本発明の請求項1に記載の発明は、
洗米水、精白米粒、空気の混合流体を流動させて洗米を行う洗米方法であって、
ノズルからの略水平方向への洗米水の噴射により負圧を生じる吸引室の上面部に形成した吸引開口から空気、精白米粒の両者を前記吸引室に吸引し、
前記吸引した空気を微細化させこの多数の微細化気泡、洗米水、精白米粒の混合流体として管体内を流動させて洗米を行うとともに、
洗米後の精白米粒、洗米水の混合流体から洗米水を分離した後、前記分離した洗米水中の浮遊物を除去した洗米水を前記ノズルから噴射して循環使用することを特徴とする洗米方法としたものである。
これにより、同一の吸引開口から空気と精白米粒を安定して吸引することができるとともに、多数の微細化気泡、洗米水、精白米粒の混合流体として管体内を流動させることで、精白米粒表面の糠成分を高速で確実に剥離させ、さらに砕米の発生を抑制することができる。さらに、洗米水を循環使用することで節水を図ることができる。したがって、効率的に安定した洗米を行うことができるものである。
本発明の請求項2に記載の発明は請求項1に記載の発明において、
捩じり方向が交互に異なる複数のスタティックエレメントユニットを有する管体内に混合流体を流動させることを特徴とする洗米方法としたものである。
これにより、混合体および混合流体を構成する洗米水、精白米粒、空気の各々が分割、反転、転換の作用を受けて、精白米粒、空気が管体内を流動する過程において洗米水中に均一に分散し、特に大量の空気の泡は次第に微細化し、この微細化気泡が精白米粒間に均一に存在する状態となり、さらに、精白米粒同士およびスタティックエレメントユニット、管体の壁面との衝突による衝撃をやわらげ、精白米粒割れ、欠け、砕米の発生を抑制することができる。したがって、効率的に安定した洗米を行うことができる。
本発明の請求項3に記載の発明は請求項1または2に記載の発明において、
洗米に使用していない清水を吸引室に供給して、空気、精白米粒、分離した洗米水、および前記清水の混合流体を吸引室から吐出させて流動させることを特徴とする洗米方法としたものである。
これにより、吸引室において精白米粒は先ず清水に接触する。この後清水に接触した精白米粒は高速で流動する循環使用の洗米水と混合する。したがって、供給する精白米粒の表面、割れ目等には先ず新鮮な清水が吸収され、分離した洗米水中に溶解した澱粉成分の精白米粒への吸収を抑制するとともに、さらに糠成分の剥離促進および再付着を抑制することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は請求項3に記載の発明において、
洗米後の精白米粒と洗米水の混合流体から分離した洗米水を貯水槽に所定水位に貯水するとともに、
前記貯水槽において循環使用する洗米水に供給した清水量に相当する浮遊物を含む洗米水の一部を溢れ水として排水し、浮遊物を除去した洗米水を前記貯水槽から吸引して洗米に循環使用することを特徴とする洗米方法としたものである。
これにより、浮遊物を洗米水から効率的に安定して除去するとともに、全体構成の簡素化を図ることができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、
洗米水、精白米粒、空気の混合流体を流動させて洗米を行う洗米装置であって、
ポンプにより加圧した洗米水を略水平方向に噴射するノズルと、
前記ノズルと略同軸状であって下流側に位置するディフィーザと、
前記ノズルとディフィーザ間に洗米水の噴射により負圧を生じる吸引室と、
前記吸引室の上面部に形成した吸引開口と、を有したエジェクター駆動部と、
内部に捩じり方向が交互に異なる複数のスタティックエレメントユニットを有する管体と、
洗米後の精白米粒、洗米水の混合流体から洗米水を分離する洗米水分離部と、
前記洗米水分離部で分離した洗米水を所定水位に貯水する貯水槽と、を備え、
前記吸引開口から空気、精白米粒の両者を前記吸引室に吸引し、前記吸引した空気を前記スタティックエレメントユニットで微細化させこの多数の微細化気泡、洗米水、精白米粒の混合流体として管体内を流動させて洗米を行うとともに、
前記貯水槽において洗米水中の浮遊物を除去し、この浮遊物を除去した洗米水を前記ポンプで前記ノズルから噴射して循環使用することを特徴とする洗米装置としたものである。
これにより、同一の吸引開口から空気と精白米粒を安定して吸引することができるとともに、多数の微細化気泡、洗米水、精白米粒の混合流体として管体内を流動させることで、精白米粒表面の糠成分を高速で確実に剥離させ、さらに砕米の発生を抑制することができる。さらに、洗米水を循環使用することで節水を図ることができる。したがって、効率的に安定した洗米を行うことができるものである。
本発明の請求項6に記載の発明は請求項5に記載の発明において、
洗米に使用していない清水の供給手段を備え、
前記清水を吸引室に供給して、空気、精白米粒、分離した洗米水、前記清水の混合流体を前記吸引室から吐出させることを特徴とする洗米装置としたものである。
これにより、吸引室において精白米粒は先ず清水に接触する。この後清水に接触した精白米粒は高速で流動する循環使用の洗米水と混合する。したがって、供給する精白米粒の表面、割れ目等には先ず新鮮な清水が吸収され、分離した洗米水中に溶解した澱粉成分の精白米粒への吸収を抑制するとともに、さらに糠成分の剥離促進および再付着を抑制することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は請求項6に記載の発明において、
貯水槽において、供給した清水量に相当する浮遊物を含む洗米水の一部を溢れ水として排水して浮遊物を除去することを特徴とする洗米装置としたものである。
これにより、浮遊物を洗米水から効率的に安定して除去するとともに、全体構成の簡素化を図ることができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、
請求項5〜7に記載の洗米装置の運転方法であって、
洗米水を貯水槽に所定水位まで貯水する洗米水の充填運転ステップと、
前記洗米水の充填運転ステップを実施後、ポンプを駆動して洗米水を前記貯水槽からエジェクター駆動部、スタティックエレメントユニットを有する管体、洗米水分離部へ流動させ、前記洗米水分離部から洗米水を前記貯水槽に流入させる洗米水の循環運転ステップと、
前記洗米水の循環運転ステップを実施後、前記エジェクター駆動部の吸引室に精白米粒を供給して洗米を行う洗米運転ステップと、を備えたことを特徴とする洗米装置の運転方法としたものである。
これにより、エジェクター駆動部、複数のスタティックエレメントユニットを有する管体、貯水槽、これらの経路等に洗米水が充填されるとともに、循環流動状態となり、この状態からエジェクター駆動部の吸引室に精白米粒を供給し、精白米粒をエジェクター駆動部の吸引室内にスムースに引き込むことができる。
このようにして、同一の吸引開口から空気と精白米粒を安定して吸引することができるとともに、多数の微細化気泡、洗米水、精白米粒の混合流体として管体内を流動させることで効率的に安定した洗米を行うことができるものである。
本発明の請求項9に記載の発明は請求項8に記載の発明において、
精白米粒の供給を停止した後、一定時間洗米水の循環運転ステップを実施することを特徴とする洗米装置の運転方法としたものである。
これによって、エジェクター駆動部の吸引室に精白米粒の供給を停止してもポンプの駆動を一定時間継続し、エジェクター駆動部、洗米部等の流動路に有る精白米粒は洗米水分離部へ完全に流動させることができる。
本発明の請求項10に記載の発明は請求項9に記載の発明において、
一定時間洗米水の循環運転ステップを実施した後、ポンプを停止し、洗米水を貯水槽の底部から排水することを特徴とする洗米装置の運転方法としたものである。
これにより、貯水槽内の洗米水、底部に溜まった沈降物を排出し、次回の洗米運転に備えることができる。
以下、本発明の一実施形態である一部前後工程を含む洗米システムについて図1〜図18を参照しながら説明する。
先ず、本発明の洗米システムの基本的な構成を、図1を参照して説明する。
本発明の一実施形態における洗米システムは、大きく分けて、(洗米システムの前工程であって)、洗米すべき精白米粒を所定量貯蔵するとともに精白米粒を洗米装置200側に一定量ずつ供給する精白米粒供給部100、精白米粒供給部100から供給された精白米粒の外部飛散を防止するガイド部300、洗米水を吸引、圧送するポンプ(洗米水圧送手段)500、ポンプ500で圧送される洗米水の噴射によるエジェクター作用により精白米粒供給部100から供給した精白米粒と空気を吸引して洗米水、精白米粒、空気の混合流体を吐出、流動させるエジェクター駆動部(吸引手段、吐出手段)400、エジェクター駆動部400から吐出した洗米水、精白米粒、空気の混合流体を流動させて洗米を行う洗米部600(洗米手段・糠分離手段)、洗米部600で洗米した後、精白米粒と洗米水の混合流体から洗米水を分離する洗米水分離部700、洗米水分離部700で分離した洗米水から浮遊物と沈降物を分離、除去する洗米水浄化部800を備えるものである。
なお、洗米水浄化部800、ポンプ500、エジェクター駆動部400、洗米部600、洗米水分離部700を順次接続し、さらに、洗米水分離部700と洗米水浄化部800を接続し洗米水の循環経路を構成しているものである。
さらに、前記洗米水分離部700で洗米水を分離した洗米後の精白米粒を浸漬水とともに貯蔵する浸漬タンク部900、浸漬タンク部900から貯蔵する精白米粒を所定量ずつ計量するとともに浸漬水を分離して例えば炊飯釜1200に落下供給する計量配米部1000を備えている。また、前記洗米システムの各要素および全体の運転を制御する制御部1300を備えているものである。
なお、炊飯釜1200に洗米後の精白米粒を供給した後、さらに炊飯水を加えて、炊飯釜1200を加熱し炊飯する炊飯装置(図示なし)により炊飯する。
なお、本発明の一実施形態における洗米システムの内、洗米装置200は、エジェクター駆動部400、ポンプ500、洗米部600、洗米水分離部700、洗米水浄化部800等により構成したものである。なお、洗米装置200の範囲はこれに限定されるものではない。
次に、図2を参照して精白米粒供給部100の構成を説明する。貯米タンク101に所定量の洗米すべき精白米粒を入れて貯米し、貯米タンク101内の精白米粒を駆動モータ102bで回転させる2個のバケット102aで受けて下部タンク103に落下させる流量調節弁102を有する。
上プーリ104と下プーリ105とに複数のバケット107を有する無端ベルト106を懸架し、上プーリ104はベルト111を介して駆動モータ110と連動させている。上プーリ104の近傍にはバケット107により下部タンク103内から所定量ずつ汲み出した精白米粒を吐出する吐出口108を有し、この吐出口108からパイプ109を介して精白米粒をガイド部300に落下供給する。
バケット107の容積、数、およびベルト111の回動速度等は、下部タンク103内に落下した精白米粒が下部タンク103内にほぼ滞留することなくバケット107により汲み出されるように構成されている。
例えば、ベルト111の回動速度を一定とした場合、駆動モータ102bの回転数を制御し、貯米タンク101から下部タンク103への精白米粒の供給量(落下量)を変えて各バケット107内に溜まって汲み出される量を増減させることによって、吐出口108からパイプ109を介してガイド部300に落下供給する精白米粒の供給量を増減させることができる。
すなわち、ガイド部300に落下供給する精白米粒の供給量を増加させるときは、駆動モータ102bの回転数を上げて下部タンク103への精白米粒の供給量(落下量)を増加させ、各バケット107内に溜まる精白米粒の量をより多くするものである。
なお、駆動モータ102bの回転数を制御することに駆動モータ110の回転数を制御してベルト111の回動速度を制御することを加えることによって、吐出口108からパイプ109を介してガイド部300に落下供給する精白米粒の供給量の増減幅をさらに大きくすることができる。
なお、本一実施形態においては、前記したような精白米粒供給部100としたが、精白米粒を所定量ずつ連続的に洗米装置に供給できるものであればよく、これに限定するものではない。例えば、貯米タンク101から精白米粒を流量調節弁で調節しながら落差により連続的に供給する構成、送米ポンプを用いる構成であってもよい。
次に、ガイド部300と、このガイド部300と一体的に連接したエジェクター駆動部400の基本的構成を図3〜図7を参照しながら説明する。
図3、図4において、ガイド部300は、精白米粒供給部100からパイプ109を介して供給した精白米粒を開口部302から受筒301の内に導入する導入ガイド303を有している。また、受筒301の内壁部に複数の清水ノズル304を設けており、この複数の清水ノズル304から供給された清水は受筒301の内壁部に沿って流下するようにしてある。図中のRは精白米粒を示す。
受筒301は断面が上方に拡大したホッパ形状とし、この受筒301内に導入ガイド303の下方開口が位置している。これによって、導入ガイド303の下方開口から大気開放状態で落下する精白米粒の外部への散乱、飛散を防止し、また、精白米粒を受けとどめる余裕容積を確保することができる。さらに、精白米粒供給部100の万一の停止時に、受筒301の開口部302から米袋等による手動供給を可能とし洗米を行うこともできる。
複数の清水ノズル304への清水は、上水道源(清水源)に接続した清水供給管305、弁306を介して供給する。受筒301の下部(下端部)は開口部を有し、エジェクター駆動部400の吸引開口404に連接しているものである。
エジェクター駆動部(吸引手段、吐出手段)400は、本体内に洗米水を略水平方向に噴出する吐出口401aを有するノズル401、このノズル401と同軸状にディフィーザ402を位置させ、ノズル401とディフィーザ402間に吸引室403を有してこれらを一体的に構成している。吸引室403に臨んだ吐出口401aからディフィーザ402内に向かって洗米水を吐出させ噴射水流401bを形成する。なお、ディフィーザ402は途中の径を細くしないパイプ状であってもよい。
吸引室403の上面部には吸引開口404を構成し、この吸引開口404にガイド部300の受筒301の下部の開口部を連接している。図4から分かるように吸引開口404は、略四角形状としてこれと同形状の受筒301の下部の開口部を連接している。なお、吸引開口404は、略四角形状としたが、これに限定するものではなく例えば円形状としてもよい。
また、吸引室403の下部には排出口405を構成し、この排出口405に弁406を有するパイプ407を連設している。
エジェクター駆動部400のノズル401の吐出口401aの上流側にはパイプ1101が接続され、ポンプ500より洗米水を供給する。また、エジェクター駆動部400のディフィーザ402の出口側は洗米部600にパイプ1102を介して接続されている。
また、吐出口401a、吐出口401a側のノズル401の先端部分の位置は吸引室403内に突出して臨んでいる。
導入ガイド303の下方開口(下方端部)はエジェクター駆動部400の吸引開口404に略同心状に配置し接続している。
なお、導入ガイド303の下方開口(下方端部)はエジェクター駆動部400の吸引開口404に略同心状に配置し、所定の間隔を設けて接続したが、この受筒301を無くし、導入ガイド303の下方開口(下方端部)をエジェクター駆動部400の吸引開口404に近接して配置、または直接接続してもよい。この場合には構成をより簡素化することができる。この構成においては清水ノズル304を導入ガイド303内に臨ませ、清水を導入ガイド303の内壁に沿って流下させる。
また、導入ガイド303の断面を丸形状とし、受筒301、吸引開口404の断面は四角形状としたが、これらいずれの構成部材は四角形状、丸形状であってもよい。また、開口部302には着脱自在な蓋を設けてもよい。
次に、図5にガイド部300、エジェクター駆動部400の別実施形態の構成を示す。図3に示す構成と異なるところは、エジェクター駆動部400の吸引開口404に空気を吸引させて供給する複数のパイプ307を備えたところである。パイプ307の下端部は吸引開口404に臨んで開口し、上端部は大気開放されている。
また、図6にガイド部300、エジェクター駆動部400の別実施形態の構成を示す。図3に示す構成と異なるところは、エジェクター駆動部400の吸引開口404に空気を吸引させて供給するガイド部300の略中央部に位置させたパイプ308を備えたところである。パイプ308の下端部は吸引開口404に臨んで開口し、上端部は大気に開放されている。
次に、図7にガイド部300、エジェクター駆動部400の別実施形態の構成を示す。図3に示す構成と異なるところは、エジェクター駆動部400の吸引開口404に受筒301内を介して空気を供給するファン309(気体供給手段)を備えたところである。受筒301の開口部302に蓋311を有し、ファン309からパイプ310を介して受筒301内に空気を供給し吸引開口404部分を陽圧状態とするものである。
次に、精白米粒表面の糠成分等を除去して洗米を行う洗米部600の基本構成を図8〜図16を参照しながら説明する。
洗米部600は、図8、図9に示すように、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を互いに着脱自在に直列的に連設してある。さらに、この連設した洗米部600の両端部は支持部材617、623にバンド616、622で固定した接続管614、618に着脱自在に連設したものである。
図8は、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を連設した洗米部600の両端部を接続管614、618に連設した状態を示し、図9は、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を連設した洗米部600の両端部を接続管614、618から離脱させた状態を示す。
なお、接続管614、618は、機体621に固定された支持部材617、623にバンド616、622により固定されている。
第1洗米ユニット601には、管体602の内部にスタティックエレメントユニット603を挿入し、第2洗米ユニット606には、管体607の内部にスタティックエレメントユニット608を挿入したものである。
スタティックエレメントユニット603、608の各々は、板状体をなめらかな曲面状に捩じり加工した複数のエレメントを連設して一体的に構成したもので、前記複数のエレメントの内の一部を拡大したものを図10に示す。
図10(a)(b)(c)にスタティックエレメントユニット603、608の一部を示す。エレメント603L、608Lは、一つの板状体を直線状の両端面が同方向となるようにして左方向に180度捩じり加工し、エレメント603R、608Rは、一つの板状体を直線状の両端面が同方向となるようにして右方向に180度捩じり加工したものである。
隣り合うエレメント603Lとエレメント603Rの直線状の端面は互いに略直交する方向に溶接等により交互に順次連結固定してスタティックエレメントユニット603を構成し、さらに、隣り合うエレメント608Lとエレメント608Rの直線状の端面は互いに略直交する方向に交互に配置し溶接等により順次連結固定してスタティックエレメントユニット608を構成したものである。
このように、左右方向に捩じり(捩じれ)方向が異なるエレメントを順次複数連結固定してスタティックエレメントユニット603、608を構成したものである。
図11(a)、図12(a)は、スタティックエレメントユニット603、608を管体602、607に挿入前の状態、図11(b)、図12(b)は、スタティックエレメントユニット603、608を管体602、607に挿入途中の状態、図11(c)、図12(c)は、スタティックエレメントユニット603、608を管体602、607に挿入完了の状態を示す。
本一実施形態における一例としてのスタティックエレメントユニット603は、図11に示すように、7個のエレメントを有し、流体の入口側(図11の右側)にエレメント603Rを位置させ、以降エレメント603Lとエレメント603Rを交互に配置し、出口側にエレメント603Rを位置させたもので、エレメント603Rを4個、エレメント603Lを3個用いたものである。
また、スタティックエレメントユニット608は、図12に示すように、7個のエレメントを有し、流体の入口側(図12の右側)にエレメント608Lを位置させ、以降エレメント608Rとエレメント608Lを交互に配置し、出口側にエレメント608Lを位置させたもので、エレメント608Rを3個、エレメント608Lを4個用いたものである。
スタティックエレメントユニット603を管体602に挿入して第1洗米ユニット601、スタティックエレメントユニット608を管体607に挿入して第2洗米ユニット606を構成する。さらに、第1洗米ユニット601の出口側と第2洗米ユニット606の入口側を連通接続し、洗米部600を構成するものである。
第1洗米ユニット601の出口側にはエレメント603Rを位置させ、第2洗米ユニット606の入口側にエレメント608Lを位置させ、かつ、エレメント603Rとエレメント608Lの直線状の端面は互いに略直交する方向に配置して第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を接続する。
図13(a)(b)に、管体602、607に各々スタティックエレメントユニット603、608を挿入後、管体602、607の入口側に各々スタティックエレメントユニット603、608を位置決めして係止する構成を示す。
図13(b)に示すように、第1洗米ユニット601の入口側(接続管614側)の管体602の端部に係止部604を設け、さらに、係止部604には円周状に溝604aと二か所の凹部604bを形成している。また、第2洗米ユニット606の入口側(第1洗米ユニット601の出口側)の管体607の端部に係止部609を設け、さらに、係止部609には円周状に溝609aと二か所の凹部609bを形成している。
また、図13(b)に示すように、第1洗米ユニット601の出口側(第2洗米ユニット606の入口側)の管体602の端部に係止部605を設け、さらに、係止部605には円周状に溝605aを形成している。第2洗米ユニット606の出口側(接続管618側)の管体607の端部に係止部610を設け、さらに、係止部610には円周状に溝610aを形成している。
図13(a)に示すように、第1洗米ユニット601の入口側(接続管614側)に位置するエレメント603Rの端部に突出部603Tを形成し、また、第2洗米ユニット606の入口側(第1洗米ユニット601の出口側)に位置するエレメント608Lの端部に突出部608Tを形成している。
第1洗米ユニット601のエレメント603Rの端部に形成した突出部603Tを管体602の端部の係止部604に形成した凹部604bに嵌めて、スタティックエレメントユニット603全体の円周方向、および管長方向の位置決めをするようになっている。
また、第2洗米ユニット606のエレメント608Lの端部に形成した突出部608Tを管体607の端部の係止部609に形成した凹部609bに嵌めて、スタティックエレメントユニット608全体の円周方向、および管長方向の位置決めをするようになっている。
前記した図11(c)、図12(c)に示す状態は、スタティックエレメントユニット603、608を管体602、607に各々挿入して第1洗米ユニット601、第2洗米ユニット606の組立を行った状態を示す。
次に、第1洗米ユニット601、第2洗米ユニット606との着脱自在な連結、および第1洗米ユニット601と接続管614、第2洗米ユニット606と接続管618との着脱自在な連結構成を、図14、図15、図16を参照して説明する。
先ず、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606との間にシールリング611を位置させ、このシールリング611を係止部605の溝605aと、係止部609の溝609aで挟持する。この後重なりあった係止部605と係止部609の両者を挟んでホルダー612で固定する。これによって、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を一体のユニットとして洗米部600を構成する。
ホルダー612は、図16(a)にホルダー612の外観平面図、図16(b)に外観側面図を示す。半割状にした挟持部材612a、612bを連結部材612cで回動自在に固定している、連結部材612cの反対側は挟持部材612a、612bを締め付ける蝶ナット612d有し、挟持部材612a、612b間に係止部605と係止部609の両者を挟んで蝶ナット612dにより工具を使用することなく着脱自在に固定するものである。なお、ホルダー612は汎用的なものを用いることができる。
なお、前記したように、第1洗米ユニット601の出口側にはエレメント603Rを位置させ、第2洗米ユニット606の入口側にエレメント608Lを位置させ、かつ、エレメント603Rとエレメント608Lの直線状の端面は互いに略直交する方向に配置して第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を接続するようにしたが、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606の円周方向の位置決めの方法として、例えば、管体602と管体607に位置決めのラインを表示して目視にて合わせる方法、管体602と管体607の接続側に凹凸を形成してこれらを嵌合させる等の方法により、エレメント603Rとエレメント608Lの直線状の端面を互いに略直交する方向に配置して接続、固定することができる。
第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606を一体のユニットとした後、図14(b)、(c)に示すように、シールリング613、620を第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606のユニットの両端の係止部604、610と接続管614、618間に各々挟持して前記したホルダー612を用いて着脱自在に固定するものである。
なお、第1洗米ユニット601と第2洗米ユニット606、接続管614、618等は、材質をステンレスとしたサニタリー配管で構成している。
接続管614は、パイプ1102を介してエジェクター駆動部400側に接続し、また接続管618はパイプ1103を介して洗米水分離部700側に接続している。
なお、エジェクター駆動部400側と洗米部600とはパイプ1102を介在させないで直接接続する構成であってもよい。この場合には、構成をより簡素化することができる。また、洗米部600は管体602、607を略水平方向に設置したが傾斜、または略鉛直方向に設置してもよい。洗米装置全体のコンパクト化、メンテナンス性等から洗米部600は管体602、607を略水平方向に設置することが好ましい。
次に、洗米水分離部700の基本構成を、図1を参照して説明する。洗米水分離部700は、洗米部600からパイプ1103を介して流動してくる洗米後の精白米粒、洗米水の混合流体から精白米粒と洗米水に分離するものである。洗米水分離部700に設置した所定メッシュ網、または小孔群からなる傾斜板701上に精白米粒、洗米水の混合流体を供給する。
この傾斜板701を下方に通過して分離した洗米水はパイプ1104を介して洗米水浄化部800へ流動し、傾斜板701を通過できなかった精白米粒はこの傾斜板701上を流動落下しパイプ1106を介して浸漬タンク部900に流動する。傾斜板701を通過して分離した洗米水には、糠成分、少量ではあるが炊飯に供する精白米粒よりもごく小さい粒の砕米を含んで分離される。また、精白米粒、洗米水の混合流体に含まれる空気は傾斜板701上で大気に放出される。
なお、洗米水分離部700の基本構成は一例であって前記した手段に限定されず、他の手段であってもよい。例えば、回転遠心分離機を用いてもよい。また、傾斜板701上に清水を供給してもよい。
次に、図17、図18を参照して洗米水浄化部800の構成を説明する。洗米水浄化部800は、洗米水分離部700を通過して洗米後の精白米粒と分離した洗米水に含まれる浮遊物と沈降物を分離して浄化するものである。この浄化した洗米水をポンプ500により吸引し再びエジェクター駆動部400へ吐出させて洗米に循環使用する。
洗米水分離部700で分離した洗米水は、パイプ1104を介して第1貯水槽801内に流入し所定量を貯水される。第1貯水槽801内には、上方に拡大形状とし、上部開口803を有する排水ホッパ802を位置させ、排水ホッパ802の下部は排水管804に連通させている。溢れ水の入口となる上部開口803の外周部と第1貯水槽801の内壁とには小間隙802aを全周に亘って形成している。第1貯水槽801の下部には弁806を有する排水管805を設けている。
第1貯水槽801内に洗米水が流入するパイプ1104の開口は、上部開口803と第1貯水槽801の底部との略中間の高さ、すなわち、第1の貯水槽801の貯水水位の略中間高さに位置させている。
洗米水の所定量を貯水する第2貯水槽809は、溢れ水の入口となる上部開口811から排水する排水管810、第2貯水槽809の下部には弁813を有する排水管812を設けている。
第1貯水槽801と第2貯水槽809とは、連通管(連通路)807で連通し、流量調節弁808(流量調節手段、流量設定手段)を介して第1貯水槽801から第2貯水槽809へ流動する洗米水の流量を調節する。
また、第1貯水槽801側に位置する連通管807の開口部には流動規制板807aを設けている。これによって、パイプ1104の開口から第1貯水槽801内に流入する洗米水が直進して直接第1貯水槽801から第2貯水槽809に流出することを防止する。
なお、流量調節弁808は、連通管807の途中に設けた構成としたが、第1貯水槽801側に位置する連通管807の開口部、第2貯水槽809側に位置する連通管807の開口部のいずれか、または両者に流量設定手段を設けるようにしてもよい。この場合の流量設定手段は、弁を用いてもよいし、連通管807の開口部の開となる通路面積を変える(流路抵抗を変える)機構を用いて構成することができる。
連通管807の第1貯水槽801への接続位置は、上部開口803と第1貯水槽801の底部との略中間の高さ、すなわち、第1の貯水槽801の貯水水位の略中間高さに位置させている。したがって、第1貯水槽801内に洗米水が流入するパイプ1104の開口位置(接続高さ)と連通管807の第1貯水槽801への接続位置は対向して略同一高さに位置させている。
さらに、連通管807の第2貯水槽809への開口位置(接続位置)は、第2貯水槽809の底部と上部開口811との略中間の高さ、すなわち、第1の貯水槽801の貯水水位の略中間高さに位置させている。
第2貯水槽809には、フロート814aを有するフロート流量弁814(流量調節手段)を備え、フロート流量弁814には弁815を有する清水供給管816を接続している。また、第2貯水槽809内の洗米水を通過させるフィルター817を有し、フィルター817を介してポンプ500に洗米水を吸引しエジェクター駆動部400に吐出させる。
また、図17、図18において、H1、H2、H3は洗米水の水位を示し、Hd1はH2とH1との水位差(落差)、Hd2はH3とH2との水位差(落差)を示す。Hd3は水位H1と第1貯水槽801側に位置する連通管807の開口部との高低差を示し、Q1〜Q10は、各々の実線矢印で示す部位における洗米水の流量を示す。
水位H1は、排水管810の上部開口811の上端と略同一位置を示す。この水位H1においては、上部開口811から第2貯水槽809内の洗米水が溢れ水として流出し始める状態である。フロート流量弁814からの洗米水(清水)の供給は、水位H1よりも僅かに下方に位置する水位で停止するように設定する。
また、水位H2は、排水ホッパ802の上部開口803の上端と略同一位置を示す。この水位H2においては、上部開口803から第1貯水槽801内の洗米水が溢れ水として流出し始める状態である。
さらに、第1貯水槽801内に洗米水が流入するパイプ1104の開口位置(接続位置)、および連通管807の第1貯水槽801への開口位置(接続位置)は、水位H1よりも低い位置に設定されている。
特に、水位H1と第1貯水槽801側に位置する連通管807の開口部との高低差Hd3は、後述する洗米運転中にポンプ500の駆動が一時停止する状態において、第1貯水槽801、第2貯水槽809の洗米水の水位がH1のとき、または第1貯水槽801の洗米水の水位がH2からH1に下がる状態があり、このときに第1貯水槽801の洗米水の水面近傍の糠成分等の浮遊物を含む洗米水が、第1貯水槽801から第2貯水槽809に流出(移動)することを阻止するためのものである。これによって、第2貯水槽809の洗米水の糠成分等の増加を防止することができる。
また、連通管807の第1貯水槽801への開口位置(接続位置)よりも、連通管807の第2貯水槽809への開口位置(接続位置)を低い位置に設定されている。これによって、洗米水を連通管807に滞留することなくスムースに第1貯水槽801から第2貯水槽809に流動させることができる。
このように、各々の水位差Hd2、Hd1の落差圧により、パイプ1104内から第1貯水槽801内に、さらに第1貯水槽801内から第2貯水槽809洗米水が流動するものである。
また、エジェクター駆動部400は水位H1より低い位置に、さらにポンプ500はエジェクター駆動部400より低い位置になるように構成している。
また、ポンプ500の洗米水の吸引位置は第2貯水槽809内の下方部に位置している。なお、エジェクター駆動部400とポンプ500間の流路に精白米粒を通さないフィルター(図示なし)を設けてもよい。これにより、精白米粒のポンプ500への逆流を防止することができる。
なお、各図の実線矢印は、その箇所における流れ方向を示す。また、図18には空気混入による洗米水中に発生する気泡Kを示す。
なお、第1貯水槽801、第2貯水槽809は、四角形状としたが丸形状であってもよい。また、一つの貯水槽として内部を区画壁にて仕切って第1貯水槽801、第2貯水槽809を構成し、区画壁部に流量調節機能を備える構成であってもよく、この場合には構成をより簡素化することができる。
なお、第1貯水槽801、第2貯水槽809には、内部を大気開放状態として開閉自在または着脱自在の蓋(図示なし)を設けてもよい。
次に、図1を参照しながら、洗米水分離部700で洗米水を分離した洗米後の精白米粒を浸漬水に浸して所定量貯蔵する浸漬タンク部900、浸漬タンク部900から貯蔵する精白米粒を所定量ずつ計量するとともに浸漬水を分離して例えば炊飯釜1200に落下供給する計量配米部1000の基本構成を説明する。
浸漬タンク部900には、浸漬水として弁902を介して清水供給管901から清水を供給する。この清水はフロート流量弁902aを介して供給し、浸漬タンク部900内の水位を略一定に保持する。
また、湿潤した精白米粒の計量配米部1000への落下をスムースにするため、弁904を介して清水供給管903から浸漬タンク部900の中間部の高さ位置から清水を供給する。
また、浸漬タンク部900には、制御部1300に接続された貯米量検出手段905を設け、洗米後の精白米粒の貯米レベルを検出するものである。この貯米量検出手段905により、浸漬タンク部900内の貯米量が所定量(ほぼ満量)に達したとき、精白米粒供給部100を制御して精白米粒の供給を停止させる。さらに、浸漬タンク部900内の貯米量が所定量以下に減少したとき、精白米粒供給部100を制御して精白米粒の供給を開始するものである。
このようにして、浸漬タンク部900内に洗米後の精白米粒を所定量貯米して一定の浸漬時間を確保し、精白米粒を浸漬タンク部900下部から計量配米部1000を経て所定量ずつ炊飯釜1200に順次落下させ炊飯に供するものである。
なお、この貯米量検出手段905は浸漬タンク部900の上下方向に複数設けてもよい。この場合には、浸漬タンク部900内の精白米粒の貯米量の減少量、減少速度等を検出することができる。これにより、精白米粒供給部100による洗米すべき精白米粒の供給有無、供給量等をよりきめ細かく制御し、均一な浸漬時間の確保、安定した炊飯を行うことができる。
貯米量検出手段905としては、例えば空気中、洗米水中では羽根が自由に回動し、固形物である貯米された精白米粒に接触すると羽根の回動が規制される作用を利用し電気的信号を検出するものを用いることができる。なお、これに限らず貯米量を検出できるものであればよい。
浸漬タンク部900内で精白米粒は浸漬水と所定時間接触して湿潤し、この湿潤した精白米粒と浸漬水を浸漬タンク部900の下部から計量配米部1000へ順次落下移動させる。弁1001を所定時間ごとに開として炊飯釜1200での炊飯量に対応した精白米粒の量を水分離容器1002に落下させる。
水分離容器1002に有する小孔から浸漬水を分離し、パイプ1004を介して排水するとともに、水分離容器1002で浸漬水を分離した精白米粒はシャッター1003を開として炊飯釜1200に落下させる。
以降、炊飯釜1200内の精白米粒に炊飯水を加えた後、炊飯装置(図示なし)にて加熱炊飯されるものである。
図1に示す制御部1300は、洗米システムの主な要素系(制御対象)と接続して、基本的な運転動作、操作、表示等の制御を行うものである。
次に、本発明の一実施形態における洗米運転の基本的な動作を順次説明する。
先ず、図1、図17を参照して、精白米粒を供給して洗米運転を行う前の運転ステップとなる洗米水浄化部800(洗米水浄化手段)を構成する第1貯水槽801と第2貯水槽809へ洗米水(清水)を供給する洗米水の充填運転ステップの動作を説明する。
弁815を開として上水道源(清水源)に連結した清水供給管816、フロート流量弁814を介して第2貯水槽809内へ洗米水を供給する。このときフロート814aは洗米水による浮力を受けず下降した状態にあり、フロート流量弁814の流路は開となっていることによって、第2貯水槽809内へ洗米水が流れ込む(最大供給量:Q1)。
これによって、排水管810の上部開口811から水位がH1より僅かに下方レベルに達するとフロート814aの上昇によりフロート流量弁814の流路は閉となり洗米水の供給が停止する。したがって第2貯水槽809内での洗米水の水位は、上部開口811から流出しないH1より僅かに下方レベルとなって貯水される。
第2貯水槽809内に洗米水が貯水される過程において、開となっている流量調節弁808、連通管807を介して第2貯水槽809内から第1貯水槽801内に洗米水が流れ、第2貯水槽809内の洗米水の水位と同じとなって貯水される。
また、第2貯水槽809内に洗米水が貯水される過程において、フィルター817、駆動が停止しているポンプ500、パイプ1101を介して第2貯水槽809内からエジェクター駆動部400のノズル401、ディフィーザ402、吸引室403、受筒301内の下方部にも洗米水が流れ、第1貯水槽801、第2貯水槽809内の洗米水の水位と同じとなって貯水される。
なお、洗米水(清水)の充填運転ステップにおいて、第1貯水槽801と第2貯水槽809内へ洗米水を供給するときは、弁806、813、406は閉としてある。また、ポンプ500、精白米粒供給部100は停止させている。
また、洗米水(清水)の充填運転ステップにおける第1貯水槽801、第2貯水槽809、エジェクター駆動部400への設定水位への到達の確認は、フロート流量弁814からの洗米水の必要な供給時間を予め把握しておくこと、または目視により確認できる。
なお、設定水位への到達の確認は、第2貯水槽809、または第2貯水槽809内の洗米水(清水)の水位を検出する水位検出手段(図示なし)を設け、水位検出手段からの信号により報知するか、全体の運転制御を行うようにしてもよい。
また、洗米水(清水)の供給および水位を調節するために、フロート流量弁814を用いた例として説明したが、その他の手段として例えば、電気駆動の弁815とし、かつ第2貯水槽809、または第1貯水槽801内の洗米水(清水)の水位を検出する水位検出手段(図示なし)を設け、この水位検出手段からの信号により電気駆動の弁815の開閉制御または流量調節制御を行い、水位を調節するようにしてもよい。
なお、洗米水(清水)の充填運転ステップの所要時間は例えば2〜3分であり短時間で実施することができる。
なお、洗米水浄化部800への洗米水(清水)の充填運転ステップにおいて、洗米水(清水)の供給有無を制御する弁815を手動開閉弁として手動で開閉させてもよいし、弁815を例えば電気駆動開閉弁として制御部1300を介した操作スイッチ等で行ってもよい。
次に、前記洗米水の充填運転ステップを経た後に実施する洗米水の循環運転ステップの動作を説明する。なお、この動作ステップにおいては、まだ精白米粒供給部100は停止させている。
先ず、ポンプ500を駆動させるとともに、弁306を開として複数の清水ノズル304から清水を供給する動作を行う。
ポンプ500を駆動させることによって、第2貯水槽809内の洗米水を、フィルター817を介して吸引し、パイプ1101を通じてエジェクター駆動部400のノズル401の吐出口401aから高速で吐出させ噴射水流(噴射水束)401bを形成し吸引室403を介してディフィーザ402に流れる。
また、ポンプ500を駆動させると、第1貯水槽801、第2貯水槽809内の洗米水の水位は一時的に下がるが、フロート814aが下降しフロート流量弁814から洗米水が直ちに補給される。H1の水位より僅か下方近傍にほぼ維持される。
なお、フロート流量弁814からの洗米水(清水)最大供給量Q1は、ポンプ500による吸引、吐出量(Q2)よりも多くなるように設定されているものである。
また、弁306を開とすることによって、清水供給管305、複数の清水ノズル304から清水を受筒301の内壁を流下させ吸引室403に供給する(Q3)。
吸引室403、受筒301内の下方部にある洗米水、および複数の清水ノズル304から供給した清水は、エジェクター駆動部400の負圧発生作用によって、ノズル401の吐出口401aから高速で吐出させた噴射水流401bの洗米水とともにディフィーザ402からパイプ1102を通じて洗米部600に流動する。
このとき、パイプ1102を通じて洗米部600に流れる洗米水の量は、ポンプ500による吐出量(Q2、吸引量)に複数の清水ノズル304から清水を受筒301の内壁を流下させ吸引室403に供給する量(Q3)が加わり増量(Q4=Q2+Q3)されて流動する。
さらに、エジェクター駆動部400の負圧発生作用によって、吸引開口404から吸引室403に大量の空気を吸引し、洗米水と空気の混合流体として洗米部600へ流動する。また、洗米部600へは、洗米水の流動量Q4に吸引した空気量も加わって、全体の流量が増した洗米水と空気の混合流体(Q4+吸引空気量)として洗米部600へ流動する。
このとき、ノズル401の吐出口401aから高速で吐出させた噴射水流401bによる吸引室403での負圧発生作用により、吸引開口404から吸引室403に吸引されて下降する空気流が形成される。
また、噴射水流401bの周囲には、この下降する空気流が噴射水流401bに誘導されながら噴射水流401bの外周とディフィーザ402内周の間隔に引き込まれる。
吸引開口404から吸引室403へは吸引され流動する空気流が常に形成されており、さらに吸引開口404の開口面積を大きく設定できることから空気の吸引抵抗が極めて少なく、噴射水流401bの外周とディフィーザ402内周の間隔に容易に引き込まれる。
吸引開口404から吸引室403、さらに噴射水流401bの外周とディフィーザ402内周の間隔に亘って空気流が常に形成されていることになる。したがって、エジェクター駆動部400において、大量の空気を吸引することができる。
従来のように、停止時、逆流時に精白米粒が通過できないようにするため小径のパイプ、微小間隙を介して空気を吸引する構成、および予め精白米粒と洗米水を混合しこれを吸引する手段に比べ、本実施形態においては、大量の空気を、かつ安定して吸引することができる。
洗米水、空気の混合流体は、洗米部600の第1洗米ユニット601、第2洗米ユニット606の各々のスタティックエレメントユニット603、608を有する管体602、607を連続して流動する。スタティックエレメントユニット603、608の一部を示す図10(a)(b)(c)を参照して、洗米水、空気の混合流体の管体602、607内での流動状態を説明する。
図10(a)は、スタティックエレメントユニット603、608による洗米水、空気の混合流体の分割作用を示す。矢印は分割流の方向を示す。なお、混合流体の分割は、各エレメントの先頭部分で行われ、分割数は2n乗(n:エレメント数)となる。なお、実施形態においては、スタティックエレメントユニット603、608を合計14個用いているので分割数は16384となる。
各エレメント603R、603L、608R、608Lの先頭の端面部分(直線部)で混合体の分割が行なわれ、分割された混合流体は、各エレメントの隔壁によりエレメント表側に分割移動した混合流体とエレメント裏側に分割移動した混合流体に遮断され、次の端面部分が直交連結する同一エレメントの端面でさらに各々が分割されると同時に、分割された混合体同士は、エレメントの直交により隔壁面がなくなる部分で混合流体同士が衝突し合い撹拌混合の作用を受ける。
この分割作用により混合流体中の空気の(気)泡は各エレメント603R、603L、608R、608Lの先頭の端面部分(直線部)を通過するごとに分割され、順次気泡径が微小になり大量の微細化気泡となる。
図10(b)は、スタティックエレメントユニット603、608による洗米水、空気の混合体の反転作用を示す。矢印は反転流の方向を示す。
捩じり方向が異なるエレメント603R、603L、608R、608Lを交互に直交連結することでエレメント数に等しい回数の反転作用を繰り返す。エレメント端面で分割された洗米水と空気の混合流体は、エレメントの捩じり面に沿って流動した後、次の捩じり方向が異なるエレメント端面に達し、さらに、分割され前とは逆向きとなる反転作用を受けながら進行方向に流動する。反転させることで管体602、607内では流動変動が起こり、混合流体中の洗米水は乱流状態となり、空気(微細化気泡)は急激な慣性の反転力を受け乱流状態の洗米水中に撹拌される。
図10(c)は、スタティックエレメントユニット603、608による洗米水、空気の混合流体の転換作用を示す。矢印は転換流の方向を示す。
混合流体は捩じり方向が異なる連結エレメントの捩じれ面に沿って流動方向が変化し、軸方向に螺旋しながら流動する。すなわち管体602、607内の壁部を流れる混合流体は中央部へ移動し、中央部を流れる混合流体は壁部へ移動する。混合体は、自転運動と公転運動からなる遊星運動を繰り返しながら軸方向に螺旋流動する。
この反転作用、転換作用により混合流体中の空気は、順次気泡径が微小になり大量の微細化気泡となるとともに、流動する洗米水中により均一に分散して存在する状態となる。
以上のように、エジェクター駆動部400においては吸引開口404に大量の空気を吸引することができ、この大量の空気は比較的大きな気泡(群)として洗米部600に流入するが前記した分割、反転、転換の単独作用および複合作用により、各エレメントを通過するごとに気泡径が微小になり、この多数の微細化気泡が洗米水中に均一に分散して管体602、607内を流動する状態となる。
さらに、洗米水と空気の混合流体は洗米部600からパイプ1103を介して洗米水分離部700へ流動し、洗米水と空気の混合体のうち洗米水は洗米水分離部700の傾斜板701を通過してパイプ1104を介して水位H1と水位H3との落差圧により第1貯水槽801に流入する(図18参照)。なお、混合流体の空気は傾斜板701部において大気へ放出される。
さらに、第1貯水槽801に流入した洗米水は、連通管807、流量調節弁808を介して第2貯水槽809内にも流入する。
洗米水分離部700からパイプ1104を介して第1貯水槽801に流入する洗米水の量(Q5)よりも、流量調節弁808によって連通管807を介して第2貯水槽809内に流入する洗米水の量(Q8)を少なく設定(Q5>Q8)してあるので、第1貯水槽801の洗米水の水位は上昇してH2レベルを越え、排水ホッパ802の上部開口803から排水管804を介して溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態となる。
第1貯水槽801の洗米水の水位は上昇してH2レベルを越え、排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態となっても、パイプ1104内の洗米水との落差Hd2の落差圧により第1貯水槽801への流入が継続する。
また、第1貯水槽801の洗米水の水位がH1から上部開口803から溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態となるH2へと変化すると、最大の落差Hd1へと変化し、この落差圧により第1貯水槽801から第2貯水槽809への流出量(Q8)が安定して流出しこれを継続する。
このとき、ポンプ500による吸引、吐出量(Q2)よりも第1貯水槽801から第2貯水槽809への流出量(Q8)を多く設定(Q8>Q2)してあるので、第2貯水槽809内の洗米水の水位はH1よりも上昇し、排水管810の上部開口811から溢れ水の量(Q9)として排水管810を介して溢れ出る状態となる。
また、このとき、フロート814aが上昇しフロート流量弁814からの洗米水(清水)の供給が停止する。さらに、フロート流量弁814からの洗米水(清水)の供給が停止していても、複数の清水ノズル304から洗米水(清水)の供給は継続している。
この複数の清水ノズル304からの洗米水(清水)の供給量(Q3)は、第1貯水槽801の上部開口803からの溢れ水の量(Q7)と第2貯水槽809の上部開口811からの溢れ水の量(Q9)との合計量にほぼ等しく(Q3=Q7+Q9)なる。
また、ポンプ500による吸引、吐出量(Q2)よりも第1貯水槽801から第2貯水槽809への流出量(Q8)を多く設定(Q8>Q2)してあるので、各々の水位が安定しこれを維持することができる。
なお、パイプ1104を介して洗米水分離部700に流動した洗米水のごく一部の量(Q6)は、パイプ1106を介して浸漬タンク部900に流れる。したがって、洗米水分離部700に流動した洗米水の量Q4からQ6を減じたものがパイプ1104を介して第1貯水槽801に流入する洗米水の量(Q5)となる。
第1貯水槽801に流入する洗米水の量(Q5)は、第1貯水槽801の上部開口803からの溢れ水の量(Q7)と、第2貯水槽809の上部開口811からの溢れ水の量(Q9)が確保できるように複数の清水ノズル304からの洗米水(清水)の供給量(Q3)に余裕を与えて設定する。
なお、浸漬タンク部900の浸漬水の水位が所定水位より上昇しているとき、洗米水分離部700から流動した洗米水のごく一部の量(Q6)が浸漬タンク部900内で余剰水となった場合は、パイプ1105からの流出量(Q10)としてパイプ1104に入り第1貯水槽801に流入する。
パイプ1105からの流出量(Q10)は、第1貯水槽801の上部開口803からの溢れ水の量(Q7)に加わって排水される。
洗米水分離部700の傾斜板701に有する所定メッシュ網、または小孔群が砕米等で多少目詰まりし浸漬タンク部900への洗米水が増加したとしても、この増加分はパイプ1105からの流出量(Q10)としてパイプ1104に入り流量Q5として第1貯水槽801に流入させることができる。
洗米水分離部700の傾斜板701に清水を供給した場合には、この清水供給量はパイプ1104に入り流量Q5として第1貯水槽801に流入し、第1貯水槽801の上部開口803からの溢れ水の量(Q7)に加わって排水される。
以上のように、前記洗米水の充填運転ステップを経た後に実施する洗米水の循環運転ステップによって、パイプ1101、エジェクター駆動部400、パイプ1102、洗米部600、パイプ1103、1104、第1貯水槽801と第2貯水槽809等に洗米水(清水)が充填された状態となり、かつ洗米水が第1貯水槽801と第2貯水槽809へリターンし各々所定の水位となって、第1貯水槽801の排水ホッパ802の上部開口803から排水管804を介して溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態となり、第2貯水槽809内の排水管810の上部開口811から溢れ水の量(Q9)として排水管810を介して溢れ出る状態となるとともに、ポンプ500からエジェクター駆動部400へと吐出する循環流動状態となる。
さらに、洗米水の循環運転ステップによって、エジェクター駆動部400で吸引した空気は、洗米部600において気泡径が微小になり、この多数の微細化気泡が流動する洗米水中に均一に分散して管体602、607内を流動する状態となる。
なお、洗米水の循環運転ステップの所要時間は例えば2〜3分であり短時間で実施することができる。
また、洗米水の循環運転ステップの完了の確認は、必要な供給時間を予め把握しておくこと、また、第1貯水槽801内の洗米水(清水)の水位を検出する水位検出手段(図示なし)を設け、水位検出手段からの信号により報知するか、全体の運転制御を行うようにしてもよい。また、排水管804、810からの溢れ水の流出開始を目視または検知装置により検知することもできる。
第1貯水槽801の上部開口803からの溢れ水の量(Q7)と第2貯水槽809の上部開口811からの溢れ水の量(Q9)の合計量は、ポンプ500の吐出量Q2に対して略10パーセントに設定し、さらに、溢れ水の量(Q7)と溢れ水の量(Q9)の比率は略8:2に設定している。なお、これらは一例であってこれに限定するものではない。
次に、洗米水の循環運転ステップの後に実施する洗米運転ステップの動作を説明する。なお、洗米運転ステップにおいては、炊飯米の必要総量に応じた精白米粒の供給総量が設定され、浸漬タンク900内の貯米量との関連から精白米粒の供給を制御しながら洗米を行うものである。
また、洗米運転ステップは、浸漬タンク900内に洗米後の精白米粒が満量となるまで洗米すべき精白米粒の供給を連続供給して洗米を行う初期洗米運転ステップと、浸漬タンク900内で所定時間(例えば少なくとも1時間以上)洗米後の精白米粒を浸漬させた後、炊飯開始による浸漬タンク900内の洗米後の精白米粒の減少に応じて洗米すべき精白米粒の供給を制御して洗米を行う補充洗米運転ステップと、炊飯米の必要総量に応じた精白米粒の供給が終了した後に行う洗米運転停止ステップに大別される。
まず、浸漬タンク900内に洗米後の精白米粒が満量となるまで洗米すべき精白米粒を連続供給して洗米を行う初期洗米運転ステップを説明する。
前記洗米水の循環運転ステップ終了後に精白米粒供給部100を駆動して精白米粒の供給を開始する。精白米粒供給部100の駆動モータ110を駆動させベルト111を介して上プーリ104を回転させる。同時に無端ベルト106が下プーリ105支点間として回動し、無端ベルト106に有するバケット107が下部タンク103にある精白米粒をすくい上げ、上プーリ104部でバケット107が反転し、順次吐出口108からパイプ109を通じて大気開放状態で精白米粒を自然落下させる。
パイプ109を通じて大気開放状態で落下した精白米粒は、ガイド部300の導入ガイド303から受筒301内に入り、エジェクター駆動部400の吸引開口404を介して吸引室403内に自然落下速度(自然落下エネルギー)を有したままの状態で落下する。
また、前記したように洗米水の循環運転ステップにおいて、エジェクター駆動部400の負圧発生作用によって吸引開口404、吸引室403内には吸引した下降する空気流が形成されている。この下降する空気流中に精白米粒を落下させることによって、精白米粒は精白米粒自体の自然落下速度に下降する空気流に沿って落下する作用も加わって吸引室403内にスムースに引き込まれる。
さらに、吸引開口404から吸引室403、さらに噴射水流401bの外周とディフィーザ402内周の間隔に亘って空気流が常に形成されていることから、ディフィーザ402内において、噴射水流401bの外周を空気と精白米粒との混合流体が流動する。これによって、精白米粒は吸引室403内に引き込まれるとともにディフィーザ402内をスムースに流動して吐出する。
したがって、エジェクター駆動部400において常に大量の空気を安定して吸引しながら同時に精白米粒を安定して吸引し、洗米水とともに洗米部600へ吐出、流動させることができる。
精白米粒を(大気開放下)拡散状態で落下させることによって、拡散状態の精白米粒間に存在する空気も吸引開口から吸引室に吸引され、大量の空気をより安定して吸引することができる。
吸引室に精白米粒を堆積させないようにして吸引することによって、落下した精白米粒が吸引開口および吸引室に詰まることなく、即吸引、吐出し、さらに、空気を常に連続して安定して吸引することができる。また構成も簡略化される。
また、吸引室403に臨んでノズル401を位置させることによって、吸引開口404から落下、吸引された精白米粒は、吸引室403に臨んだノズル401の上面部に当たって拡散し、速やかに吸引室403全体に広がる作用も生じる。
なお、精白米粒を吸引開口404の面積よりも小さい断面の落下流束として落下させることにより、精白米粒の落下流束の外周と吸引開口との間には必ず空気相が存在し、空気を常に連続して安定してより大量に吸引することができる。
以上のように本実施形態においては、従来の精白米粒と洗米水の混合流体をエジェクター作用で吸引し、パイプから空気を吸引させる手段に比べ、吸引室403には、はるかに大量の空気を吸引して洗米を行うことができる。また、大量の空気を精白米粒とともに同一の吸引開口404から同時に安定して吸引させることができる。
なお、このとき洗米部600への洗米水の流動量(Q4、清水ノズル304から吐出させた清水を含む)には、吸引した空気量、さらに精白米粒も加わって、全体の体積が増した洗米水、精白米粒、空気の混合流体(Q4の体積+精白米粒体積+吸引空気量の体積)として洗米部600へ流動する。
次に、図7に示すガイド部300、エジェクター駆動部400の別実施形態の動作を説明する。エジェクター駆動部400の吸引開口404に受筒301内を介して空気を供給するファン309(気体供給手段)、受筒301の開口部302に蓋311を有し、ファン309からパイプ310を介して受筒301内に空気を供給し吸引開口404部分を陽圧状態して空気を吸引するものである。
これにより、洗米水の噴射により負圧を生じる吸引室の上面部に形成した吸引開口からより大量の空気を安定して吸引室403に吸引することができる。
次に、図5に示すガイド部300、エジェクター駆動部400の別実施形態の動作を説明する。複数のパイプ307を備え、パイプ307の下端部は吸引開口404に臨んで開口し、上端部は大気に開放されている。これにより、洗米水の噴射により負圧を生じる吸引室の上面部に形成した吸引開口からより複数のパイプ307を介して大量の空気を安定して吸引室403に吸引することができる。
また、図6に示すガイド部300、エジェクター駆動部400の別実施形態の動作を説明する。エジェクター駆動部400の吸引開口404に空気を吸引させて供給するガイド部300の略中央部に位置させたパイプ308を備え、パイプ308の下端部は吸引開口404に臨んで開口し、上端部は大気に開放されている。これにより、洗米水の噴射により負圧を生じる吸引室の上面部に形成した吸引開口からより複数のパイプ308を介して大量の空気を安定して吸引室403に吸引することができる。
さらに、洗米運転ステップにおいては、複数の清水ノズル304から清水は受筒301の内に供給している。複数の清水ノズル304から吐出させた清水は受筒301の内壁に沿って流下し、落差落下エネルギーに加え負圧による吸引力によって吸引室403内に引き込まれる。
同一の吸引開口404から吸引室403に吸引された精白米粒、空気、受筒301の内壁に沿って流下した清水は、吐出口401aから高速で吐出させた噴射水流401bとともにディフィーザ402部に高速で流動し、さらに、洗米水、精白米粒、空気の混合流体となってパイプ1102を通じて洗米部600に流動する。
なお、複数の清水ノズル304から吐出させた清水は受筒301の内壁に沿って流下することによって、受筒301の内壁に当たった一部の精白米粒も吸引開口404に確実に落下吸引させることができる。
なお、図5に示す別実施形態の構成においては、吸引開口404への空気の吸引通路となる複数のパイプ307を備えたことによって、吸引室403にはより大量の空気を分割流として吸引して洗米を行うことができる。また、複数のパイプ307で精白米粒の吸引開口404部での落下を分割し、精白米粒の脈動の抑制、塊状化を防止するとともに流動をスムースにし、詰まりを防止することができる。
また、図6に示す別実施形態の構成においては、吸引開口404への空気の吸引通路となるパイプ308を中央部に備えたことによって、吸引室403にはより大量の空気を集中して吸引して洗米を行うことができる。またパイプ308で精白米粒の吸引開口404部での落下を分割し、精白米粒の脈動の抑制、塊状化を防止するとともに流動をスムースにし、詰まりを防止することができる。
また、図7に示す別実施形態の構成においては、吸引開口404へ空気を陽圧供給するファン309を備えたことによって、吸引室403にはより大量の空気を吸引させて洗米を行うことができる。
次に、洗米水、精白米粒、空気の混合流体が流入する洗米部600における洗米動作を説明する。
洗米水の循環運転ステップにおいて、洗米部600における洗米水と空気の混合流体の流動状態を説明したが、次に、これをベースにスタティックエレメントユニット603、608の一部を示す図10(a)(b)(c)を参照して、洗米水(複数の清水ノズル304から吐出させた清水を含む)と空気に精白米粒の混合が加わった混合流体の管体602、607内での流動状態を説明する。
図10(a)は、スタティックエレメントユニット603、608による洗米水、空気、精白米粒の混合流体の分割作用を示す。矢印は分割流の方向を示す。
この分割作用により、前記したように混合流体中の空気が微小になり微細化気泡となるが、混合流体中の精白米粒は各エレメント603R、603L、608R、608Lの先頭の端面部分(直線部)を通過するごとに分割され、流動する洗米水中に均一に分散する。
図10(b)は、スタティックエレメントユニット603、608による洗米水、空気、精白米粒の混合流体の反転作用を示す。矢印は反転流の方向を示す。この反転作用により、混合流体中の精白米粒は急激な慣性の反転力を受け乱流撹拌される。
図10(c)は、スタティックエレメントユニット603、608による洗米水、空気、精白米粒の混合流体の転換作用を示す。矢印は転換流の方向を示す。この転換作用により混合流体中の精白米粒は流動する洗米水中により均一に分散して存在する状態となる。
以上のように大量の空気の多数の微細化気泡が洗米水中に均一に分散して管体602、607内を流動する状態となるとともに、混合流体中の精白米粒は、流動する洗米水中により均一に分散して存在する状態となる。
前記した分割、反転、転換の単独および複合作用により、エジェクター駆動部400で吸引した大量の空気は、各エレメントを通過するごとに微細化気泡となり、洗米水中に均一に分散する。この微細化気泡は管体602、607内の精白米粒間に均一に介在し、精白米粒同士の擦れやエレメント側壁への衝突による砕米の発生を抑止することができる。
さらに、精白米粒は管体602、607内で塊状にならずに洗米水中に細かく分割され、一つの米粒として単独で流動する。さらに精白米粒は急激な慣性の反転力を受け乱流撹拌され、洗米水中で激しく姿勢を変えて流動する。このため、精白米粒と洗米水との境界面には絶えず変化する方向から洗米水が高速で接触しながら互いに流動する。さらに、精白米粒と洗米水との境界面には、微細化気泡と洗米水とが交互に接触する状態が生じる。
前記したような作用により、精白米粒の表面に付着する糠成分、異物等を、速やかに効率よく剥離させることができ、さらに洗米水中に剥離した糠成分の精白米粒の表面への再付着を防止することができる。
なお、洗米水(複数の清水ノズル304から吐出させた清水を含む)と空気に精白米粒の混合が加わった混合流体は、洗米部600のスタティックエレメントユニット603、608を有する管体602、607内を高速流動し略1秒で通過する。これによって極めて短時間で洗米をおこなうことができる。
また、微細化気泡は洗米水分離部700への混合流体の流動(送米時)に際しての配管抵抗も低下させることができる。
なお、エレメント、洗米ユニットの数、は一例であってこれに限定されるものではなく、洗米の諸条件によって最適数に設定する。
次に、洗米部600において洗米作用を経た洗米水、精白米粒、空気の混合流体を、洗米に使用した洗米水と洗米後の精白米粒に分離する洗米水分離ステップを説明する。
洗米部600で洗米作用を経た洗米水、精白米粒、空気の混合流体は、パイプ1103を介して洗米水分離部700に流入する。
傾斜板701の所定メッシュ、または小孔群を通過し、この通過した洗米に使用した洗米水はパイプ1104を介して洗米水浄化部800へ流動する。分離した洗米水中には洗米部600で剥離した糠成分、洗米前の精白米粒に含まれていた少量の砕米、洗米部600で生じた微小径となった気泡の一部も含まれている。
傾斜板701の所定メッシュ、または小孔群を通過できなかった精白米粒(炊飯用)は、この傾斜板701上を流動落下しパイプ1106を介して浸漬タンク部900に落下、流動する。
次に、洗米水分離部700で分離した洗米に使用した洗米水の洗米水浄化部800での浄化ステップを説明する。
なお、洗米に使用した洗米水が洗米水分離部700から第1貯水槽801、第2貯水槽809内に流入し始める状態のときは、前記洗米水の充填運転ステップで説明したように、パイプ1104、第1貯水槽801、連通管807、第2貯水槽809、エジェクター駆動部400には洗米水として清水が充填されている状態であり、かつ前記洗米水の循環運転ステップで説明したように、ポンプ500の駆動により洗米水が流動し、既に第1貯水槽801の洗米水の水位は上昇し、排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態(水位H2)となっており、さらに第2貯水槽809内の洗米水の水位はH1よりも上昇し、排水管810の上部開口811から溢れ水の量(Q9)として溢れ出る状態となっているものである。
分離した洗米水中には洗米部600で剥離した糠成分、洗米前の精白米粒に含まれていた少量の砕米、洗米部600で生じた微小径となった気泡の一部、一部洗米水に溶解した空気成分も含まれている。
洗米水分離部700で分離した洗米に使用した洗米水が第1貯水槽801内に流入すると、第1貯水槽801内の清水は次第に洗米に使用した洗米水に置換されていく。水よりも比重の小さい糠成分、異物は浮遊物として上昇し、小間隙802aを通って排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水とともに排水管804を介して排水される。
糠成分には油成分を含有することから、第1貯水槽801内の特に水面近傍において一部が泡状となり溢れ水に誘引される作用も加わって排出される。
洗米水分離部700で分離した洗米に使用した洗米水がパイプ1104内に落下する際に空気を巻き込んで気泡を含んで第1貯水槽801内に流入すること、および洗米部600で生じた微細化気泡の一部も含まれていることから、第1貯水槽801内に気泡Kが存在して上方に移動する。
これらの気泡Kの膜に糠成分が付着含有され浮遊物として洗米水中での上昇が促進される。これによって、洗米水中の糠成分を効率よく排出することができる。
なお、第1貯水槽801内の洗米水中に空気圧送手段、マイクロバブル発生装置により空気成分を供給し強制的により多くの気泡を存在せる構成としてもよい。この場合には、浮遊物として洗米水中での上昇がより促進される。これによって、洗米水中の糠成分をさらに効率よく排出することができる。
水よりも比重の大きい砕米、異物等は、洗米水中を沈降物として第1貯水槽801の底部に溜まる。これらの量は少ないので運転停止時に弁806を開にて排水管805より排出する。砕米、異物等が比較的多い場合には、洗米運転時に電気的に駆動する弁806を定期的に開にて排水管805より排出してもよい。また、弁806を連続的に開としてもよい。
第1貯水槽801内に洗米水が流入するパイプ1104の開口は、上部開口803と第1貯水槽801の底部との略中間の高さに位置させている。すなわち、第1の貯水槽801の貯水水位の略中間高さに位置させている。これによって、パイプ1104の開口位置よりも上方向への浮遊物の分離と、下方向への沈降物の分離とを促進させることができる。
なお、パイプ1104は、第1貯水槽801の略中心部方向に洗米水を流入させるように取り付けされており、第1貯水槽801内で一方向の旋回流、撹拌流の発生を抑制することで浮遊物の分離と沈降物の分離とを促進させることができる。
また、前記したように、上部開口803を有する排水ホッパ802は上方に拡大形状とし、溢れ水の入口となる上部開口803の外周部と第1貯水槽801の内壁とには小間隙802aを全周に亘って形成したことにより、浮遊物(糠成分等)を収束させつつ上昇させ、洗米水を糠成分の泡とともに小間隙802aから速やかに押し出し排水することができる。
排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態(水位H2)となっているところに、洗米に使用した洗米水が第1貯水槽801内に流入するので、直ちに水よりも比重の小さい糠成分、異物等の浮遊物は小間隙802aを通って排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水とともに排水することができる。すなわち、洗米に使用した洗米水が第1貯水槽801内に流入すると同時に水よりも比重の小さい糠成分、異物等の浮遊物の除去を行う浄化機能を開始することができる。
第1貯水槽801で浮遊物と沈降物を分離した洗米に使用した洗米水は、連通管807、流量調節弁808を通って流出量Q8として第2貯水槽809へ流入する。
このとき、第1貯水槽801内での水位H2は、第2貯水槽809内での水位H1の水位よりも高くなっているので洗米水は落差圧により連通管807、流量調節弁808を通って第2貯水槽809へ流入する。
第2貯水槽809内に流入し貯水した洗米水中において、第1浄化段階の第1貯水槽801で分離しきれなかった水よりも比重の小さい糠成分、異物等は浮遊物として上昇し、上部開口811から排水管810を通って溢れ水(溢れ水の量(Q9))とともに排水される。
糠成分には油成分を含有することから、第2貯水槽809内の特に水面近傍において一部が泡状となり溢れ水に誘引される作用も加わって排出される。
第2貯水槽809内に流入する洗米水にも微細化気泡も含まれていることから、第2貯水槽809内に気泡が存在して上方に移動する。これらの気泡の膜に糠成分が含有され、浮遊物として上昇し、上部開口811、排水管810を通って溢れ水とともに排水される。これによって、洗米水中の糠成分を効率よく排出することができる。
排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水の量(Q7)として溢れ出る状態(水位H2)となっているところに、洗米に使用した洗米水が第1貯水槽801内に流入するので、直ちに水よりも比重の小さい糠成分、異物等の浮遊物は小間隙802aを通って排水ホッパ802の上部開口803から溢れ水とともに排水することができる。すなわち、洗米に使用した洗米水が第1貯水槽801内に流入すると同時に水よりも比重の小さい糠成分、異物等の浮遊物の除去を行う浄化機能を開始することができる。
なお、第2貯水槽809内の洗米水中に空気圧送手段、マイクロバブル発生装置により空気成分を供給し強制的に気泡を存在させる構成としてもよい。
水よりも比重の大きい砕米、異物等は、洗米水中を沈降物として第2貯水槽809の底部に溜まる。これらの量は少ないので運転停止時に弁813を開にて排水管812より排出すればよい。砕米(破砕米)、異物等が比較的多い場合には、洗米運転時に電気的に駆動する弁813を定期的に開にて排水管812より排出してもよい。また、弁813を連続的に開としてもよい。
第2貯水槽809内に洗米水が流入する連通管807の開口は、上部開口811と第2貯水槽809の底部との略中間の高さに位置させている。すなわち、第2の貯水槽809の貯水水位の略中間高さに位置させている。これによって、連通管807の開口位置よりも上方向への浮遊物の分離と、下方向への沈降物の分離とを促進させることができる。
また、連通管807は、第2貯水槽809の略中心部方向に洗米水を流入させるように取り付けされており、第2貯水槽809内で一方向の旋回流、撹拌流の発生を抑制するので、浮遊物の分離と沈降物の分離とを促進させることができる。
第1貯水槽801から第2貯水槽809に洗米水を流出させる連通管807の第1貯水槽801側の開口は、上部開口803と第1貯水槽801の底部との略中間の高さ、すなわち、第1の貯水槽801の貯水水位の略中間高さに位置させている。これは、パイプ1104の開口位置と略同一高さで互いに対向させる構成となっている。これによって浮遊物と沈降物の成分のより少ない洗米水を第1貯水槽801から第2貯水槽809に流出させることができる。
連通管807の第1貯水槽801側の開口に対向して、流動規制板807aを設けている。これによって第1貯水槽801にパイプ1104の開口から流入する洗米水が、第2貯水槽809に洗米水を流出させる連通管807の第1貯水槽801側の開口に向かって直接流動することを阻止し、浮遊物、沈降物の第2貯水槽809への流出を防止し、第1貯水槽801での浄化性能を高めることができる。
第2貯水槽809へ流出させた洗米水が初期にあった清水と置換し、第1浄化段階の第1貯水槽801で分離しきれなかった水よりも比重の小さい糠成分、異物等の浮遊物として上昇し、上部開口811から排水管810を通って溢れ水とともに排水される。
第2貯水槽809へリターンして流入した洗米水が初期にあった清水と置換されると、フィルター817で所定の大きさ以上の混入物を捕捉した後、リターンした洗米後の洗米水を循環水としてポンプ500からエジェクター駆動部400へ供給する洗米運転に自動的に切り替わる。
この洗米後の洗米水を循環水としてポンプ500からエジェクター駆動部400へ供給する洗米運転に自動的に切り替わったときの洗米の定常運転時におけるエジェクター駆動部400、および洗米部600の運転動作、作用、効果等は、先に説明した通りである。
なお、精白米粒を供給して洗米を行う洗米運転ステップにおいては、洗米後に精白米粒から分離して循環使用する分離洗米水をノズル401から噴射して吸引開口404から空気、精白米粒を吸引するとともに、複数の清水ノズル304から洗米に使用していない清水(洗米水)を吸引室に供給して、前記空気、精白米粒、分離洗米水、清水の混合流体を前記吸引室から吐出させて洗米部600を流動させる。
これにより、吸引室403において精白米粒は、先ず清水に接触して混合され、この後高速で流動する循環使用の分離洗米水と接触して混合される。したがって、供給する精白米粒の表面、割れ目等には先ず新鮮な清水が吸収され、分離洗米水中に溶解した澱粉成分の精白米粒への吸収を抑制するとともに、さらに糠成分の剥離促進および再付着を抑制することができる。
第2貯水槽809から洗米水をポンプ500により吸引し、エジェクター駆動部400に吐出させる洗米水の水量に対して、清水ノズル304からの清水供給量が加わる分、循環してパイプ1104から第1貯水槽801へ戻る洗米水の水量が多い。
したがって、清水ノズル304からの清水供給量に相当する洗米水が第1貯水槽801の排水ホッパ802の上部開口803、および第2貯水槽809の排水管810の上部開口811の各々から溢れ水として排水されることになる。したがって、清水ノズル304からの清水供給量が、洗米後の洗米水に加わって清水に置換されていく状態となる。
清水ノズル304からの清水供給量(置換量)は、ポンプ500の吐出流量の例えば略10パーセント相当に設定する。なお、清水ノズル304からの清水供給量は、精白米粒の洗米処理量、精白米粒の糠成分等の付着量等によって選択して設定、または調節する。
例えば、精白米粒の洗米処理量をより多くした場合や、精白米粒の糠成分等の付着量等が多い場合には、清水ノズル304からの清水供給量を増加させてもよい。これによって、第1貯水槽801の排水ホッパ802の上部開口803からの溢れ水、および第2貯水槽809の排水管810の上部開口811の各々からの溢れ水としての排水量が増加し、循環する洗米水の糠成分、澱粉成分の濃度を一定以下に抑えることができる。
また、浸漬タンク部900に清水供給管901、903から供給した清水の余剰分をパイプ1105から流出させ洗米水分離部700で分離した洗米水とともに第1貯水槽801にリターンさせることによって、第1貯水槽801の排水ホッパ802の上部開口803からの溢れ水としての排水量が増加し、循環する洗米水の糠成分、澱粉成分の濃度を一定以下に抑えることができ、洗米水として有効活用することができる。
さらに、洗米水分離部700の傾斜板701に、清水を所定量供給しながら精白米粒と洗米水を分離するようにしてもよく、この場合にも前記供給した清水の増加分もパイプ1104を介して第1貯水槽801にリターンさせることによって、第1貯水槽801の排水ホッパ802の上部開口803からの溢れ水、および第2貯水槽809の排水管810の上部開口811の各々からの溢れ水としての排水量が増加し、循環する洗米水の糠成分、澱粉成分の濃度を一定以下に抑えることができ、洗米水として有効活用することができる。
以上のように、洗米水分離部700で精白米粒と洗米水に分離し、この分離した洗米水に含まれる糠成分、異物等を洗米水浄化部800で水よりも比重の小さい浮遊物として分離、排出して取り除いた洗米水を再び循環させて再利用することで、糠成分、異物等の精白米粒への再付着をなくし洗米効果を発揮させることができる。
また、洗米水浄化部800で浄化した洗米水をポンプ500によりエジェクター駆動部400に吐出させ、洗米すべき精白米粒と混合して再び洗米部600へ流動させて洗米運転を連続して行うことで、洗米水の大部分を循環させて再利用し大幅な節水を図ることができる。
前記したような初期洗米運転ステップを継続し、浸漬タンク部900の貯米量が所定量(満量)に達したときは、これを貯米量検出手段905により検出して精白米粒供給部100の駆動を停止してエジェクター駆動部400への精白米粒の供給を停止する。
このとき、エジェクター駆動部400への精白米粒の供給を停止してもポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一定時間(例えば2〜3分)継続する。これによって、洗米水は循環を継続し、清水ノズル304からの清水の供給量分は排水管804、810から溢れ水として排水されており、洗米水の一部はこの清水に置換されている状態となっている。さらに、エジェクター駆動部400、洗米部600等の流動路に有る精白米粒は洗米水分離部700へ完全に流動させることができる。
すなわち、浸漬タンク部900の貯米量が所定量より少ないときは、これを貯米量検出手段905により検出して精白米粒供給部100を駆動し、精白米粒をエジェクター駆動部400へ供給して洗米運転を継続する。
以上のように、浸漬タンク部900内に洗米後の精白米粒が満量となるまで洗米すべき精白米粒の供給を連続供給して洗米を行う初期洗米運転ステップを実施するものである。
前記初期洗米運転ステップを実施した後、浸漬タンク部900内で所定時間(例えば少なくとも1時間以上)洗米後の精白米粒を浸漬させた後、炊飯開始による浸漬タンク部900内の洗米後の精白米粒の減少分に応じて洗米すべき精白米粒の供給を制御して洗米を行う補充洗米運転ステップを実施する。
補充洗米運転ステップにおいて、浸漬タンク部900の貯米量が減少して所定量より少ないときは、これを貯米量検出手段905により検出して精白米粒供給部100を駆動し、精白米粒をエジェクター駆動部400へ供給して洗米運転を継続する。
再び、浸漬タンク部900の貯米量が所定量に達したときは、これを貯米量検出手段905により検出して精白米粒供給部100の駆動を停止してエジェクター駆動部400への精白米粒の供給を停止する。
このときも、前記したようにエジェクター駆動部400への精白米粒の供給を停止してもポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一定時間(例えば2〜3分)継続する。これによって、洗米水は循環を継続し、清水ノズル304からの清水の供給量分は排水管804、810から溢れ水として排水されており、洗米水の一部はこの清水に置換されている状態となっている。さらに、エジェクター駆動部400、洗米部600等の流動路に有る精白米粒は洗米水分離部700へ完全に流動させることができる。
この精白米粒の供給を停止後、ポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一定時間継続している間に貯米量検出手段905が浸漬タンク部900の貯米量が所定量より少ないことを検出したときは、再び精白米粒供給部100を駆動し、精白米粒をエジェクター駆動部400へ供給して洗米運転を行う。
また、ポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一定時間継続しても貯米量検出手段905が浸漬タンク部900の貯米量が所定量貯米されていることを検出しているときは、ポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一旦停止する。
ポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一旦停止すると、第2貯水槽809よりも高い位置に配設したパイプ1103、洗米部600、パイプ1102に有る洗米水は、落差圧によりエジェクター駆動部400、ポンプ500を介して第2貯水槽809に逆流する。さらに、洗米水分離部700からパイプ1104を介して第1貯水槽801への洗米水の流入も停止する。
第2貯水槽809に逆流した洗米水は、排水管810から溢れ水として排水され、また、第1貯水槽801への洗米水の流入が停止すると落差Hd1の落差圧によって第1貯水槽801の洗米水は連通管807を介して第2貯水槽809へ移動し、水位がH1になるまで排水管810から溢れ水として排水される。この状態は、前記した洗米水浄化部800への洗米水(清水)の充填運転ステップにおける水位状態と同じとなる。
そして、水位がH1の状態にあるときに、貯米量検出手段905が浸漬タンク部900の貯米量が所定量より少ないことを検出した場合は、先ず、ポンプ500の駆動と、フロート流量弁814からの清水、清水ノズル304からの清水の供給を行う前記した洗米水循環運転ステップを実施する。これによって、再び第1貯水槽801、第2貯水槽809内の水位が上昇し、排水管804、810から溢れ水として排水される状態となる。
前記した洗米水循環運転ステップを実施した後、再び精白米粒供給部100を駆動し、精白米粒をエジェクター駆動部400へ供給して洗米運転を再開する。なお、前記洗米運転を再開するたびに、洗米水循環運転ステップを実施する。
前記したように、精白米粒供給部100の駆動を再開する前に、再度洗米水循環運転ステップを実施することによって、フロート流量弁814からの清水、清水ノズル304からの清水の供給により、洗米運転時の循環洗米水が清水に置換され、洗米水中の例えば溶出した精白米粒の澱粉成分の濃度が下がり浄化される効果を有する。
なお、ポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一旦停止し、水位がH1レベルに下がる途中のタイミングであっても、再度洗米水循環運転ステップを実施した後、再び精白米粒供給部100を駆動し、精白米粒をエジェクター駆動部400へ供給して洗米運転を再開する。
このように、補充洗米運転ステップにおいて、浸漬タンク部900の貯米量を貯米量検出手段905により検出して精白米粒の供給有無による洗米運転を繰り返す。
次に、炊飯米の必要総量に応じた精白米粒の全供給が終了した場合の洗米運転停止ステップを説明する。炊飯米の必要総量に応じた精白米粒の全供給が終了した場合には、先ず精白米粒供給部100の駆動を停止した後、ポンプ500の駆動および清水ノズル304からの清水の供給を一定時間(例えば2〜3分)継続してから停止させる。これによって、洗米水は循環を継続し、清水ノズル304からの清水の供給量分は排水管804、810から溢れ水として排水されており、洗米水の一部はこの清水に置換されている状態となっている。さらに、エジェクター駆動部400、洗米部600等の流動路に有る精白米粒は洗米水分離部700へ完全に流動させることができる。
さらに、ポンプ500の駆動、清水ノズル304からの清水の供給を停止後、排水する弁806、813を開として第1貯水槽801、第2貯水槽809内の洗米水、底部に溜まった沈降物を排出する。このとき、上方に位置するエジェクター駆動部400、洗米部600等の流動路の洗米水も落差圧により第1貯水槽801、第2貯水槽809に戻り同時に排水される。洗米水、底部に溜まった沈降物を排出後、弁806、813を閉として次回の洗米運転に備える。