JP6517266B2 - 撥水性基体保護材料および付着防止部材 - Google Patents

撥水性基体保護材料および付着防止部材 Download PDF

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Description

本発明は、基体(例えば、ガラス製、樹脂製もしくは金属製の基体)の表面への物質の付着を低減する撥水性基体保護材料、および、そのような撥水性基体保護材料が表面に形成された付着防止部材に関する。
ガラス板などの基体の表面への物質(汚染物質等)の付着を低減する撥水性基体保護材料として、アルコールなどの有機溶剤を含むものが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、撥水性基体保護材料にアルコールなどの有機溶剤が含まれていると、環境への影響が懸念される。また、ガラス板などの基体表面に撥水性基体保護材料を塗布する作業を密閉空間で行う場合、作業者への影響が懸念される。
一方、アルコールなどの有機溶剤をほとんど含まない水分散系の撥水性基体保護材料として、特許文献2に記載されたもの(シランカップリング剤水溶液)が知られている。
特開2004−018722号公報 特開2017−031476号公報
ところで、有機溶剤をほとんど含まない水分散系の撥水性基体保護材料(溶液)にあっては、成分の沈殿(例えば、シランカップリング剤の沈殿)が生じやすいので、溶液の寿命が短いという問題がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、活性な状態を長期間保つことが可能であり、しかも基体への塗布時において安全に取り扱うことが可能な撥水性基体保護材料を提供すること、および、そのような撥水性基体保護材料が表面に形成された付着防止部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、水に非イオン性界面活性剤を溶解した溶液中にシランカップリング剤を添加すること、および、それら水と非イオン性界面活性剤とシランカップリング剤との割合を規定することで、シランカップリング剤の重合による沈殿や白濁を抑制することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであって、本発明の水分散系の撥水性基体保護材料は、92.5重量%以上の水と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルから選択される、0.5〜2.5重量%の非イオン界面活性剤とを混合した混合溶液に、メトキシ基を3つ持ち、アルキル基が[-(CH)-CH(nは0〜5の整数)]で表される、1〜5重量%で、かつ、前記非イオン界面活性剤の2倍量以下のシランカップリング剤を加えて混合して得られ、100mm×100mmのガラス板の表面に、スプレーコート法により撥水性基体保護材料を0.05MPaの圧縮空気で塗布して形成される60〜100nmの膜厚の撥水性保護膜に、水5μmを滴下した際の、水と撥水性保護膜との接触角が88度以上となることを特徴としている。
本発明の撥水性基体保護材料によれば、水と非イオン性界面活性剤とシランカップリング剤とを上記割合で含む溶液としているので、シランカップリング剤の重合による白濁や沈殿が起こりにくくなる。これにより活性な状態を長期間保つことができる。しかも、本発明の撥水性基体保護材料は、有機溶剤をほとんど含まない水分散系の溶液であるので、ガラス板などの基体に塗布する際に安全に取り扱うことができる。
本発明の撥水性基体保護材料において、0.01〜5重量%の水に替えて同重量%のメタノール、エタノール、1プロパノール、2プロパノールから選択されるアルコールが含有されていてもよい。
ここで、本発明の撥水性基体保護材料は、市販の水分系の無機コーティング材料および/または有機無機ハイブリットコーティング材料と混合して使用してもよい。
本発明の付着防止部材は、ガラス板などの基体の表面に、上記した特徴を有する撥水性基体保材料からなる撥水性保護膜が形成されていることを特徴としている。このような付着防止部材によれば、表面への物質(汚染物質等)の付着を効果的に低減することができる。
本発明の撥水性基体保護材料によれば、活性な状態を長期間保つことが可能であり寿命が長い。しかも、本発明の撥水性基体保護材料は、有機溶剤をほとんど含まない水分散系の溶液であるので、ガラス板などの基体に塗布する際に安全に取り扱うことができる。
また、本発明の付着防止部材は、上記した特徴を有する撥水性基体保材料からなる撥水性保護膜が表面に形成されているので、表面への物質(汚染物質等)の付着を効果的に低減することができる。
本発明の付着防止部材の一例を示す模式的に示す図である。 撥水性基体保護材料の作製工程を示す図である。 粒子付着試験装置の一例を示す概略構成図である。 透過率測定装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[撥水性基体保護材料]
本実施形態の撥水性基体保護材料は、水と、非イオン性界面活性剤と、シランカップリング剤とを含む溶液(透明)であり、水の含有量が90重量%以上、非イオン性界面活性剤の含有量が0.01〜5重量%(0.01重量%以上で5重量%以下)、シランカップリング剤の含有量が0.01〜5重量%(0.01重量%以上で5重量%以下)であることを特徴としている。
このように、撥水性基体保護材料を、水と非イオン性界面活性剤とシランカップリング剤とを上記割合で含む溶液とすることにより、その非イオン性界面活性剤による乳化作用等によってシランカップリング剤の重合が抑制されるので、白濁や沈殿が起こりにくくなる。これにより、活性な状態を長期間保つことができる。
しかも、本実施形態の撥水性基体保護材料は、有機溶剤をほとんど含まない水分散系の溶液であるので、ガラス板などの基体に塗布する際に安全に取り扱うことができる。
次に、本発明に用いる非イオン性界面活性剤およびシランカップリング剤について説明する。
[非イオン性界面活性剤]
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、または、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどを挙げることができる。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤としては、トリアルコキシシランのアルコキシ基をもち、有機官能基が[−(CH2n−CH3(nは0〜5の整数)]で表させるものを挙げることができる。
有機官能基が[−(CH2n−CH3(nは0〜5の整数)]で表させるものとしては、メチルトリメトキシシラン(Methyltrimethoxysilane)、トリエトキシメチルシラン(Triethoxymethylsilane)、エチルトリメトキシシラン(Ethyltrimethoxysilane)、トリエトキシエチルシラン(Triethoxyethylsilane)、トリメトキシ(プロピル)シラン(Trimethoxy(propyl)silane)、トリエトキシ(プロピル)シラン(Triethoxy(propyl)silane)、ヘキシルトリメトキシシラン(Hexyltrimethoxysilane)、または、ヘキシルトリエトキシシラン(Hexyltriethoxysilane)などを挙げることができる。
本実施形態の撥水性基体保護材料において、アルコール類が0.01〜5重量%含有されていてもよい。
このように、撥水性基体保護材料にアルコール類を含有させておくと、材料(溶液)中に含まれる成分の凝集を抑制することができるので、沈殿・白濁を抑える効果がある。また、アルコール類を含有させておくと、撥水性基体保護材料をガラス板などの基体表面に塗布する際に、その塗布性(塗りやすさ)が向上する。
ただし、アルコール類の含有量を多くすると、基体表面への撥水性基体保護材料の塗布により、基体表面に撥水性保護膜を形成した際に、その撥水性保護膜にムラが生じやすくなる。こうした点を考慮して、本発明では、アルコール類の含有量は5重量%以下(0.01〜5重量%)としている。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどを挙げることができる。
[付着防止部材]
図1に示すように、本実施形態の付着防止部材1は、基体2の表面に、上記特徴を有する撥水性基体保護材料からなる撥水性保護膜(塗布膜)3が形成されていることを特徴する。このような付着防止部材1によれば、表面への物質(汚染物質等)の付着を効果的に低減することができる。
基体2の表面に、撥水性基体保護材料と塗布する方法としては、スプレーコート法、ロールコート法、スキージコート法、スピンコート法、またはディップコート法などを挙げることができる。
本発明の実施例を比較例とともに説明する。
[実施例1]
・撥水性基体保護材料の作製
図2に示す工程により、総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
具体的には、純水98.5g(98.5重量%)を容器内に入れ、その容器内に非イオン性界面活性剤を0.5g(0.5重量%)入れて、これらを混合した。非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(PP)を用いた。
次に、上記した水と非イオン性界面活性剤とを混合した混合溶液に、シランカップリング剤を1g(1重量%)を加えて混合した。シランカップリング剤には、メチルトリメトキシシラン(Methyltrimethoxysilane:MTMS)を用いた。そして、シランカップリング剤が完全に混ざるまで静置することにより、撥水性基体保護材料(透明)を作製した。ここで、メチルトリメトキシシランは有機官能基が[−(CH2n−CH3(n=0)]で表させる。
なお、この[実施例1]における、水(純水)、非イオン性界面活性剤およびシランカップリング剤の各重量(g)を下記の表1に示す。
・保護膜の形成
スプレーコート法により、100mm×100mmのガラス板の表面に、この[実施例1]で作製した撥水性基体保護材料(溶液)を0.05MPaの圧縮空気で塗布してガラス板の表面に撥水性保護膜を形成してサンプルを作製した。撥水性基体保護材料の塗布量は形成後の膜厚が60〜100nmとなるように調整した。
[実施例2]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、水を92.5g(92.5重量%)、PPを2.5g(2.5重量%)、MTMSを5g(5重量%)とした以外は、[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
・保護膜の形成
この[実施例2]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[実施例3]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(PO)0.5g(0.5重量%)を用いたこと以外は、[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
・保護膜の形成
この[実施例3]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[実施例4]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、シランカップリング剤として、ヘキシルトリメトキシシラン(Hexyltrimethoxysilane:HTMS)1g(1重量%)を用いたこと以外は、[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。ここで、ヘキシルトリメトキシシランは有機官能基が[−(CH2n−CH3(n=5)]で表させる。
・保護膜の形成
この[実施例4]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[実施例5]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、水を93.5g(93.5重量%)とし、アルコール類としてエタノール5g(5重量%)を加えたこと以外は[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
・保護膜の形成
この[実施例5]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[比較例1]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、水を85g(85重量%)、PPを5g(5重量%)、MTMSを10g(10重量%)とした以外は[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
・保護膜の形成
この[比較例1]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[比較例2]
・撥水性基体保護材料の作製
界面活性剤は使用せずに(下記の表1参照)、純水99g(99重量%)を容器内に入れ、その容器内に1g(1重量%)のMTMSを入れて、これらを混合した。そして、シランカップリング剤が完全に混ざるまで静置することにより、撥水性基体保護材料(総重量100g)を作製した。
・保護膜の形成
この[比較例2]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[比較例3]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、界面活性剤として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:陰イオン性界面活性剤)0.5g(0.5重量%)を用いたこと以外は、[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
・保護膜の形成
この[比較例3]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[比較例4]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、シランカップリング剤として、オクタデシルトリメトキシシラン(Octadecyltrimethoxysilan:OTMS)1g(1重量%)を用いたこと以外は、[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。ここで、オクタデシルトリメトキシシランは有機官能基が[−(CH2n−CH3(n=17)]で表させる。
・保護膜の形成
この[比較例4]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
[比較例5]
・撥水性基体保護材料の作製
下記の表1に示すように、水を88.5g(88.5重量%)とし、アルコール類としてエタノール10g(10重量%)を加えたこと以外は[実施例1]と同じとして総重量100gの撥水性基体保護材料を作製した。
・保護膜の形成
この[比較例5]で作製した撥水性基体保護材料を、[実施例1]と同じ方法により、ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗布することによって、ガラス板の表面に撥水性保護膜(膜厚=60〜100nm)を形成してサンプルを作製した。
Figure 0006517266
−溶液状態の評価−
[実施例1]〜[実施例5]および[比較例1]〜[比較例5]で作製した各撥水性基体保護材料を、それぞれ溶液状態で1か月(作製時から1か月)保管した後、撥水性基体保護材料について沈殿・白濁を目視にて評価した。その評価結果を下記の表2に示す。
表2に示すように、[実施例1]〜[実施例5]で作製した各撥水性基体保護材料、および[比較例3]〜[比較例5]で作製した各撥水性基体保護材料には、沈殿・白濁が観察されなかった。一方、[比較例1]で作製した撥水性基体保護材料(水の割合が90重量%未満のもの)、および[比較例2]で作製した各撥水性基体保護材料(界面活性剤を混合しないもの)については、沈殿・白濁が観察された。
−膜状態の評価−
<外観>
[実施例1]〜[実施例5]および[比較例1]〜[比較例5]で作製した各サンプルの撥水性保護膜の外観を、それぞれ目視にて評価した。その結果を、下記の表2に示す。
表2に示すように、[実施例1]〜[実施例4]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜、ならびに、[比較例1]、[比較例2]および[比較例4]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜は、ムラがなく良好な膜であった。一方、[比較例3]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜、つまり界面活性剤としてSDS(陰イオン性界面活性剤)を用いた撥水性基体保護材料によって形成した撥水性保護膜ではムラが見られた。
また、[実施例5]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜(エタノール5gを加えた撥水性基体保護材料により形成した撥水性保護膜)は、ムラがなく良好な膜であった。これに対し、[比較例5]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜(エタノール10gを加えた撥水性基体保護材料により形成した撥水性保護膜)にはムラが見られた。
<接触角(撥水角)測定>
[実施例1]〜[実施例5]および[比較例1]〜[比較例5]で作製した各サンプル表面の撥水性保護膜に水(純水)を5μl滴下して、各撥水性保護膜の接触角(撥水角)を測定した。その結果を下記の表2に示す。接触角測定には、協和界面化学株式会社製、商品名「CAX−150」を用いた。
なお、ガラス板単体(表面に撥水性保護膜を形成していないもの)について、上記と同様にして接触角(撥水角)を測定した。その結果も下記の表2に示す。
表2に示すように、[実施例1]〜[実施例4]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜、ならびに、[比較例1]、[比較例2]および[比較例4]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜の接触角(撥水角)は88°以上の良好な値であった。一方、[比較例3]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜、つまり界面活性剤としてSDS(陰イオン性界面活性剤)を用いた撥水性基体保護材料によって形成した撥水性保護膜では、接触角(撥水角)は63.0°と低い値であった。
また、[実施例5]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜(エタノール5gを加えた撥水性基体保護材料により形成した撥水性保護膜)の接触角(撥水角)は89.1°と高い値であった。これに対し、[比較例5]においてガラス板の表面に作製した撥水性保護膜(エタノール10gを加えた撥水性基体保護材料により形成した撥水性保護膜)の接触角(撥水角)は60.8°と低い値であった。なお、ガラス板単体の接触角(撥水角)は20〜60°であった。
<粒子付着試験>
粒子付着試験に用いる装置を図3に示す。この図3に示す試験装置は、内部にサンプルSが配置可能な構造の試験ボックス101、汚れ粒子(屋外環境の汚れを想定した粒子)を貯蔵するタンク102、および圧縮空気源(図示せず)からの圧縮空気の圧力を調整してタンク102に供給する圧力調整弁103などを備えている。
そして、このような試験装置の試験ボックス101内に、[実施例1]〜[実施例5]および[比較例1]〜[比較例5]で作製した各サンプルSを配置した状態で、圧縮空気を圧力調整弁103を通じてタンク102に供給し、そのタンク102から汚れ粒子を試験ボックス101内に導入することで、サンプルSの表面(片面)に汚れ粒子を付着させる粒子付着試験を行った。
<透過率の変化率測定>
透過率を測定する装置を図4に示す。この図4に示す測定装置は、ランプ201、このランプ201の出力光をサンプルSに集光する集光レンズ202、サンプルSを透過した透過光を分光器204に導く光ファイバ203。この光ファイバ203にて導かれた透過光を検出する分光器204、および、分光器204の出力信号が入力される計測用PC(パーソナルコンピュータ)205などを備えている。
計測用PC205は、分光器204の出力信号に基づいてサンプルSの光の透過率(サンプルSの透過光強度/サンプルSへの入射光強度)を求める。さらに、計測用PC205は、上記粒子付着試験を行う前のサンプルSの透過率と、粒子付着試験を行った後のサンプルSの透過率との差(透過率の変化率)を求める。
そして、このような測定装置に、[実施例1]〜[実施例5]および[比較例1]〜[比較例5]で作製した各サンプル(粒子付着試験前のものと粒子付着試験後のもの)をそれぞれセットして、その各サンプルについて、上記粒子付着試験前後の透過率の変化率を測定した。その結果を下記の表2に示す。
なお、ガラス板単体(表面に撥水性保護膜を形成していないもの)について、上記と同様にして粒子付着試験前後の透過率の変化率を測定した。その結果も下記の表2に示す。
表2に示すように、[実施例1]〜[実施例4]で作製したサンプル、ならびに、[比較例1]〜[比較例3]および[比較例5]で作製したサンプルの透過率の変化率は8.6%以下の良好な値であった。一方、[比較例4]で作製したサンプル、つまり、シランカップリング剤としてOTMS(有機官能基[−(CH2n−CH3]のnが17のもの)を用いた撥水性基体保護材料によって撥水性保護膜を形成したサンプルの透過率の変化率は、12.3%と低い値であった。なお、ガラス板単体の透過率の変化率は25〜30%であった。
Figure 0006517266
−総合評価−
以上にように、[実施例1]〜[実施例4]については、溶液状態での評価(沈殿・白濁の評価)および膜状態での評価(外観、接触角(撥水角)、付着防止性能の評価)の全ての評価が良好であった。
これに対し、[比較例1]のように、水の割合を90重量%未満とした場合、および、[比較例2]のように、非イオン性界面活性剤を混合しない場合では、沈殿・白濁が起こることが確認できた。
また、[比較例3]のように、界面活性剤としてSDS(陰イオン性界面活性剤)を用いた撥水性基体保護材料によって撥水性保護膜を形成した場合、膜ムラが発生することが確認できた。
また、[比較例4]のように、シランカップリング剤であっても、有機官能基[−(CH2n−CH3]の「n」が高いもの(OTMS:n=17)を用いた撥水性基体保護材料によって撥水性保護膜を形成した場合、付着防止性能を満足できなくなることが確認できた。
また、[実施例5]および[比較例5]の結果から、撥水性基体保護材料にアルコール類を加える場合、そのアルコール類の含有量を多くすると、膜ムラが生じやすこと、および接触角(撥水角)が低い値を示すことが確認できた。
以上のことから、撥水性基体保護材料を、水と非イオン性界面活性剤とシランカップリング剤とを含む溶液とし、水の含有量を90重量%以上、非イオン性界面活性剤の含有量を0.01〜5重量%、シランカップリング剤の含有量を0.01〜5重量%とすることにより、シランカップリング剤の重合による白濁や沈殿を抑制できると言える。さらに、撥水性基体保護材料を基体表面に塗布して撥水性保護膜を形成する場合、膜ムラがなく、しかも接触角(撥水角)が高くて付着防止性能が良好な膜を得ることができると言える。
また、撥水性基体保護材料にアルコール類を加える場合、その割合を5重量%以下(0.01〜5重量%)にすることがよいと言える。
本発明は、基体の表面への物質の付着を低減する撥水性基体保護材料、および、そのような撥水性基体保護材料が表面に形成された付着防止部材に利用することができる。
1 付着防止部材
2 基体
3 撥水性保護膜(撥水性基体保護材料)

Claims (3)

  1. 水分散系の撥水性基体保護材料であって、
    92.5重量%以上の水と、
    ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルから選択される、0.5〜2.5重量%の非イオン界面活性剤とを混合した混合溶液に、
    メトキシ基を3つ持ち、アルキル基が[-(CH)-CH(nは0〜5の整数)]で表される、1〜5重量%で、かつ、前記非イオン界面活性剤の2倍量以下のシランカップリング剤を加えて混合して得られ、
    100mm×100mmのガラス板の表面に、スプレーコート法により撥水性基体保護材料を0.05MPaの圧縮空気で塗布して形成される60〜100nmの膜厚の撥水性保護膜に、水5μmを滴下した際の、水と撥水性保護膜との接触角が88度以上となることを特徴とする撥水性基体保護材料。
  2. 請求項1に記載の撥水性基体保護材料において、
    0.01〜5重量%の水に替えて同重量%のメタノール、エタノール、1プロパノール、2プロパノールから選択されるアルコールが含有されている撥水性基体保護材料。
  3. 基体の表面に、請求項1または2に記載の撥水性基体保護材料からなる撥水性保護膜が形成されていることを特徴とする付着防止部材。
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