aの曲率半径SRを小さくすることで、伝熱管11の開口部11aに挿入した直後の拡管荷重(初期拡管荷重)を低減できる。予備拡管部26Aの曲率半径SRを7.9mm以下とすることで、初期拡管荷重を低減し、伝熱管11の座屈を抑制できる。また、予備拡管部26Aの曲率半径SRを5mm以上とすることで、内面フィン12の倒れを抑制できる。
主拡管部26Bは、図7(b)に示すように、伝熱管11の拡管工程において、予備拡管部26Aに沿って予備拡管された伝熱管11をさらに径方向外側に押し広げる役割を果たす。
また、主拡管部26Bの曲率半径Rは、最大径部23cの直径Dを用いた以下の(式1)の上限を超えず、以下の(式2)の下限を下回らない。
上限R=−9.37×D+196.69×D−1375.5×D+3214…(式1)
下限R=−14.43×D+286.66×D−1897.6×D+4190…(式2)
主拡管部26Bの曲率半径Rを(式1)、(式2)に示す関係とすることで、拡管工程における拡管荷重と拡管率とのバランスを最適とする拡管プラグ21を供給できる。
さらに、本実施形態において、主拡管部26Bの曲率半径Rは、20.1mm以上30mm以下であることが好ましい。主拡管部26Bは、伝熱管11の拡管工程において、予備拡管部26Aに沿って予備拡管された伝熱管11をさらに径方向外側に押し広げる役割を果たす(図7(b)参照)。したがって、主拡管部26Bは、予備拡管部26Aに対して内面フィン12に大きな負荷を加える。即ち、主拡管部26Bは、内面フィン12の倒れに対し支配的に作用する。主拡管部26Bの曲率半径Rを大きくすることで、内面フィン12の倒れを抑制できる。
主拡管部26Bの曲率半径Rが、20.1mm未満の場合は、内面フィン12の倒れが顕著となり好ましくない。また、30mmを超える場合は、拡管荷重が大きくなり、それに伴い、初期拡管荷重も大きくなる。したがって、伝熱管11の座屈発生の懸念が高まる。
予備拡管部26Aと主拡管部26Bの境界となる予備拡管終了部23bの径D(予備拡管終了径D)は、伝熱管11の最小内径βより大きく形成されている。したがって、拡管工程において、伝熱管11の最小内径部(即ち、内面フィン12の頂部12a)は、予備拡管部26Aに当接した後に主拡管部26Bに当接する。
また、予備拡管終了径Dは、予備拡管係数Kを0.45以上0.65以下として、以下の(式3)を満たすことが好ましい。
={K×β×(α−α)/α}+β …(式3)
なお、βは、拡管前の伝熱管11の最小管内径であり、αは、拡管前の伝熱管11の外径であり、αは、拡管後の伝熱管11の外径である。
予備拡管係数Kを大きくすると予備拡管終了径Dが大きくなる。これに伴い、前面拡管部26において、予備拡管部26Aが相対的に大きくなり、主拡管部26Bが相対的に小さくなる。予備拡管部26Aは曲率半径SRを小さく形成されているため、予備拡管部26Aが相対的に大きくなることで、内面フィン12の倒れが顕著となる虞がある。
反対に、予備拡管係数Kを小さくすると予備拡管終了径Dが小さくなる。これに伴い、前面拡管部26において、予備拡管部26Aが相対的に小さくなり、主拡管部26Bが相対的に大きくなる。主拡管部26Bは曲率半径Rを大きく形成されているため、主拡管部26Bが相対的に大きくなることで、拡管時の初期拡管荷重が大きくなり伝熱管11が座屈する虞がある。
予備拡管係数Kを0.45以上0.65以下とすることで、内面フィン12の倒れ及び伝熱管11の座屈を同時に抑制できる。
ヘッド部23の最大径部23cより後方には、後面拡管部27が形成されている。後面拡管部27、曲率半径BRを有する一様な曲面である。後面拡管部27の曲率半径BRは、10mm以下とすることが好ましい。10mm以下とすることで、伝熱管11に過度な引張応力が加わることを抑制できる。
第2実施形態の拡管プラグ21によれば、第1実施形態と同様の主拡管部26Bを有することで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2実施形態の拡管プラグ21は、ヘッド部23の先端側に、曲率半径SRが比較的小さい予備拡管部26Aが形成されている。これによって、拡管プラグ21を伝熱管11に挿入する際の初期拡管荷重を低減し、伝熱管11の座屈を抑制できる。
以下、実施例を示しつつ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
拡管プラグの主拡管部の曲率半径Rと最大径部の直径(最大直径)Dとの関係(上述した(式1)、(式2)に示す関係)は、以下のシミュレーション結果に基づくものである。
(第1のシミュレーション)
第1のシミュレーションとして、表1に示す伝熱管(拡管前)に対して、最大直径Dが、5.7mm、5.8mm、5.85mm、5.9mm、5.95mm、6.0mm、6.1mm、6.5mm、7.0mmの拡管プラグを用いて行う拡管工程を想定する。また、それぞれの最大直径Dに対し主拡管部の曲率半径Rが2mm、4mm、5mm、6mm、7mm、9mm、11mm、12mm、13mm、15mm、17mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mmである拡管プラグを想定する。
このような拡管プラグを用い表1に示す伝熱管を拡管するシミュレーションを行った。シミュレーションは、有限要素法(Finite Element Method、FEM)によるものであり、拡管時の拡管荷重、及び拡管率を導出する。
Figure 0006521424
図8は、縦軸に拡管荷重、横軸に拡管率を取り第1のシミュレーションの結果のグラフである。なお、図8のグラフは、わかりやすさのために、シミュレーション結果のうち、要点のなるものを抽出してプロットしたものである。
当然のことながら、ヘッド部の最大直径D(図5参照)を大きくするに伴って、拡管率と拡管荷重は上昇する。
次に、ヘッド部の最大直径Dを同一とする一群(図8において、同一マークのプロットの一群)に着目する。同一の最大直径Dを有する一群において、ヘッド部の曲率半径R(図5参照)を変えることで、拡管率及び拡管荷重が変わることがわかる。同一の最大直径Dを有する一群において、ヘッド部の曲率半径Rを大きくすると、拡管率及び拡管荷重は、ともに大きくなる。拡管荷重の上昇は、拡管率の上昇に対し一定ではなく、下に凸の曲線を描く。拡管荷重は、拡管率が高まるにしたがって当初緩やかな傾きで上昇し、次第に大きな傾きとなる。このことは、拡管率を上昇させつつ拡管荷重を抑制するバランスのとれた曲率半径Rが存在することを示唆している。
図8に示すように、ヘッド部の最大直径Dを同一とする一群のグラフ同士は、共通の接線(以下共通接線)を引くことができる。それぞれの群における曲率半径は、共通接線上の点、若しくは最も近接した点が、拡管荷重と拡管率のバランスが最もとれた曲率半径であるといえる。それぞれの群における共通接線上の点、若しくは最も近接した点の曲率半径Rを最適点と呼ぶこととする。
それぞれの群において、最適点の近傍の曲率半径を用いることで、拡管荷重を低減しつつ、拡管率を高めることができる。
最適の曲率半径に対し、曲率半径が大きくなると拡管荷重が増大し、拡管プラグが摩耗しやすくなる。これにより、拡管プラグの損傷を早める虞がある。最適点の曲率半径の拡管プラグを用いた場合の拡管荷重を1として、拡管荷重が1.05以下、即ち、最適点の拡管荷重に対し105%以下の拡管荷重となる曲率半径に設定すれば、拡管プラグの摩耗を抑制できる。
また、最適の曲率半径に対し、曲率半径が小さくなると拡管率が減少し、伝熱管を放熱板に十分に密着させることができず、伝熱管と放熱板との接合不良を引き起こす虞がある。最適点の曲率半径の拡管プラグを用いた場合の拡管率を1として、拡管率が0.95以上、即ち、最適点の拡管荷重に対し95%以上の拡管率となる曲率半径に設定すれば、拡管率を十分に確保できる。
このような観点から、個別の最大直径Dに対し曲率半径Rの最適点、と有効な曲率半径の範囲を確認した。
ヘッド部の最大直径Dを5.7mm、5.8mm、5.85mm、5.9mm、5.95mm、6.0mm、6.1mm、6.5mm、7.0mmとした場合のシミュレーション結果を、それぞれ表2〜表10にまとめる。
また、表2〜表10には、曲率半径の最適点と、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるための有効な曲率半径の範囲に含まれるか否かの判定結果を記載する。
なお、表2〜表10の最適点は、今回のシミュレーションを行った曲率半径の中で理想的な最適点に対し最も近接した曲率半径のものを最適点として設定している。
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
表2〜表10に示す曲率半径の最適点と、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるための有効な曲率半径の範囲に含まれる曲率半径のうち、最大値と最小値の曲率半径を、プラグ径を横軸にとり図9にまとめた。
また、図9において、曲率半径の最大値の近似曲線を最小二乗法によって描いた。同様に、曲率半径の最小値の近似曲線を最小二乗法によって描いた。
曲率半径は、最大値の近似曲線と最小値の近似曲線によって挟まれる領域が、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるために有効な範囲と見なすことができる。曲率半径の最大値の近似曲線および最小値の近似曲線から、主拡管部の曲率半径Rの上限及び下限は、最大径部の直径(最大直径)を、Dを用いて(式1)、(式2)で表される。
上限R=−9.37×D+196.69×D−1375.5×D+3214…(式1)
下限R=−14.43×D+286.66×D−1897.6×D+4190…(式2)
上限の曲率半径と下限の曲率半径との間の曲率半径とすることで、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるバランスの良い拡管プラグを提供できる。
(第2のシミュレーション)
次に、上述の第1のシミュレーション結果を基に得られた(式1)、(式2)が、他の伝熱管に対して同様の結果が得られることを確かめるために、第2のシミュレーションを行った。第2のシミュレーションでは、外径、底肉厚、フィン高さ、捻れ角が異なる表11に示す伝熱管に対する拡管工程を想定した。また、第2のシミュレーションは、表11に示す伝熱管(拡管前)に対して、最大直径Dが、5.7mm、5.9mm、6.1mm、7.0mmの拡管プラグを想定する。上述した最大直径Dの拡管プラグについて、主拡管部の曲率半径Rを様々に変更したシミュレーションを行った。
Figure 0006521424
図10は、縦軸に拡管荷重、横軸に拡管率を取り第2のシミュレーションの結果のグラフである。なお、図10のグラフは、わかりやすさのために、シミュレーション結果のうち、要点のなるものを抽出してプロットしたものである。
図10においても、第1のシミュレーション結果を示す図8と同様に、ヘッド部の最大直径Dを同じとする一群のグラフ同士には、共通接線を引くことができる。
第1のシミュレーションと同様に、同一の最大直径Dを有する一群において、最適点の近傍の曲率半径を用いることで、拡管荷重を低減しつつ、拡管率を高めることができる。
ヘッド部の最大直径Dを5.7mm、5.9mm、6.1mm、7.0mmとした場合のシミュレーション結果を、それぞれ表12〜表15にまとめる。
また、表12〜表15には、曲率半径の最適点と、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるための有効な曲率半径の範囲に含まれるか否かの判定結果を記載する。
なお、表12〜表15の最適点は、今回のシミュレーションを行った曲率半径の中で理想的な最適点に対し最も近接した曲率半径のものを最適点として設定している。
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
表12〜表15に示す曲率半径の最適点と、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるための有効な曲率半径の範囲に含まれる曲率半径のうち、最大値と最小値の曲率半径を、プラグ径を横軸にとり図11にまとめた。また、図11に、第1のシミュレーションの結果から得られた(式1)、(式2)の範囲を重ねて示す。図11に示すように、第2のシミュレーションの結果が、(式1)、(式2)の範囲に含まれる。このことから、表11に示す外径、底肉厚、フィン高さ、捻れ角が異なる伝熱管であっても、(式1)、(式2)に示される範囲が好ましい範囲として適用できることがわかる。
(第3のシミュレーション)
次に、上述の第1のシミュレーション結果を基に得られた(式1)、(式2)が、さらに材質の異なる他の伝熱管に対して同様の結果が得られることを確かめるために、第3のシミュレーションを行った。
第3のシミュレーションは、表16に示す伝熱管(拡管前)に対して、最大直径Dが、5.7mm、5.9mm、6.1mm、7.0mmの拡管プラグを想定する。上述した最大直径Dの拡管プラグについて、主拡管部の曲率半径Rを様々に変更したシミュレーションを行った。
Figure 0006521424
図12は、縦軸に拡管荷重、横軸に拡管率を取り第3のシミュレーションの結果のグラフである。なお、図12のグラフは、わかりやすさのために、シミュレーション結果のうち、要点のなるものを抽出してプロットしたものである。
図12においても、第1のシミュレーション結果を示す図8と同様に、ヘッド部の最大直径Dを同じとする一群のグラフ同士には、共通接線を引くことができる。
第1のシミュレーションと同様に、同一の最大直径Dを有する一群において、最適点の近傍の曲率半径を用いることで、拡管荷重を低減しつつ、拡管率を高めることができる。
ヘッド部の最大直径Dを5.7mm、5.9mm、6.1mm、7.0mmとした場合のシミュレーション結果を、それぞれ表17〜表20にまとめる。
また、表17〜表20には、曲率半径の最適点と、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるための有効な曲率半径の範囲に含まれるか否かの判定結果を記載する。
なお、表17〜表20の最適点は、今回のシミュレーションを行った曲率半径の中で理想的な最適点に対し最も近接した曲率半径のものを最適点として設定している。
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
Figure 0006521424
表17〜表20に示す曲率半径の最適点と、拡管荷重を抑制しつつ拡管率を高めるための有効な曲率半径の範囲に含まれる曲率半径のうち、最大値と最小値の曲率半径を、プラグ径を横軸にとり図13にまとめた。
また、図13に、第1のシミュレーションの結果から得られた(式1)、(式2)の範囲を重ねて示す。図13に示すように、第3のシミュレーションの結果が(式1)、(式2)の範囲に含まれる。このことから、表16に示す材質の異なる伝熱管であっても、(式1)、(式2)に示される範囲が好ましい範囲として適用できることがわかる。
(試験1)
次に、拡管プラグの前面拡管部と、初期拡管荷重及び内面フィンの倒れについて試験1として調査した。
図6に示す主拡管部と予備拡管部を備えた拡管プラグを数種類用意した。なお、拡管プラグのヘッド部は、VM40相当の超硬合金(HRA90)からなり、軸部は、JIS規定SCM435からなる。これらの拡管プラグの後面拡管部は、曲率半径7.5mmである。
これらの拡管プラグによって拡管される伝熱管を数種類用意した。また、この伝熱管はJIS3003合金からなる。
用意した拡管プラグを用いて、伝熱管の拡管工程を行った。拡管の際、伝熱管を潤滑油(ダフニーパンチオイルAF−2A:出光興産製:動粘度1.37mm/S)に浸漬後、直ちに拡管した。拡管時の拡管プラグの挿入速度は、500mm/minとした。
拡管プラグ、及び伝熱管の組み合わせをNo.1〜No.28として表21にまとめる。
なお、表21において、外径拡管率とは、以下の式で百分率として表される。
100×(α−α)/α
ただし、αを拡管前の伝熱管の外径、αを拡管後の伝熱管の外径とする。
このような拡管工程の結果として生じた、初期拡管荷重、安定拡管荷重、内面フィンの減少率を表22に示す。なお、安定拡管荷重とは、図14に示すように、拡管荷重が安定した領域の荷重を意味する。
Figure 0006521424
Figure 0006521424
表21において、サンプルNo.1〜No.4、サンプルNo.7、No.8、サンプルNo.13、No.14、サンプルNo.21、No.22、サンプルNo.25〜No.28は、以下の(式1)、(式2)を満たす。
上限R=−9.37×D+196.69×D−1375.5×D+3214…(式1)
下限R=−14.43×D+286.66×D−1897.6×D+4190…(式2)
ただし、Rは主拡管部の曲率半径R、Dはヘッド部の最大直径である。
一例として、(式1)、(式2)を満たすサンプルNo.2と、(式1)、(式2)を満たさないサンプルNo.5、No.6とを比較する。サンプルNo.2、No.5、No.6は、主拡管部の曲率半径だけが異なる。
表22から、サンプルNo.2、No.5、No.6の拡管率はともに5.71%で、拡管率に差がないことがわかる。また、サンプルNo.2の安定拡管荷重は、250Nであるのに対して、サンプルNo.5の安定拡管荷重は320N、サンプルNo.6の安定拡管荷重は400Nである。このように、拡管プラグの主拡管部の曲率半径を(式1)、(式2)を満たすようにすることで、拡管率を変えることなく拡管荷重を低減できる。
初期拡管荷重が500N以上になると座屈が生じやすくなる。また、安定拡管荷重は450N以上になると、座屈が生じやすくなる。
内面フィンの減少率は、15%以上となると、内面フィンが倒れて熱交換効率が下がり好ましくない。また、内面フィンの倒れによって、外径が十分に拡管されないことがある。
表21、表22に示すように、様々な組み合わせの拡管プラグと伝熱管を用いた拡管工程のうち、No.1〜No.24の拡管工程においては、拡管荷重、及び内面フィンの高さ減少率を抑えることができている。これに対して、No.25〜No.28の拡管工程においては、拡管荷重が高いか、又は内面フィンの減少率が大きくなっている。特に、No.26、No.27の拡管工程においては、拡管初期において座屈が生じた。
表21、表22に示す結果から、予備拡管部の曲率半径、主拡管部の曲率半径、予備拡管終了部の直径を適切に設定することで、初期拡管荷重を抑制しつつ、内面フィンの倒れを抑制可能であることを確認した。
また、伝熱管の外径αに対する底肉厚tの比(t/α)が、0.05以上0.11以下である場合に、好ましい拡管工程を行うことができることが確認された。
(試験2)
次に、拡管プラグの後面拡管部と、初期拡管荷重及び内面フィンの倒れについて試験2として調査した。
図6に示す拡管プラグであって、後面拡管部の曲率半径が異なる拡管プラグを数種類用意した。これらの拡管プラグは、予備拡管部の曲率半径が7mm、主拡管部の曲率半径が22mm、予備拡管終了径が5.57mm、最大径部の直径が5.86mmである。ヘッド部及び軸部の材質は、上述の試験1と同等である。
これらの拡管プラグによって拡管される伝熱管として、JIS3003合金からなる伝熱管を用意した。これらの伝熱管の拡管前の最小内径は、5.4mm、外径は、7.0mm、底肉厚は、0.5mm、外径/底肉厚は、14.0、フィン幅は、0.15mm、フィンピッチは、0.38mm、フィンピッチ/フィン幅は、0.4、内面フィンの数は、50個である。
用意した拡管プラグを用いて、伝熱管の拡管工程を行った結果をNo.29〜No.32として表23にまとめる。なお、拡管後の伝熱管の外径は、7.4mmとなっていた。
拡管工程は、押込み式の拡管工程後に把持治具により伝熱管の開口部をクランプし、次いで吊下げ式の拡管工程、引抜工程を順次行った。クランプにより、伝熱管の開口部は、外径7.0mmに縮径されており、引抜工程において後面拡管部により再度拡管されている。
Figure 0006521424
表23に示すように、複数の拡管プラグを用いた拡管工程のうち、No.29においては、引抜工程時に、伝熱管の開口部付近で非常に大きな引抜力が生じ、伝熱管に破断が生じた。
また、No.30においては、引抜時の抵抗で伝熱管が長手方向に延ばされ、それに伴い引けが生じた(伝熱管の外径が小さくなった)。これにより、伝熱管が全長に亘り外径7.35mmとなっていた。これに対して、No.31、No.32の拡管工程においては、正常に引抜工程が行われた。
試験2の結果から、後面拡管部の曲率半径を10mm以下とすることで、引抜時に伝熱管に過度な引張応力が加わることがないことが確認された。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、実施形態の拡管プラグは、拡管対象の伝熱管として内面に螺旋溝が設けられた内面螺旋溝付管に適用する例について説明したが、直線溝が形成された伝熱管に対しても、有効に適用できる。また、拡管プラグは、拡管対象の伝熱管として、銅又は銅合金からなる伝熱管に適用しても良い。
また、実施形態に示したように、本発明によれば、ヘッド部に、最大径部から先端部側に向かって形成される主拡管部を設け、主拡管部の縦断面の曲率半径と最大径部の直径との関係を以下の(式1)、(式2)とする拡管プラグの設計方法を提供できる。
上限R=−9.37×D+196.69×D−1375.5×D+3214…(式1)
下限R=−14.43×D+286.66×D−1897.6×D+4190…(式2)
ただし、Dは、最大径部の直径であり、Rは、主拡管部の縦断面の曲率半径である。
1、21…拡管プラグ、2、22…軸部、2a…ねじ軸、3、23…ヘッド部、3a、23a…先端部、3c、23c…最大径部、3d、23d…後端部、6、26B…主拡管部、7、27…後面拡管部、11…伝熱管、11a…開口部、11b…U字部、12…内面フィン、12a…頂部、12b…傾斜部、14…フィン溝、15…フィン材、15a…挿通孔、16…フィン集合体、23b…予備拡管終了部、26…前面拡管部、26A…予備拡管部、R、BR、SR…曲率半径、D…最大直径(直径)、D…予備拡管終了径、FD…直径、h…高さ、i…フィンピッチ、j…フィン幅、t…底肉厚、α…拡管前外径、α…拡管後外径、β…最小内径、θ…捻れ角

Claims (6)

  1. 内周面に複数の内面フィンが形成された伝熱管に挿入することで、前記伝熱管を拡管する拡管プラグであって、
    軸部と、その先端側に形成されるヘッド部と、を有し、
    前記ヘッド部は、その横断面が先端部側から最大径部まで徐々に直径を大きくする略円形状であり、
    前記ヘッド部は、前記最大径部から前記先端部側に向かって形成される主拡管部を備え、
    前記主拡管部の縦断面の曲率半径Rの上限及び下限が、前記最大径部の直径Dと以下の式の関係を有し、
    前記ヘッド部は、前記先端部と前記主拡管部との間に、前記主拡管部と滑らかに接続される予備拡管部を備え、
    前記予備拡管部が、前記伝熱管の最小管内径より小径の前記先端部から前記最小管内径より大径の予備拡管終了部までを5mm以上7.9mm以下の曲率半径で接続し、
    前記予備拡管終了部の直径である予備拡管終了径が、以下の式で表されることを特徴とする拡管プラグ。
    上限R=−9.37×D +196.69×D −1375.5×D+3214
    下限R=−14.43×D +286.66×D −1897.6×D+4190
    ={K×β×(α −α )/α }+β
    ただし、D は、予備拡管終了径であり、Kは0.45以上0.65以下の予備拡管係数であり、βは、拡管前の前記伝熱管の最小管内径であり、α は、拡管前の前記伝熱管の外径であり、α は、拡管後の前記伝熱管の外径である。
  2. 前記最大径部の直径が、5.7mm以上7.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の拡管プラグ。
  3. 拡管前の前記伝熱管が、
    アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、
    外径が6mm以上8mm以下であり、
    底肉厚が0.45mm以上0.65mm以下であり、
    外径に対する底肉厚の比が0.05以上0.11以下であり、
    前記内面フィンが前記伝熱管の長手方向に対し螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拡管プラグ。
  4. 前記ヘッド部が、前記最大径部と当該最大径部より小径の後端部との間に後面拡管部を有し、
    前記後面拡管部が、前記最大径部から前記後端部までを10mm以下の曲率半径で接続することを特徴とする請求項1に記載の拡管プラグ。
  5. 内周面に複数の内面フィンが形成された伝熱管に挿入することで、前記伝熱管を拡管する拡管プラグの設計方法であって、
    軸部と、その先端側に形成されるヘッド部と、を有し、前記ヘッド部は、その横断面が先端部側から最大径部まで徐々に直径を大きくする略円形状である拡管プラグにおいて、
    前記ヘッド部に、前記最大径部から前記先端部側に向かって形成される主拡管部を設け、
    前記主拡管部の縦断面の曲率半径Rを、前記最大径部の直径Dにより表される以下の式の上限及び下限の間に設定し、
    前記ヘッド部において、前記先端部と前記主拡管部との間に、前記主拡管部と滑らかに接続される予備拡管部を設け、
    前記予備拡管部において、前記伝熱管の最小管内径より小径の前記先端部から前記最小管内径より大径の予備拡管終了部までを5mm以上7.9mm以下の曲率半径で接続し、
    前記予備拡管終了部の直径である予備拡管終了径D を、以下の式で表す関係とすることを特徴とする拡管プラグの設計方法。
    上限R=−9.37×D +196.69×D −1375.5×D+3214
    下限R=−14.43×D +286.66×D −1897.6×D+4190
    ={K×β×(α −α )/α }+β
    ただし、D は、予備拡管終了径であり、Kは0.45以上0.65以下の予備拡管係数であり、βは、拡管前の前記伝熱管の最小管内径であり、α は、拡管前の前記伝熱管の外径であり、α は、拡管後の前記伝熱管の外径である。
  6. 内周面に複数の内面フィンが形成された伝熱管に挿入することで、前記伝熱管を拡管する拡管プラグの設計方法であって、
    軸部と、その先端側に形成されるヘッド部と、を有し、前記ヘッド部は、その横断面が先端部側から最大径部まで徐々に直径を大きくする略円形状であり、前記ヘッド部に、前記最大径部から前記先端部側に向かって形成される主拡管部を設け、前記最大径部の直径と、前記主拡管部の縦断面の曲率半径とを様々に変えた複数の拡管プラグを想定し、
    複数の前記拡管プラグにより前記伝熱管を拡管した際の拡管率と拡管荷重とをグラフにプロットし、
    複数の前記拡管プラグのうち、前記最大径部の直径が同一のものを一群として、前記グラフの各群同士の共通接線をとり、
    前記最大径部の直径が同一の一群に対し、前記共通接線に最も近接する前記曲率半径を最適な曲率半径とする拡管プラグの設計方法。
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