JP6520837B2 - コンクリートパネル内に埋設された鉄筋の状態を測定する装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の外壁材等として用いられるコンクリートパネル内に埋設された鉄筋の状態(例えばかぶり厚)を測定する装置及び方法に関する。
ALCパネルと呼ばれる軽量気泡コンクリートパネルは、一般的に、以下の方法にしたがって製造されている。
最初に、補強用鉄筋を配置した型枠内に、けい石、生石灰、セメント等を主成分とする原料スラリーと、発泡剤としてのアルミ粉末とを注入する。そして、原料スラリーを発泡させて硬化する。そして、半硬化状態となった軽量気泡コンクリートブロックを型枠から取り出し、所定の張力で緊張させたピアノ線等からなるワイヤで切断して所定の大きさのパネル状部材を形成する。次いで、形成された半硬化状態のパネル状部材を、オートクレーブで蒸気養生した後、適宜、表面加工等を施して製品化する。
通常のコンクリートパネルの内部には、鉄筋を溶接して籠状に成形した補強用鉄筋(鉄筋マット)が埋設されている。例えば、図1に、一般に厚型パネルと呼ばれ、厚さが75mm〜200mmであるコンクリートパネル1の斜視図を、パネルの内部の補強用鉄筋の一部が現れるように一部破断の状態で示す。図示のように、補強用鉄筋は、主筋2、横補強筋3、及び、縦補強筋4により構成される。
主筋2は、コンクリートパネル1の腹面1aに平行であり、コンクリートパネル1の長手方向に伸長する。そして、一方の腹面1a(例えば+Z側の腹面1a)から等距離の位置にある一方の群と、他方の腹面1a(例えば−Z側の腹面1a)から等距離の位置にある他方の群とからなる2つの群で構成され、それぞれの群は、腹面1aに投影した状態で同一になるように(重なるように)配置される。
横補強筋3は、腹面1aに平行であり、2つの群の何れかの主筋2と直交する状態で、コンクリートパネル1の厚さ方向における内方側(例えば+Z側の腹面1aに近いところにある主筋2の−Z側)で、主筋2に溶接接合される。また、縦補強筋4は、腹面1aに対して垂直であり、コンクリートパネル1の幅方向における外方側(例えば+Y側の面に近いところにある主筋2の+Y側)で、両端が2つの主筋2にそれぞれ溶接接合される。
主筋2は直径が5mm〜8mm程度であり、横補強筋3及び縦補強筋4は直径が3mm〜5mm程度である。
このような構成の補強用鉄筋は、まず、主筋2と横補強筋3とを交差部5で溶接接合して2つの格子形状体とした後、2つの格子形状体の間を縦補強筋4で溶接接合して籠状に成形することで製造される。
鉄筋が埋設されるコンクリートパネル1は、その強度品質を保証するために鉄筋のかぶり厚を測定することが行われている。
鉄筋のかぶり厚は、コンクリートパネル1の腹面1aと補強用鉄筋との間のコンクリートの厚みである。かぶり厚(主筋2の場合、腹面1aと主筋2の距離)は、コンクリートパネル1の厚さに応じて設定される。かぶり厚は、コンクリートパネル1の強度の保持という補強用鉄筋の機能が有効に働くように設けられている。
特開2009−216627号公報
特許文献1は、渦電流式磁気センサを使用し、コンクリートパネルを長手方向に移動させつつ鉄筋のかぶり厚を検査する方法を開示している。また、補強用鉄筋の交差による誤検出を抑制しながら、かぶり厚が所定の範囲を超えたときを異常として抽出する方法を提案している。
しかしながら、補強用鉄筋の製造工程、又は、コンクリートパネル1の製造のために補強用鉄筋が型枠内に配置される工程において、何らかの原因で、補強用鉄筋、特に主筋2の位置が大きく変位する場合がある。渦電流式磁気センサは原理上、検査対象がセンサに近いほど感度が高く、検査対象がセンサから遠ざかるにつれて指数的に感度が低くなる。そのため、特許文献1に記載の方法では、鉄筋が渦電流式磁気センサに近づく(かぶり厚が薄くなる)方向に偏った場合には渦電流式磁気センサと鉄筋との間の距離を測定可能であるが、遠ざかる(かぶり厚が厚くなる)方向に偏った場合には測定が不可能であった。また、補強用鉄筋の製造不良により、既定本数の主筋2が含まれていない場合であっても、特許文献1の方法では主筋2が含まれていないのか、許容値を大きく超えて変位しているかの判断ができないという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は、コンクリートパネル内の鉄筋の有無、かぶり厚、及び主筋の数といった鉄筋の状態をより適切に測定できる装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の実施例に係る装置は、コンクリートパネル内に埋設された鉄筋の状態を測定する装置であって、渦電流式磁気センサと、前記コンクリートパネルに対して前記渦電流式磁気センサを相対的に移動させる運動機構と、前記渦電流式磁気センサの出力を対数変換する対数変換器と、を備える。
また、本発明の実施例に係る方法は、コンクリートパネル内に埋設された鉄筋の状態を測定する装置によって鉄筋の状態を測定する方法であって、前記コンクリートパネルの腹面から所定の距離のところに渦電流式磁気センサを位置付ける工程と、前記所定の距離を維持しながら前記コンクリートパネルに対して前記渦電流式磁気センサを相対的に移動させる工程と、前記渦電流式磁気センサの出力を対数変換して出力変換値を生成する工程と、前記出力変換値に基づいて前記鉄筋の状態を測定する工程と、を有する。
上述の手段により、コンクリートパネル内の鉄筋の状態をより適切に測定できる装置及び方法を提供できる。
内部構造の一部が露出したコンクリートパネルの斜視図である。 鉄筋状態測定装置の機能ブロック図である。 測定装置の正面図である。 鉄筋状態測定方法のフローチャートである。 コンクリートパネルの部分断面図である。 コンクリートパネルの上面図である。 渦電流式磁気センサと鉄筋との間の距離と渦電流式磁気センサの出力との関係を示す図である。 コンクリートパネルに対する渦電流式磁気センサの相対位置と渦電流式磁気センサの出力の時間的推移を示す図である。 製品検査処理のフローチャートである。
以下、図を参照し、本発明の実施例に係る鉄筋状態測定装置及び鉄筋状態測定方法について説明する。

[鉄筋状態測定装置の構成]
図2は鉄筋状態測定装置100の機能ブロック図である。鉄筋状態測定装置100は、一般に厚型パネルと呼ばれるコンクリートパネル1内に埋設された鉄筋の状態を測定する装置である。「鉄筋の状態を測定する」は、例えば、鉄筋が存在するか否かを判定すること、鉄筋の有無を検知すること、鉄筋のかぶり厚を測定すること、主筋2の本数を導き出すこと等を含む。
鉄筋状態測定装置100は、主に、制御装置10、入力装置20、測定装置30、運動機構40等で構成される。
制御装置10は、鉄筋状態測定装置100を制御する装置である。図2の例では、制御装置10は、CPU、揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体、入出力インタフェース等を含むコンピュータであり、記憶部11、演算部12等の機能要素を含む。
記憶部11は、各種情報を記憶する機能要素である。図2の例では、記憶部11は、入力装置20、運動機構40等が出力する情報を揮発性記憶媒体又は不揮発性記憶媒体に記憶する。
演算部12は、各種演算を実行する機能要素である。図2の例では、演算部12は、記憶部11に記憶された情報に基づいて各種演算を実行する。各種演算は、例えば、鉄筋のかぶり厚の測定、鉄筋の検知、検知した鉄筋が主筋2であるか否かの判定等を含む。
入力装置20は、制御装置10に各種情報を入力するための装置である。入力装置20は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。
測定装置30は、コンクリートパネル1に埋設された鉄筋を検知する装置である。図2の例では、測定装置30は、渦電流式磁気センサ31及び対数変換器32を含む。
渦電流式磁気センサ31は、導電性の測定対象物の位置を非接触で測定できるデバイスである。図2の例では、渦電流式磁気センサ31は、励磁コイルと検出コイルを備え、金属体が接近したときに生じる渦電流による磁界を検出する。具体的には、渦電流式磁気センサ31は、渦電流による磁界を電圧値として出力する。また、渦電流式磁気センサ31は、単一のセンサで構成されてもよく、複数のセンサで構成されてもよい。
対数変換器32は、入力値を対数変換する機能要素である。対数変換器32は、渦電流式磁気センサ31の規格に合わせ、適宜接続可能なものが選択される。図2の例では、対数変換器32は、渦電流式磁気センサ31の出力を対数変換して出力変換値を生成する。
運動機構40は、コンクリートパネル1に対して測定装置30を相対的に移動させる機構であり、測定装置30のみを移動させてもよく、コンクリートパネル1のみを移動させてもよく、測定装置30及びコンクリートパネル1の双方を移動させてもよい。
図2の例では、運動機構40は、第1運動機構41及び第2運動機構42を備える。第1運動機構41は、コンクリートパネル1を第1方向(図1のX軸に沿った+X方向)に移動させる。X軸は、コンクリートパネル1の長手方向に平行であり、典型的には水平に延びる。第1運動機構41は、例えば、ベルトコンベア、ローラーコンベア等の公知の搬送装置(図示せず)によってコンクリートパネル1を直線的に且つ水平方向に一定速度で移動させることができる。
第2運動機構42は、コンクリートパネル1の腹面1aから所定高さのところで、第1方向に垂直な第2方向(図1のY軸方向)に測定装置30を往復動させる。Y軸は、コンクリートパネル1の短手方向に平行であり、典型的には水平に延びる。第2運動機構42は、例えば、リニア機構等の公知の技術により、測定装置30が所定の距離を往復動するように構成される。第2運動機構42の運動範囲は、コンクリートパネル1が長手方向に移動する場合には、コンクリートパネル1の幅と同等か、それより大きくなるように決定される。
図3は測定装置30の正面図である。図3の例では、測定装置30は、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bを有する。
具体的には、測定装置30は、主に、渦電流式磁気センサ31a、31b、固定ベース35、固定マウント36、レール37、移動マウント38等で構成される。
固定ベース35は、測定装置30の本体を構成する部材であり、固定マウント36及びレール37が取り付けられる。
固定マウント36は、渦電流式磁気センサ31aを固定するための部材である。以下では、固定マウント36に固定される渦電流式磁気センサ31aを基準側センサと称する場合がある。
レール37は、移動マウント38をX軸方向に沿ってガイドする部材である。図3のW1はX軸方向にスライドする移動マウント38の移動範囲を示す。
移動マウント38は、渦電流式磁気センサ31bを固定するための部材である。以下では、移動マウント38に固定される渦電流式磁気センサ31bを移動側センサと称する場合がある。操作者は、移動範囲W1内で移動マウント38を移動させることで、X軸方向に沿って並ぶ基準側センサ(渦電流式磁気センサ31a)と移動側センサ(渦電流式磁気センサ31b)との間隔D1を調整できる。
間隔D1は、渦電流式磁気センサ31a、31bの性能、鉄筋マットを構成する鉄筋(例えば横補強筋3)の間隔等に応じて決定される。
間隔D1は、好ましくは、X軸方向における鉄筋の間隔の最小値の少なくとも1.5倍となるように設定される。例えば、鉄筋間隔の最小値が40mmであれば、間隔D1は少なくとも60mmとなるように設定される。間隔D1が60mmより小さい場合、隣り合う鉄筋の影響を受けたり、隣り合う2つの渦電流式磁気センサ31a、31bが干渉し合ったりして正確な出力を取得できないおそれがあるためである。
また、間隔D1は、好ましくは、X軸方向における横補強筋3の間隔の何れとも異なるように設定される。2つの渦電流式磁気センサ31a、31bが同時に別々の横補強筋3の真上に位置することがないようにするためである。
なお、図3の例では、固定マウント36が+X側に配置され且つ移動マウント38が−X側に配置されるが、固定マウント36が−X側に配置され且つ移動マウント38が+X側に配置されてもよい。
また、測定装置30は、1つの渦電流式磁気センサ31を有する構成であってもよい。この場合、レール37、移動マウント38、移動側センサとしての渦電流式磁気センサ31bは省略される。

[鉄筋状態測定方法]
次に、図4を参照し、コンクリートパネルに埋設された鉄筋の状態を測定する方法について説明する。

[工程P1:渦電流式時期センサを位置付ける工程]
まず、本発明の実施例に係る渦電流式磁気センサを位置付ける工程について説明する。
図5は、図1の仮想平面F1を+X側から見たときのコンクリートパネル1の部分断面図である。図5は、図1では不図示の測定装置30における渦電流式磁気センサ31がコンクリートパネル1の腹面1aから距離Lのところを+Y方向に移動する様子を示す。
図5の例では、測定装置30は、コンクリートパネル1の+Z側の腹面1aから距離Lのところを移動するが、コンクリートパネル1の−Z側の腹面1aから距離Lのところを移動するように構成されてもよい。
図5のKは、コンクリートパネル1に埋設された鉄筋(主筋2)と渦電流式磁気センサ31との距離を示す。Lは、コンクリートパネル1と渦電流式磁気センサ31との距離を示す。tは、鉄筋(主筋2)のかぶり厚を示す。かぶり厚tは、式(1)に示すように、距離Kから距離Lを差し引いた値である。したがって、鉄筋状態測定装置100は、距離Kを検出することでかぶり厚tを測定できる。
Figure 0006520837

[工程P2:コンクリートパネルに対して渦電流磁気センサを相対的に移動させる工程]
次に、図6を参照し、運動機構40によってもたらされるコンクリートパネル1に対する渦電流式磁気センサ31の相対的な移動について説明する。図6(A)〜図6(C)はコンクリートパネル1の上面図である。図6(A)は、第1運動機構41によってコンクリートパネル1が+X方向に移動し、且つ、第2運動機構42によって測定装置30がY軸方向に往復動する様子を示す。図6(B)は、測定装置30に取り付けられた単一の渦電流式磁気センサ31のコンクリートパネル1上の移動軌跡を破線で示す。図6(C)は、測定装置30に取り付けられた2つの渦電流式磁気センサ31a、31bのコンクリートパネル1上の移動軌跡を破線で示す。
渦電流式磁気センサ31の検出感度は、コンクリートパネル1に埋設された鉄筋の直径に依存する。そのため、距離Lを一定にする。また、コンクリートパネル1に対する渦電流式磁気センサ31の相対的な移動速度は、渦電流式磁気センサ31の応答性能等に応じて決まる許容移動速度の範囲内であればよい。その上で、様々な直径の鉄筋に関する渦電流式磁気センサ31の出力変換値χと距離Kとの関係を予備測定により予め求めておくことで、式(1)から鉄筋のかぶり厚tを算出できる。なお、出力変換値χは、渦電流式磁気センサ31の出力を対数変換した値である。また、出力変換値χと距離Kとの関係は、例えば、関数fを用いてK=f(χ)で表される。渦電流式磁気センサ31a、31bについても同様である。

[工程P3:渦電流式磁気センサの出力を対数変換して出力変換値を生成する工程]
ここで図7を参照し、渦電流式磁気センサ31の出力値p及び出力変換値χと距離Kとの関係について説明する。出力値pは、対数変換器32を利用しない場合の渦電流式磁気センサ31の出力値であり、出力変換値χは、対数変換器32を利用した場合の渦電流式磁気センサ31の出力値である。図7の例では、出力値pは出力電圧値を最大電圧値で除した値の百分率(%)で表され、出力変換値χは出力値pを最大出力値(出力電圧値が最大電圧値のときの出力値p)で除した値の百分率(%)で表される。具体的には、図7(A)が出力値pと距離Kとの関係を示し、図7(B)が出力変換値χと距離Kとの関係を示す。
図7(A)に示すように、渦電流式磁気センサ31の出力を対数変換器32に入力しない場合、距離Kが大きくなるほどセンサ感度が低くなり出力値pが小さくなる。また、鉄筋の直径が8mm、5mm、4mmと直径が細くなるほどセンサ感度が低くなり出力値pが小さくなる。したがって、距離Kが大きくなるほど、或いは、鉄筋が細くなるほど、距離Kの差(変化)に対する出力値pの差(変化)が小さくなるため、正確な距離の測定が困難になる。
「距離Kの差(変化)に対する出力値pの差(変化)が小さくなる」とは、例えば、直径8mmの鉄筋で、距離Kが35mmのときと距離Kが40mmのときの出力値pの差(約2%)が、距離Kが15mmのときと距離Kが20mmのときの出力値pの差(約18%)より小さくなることを意味する。
一方、図7(B)に示すように、渦電流式磁気センサ31の出力を対数変換器32に入力した場合、例えば距離Kが35mm以上でもセンサ感度が比較的高いため、鉄筋状態測定装置100は直径の小さい鉄筋であっても距離Kを正確に測定できる。このように、鉄筋状態測定装置100は、渦電流式磁気センサ31の出力を対数変換器32に入力して対数変換することで、距離Kが大きくなっても距離Kを正確に測定できる。
「距離Kが35mm以上でもセンサ感度が比較的高い」は、図7(A)の場合に比べ、「距離Kの差(変化)に対する出力変換値χの差(変化)が維持される」ことを意味する。「距離Kの差(変化)に対する出力変換値χの差(変化)が維持される」とは、例えば、直径8mmの鉄筋で、距離Kが35mmのときと距離Kが40mmのときの出力変換値χの差(約9%)が、距離Kが15mmのときと距離Kが20mmのときの出力変換値χの差(約9%)と同等であることを意味する。

[工程P4:出力変換値に基づいて鉄筋の状態を測定する工程]
本発明の実施例に係る方法、すなわちコンクリートパネル1内に埋設された鉄筋の状態を測定する方法は、予備測定と本測定を含む。

[予備測定]
そこで、最初に予備測定について説明する。なお、予備測定は、渦電流式磁気センサ31の出力変換値χと距離Kとの関係を決定するために行われる測定であり、その関係を決定できるのであれば、以下の測定方法に限定されるものではない。
予備測定では、市販のコンクリートパネル等、鉄筋状態(かぶり厚)が既知のコンクリートパネル1を用いて出力変換値χと距離Kとの関係が決定される。
予備測定では、鉄筋の直径及び主筋2のかぶり厚tが既知であるコンクリートパネル1が使用される。
ここでは、鉄筋の直径を8mm、5mm、4mmとし、かぶり厚tを5mmとしたときの測定例を示す。
鉄筋の直径が8mmでかぶり厚が5mmの場合、渦電流式磁気センサ31はコンクリートパネル1の腹面1aから距離L=5mmの高さに位置付けられる。その結果、距離Kは10mmとなる。この状態で鉄筋状態測定装置100を起動し、距離K=10mmにおける出力変換値χ1を取得する。制御装置10の記憶部11は、測定装置30が出力する出力変換値χ1を不揮発性記憶媒体等に記憶する。
次に、渦電流式磁気センサ31をコンクリートパネル1の腹面1aから距離L=10mmの高さに位置付けて鉄筋の状態を測定する。そして、距離K=15mmにおける出力変換値χ2を取得して記憶する。
同じように距離Lを変更しながら、渦電流式磁気センサ31の出力変換値χnを記憶していく。出力変換値χnにおけるnは整数を表す。
鉄筋の直径が5mmでかぶり厚が5mmの場合、及び、鉄筋の直径が4mmでかぶり厚が5mmの場合についても同様に、距離Lを変更しながら出力変換値χnを取得する。この予備測定により、図7(B)に示すような出力変換値χnと距離Kとの関係が得られる。
図7(B)は、直径が8mm、5mm、4mmの鉄筋について、距離Kと出力変換値χとの関係を示す。したがって、予備測定で得られた図7(B)の関係を本測定で用いることにより、測定対象のコンクリートパネル1における鉄筋の状態、特に鉄筋のかぶり厚tを測定できる。図7(B)の関係は近似式で表されてもよい。この場合、渦電流式磁気センサ31の出力変換値χからかぶり厚tを算出できる。
本測定においても予備測定で得られた渦電流式磁気センサ31の出力変換値χと距離Kとの関係が成り立つ。したがって、任意の距離Kで得られた出力変換値χを基準値ψとみなすことができる。
図3に示すように渦電流式磁気センサ31をコンクリートパネル1の移動方向(X軸方向)において間隔を空けて2つ並置した場合には、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bのそれぞれの出力変換値χを加算した値と距離Kとの関係を求めてもよい。距離Kの差(変化)に対する出力変換値χの差(変化)を大きくするためである。

[本測定]
測定対象のコンクリートパネル1に対し、同じセンサ数(渦電流式磁気センサ31の数)で、鉄筋の状態を測定する。
具体的には、渦電流式磁気センサ31をコンクリートパネル1の腹面1aから距離Lの高さにセットする。そして、コンクリートパネル1をX軸方向に直線的に移動させ、且つ、コンクリートパネル1の移動方向に垂直な方向(Y軸方向)に渦電流式磁気センサ31を往復動させる。鉄筋状態測定装置100は、このときに得られる出力変換値χと、図7(B)に示すような予備測定で得られた出力変換値χ及び距離Kの関係とに基づいて、距離Kを読み取ることができる。或いは、出力変換値χと距離Kとの関係を表す近似式から距離Kを求めてもよい。そして、鉄筋状態測定装置100は、このようにして得られた距離Kを式(1)に代入して主筋2のかぶり厚tを算出できる。

[製品検査方法]
2つ以上の渦電流式磁気センサ31を用いた場合、予備測定の結果を用いて、コンクリートパネル1の製品検査を行うことができる。ここでは、図3に示すように2つの渦電流式磁気センサ31a、31bを備えた測定装置30を用いた場合の検査方法について説明する。
コンクリートパネル1の規格は、例えば、主筋2の直径が8mmであること、主筋2のかぶり厚が8mm以上15mm未満であることを含む。この規格と式(1)とから、距離Kが13mm以上20mm未満の範囲内であればコンクリートパネル1が規格に適合していると判定できる。そして、予備測定で得られた図7(B)に示すような渦電流式磁気センサ31a、31bの出力変換値χと距離Kとの関係から、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bの出力変換値χa、χbの許容範囲を求めることができる。許容範囲は、例えば、基準値ψ±許容偏差αとして設定される。図7(B)によると、許容範囲は、例えば、距離Kが13mmのときの出力変換値χ=89%と、距離Kが20mmのときの出力変換値χ=76%との間であり、基準値ψ=82.5%、許容偏差α=6.5%で表される。
製品検査では、最初に、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bを距離Lの高さに設置する。そして、コンクリートパネル1の進行方向(+X方向)に垂直な方向(Y軸方向)に2つの渦電流式磁気センサ31a、31bを往復動させる。このとき、コンクリートパネル1が+X方向に移動すると、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bは、コンクリートパネル1上で、図6(C)に示すような軌跡を描く。
渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置する場合、出力変換値χa、χbは、主筋2の影響のみを受けた値となるため、基準値ψとほぼ等しい正常値となる。そのため、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbの双方が基準値ψとほぼ等しい正常値であれば、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していると判定できる。
但し、渦電流式磁気センサ31a、31bの間には間隔D1が設けられている。そのため、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置する場合であっても、渦電流式磁気センサ31aが交差部5(図1参照。)の真上に位置し、渦電流式磁気センサ31bが交差部5から離れたところに位置する場合がある。交差部5は、例えば、主筋2と他の補強筋(例えば横補強筋3)とが交差する部分である。
この場合、渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaは、主筋2と他の補強筋の影響を受けた値となるため、基準値ψよりも大きい。一方、渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbは、主筋2の影響のみを受けた値となるため、基準値ψとほぼ等しい正常値となる。
そのため、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbの双方が基準値ψとほぼ等しいか或いは基準値ψより大きい場合には、互いの値が異なるときであっても、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していると判定できる。したがって、交差部5で他の補強筋の影響を受ける場合であっても、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していないと誤判定することはない。
一方、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置しないとき、出力変換値χa、χbの少なくとも一方は、コンクリートパネル1に埋設された鉄筋の影響を受けないため、基準値ψよりも顕著に低い値となる。
そのため、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbの少なくとも一方が基準値ψよりも顕著に低い場合には、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していないと判定できる。
ここで、図8を参照し、2つの渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置しているか否かを判定する処理(以下、「主筋判定処理」とする。)について説明する。図8は、コンクリートパネル1に対する渦電流式磁気センサ31a、31bの相対位置と出力変換値χa、χbの時間的推移を示す図である。具体的には、図8(A)は、渦電流式磁気センサ31a、31bの移動軌跡を表すコンクリートパネル1の上面図である。また、図8(B)は渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaの時間的推移を示し、図8(C)は渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbの時間的推移を示す。
時刻T1では、図8(A)に示すように、渦電流式磁気センサ31a、31bは何れも主筋2aの真上に位置する。このとき、渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaは、図8(B)に示すようにピークを形成して所定の閾値TH1より大きい値となる。同様に、渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbは、図8(C)に示すようにピークを形成して所定の閾値TH1より大きい値となる。なお、出力変換値χaに関する閾値と出力変換値χbに関する閾値とは異なる値であってもよい。
その結果、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbが共に閾値TH1以上であると判定し、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していると判定する。
時刻T2では、図8(A)に示すように、渦電流式磁気センサ31aは鉄筋が存在しないところに位置し、渦電流式磁気センサ31bは横補強筋3aの真上に位置する。渦電流式磁気センサ31aに対応する破線円は、渦電流式磁気センサ31aの下に鉄筋が存在しないことを表す。このとき、渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaは、図8(B)に示すように、ピークを形成することなく閾値TH1より小さい値のままとなっている。また、渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbは、図8(C)に示すようにピークを形成するが、そのピークは閾値TH1より小さい。
その結果、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbが共に閾値TH1未満であると判定し、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していないと判定する。
時刻T3では、図8(A)に示すように、渦電流式磁気センサ31aは横補強筋3aの真上に位置し、渦電流式磁気センサ31bは鉄筋が存在しないところに位置する。渦電流式磁気センサ31bに対応する破線円は、渦電流式磁気センサ31bの下に鉄筋が存在しないことを表す。このとき、渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaは、図8(B)に示すようにピークを形成するが、そのピークは閾値TH1より小さい。また、渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbは、図8(C)に示すように、ピークを形成することなく閾値TH1より小さい値のままとなっている。
その結果、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbが共に閾値TH1未満であると判定し、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していないと判定する。
時刻T4では、図8(A)に示すように、渦電流式磁気センサ31aは鉄筋が存在しないところに位置し、渦電流式磁気センサ31bは横補強筋3bの真上に位置する。このとき、渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaは、図8(B)に示すように、ピークを形成することなく閾値TH1より小さい値のままとなっている。また、渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbは、図8(C)に示すようにピークを形成するが、そのピークは閾値TH1より小さい。
その結果、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbが共に閾値TH1未満であると判定し、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していないと判定する。
時刻T5では、図8(A)に示すように、渦電流式磁気センサ31aは主筋2bの真上に位置し、且つ、横補強筋3bの真上に位置する。すなわち、主筋2bと横補強筋3bとが交差する交差部5bの真上に位置する。渦電流式磁気センサ31bは主筋2bの真上に位置する。このとき、渦電流式磁気センサ31aの出力変換値χaは、図8(B)に示すようにピークを形成して閾値TH1より大きい値となる。同様に、渦電流式磁気センサ31bの出力変換値χbは、図8(C)に示すようにピークを形成して閾値TH1より大きい値となる。出力変換値χaのピーク値は、主筋2bによる影響ばかりでなく横補強筋3bによる影響を受けているため、時刻T1でのピーク値よりも大きい。出力変換値χbのピーク値は、横補強筋3bによる影響を受けていないため、時刻T1でのピーク値とほぼ同じである。
その結果、鉄筋状態測定装置100は、出力変換値χa、χbが共に閾値TH1以上であると判定し、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置していると判定する。
このように、鉄筋状態測定装置100は、渦電流式磁気センサ31a、31bの出力変換値χa、χbに基づいて渦電流式磁気センサ31a、31bのそれぞれが主筋2の真上に位置しているか否かを判定できる。そのため、測定装置30がコンクリートパネル1の一端(例えば−Y側端部)から他端(例えば+Y側端部)に相対移動する間に、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が同時に主筋2の真上に位置していると判定した回数を、コンクリートパネル1の移動方向に沿って埋設されている主筋2の本数として導き出すことができる。図8の例では、鉄筋状態測定装置100は、測定装置30が時刻T1での位置から時刻T5での位置まで移動する間に、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が同時に主筋2の真上に位置していると判定した回数(2回)を、主筋2の本数(2本)として導き出すことができる。
また、鉄筋状態測定装置100は、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が同時に主筋2の真上に位置していると判定した場合、出力変換値χa、χbが許容範囲内にあるか否かを判定することで、コンクリートパネル1が規格に適合するか否かを判定できる。
具体的には、鉄筋状態測定装置100は、渦電流式磁気センサ31a、31bの出力変換値χa、χbの少なくとも一方が基準値ψよりも大きくて許容範囲を逸脱する場合、鉄筋の状態に異常があると判定できる。例えば、出力変換値χa、χbの双方が基準値ψよりも大きくて許容範囲を逸脱する場合、主筋2のかぶり厚が薄すぎると判定できる。
ここで図9を参照し、コンクリートパネル1が規格に適合するか否かを判定する処理(以下、「製品検査処理」とする。)について説明する。図9は、製品検査処理のフローチャートであり、鉄筋状態測定装置100は、所定の制御周期で繰り返しこの製品検査処理を実行する。図9の例では、コンクリートパネル1が規格に適合するか否かは、コンクリートパネル1に埋設された主筋2のかぶり厚が規格に適合するか否かに基づく。なお、主筋2のかぶり厚は製品毎に規格が定められている。
最初に、鉄筋状態測定装置100の制御装置10は、対数変換された渦電流式磁気センサ31a、31bの出力変換値χa、χbを取得する(ステップST1)。
そして、制御装置10の演算部12は、取得した出力変換値χa、χbと閾値TH1とを比較する(ステップST2)。渦電流式磁気センサ31a、31bの真下に鉄筋(主筋2)が存在するか否かを判定するためである。閾値TH1は、鉄筋状態測定装置100の不揮発性記憶媒体等に予め記憶された値であり、例えば、入力装置20を用いて入力される。
出力変換値χa、χbの何れか一方が閾値TH1未満の場合(ステップST2のNO)、制御装置10は、コンクリートパネル1が規格に適合するか否かを判定することなく、今回の製品検査処理を終了させる。渦電流式磁気センサ31a、31bが主筋2の真上に位置しないと推定できるためである。すなわち、主筋2のかぶり厚を測定して主筋2のかぶり厚が許容範囲内であるか否かを判定できないためである。
出力変換値χa、χbの双方が閾値TH1以上の場合(ステップST2のYES)、演算部12は、出力変換値χa、χbの双方が許容範囲内にあるか否かを判定する(ステップST3)。渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置すると推定できるためである。すなわち、主筋2のかぶり厚を測定して主筋2のかぶり厚が許容範囲内であるか否かを判定できるためである。
出力変換値χa、χbの許容範囲は、例えば、予備測定の際に記憶部11によって不揮発性記憶媒体等に記憶された出力変換値に基づいて設定される。例えば、許容範囲は、予備測定の際の出力変換値である基準値ψに許容偏差αを加えた値を上限とし、基準値ψから許容偏差αを差し引いた値を下限とする範囲ψ±αとして設定される。但し、許容範囲ψ±αは、必ずしも規格範囲に一致させる必要はなく、主筋2の直径に合わせて適宜設定されてもよい。
また、演算部12は、渦電流式磁気センサ31a、31bの一方が交差部5の真上に位置する場合であっても、出力変換値χa、χbの双方が許容範囲内にあるか否かを判定する。出力変換値χa、χbの双方が閾値TH1以上であり、渦電流式磁気センサ31a、31bの双方が主筋2の真上に位置することに変わりはないためである。
その後、出力変換値χa、χbの何れか一方が許容範囲外であると判定した場合(ステップST3のNO)、制御装置10は、コンクリートパネル1が規格に適合しないと判定する(ステップST4)。コンクリートパネル1に埋設された主筋2のかぶり厚が許容範囲外であると推定できるためである。
一方、出力変換値χa、χbの双方が許容範囲内であると判定した場合(ステップST3のYES)、制御装置10は、コンクリートパネル1が規格に適合すると判定する(ステップST5)。コンクリートパネル1に埋設された主筋2のかぶり厚が許容範囲内であると推定できるためである。
制御装置10は、コンクリートパネル1が規格に適合するか否かの判定結果を表示装置、音声出力装置等の出力装置を通じて出力してもよい。
また、図9のフローチャートは、測定装置30が2つの渦電流式磁気センサ31a、31bを備える場合に適用されるが、測定装置30が1つの渦電流式磁気センサ31のみを備える場合、及び、測定装置30が3つ以上の渦電流式磁気センサ31を備える場合についても同様に適用される。
以上の構成により、鉄筋状態測定装置100は、コンクリートパネル1に埋設された主筋2の状態をより適切に測定できる。
具体的には、鉄筋状態測定装置100は、渦電流式磁気センサ31の真下に主筋2があると判定したときの渦電流式磁気センサ31の出力に基づいて主筋2のかぶり厚を測定できる。そのため、主筋2のかぶり厚をより適切に測定できる。
また、鉄筋状態測定装置100は、例えば、測定装置30がコンクリートパネル1の−Y側端部から+Y側端部まで或いは+Y側端部から−Y側端部まで移動する間に行われたステップST3の判定の回数を主筋2の本数と見なすことができる。そのため、主筋2の本数をより適切に導き出すことができる。
また、鉄筋状態測定装置100は、渦電流式磁気センサ31の出力を対数変換して制御装置10に与える。そのため、渦電流式磁気センサ31が主筋2から遠ざかるにつれて渦電流式磁気センサ31の出力が指数関数的に低下する場合であっても、比較的大きなかぶり厚を含めた広い範囲のかぶり厚をより正確に測定できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、渦電流式磁気センサ31の出力が対数変換されるが、対数変換されなくてもよい。
1・・・コンクリートパネル 1a・・・腹面 2、2a、2b・・・主筋 3、3a、3b・・・横補強筋 4・・・縦補強筋 5、5a、5b・・・交差部 10・・・制御装置 11・・・記憶部 12・・・演算部 20・・・入力装置 30・・・測定装置 31、31a、31b・・・渦電流式磁気センサ 32・・・対数変換器 35・・・固定ベース 36・・・固定マウント 37・・・レール 38・・・移動マウント 40・・・運動機構 41・・・第1運動機構 42・・・第2運動機構 100・・・鉄筋状態測定装置

Claims (8)

  1. コンクリートパネル内に埋設された鉄筋の状態を測定する装置であって、
    前記コンクリートパネルの移動方向において間隔を空けて配置される少なくとも2つの渦電流式磁気センサと、
    前記コンクリートパネルに対して前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサを相対的に移動させる運動機構と、
    を備え
    前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力のそれぞれが同時に所定の閾値以上となった回数から前記鉄筋のうちの前記コンクリートパネルの移動方向に沿って埋設されている主筋の本数を導き出す、
    装置。
  2. 前記運動機構は、
    前記コンクリートパネルを第1方向に移動させる第1運動機構と、
    前記第1方向に垂直な第2方向に前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサを往復動させる第2運動機構と、を備える、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力を対数変換する対数変換器を更に備え、
    前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力を対数変換した出力変換値のそれぞれが同時に所定の閾値以上となった回数から前記鉄筋のうちの前記コンクリートパネルの移動方向に沿って埋設されている主筋の本数を導き出す、
    請求項1又は2に記載の装置。
  4. コンクリートパネル内に埋設された鉄筋の状態を測定する装置によって鉄筋の状態を測定する方法であって、
    前記コンクリートパネルの腹面から所定の距離のところに、前記コンクリートパネルの移動方向において間隔を空けて配置される少なくとも2つの渦電流式磁気センサを位置付ける工程と、
    前記所定の距離を維持しながら前記コンクリートパネルに対して前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサを相対的に移動させる工程と、
    前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力に基づいて前記鉄筋の状態を測定する工程と、
    を有し、
    前記鉄筋の状態を測定する工程では、前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力のそれぞれが同時に所定の閾値以上となった回数から前記鉄筋のうちの前記コンクリートパネルの移動方向に沿って埋設されている主筋の本数を導き出す、
    方法。
  5. 前記相対的に移動させる工程は、
    前記コンクリートパネルを第1方向に移動させる工程と、
    前記第1方向に垂直な第2方向に前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサを往復動させる工程と、を有する、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記鉄筋の状態を測定する工程では、前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの下に前記鉄筋が存在するか否かを判定し、且つ/或いは、前記鉄筋のかぶり厚を測定する、
    請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力を対数変換して出力変換値を生成する工程を更に有し、
    前記鉄筋の状態を測定する工程では、前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力を対数変換した出力変換値のそれぞれを加算した値から前記鉄筋の状態を測定する、
    請求項4乃至6の何れかに記載の方法。
  8. 前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力を対数変換して出力変換値を生成する工程を更に有し、
    前記鉄筋の状態を測定する工程では、前記少なくとも2つの渦電流式磁気センサの出力を対数変換した出力変換値のそれぞれが同時に所定の閾値以上となった回数から前記鉄筋のうちの前記コンクリートパネルの移動方向に沿って埋設されている主筋の本数を導き出す、
    請求項4乃至6の何れかに記載の方法。
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