JP6517536B2 - クローラ走行装置 - Google Patents
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Description
特許文献1(特開2009−35238公報)には、2つの磁気吸着型クローラのフレーム部分同志を、クローラと平行な軸回り、及び該軸と直交する他の軸回りの2自由度ヒンジで結合することにより、各クローラの接地面が平行でない場合、即ち走行面が平面でない場合であっても各接地面に各クローラを密着して走行可能とする配管内検査車が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の配管内検査車は配管内を走行することを目的としたものであり、不整地や山岳地帯の斜面を横断走行(トラバース)するクローラ走行装置に転用することは不可能である。
しかし、特許文献2に記載された無人走行用移動体は不整地を走行することは可能であるが、左右のクローラの上下高さを変化させる上下差動が不可能であるため、火山などの軟弱地盤において斜面横断する場合に横滑りや進行方向の変動、更には横転が発生し易い。
しかし、各クローラ走行体間の上下差動範囲が個々のクローラ走行体の上下寸法の範囲内に制限されているために横断可能な斜面の傾斜度に制限がある、という問題がある。
<全体構成、動作の概略的な説明>
図1は本発明の一実施形態に係るクローラ走行装置の非差動走行状態の外観構成を示す斜視図であり、図2(a)及び(b)はクローラ走行装置の一つの差動走行状態を示す正面側斜視図、及び背面側斜視図であり、図3(a)(b)及び(c)は図2の差動走行状態にあるクローラ走行装置の正面図、右側面図、及び平面図である。なお、図3では可動連結部上に計測機器等350を搭載した状態を示している。
また、図4(a)乃至(e)は各クローラ走行体2、3が平坦面を走行している状態(非差動状態)と傾斜面を走行している状態(差動状態)を示す側面図であり、図5(a)乃至(e)は各クローラ走行体2、3が平坦面を走行している状態(非差動状態)と傾斜面を走行している状態(差動状態)を示す正面図である。
即ち、クローラ走行装置1は、並行に配置された2つのクローラ走行体2、3と、2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、各クローラ走行体の進行方向と直交する軸105a(図6、図7)を中心として夫々下部適所を回動(揺動)自在に支持、連結された2つの昇降ガイドユニット102、103と、2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニットに対する高さ位置(相対的位置関係)を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部110と、を備え、可動連結部110が各昇降ガイドユニット102、103に対する高さ位置(単一の可動連結部に対する各昇降ガイドユニット夫々の位置関係)を変化させることにより発生する2つのローラ走行体間の高低差(最大高低差)は、個々のクローラ走行体の高さ寸法Hを越えることが可能である。つまり、前記高低差を種々調整可能であり、その高低差は個々のクローラ走行体の高さ寸法Hを越える値を含んでいる。
クローラ走行体2、3は左右対称に構成されている点を除けば同一構成であり、所定の間隔を隔てて対向配置された2つの側板(内側側板10、外側側板11)と、各側板を含むフレームF内に収容された後述する走行用駆動機構20と、走行用駆動機構20によってエンドレスに支持されて回転駆動されるクローラベルト(キャタピラー等々)50と、を概略備えている。
このため、個々のクローラ走行体2、3は、可動連結部110に対して、各昇降ガイドユニット102、103と共に個別に昇降移動自在であり、且つ各昇降ガイドユニットに対して軸105aを中心として回動することができる。また、可動連結部110は、2つの昇降ガイドユニット102、103に対して独立して(相対的に)移動可能となっている。
従って、各クローラ走行体2、3は、図1、図4(a)、図5(a)に示した平坦面を走行する非差動モードから、図4(b)乃至(e)、図5(b)乃至(e)に示した傾斜面を横断走行(トラバース)する際の差動モードに移行する過程で、自由に相互の高さ位置を変化させることができる。逆に、差動モードから非差動モードに移行する過程でも自由に相互の高さ位置を変化させることができる。高さ方向への移動に関しては、各クローラ走行体2、3は、夫々各昇降ガイドユニット102、103と一体的に移動する。
クローラ走行体2、3は、どのような走行モードにおいても各昇降ガイドユニット102、103の最下端部に位置している。つまり、各昇降ガイドユニットに対する各クローラ走行体2、3の上下方向位置は変化しない。各昇降ガイドユニットに対する可動連結部110の上下方向位置、或いは可動連結部材に対する各昇降ガイドユニットの上下方向位置をシフトさせることによって各クローラ走行体間の相対的な上下位置を変化させる。
なお、図面中では傾斜面を平坦面として図示しており、各クローラベルトの山側のエッジ部だけが傾斜面と接しているように描いているが、この傾斜面が火山のように泥、砂、灰等の軟弱地盤から構成されている不整地である場合には各クローラベルトの山側のエッジ部以外の部分も泥等に埋まってこの斜面と接する筈であるが、理解を容易にするために単純化して図示した。
図4(b)の傾斜した走行面200を横断走行する場合には谷側のクローラ走行体3に対して山側のクローラ走行体2を上昇させる距離h1(山側のクローラ走行体2に対して谷側のクローラ走行体3を下降させる距離h1)は、クローラ走行体の昇降方向長(高さ寸法)Hを越えていない。
本発明では、可動連結部110に対する山側の昇降ガイドユニット102の高さ位置を距離h2に見合う分だけ上昇させることにより、クローラ走行体3に対するクローラ走行体2の高さ位置を高くしている。このため、横断走行時の走行安定性を確保できる。
図4(e)では、走行面200の傾斜は図4(d)よりも緩やかになっているが、依然としてクローラ走行2を上昇させる距離h4は、クローラ走行体の昇降方向長(高さ寸法)Hと同等か、或いはこれを越えている。この例では、図4(d)の状態から(e)の状態に移行するのに、可動連結部110に対する谷側の昇降ガイドユニット103の相対的な高さ位置を所要距離h5だけ上昇させている。
図4(a)乃至(d)では谷側の昇降ガイドユニット103に対する可動連結部110の位置は変わりなく、可動連結部は昇降ガイドユニット103の最上部に位置している。位置固定した可動連結部に対して山側の昇降ガイドユニット102の高さ位置を変化させることにより、急傾斜の走行面での横断走行を可能にしている。
即ち、図4(d)に示した急斜面から(c)、又は(e)に示した緩斜面に移行する場合には、(c)のように可動連結部110に対して山側の昇降ガイドユニット102のみを下降させてもよいし、(e)のように可動連結部に対して谷側の昇降ガイドユニット103のみを上昇させてもよい。或いは、可動連結部に対して山側の昇降ガイドユニット102を下降させると共に、谷側の昇降ガイドユニット103を上昇させてもよい。
傾斜した走行面を昇降する場合には、クローラ走行体に対する昇降ガイドユニットの角度、姿勢を変化させることによって重心が高くなることによる転倒を防止する必要がある。
まず、図5のように平坦な走行面200上を走行する場合には、クローラ走行体の走行方向に対する各昇降ガイドユニット102、103の延びる方向(長手方向)は垂直となっている。走行中の重量バランス上、クローラ走行体に対する各昇降ガイドユニットの姿勢はこれがベストである。
また、走行面200を登る時に図5(b)のままであると、重心が後方の従動プーリ側に偏位してしまい、クローラの後部が走行面に穴を掘る空転状態となり、且つ、前輪が浮き上がり登ることができない事態が発生する。
このような場合に対応するために、図5(c)(e)に示したようにクローラ走行体の姿勢(移動方向)と関係なく、各昇降ガイドユニット102、103の姿勢が常に垂直方向(或いは、それ以上に傾倒させてもよい)を向くように姿勢可変機構150を作動させる。
次に、図6、図7等に基づいてクローラ走行体の構成例について説明する。
図6はクローラ走行体2、3のうちの一方のクローラ走行体2からクローラベルト50を取り外した状態の正面側(内側面側)斜視図であり、図7(a)(b)及び(c)はこのクローラ走行体の正面図、右側面図、及び平面図である。
なお、他方のクローラ走行体3は同じ構成を有しているため説明は省略する。
フレームFは、内側側板10、外側側板11、及び両側板間を連結する複数の補強部材13を備える。
走行用駆動機構20は、前進方向前方寄りの両側板間に回転自在に軸支された駆動側ロータ22と、駆動プーリを駆動する走行用モータ30と、従動側ロータ40と、を概略備えている。
ギヤ付きプーリ24は駆動軸23の軸方向長よりも大幅に狭い幅を有していることにより、後述するクローラベルトの幅方向中心部のギヤ部とのみと噛合する。一方、2つの走行フランジ25はクローラベルト50の幅方向両端部を支持する。ギヤ付きプーリ24と走行フランジ25に巻掛けられたクローラベルトは幅方向中央部が外径方向へ膨出するクラウン状態となって支持される。このため、クローラベルト50が幅方向に偏位することを防止することができる。
駆動ギヤ30bと従動ギヤ23aとの間には無端状のタイミングベルト35が張設されており、走行用モータからの正逆方向の駆動力をタイミングベルト35を介して駆動側ロータ22に伝達する。
駆動ギヤ30bと従動ギヤ23aとタイミングベルト35は、走行装置の実使用時にはカバー37により覆われている。
走行用モータ30を正逆駆動することにより、各クローラ走行体2、3は前進方向、及び後退方向へ移動することができる。
すなわち、クローラ走行体の幅方向に等しい幅を有するギヤ付きプーリを備えた従来のクローラ走行装置を火山などのように軟泥を含む地質の場所で走行させると、クローラベルトの内面に入り込んだ軟泥等がプーリとクローラベルトとの間に蓄積され、その結果、クローラベルト50へのテンションが高くなり、所望の走行性能が得られないのに対し、本発明にかかるクローラ走行装置ではギヤ付きプーリ24及び42の表面に付着する軟泥等が排出されることでクローラベルト50へのテンションを一定に維持し、火山等の軟泥・軟弱地盤を安定して走行することができる。
次に、図8、及び図9等に基づいて昇降支持機構100について説明する。
図8(a)及び(b)は昇降支持機構を含む他方のクローラ走行体3の内側斜視図、及び外側斜視図であり、図9(a)(b)及び(c)はこの昇降支持機構を含む一方のクローラ走行体3の正面図、右側面図、及び平面図である。また、図10(a)及び(b)は昇降ガイドユニットの内側斜視図、及び外側斜視図である。図11(a)乃至(d)は昇降ガイドユニットの内側を示す正面図、右側面図、A−A断面図、B−B断面図である。図12(a)及び(b)は昇降用モータの正面図、及びA−A断面図である。
なお、クローラ走行体2に設けた昇降支持機構はクローラ走行体3と同じ構成を有するため説明は省略する。
なお、各クローラ走行体2、3は、各昇降ガイドユニット102、103に対して走行用モータ30の出力軸30aを中心として夫々180〜360度の範囲で相対回転可能に組み付けられているが、各昇降ガイドユニット102、103に対する上下位置関係は常に一定であり、各昇降ガイドユニット102、103の下部に対して回転自在に位置固定されている。一方、可動連結部110は、各昇降ガイドユニット102、103の長手方向に沿って個別に進退可能に支持されている。このため、各昇降ガイドユニット102、103に対する可動連結部110の位置を変化させることにより、各クローラ走行体2、3の高さ方向位置を変化させることができる。
昇降用プーリ106、姿勢可変ギヤ153等は、本クローラ走行装置の実使用時にはカバー160により塞がれている。
モータブラケット107の外周であって側板10の外側では、軸受152を介して姿勢可変機構150を構成する姿勢可変ギヤ153が回動自在に支持されている。姿勢可変ギヤ153にはベース部材120の下部が一体化されている。昇降用モータ105により回転駆動される昇降用プーリ106と、姿勢可変機構150を構成する姿勢可変用モータにより駆動される姿勢可変ギヤ153とは、互いに無関係に独立して駆動される。
スライダー140は、一面に可動連結部110を固定するための固定面141を備え、他面には図8、図9に示すようにベース部材120に設けられたガイドレール122を挿通させる凹所を有した被ガイド部材142が設けられている。被ガイド部材の凹所内にガイドレール122を挿通した状態とすることにより、スライダー140はベース部材の長手方向に沿って進退することができる。図11(a)中の符号143はベース部材に固定されてスライダーの下限位置を規制するストッパであり、144は上限位置を規制するストッパである。
可動連結部110は、昇降ガイドユニット102、103の各スライダーの固定面141に両端部を夫々固定される。可動連結部110を支持した各スライダー140が各ベース部材120に対して相対的に移動することにより、各昇降ガイドユニット102、103(各クローラ走行体2、3)同志の上下位置関係を変化させることができる。
次に、図12により、クローラ走行体に対する昇降支持機構の姿勢を変化させて重量バランスを調整する手段としての姿勢可変機構150について説明する。
図12に示すように、昇降ガイドユニット102(103)のベース部材120の下部は姿勢可変機構を構成する姿勢可変ギヤ(従動ギヤ)153に一体化されており、姿勢可変ギヤ153が姿勢可変用モータ151によって回動駆動されることにより、昇降ガイドユニット102は姿勢可変ギヤ153の軸心部(出力軸105a)を中心として進行方向前後方向へ揺動することができる。
姿勢可変用モータ151が正転、又は逆転することにより、クローラ走行体2、3に対して直交する垂直姿勢にあった昇降ガイドユニット102、103は、図5で説明したように左右に所定の角度回動してクローラ走行体に対して傾倒した姿勢に移行することができる。
姿勢可変機構150は、図4、図5に示した傾斜面の横断走行動作においては、クローラベルト底面を走行面に接地させた状態にあるクローラ走行体に対する昇降ガイドユニット102、103の姿勢を変化させるために使用しているが、後述する段差部に乗り上げて乗り越える操作においては、昇降ガイドユニット102、103の姿勢を変化させずに昇降ガイドユニットに対するクローラ走行体2、3の角度だけを変化させるために使用される。
図13(A1)乃至(H1)はクローラ走行装置1の一方のクローラ走行体2の前方にある凸状の段差部204上に乗り上げて前進する手順を示す平面図であり、図14(A2)乃至(H2)はクローラ走行装置の一方のクローラ走行体2の前方にある凸状の段差部上に乗り上げる手順を示す進行方向後方から見た説明図である。
次いで、図13(E1)、図14(E2)では、図13(D1)、図14(D2)のようにクローラ走行体2を垂直に保持した状態で、クローラ走行体3を前進させてクローラ走行装置1全体を前進させつつ、クローラ走行体2のクローラベルト50の底面が段差部204の手前側部位と接するまで移動する。なお、本例では、クローラ走行体2を垂直な姿勢にしてからクローラ走行体3を前進開始させたが、段差部の高さや形状の条件の違いに応じてクローラ走行体2が90度以下の角度、例えば80度、70度、60度の状態にある時にクローラ走行体3を前進開始させるようにしてもよい。
段差部上への乗り上げ手順の期間中、可動連結部110の長手方向が進行方向と直交する姿勢を維持できるように、言い換えれば両クローラ走行体2、3の姿勢が並行を維持しつつ進行方向を向くようにクローラ走行体3の走行速度を制御する。
クローラ走行体2が段差部の上面に乗り上げた後は、両クローラ走行体2、3のクローラベルトを前進方向へ駆動して前進を続けることができる。
クローラ走行体2が段差部上を移動した後で段差部の終端部から低所の平坦な走行面に移動する場合には、姿勢可変用モータ151を駆動してクローラ走行体2の先端部を下降させる方向に回転させつつ、昇降用モータ105を作動させて昇降ガイドユニット102に対するクローラ走行体2の高さ位置を下降させて行き、低所の平坦な走行面上に接地した時にはクローラ走行体2のクローラベルトの底面全体で走行面に接地するようにクローラ走行体2を水平な姿勢に戻す。
図15は本発明に係るクローラ走行装置の各種センサとコントロールユニットとを示すブロック図である。
300はモータユニット、310はコントロールユニット、320は各種センサ、305はカメラモジュール、307は無線モジュール、309は初期設定部である。
コントロールユニット310、各種センサ320、カメラモジュール305(計測機器等350)は、例えば図3に一例を示したように可動連結部110に搭載する。
モータユニット300はそれぞれ左右のクローラ走行体2、3に夫々配置されるクローラベルト回動用の左・右クローラ走行体走行用モータ30L、30R、左・右昇降用モータ105L、105R、左・右姿勢可変用モータ151L、151Rを含んでいる。
コントロールユニット310は、各種センサ320から入力したデータに基づいてクローラ走行装置全体の姿勢を制御する全体姿勢制御部311と、全体姿勢制御部311からのデータや初期設定部309から設定される動作に関する各種設定、例えば、目的地の緯度、経度、高度等によりクローラ走行装置を駆動するための駆動制御部313と、モータユニット300の各モータを駆動するモータドライバー315を有している。
なお、クローラ走行装置1が走行する際には、加速度センサ323やジャイロセンサ325から出力されたデータに基づいて装置自身の姿勢を把握し、把握した姿勢情報に基づいて左右の連結部昇降用モータや左右の昇降支持機構回動モータを制御することで、図4、図5に示したように斜面を登攀したり、斜面をトラバースしたりする際に、左右のクローラが的確に地面を捉えるように制御することができる。
なお、本実施例では加速度センサ323、ジャイロセンサ325、測域センサ327を用いた例を挙げて説明したが、本発明に係るクローラ走行装置が走破する環境に応じて必要なセンサ類を搭載すればよく、また、初期設定による目的地データを無線モジュール307を介して設定、修正するよう説明したが、無線モジュール307を備えることなく、初期設定部309のみを設けるか、或いは初期設定部309を省略し、無線モジュールにて必要な情報を設定するよう構成しても良い。
また、本実施例では可動連結部110上に搭載した計測機器等350は可動連結部110に対して固定した状態の例を挙げて説明したが、例えば、計測機器等350を可動連結部110に軸支した状態で取り付けることで、昇降ガイドユニット102、103の回動状態に関わらず計測機器等350の姿勢を所望の状態に維持することも可能である。
第1の本発明に係るクローラ走行装置1は、並行に配置された2つのクローラ走行体2、3と、該2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、該各クローラ走行体の進行方向と直交(交差)する軸を中心として夫々回動自在に連結された2つの昇降ガイドユニット102、103と、該2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニットに対する(該各昇降ガイドユニット上の)高さ位置を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部110と、を備え、可動連結部が各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を変化させることにより発生する2つのローラ走行体間の(最大)高低差は、個々のクローラ走行体の高さ寸法を越えていることを特徴とする。
従って、各クローラ走行体2、3は、平坦面を走行する非差動モードと、傾斜面を横断走行する際の差動モードとの間で自由に相互の高さ位置(各昇降ガイドユニットとの関係における各クローラ走行体の高さ位置)を変化させることができる。
なお、本明細書において、「差動」とはクローラ走行体2、3が高さ位置を異ならせることを指称する。
クローラ走行体は基本的に平行な姿勢を維持できるように各昇降ガイドユニットによって支持されておればよく、昇降ガイドユニットに対して進行方向左右への向きを舵取り(首振り)可能に構成してもよい。
可動連結部を2つの昇降ガイドユニットの対向面(内側面)に設けた昇降駆動伝達機構により昇降させるように構成したが、昇降駆動伝達機構は昇降ガイドユニットの外側面、側面等に設けても良い。
一つのクローラ走行体に、走行用モータ30(走行用駆動機構20)のみならず、姿勢可変用モータ151(150…姿勢可変機構150)、及び昇降用モータ105を搭載したので、全体的な構成をコンパクト化することができる。
逆に言えばクローラ走行装置の進行中に、可動連結部を各昇降ガイドユニットの最上部に退避させておけば、走行面上の突出物と衝突して可動連結部上に搭載した測定機器等を損傷する虞もなくなる。
Claims (2)
- 並行に配置された2つのクローラ走行体と、該2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、該各クローラ走行体の進行方向と直交する単一の軸を中心として前記各クローラ走行体に対して夫々回動自在に連結された2つの昇降ガイドユニットと、該2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部と、前記各昇降ガイドユニットを回動させる姿勢可変機構と、を備え、
前記可動連結部が前記各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を変化させることにより発生する前記2つのクローラ走行体間の最大高低差が、個々のクローラ走行体の高さ寸法を越えているクローラ走行体であって、
前記姿勢可変機構は、姿勢可変用モータと、該姿勢可変用モータによって駆動されることにより前記各昇降ガイドユニットを回動させてその姿勢を変化させる姿勢可変ギヤと、を備え、
前記各クローラ走行体は、走行面の形状の変化に追従して前記各昇降ガイドユニットに対する各クローラ走行体の姿勢を変化させることができることを特徴とするクローラ走行体。 - 前記各クローラ走行体は、クローラベルトを駆動して走行させる走行用モータと、前記姿勢可変用モータと、前記可動連結部を前記各昇降ガイドユニットに沿って昇降させる昇降用モータと、を搭載していることを特徴とする請求項1に記載のクローラ走行装置。
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