JP6518091B2 - 免震横枠体を備えた風車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、縦軸風車の免震横枠体に係り、縦軸風車の回転時に生じる、支持枠体の震動を抑止して、ロータの回転効率を高めるようにした、縦軸風車の免震横枠体を備えた風車装置に関する。
高層の支持枠体に、ロータを多層状に配設した縦軸風車は、特許文献1及び2に開示されている。
特開2006−118384号公報
特開2006−017011号公報
前記、特許文献1に記載の発明は、支持枠体に支持された1本の縦主軸に、複数のロータを、多層状に配設したものである。
特許文献2に記載の発明も、支持枠体に支持された1本の縦主軸に、複数のロータを多層状に配設し、縦主軸に撓み防止手段を施したものである。
これらの発明においては、微風時でもロータの回転効率が高く優れており、支持枠体をワイヤロープ等で四方から緊張して固定保持すれば、ロータの回転に伴う遠心力によって、支持枠体全体が震動しても、ある程度ワイヤロープの弛みを防止することができる。しかし、支持枠体全体の震動を抑制する方法が、切望されているところである。
本発明は、この問題を解決することを目的としている。
本発明の具体的な内容は、次の通りである。
(1) 1本の縦主軸に、3個以上のロータを層状に固定した風車を支持するための、複数の横枠体と複数の支柱とで立体に組まれた支持枠体において、その縦主軸の高さの中央部分に配設される免震横枠体が、平面視左右の縦枠体と前後の横枠体とで基枠体が形成され、角部は角隅材で結合され、平面視でその基枠体内部に、複数の支持腕を介して中央に固定された免震手段の外枠の内周に沿って複数の弾性体を均等に配して内枠が支持され、内枠の中央部に嵌装されたベアリングに縦主軸が支持され、前記各支柱の外側に、免震傾斜支柱が、下端部を支柱から離れた位置の基盤に固定し、中間を支柱方向に内向きに湾曲させ、上端は免震横枠体よりも上方の支柱に固定してなる免震横枠体を備えた風車装置
(2) 前記免震横枠体が、基枠体の内部に、複数の支持腕を介して中央に固定された免震手段の外枠の内周に沿って、複数の弾性体を均等に、かつ上下で二重に配して内枠が支持され、内枠の内部にベアリングが上下二重に嵌装されている前記(1)に記載の免震横枠体を備えた風車装置
(3) 前記1本の縦主軸の上端部は、横枠体に通常のベアリングで支持され、縦主軸の下部の振動は、基礎横枠体の内部に複数の支持腕で支持された支持環体内面と発電機の上側部間に配設された弾性体で吸収され、かつ縦主軸の中間部の振動は、免振横枠体における免振手段で吸収されるようになっている前記(1)または(2)に記載の免震横枠体を備えた風車装置
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
前記(1)に記載の発明においては、免震横枠体の中央部に、免震手段によって縦主軸を支持するベアリングが装着されているので、ロータの回転に伴い縦主軸が震動しても、その震動を免震手段が吸収するため、縦主軸の震動が風車の支持枠体に伝わりにくいので、支持枠体が大きく震動したり、その震動による低周波が生じたりすることが抑止される。
基枠体は、縦枠材と横枠材とで方形の基枠体に組まれ、四隅部に支柱を固定する固定部が配設されているので、固定部に支柱を固定することによって、容易に横枠体を多層状に備える支持枠体を組立てることができる。
各支柱の外側に、免震傾斜支柱が、下端部を支柱から離れた位置の基盤に固定し、中間を支柱方向に内向きに湾曲させ、上端は免震横枠体よりも上方の支柱に固定してあるので、縦主軸の振動が支持枠体の支柱に伝わっても、免震傾斜支柱の上部が内外に揺れて振動を吸収する。
前記(2)に記載の発明においては、免震横枠体は、弾性体とベアリングが上下に二重に配設されているので、縦主軸の横揺れ震動を、上下のベアリングを支持する弾性体によって、効率のよい震動吸収をすることができる。
前記(3)に記載の発明においては、前記1本の縦主軸の上端部は、横枠体に通常のベアリングで支持され、縦主軸の下部の振動は、基礎横枠体の内部に複数の支持腕で支持された支持環体内面と発電機の上側部間に配設された弾性体で吸収され、かつ縦主軸の中間部の振動は、免振横枠体における免振手段で吸収されるようになっているので、ロータ之回転によって生じる縦主軸の振動は、支持枠体全体に及ぶことが抑制される。
本発明免震横枠体の実施例1の平面図である。 図1における角隅部分の拡大斜視図である。 本発明免震横枠体を使用した支持枠体の正面図である。 図3におけるIV−IV線横断平面図である。 本発明の実施例2を示す一部縦断側面図である。 本発明の免震手段の実施例3を示す要部縦断正面図である。 本発明免震横枠体の実施例4の平面図である。
以下本発明を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、免震横枠体1は、複数の枠材2A、2Bによって、平面視で方形の基枠体2が形成されている。その中央部に免震手段4が複数の支持腕3、3によって固定されている。
方形の基枠体2の四隅部には、支持枠体9の支柱10を固定する頑強な角隅材2Cが固定され、図2に示すように、上下に突出する柱取付部2D、2Dが突設されている。この柱取付部2D、2Dに、例えば管状の支柱10を嵌合させてネジ留めするとか、あるいはL型鋼材を外接してネジ留めして組立てる。
免震横枠体1の大きさは、風車の大きさによるが、半径1mの風車ならば、例えば1辺2.5m、高さ10cm前後、枠材2Aの幅10cm前後のものである。用材は金属、FRPなどで、一体物あるいは、複数の部材を組立てる形式にする。
図3は、免震横枠体1を風車の支持枠体9に、複数の支柱10を介して立体的に枠組したものである。支柱10として長尺物を使用するときは、例えばL型鋼材を、横枠体3の外隅材2Cの柱取付部2Dを外側から覆うように被着して、ネジ留めをする。必要に応じて、継目部分の外面に、例えば補強管などを嵌合する。
図1において、基盤Gは、セメントコンクリートとし、図4に示すように、基礎柱体10Aが立設され、その上に基礎横枠体1Aが水平に支持されている。基礎横枠体1Aの下部に、免震手段13を下面に備えた支持台12の上に、発電機11が支持されている。
免震手段13は、支持台12の下に、複数の、例えば防震ゴムやコイルスプリング等を配設したもので構成されている。
基礎横枠体1Aの内部に、内側に弾性体17を備えた外枠17Aが、複数の支持腕3を介して固定され、弾性体17の内側に発電機11の上部が嵌合されている。
これによって、縦主軸18がロータ20の回転によって震動しても、発電機11の上部の震動は弾性体17で緩和され、発電機11全体の震動は、下部の免震手段13によって制御されるので、震動が基盤Gから他域に伝わりにくい。
支持枠体9の上下方向の中間には、免震横枠体1が水平に支持され、中央のベアリング8により縦主軸18が支持されている。その上域における横枠体1Bは、ベアリング19で縦主軸18を支持している。
支持枠体9は四隅部を固定斜柱14と、傾斜柱15で支持しており、震動が抑止され、緊張索などか切断されることはない。
縦主軸18には、上下方向に一定の間隔を開けて、ロータ20が配設されている。
ロータ20は、上下端部を縦主軸18方向へ傾斜する傾斜部14Aとした、縦長の揚力型ブレード21(以下単にブレードという)を、支持腕22を介して、縦主軸18に装着されている取付板23に、着脱可能に固定して形成されている。
ブレード21は、縦主軸18を挾んで対称的に配設されている。ブレード21の枚数は限定されないが、枚数が多い場合には、高速回転時に、先行のブレード21によって生じる乱気流を、追行するブレード21が受けて全体として失速する。
ブレード21が1枚の場合、縦主軸18に対する回転バランスが良くなく、震動の原因になる。縦主軸18にロータ20を多層状に配設するときは、上下のブレード21が重ならないように、ブレード21の位相をバランスよく変えて配置する。
ロータ20は、図1においては3層に配設されているが、これより層数が増加すると、気流の速度が上下で異なるため、上下のロータ20間で回転速度に違差が生じやすい。基盤Gの位置が高くて、比較的高速風の吹く場所においては、ロータ20の3層配設は、効率のよい高速回転をする。
ブレード21は、弦長が長くて、受風面積が大きく、回転効率を高いものとしてある。回転に伴い、ブレード21の前縁に当る相対流は、内外側面に沿って後縁方向へ流動する過程で、コアンダ効果により、外側面に負圧が生じ、ブレード21の回転軌跡内の気流が、外側へ吸引されて、ブレード21の内側面が前縁外方向へ押され、回転効率が高まる。
また、ロータ20が高速回転をすると、縦主軸18に近い部分よりも、ブレード21の外側面の回転周速が大であるため、流体の粘性によって、外側面に沿って回転する気体は、内側部よりも負圧となり、ブレード21の回転軌跡内の気流が、外側方向に引かれて、内部が負圧となる。
それによって、風流以外の周囲の気流が、この負圧となる回転軌跡内に吸引されて、相対的に気流の量が増加し、ロータ20の回転効率が高められ、ブレード21は、風速以上の速度をもって回転する。
そのため、支持枠体4を頑強に形成しても、ブレード21の高速回転に伴う遠心力によって、縦主軸11が震動し、これを支持する支持枠体9が震動するため、ワイヤ等で支持枠体9を強く緊張しておいても、緩んだり縦主軸18が撓み、震動が、基盤Gから他所へ伝わり、低周波が発生する等の事態が生じかねない。
しかし、図3においては、上端の横枠体1Bには、ベアリング19を介して、縦主軸18の上端部を支持してあるので、ロータ20の高速回転に伴う震動が生じても、支持枠体9により受け止められ、弾性傾斜柱15で震動が抑止される。
縦主軸18の上部が固定されていると、縦主軸18に生じる震動は、下部で生じるため、低い位置において免震横枠体1を使用している。図1に示すように、縦主軸18が震動して、免震手段4における内枠6が震動しても、外枠5との間に介在されている弾性体7によって震動が吸収される。
また発電機11全体も、免震手段13や弾性体17によって震動が吸収されるので、縦主軸18の震動による支持枠体9の震動が抑止される。
図5は、免震手段の実施例2を示す一部縦断正面図である。前例と同じ部材には、同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例2においては、免震手段の外枠5を共通として、弾性体7、内枠6、ベアリング8の1組が上下一対として形成されている。
この特性は、縦主軸18の一定間隔の上下部分を上下一対のベアリング8で支持しているので、縦主軸18が左右に揺れた時に、上下のベアリング8は逆向きに移動して、それぞれのベアリング8の反作用によって、元の位置に復元する力が大きく、震動緩和に大きな効果を有する。
図6は免震手段の実施例3を示す1部縦断正面図である。前例と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例3は、外枠5、上下一対の弾性体7、内枠6を共通として上下一対のベアリング8、8を支持しているものである。
この実施例3では、図5の免震手段4を使用する風車よりも大型の風車に使用するのに適している。弾性体7が上下にあるため、縦主軸18が揺動するときに上下の弾性体7が反発し合い、容易に震動を効率よく吸収することができる。
図7は、免震横枠体1の基枠体2を環型にしたものである。前例と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。小型風車で、支柱10を例えば3本しか使用しない場合などでは、方形のものよりも環型のものが使用しやすい。
図7では3っの湾曲した枠材を、継目2Eで連結して環型に組立てている。基枠体2に対する支持腕3の取付けはボルト3A締めなど任意に行われる。免震手段4は前記したものを任意に使用する。
本発明においては、縦主軸18を支持する免震横枠体1を使用することによって、ロータ20の回転に伴う縦主軸の撓み震動を、吸収することが出来るので、効率の高い発電をさせる風力発電機とすることができる。
1.免震横枠体
1A.基礎横枠体
2.基枠体
2A.縦枠材
2B.横枠材
2C.角隅材
2D.柱取付体
2E.継目
3.支持腕
3A.ボルト
4.免震手段
5.外枠
6.内枠
7.弾性体
8.ベアリング
9.支持枠体
10.支柱
11.発電機
12.支持台
13.免震手段
14.固定支柱
15.免震傾斜支柱
16.ボルト
17. 弾性体
17A.支持環体
18.縦主軸
19.ベアリング
20.ロータ
21.揚力型ブレード
21A.傾斜部
22.支持腕
23.取付板
G.基盤

Claims (3)

  1. 1本の縦主軸に、3個以上のロータを層状に固定した風車を支持するための、複数の横枠体と複数の支柱とで立体に組まれた支持枠体において、その縦主軸の高さの中央部分に配設される免震横枠体が、平面視で左右の縦枠体と前後の横枠体とで基枠体が形成され、角部は角隅材で結合され、平面視でその基枠体内部に、複数の支持腕を介して中央に固定された免震手段の外枠の内周に沿って複数の弾性体を均等に配して内枠が支持され、内枠の中央部に嵌装されたベアリングに縦主軸が支持され、前記各支柱の外側に、免震傾斜支柱が、下端部を支柱から離れた位置の基盤に固定し、中間を支柱方向に内向きに湾曲させ、上端は免震横枠体よりも上方の支柱に固定してなることを特徴とする免震横枠体を備えた風車装置
  2. 前記免震横枠体が、基枠体の内部に、複数の支持腕を介して中央に固定された免震手段の外枠の内周に沿って、複数の弾性体を均等に、かつ上下で二重に配して内枠が支持され、内枠の内部にベアリングが上下二重に嵌装されていることを特徴とする請求項1に記載の免震横枠体を備えた風車装置
  3. 前記1本の縦主軸の上端部は、横枠体に通常のベアリングで支持され、縦主軸の下部の振動は、基礎横枠体の内部に複数の支持腕で支持された支持環体内面と発電機の上側部間に配設された弾性体で吸収され、かつ縦主軸の中間部の振動は、免振横枠体における免振手段で吸収されるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の免震横枠体を備えた風車装置
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