JP6517536B2 - クローラ走行装置 - Google Patents

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Description

本発明は、火山等の軟弱地盤における斜面横断走行に適したクローラ走行装置に関する。
並行に対向配置された2つのクローラ走行体を駆動させることにより走行条件の悪い不整地や山岳地帯を安定して走行することができるクローラ走行装置が種々提案されている。
特許文献1(特開2009−35238公報)には、2つの磁気吸着型クローラのフレーム部分同志を、クローラと平行な軸回り、及び該軸と直交する他の軸回りの2自由度ヒンジで結合することにより、各クローラの接地面が平行でない場合、即ち走行面が平面でない場合であっても各接地面に各クローラを密着して走行可能とする配管内検査車が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の配管内検査車は配管内を走行することを目的としたものであり、不整地や山岳地帯の斜面を横断走行(トラバース)するクローラ走行装置に転用することは不可能である。
特許文献2(特開2013−111668公報)には、箱状の本体の左右に設けられた走行用クローラと、各走行用クローラのプーリの軸部により回動自在に軸支された腕状のサブクローラとを備え、がれき等、足場の悪い環境下でも安定して走行することができる無人走行用移動体が開示されている。
しかし、特許文献2に記載された無人走行用移動体は不整地を走行することは可能であるが、左右のクローラの上下高さを変化させる上下差動が不可能であるため、火山などの軟弱地盤において斜面横断する場合に横滑りや進行方向の変動、更には横転が発生し易い。
非特許文献1(「クローラの接地荷重情報を利用した多自由度クローラ型移動ロボットの走行制御」/日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会 ROBOMEC2013)には、クローラの接地荷重情報を利用した多自由度クローラ型移動ロボットが開示されている。この多自由度クローラ型移動ロボットでは、対向配置された2つのクローラ走行体の昇降高さを上下差動させることにより、傾斜面を横断走行する際の安定性を図っている。
しかし、各クローラ走行体間の上下差動範囲が個々のクローラ走行体の上下寸法の範囲内に制限されているために横断可能な斜面の傾斜度に制限がある、という問題がある。
特開2009−35238公報 特開2013−111668公報
「クローラの接地荷重情報を利用した多自由度クローラ型移動ロボットの走行制御」/日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会 ROBOMEC2013
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、並行して対向配置された2つのクローラ走行体の上下位置を変化させる上下差動が可能なクローラ走行装置において、横断しようとする斜面の傾斜角度の大小に関係なく柔軟に対応して安定した斜面横断が可能な技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のクローラ走行装置は、並行に配置された2つのクローラ走行体と、該2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、該各クローラ走行体の進行方向と直交する単一の軸を中心として前記各クローラ走行体に対して夫々回動自在に連結された2つの昇降ガイドユニットと、該2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニット上の高さ位置を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部と、前記各昇降ガイドユニットを回動させる姿勢可変機構と、を備え、前記可動連結部が前記各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を変化させることにより発生する前記2つのローラ走行体間の最大高低差、個々のクローラ走行体の高さ寸法を越えているクローラ走行体であって、前記姿勢可変機構は、姿勢可変用モータと、該姿勢可変用モータによって駆動されることにより前記各昇降ガイドユニットを回動させてその姿勢を変化させる姿勢可変ギヤと、を備え、前記各クローラ走行体は、走行面の形状の変化に追従して前記各昇降ガイドユニットに対する各クローラ走行体の姿勢を変化させることができることを特徴とする。

本発明に係るクローラ走行装置によれば、並行して対向配置された2つのクローラ走行体の上下位置を変化させる上下差動が可能なクローラ走行装置において、構成を複雑化したり大型化させることなく個々のクローラ走行体の高さ寸法を超えて上下差動させることにより、横断しようとする斜面の傾斜角度の大小に関係なく柔軟に対応して安定した斜面横断が可能となる。
本発明の一実施形態に係るクローラ走行装置の非差動走行状態の外観構成を示す斜視図である。 (a)及び(b)はクローラ走行装置の一つの差動走行状態を示す正面側斜視図、背面側斜視図である。 (a)(b)及び(c)は図2の差動走行状態にあるクローラ走行装置の正面図、右側面図、及び平面図である。 (a)乃至(e)は各クローラ走行体が平坦面を走行している状態(非差動状態)と傾斜面を走行している状態(差動状態)を示す側面図である。 (a)乃至(e)は各クローラ走行体が平坦面を走行している状態(非差動状態)と傾斜面を走行している状態(差動状態)を示す正面図である。 クローラ走行体のうちの一方のクローラ走行体の正面側(内側面側)斜視図である。 (a)(b)及び(c)はクローラ走行体の正面図、右側面図、及び平面図である。 (a)及び(b)は昇降支持機構を含む他方のクローラ走行体の内側斜視図、及び外側斜視図である。 (a)(b)及び(c)は昇降支持機構を含む一方のクローラ走行体の正面図、右側面図、及び平面図である。 (a)及び(b)は昇降ガイドユニットの内側斜視図、及び外側斜視図である。 (a)乃至(d)は昇降ガイドユニットの内側を示す正面図、右側面図、A−A断面図、B−B断面図である。 (a)及び(b)は昇降用モータの正面図、及びA−A断面図である。 (A1)乃至(H1)は一方のクローラ走行体2の前方にある段差部上に乗り上げて前進する手順を示す平面図である。 (A2)乃至(H2)は一方のクローラ走行体2の前方にある段差部上に乗り上げる手順を示す進行方向後方から見た説明図である。 本発明に係るクローラ走行装置の各種センサとコントロールユニットとを示すブロック図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<全体構成、動作の概略的な説明>
図1は本発明の一実施形態に係るクローラ走行装置の非差動走行状態の外観構成を示す斜視図であり、図2(a)及び(b)はクローラ走行装置の一つの差動走行状態を示す正面側斜視図、及び背面側斜視図であり、図3(a)(b)及び(c)は図2の差動走行状態にあるクローラ走行装置の正面図、右側面図、及び平面図である。なお、図3では可動連結部上に計測機器等350を搭載した状態を示している。
また、図4(a)乃至(e)は各クローラ走行体2、3が平坦面を走行している状態(非差動状態)と傾斜面を走行している状態(差動状態)を示す側面図であり、図5(a)乃至(e)は各クローラ走行体2、3が平坦面を走行している状態(非差動状態)と傾斜面を走行している状態(差動状態)を示す正面図である。
クローラ走行装置1は、並行に配置された少なくとも2つのクローラ走行体2、3と、2つのクローラ走行体を夫々個別に昇降自在に支持する昇降支持機構100と、を概略備えている。
即ち、クローラ走行装置1は、並行に配置された2つのクローラ走行体2、3と、2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、各クローラ走行体の進行方向と直交する軸105a(図6、図7)を中心として夫々下部適所を回動(揺動)自在に支持、連結された2つの昇降ガイドユニット102、103と、2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニットに対する高さ位置(相対的位置関係)を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部110と、を備え、可動連結部110が各昇降ガイドユニット102、103に対する高さ位置(単一の可動連結部に対する各昇降ガイドユニット夫々の位置関係)を変化させることにより発生する2つのローラ走行体間の高低差(最大高低差)は、個々のクローラ走行体の高さ寸法Hを越えることが可能である。つまり、前記高低差を種々調整可能であり、その高低差は個々のクローラ走行体の高さ寸法Hを越える値を含んでいる。
クローラ走行装置1の特徴的な構成は、昇降支持機構100による各クローラ走行体2、3の昇降可能範囲が各クローラ走行体の昇降方向長(高さ寸法)Hを越えている点と、各クローラ走行体2、3が昇降支持機構100に対して矢印Rで示す方向に回動(揺動)可能に連結されている点にある。各クローラ走行体に対する各昇降支持機構の姿勢(角度)を変化させて重量バランスを調整する手段として姿勢可変機構150が装備されている。
クローラ走行体2、3は左右対称に構成されている点を除けば同一構成であり、所定の間隔を隔てて対向配置された2つの側板(内側側板10、外側側板11)と、各側板を含むフレームF内に収容された後述する走行用駆動機構20と、走行用駆動機構20によってエンドレスに支持されて回転駆動されるクローラベルト(キャタピラー等々)50と、を概略備えている。
昇降支持機構100は、各クローラ走行体2、3の内側の側板10から露出した駆動機構の一部に対して夫々回動自在、且つ上下位置固定で連結された昇降ガイドユニット102、103と、各昇降ガイドユニット間に配置されて各昇降ガイドユニットに沿って相対的に昇降移動自在に連結された可動連結部110と、を概略備えている。
このため、個々のクローラ走行体2、3は、可動連結部110に対して、各昇降ガイドユニット102、103と共に個別に昇降移動自在であり、且つ各昇降ガイドユニットに対して軸105aを中心として回動することができる。また、可動連結部110は、2つの昇降ガイドユニット102、103に対して独立して(相対的に)移動可能となっている。
従って、各クローラ走行体2、3は、図1、図4(a)、図5(a)に示した平坦面を走行する非差動モードから、図4(b)乃至(e)、図5(b)乃至(e)に示した傾斜面を横断走行(トラバース)する際の差動モードに移行する過程で、自由に相互の高さ位置を変化させることができる。逆に、差動モードから非差動モードに移行する過程でも自由に相互の高さ位置を変化させることができる。高さ方向への移動に関しては、各クローラ走行体2、3は、夫々各昇降ガイドユニット102、103と一体的に移動する。
クローラ走行装置1の詳細な構成を説明する前に、図4、図5に基づいてクローラ走行装置の特徴的な差動動作原理について説明する。
クローラ走行体2、3は、どのような走行モードにおいても各昇降ガイドユニット102、103の最下端部に位置している。つまり、各昇降ガイドユニットに対する各クローラ走行体2、3の上下方向位置は変化しない。各昇降ガイドユニットに対する可動連結部110の上下方向位置、或いは可動連結部材に対する各昇降ガイドユニットの上下方向位置をシフトさせることによって各クローラ走行体間の相対的な上下位置を変化させる。
図4(a)、図5(a)では走行面200が水平な平坦面であるため、各昇降ガイドユニット102、103は同じ高さ位置にあり、且つ各クローラ走行体2、3が各昇降ガイドユニット102、103の最下端部に位置していることにより、この状態で各クローラ走行体2、3のクローラベルト50を駆動することにより前進、後退する。この時、可動連結部110は各昇降ガイドユニットの最上端部に位置している。なお、水平な平坦面を走行する際の可動連結部110の高さ位置は、最上部に限らず、可動連結部に搭載した計測機器等の重量によるバランスを考慮して低い位置に配置してもよい。
図4(b)、図5(b)(c)では走行面200が緩斜面となっているため、山側(高所側)に位置するクローラ走行体2の高さ位置を谷側(低所側)のクローラ走行体3よりも所要距離だけ高い位置にシフトさせるために可動連結部に対する山側の昇降ガイドユニット102の高さ位置を所要距離だけ上昇させている。
なお、図面中では傾斜面を平坦面として図示しており、各クローラベルトの山側のエッジ部だけが傾斜面と接しているように描いているが、この傾斜面が火山のように泥、砂、灰等の軟弱地盤から構成されている不整地である場合には各クローラベルトの山側のエッジ部以外の部分も泥等に埋まってこの斜面と接する筈であるが、理解を容易にするために単純化して図示した。
図4(b)の傾斜した走行面200を横断走行する場合には谷側のクローラ走行体3に対して山側のクローラ走行体2を上昇させる距離h1(山側のクローラ走行体2に対して谷側のクローラ走行体3を下降させる距離h1)は、クローラ走行体の昇降方向長(高さ寸法)Hを越えていない。
次に、図4(c)は(b)よりも傾斜角度が大きい走行面200を横断走行する場合を示しており、この場合には谷側のクローラ走行体3に対してクローラ走行体2を上昇させる距離h2は、クローラ走行体の昇降方向長(高さ寸法)Hと同等か、或いはこれを越える。
本発明では、可動連結部110に対する山側の昇降ガイドユニット102の高さ位置を距離h2に見合う分だけ上昇させることにより、クローラ走行体3に対するクローラ走行体2の高さ位置を高くしている。このため、横断走行時の走行安定性を確保できる。
図4(d)では、走行面200は(c)よりも急傾斜となっており、可動連結部110に対する山側の昇降ガイドユニット102の高さ位置を距離h3に見合う分だけ上昇させることにより、クローラ走行体3に対するクローラ走行体2の高さ位置を最大限に高くしている。このため、横断走行時の走行安定性を確保できる。
図4(e)では、走行面200の傾斜は図4(d)よりも緩やかになっているが、依然としてクローラ走行2を上昇させる距離h4は、クローラ走行体の昇降方向長(高さ寸法)Hと同等か、或いはこれを越えている。この例では、図4(d)の状態から(e)の状態に移行するのに、可動連結部110に対する谷側の昇降ガイドユニット103の相対的な高さ位置を所要距離h5だけ上昇させている。
図4(a)乃至(d)では谷側の昇降ガイドユニット103に対する可動連結部110の位置は変わりなく、可動連結部は昇降ガイドユニット103の最上部に位置している。位置固定した可動連結部に対して山側の昇降ガイドユニット102の高さ位置を変化させることにより、急傾斜の走行面での横断走行を可能にしている。
一方、図4(e)では谷側の昇降ガイドユニット103に対する可動連結部110の高さ位置を変化させることにより、両昇降ガイドユニット102、103間の高さ位置に差を設けている。
即ち、図4(d)に示した急斜面から(c)、又は(e)に示した緩斜面に移行する場合には、(c)のように可動連結部110に対して山側の昇降ガイドユニット102のみを下降させてもよいし、(e)のように可動連結部に対して谷側の昇降ガイドユニット103のみを上昇させてもよい。或いは、可動連結部に対して山側の昇降ガイドユニット102を下降させると共に、谷側の昇降ガイドユニット103を上昇させてもよい。
次に、図5に基づいて各クローラ走行体に対して各昇降ガイドユニットの姿勢を変化させる手順について説明する。
傾斜した走行面を昇降する場合には、クローラ走行体に対する昇降ガイドユニットの角度、姿勢を変化させることによって重心が高くなることによる転倒を防止する必要がある。
まず、図5のように平坦な走行面200上を走行する場合には、クローラ走行体の走行方向に対する各昇降ガイドユニット102、103の延びる方向(長手方向)は垂直となっている。走行中の重量バランス上、クローラ走行体に対する各昇降ガイドユニットの姿勢はこれがベストである。
次に図5(b)(d)のように走行面200が傾斜しているのにも関わらず同図のようにクローラ走行体の移動方向(上昇方向、又は下降方向)に対して昇降ガイドユニットが直交する方向(水平面に対して下向きに傾斜した方向)へ姿勢を維持し続けていると、クローラ走行体の重心が常に谷側に偏位した状態となり、転倒する虞がある。
また、走行面200を登る時に図5(b)のままであると、重心が後方の従動プーリ側に偏位してしまい、クローラの後部が走行面に穴を掘る空転状態となり、且つ、前輪が浮き上がり登ることができない事態が発生する。
このような場合に対応するために、図5(c)(e)に示したようにクローラ走行体の姿勢(移動方向)と関係なく、各昇降ガイドユニット102、103の姿勢が常に垂直方向(或いは、それ以上に傾倒させてもよい)を向くように姿勢可変機構150を作動させる。
<クローラ走行体>
次に、図6、図7等に基づいてクローラ走行体の構成例について説明する。
図6はクローラ走行体2、3のうちの一方のクローラ走行体2からクローラベルト50を取り外した状態の正面側(内側面側)斜視図であり、図7(a)(b)及び(c)はこのクローラ走行体の正面図、右側面図、及び平面図である。
なお、他方のクローラ走行体3は同じ構成を有しているため説明は省略する。
クローラ走行体2は、フレームFと、フレームF内に収容された走行用駆動機構20を含んでいる。更に、フレームFは、昇降支持機構100、及び姿勢可変機構150を収容、或いは支持している。
フレームFは、内側側板10、外側側板11、及び両側板間を連結する複数の補強部材13を備える。
走行用駆動機構20は、前進方向前方寄りの両側板間に回転自在に軸支された駆動側ロータ22と、駆動プーリを駆動する走行用モータ30と、従動側ロータ40と、を概略備えている。
駆動側ロータ22は、両側板10、11に設けた図示しない軸受部により両端部を回転自在に軸支された駆動軸23と、駆動軸中央部に軸心を固定されたギヤ付きプーリ24と、駆動軸23の両端部であって各側板の内側において軸心を固定された円盤状の走行フランジ25と、駆動軸23の内側端部に軸心を固定されて内側側板10に設けた穴(軸受)の外側に配置された従動ギヤ23aと、を備えている。つまり、プーリ24、走行フランジ25、従動ギヤ23aは、駆動軸23に対して一体化されている。
ギヤ付きプーリ24は駆動軸23の軸方向長よりも大幅に狭い幅を有していることにより、後述するクローラベルトの幅方向中心部のギヤ部とのみと噛合する。一方、2つの走行フランジ25はクローラベルト50の幅方向両端部を支持する。ギヤ付きプーリ24と走行フランジ25に巻掛けられたクローラベルトは幅方向中央部が外径方向へ膨出するクラウン状態となって支持される。このため、クローラベルト50が幅方向に偏位することを防止することができる。
走行用モータ30は、一つの補強部材13を間に挟んで駆動側ロータ22の後方直近位置に配置されており、その出力軸30aが内側側板10に設けた穴を貫通して内側側板の外側に配置された駆動ギヤ30bの軸心と結合している。
駆動ギヤ30bと従動ギヤ23aとの間には無端状のタイミングベルト35が張設されており、走行用モータからの正逆方向の駆動力をタイミングベルト35を介して駆動側ロータ22に伝達する。
駆動ギヤ30bと従動ギヤ23aとタイミングベルト35は、走行装置の実使用時にはカバー37により覆われている。
従動側ロータ40は、両側板10、11に設けた軸受部により両端部を回転自在に軸支された駆動軸41と、駆動軸中央部に軸心を固定されたギヤ付きプーリ42と、各側板の内側において駆動軸41の両端部により軸心を固定された円盤状の走行フランジ43と、を備えている。駆動側ロータの場合と同様に、ギヤ付きプーリ42と走行フランジ43に巻掛けられたクローラベルト50は幅方向中央部が外径方向へ膨出したクラウン状態となって支持される。このため、クローラベルトが幅方向に偏位することを防止することができる。
走行用モータ30を正逆駆動することにより、各クローラ走行体2、3は前進方向、及び後退方向へ移動することができる。
また、ギヤ付きプーリ24及び42は駆動軸23の軸方向長よりも大幅に狭い幅となっていることで、ギヤ付きプーリ24及び42の外周に掛け回されたクローラベルト50の内面に走行面から軟泥等が入り込んでもギヤ付きプーリ24及び42とクローラベルト50との接触面に介在する軟泥等は各プーリに設けたギアの歯と平行な方向に排出され、クローラベルト50のテンションはほぼ一定に維持される。
すなわち、クローラ走行体の幅方向に等しい幅を有するギヤ付きプーリを備えた従来のクローラ走行装置を火山などのように軟泥を含む地質の場所で走行させると、クローラベルトの内面に入り込んだ軟泥等がプーリとクローラベルトとの間に蓄積され、その結果、クローラベルト50へのテンションが高くなり、所望の走行性能が得られないのに対し、本発明にかかるクローラ走行装置ではギヤ付きプーリ24及び42の表面に付着する軟泥等が排出されることでクローラベルト50へのテンションを一定に維持し、火山等の軟泥・軟弱地盤を安定して走行することができる。
<昇降支持機構>
次に、図8、及び図9等に基づいて昇降支持機構100について説明する。
図8(a)及び(b)は昇降支持機構を含む他方のクローラ走行体3の内側斜視図、及び外側斜視図であり、図9(a)(b)及び(c)はこの昇降支持機構を含む一方のクローラ走行体3の正面図、右側面図、及び平面図である。また、図10(a)及び(b)は昇降ガイドユニットの内側斜視図、及び外側斜視図である。図11(a)乃至(d)は昇降ガイドユニットの内側を示す正面図、右側面図、A−A断面図、B−B断面図である。図12(a)及び(b)は昇降用モータの正面図、及びA−A断面図である。
なお、クローラ走行体2に設けた昇降支持機構はクローラ走行体3と同じ構成を有するため説明は省略する。
昇降支持機構100は、各昇降ガイドユニット102、103によって可動連結部110を昇降自在(進退自在)に支持することによって、各クローラ走行体2、3の相対的な高さ位置を変化させるための手段である。
なお、各クローラ走行体2、3は、各昇降ガイドユニット102、103に対して走行用モータ30の出力軸30aを中心として夫々180〜360度の範囲で相対回転可能に組み付けられているが、各昇降ガイドユニット102、103に対する上下位置関係は常に一定であり、各昇降ガイドユニット102、103の下部に対して回転自在に位置固定されている。一方、可動連結部110は、各昇降ガイドユニット102、103の長手方向に沿って個別に進退可能に支持されている。このため、各昇降ガイドユニット102、103に対する可動連結部110の位置を変化させることにより、各クローラ走行体2、3の高さ方向位置を変化させることができる。
昇降支持機構100はフレームF内に収容された昇降用モータ105(図6、図7)と、昇降用モータ105の出力軸105aにより軸心を固定され、且つ内側側板10に設けた穴から該側板の外側に露出配置された昇降用プーリ106と、下部を内側側板10に設けた軸受部により回動自在に支持された姿勢可変ギヤ153に一部が一体化されると共に上方に延びる昇降ガイドユニット103(102)と、を概略備えている。
昇降用プーリ106、姿勢可変ギヤ153等は、本クローラ走行装置の実使用時にはカバー160により塞がれている。
図11に示すように昇降ガイドユニット103は、長尺板状体のベース部材120と、ベース部材120に設けられてスライダー140を昇降ガイドユニットの長手方向に沿って進退自在に支持すると共に、昇降用プーリ106からの駆動力を受けてスライダー140を昇降駆動する昇降駆動伝達機構130と、を備えている。ベース部材120の下部は、姿勢可変ギヤ153に固定されており、姿勢可変ギヤ153の回動動作により、ベース部材は回動する。
図12(b)に示すように昇降用モータ105は、側板10に設けた穴10b内に嵌合固定されたモータブラケット107により固定的に支持されており、その出力軸105aには昇降用プーリ106の軸心が固定されている。
モータブラケット107の外周であって側板10の外側では、軸受152を介して姿勢可変機構150を構成する姿勢可変ギヤ153が回動自在に支持されている。姿勢可変ギヤ153にはベース部材120の下部が一体化されている。昇降用モータ105により回転駆動される昇降用プーリ106と、姿勢可変機構150を構成する姿勢可変用モータにより駆動される姿勢可変ギヤ153とは、互いに無関係に独立して駆動される。
昇降駆動伝達機構130は、昇降用プーリ106と、昇降用プーリの直上位置においてベース部材120により回転自在に軸支されたテンションプーリ132と、ベース部材120の上端部付近に配置された回転自在な反転用プーリ133と、昇降用プーリ106とテンションプーリ132と反転用プーリ133に巻掛けられたエンドレスな昇降ワイヤー134と、を備えている。
スライダー140は、一面に可動連結部110を固定するための固定面141を備え、他面には図8、図9に示すようにベース部材120に設けられたガイドレール122を挿通させる凹所を有した被ガイド部材142が設けられている。被ガイド部材の凹所内にガイドレール122を挿通した状態とすることにより、スライダー140はベース部材の長手方向に沿って進退することができる。図11(a)中の符号143はベース部材に固定されてスライダーの下限位置を規制するストッパであり、144は上限位置を規制するストッパである。
一方、スライダー140は、図11(d)に示すように昇降ワイヤー134の一部に対して固定部材145によって固定されている。このため、昇降ワイヤー134の上下移動に伴ってスライダーは上下移動することができる。
可動連結部110は、昇降ガイドユニット102、103の各スライダーの固定面141に両端部を夫々固定される。可動連結部110を支持した各スライダー140が各ベース部材120に対して相対的に移動することにより、各昇降ガイドユニット102、103(各クローラ走行体2、3)同志の上下位置関係を変化させることができる。
<姿勢可変機構>
次に、図12により、クローラ走行体に対する昇降支持機構の姿勢を変化させて重量バランスを調整する手段としての姿勢可変機構150について説明する。
図12に示すように、昇降ガイドユニット102(103)のベース部材120の下部は姿勢可変機構を構成する姿勢可変ギヤ(従動ギヤ)153に一体化されており、姿勢可変ギヤ153が姿勢可変用モータ151によって回動駆動されることにより、昇降ガイドユニット102は姿勢可変ギヤ153の軸心部(出力軸105a)を中心として進行方向前後方向へ揺動することができる。
姿勢可変機構150は、昇降用モータ105の横方向に配置された姿勢可変用モータ151と、姿勢可変用モータの出力軸151aに軸心を一体化された姿勢可変駆動ギヤ154と、姿勢可変駆動ギヤ154と噛合して駆動される従動側の姿勢可変ギヤ153と、を備えている。
姿勢可変用モータ151が正転、又は逆転することにより、クローラ走行体2、3に対して直交する垂直姿勢にあった昇降ガイドユニット102、103は、図5で説明したように左右に所定の角度回動してクローラ走行体に対して傾倒した姿勢に移行することができる。
姿勢可変機構150は、図4、図5に示した傾斜面の横断走行動作においては、クローラベルト底面を走行面に接地させた状態にあるクローラ走行体に対する昇降ガイドユニット102、103の姿勢を変化させるために使用しているが、後述する段差部に乗り上げて乗り越える操作においては、昇降ガイドユニット102、103の姿勢を変化させずに昇降ガイドユニットに対するクローラ走行体2、3の角度だけを変化させるために使用される。
<片側のクローラ走行体による段差の乗り越え手順>
図13(A1)乃至(H1)はクローラ走行装置1の一方のクローラ走行体2の前方にある凸状の段差部204上に乗り上げて前進する手順を示す平面図であり、図14(A2)乃至(H2)はクローラ走行装置の一方のクローラ走行体2の前方にある凸状の段差部上に乗り上げる手順を示す進行方向後方から見た説明図である。
本発明のクローラ走行体1によれば、進行方向前方の走行面202上に一方のクローラ走行体2の前進を阻害する障害物である凸状の段差部204が存在する場合に、他方のクローラ走行体3のクローラベルトの下面全体を走行面上に接地させた状態で一方のクローラ走行体2を所要に操作することにより、接地側のクローラ走行体3を低所である走行面に沿って前進させつつ段差部側のクローラ走行体2により段差部上に乗り上げつつ前進することが可能となる。この段差部204の高さは、クローラ走行体2の高さと同等か、それを越える高さを有しているため、クローラ走行体2をクローラ走行体3と同じ高さ位置、及び同じ水平姿勢でそのまま前進させた場合には段差部を乗り越えることが困難である。本発明のクローラ走行装置1の構成によれば、走行用駆動機構20、昇降支持機構100及び姿勢可変機構150を適宜のタイミング、手順で駆動してクローラ走行体2の姿勢(角度)、高さを種々制御することにより、クローラ走行体2の姿勢や高さ位置を順次変化させながら段差部上に乗り上げて前進させたり、段差部を乗り越えさせることができる。
まず、図13(A1)、図14(A2)は、クローラ走行装置1が段差部204の手前に達した状態を示している。この状態では両クローラ走行体2、3は水平な平坦面である走行面202に底面全体で接地しており、また左側のクローラ走行体2のクローラベルト50の先端部が段差部204の手前側部位に接触している。なお、段差部を乗り越える操作の最初の手順として、必ずしも段差側のクローラ走行体の先端部を段差部に接触させる必要はないが、本例では接触させてからの手順を説明する。
図13(B1)、図14(B2)ではクローラ走行体2の前方に位置する段差部204の手前で右側のクローラ走行体3のクローラベルトの下面全体で走行面202に接地させて停止させつつ、左側のクローラ走行体2については、昇降用モータ105を駆動してクローラ走行体2を昇降ガイドユニット102に沿って上昇させつつ、姿勢可変用モータ151を駆動させることによりクローラ走行体2の先端部を持ち上げる(先端部を走行面から上昇させて離間させる)。図示の状態では、走行面に対するクローラ走行体2の傾斜角度は約30度となっている。クローラ走行体2のクローラベルト50が段差部204と接触している間はクローラベルト50を前進方向とは逆方向へ回転させることにより、段差部と接触しながらスムーズにクローラ先端部を上昇させることができる。段差部との接触がなくなった時点以降はクローラ走行体2のクローラベルトを停止させてもよい。
図13(C1)、図14(C2)では、右側のクローラ走行体3は依然として停止させつつ、左側のクローラ走行体2については昇降用モータ105を駆動して昇降ガイドユニット102に沿って更に上昇させつつ、姿勢可変用モータ151を更に同方向へ駆動させることによりクローラ走行体2の先端部を更に持ち上げる。図示の状態では、走行面に対するクローラ走行体2の傾斜角度は約60度となっている。クローラ走行体2のクローラベルト50が段差部204と接触している間はクローラベルト50を進行方向と逆方向へ走行させることにより、段差部との間での抵抗を減少させながらスムーズにクローラ先端部を上昇させることができる。クローラ走行体2のクローラベルトの後部は走行面に接地した状態となっている。
図13(D1)、図14(D2)では、右側のクローラ走行体3は引き続き停止させつつ、左側のクローラ走行体2については昇降用モータ105を駆動して昇降ガイドユニット102に沿って更に上昇させつつ、姿勢可変用モータ151を更に同方向へ駆動させることによりクローラ走行体2の先端部を更に持ち上げる。図示の状態では、走行面に対するクローラ走行体2の傾斜角度は約90度(垂直)となっている。クローラ走行体2のクローラベルトの後部は走行面に接地した状態となっている。
次いで、図13(E1)、図14(E2)では、図13(D1)、図14(D2)のようにクローラ走行体2を垂直に保持した状態で、クローラ走行体3を前進させてクローラ走行装置1全体を前進させつつ、クローラ走行体2のクローラベルト50の底面が段差部204の手前側部位と接するまで移動する。なお、本例では、クローラ走行体2を垂直な姿勢にしてからクローラ走行体3を前進開始させたが、段差部の高さや形状の条件の違いに応じてクローラ走行体2が90度以下の角度、例えば80度、70度、60度の状態にある時にクローラ走行体3を前進開始させるようにしてもよい。
次いで、図13(F1)、(G1)、図14(F2)、(G2)では夫々クローラ走行体3を所要の速度で前進させつつ姿勢可変用モータ151を作動させて段差側のクローラ走行体2を前記とは逆方向に回転させて(クローラ走行体2の先端部を下降させるように逆転させて)クローラ走行体2のクローラベルトの底面を段差部の上面(上部)に接近、接触させる。この間、両クローラ走行体2、3に装備した各昇降用モータ105を適宜作動させて各昇降ガイドユニット102、103に対する可動連結部110の高さ位置を調整しつつ段差部上への乗り上げのための操作を実施する。
図13(H1)、図14(H2)では、クローラ走行体2のクローラベルトの底面は段差部の水平な上面に対して全面で接地した状態となっている。
段差部上への乗り上げ手順の期間中、可動連結部110の長手方向が進行方向と直交する姿勢を維持できるように、言い換えれば両クローラ走行体2、3の姿勢が並行を維持しつつ進行方向を向くようにクローラ走行体3の走行速度を制御する。
クローラ走行体2が段差部の上面に乗り上げた後は、両クローラ走行体2、3のクローラベルトを前進方向へ駆動して前進を続けることができる。
上記説明では上面が水平、且つ平坦な段差部を例示したが、上面が水平、且つ平坦でない段差部上に乗り上げて移動する場合には、段差部の形状に合わせて、各昇降用モータ105によりクローラ走行体2の高さ位置を調整したり、昇降ガイドユニット102に対するクローラ走行体2の傾斜角度を調整しながら安定した走行を確保することができる。
クローラ走行体2が段差部上を移動した後で段差部の終端部から低所の平坦な走行面に移動する場合には、姿勢可変用モータ151を駆動してクローラ走行体2の先端部を下降させる方向に回転させつつ、昇降用モータ105を作動させて昇降ガイドユニット102に対するクローラ走行体2の高さ位置を下降させて行き、低所の平坦な走行面上に接地した時にはクローラ走行体2のクローラベルトの底面全体で走行面に接地するようにクローラ走行体2を水平な姿勢に戻す。
<各種センサに基づいた駆動制御>
図15は本発明に係るクローラ走行装置の各種センサとコントロールユニットとを示すブロック図である。
300はモータユニット、310はコントロールユニット、320は各種センサ、305はカメラモジュール、307は無線モジュール、309は初期設定部である。
コントロールユニット310、各種センサ320、カメラモジュール305(計測機器等350)は、例えば図3に一例を示したように可動連結部110に搭載する。
モータユニット300はそれぞれ左右のクローラ走行体2、3に夫々配置されるクローラベルト回動用の左・右クローラ走行体走行用モータ30L、30R、左・右昇降用モータ105L、105R、左・右姿勢可変用モータ151L、151Rを含んでいる。
各種センサ320は、クローラ走行装置1の位置を把握するためのGPS(Global Positioning System)ユニット321、クローラ走行装置が受ける加速度を検知する加速度センサ323、クローラ走行装置のX、Y、Z軸方向の回転を検出するためのジャイロセンサ325、クローラ走行装置の前方の外部環境を把握するための測域センサ327を含んでいる。
コントロールユニット310は、各種センサ320から入力したデータに基づいてクローラ走行装置全体の姿勢を制御する全体姿勢制御部311と、全体姿勢制御部311からのデータや初期設定部309から設定される動作に関する各種設定、例えば、目的地の緯度、経度、高度等によりクローラ走行装置を駆動するための駆動制御部313と、モータユニット300の各モータを駆動するモータドライバー315を有している。
このように構成したクローラ走行装置1において、初期設定部309でクローラ走行装置の目的地を入力し、入力された目的地の緯度・経度情報と、GPSにより検出した現在の緯度・経度情報との差から進行すべき方向や距離を求め、駆動制御部313により左・右クローラ走行体走行用モータ30L、30Rを制御することで、クローラ走行装置を駆動する。また、初期設定部309で設定した目的地情報を無線モジュール307を介して遠隔に設定したり、修正したりすることも可能である。また、クローラ走行装置に搭載されたカメラモジュール305によりクローラ走行装置の周囲環境を撮影し、撮影した画像や動画データを図示を省略した記録部に記録したり、無線モジュール307を介して外部(基地局等)に送信することも可能である。
なお、クローラ走行装置1が走行する際には、加速度センサ323やジャイロセンサ325から出力されたデータに基づいて装置自身の姿勢を把握し、把握した姿勢情報に基づいて左右の連結部昇降用モータや左右の昇降支持機構回動モータを制御することで、図4、図5に示したように斜面を登攀したり、斜面をトラバースしたりする際に、左右のクローラが的確に地面を捉えるように制御することができる。
さらに、クローラ走行装置1の前方に向けて測域センサ327を設けていることにより、測域センサ327から出力された赤外線レーザ光の反射光を検知し、走行方向前方の障害物等、外部環境を把握することも可能である。測域センサ327は前方の障害物の有無のみならず、その高さも把握することができるため、クローラ走行装置の前方に当該クローラ走行装置が走破不能な高さの障害物が存在すれば、それを回避しつつ目的地に到達するよう駆動制御が行われ、また走破可能な高さの障害物であれば、図13、図14に示したように段差を乗り越えるよう左・右クローラ走行体走行用モータ30L、30R、左・右昇降用モータ105L、105R、左・右姿勢可変用モータ151L、151Rが制御される。
具体的には例えばどの目的地へ向かって、どういう経路で、どのようにして走行させるのかを初期設定部309、無線モジュール307を用いてプログラミングする。目的地設定操作において初期設定部309によりGPSの座標データを入力すると、当該目的地に向かって進行を開始する。予め把握されている障害物、或いは測域センサ327により新たに検知された障害物については、これを乗り越えられない場合には回避し、乗り越えられる場合には乗り越える。この際、予め障害物の高さ、形状等を検知して、乗り越えの可否を判断する。
なお、本実施例では加速度センサ323、ジャイロセンサ325、測域センサ327を用いた例を挙げて説明したが、本発明に係るクローラ走行装置が走破する環境に応じて必要なセンサ類を搭載すればよく、また、初期設定による目的地データを無線モジュール307を介して設定、修正するよう説明したが、無線モジュール307を備えることなく、初期設定部309のみを設けるか、或いは初期設定部309を省略し、無線モジュールにて必要な情報を設定するよう構成しても良い。
また、本実施例では可動連結部110上に搭載した計測機器等350は可動連結部110に対して固定した状態の例を挙げて説明したが、例えば、計測機器等350を可動連結部110に軸支した状態で取り付けることで、昇降ガイドユニット102、103の回動状態に関わらず計測機器等350の姿勢を所望の状態に維持することも可能である。
<本発明の構成、作用、効果のまとめ>
第1の本発明に係るクローラ走行装置1は、並行に配置された2つのクローラ走行体2、3と、該2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、該各クローラ走行体の進行方向と直交(交差)する軸を中心として夫々回動自在に連結された2つの昇降ガイドユニット102、103と、該2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニットに対する(該各昇降ガイドユニット上の)高さ位置を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部110と、を備え、可動連結部が各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を変化させることにより発生する2つのローラ走行体間の(最大)高低差は、個々のクローラ走行体の高さ寸法を越えていることを特徴とする。
高さ方向への移動に関しては、各クローラ走行体2、3は夫々各昇降ガイドユニット102、103と一体的に移動する。また、昇降ガイドユニット102、103は、各クローラ走行体2、3に対して回動可能に連結しており、且つ両ユニット間に配置された可動連結部110に対して夫々相対的に昇降自在に連結されている。
従って、各クローラ走行体2、3は、平坦面を走行する非差動モードと、傾斜面を横断走行する際の差動モードとの間で自由に相互の高さ位置(各昇降ガイドユニットとの関係における各クローラ走行体の高さ位置)を変化させることができる。
また、一方のクローラ走行体の移動方向前方に段差部がある場合にも、当該クローラ走行体の高さや角度を種々調整しながら前進することにより、段差部に乗り上げて移動し続けることができる。
なお、本明細書において、「差動」とはクローラ走行体2、3が高さ位置を異ならせることを指称する。
クローラベルトは、プーリ(ギヤ付きプーリ、スプロケット等)間にエンドレスに張設されて走行するのに適したベルトであれば、キャタピラー状であってもよいし、どのような形態であってもよい。
クローラ走行体は基本的に平行な姿勢を維持できるように各昇降ガイドユニットによって支持されておればよく、昇降ガイドユニットに対して進行方向左右への向きを舵取り(首振り)可能に構成してもよい。
実施形態では、各昇降ガイドユニットを各クローラ走行体の内側の側板に取り付ける構造としたが、外側の側板に取り付ける構造としてもよい。
可動連結部を2つの昇降ガイドユニットの対向面(内側面)に設けた昇降駆動伝達機構により昇降させるように構成したが、昇降駆動伝達機構は昇降ガイドユニットの外側面、側面等に設けても良い。
第2の本発明に係るクローラ走行装置1では、各クローラ走行体は、クローラベルト50を駆動して走行させる走行用モータ30と、各昇降ガイドユニットを回動させる姿勢可変用モータ151と、前記可動連結部を前記各昇降ガイドユニットに沿って昇降させる昇降用モータ105と、を搭載していることを特徴とする。
一つのクローラ走行体に、走行用モータ30(走行用駆動機構20)のみならず、姿勢可変用モータ151(150…姿勢可変機構150)、及び昇降用モータ105を搭載したので、全体的な構成をコンパクト化することができる。
また、2つの昇降ガイドユニットは各クローラ走行体から上方に突出しているため、2つのクローラ走行体の内側側板10の間は空間となっており、可動連結部を上方に配置しておけば、クローラ走行体間に障害物が存在していたとしてもそのまま通過して進行することができる。
逆に言えばクローラ走行装置の進行中に、可動連結部を各昇降ガイドユニットの最上部に退避させておけば、走行面上の突出物と衝突して可動連結部上に搭載した測定機器等を損傷する虞もなくなる。
1…クローラ走行装置、2、3…クローラ走行体、10…内側側板、10a…軸受部、10b…穴、11…外側側板、13…補強部材、20…走行用駆動機構、22…駆動側ロータ、23…駆動軸、23a…従動ギヤ、24…プーリ、25…走行フランジ、30…走行用モータ、30a…出力軸、30b…駆動ギヤ、40…従動側ロータ、41…駆動軸、42…プーリ、43…走行フランジ、50…クローラベルト、100…昇降支持機構、102…昇降ガイドユニット、103…昇降ガイドユニット、105…昇降用モータ、105a…出力軸、106…昇降用プーリ、107…モータブラケット、110…可動連結部、120…ベース部材、122…ガイドレール、130…昇降駆動伝達機構、132…テンションプーリ、133…反転用プーリ、134…昇降ワイヤー、140…スライダー、141…固定面、142…被ガイド部材、143、144…ストッパ、145…固定部材、150…姿勢可変機構、151…姿勢可変用モータ、151a…出力軸、152…軸受、153…姿勢可変ギヤ、154…姿勢可変駆動ギヤ、200…走行面、300…モータユニット、310…コントロールユニット、313…駆動制御部、320…各種センサ、305…カメラモジュール、307…無線モジュール、309…初期設定部、321…GPSユニット、323…加速度センサ、323、325…ジャイロセンサ、327…測域センサ

Claims (2)

  1. 並行に配置された2つのクローラ走行体と、該2つのクローラ走行体により夫々上方に突出した状態で支持されて、該各クローラ走行体の進行方向と直交する単一の軸を中心として前記各クローラ走行体に対して夫々回動自在に連結された2つの昇降ガイドユニットと、該2つの昇降ガイドユニット間に配置されて該各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を個別に変更可能に構成された一つの可動連結部と、前記各昇降ガイドユニットを回動させる姿勢可変機構と、を備え、
    前記可動連結部が前記各昇降ガイドユニットに対する高さ位置を変化させることにより発生する前記2つのローラ走行体間の最大高低差、個々のクローラ走行体の高さ寸法を越えているクローラ走行体であって、
    前記姿勢可変機構は、姿勢可変用モータと、該姿勢可変用モータによって駆動されることにより前記各昇降ガイドユニットを回動させてその姿勢を変化させる姿勢可変ギヤと、を備え、
    前記各クローラ走行体は、走行面の形状の変化に追従して前記各昇降ガイドユニットに対する各クローラ走行体の姿勢を変化させることができることを特徴とするクローラ走行体。
  2. 前記各クローラ走行体は、クローラベルトを駆動して走行させる走行用モータと、前記姿勢可変用モータと、前記可動連結部を前記各昇降ガイドユニットに沿って昇降させる昇降用モータと、を搭載していることを特徴とする請求項1に記載のクローラ走行装置。
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