JP6517103B2 - 放熱基板、デバイス及び放熱基板の製造方法 - Google Patents

放熱基板、デバイス及び放熱基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、放熱基板、デバイス及び放熱基板の製造方法に関する。
近年、電子部品の高電力化に伴い電子部品から生じる熱が増加している。例えば高輝度LEDでは、局所的に高温が生じ、これにより発光効率の低下、発光色の変化、素子の劣化等が生じる。そのため、この熱を効率良く放熱することが求められている。上記要請に対し、熱伝導性に優れる基材の表面にバインダーとフィラーを含有することで絶縁性と熱伝導性とを有する被膜を形成し、基材側を冷却フィン等の冷却材と接触させ、被膜側を電子部品等と接触させることで放熱効率を向上させる放熱基板が広く知られている。
上記基材としては、アルミナ等のセラミック基材、アルミニウム等の金属基材などが挙げられる。これらのうち、アルミナは熱伝導率が25W/mKと高く、放熱効率に優れるが、高価であり、かつ加工性に劣り薄い形状のものが製造し難い。一方、金属基材はアルミナと比べ低コストである。特に、アルミニウムは熱伝導率に優れ、軽量であり、かつ加工性に優れるため、このような基材として多く用いられている。
また、上記被膜としては、バインダー及びフィラーが熱伝導性に優れること、並びにフィラーの添加量が十分に多いことが要求される。また、上記被膜の平均厚みが大きい場合、被膜により放熱基板の放熱効率が低下するおそれがあるため、絶縁性を確保可能な程度で被膜の平均厚みを薄くする必要がある。
上記バインダーとしては、エポキシ、ポリイミド等の樹脂が広く知られている。このような樹脂の熱伝導率は一般に0.1W/mk程度である。また、上記フィラーとしては、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。このシリカの熱伝導率は1W/mK程度であり、アルミナの熱伝導率は25W/mK程度である。また、窒化ケイ素及び窒化ホウ素の熱伝導率はさらに高い。これらのフィラーの熱伝導率はバインダーの熱伝導率より高いため、樹脂と混合することで被膜の熱伝導率を向上することができる。これらの中で、熱伝導率に優れ、かつ低コストである点から、アルミナが多く用いられている。
このような放熱基板の具体例としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂と無機質充填材からなる混合物を金属基材に積層した回路基板(特開平6−44824号公報参照)、無機質中空粉体を含有するエポキシ樹脂等を金属基材に積層してなる金属ベース回路基板(特開2009−129801号公報参照)等が挙げられる。
しかし、このような放熱基板では、エポキシ樹脂等の有機性被膜を用いているため耐熱性が低く、例えば200℃を超える高温環境下での使用に適さないほか、エポキシ樹脂等から形成される被膜は水を通しやすく、湿潤環境下で長期使用することで、被膜の樹脂に通電し炭化することで被膜が劣化し易いという不都合がある。
上記不都合に対し、熱伝導性を有するフィラーと無機材料とを混合して上記被膜を形成することで、高温環境下や湿潤環境下での使用に適する放熱基板が得られる。しかしながら、このような放熱基板では、無機材料の延性がエポキシ樹脂等に比べ劣るため、被膜にピンホールや空孔が生じ易い。さらに、フィラーに起因する凹凸が被膜表面に生じることで被膜の厚みの均一性が低下し易い。これらの結果、被膜の絶縁性が低下し易い。
特開平6−44824号公報 特開2009−129801号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、絶縁性及び放熱性に優れる放熱基板、この放熱基板を備えるデバイス、並びにこの放熱基板の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材と、この基材の一方の面に積層され、絶縁性を有する熱伝導層とを備える放熱基板であって、上記熱伝導層が、アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダーを含有する無機物層と、この無機物層の一方の面に積層され、シリコン酸化物を主成分とするコーティング層とを備え、上記無機物層の平均厚みが30μm以上200μm以下であり、上記コーティング層の平均厚みが0.5μm以上30μm以下であり、上記無機物層におけるフィラーのメジアン径が5μm以上100μm以下であり、上記フィラーの含有割合が30質量%以上78質量%以下であることを特徴とする放熱基板である。
当該放熱基板では、基材がアルミニウム又はアルミニウムを主成分とし、かつ無機物層が一定範囲の厚みを有し、さらにアルミナを主成分とするフィラーとリン酸塩ガラスを主成分とするバインダーとを含有することで、基材及び熱伝導層が熱伝導性に優れる。また、上記無機物層における上記フィラーのメジアン径及び含有割合が一定範囲であることで、熱伝導層の熱伝導性と強度とを容易に両立できる。さらに、このような熱伝導層は樹脂を含有する従来の熱伝導層と比べ耐熱性に優れる。また、当該放熱基板は、無機物層におけるフィラーに起因する凹凸が一定範囲厚みのコーティング層により充填されるため、当該放熱基板の厚みの均一性が向上する。さらに、無機物層表面の微小な亀裂等の内部に絶縁性に優れたコーティング層が貫入し得る。これらの結果、当該放熱基板の放熱性を損なうことなく絶縁性を向上できる。また、上記無機物層が耐え得る温度は、フィラー及びバインダーの軟化点より低い450℃〜480℃程度であるが、上記コーティング層の主成分であるシリコン酸化物の耐熱温度は1000℃を超える。よって、当該放熱基板がシリコン酸化物を主成分とするコーティング層を備えることで、当該放熱基板の耐熱性がより向上する。
上記コーティング層がシリコン酸化物の非晶質体を主体とするとよい。シリコン酸化物の非晶質体はシリコン酸化物の結晶体である二酸化ケイ素より安価に得られるため、コーティング層の形成にかかるコストを低減できる。また、シリコン酸化物の非晶質体は高い耐熱性を有するため、熱伝導層の耐熱性を向上できる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、上記放熱基板を備えるデバイスである。当該デバイスは、上記放熱基板を備えるため、絶縁性及び放熱性に優れる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材と、この基材の一方の面に積層され、絶縁性を有する熱伝導層とを備える放熱基板の製造方法であって、上記基材の一方の面に、アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダー粒子を含有する無機物層用組成物を塗工及び焼成する工程と、この塗工及び焼成工程後に形成される無機物層の一方の面に、シロキサン化合物を主成分とするコーティング層用組成物を塗工及び乾燥する工程とを備え、上記無機物層の平均厚みが30μm以上200μm以下、上記コーティング層の平均厚みが0.5μm以上30μm以下であり、上記無機物層におけるフィラーのメジアン径が5μm以上100μm以下、フィラーの含有量が30質量%以上78質量%以下であることを特徴とする放熱基板の製造方法である。
当該放熱基板の製造方法では、基材の主成分がアルミニウム又はアルミニウム合金であることで、基材の加工が容易となる。また、アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダー粒子を基材の一方の面に塗工及び焼成することで、絶縁性及び熱伝導性に優れる無機物層を容易かつ確実に形成できる。さらに、その後無機物層の一方の面にシロキサン化合物を主成分とするコーティング層用組成物を塗工及び乾燥することで、シロキサン化合物が重合等し、これによりシリコン酸化物を主成分とするコーティング層を無機物層の一方の面に容易かつ確実に形成できる。
上記シロキサン化合物が、アルコキシシロキサン、そのオリゴマー又はそれを用いたポリシロキサンであるとよい。上記シロキサン化合物がこれらの化合物であることで、強度及び絶縁性に優れるコーティング層を形成できる。
ここで、「主成分」又は「主体」とは、質量基準で最も多い成分(例えば50質量%以上)であるものを意味する。「メジアン径」とは、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布において体積積算値50%となる粒径を意味する。
以上説明したように、本発明の放熱基板は、絶縁性及び放熱性に優れる。また、本発明のデバイスは、上記放熱基板を備えるため、絶縁性及び放熱性に優れる。さらに、本発明の放熱基板の製造方法は、絶縁性及び放熱性に優れる放熱基板を得ることができる。従って、この放熱基板及びデバイスは、小型化が進む電子部品に好適に用いることができる。
以下、本発明に係る放熱基板、デバイス及び放熱基板の製造方法の実施形態について説明する。
[放熱基板]
当該放熱基板は、基材と、この基材の一方の面に積層される熱伝導層とを主に備える。
<基材>
基材は、アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とし、一方の面に熱伝導層が積層される。
基材の主成分がアルミニウム合金である場合、このアルミニウム合金におけるマグネシウムの含有量が少ないことが好ましい。具体的には、JIS−H4000(2014)に規定する5000番台又は6000番台以外のアルミニウム合金が好ましい。このように、基材としてマグネシウムの含有量が少ないアルミニウム合金を用いることで、基材からの無機物層の剥離を低減できる。
また、このアルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H4000(2014)に規定する3000番台のアルミニウム合金がより好ましい。
また、基材はアルミニウム及びアルミニウム合金以外に、例えば銅、鉄、これらの合金等をさらに含んでもよい。ここで、アルミニウムの熱伝導率は200〜250W/mK程度であり、銅の熱伝導率は350〜400W/mK程度であり、鉄の熱伝導率は80W/mK程度である。従って、銅を添加することで基材の熱伝導率を向上できる。また、銅及び鉄はアルミニウムに比べ固いため、銅、鉄又はこれらの合金を添加することで基材の強度を向上できる。
基材の平均厚みの下限としては、0.1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記平均厚みの上限としては、5mmが好ましく、4mmがより好ましい。上記平均厚みが上記下限より小さいと、当該放熱基板の強度が低下するおそれがある。逆に、上記平均厚みが上記上限を超えると、当該放熱基板を小型化された電子機器に用いることが困難となるおそれがある。
<熱伝導層>
熱伝導層は、基材の一方の面に直接積層され、無機物層とコーティング層とを主に備える。
上記熱伝導層は、基材の一方の面のみに積層されてもよく、両方の面に積層されてもよいが、一方の面のみに積層されることが好ましい。通常、アルミニウムはリン酸ガラスより熱伝導性に優れるため、当該放熱基板の熱伝導層が積層されていない側の面を冷却材と接触させることで、当該放熱基板の放熱効率がより向上する。
(無機物層)
無機物層は、上記基材の一方の面に直接積層される層である。この無機物層により、当該放熱基板に絶縁性を付与できる。また、上記無機物層は、リン酸塩ガラスを主成分とするバインダー中にフィラーが分散した構造を有する。これにより、無機物層は絶縁性と共に高い熱伝導性を有する。
無機物層の平均厚みの下限としては、30μmであり、50μmが好ましい。一方、上記平均厚みの上限としては、200μmであり、150μmが好ましく、100μmがより好ましい。上記平均厚みが上記下限より小さいと、無機物層におけるピンホール等の欠陥が生じ易くなり、無機物層の絶縁性が低下するおそれがある。逆に、上記平均厚みが上記上限を超えると、無機物層の熱抵抗が増加し、当該放熱基板の放熱性が低下するおそれがある。
また、無機物層の平均厚みは後述するフィラーのメジアン径の1.5倍以上10倍以下の厚みであることが好ましい。このように、無機物層の平均厚みとフィラーのメジアン径とを上記範囲とすることで、無機物層の絶縁性と熱伝導性とを高いレベルで両立できる。
(バインダー)
バインダーは、リン酸塩ガラスを主成分とし、無機物層において後述するフィラーの空隙を充填する。
このリン酸塩ガラスは、上記基材の主成分である金属より融点が低いことが好ましい。このように、リン酸塩ガラスの融点が上記金属の融点より低いことで、後述する方法により容易に無機物層を形成することができる。具体的には、例えば上記基材の主成分がアルミニウムである場合、アルミニウムの融点は660℃程度であるため、リン酸塩ガラスの融点としては450℃以上580℃以下が好ましい。
また、このリン酸塩ガラスは、エポキシ樹脂等に比べ一般に熱伝導率が高い。そのため、上記無機物層は従来の放熱基板の樹脂層と比べ放熱効率に優れる。具体的には、一般的な樹脂の熱伝導率は0.1W/mK程度であり、リン酸塩ガラスの熱伝導率は1.0W/mK程度である。
(フィラー)
フィラーは、無機物層中に分散し、無機物層における熱伝導性を向上させる。フィラーのそれぞれの粒子が他の粒子と接触せずに無機物層内に分散していると、無機物層の熱伝導性が向上し難くなるおそれがあるため、フィラーのそれぞれの粒子は互いに接していることが好ましい。
上記フィラーは、アルミナを主成分とする。このように、フィラーの主成分がアルミナであることで、フィラーのコストを低減できる。また、フィラーの主成分がアルミナであることで無機物層の熱伝導性が向上し、さらにバインダーとフィラーとの密着性向上に起因して無機物層の強度が向上する。
上記フィラーは、アルミナの他に非晶質の酸化シリコン、結晶質の二酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等をさらに含有してもよい。
また、フィラーとしては、上記バインダーより熱伝導率が高いものが好ましい。フィラーの熱伝導率がバインダーと同等又は低い場合、フィラーを添加しても無機物層の熱伝導性が向上しない。
上記フィラーのメジアン径の下限としては、5μmであり、10μmが好ましい。一方、上記メジアン径の上限としては、100μmであり、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。上記メジアン径が上記下限より小さいと、フィラーのそれぞれの粒子が接触し難くなり、無機物層の熱伝導性が向上し難くなるおそれがある。逆に、上記メジアン径が上記上限を超えると、無機物層を後述する塗布法により形成することが困難となるおそれや、無機物層が過度に厚くなるおそれがある。
上記無機物層における上記フィラーの含有割合の下限としては、30質量%であり、35質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。一方、上記含有割合の上限としては、78質量%であり、73質量%が好ましく、70質量%がより好ましい。上記含有割合が上記下限より小さいと、無機物層の熱伝導性が向上し難くなるおそれがある。逆に、上記含有割合が上記上限を超えると、フィラー同士の低い密着性に起因して無機物層の形成が困難となるおそれがある。
(コーティング層)
コーティング層は、無機物層の一方の面に積層され、無機物層中のフィラーに起因する凹凸を充填することで当該放熱基板の絶縁性を向上させる。
また、当該放熱基板は、通常無機物層側の面を電子機器等の発熱体と接触させ、基材側の面を冷却材と接触させて使用する。この場合、無機物層の最表面が高温の発熱体に直接さらされ、無機物層の基材側に向かって温度が減少し、基材の冷却材との接触側で最も温度が低くなる。このように、当該放熱基板で最も高温となるのは無機物層側の最表面近傍であるため、この無機物層の最表面にコーティング層を形成することで、耐熱性の高いコーティング層が無機物層の最表面を被覆し、当該放熱基板の耐熱性が向上する。
また、無機物層におけるバインダーの主成分であるリン酸塩ガラスは耐水性にやや劣り、リン酸塩ガラス中からアルカリ成分が流出する可能性があるが、コーティング層が無機物層を被覆することで、このアルカリ成分の流出を抑制できる。
コーティング層の主成分はシリコン酸化物である。このシリコン酸化物としては、例えば結晶質の二酸化ケイ素、非晶質体の石英ガラス等が挙げられ、これらの中で非晶質体が好ましい。この非晶質体の熱伝導率は通常1.0W/mK程度であり、上記無機物層におけるバインダー主成分であるリン酸塩ガラスと同等であるため、コーティング層として非晶質体を用いることで、当該放熱基板の放熱性の低下を抑制できる。
コーティング層の平均厚みの下限としては、0.5μmであり、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、上記平均厚みの上限としては、30μmであり、28μmが好ましく、25μmがより好ましく、20μmがさらに好ましい。上記平均厚みが上記下限より小さいと、無機物層におけるピンホール等の空隙の充填が不十分となり、当該放熱基板の絶縁性が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均厚みが上記上限を超えると、コーティング層が断熱層として機能し当該放熱基板の放熱性が低下するおそれがある。
<利点>
当該放熱基板では、基材がアルミニウム又はアルミニウムを主成分とし、かつ無機物層がアルミナを主成分とするフィラーとリン酸塩ガラスを主成分とするバインダーとを含有することで、基材及び熱伝導層が熱伝導性に優れる。また、樹脂を含有する従来の熱伝導層と比べ、熱伝導層の耐熱性に優れる。さらに、当該放熱基板は、無機物層におけるフィラーに起因する凹凸がコーティング層により充填されるため、当該放熱基板の厚みの均一性が向上する。その結果、当該放熱基板の絶縁性が向上する。また、上記無機物層が耐え得る温度は、フィラー及びバインダーの軟化点より低い450℃〜480℃程度であるが、上記コーティング層の主成分であるシリコン酸化物の耐熱温度は1000℃を超える。よって、当該放熱基板がシリコン酸化物を主成分とするコーティング層を備えることで、当該放熱基板の耐熱性がより向上する。
[デバイス]
当該デバイスは、当該放熱基板を備える。具体的には、電子機器等の発熱体を当該放熱基板の熱伝導層側に配設し、当該放熱基板の基材側に冷却材を配設したものが挙げられる。この冷却材としては、例えば水冷装置、空冷装置、冷却フィン等の熱伝導部材などが挙げられる。
<利点>
当該デバイスは、当該放熱基板を備えるため、絶縁性及び放熱性に優れる。
[放熱基板の製造方法]
当該放熱基板の製造方法は、上記基材の一方の面に、アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダー粒子を含有する無機物層用組成物を塗工及び焼成する工程(無機物層形成工程)と、この塗工及び焼成工程後に形成される無機物層の一方の面に、シロキサン化合物を主成分とするコーティング層用組成物を塗工及び乾燥する工程(コーティング層形成工程)とを主に備える。
<無機物層形成工程>
無機物層形成工程では、基材の一方の面に無機物層を形成する。本工程は、例えばリン酸塩ガラスの粉砕によりバインダー粒子を調製する工程(バインダー粒子調製工程)と、このバインダー粒子とフィラーとの混合により無機物層用組成物を調製する工程(無機物層用組成物調製工程)と、無機物層用組成物を塗工する工程(塗工工程)と、塗工した無機物層用組成物を焼成する工程(焼成工程)とを備える。
(バインダー粒子調製工程)
バインダー粒子調製工程では、例えばポットミル、ジェットミル等の粉砕機を用い、リン酸ガラスを所望の大きさに粉砕しバインダー粒子を得る。
上記バインダー粒子のメジアン径の下限としては、2.5μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、上記メジアン径の上限としては、100μmが好ましく、80μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。上記メジアン径が上記下限より小さいと、塗工後の加熱により溶融したリン酸塩ガラスが十分に広がらず、無機物層の均一性が低下するおそれがある。逆に、上記メジアン径が上記上限を超えると、バインダー粒子とフィラーとが十分に混合せず、無機物層の均一性が低下するおそれがある。
(無機物層用組成物調製工程)
無機物層用組成物調製工程では、上記バインダー粒子とフィラーとを混合することで無機物層用組成物を調製する。また、この無機物層用組成物は、水又は水系溶媒をさらに含有してもよい。
上記水系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、又はt−ブチルアルコール等の直鎖又は分岐の脂肪族低級アルコール;
ベンジルアルコール、又は2−フェニルエタノール等の芳香族アルコール;
プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、PEG200、PEG400等のポリエチレングリコール;
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール;
1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等の多価アルコール;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテル誘導体;
アセトン等の低級ケトンなどが挙げられる。
上記無機物層用組成物が水又は水系溶媒を含有する場合、無機物層用組成物の固形分濃度の下限としては、40質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。一方、上記固形分濃度の上限としては、70質量%が好ましく、65質量%がより好ましい。上記固形分濃度が上記下限より小さいと、塗布後の焼成により無機物層の厚みが大きく低下し、所望の厚みの無機物層を得ることが困難となるおそれや、焼成に時間を要し当該放熱基板の製造効率が低下するおそれがある。逆に、上記固形分濃度が上記上限を超えると、無機物層用組成物の均一な塗布が困難となるおそれがある。
(塗工工程)
塗工工程では、上記無機物層用組成物を基材の一方の面に塗工し、塗膜を形成する。この塗工方法としては、例えばコーター塗工、スプレー塗工、印刷塗工等が挙げられる。これらの中で、上記無機物層用組成物を容易かつ均一に塗布できる観点からスプレー塗工及び印刷塗工が好ましい。
上記無機物層用組成物が水又は水系溶媒を含む場合、上記無機物層用組成物を塗工して塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させ、溶媒を除去するとよい。上記乾燥温度の下限としては、15℃が好ましく、20℃がより好ましい。一方、上記乾燥温度の上限としては、100℃が好ましく、90℃がより好ましい。上記乾燥温度が上記下限より小さいと、乾燥に時間を要し当該放熱基板の製造効率が低下するおそれがある。逆に、上記乾燥温度が上記上限を超えると、無機物層用組成物中のバインダー粒子が溶融し、均一な無機物層の形成が困難となるおそれがある。
上記乾燥時間の下限としては、10分が好ましく、30分がより好ましい。一方、上記乾燥時間の上限としては、600分が好ましく、300分がより好ましい。上記乾燥時間が上記下限より小さいと、無機物層用組成物の塗膜から十分に水又は水系溶媒が除去されず、残留する溶媒により均一な無機物層の形成が困難となるおそれがある。逆に、上記乾燥時間が上記上限を超えると、当該放熱基板の製造効率が低下するおそれがある。
(焼成工程)
焼成工程では、上記塗膜を焼成することで塗膜中のバインダー粒子が溶融し、無機物層が形成される。
上記焼成温度の下限としては、430℃が好ましく、450℃がより好ましい。一方、上記焼成温度の上限としては、550℃が好ましく、500℃がより好ましい。上記焼成温度が上記下限より小さいと、上記塗膜中のバインダー粒子が十分に溶融しないおそれがある。逆に、上記焼成温度が上記上限を超えると、上記塗膜中のフィラーが溶融し、十分な熱伝導性を有する無機物層を形成できないおそれがある。
上記焼成時間の下限としては、5分が好ましく、10分がより好ましく、15分がさらに好ましく、20分が特に好ましい。一方、上記焼成時間の上限としては、1時間が好ましく、50分がより好ましい。上記焼成時間が上記下限より小さいと、上記塗膜中のバインダー粒子が十分に溶融しないおそれがある。逆に、上記焼成時間が上記上限を超えると、当該放熱基板の製造効率が低下するおそれがある。
<コーティング層形成工程>
コーティング層形成工程では、上記無機物層形成工程で形成した無機物層の一方の面にコーティング層を形成する。本工程は、例えばシロキサン化合物を含有するコーティング層用組成物を無機物層の一方の面に塗工する工程(塗工工程)と、塗工後のコーティング層用組成物を乾燥させる工程(乾燥工程)とを主に有する。
(塗工工程)
塗工工程では、シロキサン化合物を含有するコーティング層用組成物を無機物層の一方の面への塗工により塗膜を形成する。
上記シロキサン化合物とは、シロキサン結合を有する化合物であり、アルキル基等の置換基を有してもよい。このシロキサン化合物としては、アルコキシシロキサン、そのオリゴマー又はそれを用いたポリシロキサンが好ましい。このアルコキシシロキサンとしては、例えばアルコキシジシロキサン等のアルコキシシロキサンオリゴマー、3次元網目構造を有するアルコキシポリシロキサン等が挙げられる。ここで、「シロキサンオリゴマー」とは、シロキサンモノマーが2〜100個程度重合したものを意味する。
また、上記アルコキシシロキサンはその水素原子の少なくとも一部が置換基により置換されていることが好ましい。この置換基としては、アルキル基及びフェニル基が好ましく、メチル基及びフェニル基がより好ましい。
また、上記コーティング層用組成物は、溶媒をさらに含有してもよい。この溶媒としては、例えば上記水及び水系溶媒の他、非極性溶媒が挙げられる。
上記非極性溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン等の鎖式炭化水素溶媒、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。これらの中で、芳香族炭化水素溶媒が好ましく、トルエン及びキシレンがより好ましい。
上記コーティング層用組成物が溶媒をさらに含有する場合、コーティング層用組成物における固形分濃度の下限としては、15質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、25質量%がさらに好ましい。一方、上記固形分濃度の上限としては、75質量%が好ましく、65質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。上記固形分濃度が上記下限より小さいと、コーティング層用組成物を無機物層に塗工した際に、無機物層表面の微小な亀裂等の内部に入り込むシロキサン化合物の量が少なくなる傾向がある。そのため、上記微小な亀裂等におけるコーティング層の貫入の度合いが不十分となり、コーティング層に起因する絶縁性の向上効果が十分に向上しなくなるおそれがある。逆に、上記固形分濃度が上記上限を超えると、無機物層表面へのコーティング層用組成物の均一な塗布が困難となるおそれがある。
上記コーティング層用組成物の無機物層への塗工方法としては、例えば刷毛、コーター等による塗布法が挙げられ、これらの方法によれば無機物層の凹凸を効率良く充填できる。一方、真空蒸着法やスパッタリング法では、フィラーに起因する凹凸や無機物層のピンホール等の隙間へのコーティング層用組成物の浸透が不十分となるおそれがある。そのため、当該放熱基板の製造方法では塗布法を用いる。
(乾燥工程)
乾燥工程では、上記塗工工程において形成した塗膜を乾燥させる。上記塗膜を大気圧中で乾燥することで、アルコキシシロキサン、そのオリゴマー又はそれを用いたポリシロキサンの加水分解によりシリコン酸化物が生じ、コーティング層が形成される。
上記乾燥時の温度の下限としては、15℃が好ましく、20℃がより好ましい。一方、上記乾燥温度の上限としては、200℃が好ましく、180℃がより好ましい。上記乾燥温度が上記下限より小さいと、十分な強度を有するコーティング層が形成されないおそれがある。逆に、上記乾燥温度が上記上限を超えると、無機物層や基材が破損するおそれがある。
また、上記乾燥時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましく、5時間がさらに好ましい。一方、上記乾燥時間の上限としては、48時間が好ましく、36時間がより好ましい。上記乾燥時間が上記下限より小さいと、十分な強度を有するコーティング層が形成されないおそれがある。逆に、上記乾燥時間が上記上限を超えると、当該放熱基板の製造効率が低下するおそれがある。
また、分厚いコーティング層を形成した後、このコーティング層の表面を研磨等することでコーティング層の平均厚みを調節し、所望の平均厚みのコーティング層を形成してもよい。このような方法でコーティング層を形成する場合、コーティング層の平均厚みの微調整が容易となる他、コーティング層の表面の平滑性を容易に向上でき、コーティング層による絶縁性の向上効果を容易に奏することができる。
<利点>
当該放熱基板の製造方法では、基材の主成分がアルミニウム又はアルミニウム合金であることで、基材の加工が容易となる。また、アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダー粒子を基材の一方の面に塗工及び焼成することで、絶縁性及び熱伝導性に優れる無機物層を容易かつ確実に形成できる。さらに、その後無機物層の一方の面にシロキサン化合物を主成分とするコーティング層用組成物を塗工及び乾燥することで、シロキサン化合物が重合等し、これによりシリコン酸化物を主成分とするコーティング層を無機物層の一方の面に容易かつ確実に形成できる。
[その他の実施形態]
当該放熱基板、デバイス及び放熱基板の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
当該放熱基板は、基材や無機物層を厚み方向に複数層備えてもよい。また、この場合、複数の基材や無機物層の組成は異なっていてもよい。このように組成が異なる複数の基材や無機物層を備えることで、当該放熱基板の各種特性を適宜調節できる。
同様に、当該放熱基板はコーティング層を厚み方向に複数層備えてもよいが、コーティング層は上述のように薄いことが好ましいため、1層のみであることが好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<放熱基板の製造>
基材としてのアルミニウム板(工業用純アルミニウム1050、平均厚み2mm)をシャーリング加工機により縦50mm、横50mmに裁断し、表面を中性洗剤で洗浄した。
次に、リン酸塩ガラスとしての低融点リン酸塩ガラスフレーク(日本フリット社の「VQ0028」)をポットミルを用いてメジアン径が20μmとなるように粉砕し、バインダー粒子を得た。このバインダー粒子に、フィラーとしてのアルミナフィラー(昭和電工社の「丸み状アルミナAS−30」、メジアン径20μm)を質量比で50:50となるように混合した。この混合物に水を添加し、攪拌することで無機物層用組成物を調製した。この無機物層用組成物の固形分濃度は60質量%であった。
上記調製した無機物層用組成物を、スプレーガン(アネスト岩田社の「G151」)を用いて基材の表面に5秒噴霧し、乾燥炉において60℃で加熱し30分乾燥させた。その後、電気炉において480℃で30分焼成し、平均厚み80μmの無機物層を形成した。
上記無機物層と基材との積層体を冷却後、刷毛を用いてシロキサン化合物(信越化学社の「KR400」)を無機物層の表面に塗布し、スキージを用いて余分な化合物を剥離した。次いで、この積層体を真空炉に投入し脱気した後、大気圧下、25℃で24時間乾燥した。これにより、無機物層の表面に平均厚み10μmのコーティング層を形成し、放熱基板を得た。
ここで、無機物層の平均厚みは渦電流膜厚計フィッシャーインストルメント社の「MMS 3AM」)を用いて測定し、コーティング層の平均厚みは走査型電子顕微鏡(日立パワーソリューション社の「S4000」)を用いて測定した。
[実施例2及び3]
用いたシロキサン化合物の種類、及びコーティング層を形成する際の乾燥時における温度を表1に記載の通りとした他は実施例1と同様にして放熱基板を得た。
[実施例及び比較例1及び2
バインダー粒子の種類及びメジアン径、フィラーのメジアン径及び添加量、無機物層の平均厚み、シロキサン化合物の種類並びにコーティング層の有無又は平均厚みを表1に記載の通りとした他は実施例1と同様にして放熱基板を得た。なお、表1中「−」は放熱基板がコーティング層を備えていないことを示す。
(バインダー粒子)
A−1:リン酸塩ガラス(日本フリット社の「VQ0028」)
A−2:ホウケイ酸ガラス(関谷理科社の「4521」)
(シロキサン化合物)
B−1:信越化学社の「KR400」(メチル基で置換されたアルコキシシロキサンオリゴマー、常温で液体)
B−2:信越化学社の「KR251」(メチル基で置換されたアルコキシポリシロキサン、固形分濃度20質量%(カタログ値))
B−3:信越化学社の「KR255」(メチル基及びフェニル基で置換されたアルコキシポリシロキサン、固形分50質量%(カタログ値))
Figure 0006517103
[評価]
実施例及び比較例の放熱基板について、以下の手順により評価を行った。
<無機物層及びコーティング層の割れ>
コーティング層を積層する前の無機物層の表面、及びコーティング層を積層した後のコーティング層の表面について、それぞれ目視で観察し、割れについて以下の基準で評価した。以下の評価中、Aが合格である。
A:割れが生じていない。
B:割れが生じている。
C:割れが生じ、かつ層表面の凹凸が見て取れる。
<最低耐電圧>
実施例及び比較例の放熱基板について、耐電圧試験器(インステック社の「GPT−9802」、DCモード)を用い、+端子(直径15mmのステンレス製球電極)を熱伝導層側に、−端子を基材側に接続した。その後、直流電圧を徐々に印加し、1mA以上の電流が流れた時点での電圧を5点それぞれで測定し、その中の最低値を最低耐電圧とした。この最低耐電圧について以下の基準で評価した。以下の評価中、Aが合格である。
A:500V以上
B:500V未満
Figure 0006517103
表2に示されるように、実施例の放熱基板は、各層の割れ及び最低耐電圧に優れており、絶縁性に優れていた。特に、コーティング層として比較的低分子のシリコーンオリゴマーであるKR400を用いた実施例1、バインダー粒子の平均粒径が3μm、フィラーの平均粒径が20μmであり、かつ無機物層の平均厚みが80μm以上である実施例2、3は最低耐電圧により優れていた。
一方、フィラーを有さない比較例1、無機物層の平均厚みが30μm未満の比較例2は、無機物層やコーティング層の割れが生じ、また最低耐電圧も低く、絶縁性に劣っていた。
以上説明したように、本発明の放熱基板は、絶縁性及び放熱性に優れる。また、本発明のデバイスは、上記放熱基板を備えるため、絶縁性及び放熱性に優れる。さらに、本発明の放熱基板の製造方法は、絶縁性及び放熱性に優れる放熱基板を得ることができる。従って、この放熱基板及びデバイスは、小型化が進む電子部品に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材と、
    この基材の一方の面に積層され、絶縁性を有する熱伝導層と
    を備える放熱基板であって、
    上記熱伝導層が、
    アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダーを含有する無機物層と、
    この無機物層の一方の面に積層され、シリコン酸化物を主成分とするコーティング層と
    を備え、
    上記無機物層の平均厚みが30μm以上100μm以下、上記コーティング層の平均厚みがμm以上20μm以下であり、
    上記無機物層におけるフィラーのメジアン径が10μm以上30μm以下、フィラーの含有量が40質量%以上70質量%以下であることを特徴とする放熱基板。
  2. 上記コーティング層が上記シリコン酸化物の非晶質体を主体とする請求項1に記載の放熱基板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の放熱基板を備えるデバイス。
  4. アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材と、
    この基材の一方の面に積層され、絶縁性を有する熱伝導層と
    を備える放熱基板の製造方法であって、
    上記基材の一方の面に、アルミナを主成分とするフィラー及びリン酸塩ガラスを主成分とするバインダー粒子を含有する無機物層用組成物を塗工及び焼成する工程と、
    この塗工及び焼成工程後に形成される無機物層の一方の面に、シロキサン化合物を主成分とするコーティング層用組成物を塗工及び乾燥する工程と
    を備え、
    上記無機物層の平均厚みが30μm以上100μm以下、上記コーティング層の平均厚みがμm以上20μm以下であり、
    上記無機物層におけるフィラーのメジアン径が10m以上30μm以下、フィラーの含有量が40質量%以上70質量%以下であることを特徴とする放熱基板の製造方法。
  5. 上記シロキサン化合物が、アルコキシシロキサン、そのオリゴマー又はそれを用いたポリシロキサンである請求項4に記載の放熱基板の製造方法。
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