JP6517715B2 - デッキプレート - Google Patents

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Description

本発明は、解体を要さない打込み型枠として使用されるコンクリートスラブ用のデッキプレートに関し、詳しくは、合成スラブ用デッキプレートとフラットデッキ用デッキプレートの両方に兼用可能なデッキプレートに関するものである。
従来、建築物の床スラブや屋根スラブなどの構造物のコンクリートスラブを構築するため、解体を要しない打込み型枠として形鋼や型枠間に架け渡され、その中にコンクリートが打設されて使用されるコンクリートスラブ用デッキプレートが種々提案されている。このコンクリートスラブ用デッキプレートは、コンクリート打設時には型枠として機能し、コンクリート硬化後はコンクリートと一体になって引張応力を負担する構造部材としての合成スラブ用デッキプレートと、上面が概ね平ら(フラット)で解体を要さない打込み型枠として使用されるが、構造部材として引張り応力を負担するものとは算定されないフラットデッキ用デッキプレートとの、2種類のデッキプレートに大別される。
例えば、特許文献1には、従来技術として、水平なプレート1の下面に断面三角形状の複数条の補強リブ2が形成されたフラットデッキプレート5において、長手方向に沿って一側端に形成された鉤爪状の接続片3を設け、この接続片3を隣接する他のフラットデッキプレートの補強リブ2内に圧入して複数のフラットデッキプレート5同士を横方向(水平方向)にずれないように係合して連結させて使用するフラットデッキプレート5が開示されている(特許文献1の図面の第1図、第3図等参照)。
また、特許文献2には、特許文献1と略同様のフラット部1の下面に断面三角形状の複数条の補強リブ2が形成されたフラットデッキプレートFDにおいて、このフラットデッキプレートFDをスポット溶接可能とするため片面に塗装を施しためっき鋼板から構成するとともに、フラットデッキプレートFDの天地(上下)を逆にして合成スラブ用デッキプレートとしても使用できることが開示されている(特許文献2の図面の図1、図3等参照)。
しかし、特許文献1に記載のフラットデッキプレート5及び特許文献2に記載のフラットデッキプレートFDのような従来のフラットデッキ用デッキプレート10は、合成スラブ用デッキプレートとして使用する場合は、図21(a)、(b)に示すように、重いフラットデッキ用デッキプレート10を持ち上げて、上面から見えない補強リブの溝内に鉤爪状の接続片等を差し込まなくてはならず、デッキプレート同士の連結が非常に困難であるという問題があった。
その上、従来のフラットデッキ用デッキプレート10は、合成スラブ用デッキプレートとして使用するために困難な連結作業を行ったとしても、図21(b)に示すように、差し込んだ接続片が、荷重が掛かる下方へ抜けるおそれがあるため、溶接やカシメなどの何らかの固定手段により、接続片を補強リブに固定する必要があり、連結作業の作業効率が悪いという問題もあった。
実公昭63−10022号公報 特開平9−4107号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、合成スラブ用デッキプレートとしてもフラットデッキ用デッキプレートとしても使用することができるとともに、いずれのデッキプレートとして使用してもデッキプレート同士の連結がデッキプレートを持ち上げることなく水平にスライドさせるだけで容易に行え、且つ、溶接やカシメなどの固定作業が不要なデッキプレートを提供することにある。
第1発明に係るデッキプレートは、鋼板から折り曲げられて平面視で長方形状に成形されたコンクリートスラブ用のデッキプレートであって、コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部と、このスラブ支持部の片面から面外方向に向け長手方向に沿って突設された補強リブと、が備えられているとともに、前記スラブ支持部の長手両側の縁に沿って左右一対の係合リブが形成され、一方の第1係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第1立上り部と、この第1立上り部の先端から外側に一定間隔離間して傾斜する係合傾斜部と、が設けられ、他方の第2係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第2立上り部と、この第2立上り部の先端から前記係合傾斜部と逆方向に傾斜して前記一定間隔内に収まる幅を有する乗り越え傾斜部と、が設けられていることを特徴とする。
第2発明に係るデッキプレートは、第1発明において、前記第2係合リブには、前記乗り越え傾斜部の先端から前記係合傾斜部と同一方向に略同角度で傾斜する押圧傾斜部が設けられていることを特徴とする。
第3発明に係るデッキプレートは、第1発明又は第2発明において、前記第1係合リブには、前記係合傾斜部から前記係合傾斜部と逆方向に傾斜する案内傾斜部が設けられていることを特徴とする。
第4発明に係るデッキプレートは、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記スラブ支持部には、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されていることを特徴とする。
第5発明に係るデッキプレートは、第1発明ないし第4発明のいずれかの発明において、前記第1立上り部、第2立上り部のいずれか一方又は両方には、デッキプレートとその内側に打設されたコンクリートとが両者の界面でずれることを防止するエンボスが形成されていることを特徴とする。
第6発明に係るデッキプレートは、第5発明において、前記エンボスは、前記スラブ支持部の面に対していずれか一方に傾斜する凸条であることを特徴とする。
第7発明に係るデッキプレートは、第1発明ないし第6発明のいずれかの発明において、前記補強リブには、曲げ剛性を高める断面三角形状の部分が設けられていることを特徴とする。
第1発明〜第7発明によれば、合成スラブ用デッキプレートとしてもフラットデッキ用デッキプレートとしても使用することができるとともに、いずれのデッキプレートとして使用してもデッキプレート同士の連結がデッキプレートを持ち上げることなく水平にスライドさせるだけで容易に行え、且つ、デッキプレート同士を溶接やカシメなどの固定する作業が不要となる。
また、第1発明〜第7発明によれば、スラブ支持部の長手両側の縁に位置する係合リブにスラブ支持部から離れた位置に横方向に延びる係合傾斜部や乗り越え傾斜部を有するので、短手方向の端部の断面性能(曲げ剛性)が向上し、デッキプレートの幅の倍数と構築するコンクリートスラブの幅との関係に端数が生じて幅調整が必要な場合でも、平板状の調整板だけで対応することができ、従来必要であった複数種類の役物が不要となる。このため、デッキプレート及びそれを用いたコンクリートスラブの材料コストを低減及び施工の単純化をすることができる。
さらに、第1発明〜第7発明によれば、デッキプレートの短手方向の端部の係合リブの曲げ剛性が高いうえ、係合傾斜部や乗り越え傾斜部の向く方向が同一であるため、互いに逆方向に上下に重ねた際に外側へ突出することがない。このため、前述のように半端な役物が不要となるうえ、さらに荷姿が改善され、運搬効率が向上するとともに、デッキプレート揚重の際に、デッキプレートの束に掛けられる玉掛ワイヤーやスリングなどで絞られて係合リブが変形するおそれが少ない。
特に、第2発明によれば、第2係合リブには、乗り越え傾斜部の先端から係合傾斜部と同一方向に略同角度で傾斜する押圧傾斜部が設けられているので、係合傾斜部と押圧傾斜部の略同一の傾斜により、合成スラブ用デッキプレートとフラットデッキ用デッキプレートのいずれのデッキプレートとして使用しても、係合させるデッキプレート同士が互いに押圧される結果となり、コンクリート打設時のノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうことを防止することができる。
特に、第3発明によれば、第1係合リブに案内傾斜部が設けられているので、合成スラブ用デッキプレートとして使用する際に、デッキプレートを水平方向にスライドさせてデッキプレート同士を係合させることがさらに容易となる。
特に、第4発明によれば、スラブ支持部の平板面に、長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されているので、スラブ支持部の曲げ剛性が向上する。よって、デッキプレート上に打設されたコンクリートの強度が発現するまでの施工時の型枠としてのデッキプレートの強度計算において、デッキプレートの長手方向に直交する鉛直断面の全断面積が有効として算定することができ、結果的に、必要強度に比してデッキプレートの厚さを薄くすることができる。このため、輸送費を含めデッキプレートの設置費用を低減することができる。
特に、第5発明によれば、第1立上り部、第2立上り部のいずれか一方又は両方にエンボスが形成されているので、デッキプレートとその内側に打設されたコンクリートとが両者の界面でずれることを防止することができる。
特に、第6発明によれば、第1立上り部、第2立上り部のいずれか一方又は両方に形成されたエンボスが、上下に傾斜する凸条となっているので、1種類のエンボスで、上下方向、水平方向のいずれの方向にもずれることを防止することができる。
特に、第7発明によれば、補強リブには、断面三角形状の部分が設けられているので、製造容易な簡単な構成でデッキプレートの曲げ剛性をさらに高めることができる。
本発明の実施形態に係るデッキプレートを示す斜視図である。 同上のデッキプレートを長手方向に沿って水平に見た状態を示す正面図である。 同上のデッキプレートを短手方向に沿って水平に見た状態を、中間部を省略して示す左側面図である。 合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合の同上のデッキプレート同士を係合する前の状態を示す斜視図である。 合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合の同上のデッキプレート同士を係合させて敷き並べた状態を示す斜視図である。 合成スラブ用のデッキプレートとして同上のデッキプレートを使用した場合のコンクリート打設後の状態をデッキプレートの長手方向と直交する鉛直断面で示す鉛直断面図である。 合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合の同上のデッキプレート同士の係合前の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 図7後のデッキプレート同士の係合開始直前の当接状態を示す係合状態説明図である。 図8後のデッキプレート同士の係合開始直後の一方の係合リブの斜面に他方の係合リブが乗り上げた状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 図9後のデッキプレート同士の係合終了前の一方の係合リブの斜面を他方の係合リブが乗り越えた直後の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 図10後のデッキプレート同士の係合終了後の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 フラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合の同上のデッキプレート同士を係合する前の状態を示す斜視図である。 フラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合の同上のデッキプレート同士を係合させて敷き並べた状態を示す斜視図である。 フラットデッキ用のデッキプレートとして同上のデッキプレートを使用した場合のコンクリート打設後の状態をデッキプレートの長手方向と直交する鉛直断面で示す鉛直断面図である。 フラットデッキ用のデッキプレートとして同上のデッキプレートを使用した場合のコンクリート打設後の状態をデッキプレートの長手方向に沿った鉛直断面で示す鉛直断面図である。 合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合の同上のデッキプレート同士の係合前の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 図16後のデッキプレート同士の係合開始直前の当接状態を示す係合状態説明図である。 図17後のデッキプレート同士の係合開始直後の一方の係合リブの斜面に他方の係合リブが乗り上げた状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 図18後のデッキプレート同士の係合終了前の一方の係合リブの斜面を他方の係合リブが乗り越えた直後の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 図19後のデッキプレート同士の係合終了後の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。 合成スラブ用のデッキプレートとして従来の兼用デッキプレートを使用した場合のコンクリート打設後の状態を示す図面であり、(a)がデッキプレートの長手方向と直交する鉛直断面で示す鉛直断面図、(b)が補強リブの溝に接続片を差し込む部分を拡大して示す部分拡大図である。 従来のフラットデッキ用デッキプレートと、その役物を示す正面図であり、(a)が、従来のフラットデッキ用デッキプレートの標準タイプを示し、(b)〜(d)が、標準タイプより幅の狭い調整用の役物を示している。 従来のフラットデッキ用デッキプレートを重ね合わせた荷姿を示す正面図である。 本実施形態に係るデッキプレートを重ね合わせた荷姿を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態に係るデッキプレートについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るデッキプレート1は、建築物の床スラブや屋根スラブなどの構造物のコンクリートスラブを構築するため、解体を要さない打込み型枠として形鋼や型枠間に架け渡され、上面にコンクリートが打設されて使用されるコンクリートスラブ用のデッキプレートである。また、このデッキプレート1は、合成スラブ用デッキプレートとフラットデッキ用デッキプレートのいずれにも適用可能な構成となっている。
このデッキプレート1は、溶融亜鉛めっき鋼板(JIS G3302:SGCC,SGC340,SGH340)などの防錆処理が施された0.8mm〜1.6mm程度の薄鋼板から折り曲げられて、構造物の形状に応じた所定の長さの平面視で概形が長方形状に成形されたデッキプレートである。なお、デッキプレート1の長さは、構築するコンクリートスラブの長さ、及び鋼板の厚さや用途(合成スラブ用デッキプレートとして使用するか、又はフラットデッキ用デッキプレートとして使用するか)によって相違するが、一般的には、0.8m〜3.7m程度の範囲の長さとなっている。
本実施形態に係るデッキプレート1は、図1〜図3に示すように、コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部2と、このスラブ支持部2の片面(図上の上面)から垂直(鉛直)に長手方向に沿って突設された補強リブ3と、スラブ支持部2の長手両側の縁に沿って形成された互いに係合し合う形状の左右一対の係合リブ4,5など、から構成されている。
なお、図1〜図3は、デッキプレート1のリブ(補強リブ3、係合リブ4,5)が上を向いてスラブ支持部2の上方に位置する場合、即ち、デッキプレート1を合成スラブ用デッキプレートとして使用する場合の設置方向を例示している。
図1、図2に示すように、このデッキプレート1は、スラブ支持部2の中央に一条だけ補強リブ3が突設されており、スラブ支持部2は、この補強リブ3を境に第1スラブ支持部21と、第2スラブ支持部22に分割されている。勿論、補強リブ3は、複数条設けられていてもよく、スラブ支持部2も3以上に分割されていてもよい。
(スラブ支持部)
第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22は、補強リブ3を境に線対称となった左右一対の平板状の部材であり、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されている。
本実施形態に係るスラブ支持部2では、図2に示すように、曲げ剛性を高める凹凸として、第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22のいずれにも断面台形状の凸条である山形リブ23が二本ずつ形成されている。
このため、デッキプレート1上に打設されたコンクリートの強度が発現するまでの施工時の型枠としてのデッキプレート1の強度計算において、デッキプレート1の長手方向に直交する図2の鉛直断面の全断面積が有効として算定することができ、結果的に、必要強度に比してデッキプレートの厚さを薄くすることができる。よって、輸送費を含めデッキプレート1の設置費用を低減することができる。
勿論、スラブ支持部2に設ける凹凸として、断面台形状の凸条である山形リブ23を例示したが、断面三角形状や多角形状の凸条でもよい。即ち、スラブ支持部2に設ける凹凸は、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられる凹凸であれば、他の形状からなる凸条、凹条の山形リブでも構わない。
(補強リブ)
補強リブ3は、スラブ支持部2の片面中央(第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22の間)に垂設され、2枚の平板状の鋼板が重なり合った立上り部30と、この立上り部30の先端に形成された断面三角形状の補強リブ部31など、から構成されており、スラブ支持部2の長手方向に対する曲げ剛性を向上する機能を有している。
(第1係合リブ)
一対の係合リブのうち図2に示す左側の係合リブである第1係合リブ4は、スラブ支持部2の面外方向である第1スラブ支持部21の面に対して垂直に立ち上がる平板状の第1立上り部40と、この第1立上り部40の先端から図2の状態で内側(補強リブ3と近接する側、以下同じ)上方に向け傾斜して立ち上がる立上り傾斜部41と、この立上り傾斜部41の先端から水平に連続する水平部42と、この水平部42の先端から図2の状態で下方に傾斜する係合傾斜部43と、この係合傾斜部43の先端から係合傾斜部43と逆方向に傾斜する案内傾斜部44など、から構成されている。
この第1係合リブ4は、隣接する他のデッキプレート1の第2係合リブ5と係合してデッキプレート1同士を連結する機能を有している。
また、この第1立上り部40には、図2等に示すように、幅5−10mmで全長が30−100mmの平板面から内側へ突出する複数のエンボス45が所定の間隔をおいて平行に並んで形成されている。このエンボス45は、図3に示すように、水平視で上下に傾斜する長孔状の凸条となっており、デッキプレート1とその内側に打設されたコンクリートとが両者の界面でずれることを防止する機能を有している。このように、エンボス45の凸条が、上下に傾斜しているため、1種類のエンボスで、上下方向、水平方向のいずれの方向にもずれること防止することができる。
なお、第1立上り部40、立上り傾斜部41、水平部42、係合傾斜部43、案内傾斜部44の各部の接合部となる角は、全て曲面加工され折り曲げられ、丸面角となっている。
(第2係合リブ)
一対の係合リブのうち図2に示す右側の係合リブである第2係合リブ5は、スラブ支持部2の面外方向である第2スラブ支持部22の面に対して垂直に立ち上がる平板状の第2立上り部50と、この第2立上り部50の先端から図2の状態で内側上方に向け傾斜して立ち上がる乗り越え傾斜部51と、この乗り越え傾斜部51の先端から図2の状態で下方に傾斜する押圧傾斜部52など、から構成されている。
また、乗り越え傾斜部51の傾斜高さは、係合傾斜部43と案内傾斜部44の傾斜高さより高く、且つ、乗り越え傾斜部51の傾斜角度は、係合傾斜部43と案内傾斜部44の傾斜角度と相違して図2の状態でこれらの傾斜角度より緩くなっている。このため、デッキプレート1を載置した鋼材等の上を水平方向にスライド移動させた際に、乗り越え傾斜部51が係合傾斜部43及び案内傾斜部44を容易に乗り越えて第2係合リブ5と他のデッキプレートの第1係合リブ4とが係合し易くなっている。
その上、押圧傾斜部52の傾斜は、係合傾斜部43と同一方向に略同角度で傾斜しているので、第2係合リブ5と他のデッキプレートの第1係合リブとが係合した際に、デッキプレート1の自重により係合傾斜部43及び押圧傾斜部52の傾斜で第2係合リブ5と他のデッキプレート1の第1係合リブとが押圧される方向に荷重が掛かり、デッキプレート1同士をピッタリ係合させることができる。このため、コンクリート打設時のノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうことを防止することができる。
なお、図2等に示すように、第2立上り部50には、エンボス45と同様に、幅5−10mmで全長が30−100mmの平板面から内側へ突出する複数のエンボス53が所定の間隔をおいて平行に並んで形成されている。このエンボス53は、図1に示すように、エンボス45と逆方向の上下に傾斜する長孔状の凸条となっており、デッキプレート1とその内側に打設されたコンクリートとが両者の界面でずれることを防止する機能を有している。エンボス53とエンボス45の傾斜が逆方向となっているため、一体となって界面でずれることを防止するコンクリートとの合成効果がさらに高くなっている。
各図に示すように、第1係合リブ4と同様に、第2係合リブ5の第2立上り部50、乗り越え傾斜部51、押圧傾斜部52の各部の接合部となる角も、全て曲面加工され折り曲げられ、丸面角となっている。
また、図2(図7、図16も参照のこと)に示すように、第1係合リブ4の第1立上り部40と、その折り返し部である係合傾斜部43の傾斜が始まる折り返しの点との水平距離D1は、第2係合リブ5の第2立上り部50の外面と、その折り返し部である押圧傾斜部52の傾斜が始まる折り返し点の外面との水平距離D2と略等しくなっている。このため、係合傾斜部43や押圧傾斜部52の傾斜角度の加工精度に多少の誤差があったとしも、第1係合リブ4内に、第2係合リブ5がピッタリと嵌まり込んで係合して第1立上り部40と、第2立上り部50とが面接触で当接するため、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。
<デッキプレートの設置方法及び係合リブの係合方法>
次に、図4〜図20を用いて、前述の本発明の実施形態に係るデッキプレート1の設置方法と係合リブの係合方法について説明する。
[合成スラブ用デッキプレート]
先ず、図4〜図11を用いて、デッキプレート1を合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合の設置方法及び係合方法を、構造物である建築物の床スラブを構築する場合を例示して説明する。
図4に示すように、建築物の床スラブを構築するための打込み型枠としてデッキプレート1を、その長手方向が建築物の梁(横架材)であるH形鋼Hの軸方向と直交するように、且つ、H形鋼H間にリブを上向き水平に(係合リブ等がスラブ支持部の上となるよう水平に)架け渡して載置する。
そして、図4に示すように、破線で示すもう1つのデッキプレート1を、既にH形鋼H上に載置した実線で示すデッキプレート1と略平行となるように並べて載置する。その後、実線で示すデッキプレート1側へ図中の矢印方向に破線で示すデッキプレート1を押すか、又は引いて第1係合リブ4に第2係合リブ5を係合させてデッキプレート1同士を連結する。
このような要領で、第1係合リブ4と第2係合リブ5を係合させて複数のデッキプレート1同士を連結して図5に示すように、必要枚数のデッキプレート1を敷き並べる。
床スラブを支持するH形鋼H(床梁)上にデッキプレート1を全て敷き並べた後、溶接金網などの床スラブの構造設計に応じた所定の配筋を施し、所定設計強度のコンクリートを打設して図6に示すように鉄筋コンクリート製の床スラブを構築する。
このようなデッキプレート1を埋設型枠として用いた鉄筋コンクリート製の合成スラブは、スラブ厚が略均一となっているため、乾燥収縮や耐火性能及び遮音性能も略均一となり、コンクリート硬化後のひび割れを抑制できるとともに、耐火性能及び遮音性能も向上することができる。
次に、図7〜図11を用いて、合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合のデッキプレート同士の係合方法について詳細に説明する。
図7は、前述のデッキプレート1を合成スラブ用のデッキプレートとして使用する場合において、デッキプレート1同士の係合前の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。実線で示す第2係合リブ5は、床スラブを支える梁であるH形鋼H上に最初に載置したデッキプレート1の係合リブを示し、破線で示す第1係合リブ4は、後から載置して既設のデッキプレート1の方へ引き寄せるか、又は押圧してH形鋼Hのフランジ上を図中の矢印方向へスライド移動させる側のデッキプレート1の係合リブを示している。
図8は、図7の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート1同士を係合させる直前状態、即ち、スライド移動させている右側のデッキプレート1の第1係合リブ4が左側のデッキプレート1の第2係合リブ5と当接した状態を示す係合状態説明図である。
図8に示すように、右側のデッキプレート1を左側へスライド移動させていくと、左側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51の斜面の途中に、右側のデッキプレート1の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角が当接する。
図9は、図8の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート同士の係合を開始した直後、即ち、右側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角が左側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51の斜面に乗り上げた状態を示す係合状態説明図である。
図9に示すように、右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動を継続すると、右側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角が、左側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51の斜面に案内されて、その傾斜に沿って乗り上げ上昇して行き、右側のデッキプレート1の片側が持ち上がることとなる。
このとき、本実施形態に係る係合傾斜部43と案内傾斜部44の角が丸面(曲面)となっているので、乗り越え傾斜部51の傾斜に沿った丸面角の摺動がスムーズとなっている。但し、乗り越え傾斜部51の斜面による案内は、案内傾斜部44が無く、係合傾斜部43の端面と乗り越え傾斜部51の斜面とが摺接する場合であっても可能であるため、案内傾斜部44は、断面性能が満足していることを前提に、本発明に係るデッキプレートの必須の構成要素ではないといえる。
図10は、図9の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート同士の係合終了前、即ち、右側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角が左側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51の斜面を乗り越えた直後の状態を示す係合状態説明図である。
図10に示すように、右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動を継続すると、右側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角が、左側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51の斜面を乗り越え、次に、左側の第2係合リブ5の押圧傾斜部52の斜面に沿って下降していくこととなる。
このとき、押圧傾斜部52の斜面の傾斜角度と、係合傾斜部43の斜面の傾斜角度が、略同じ角度となっているため、スライド移動させている右側のデッキプレート1の移動の慣性力に加え、持ち上がったデッキプレート1の自重により押圧傾斜部52の斜面に案内されて持ち上がった右側のデッキプレート1も左側へ移動しようとする力が働く。
図11は、破線で示す右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動が完了した状態、即ち、デッキプレート同士の係合終了後の状態を示す係合状態説明図である。
図11に示すように、押圧傾斜部52の斜面による右側のデッキプレート1の自重の左側への分力と、これと反対方向に働く左側の静止しているデッキプレート1の止まろうとする慣性力とで、係合させるデッキプレート1同士が互いに押圧される結果となる。このため、デッキプレート1同士を面接触でピッタリ係合させることができ、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。
[フラットデッキ用デッキプレート]
次に、図12〜図20を用いて、デッキプレート1をフラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合の設置方法及び係合方法を、建築物の床スラブを構築する場合を例示して説明する。
図12に示すように、建築物の床スラブを構築するための打込み型枠としてデッキプレート1を、その長手方向が建築物の梁であるH形鋼と直交するように、且つ、H形鋼Hの軸方向に沿って取り付けられた山形鋼L間にリブを下向き水平に(係合リブ等がスラブ支持部の下となるよう水平に)架け渡して載置する。
そして、図12に示すように、破線で示すもう1つのデッキプレート1を、実線で示す既にH形鋼H上に載置したデッキプレート1と略平行となるように並べて載置する。その後、実線で示すデッキプレート1側へ図中の矢印方向に破線で示すデッキプレート1を押すか、又は引いて第1係合リブ4に第2係合リブ5(図示せず)を係合させてデッキプレート1同士を連結する。
このような要領で、第1係合リブ4と第2係合リブ5を係合させて複数のデッキプレート1同士を連結して図13に示すように、必要枚数のデッキプレート1を敷き並べる。
図13に示すように、床スラブを支持する床梁であるH形鋼Hのフランジ上面とデッキプレート1のスラブ支持部2の上面が略面一に揃うように、山形鋼L上に必要はデッキプレート1を全て敷き並べた後、溶接金網などの床スラブの構造設計に応じた所定の配筋を施し、所定設計強度のコンクリートを打設して、図14、図15に示すように鉄筋コンクリート製の床スラブを構築する。
次に、図16〜図20を用いて、フラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合のデッキプレート同士の係合方法について詳細に説明する。
図16は、前述のデッキプレート1をフラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合において、デッキプレート1同士の係合前の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。実線で示す第1係合リブ4は、山形鋼L上に最初に載置したデッキプレート1の係合リブを示し、破線で示す第2係合リブ5は、後から載置して既設のデッキプレート1の方へ引き寄せるか、又は押圧してH形鋼Hのフランジ上を図中の矢印方向へスライド移動させる側のデッキプレート1の係合リブを示している。
図17は、図16の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート1同士を係合させる直前状態、即ち、スライド移動させている右側のデッキプレート1の第2係合リブ5が左側のデッキプレート1の第1係合リブ4と当接した状態を示す係合状態説明図である。
図17に示すように、右側のデッキプレート1を左側へスライド移動させていくと、左側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角が、右側のデッキプレート1の乗り越え傾斜部51の斜面の途中に当接する。
図18は、図17の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート同士の係合を開始した直後、即ち、右側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51が、左側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角に乗り上げた状態を示す係合状態説明図である。
図18に示すように、右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動を継続すると、左側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51が、右側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角に案内されて、乗り越え傾斜部51の傾斜に沿って乗り上げ上昇して行き、右側のデッキプレート1の片側が持ち上がることとなる。
このとき、本実施形態に係る係合傾斜部43と案内傾斜部44の角が丸面(曲面)となっているので、乗り越え傾斜部51が、丸面角への乗り上げの摺動がスムーズとなっている。但し、乗り越え傾斜部51の乗り上げは、案内傾斜部44が無く、係合傾斜部43の端面と乗り越え傾斜部51の斜面とが摺接する場合であっても可能であるため、フラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合でも案内傾斜部44は、断面性能を満足していることを前提に本発明に係るデッキプレートの必須の構成要素ではないといえる。
図19は、図18の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート同士の係合終了前、即ち、左側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角を、右側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51が乗り越えた直後の状態を示す係合状態説明図である。
図19に示すように、右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動を継続すると、持ち上がった右側の第2係合リブ5の乗り越え傾斜部51が、左側の第1係合リブ4の係合傾斜部43と案内傾斜部44の丸面角を乗り越え、次に、第2係合リブ5の押圧傾斜部52が、スライド移動に伴って、左側の第1係合リブ4の係合傾斜部43の斜面に沿って、滑りながら下降していくこととなる。
このとき、押圧傾斜部52の斜面の傾斜角度と、係合傾斜部43の斜面の傾斜角度が、略同じ角度となっているため、スライド移動させている右側のデッキプレート1の移動の慣性力に加え、持ち上がった右側のデッキプレート1の自重により押圧傾斜部52と係合傾斜部43の斜面に案内されて左側へ移動しようとする力が働く。
図20は、破線で示す右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動が完了した状態、即ち、デッキプレート同士の係合終了後の状態を示す係合状態説明図である。
図20に示すように、係合傾斜部43の斜面による右側のデッキプレート1の自重の左側への分力と、これと反対方向に働く左側の静止しているデッキプレート1の止まろうとする慣性力とで、係合させるデッキプレート1同士が互いに押圧される結果となる。このため、デッキプレート1同士をピッタリ係合させることができ、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。
なお、デッキプレート1をフラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合の設置方法として、H形鋼Hの軸方向に沿って取り付けられた山形鋼L間に架け渡す場合を例示して説明したが、勿論、デッキプレート1の長手方向の両端部にエンドクローズ加工を施して、コンクリート止めとなる山形鋼Lを取り付けずに、直接H形鋼H間に架け渡してもよいことは云うまでもない。
また、以上のように、デッキプレート同士の係合方法を図示して説明したが、図示した方向とは逆方向、即ち、合成スラブ用デッキプレートとして用いる場合、第2係合リブを第1係合リブへスライド移動させて係合したり、フラットデッキ用デッキプレートとして用いる場合、第1係合リブを第2係合リブへスライド移動させて係合したり、しても構わない。その場合でも前記作用効果を奏することは明らかである。
<デッキプレートの役物>
次に、図22を用いて、デッキプレートの役物について説明する。図22は、従来のフラットデッキ用デッキプレートと、その役物を示す正面図であり、(a)が、従来のフラットデッキ用デッキプレートの標準タイプを示し、(b)〜(d)が、標準タイプより幅の狭い調整用の役物を示している。
図22(a)に示すように、従来のフラットデッキ用デッキプレート10は、補強リブが3条あり、短手方向の一方の端部に接続片が形成されているものが一般的であった。このため、短手方向の端部に曲げ剛性が期待できず、構築するコンクリートスラブの幅に応じて幅調整を行うため、図22(b)〜(d)に示すように、3種類のデッキプレートの役物11〜13が必要であった。
一方、本発明の実施形態に係るデッキプレート1では、前述のように、スラブ支持部2の短手方向の端部に位置する第1係合リブ4、第2係合リブ5に、横方向に延びる水平部42、係合傾斜部43、案内傾斜部44、乗り越え傾斜部51、押圧傾斜部52など、が形成されているので、短手方向の端部の断面性能(曲げ剛性)が向上し、デッキプレートの幅の倍数と構築するコンクリートスラブの幅との関係に端数が生じて幅調整が必要な場合でも、係合リブと形鋼との隙間に載置する平板状の調整板だけで対応することができ、従来必要であった複数種類の役物が不要となる。このため、デッキプレート及びそれを用いたコンクリートスラブの製造コストを低減することができる。
<デッキプレートの荷姿>
次に、図23を用いて、デッキプレートの荷姿について説明する。図23は、従来のフラットデッキ用デッキプレート10を重ね合わせた荷姿を示す正面図であり、図24は、本実施形態に係るデッキプレート1を重ね合わせた荷姿を示す正面図である。
デッキプレートは、建築物の各階に必要枚数を揚重することや工場から建築物を建築する現場まで運搬する運搬効率を考慮して、複数枚のデッキプレートを矩形となるように積み重ねてフープで結束し、1つの荷姿に整えることが行われている。
しかし、従来のフラットデッキ用デッキプレート10は、図23に示すように、前述の役物等が混在するため、正面図において矩形となるように半端なサイズの役物11〜13の端にサイコロ陣木や端太角などのスペーサを噛ますなど積み重ね方法を工夫する必要があった。
また、工夫して積み重ねても、デッキプレート揚重の際に、デッキプレートの束に掛けられる玉掛ワイヤーやスリングなどで絞られて荷崩れしてしまうおそれが高かった。その上、デッキプレートの短手方向の端部の剛性が低く、揚重で玉掛ワイヤーやスリングなどで絞られる際に端部から横方向へ突出する部分が変形してしまうという問題もあった。
一方、図24に示すように、本発明の実施形態に係るデッキプレート1の短手方向の端部には、前述の係合リブ4及び係合リブ5が形成されていて曲げ剛性が高いうえ、半端な役物が無いため、荷姿が正面図において綺麗な矩形となる。また、横方向へ突出するフランジ部の向く方向が同一であるため、上下に重ねた際に外側へ突出することがない。このため、運搬効率が向上するとともに、デッキプレート揚重の際に、デッキプレートの束に掛けられる玉掛ワイヤーやスリングなどで絞られて係合リブが変形するおそれが少ない。
<実施形態に係るデッキプレートの作用効果>
以上説明した本発明の実施形態に係るデッキプレート1によれば、合成スラブ用デッキプレートとしてもフラットデッキ用デッキプレートとしても使用することができるとともに、いずれのデッキプレートとして使用してもデッキプレート同士の連結がデッキプレートを持ち上げることなく水平にスライドさせるだけで容易に行え、且つ、デッキプレート同士を溶接やカシメなどの固定する作業が不要となる。
また、デッキプレート1によれば、係合傾斜部43の斜面と押圧傾斜部52の斜面とが、同一方向に略同角度で傾斜するように形成されているので、合成スラブ用及びフラットデッキ用のいずれの用途に用いても、係合させるデッキプレート同士が互いに押圧される結果となり、コンクリート打設時のノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうことを防止することができる。
それに加え、デッキプレート1によれば、スラブ支持部2の平板面に、第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22のいずれにも長手方向に沿って折り曲げられて形成された断面台形状の凸条である山形リブ23が二本ずつ形成されているが形成されているので、スラブ支持部2の曲げ剛性が向上する。よって、デッキプレート上に打設されたコンクリートの強度が発現するまでの施工時の型枠としてのデッキプレートの強度計算において、デッキプレートの長手方向に直交する鉛直断面の全断面積が有効として算定することができ、結果的に、必要強度に比してデッキプレートの厚さを薄くすることができる。このため、輸送費を含めデッキプレートの設置費用を低減することができる。
さらに、デッキプレート1には、エンボス45とエンボス53が形成されているので、デッキプレート1とその内側に打設されたコンクリートCとが両者の界面でずれることを防止することができる。
勿論、デッキプレート1とコンクリートCとが両者の界面でずれることを防止する合成効果は、第1立上り部40、第2立上り部50のいずれか一方又は両方にエンボスが形成されていれば、一定以上の効果を達成することができる。その上、いずれにもエンボスが形成されていなくても、前記作用効果を奏することができるので、立上り部にエンボスが形成されていることは、本発明の必須要素ではないと云える。
また、デッキプレート1の補強リブ3には、断面三角形状の補強リブ部31が設けられているので、製造容易な簡単な構成でデッキプレートの曲げ剛性をさらに高めることができる。
以上、本発明の実施形態に係るデッキプレートについて詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、デッキプレートをH形鋼などの形鋼間に架け渡す場合を例示して説明したが、デッキプレートを基礎等の木製型枠などの型枠間に架け渡してもよいことは云うまでもない。
1 :デッキプレート
2 :スラブ支持部
21 :第1スラブ支持部
22 :第2スラブ支持部
23 :山形リブ
3 :補強リブ
30 :立上り部
31 :補強リブ部
4 :第1係合リブ
40 :第1立上り部
41 :立上り傾斜部
42 :水平部
43 :係合傾斜部
44 :案内傾斜部
45 :エンボス
5 :第2係合リブ
50 :第2立上り部
51 :乗り越え傾斜部
52 :押圧傾斜部
53 :エンボス
C :コンクリート
H :H形鋼(形鋼)
L :L形鋼(形鋼)
10 :従来のフラットデッキ用デッキプレート
11,12,13 :従来のデッキプレートの役物

Claims (7)

  1. 鋼板から折り曲げられて平面視で長方形状に成形されたコンクリートスラブ用のデッキプレートであって、
    コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部と、このスラブ支持部の片面から面外方向に向け長手方向に沿って突設された補強リブと、が備えられているとともに、
    前記スラブ支持部の長手両側の縁に沿って左右一対の係合リブが形成され、
    一方の第1係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第1立上り部と、この第1立上り部の先端から外側に一定間隔離間して傾斜する係合傾斜部と、が設けられ、
    他方の第2係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第2立上り部と、この第2立上り部の先端から前記係合傾斜部と逆方向に傾斜して前記一定間隔内に収まる幅を有する乗り越え傾斜部と、が設けられていること
    を特徴とするデッキプレート。
  2. 前記第2係合リブには、前記乗り越え傾斜部の先端から前記係合傾斜部と同一方向に略同角度で傾斜する押圧傾斜部が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
  3. 前記第1係合リブには、前記係合傾斜部から前記前記係合傾斜部と逆方向に傾斜する案内傾斜部が設けられていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のデッキプレート。
  4. 前記スラブ支持部には、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のデッキプレート。
  5. 前記第1立上り部、第2立上り部のいずれか一方又は両方には、デッキプレートとその内側に打設されたコンクリートとが両者の界面でずれることを防止するエンボスが形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のデッキプレート。
  6. 前記エンボスは、上下に傾斜する凸条であること
    を特徴とする請求項5に記載のデッキプレート。
  7. 前記補強リブには、曲げ剛性を高める断面三角形状の部分が設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のデッキプレート。
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