JP6518221B2 - モータ用コア及びモータ - Google Patents

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Description

この発明は、モータ用コア及びモータに関する。
モータのコアの構造としては、様々なものが提案されている。
下記特許文献1には、電磁鋼板を積層して構成される回転電機用ステータにおいて、それぞれの電磁鋼板のティースに、周方向の端部を軸方向に折り曲げて形成される折曲げ部を設けた構造が開示されている。
特開2014−165936号公報
ステータコアにおいて渦電流が発生すると、モータのトルクが損なわれる。そのため、渦電流の発生を抑制することが望まれている。
このような課題に関して、特許文献1においては、電磁鋼板間の側面同士が接触しにくくなるようにし、渦電流による損失の抑制を図ることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されているような構造では、重なり合う電磁鋼板同士の間に隙間が生じるため、単位体積当たりの電磁鋼板が占める体積が比較的小さい。そのため、モータを駆動させるための磁束の数が少なくなり、モータのトルクが比較的小さくなる。
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、渦電流の発生を抑制することができるモータ用コア及びモータを提供することを目的としている。
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、モータ用コアは、複数のティースと、複数のティースの先端部に囲まれた開口部と、複数のティースのそれぞれの先端部が固定されるベース部材とを備え、複数のティースのそれぞれの先端部には、ティースの厚み方向に積まれた複数の金属板が配置されており、ベース部材は、金属板とは異なる金属部材で形成されており、先端部のそれぞれにおいて、複数の金属板が互いに密着しており、複数の金属板のそれぞれが、全体として、複数の金属板が積まれた方向に湾曲しており、先端部の回転軸方向における上端面及び下端面は、平面状に形成されており、複数の金属板のうち、上端面を形成する金属板及び下端面を形成する金属板は、他の金属板より薄い
好ましくは、複数の金属板それぞれの中心軸は同じである。
好ましくは、複数の金属板のうち1つの金属板は、単一の頂部を備える。
好ましくは、複数のティースは後端部を備え、先端部と後端部は、径方向において、並べて配置されており、ベース部材は、複数の後端を有し、後端部の先端部には、モータの回転軸に対して離れる方向又は近づく方向に凹んだ取付部が形成されており、先端部は、取付部に取り付けられている。
好ましくは、開口部に対面する複数の金属板のそれぞれの端部が、当該複数の金属板が積まれた方向に湾曲している。
好ましくは、複数の金属板が積まれた方向において、対向する複数の金属板の面それぞれは、円筒面形状を有し、複数の金属板のうち1つの金属板の凹面の曲率半径は、その金属板の凸面に密着する他の金属板の凹面の曲率半径よりも小さい。
好ましくは、ベース部材は、複数の金属板よりも厚い金属部材が複数積まれた構造を有する。
この発明の他の局面に従うと、モータは、上記のいずれかに記載のモータ用コアと、複数のティースに巻かれた複数のコイルと、モータ用コアの先端部に対面するマグネットを有するロータと、を備え、ロータは、モータ用コアに対して回転可能である。
これらの発明に従うと、渦電流の発生を抑制することができるモータ用コア及びモータを提供することができる。
本実施の形態に係るモータ用コアを用いたモータの構成を示す斜視図である。 モータ用コアを示す平面図である。 モータ用コアの構成を示す斜視図である。 先端部材を示す斜視図である。 先端部材の端面を示す図である。 渦電流の発生により生じる損失の変化について説明するグラフである。 先端部材の製造方法の一例を説明する第1の図である。 先端部材の製造方法の一例を説明する第2の図である。 本実施の形態の一変形例に係る先端部材の端面を示す図である。 本実施の形態の他の変形例に係る先端部材を示す斜視図である。 本実施の形態の他の変形例に係るステータ部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態におけるモータ用コアについて説明する。
図1は、本実施の形態に係るモータ用コアを用いたモータの構成を示す斜視図である。図2は、モータ用コアを示す平面図である。図3は、モータ用コアの構成を示す斜視図である。
図1において、一点鎖線はモータ100の回転軸101を示している。図1及び図3において、矢印A(図の上下方向)は回転軸方向を示し、矢印Bは周方向(ロータの回転方向)を示す。
図1に示されるように、本実施の形態において、モータ100は、インナーロータ型のブラシレスモータである。モータ100は、ステータ部50と、回転軸となるシャフト81を有するロータ部80と、図示しない軸受及びハウジングなどとを有している。ハウジングは、モータ100の構成要素となる、ステータ部50、ロータ部80を収容している。
ロータ部80は、シャフト81と、シャフト81の周囲に配置されたマグネット85とを有している。シャフト81は、モータ100のハウジング等に固定された軸受により、ハウジングに対して回転可能に支持されている。すなわち、ロータ部80は、シャフト81を回転軸101として回転可能である。
ステータ部50は、コア1(モータ用コア)と、コイル41と、インシュレータ45とを有している。コア1の外周面は円筒状のフレーム51の内面で覆われている。ステータ部50は、モータ100のハウジング内に収納され、ハウジングに対して固定されている。
図2に示されるように、コア1は、例えば3つのティース2a,2b,2c(以下、各ティース2a,2b,2cを区別せずにティース2と総称することがある。)を有している。ティース2は、モータ100の回転軸101(図2において一点鎖線で示す)に対して放射状に、回転軸101を中心として周方向に略等角度間隔で配置されている。すなわち、本実施の形態においては。3つのティース2a,2b,2cが、回転軸方向から見て略120度間隔で配置されている。これら3つのティース2a,2b,2cはそれぞれ、開口部O側に設けられた先端部と、後述するベース部材10側に設けられた後端部とで構成される。この先端部と後端部は、径方向において、並べて配置されている。コア1には、これらティース2a,2b,2cの先端部により囲まれた開口部Oを備える。この開口部O内に、ロータ部80が配置される。
コア1は、ベース部材10と、ベース部材10に固定される3つの先端部材20とが組み合わされて構成されている。ベース部材10と先端部材20とのそれぞれは、金属部材で形成されている。
ベース部材10は、平面形状が環状である筒部11と、3つの後端部13とを有している。筒部11は、回転軸101を中心とする環状に形成されている。各後端部13は、筒部11の内側に形成されている。各後端部13は、回転軸101に向かって直線状に突出している。言い換えれば、後端部13は突出部となっている。3つの後端部13は、ティース2a,2b,2cのそれぞれの一部分を構成する。
後端部13の先端部(筒部11から離れている方の端部;回転軸101側の端部)には、取付部17が形成されている。取付部17は、本実施の形態において、回転軸101に対して離れる方向に凹む凹部を有している。言い換えれば、径方向において、取付部17はコア1の筒部11に向かって凹む形状となっている。取付部17の凹部は、回転軸101に近い側(手前側)よりも回転軸101から離れている側(奥側)の方が、回転軸101から放射状に延びる直線に垂直な方向の幅(周方向における開口の大きさ)が大きくなる形状を有している。具体的には、手前側の幅w1よりも奥側の幅w2の方が大きくなっている。取付部17は、回転軸101に垂直な平面において略同一の形状を有するように形成されている。
各ティース2の先端部を形成する先端部材20は、後端部13の取付部17に取り付けられており、各ティース2のそれぞれの先端部に配置されている。すなわち、各ティース2は、ベース部材10の後端部13部分と、先端部材20部分とで構成されている。また、各ティース2の先端部は、先端部材20で形成されている。
本実施の形態において、回転軸101を垂直に横切る、先端部材20の断面が略同一の形状となるように形成されている。換言すると、先端部材20は、回転軸101方向に沿って柱状に延びており、回転軸方向が先端部材20の高さ方向となっている。
先端部材20は、回転軸101方向を向く端面25と、端面25に対して取付部17側にある係合部27とを有している。
端面25は、ロータ部80のマグネット85に対面する面となる。本実施の形態において、端面25は、回転軸101から各ティース2が設けられている位置に放射状に延びる直線に垂直な平面状に形成されている。なお、端面25の形状はこれに限られるものではなく、一部分又は全面に曲面を有するものであってもよい。
係合部27は、取付部17に係合可能な形状を有している。係合部27は、先端部材20の端面25が設けられている側とは反対側の方向(取付部17に向かう方向)に突出している。本実施の形態において、係合部27は、取付部17の凹部と略同一の外表面を有する凸部を有している。係合部27は、端面25に近い側(手前側)よりも端面25から離れている側(奥側)の方が、回転軸方向から見て端面25に平行な方向の幅寸法が大きくなる形状を有している。具体的には、手前側の幅w1よりも奥側の幅w2の方が大きくなっている。すなわち、係合部27はT字の平面形状を有している。
図3に示されるように、本実施の形態において、各先端部材20は、係合部27の凸部が取付部17の凹部にはまり込むようにして、ベース部材10に対して回転軸方向に圧入されて、ベース部材10に固定されている。すなわち、係合部27の凸部は、取付部17の凹部と略同じか、わずかに大きい形状である。なお、先端部材20は、ベース部材10に対して、溶接による方法や接着による方法等、圧入とは異なる方法で固定されていてもよい。
本実施の形態において、コイル41及びインシュレータ45は、3組が設けられている。3つのコイル41は、3つのティース2のそれぞれに1つずつ配置されている。各コイル41は、各ティース2が貫通するようにして配置されている。インシュレータ45は、コイル41とティース2との間に配置され、コイル41とコア1とを絶縁する。
本実施の形態において、コイル41及びインシュレータ45は、各ティース2のうち、ベース部材10の後端部13部分に配置されている。コイル41及びインシュレータ45は、例えば、空芯コイルとして予め形成されたコイル41を、インシュレータ45と共に、先端部材20が取り付けられていない状態のベース部材10の後端部13部分に装着することで、後端部13に配置される。その後、後端部13の取付部17に先端部材20が取り付けられ、コイル41及びインシュレータ45がコア1に配置された状態のステータ部50が構成される。このようにステータ部50を組み立てることにより、コア1に巻線機を利用してコイルを巻く工程が不要となる。巻線機を用いてコイルを巻く場合、巻線機のノズル等が通過するスペースが必要となるため、ティースの形状に制約が生じることがある。しかしながら、本実施の形態では、上記のように空芯コイルをベース部材10に取り付けた後で先端部材20を取り付けることで巻線器を用いるために生じる制約を取り払うことができ、先端部材20の形状を比較的大型にするなど、比較的自由に先端部材20の位置や形状を設定することができる。
なお、コイル41は、巻線器を用いて各ティース2に巻かれるものであってもよい。また、コイル41及びインシュレータ45の位置は、後端部13部分に限られず、先端部材20の一部分や、後端部13と先端部材20とにまたがる位置であってもよい。
図4は、先端部材20を示す斜視図である。図5は、先端部材20の端面25を示す図である。
図4に示されるように、先端部材20は、複数の金属板21が回転軸方向に積まれている構造を有している。金属板21は、例えば、電磁鋼板である。金属板21は、本実施の形態において、例えば、厚さが0.1ミリメートルよりも薄い極薄型の電磁鋼帯である。なお、図において、個々の金属板21は、厚みに関してデフォルメされて示されている。
先端部材20においては、複数の金属板21が、互いに密着している。各層の金属板21の表面には、絶縁層が形成されている。金属板21と絶縁層が交互に積まれた構造になっているので、複数の金属板21は、絶縁層間において互いに絶縁されている。
また、先端部材20において、複数の金属板21のそれぞれは、回転軸方向に垂直な方向を円筒面の中心軸とする円筒面形状を有している。複数の金属板が積まれた方向において、対向する複数の金属板の面のそれぞれは、円筒面形状を有している。換言すると、先端部材20は、全体として、複数の金属板21が積まれている方向に起伏するように湾曲している。また複数の金属板21のいずれか1つは、単一の頂部Tを有している。各円筒面形状の円筒面の中心軸は、例えば、端面25に対して垂直である。すなわち、端面25には、複数の金属板21の端部が現れる。端面25に現れる金属板21の端部は、モータ100の回転軸方向に起伏するように、湾曲している。
図5に示されるように、端面25から見て、複数の金属板21のうち1つの金属板21aの凹面の曲率半径R1は、その金属板21の凸面に密着する他の金属板21bの凹面の曲率半径R2よりも、金属板21aの厚み寸法と同じだけ小さい。本実施の形態においては、複数の金属板21は互いに密着しており、各金属板21は、中心軸が同じ円筒面形状を有している。
図4に示されるように、先端部材20の回転軸方向の両端面(上端面及び下端面)は、回転軸に対して平行な平面状に形成されている。そのため、先端部材20の上端面又は下端面に露出する金属板21の一部分又は全面は、円筒面部分が平面上に削られた形状を有している。そのため、その金属板21の一部分の厚さt0は、他の金属板21の厚さt1とは異なっており、若干薄くなっている。
なお、ベース部材10は、先端部材20を構成する複数の金属板21とは異なる、複数の板状の部材が積層されて構成されている。すなわち、ベース部材10は、先端部材20とは異なる、板状の金属部材で形成されている。ベース部材10を構成する板状の部材は、先端部材20の金属板21とは異なり、例えば、平面状の電磁鋼板である。ベース部材10を構成する板状の部材の厚みは、先端部材20の金属板21よりも厚く、例えば0.1ミリメートル以上の厚みを有している。複数の板状の部材は、絶縁層などにより互いに絶縁されており、互いに密着するようにして積層されている。
なお、ベース部材10を構成する板状の部材の厚さは、先端部材20を構成する金属板21の厚みの整数倍とすることが好ましい。これにより、ベース部材10の板材1枚に対応する金属板21の数が定まり、ベース部材10と先端部材20との間での磁束漏れを小さくし、効率良くモータ100のトルクを得ることができる。
図6は、渦電流の発生により生じる損失の変化について説明するグラフである。
図6においては、同じ厚みの電磁鋼板が積層されて構成されたコアであって、平板状の電磁鋼板により先端部材を構成した場合と、本実施の形態のように全体として湾曲した電磁鋼板により先端部材を構成した場合との、それぞれの場合における渦電流損の量が比較されている。図6に示されるように、本実施の形態に係る構造のように、全体として湾曲した電磁鋼板を用いて先端部材が構成されている方が、渦電流損の量が少なくなることがわかる。
図7は、先端部材20の製造方法の一例を説明する第1の図である。図8は、先端部材20の製造方法の一例を説明する第2の図である。
本実施の形態において、先端部材20は、円筒面状に湾曲した複数の金属板21を重ねて形成されている。そのため、図7に示されるように、帯状の金属板21を多重に巻いた金属板ロール800を形成し、その金属板ロール800を用いることにより、先端部材20を容易に製造することができる。
すなわち、まず、金属板ロール800から、金属板ロール800の中心軸Qを通る平面Pに平行な2つの面を含むブロック810を切り出す。これにより、複数の円筒面上の金属板21が積まれたブロック810が得られる。ここで、ブロック810のうち、金属板ロール800の中心軸を通る平面に平行な2つの面の間隔は、先端部材20の回転軸方向の寸法と同一にすることができる。これにより、先端部材20の回転軸方向の寸法を別途調整する必要がなくなり、先端部材20の製造工程を簡略化することができるが、これに限られるものではない。
次に、図8に示されるように、ブロック810から、複数の金属板21が重なる方向(積まれる方向)が回転軸方向となるようにして、先端部材20を切り出す。このとき、ブロック810のうち複数の金属板21の端部が湾曲しているように現れている表面が、先端部材20の端面25となるようにすることが好ましい。複数の金属板21の端部が湾曲しているように現れているブロック810の表面は、金属板21を巻いて金属板ロール800を形成したときの各層の金属板21の端部が揃えられて形成された表面である。金属板ロール800について切断加工を行った場合において、切断面においては絶縁性が悪化することがある。そのような場合に、層間の絶縁性を回復するためには、別途化学的な処理等を行う必要がある。これに対して、切断工程等を経ずに構成された表面を端面25とすることにより、追加的な製造工程を設けることなく、金属板21の層間で絶縁性が高く保たれている端面25を有する先端部材20を得ることができる。磁束に直交する端面25について、層間の絶縁性を高いレベルで実現することができるので、渦電流を効果的に抑制することができる。
なお、金属板ロール800は、厳密には、その中心軸から見て金属板21が渦巻き状に重なっているものであるが、図7及び図8等においては、各層の金属板21を同心円状に表している。また、上記の説明において、円筒面状とは、厳密な円筒面のみならず、上記のように金属板21を巻くことにより得られるような略円筒面状の曲面を含む。
ところで、従来のような平板状の電磁鋼板を重ねてコアを構成する場合には、以下のような課題があった。すなわち、渦電流低減のためには、例えば0.1ミリメートル以下の厚みの電磁鋼板を用いることが検討されることがある。しかしながら、電磁鋼板の厚みが薄いと、所定の厚み分のコアを得るために、積層枚数が非常に多くなる。薄い電磁鋼板を1枚ずつ高精度に成形して重ねていくためには困難な作業が必要となり、コアの製造に関する技術的な課題や製造コスト面の課題が大きい。
また、各電磁鋼板のティース部の端部等を各層同様に折り曲げた構造があるが、このような構造では、電磁鋼板の層間に空隙が生じるため、ティースから生じる磁束の数が少なくなり、トルクが小さくなるという課題がある。また、折り曲げられた端部の角部分が、他の層のティース部の表面に接触すると、その接触部分で絶縁性が悪化し、渦電流の抑制効果が損なわれる可能性がある。
これに対し、本実施の形態においては、複数の金属板21が互いに密着しており、かつ、複数の金属板21が全体として湾曲した構造を有する先端部材20が、各ティース2の先端部に配置されている。したがって、ティース2の先端部において、渦電流の発生を抑制することができ、渦電流の発生による損失を抑制することができる。そのため、モータ100のトルクを大きく確保することができる。先端部材20は、端面25において複数の金属板21の端部が円弧状に湾曲するように、複数の金属板21が積層されて構成されているので、渦電流損を比較的大きく低減できる。特に、数万回転以上の回転速度で駆動されるモータ100において、過電流損をより大きく低減できるが、これに限られるものではない。
先端部材20がベース部材10に対して圧入されていることで、先端部材20が確実にベース部材10に対して固定されている。また、先端部材20とベース部材10とが接触又は近接した状態が保たれるので、先端部材20とベース部材10とを用いて構成される磁気回路の漏れ磁束が少なくなり、モータ100の効率を向上させることができる。
取付部17の凹部と係合部27の凸部とは、それぞれ、手前側の幅方向の寸法w1よりも奥側の幅方向の寸法w2が大きくなるように形成されている。そのため、先端部材20がベース部材10に対して固定されている状態で、回転軸101に垂直な方向に、先端部材がベース部材から抜けにくくなっている。
一般に、巻線機を用いてコイルを巻くには、周方向に隣り合うティースの先端部同士の間隔(スロットオープニング)が所定の大きさより大きい必要がある。しかしながら、本実施の形態において、コア1は、ベース部材10に先端部材20を取り付けることで構成されているので、コイル41をベース部材10に装着してからベース部材10に先端部材20を固定することができる。したがって、先端部材20の形状を比較的自由に設定することができ、かつ、巻線機を必要としない簡素な製造工程でモータ100を製造することができるようになる。
図9は、本実施の形態の一変形例に係る先端部材220の端面25を示す図である。
複数の金属板21の積層方向は、モータ100の回転軸方向と、厳密には一致していなくてもよい。例えば、図9に示されるように、先端部材220の上端面側又は下端面側の金属板21の周方向の端部が、先端部材220の一方の側面と、先端部材220の上端面又は下端縁とに現れるように、金属板21の積層方向が上述の実施の形態とは若干異なる方向になっていてもよい。このような構成であっても、上述の実施の形態と同様に、渦電流の発生を抑制することができる。なお、このような積層方向についても、大まかには、モータ100の回転軸方向であるといえる。
図10は、本実施の形態の他の変形例に係る先端部材320を示す斜視図である。
図10に示されるように、上述のようにして金属板ロール800から切り出した2つの先端部材320a,320bを回転軸方向に重ねて、回転軸方向の寸法が長い、1つの先端部材320を構成するようにしてもよい。このような構造を採用することにより、回転軸方向の寸法が長い先端部材320を、低コストで製造することができる。なお、図10においては、上側の先端部材320aと下側の先端部材320bとで金属板21の湾曲方向が異なっているが、これに限られるものではない。
図11は、本実施の形態の他の変形例に係るステータ部450を示す斜視図である。
図11に示されるように、コア401は、上述と同様に形成されたベース部材10と、上述の実施の形態とは異なる形状を有する3つの先端部材420とを有している。各先端部材420は、他の2つの先端部材420と共にロータ部を囲むように形成された円筒面425を有している。このような形状を有する先端部材420であっても、上述の先端部材20と同様に全体として湾曲し互いに密着する複数の金属板を用いて構成することで、渦電流の抑制効果を得ることができ、モータ100のトルクを高いレベルで得ることができる。
[その他]
ティースの数は、3つに限られず、例えば4つより多くてもよい。また、後端部の数は、3つに限られず、例えば4つより多くてもよい。先端部材の数は、3つに限られず、例えば4つより多くてもよい。複数のティースのうち一部のティースに、上述のように先端部材が取り付けられるようにしてもよい。
モータはインナーロータ型のものに限られず、アウターロータ型のものであってもよい。すなわち、ステータ部のコアは、モータの回転軸から放射状に突出するように形成された複数のティースを有し、そのティースの先端部(回転軸から離れている端部)に先端部材が取り付けられているようにしてもよい。このとき、後端部の先端部の取付部には、モータの回転軸に対して近づく方向に凹む取付部が形成されており、その取付部に先端部材の係合部が係合するように構成されていてもよい。
モータ100は、インナーロータ型のブラシレスモータであるが、これに限定されない。例えば、モータ100は、ブラシ付きモータであっても構わない。
ベース部材10は、先端部材20を構成する複数の金属板21とは異なる、複数の板状の部材が積層されて構成されているが、これに限定されない。複数の板状の部材は、複数の金属板21のいずれか1つの金属板と異なっていればよい。
取付部及び係合部の形状は、上述に限られず、適宜設定することができる。ベース部材側の取付部に凸状部が形成されており、先端部材側の係合部に、凸状部に係合する凹状部が形成されていてもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,402 モータ用コア
2,2a,2b,2c ティース
10 ベース部材
11 筒部
13 後端部
17 取付部
20,220,320,420 先端部材
21,21a,21b 金属板
25,425 端面
27 係合部
41 コイル
45 インシュレータ
50,450 ステータ部
80 ロータ部
81 シャフト
85 マグネット
100 モータ
101 回転軸

Claims (8)

  1. 複数のティースと、
    前記複数のティースの先端部に囲まれた開口部と、
    前記複数のティースのそれぞれの先端部が固定されるベース部材とを備え、
    前記複数のティースのそれぞれの先端部には、前記ティースの厚み方向に積まれた複数の金属板が配置されており、
    前記ベース部材は、前記金属板とは異なる金属部材で形成されており、
    前記先端部のそれぞれにおいて、前記複数の金属板が互いに密着しており、
    前記複数の金属板のそれぞれが、全体として、前記複数の金属板が積まれた方向に湾曲しており、
    前記先端部の回転軸方向における上端面及び下端面は、平面状に形成されており、
    前記複数の金属板のうち、前記上端面を形成する金属板及び下端面を形成する金属板は、他の金属板より薄い、モータ用コア。
  2. 前記複数の金属板それぞれの中心軸は同じである、請求項1に記載のモータ用コア。
  3. 前記複数の金属板のうち1つの金属板は、単一の頂部を備える、請求項1又は2に記載のモータ用コア。
  4. 前記複数のティースは後端部を備え、
    前記先端部と前記後端部は、径方向において、並べて配置されており、
    前記ベース部材は、前記複数の後端を有し、
    前記後端部の先端部には、前記モータの回転軸に対して離れる方向又は近づく方向に凹んだ取付部が形成されており、
    前記先端部は、前記取付部に取り付けられている、請求項1から3のいずれかに記載のモータ用コア。
  5. 前記開口部に対面する前記複数の金属板のそれぞれの端部が、当該複数の金属板が積まれた方向に湾曲している、請求項1からのいずれかに記載のモータ用コア。
  6. 前記複数の金属板が積まれた方向において、対向する複数の金属板の面それぞれは、円筒面形状を有し、
    前記複数の金属板のうち1つの金属板の凹面の曲率半径は、その金属板の凸面に密着する他の金属板の凹面の曲率半径よりも小さい、請求項1から5のいずれかに記載のモータ用コア。
  7. 前記ベース部材は、前記複数の金属板よりも厚い金属部材が複数積まれた構造を有する、請求項1から6のいずれかに記載のモータ用コア。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載のモータ用コアと、
    前記複数のティースに巻かれた複数のコイルと、
    前記モータ用コアの前記先端部に対面するマグネットを有するロータと、を備え、
    前記ロータは、前記モータ用コアに対して回転可能である、モータ。
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