JP6520440B2 - 新規化合物 - Google Patents

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本発明は、ゲットウ抽出物由来の新規化合物に関し、更に詳細には、糖尿病モジュレーターの抑制、ラジカル生成阻害作用、低比重リポタンパク(LDL、一般に悪玉コレステロールとも言われる)の抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用を有する新規化合物に関する。
今日、先進国全体では糖尿疾患の発生率の上昇にともない、糖尿病を抑制する物質の研究が加速している。糖尿病モジュレーター(修飾因子)には、食後の高血糖を低下させるα‐グルコシダーゼ、消化酵素の一つであるトリプシン及び血管拡張物質である一酸化窒素などがあり、これらの因子に対して抑制効果を示す物質が望まれていた。
また、糖尿病とともに生活習慣病として知られる脂質異常症(高脂血症)は、血液中に含まれる脂質の量が過剰となる状態であり、特に、LDLの酸化型(酸化LDL)が血管壁に溜まると、動脈硬化の原因となる。したがって、LDLの酸化を抑制したり、活性酸素種の生成を抑制する物質が望まれていた。
ところで、天然物中に生活習慣病の予防、治療等に対し有効な化合物が存在することが知られており、例えば、特許文献1には、糖尿病治療に効果を有するものとして、アブラヤシ属の果実から得られる抽出物がグルコース濃度やトリグリセリド濃度を調整することが記載されている。しかしながら、同抽出物はα‐グルコシダーゼやトリプシン等を抑制するものではなかった。
また、特許文献2には、マメ科植物であるカッシア アウリクラタ(Cassia auriculata)の葉部から水‐アセトン混合液を用いて抽出したフラバンダイマー化合物が、ラジカル消去作用を有することが記載されている。しかしながら、同フラバンダイマー化合物は、LDLの酸化を抑制するものではなかった。
糖尿病の主要な危険因子として肥満が知られているが、肥満はその他にも、心臓病、高血圧、脳卒中などにおける発症リスクとなる。世界保健機関は、少なくとも10億人の大人が体重過剰で、このうち3億人が肥満体であるとし、そしてこれらの数は、医療介入なしでは更に上昇すると予想されることを報告している。昨今では、肥満の蔓延は子供にも影響しており、小児肥満の普及は過去30年間で3倍になり、この影響されやすい人口における健康上の問題を引き起こすことが予想される。
現在、肥満症の治療方法には、食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法等があるが、基本となるのは食事療法と運動療法で、これを同時に進めることが一般的である。この食事療法と運動療法の実施には、行動療法という食事と運動の生活指導が具体的に行なわれるが、一般に肥満患者では、強い意志をもってこれに堪えられる人が少なく、結局失敗に終わることが多いとされている。この行動療法では、まれに薬物療法が補助的に使われることがあるとされており、これらの方法で効果がない場合にだけ、胃を小さくする外科療法(手術)が行われることがある。
このように、現在の肥満症の治療においては、薬物療法は限られた範囲でしか使用されていないが、現在の肥満の蔓延を抑制するには、患者の意志に関わらず肥満を有効に抑制する医薬の開発が強く求められている。
また、皮膚が紫外線に曝露されると、皮膚内で発生する活性酸素、過酸化脂質等は、炎症を引き起こし、皮膚組織に大きな損傷を与える。皮膚や毛髪等に存在する色素であるメラニンは、このような紫外線による損傷から皮膚を保護する役割を有する。しかし、メラニンが過剰産生されると、低色素沈着あるいは色素沈着過剰などの皮膚異常を引き起こす他、シミ、ソバカスなどが生じるため、メラニンの生成を抑制することを目的として種々の美白剤が開発されている。メラニンは、メラノサイトにおいてチロシンがチロシナーゼによって酸化されることにより産生されるため、美白剤の多くはメラニン産生における鍵酵素であるチロシナーゼ活性阻害物質である。
チロシナーゼ活性阻害物質の代表的なものとして、コウジ酸やアルブチン、アスコルビン酸などがよく知られており、メラニンの生成および沈着を抑制する美白剤として利用されている(特許文献3〜5)。しかし、これらの中には活性が十分でないものもあり、天然物由来で強力かつ安全性の高いチロシナーゼ阻害剤がなお強く求められている。
特表2011−518131 特開2009−91315 特開昭56−7710号公報 特開昭63−174910号公報 特開昭51−95140号公報
従って、本発明の課題は、天然物中から従来知られていなかったα‐グルコシダーゼ等の糖尿病モジュレーターの抑制作用、ラジカル生成阻害作用やLDLの抗酸化作用、チロシナーゼ活性阻害作用等の薬理活性を有する新規化合物を見出し、これを提供することである。
本発明者らは、従来から、沖縄県に自生する植物であるゲットウ(月桃)に着目し、この植物中に含まれる成分の薬理活性について研究を行っていたが、今回新たにゲットウ抽出物中から、次の式(I)で表される2,5−ビス(1E,3E,5E)−6−メトキシヘキサ−1,3,5−トリエン−1−イル−2,5−ジヒドロフラン(2,5-bis(1E,3E,5E)-6-methoxyhexa-1,3,5-trien-1-yl-2,5-dihydrofuran;以下「MTD」という)及び次の式(II)で表される(E)−2,2,3,3−テトラメチル−8−メチレン−7−(オクト−6−エン−1−イル)オクタヒドロ−1H―キノリジン((E)-2,2,3,3-tetramethyl-8-methylene-7-(oct-6-en-1-yl)octahydro-1H-quinolizine;以下「TMOQ」という)を分離し、これらが糖尿病モジュレーターの抑制、ラジカル生成阻害作用、LDL酸化阻害活性、チロシナーゼ活性阻害作用等を有することを見出し、本発明を完成した。
Figure 0006520440
Figure 0006520440
すなわち本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物である。
また、本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物を有効成分として含有するα‐グルコシダーゼ、トリプシン、キサンチンオキシダーゼ及びチロシナーゼからなる群より選ばれる酵素活性阻害剤である。
更に、本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物を有効成分として含有する一酸化窒素生成阻害剤である。
また更に、本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物を有効成分として含有するラジカル生成阻害剤である。
そして更に、本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物を有効成分として含有するLDL酸化阻害剤である。
また本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物を有効成分として含有する抗肥満剤である。
また本発明は、上記式(I)または式(II)で表わされる新規化合物を有効成分として含有するメラニン生成抑制剤または美白剤である。
本発明の式(I)および(II)の化合物は、α‐グルコシダーゼ、トリプシン及びキサンチンオキシダーゼの活性を抑制し、また、一酸化窒素生成を抑制する。さらに、これらの化合物は、ラジカル生成を阻害し、またLDLの酸化を抑制する作用を有するものである。
従ってこれら化合物は、糖尿病モジュレーター(修飾因子)を抑制するものであり、これを含有する医薬品あるいは飲食品は、糖尿病の予防や治療に有用である。
また肥満では、脂肪組織において、例えばスーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシラジカル等のラジカルや過酸化水素、一重項酸素等の活性酸素種(ROS)生成が促進し、酸化ストレスが亢進する。ROSは脂肪細胞の分化に重要な役割を果たしており、酸化ストレス下で脂肪組織が増加すると考えられる。本発明の式(I)および(II)の化合物は、脂肪細胞におけるROS及び一酸化窒素(NO)の生成を有効に抑制し、さらに活性酸素産生酵素であるキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有するため、肥満の治療・予防に有効である。
さらに本発明の式(I)および(II)の化合物は、優れたチロシナーゼ阻害活性を有し、メラニン生成を有効に抑制するため、低色素沈着あるいは色素沈着過剰などの皮膚異常疾患に対する治療・予防に有効であり、またシミ、ソバカス等を防ぎ、美白効果に優れ、さらに安全性も高いものである。
ゲットウ根茎から単離されたMTDを含む画分を示す図面である。 ゲットウ種子から単離されたTMOQを含む画分を示す図面である。 MTD及びTMOQの有するα−グルコシダーゼ活性阻害作用を示す図面である。なお、カテキン及びケルセチンは陽性コントロールであり、R1(「DDK」ともいう)は、ゲットウ抽出物から単離されたジヒドロ−5,6−デヒドロカワインである。以下同じ。 MTD及びTMOQの有するトリプシン活性阻害作用を示す図面である。 MTD及びTMOQの有する一酸化窒素生成阻害作用を示す図面である。 MTD及びTMOQの有するキサンチンオキシダーゼ活性阻害作用を示す図面である。なお、L−NAME(NG-ニトロアルギニンメチルエステル)は陽性コントロールである。DKは、ゲットウ抽出物から単離された5,6−デヒドロカワインであり、ラブダジエンは、同抽出物から単離された8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールである。以下、同じ。 MTD及びTMOQの有するLDLの酸化阻害作用を示す図面である。 MTD及びTMOQの有するO ・−生産の抑制を示す図面である。 MTD及びTMOQの3T3−L1脂肪細胞生存性に対する影響を示す図面である。 MTD及びTMOQの有する細胞内ROS生成抑制作用を示す図面である。 MTD及びTMOQの有する細胞内一酸化窒素生成阻害作用を示す図面である。 MTD及びTMOQのB16F10メラノーマ細胞生存性に対する影響を示す図面である。 MTD及びTMOQの有するメラニン生成抑制作用を示す図面である。 MTD及びTMOQの有するチロシナーゼ活性阻害作用を示す図面である。
本発明の式(I)および(II)で表されるMTDおよびびTMOQは、ゲットウ(月桃)(学名:Alpinia zerumbet)を水、低級アルコールなどの溶媒で抽出したゲットウ抽出物中から、単離、精製することにより取得することができる。
このゲットウは、ショウガ科ハナミョウガ属(アルピニア属)の多年草で、熱帯から亜熱帯アジアに分布し、日本では沖縄県から九州南部に分布する。ゲットウの葉から取った精油が甘い香を放つので、アロマオイルや香料として使用されており、また、その葉や茎は抗菌剤や防虫剤としても知られているものである。
式(I)および(II)をゲットウから得るには、抽出物の原料として、ゲットウの根茎や種子を用いる。このゲットウの根茎や種子は、収穫したものをそのまま使用しても良いし、乾燥させたものを使用しても良い。この抽出原料は、好ましくは、風乾した後、適切な大きさに細断ないし粉砕し、次の抽出行程において使用する。
次いで、上記のように準備した抽出原料に対し、その5ないし100重量倍の抽出溶媒を加えた後、20分ないし48時間程度抽出を行う。抽出に用いる抽出溶媒としては、水や、エタノール等の低級アルコール、アセトン、酢酸エチル等の溶媒、あるいはこれらの混液等の溶媒(以下、「水性溶媒」という)が好ましい。上記水性溶媒のうち、混液としては、例えば、10ないし96%程度の、任意の割合のエタノール−水混液のような混合溶媒であっても良い。
上記の抽出に当たっての抽出温度は室温が好ましく、抽出中、必要により連続あるいは間欠的に攪拌すればよい。
MTDおよびTMOQの単離、精製は、周知の単離、精製方法により行うことができる。
すなわち、例えば、前記したゲットウ抽出物からカラムクロマトグラフィーを用い、例えば、勾配溶離を行うことにより、MTDおよびTMOQを単離精製することができる。
このようにして得られた、MTDおよびTMOQは、α−グルコシダーゼ、トリプシン、キサンチンオキシダーゼ及びチロシナーゼの活性阻害作用を有し、また、一酸化窒素生成の阻害作用も有する。さらに、MTDおよびTMOQは、ラジカル生成阻害作用及びLDL酸化阻害作用を有するものであり、特に脂肪細胞における活性酸素種(ROS)及び一酸化窒素の生成を抑制し得る。
以上のようにして得られる本発明のMTDやTMOQは、上記のような効果を有するため、飲食品、医薬品及び医薬部外品等に利用可能である。特に、糖尿病及び動脈硬化を治療又は予防するための飲食品、医薬品、医薬部外品として用いることができる。また肥満やメタボリックシンドロームを治療又は予防するための飲食品、医薬品、医薬部外品として利用し得る。さらに低色素沈着あるいは色素沈着過剰などの皮膚異常疾患用の医薬品や美白用の医薬部外品、化粧料等とすることが可能である。
本発明の化合物を配合成分とした医薬の製造は、これを薬学的に許容される担体や添加剤と組み合わせ、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、貼付剤等の形態に調製すればよい。医薬品、医薬部外品の形態で使用する場合の投与形態は、経口であっても非経口であっても良い。経口投与による場合は、通常の経口投与製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;水剤;油性懸濁剤;又はシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合には、水性又は油性懸濁注射剤として用いることができる。
なお、本発明のMTDやTMOQを飲食品に配合する形態や、経口医薬品などとして使用する形態とする場合の、その配合量は、特に制約はないが成人1日当たりの投与量として5〜200mg程度、好ましくは50〜100mg程度が適当である。
一方、本発明のMTDやTMOQを配合して美白化粧料とする場合には、例えば、公知の化粧料基剤にMTDやTMOQを0.0001〜10質量%程度配合し、常法に従って、溶液状、可溶化状、乳化状、粉末状、ペースト状、ムース状、ジェル状の形態とすることにより製造され、化粧水、乳液、クリーム、パック、軟膏等として提供される。
また、上記美白化粧料の製造にあたっては、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料に使用される成分、すなわち、精製水、アルコール類、水溶性高分子、油剤、界面活性剤、ゲル化剤、保湿剤、ビタミン類、抗菌剤、香料、塩類、pH調整剤等を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
MTDの抽出と単離:
琉球大学(沖縄県中頭郡西原町千原1)のキャンパスからゲットウ(Alpinia zerumbet)を採取し、ゲットウの根茎を抽出試料とした。
乾燥重量400gの根茎をカンナで削り、これにメタノール2Lを加え、2日間、室温で抽出した。
抽出溶媒を留去させた後、蒸留水300mLに乾燥抽出物5.7gを溶かし、ヘキサン300mLで脱脂した。脱脂後の水性抽出物2.9gをクロロホルム200mLとそれに続くエチルアセテート200mLで分画し、エチルアセテート画分1.6gをシリカゲルが入ったガラスクロマトグラフィーカラム(Silica gel 60N, particle size 63−120μm,70−230 mesh ASTM)に付し、石油エーテル:クロロホルム(0−100%)の直線勾配で溶出し、3つの画分を得た。2番目の画分をHPLCを使用して更に精製した。
次にSynergi 4u MAX−RP 80A column(150x4.60mm,4micron;Phenomenex, Torrance, CA)を用い、280nmで単離化合物を収集した。移動相は、0.1%酢酸溶液(v/v)(溶液A)と0.1%酢酸を含むアセトニトリル(溶液B)を用い、流速を1.00mL/minとした。グラジエント溶離の条件は、0〜7分間:溶液Bの40〜70%勾配、7〜20分間:溶液Bの70〜100%直線勾配、20〜30分間:溶液Bの100%定組成溶離とした。分画1mg/mLのメタノール溶液5μLを化合物単離に使用した。MTDを含む画分を図1に示す。
また、MTDの物理化学的性質を以下に示す。
HREIMS m/z 285.1 [M+] (calcd for C18H22O3, 286.16). IR v (KBr) cm-1: 669, 1646, 2341, 2359. 1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): 3.83 (q, 3H, OCH3, J = 5.5 Hz, 9), 5.62 (d, 1H, OCH, 2), 6.24 (d, 1H, CH, 7), 6.86 (d, 1H, CH, 6), 7.58 (s, 1H, CH, 5), 7.59 (d, 1H, CH, 4), 7.14 (q, 1H, CH, J = 5.0 Hz, 1), 7.41 (t, 1H, CH, J = 7.0 Hz, 3), 7.36 (t, 1H, CH, J = 4.0 Hz, 8). 13C-NMR (500 MHz, MeOD-d4): 57.01 (C-9), 89.42 (C-2), 102.78 (C-7), 120.05 (C-6), 128.63 (C-5), 129.14 (C-4), 129.99 (C-3), 130.55 (C-1), 136.66 (C-8)
実 施 例 2
TMOQの抽出と単離:
ゲットウの種子100gを乳鉢で粉砕して、二日間、室温でメタノール500mLに浸漬し抽出した。濾過後、その濾液からメタノールを留去させ、濃いシロップ状の抽出物21.6g得た。この抽出物を蒸留水500mLに懸濁し、ヘキサン500mLとエチルアセテート500mLで分画した。エチルアセテート抽出画分11.07gを、シリカゲルを含むガラスクロマトグラフィーカラム(Silica gel 60N, particle size 63−120μm, 70−230 mesh ASTM)に付し、1%から50%へ段階勾配的にクロロホルムにメタノールを混合し溶出させた。4画分が溶出したが、このうち画分4を、実施例1のHPLCと同じカラム及び同じ条件で更に精製した。得られたTMOQ画分を図2に示す。
また、TMOQの物理化学的性質を以下に示す。
HREIMS m/z 317.55 [M+] (calcd for C22H39N, 317.2). IR v (KBr) cm-1: 1024, 1121, 1456, 1507, 1541, 1558, 1646, 1698, 1748, 2360, 2927, 3448. 1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): 0.75 (q, 3H, CH3, J = 10.5 Hz, 20), 0.85 (t, 3H, CH3, J = 1.5 Hz, 18), 0.89 (q, 3H, CH3, J = 4.0 Hz, 21), 0.94 (t, 3H, CH3, J = 2.5 Hz, 1), 1.09 (t, 2H, CH2, J = 2.5, 8), 1.17 (q, 2H, CH2, 11), 1.22 (q, 2H, CH2, J = 1.5 Hz, 14), 1.28 (s, 2H, CH2, 14), 1.39 (q, 1H, NCH, J = 2.5 Hz, 12), 1.43 (q, 2H, CH2, J = 2.2 Hz, 4), 1.58 (t, 3H, CH3, J = 2.0 Hz, 19), 1.64 (q, 2H, CH2, J = 4.5 Hz, 7), 1.75 (q, 2H, CH2, J = 2.0 Hz, 5), 2.00 (d, 2H, NCH2, 13), 2.26 (d, 2H, CH2, 6), 2.47 (t, 2H, NCH2, J = 5.5 Hz, 17), 3.27 (t, 2H, CH2, J = 8.0 Hz, 22), 6.02 (q, 1H, CH, 3) and 6.36 (d, 1H, CH, 2). 13C-NMR (500 MHz, MeOD-d4): 14.00 (C- 21), 15.48 (C-20), 20.16 (C-4), 20.39 (C-19), 22.37 (C-18), 24.53 (C-5), 31.77 (C-7), 34.02 (C-15), 34.50 (C- 1), 37.79 (C-6), 39.90 (C-16), 40.36 (C-8), 42.03 (C-11), 43.39 (C-14), 55.96 (C-9), 63.34 (C-12), 65.83 (C-17), 68.81 (C-13), 108.85 (C-22), 122.20 (C-2), 135.00 (C- 3), 150.77 (C-10)
実 施 例 3
α−グルコシダーゼ活性阻害試験:
α−グルコシダーゼ活性阻害試験は、Ahmad et al. (2011)が報告した方法を多少改変した手法により行った。まず、96穴プレートに異なる濃度サンプル15μLと酵素溶液140μL(α−グルコシダーゼ0.0073U/mL;100mM NaCl含有0.05M リン酸ナトリウム緩衝液)を加え、15分間、37℃でインキュベートした。その後、0.05M リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)に0.7mM PNP−Gを含む溶液25μLをそれぞれのウェルに加えた。α-グルコシダーゼ活性は、酵素加水分解によりPNG−P(マルトース)から形成されるグルコース量を分光光度計(UV mini 1240, Shimadzu, Kyoto, Japan)を用いて、405nmで測定することにより決定した。陽性コントロールとして、ケルセチン及びカテキンを使用した。
結果:
TMOQとMTDのIC50は、それぞれ1.62および1.64μg/mLであった。これら化合物は、陽性コントロールのケルセチン(1.62μg/mL)と同程度の阻害効果を有することが分かった。結果を図3に示す。
実 施 例 4
トリプシン活性阻害試験:
トリプシン活性阻害試験は、基質としてBAPNAを用い、WATIら(2009)の方法で測定した。まず、サンプル100μL、20μg/mLのトリプシン200μLおよび蒸留水100μLを含んだ溶液を37℃で、10分間インキュベートした。これに、あらかじめ37℃でプレウォームした0.4mg/mLのBAPNA500μLを加え、反応を開始させた。10分間、37℃でインキュベーションした後、100μLの30%酢酸(v/v)を加えて反応を終了させ、遠心分離(10分、4℃、2000g)にかけた。トリプシン活性は、吸光度410nmでp−ニトロアニリン量を測定することにより決定した。陽性コントロールとして、ケルセチン及びカテキンを使用した。
結果:
TMOQとMTDのIC50は、それぞれ31.75および41.48μg/mLであった。TMOQは、陽性コントロールであるケルセチン(34.68μg/mL)よりも阻害効果が高いことが分かった。結果を図4に示す。
実 施 例 5
一酸化窒素生成阻害実験:
一酸化窒素阻害実験はGriess Illosvoy reaction(Govindarajanら、2003)を用いて行った。まず、10mM SNP200μL、リン酸緩衝生理食塩水50μL及びサンプル50μLを含んだ反応混合溶液300μLを150分間、25℃でインキュベートした。次いで、反応混合溶液50μLを0.33%スルファニル酸(20%氷酢酸中)100μLと混合し、5分間室温に置いて完全にジアゾ化させ、NEDH100μLを添加し、混合して25℃で、30分放置した。放置後の吸光度を540nmで測定した。陽性コントロールとして、カテキンとケルセチンを使用した。
結果:
TMOQのIC50は15.70μg/mLであった。また、MTDのIC50は、30μg/mLであった。TMOQは、陽性コントロールのケルセチン(18.90μg/mL)より高い効果を有することが分かった。結果を図5に示す。
実 施 例 6
キサンチンオキシダーゼ活性阻害試験:
0.1mM EDTA含有50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.4)に、キサンチン100μM、馬心臓シトクロムc25μM及び異なる濃度のサンプルを添加し、反応混合液を作成した。この反応混合液に、キサンチンオキシダーゼ(0.07U/mL)を添加し、反応を開始させた。2分後、分光光度計を用いて550nmで還元されたシトクロムcを測定した。生成したスーパーオキシドの量は、ε=21,100 M−1cm−1を使用して計算した。陽性コントロールとしてL−NAME(NG-ニトロアルギニンメチルエステル)を使用した。
結果:
TMOQのIC50は14.51μMであった。また、MTDのIC50は、140μMであった。TMOQは、陽性コントコロールのL−NAME(IC50=12.88μM)とほぼ同等の効果を有することが分かった。結果を図6に示す。
実 施 例 7
LDL酸化活性阻害試験:
LDL酸化活性阻害試験は、RattanとArad(1998)の方法により行った。まず、10mM PBS(pH7.4)によりLDLを220μg/mLに調整し、一定量の異なる濃度のサンプルを添加した。LDLの酸化反応は、55μM CuSOの添加で開始し、37℃で24時間インキュベートした。その後、1M EDTA50μLを添加して反応を停止させ、Steinbrecherら(1984)の方法によりTBARS活性のため20℃でサンプルを静置した。酸化後、LDLに0.67%TBA1.5mLと20%TCA1.5mLを混合し、100℃、30分でサンプルを静置した。反応物は30分、25℃で保管され、15分、4℃、200gで遠心分離した。上澄を532nmで吸光度を測定した。
結果:
MTDのIC50は、20μMであった。TMOQのIC50は、2.10μMであり、陽性コントロールのケルセチンよりも高い効果を示した。結果を図7に示す。
実 施 例 8
ラジカル生成阻害試験:
(1)ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の準備:
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を以下の方法で準備した。
DSファーマバイオメディカル株式会社(大阪府、日本)から、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(Lot:121210/ 255902-1R, No.12002053)とCSC完全組み換え培地を購入した。細胞は付属因子を含んだCSC培地で維持され、37℃、5%COの加湿雰囲気で増殖させた。
ゼラチンでコーティングしたフラスコに、20%FBS、5U/mLヘパリン、1mL L−グルタミン+ストレプトマイシン+ペニシリン、1μg/mLヒドロコルチソン、50μg/mL内皮細胞成長サプリメント及び10μg/mLヒト表皮成長因子を添加した培地199を注ぎ、同培地に2〜4継代したHUVEC細胞(10細胞)及び各サンプル50μMを加え、24時間インキュベートした。インキュベート後、培地を除去し、細胞を5mLPBSで洗浄した。5mL0.25%トリプシン-EDTAで細胞を収集し、遠心分離し(5分、1000g、4℃)、細胞を回収した。
(2)O ・−生産の阻害試験:
上記回収した細胞(HUVEC)を、50mMリン酸バッファー(pH7.4)によって洗浄し、40μMフェリシトクロムc含有HEPES緩衝等張塩培地(133mM NaCl、6.5mM KCl、1mM CaCl、1mM MgCl、5.5mMグルコース、50μM L−アルギニン、20mM HEPES、pH 7.4)を用いて、6時間、37℃で1μMアンジオテンシンIIを作用させた。フェリシトクロムcの減少は、上澄みの550nmにおける吸光度によって測定された。O ・−放出はSOD(スーパーオキシドジスムターゼ;200U/mL)添加とSOD無添加を用意しその差から計算された(Steffenら、2008)。
結果:
MTD及びTMOQのO ・−生産は、サンプル未処理のコントロールに対して、95.94±0.39及び84.23±0.52%であった。結果を図8に示す。
実 施 例 9
活性酸素種(ROS)及び一酸化窒素(NO)生成阻害試験:
(1)細胞として、3T3−L1細胞(アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクション(ATCC)から入手)を用い、これを、2%のグルタミンと、10(v/v)%のウシ胎児血清(CS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、コンフルエントになるまで培養した。コンフルエンシーに達した2日後に、細胞は、さらに2日間、10%FBS、0.5mM3−イソブチル−1−メトキシキサンチン(IBMX)、1μMデキサメサゾンおよび10μMインシュリンを含むDMEM培地中で培養し脂肪細胞に分化するように刺激された。細胞は、それから更に、2日間、10%FBSと10μg/mLインシュリンを含むDMEM中で維持され、更に4日間、10%FBSのみを含むDMEMで培養された。
この結果、細胞の90%以上は、脂質滴が蓄積された3T3−L1脂肪細胞に分化していた。分化した3T3−L1細胞は、異なった濃度の試験化合物で処理され、試験中を通して5%のCOを含む加湿されたインキュベーター中で、37℃に維持した。
(2)3T3−L1細胞生存性
細胞生存率を、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイにより測定した。3T3−L1前脂肪細胞を96ウェルプレートに1×10細胞/ウェルの密度で播種し、培養培地中で培養した。次いで、細胞を100又は250μg/mLの濃度の試験化合物により処理した。72時間後、暗所にて細胞を37℃で4時間MTT溶液でインキュベートした。上清を吸引し、ジメチルスルホキシド(DMSO)を各ウェルに添加し、プレートを撹拌してホルマザン結晶生成物を溶解させた。マイクロプレート分光光度計(Bio-Rad Laboratories, Inc.)を用いて570nmにおける吸光度を測定した。未処理の場合を100%として、細胞生存率を求めた。結果を図9に示す。
(3)細胞内活性酸素種(ROS)測定
細胞を96ウェルプレートに2×10細胞/mLの密度で播種し、上記と同様にしてコンフルエントまで培養し、分化させた。ROS生成は、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)アッセイによって検出した(Oliveira, H.R.; Verlengia, R.; Carvalho, C.R.; Britto L.R.; Curi, R.; Carpinelli, A.R. Pancreatic β-cells express phagocyte-like NAD(P)H oxidase. J. Diabetes. 2003, 52, 1457-1463.)。NBTは、ROSにより還元され、ホルマザンと呼ばれる暗青色で不溶性形態になる。分化後、細胞を10又は20μg/mLの濃度の試験化合物とともに24時間インキュベートした。次いで、細胞を0.2%NBT含有PBS100μL中で90分間インキュベートした。暗青色のホルマザンを50%酢酸に溶解し、570nmにおける吸光度を測定した。結果を図10に示す。
(4)細胞内一酸化窒素(NO)生成測定
上記と同様にして、細胞を96ウェルプレートに播種し、分化させた。亜硝酸塩生成(NO)アッセイを用いて測定した( Fang, X.K.; Gao, J.; Zhu, D.N. Kaempferol and quercetin isolated from Euonymus alatus improve glucose uptake of 3T3-L1 cells without adipogenesis activity. J. Life Sci. 2008, 82, 615-622.)。細胞を10又は20μg/mLの濃度の試験化合物とともに24時間インキュベートした。上清(100μL)及びグリース試薬(100μL、1%スルファニルアミドと0.1%ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩含有5%リン酸の1:1混合物(v/v))を、96ウェルプレート中で混合し、室温で10分間インキュベートした。マイクロプレート分光光度計を用いて540nmにおける吸光度を測定し、亜硝酸ナトリウムで作成した標準曲線により亜硝酸塩濃度を推定した。結果を図11に示す。
結果:
MTD及びTMOQは、脂肪細胞におけるROS生成を強く阻害した。濃度20μg/mLにおける阻害率は、MTDが59.5±1.90%,TMOQは52.5±1.10%であった。またNO生成も有意に抑制し、NO生成量は、MTDにより71.1±0.81%、TMOQにより57.7±0.58%に減少した。一方、MTD及びTMOQは、100μg/mLの濃度で3T3−L1細胞生存性に対してほとんど影響を示さず、250μg/mLでもわずかな生存率の低下しか認められなかった(MTD:6.9±2.49%、TMOQ:6.9±1.28%)。
実 施 例 10
メラニン生成抑制作用:
(1)マウスB16F10メラノーマ細胞(ATCCより入手)を、37℃にて、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(10.000U/100μg/mL)を加えたDMEM中で5%COの加湿雰囲気下で培養した。
(2)B16F10細胞生存性
細胞生存率はMTTアッセイを用いて測定した(Campos, P.M.; da Silva Horinouchi, C.D.; da Silveira Prudente, A.; Cechinel-Filho, V.; de Almeida Cabrini, D.; Otuki, M.F. Effect of a Garcinia gardneriana (Planchon and Triana) Zappi hydroalcoholic extract on melanogenesis in B16F10 melanoma cells. J. Ethnopharmacol. 2013, 148, 199-204.)。B16F10細胞を96ウェルプレートに7×10細胞/ウェルの密度で播種した。48時間培養後、細胞を100又は200μg/mLの濃度の試験化合物、又は500μMコウジ酸溶液で処理し、37℃でさらに48時間インキュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し、37℃、3時間MTT溶液(0.5mg/mL)でインキュベートした。培地を捨てて、エタノール200μLを添加した。マイクロプレート分光光度計(Bio-Rad Laboratories, Inc.)を用いて570nmにおける吸光度を測定した。結果を図12に示す。
(3)メラニン含有量測定
メラニン含有量はYoonらの方法に従って測定した(Yoon, N.Y.; Eom, T-K.; Kim, M-M.; Kim, S-K. Inhibitory effect of Phlorotannins isolated from Ecklonia cava on mushroom tyrosianse activity and melanin formation in mouse B16F10 melanoma cells. J. Agri. Food. Chem. 2009, 57, 4124-4129.)。すなわち、B16F10細胞を7×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。48時間培養後、細胞を20又は50μg/mLの試験化合物、又は500μMコウジ酸で処理した。1時間後、100μMイソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を加え、さらに37℃で48時間インキュベートした。細胞をリン酸緩衝液で2回洗浄し、次いで10%DMSOを含むNaOH(1N)100μLに溶解させた。サンプルを80℃で1時間インキュベートし、メラニンを可溶化するために混合した。混合ホモジネートの490nmにおける光学濃度を測定した。対照群において実験期間中に生成するメラニンの総量を100%とし、処置群における阻害率を計算した。結果を図13に示す。
(4)細胞内チロシナーゼ活性
Liらの方法を若干修正してチロシナーゼ活性を測定した(Li, X.; Guo, L.; Sun, Y.; Zhou, J.; Gu, Y.; Li Y. Baicalein inhibits melanogenesis through activation of the ERK signaling pathway. Inter. J. Mol. Med. 2010, 25, 923-927.)。B16F10細胞を96ウェルプレートに7×10細胞/ウェルの密度で播種した。48時間培養後、細胞を20又は50μg/mLの試験化合物、又は500μMコウジ酸で処理した。1時間後、100μM イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を加え、さらに37℃で48時間インキュベートした。次いで、細胞を氷冷リン酸緩衝液で洗浄し、1%トリトン−X(90μL/ウェル)含有リン酸緩衝液(pH6.8)で溶解した。プレートを−80℃で30分間凍結した。解凍、混合した後、1%L−DOPA 10μLを各ウェルに加えた。37℃、2時間インキュベーションした後、490nmにおける吸光度を測定した。結果を図14に示す。
結果:
3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)は、チロシナーゼを活性化する強力なメラニン生成刺激因子である。チロシナーゼはメラニン生成における重要かつ律速段階に関与する酵素であり、チロシンの水酸化により3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)を生成し、次にL−DOPAの酸化によりドーパキノンとなる。メラニン産生刺激因子であるIBMXの存在下、MTD及びTMOQのメラニン生成抑制作用を評価した。
B16F10メラノーマ細胞を、48時間IBMXの存在下MTD及びTMOQ(20又は50μg/mL)で処理したところ、図13に示されるように、いずれも有意にメラニン含有量を減少させた。50μg/mLでは、MTD、TMOQのメラニン生成抑制率はそれぞれ78.9±0.82%、58.7±8.89%であり、陽性対照であるコウジ酸(500μM、50.5±4.94%)よりも優れたメラニン生成抑制作用を示した。
MTD及びTMOQが細胞内チロシナーゼ活性を阻害するか否かを評価するために、B16F10メラノーマ細胞をMTD及びTMOQ(20又は50μg/mL)で48時間処理し、L−DOPAを加えてインキュベーションした。20μg/mLにおけるMTD、TMOQのチロシナーゼ阻害率は、それぞれ75.6±6.56%、46.2±2.59%であった。50μg/mLにおける阻害率は、MTDが82.5±5.81%、TMOQが61.2±0.34%であり、陽性対照であるコウジ酸(53.4±1.38%)よりも強い阻害活性を示した。一方、MTD及びTMOQは、B16F10メラノーマ細胞の生存性にほとんど影響を与えなかった。
本発明の新規化合物であるMTDやTMOQは、α‐グルコシダーゼ及びトリプシンの活性阻害剤や一酸化窒素生成阻害剤として利用可能である。また、ラジカル阻害剤及びLDL酸化阻害剤としても利用可能である。特に、同新規化合物を糖尿病、動脈硬化、肥満及びメタボリックシンドロームの治療又は予防を目的とした飲食品、医薬品及び医薬部外品等や美白化粧料等の有効成分として利用することも可能である。
従って、新たな医薬品等の開発に極めて有効なものである。
以 上

Claims (15)

  1. 次の式(I)又は(II)で表される化合物。
    Figure 0006520440
    Figure 0006520440
  2. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有するα‐グルコシダーゼ、トリプシン、キサンチンオキシダーゼ及びチロシナーゼからなる群より選ばれる酵素活性阻害剤。
  3. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する一酸化窒素生成阻害剤。
  4. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有するラジカル生成阻害剤。
  5. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有するLDL酸化阻害剤。
  6. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する抗肥満剤。
  7. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有するメラニン生成抑制剤。
  8. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する美白剤。
  9. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する糖尿病治療を目的として使用されることを特徴とする食品。
  10. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する糖尿病治療を目的として使用されることを特徴とする医薬品又は医薬部外品
  11. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する動脈硬化治療を目的として使用されることを特徴とする食品。
  12. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する動脈硬化治療を目的として使用されることを特徴とする医薬品又は医薬部外品
  13. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する肥満治療を目的として使用されることを特徴とする食品。
  14. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する肥満治療を目的として使用されることを特徴とする医薬品又は医薬部外品
  15. 請求項1記載の化合物を含有する化粧料。
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