JP6516629B2 - 水素含有ガス生成システム及びその運転方法、並びに燃料電池システム - Google Patents

水素含有ガス生成システム及びその運転方法、並びに燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、水素含有ガス生成システム及びその運転方法、並びに燃料電池システムに関する。
例えば水素と酸素との化学反応から電力を取り出すことができる燃料電池は、高い発電効率やクリーンな排ガス等の利点を有することから好ましく利用されている。燃料電池に供給される水素は、例えば炭化水素を含むガスから得ることができ、この場合、水素含有ガス生成システムが利用される。ここで、水素含有ガス生成システムは、例えば特開2002−284505号公報(特許文献1)に開示されているように、炭化水素を含む原燃料ガスを改質する改質部と、改質ガス中の一酸化炭素を低減する変成部とを備える。燃料電池が固体高分子形燃料電池である場合には、電極触媒の被毒を回避するべく一酸化炭素濃度をさらに低減する必要があり、水素含有ガス生成システムは、変成処理後の改質ガス中に残留している一酸化炭素を除去する除去部をさらに備える。特許文献1に開示されているのは主に一酸化炭素除去触媒の鉄被毒を防止するための技術であるが、特許文献1では、除去部の内部での結露を防止するために変成部と除去部との間にドレントラップを設けることについても言及されている。
特開2002−284505号公報
しかし、そのようなシステム構成を採用しても、全ての凝縮水をドレントラップで回収できない可能性がある。また、除去部に流入するガスには飽和水蒸気が含まれることになるため、例えば外気温等の影響を受けて結露する等して、新たに生じた凝縮水が除去部に到達してしまう可能性がある。一般に、一酸化炭素除去触媒は100℃以上の温度域で使用されることが多いため、多少の凝縮水が一酸化炭素除去触媒に到達したとしても直ちに問題が生じる訳ではない。しかし、一酸化炭素除去触媒の濡れが進行すると、触媒活性が低下するだけでなく、触媒温度が低下して濡れの進行がさらに加速するという悪循環に陥る。その結果、ある時点を境に一酸化炭素除去触媒の活性が大きく低下し、一酸化炭素を十分に除去しきれなくなる可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、水素含有ガス生成システムやそれを組み込んだ燃料電池システムにおいて、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持可能とすることを目的とする。
本発明に係る水素含有ガス生成システムの特徴構成は、
炭化水素を含む原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質処理を行う改質部と、
前記改質ガス中の一酸化炭素を変成処理によって低減する変成部と、
一酸化炭素除去触媒の存在下、変成処理後の前記改質ガス中に残留している一酸化炭素を除去する除去部と、
通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、前記改質部での前記改質処理を停止させ、その後、前記変成部及び前記除去部を通過させるパージガスを前記改質部及び前記変成部の少なくとも一方の熱によって加熱し、前記一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させる乾燥処理を実行する制御部と、
を備える点にある。
この特徴構成によれば、炭化水素を含む原燃料ガスを改質部、変成部、除去部の順に通過させて、原燃料ガスから、実質的に一酸化炭素を含有しない水素含有ガス(以下、「精製水素含有ガス」と言う。)を得ることができる。このとき、制御部は、通常運転中に一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、改質処理を停止させ、システムの一部を利用して加熱されたパージガスを除去部へと導いて乾燥処理を行う。この乾燥処理では、昇温されたパージガスによって一酸化炭素除去触媒が加熱され、当該一酸化炭素除去触媒は設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持される。これにより、一酸化炭素除去触媒に付着した水分を蒸発させて濡れ状態を改善することができ、触媒活性を回復させることができる。そして、水素含有ガス生成システムの通常運転中、濡れ判定条件が成立する毎に乾燥処理を繰り返し実行することで、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持することができる。
水素含有ガス生成システムの更なる特徴構成は、前記改質部に少なくとも水蒸気を供給する水蒸気供給部と、前記変成部と前記除去部との間のガス流路に併設され、二次側熱媒との熱交換によって前記ガス流路中を流れるガスを冷却する冷却部と、前記熱交換により前記ガス流路中で生じた凝縮水を捕集する捕水部と、をさらに備え、前記変成部は一酸化炭素変成触媒を加熱する加熱手段を含み、前記制御部は、前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、前記原燃料ガスの供給停止後に前記水蒸気供給部から水又は水蒸気を供給して前記改質部内の前記原燃料ガスを排出させつつ前記改質部を冷却し、その後、前記水蒸気供給部からの水分供給を停止するとともに前記パージガスとして前記原燃料ガスを導入し、前記加熱手段の作動状態且つ前記冷却部の非作動状態で前記乾燥処理を実行する点にある。
この構成によれば、水蒸気供給部に由来する水蒸気を、変成部と除去部との間のガス流路に配設された冷却部にて凝縮させ、それを捕水部で捕集することで、除去部やそこに到るまでの配管の内部での結露を抑制することができる。そのような冷却部や捕水部を設置しても凝縮水が除去部に到達してしまう可能性があることは上述したとおりであるが、冷却部や捕水部を備えることで、これらが非設置とされるシステム構成と比較して、乾燥処理の実行頻度を低く抑えることができる。
また、この構成では、改質処理の停止時に、原燃料ガスの供給を停止するとともに改質器内に水又は水蒸気を供給して改質部の冷却を行うので、改質部を効率的に冷却することができる。また、改質部が冷却されてその温度が低下してから水分供給を停止して原燃料ガスを導入するので、原燃料ガスをパージガスとして用いながらも、炭化水素の熱分解による炭素の析出を抑制することができる。また、通常運転時に一酸化炭素変成触媒を加熱するために変成部に設けられる加熱手段を利用して、パージガスとしての原燃料ガスを適切に加熱することができる。その際、冷却部は非作動状態とされるので、加熱されたパージガス(原燃料ガス)が再度冷却されて一酸化炭素除去触媒の乾燥効果が低減されるといった不都合も生じない。従って、本構成によれば、一般的な水素含有ガス生成システムに備えられる構成を利用しつつ各部を合理的に動作させて、システム構造の改変を伴うことなく低コストに、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持することができる。
水素含有ガス生成システムの更なる特徴構成は、前記制御部は、前記乾燥処理において、前記一酸化炭素変成触媒の温度が前記設定乾燥温度よりも高い値に設定された設定加熱温度以上となるように前記加熱手段の動作を制御する点にある。
この構成によれば、乾燥処理において変成部から流れ出るパージガス(原燃料ガス)を設定加熱温度以上又はそれに近い温度とすることができる。よって、比較的単純な制御で、その後、一酸化炭素除去触媒を確実性高く設定乾燥温度以上の温度に加熱することができる。
水素含有ガス生成システムの更なる特徴構成は、前記濡れ判定条件は、通常運転中における前記一酸化炭素除去触媒の温度が濡れ判定温度以下に低下したことである点にある。
通常運転中に一酸化炭素除去触媒の濡れがある程度進行すると、それに伴う現象の1つとして、“触媒温度の低下”が見られる。この触媒温度の低下は、濡れの進行度合いに対して比較的感度の高い現象として現れる。そこで、濡れ判定条件を上記のように設定することで、通常運転中における一酸化炭素除去触媒の温度と濡れ判定温度との大小関係に基づいて、一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を簡易且つ高感度に判定することができる。
本発明に係る燃料電池システムの特徴構成は、
上述した水素含有ガス生成システムと、
前記水素含有ガス生成システムの下流側に接続された燃料電池と、を備え、
前記制御部は、前記燃料電池の動作制御をも行うように構成されているとともに、前記水素含有ガス生成システムと前記燃料電池との間の接続ガス流路を遮断して前記燃料電池での発電を停止させた状態で前記乾燥処理を実行し、前記乾燥処理の開始から前記設定乾燥時間経過した後に前記接続ガス流路の遮断を解除して前記燃料電池での発電を再開させる点にある。
この特徴構成によれば、水素含有ガス生成システムで得られる精製水素含有ガスを、燃料電池に供給されるアノードガスとして用いて、高効率且つ低環境負荷に発電を行うことができる。一酸化炭素除去触媒の触媒活性が長期に亘って良好に維持され、精製水素含有ガス中の一酸化炭素濃度が低く維持されるので、燃料電池が固体高分子形燃料電池である場合でも、その出力電圧を長期に亘って適正値に維持することができる。乾燥処理時には接続ガス流路を遮断することで、精製水素含有ガスではないガスのセルスタック内への侵入を防止することができる。乾燥処理の終了後は接続ガス流路の遮断が解除されて改質処理及び発電が再開されるので、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持可能としつつ、ユーザーの意図とは無関係に生じる発電中断の期間を最小限に抑えることができる。
本発明に係る水素含有ガス生成システムの運転方法の特徴構成は、
炭化水素を含む原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質処理を行う改質部と、前記改質ガス中の一酸化炭素を変成処理によって低減する変成部と、一酸化炭素除去触媒の存在下、変成処理後の前記改質ガス中に残留している一酸化炭素を除去する除去部と、を備える水素含有ガス生成システムの運転方法であって、
通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知するステップと、
前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、前記改質部での前記改質処理を停止させるステップと、
その後、前記変成部及び前記除去部を通過させるパージガスを前記改質部及び前記変成部の少なくとも一方の熱によって加熱し、前記一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させるステップと、
を含む点にある。
この特徴構成によれば、炭化水素を含む原燃料ガスを改質部、変成部、除去部の順に通過させて、原燃料ガスから精製水素含有ガスを得ることができる。このとき、上記の各ステップを実行することで、通常運転中に一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、改質処理を停止させ、システムの一部を利用して加熱されたパージガスを除去部へと導いて乾燥処理を行うことができる。この乾燥処理では、昇温されたパージガスによって一酸化炭素除去触媒が加熱され、当該一酸化炭素除去触媒は設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持される。これにより、一酸化炭素除去触媒に付着した水分を蒸発させて濡れ状態を改善することができ、触媒活性を回復させることができる。そして、水素含有ガス生成システムの通常運転中、濡れ判定条件が成立する毎に乾燥処理を繰り返し実行することで、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持することができる。
水素含有ガス生成システムを含む燃料電池システムの概略構成図 燃料電池システムの運転方法の処理手順を示すフローチャート 乾燥処理の処理手順を示すフローチャート 通常運転時の燃料電池システムの動作状態を示す模式図 乾燥処理の乾燥準備段階での燃料電池システムの動作状態を示す模式図 乾燥処理の本乾燥段階での燃料電池システムの動作状態を示す模式図
水素含有ガス生成システム及び燃料電池システムの実施形態について説明する。本実施形態の水素含有ガス生成システム1は、炭化水素を含む原燃料ガスから、水素を主成分とし且つ実質的に一酸化炭素を含有しない水素含有ガス(以下、「精製水素含有ガス」と言う。)を生成する前処理システムである。燃料電池システム100は、水素含有ガス生成システム1から供給される精製水素含有ガスをアノードガスとして用いて、水素と酸素との化学反応から電力を取り出す発電システムである。
本実施形態の水素含有ガス生成システム1及び燃料電池システム100は、以下の点によって特徴付けられる。すなわち、システム全体の動作制御を行う制御部30は、通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、改質部3での改質処理を停止させ、その後、変成部4及び除去部5を通過させるパージガスを改質部3及び変成部4の少なくとも一方の熱によって加熱し、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させる乾燥処理を実行する。これにより、長期に亘って、除去部5に収容されている一酸化炭素除去触媒の触媒活性を良好に維持することができ、一酸化炭素濃度の上昇に起因する燃料電池システム100の電圧低下を回避することができる。以下、水素含有ガス生成システム1及び燃料電池システム100の詳細について説明する。
図1に示すように、燃料電池システム100は、水素含有ガス生成システム1と、この水素含有ガス生成システム1の下流側に接続された燃料電池20とを備えている。水素含有ガス生成システム1は、脱硫部2と、改質部3と、変成部4と、除去部5と、制御部30とを備えている。脱硫部2、改質部3、変成部4、除去部5、及び燃料電池20は、記載の順に直列に接続されている。また、水素含有ガス生成システム1は、水蒸気供給部11と、熱交換部12と、冷却部14と、捕水部16とを備えている。
脱硫部2は、炭化水素を含む原燃料ガス(例えば都市ガス等)の流路である原燃料ガス流路L1に設けられている。脱硫部2には、脱硫触媒が収容されている。脱硫部2は、脱硫触媒を加熱する第一加熱手段2Aを含む。この第一加熱手段2Aは、例えば抵抗加熱式の電気ヒーターである。第一加熱手段2Aは、脱硫触媒が設定脱硫温度(例えば50℃〜80℃)となるように、当該脱硫触媒を加熱する。脱硫部2は、脱硫触媒の存在下、原燃料ガスが都市ガス等である場合に当該都市ガスに付臭剤として含まれる硫黄化合物を脱硫処理する。
改質部3は、原燃料ガス流路L1の下流側に設けられている。改質部3には、改質触媒が収容されている。改質部3には、可燃性ガスを燃焼して燃焼熱を発生させる燃焼部3Aが隣接して設けられている。可燃性ガスとしては、都市ガス等の燃焼用燃料ガスや、燃料電池20の燃料極(図示せず)から排出されたアノード排ガス(発電反応で消費されなかった精製水素含有ガス)、又はそれら両方の混合ガス等を用いることができる。燃焼部3Aは、改質触媒が設定改質温度(例えば650℃〜750℃)となるように当該改質触媒を加熱する改質触媒加熱手段として機能する。なお、改質部3には、改質触媒の温度を検出する第一センサS1(改質触媒温度センサ)も設けられている。改質部3には、水蒸気供給部11で生成された水蒸気が少なくとも供給される。
水蒸気供給部11は、原燃料ガス流路L1における脱硫部2と改質部3との間の部分に接続される水蒸気流路L3に設けられている。水蒸気供給部11には、熱交換部12が隣接して設けられている。熱交換部12には、燃焼部3Aから排出されて改質部3への熱供給を行った後の燃焼排ガスが、燃焼排ガス流路L6を通って供給される。その燃焼排ガスの熱が、水蒸気供給部11に伝達されて水の蒸発に利用される。なお、燃焼部3Aの非作動時(燃焼動作が行われていない時)には、水は気化されることなく液体状態のまま水蒸気供給部11から供給される。水蒸気供給部11からの水蒸気又は水は、水蒸気流路L3を通って原燃料ガス流路L1に合流し、改質部3に供給される。
そして、改質部3は、改質触媒及び水蒸気の存在下で原燃料ガスを改質処理して、水素を主成分とする改質ガスを生成する。具体的には、改質部3は、燃焼部3Aで発生した燃焼熱を利用して原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を主成分とし、副生成物として一酸化炭素と二酸化炭素とを含有する改質ガスを生成する。この改質ガス中の一酸化炭素濃度は比較的高く、例えば10%〜20%程度である。生成された改質ガスは、改質部3の下流側に接続された改質ガス流路L2へと送り出される。
変成部4は、改質ガス流路L2の途中に設けられている。変成部4には、一酸化炭素変成触媒が収容されている。変成部4は、一酸化炭素変成触媒を加熱する第二加熱手段4Aを含む。この第二加熱手段4Aは、例えば抵抗加熱式の電気ヒーターである。本実施形態では、第二加熱手段4Aが「加熱手段」に相当する。なお、変成部4には、一酸化炭素変成触媒の温度を検出する第二センサS2(変成触媒温度センサ)も設けられている。第二加熱手段4Aは、一酸化炭素変成触媒が設定変成温度(例えば180℃〜230℃)となるように、当該一酸化炭素変成触媒を加熱する。変成部4は、一酸化炭素変成触媒及び水蒸気の存在下、改質部3で生成された改質ガス中の一酸化炭素を変成処理によって低減する。具体的には、変成部4は、改質部3で生成された改質ガス中に含まれている一酸化炭素と水蒸気とを反応させて、一酸化炭素を二酸化炭素に変成する。これにより、改質ガス中の一酸化炭素濃度が、例えば0.5%〜1%程度にまで低減される。
本実施形態では、変成部4よりも下流側の改質ガス流路L2(改質ガス流路L2における変成部4と除去部5との間の第一部分L2a)に、冷却部14が併設されている。本実施形態では、改質ガス流路L2の第一部分L2aが、「変成部と除去部との間のガス流路」に相当する。冷却部14には、排熱回収ラインL7を流通する二次側熱媒が、常温の状態で供給される。冷却部14は、相対的に低温の二次側熱媒との熱交換によって、改質ガス流路L2の第一部分L2aを流れる、水蒸気を含んだ改質ガスを冷却する。このとき、改質ガス流路L2の中では熱交換によって凝縮水が生じるので、当該凝縮水を捕集する捕水部16が、改質ガス流路L2の第一部分L2aにおける冷却部14よりも下流側に設けられている。この捕水部16は、例えばドレントラップである。
除去部5は、改質ガス流路L2の途中であって変成部4よりも下流側に設けられている。また、除去部5は、冷却部14及び捕水部16よりも下流側に設けられている。除去部5には、一酸化炭素除去触媒が収容されている。除去部5は、一酸化炭素除去触媒の温度を設定除去温度に調節する温度調節手段5Aを含む。温度調節手段5Aは、本実施形態では例えば冷却ファンである。なお、除去部5には、一酸化炭素除去触媒の温度を検出する第三センサS3(除去触媒温度センサ)も設けられている。温度調節手段5Aは、一酸化炭素除去触媒が設定除去温度(例えば100℃〜180℃)となるように、当該一酸化炭素除去触媒の温度を調節する。なお、除去部5での反応は発熱反応であり、反応の進行に伴って一酸化炭素除去触媒の温度は上昇するので、温度調節手段5A(冷却ファン)は、一酸化炭素除去触媒を冷却することによって当該一酸化炭素除去触媒の温度を調節する。
除去部5は、一酸化炭素除去触媒の存在下、変成部4から供給される変成処理後の改質ガス中に残留している一酸化炭素を除去する。具体的には、除去部5は、変成処理後の改質ガス中に残っている一酸化炭素と新たに添加される空気中の酸素とを反応させて、一酸化炭素を酸化除去する。これにより、一酸化炭素濃度の非常に低い(例えば10ppm未満であり、実質的に一酸化炭素を含有しない)水素リッチな改質ガスとして、精製水素含有ガスが生成される。
燃料電池20は、改質ガス流路L2の下流側に設けられている。燃料電池20には、水素含有ガス生成システム1で生成された精製水素含有ガスが供給される。燃料電池20としては、例えば固体高分子形燃料電池を好ましく用いることができる。燃料電池20では、セルスタックの燃料極(図示せず)に改質ガス流路L2から精製水素含有ガスが供給され、セルスタックの酸素極(図示せず)に空気が供給されて、発電反応が行われる。セルスタックの燃料極から排出されたアノード排ガス(発電反応で消費されなかった精製水素含有ガス)は、アノード排ガス流路L4を通って燃焼部3Aに供給され、可燃性ガスとして燃焼される。アノード排ガス流路L4には、都市ガス等の燃焼用燃料ガスを供給するための流路も接続されている。
本実施形態では、改質ガス流路L2とアノード排ガス流路L4とを接続するバイパス流路L5が設けられている。バイパス流路L5は、改質ガス流路L2における除去部5よりも下流側の第二部分L2bと、アノード排ガス流路L4とを接続している。なお、本実施形態では、改質ガス流路L2の第二部分L2bが、「水素含有ガス生成システムと燃料電池との間の接続ガス流路」に相当する。
原燃料ガス流路L1における脱硫部2よりも上流側に第一バルブV1が設けられている。改質ガス流路L2における除去部5よりも下流側(第二部分L2b)に第二バルブV2が設けられている。水蒸気流路L3における水蒸気供給部11よりも上流側に第三バルブV3が設けられている。アノード排ガス流路L4におけるバイパス流路L5との合流点よりも上流側に第四バルブV4が設けられている。バイパス流路L5の途中に第五バルブV5が設けられている。第一バルブV1及び第三バルブV3は、その開度を調節可能な可変バルブであって良く、第二バルブV2、第四バルブV4、及び第五バルブV5は、開放と閉止とを切替可能な開閉バルブであって良い。
制御部30は、システム全体の動作制御を行う。本実施形態では、制御部30は、水素含有ガス生成システム1及び燃料電池システム100の全体について、その動作制御を行うように構成されている。制御部30は、各加熱手段2A,4Aや温度調節手段5Aの動作、燃焼部3Aにおける燃焼状態、各バルブV1〜V5の状態、及び排熱回収ラインL7に設けられたポンプ(図示せず)の動作等を制御することにより、システム全体の動作制御を行う。制御部30は、例えば起動処理、通常運転処理、及び本実施形態に特有の乾燥処理等を実施可能に構成されている。
起動処理は、例えばユーザーの手動による起動指令操作をトリガーとして実施される。起動処理では、制御部30は、燃焼用燃料ガスを燃焼部3Aに供給して燃焼作動させるとともに、第一加熱手段2A及び第二加熱手段4Aを作動させて、脱硫部2、改質部3、変成部4、及び除去部5を昇温させる。起動処理は、例えば各センサS1〜S3で検出される改質触媒、一酸化炭素変成触媒、及び一酸化炭素除去触媒の温度がそれぞれの目標温度(例えば一例として、それぞれ700℃、200℃、100℃)に達するまで継続される。
通常運転処理は、少なくとも起動処理の完了後に当該起動処理に引き続いて実施される。図4に示すように(図1も参照)、通常運転処理では、制御部30は、第一バルブV1を開放して原燃料ガスを脱硫部2に導入し、第三バルブV3を開放して水を水蒸気供給部11に供給する。また、制御部30は、燃焼用燃料ガス及びアノード排ガスの少なくとも一方を燃焼部3Aに供給して燃焼作動させるとともに、第一加熱手段2A、第二加熱手段4A、及び温度調節手段5Aを作動させて、脱硫部2、改質部3、変成部4、及び除去部5の温度を調節する。また、制御部30は、排熱回収ラインL7のポンプを駆動して、冷却部14を作動させる。そして、制御部30は、通常運転中は第五バルブV5を閉止し、且つ、第二バルブV2及び第四バルブV4を開放して、除去部5から供給される改質ガス(精製水素含有ガス)を燃料電池20へと導入させて発電させる。
制御部30は、通常運転中、ユーザーによる手動操作とは無関係に、一定条件下で通常運転処理を中断して乾燥処理を実施するように構成されている。以下、この通常運転処理中に実施される乾燥処理を含む、水素含有ガス生成システム1(燃料電池システム100)の運転方法の詳細について、フローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、以下の各ステップの処理主体は制御部30である。
図2に示すように、通常運転処理が実施されている状態で(ステップ#01)、濡れ判定条件の成否が判定される(#02)。ここで、本実施形態では、濡れ判定条件は、通常運転中における一酸化炭素除去触媒の温度が濡れ判定温度以下に低下したこととされている。これは、通常運転中に一酸化炭素除去触媒の濡れがある程度進行すると、それに伴う現象の1つとして、“触媒温度の低下”という現象が見られることに基づく。濡れ判定温度は、水の沸点(100℃)以下で、且つ、一酸化炭素除去触媒の濡れの進行が加速することが懸念される温度以上の温度として定義することができる。濡れ判定温度は、例えば実験的・経験的に知得される一酸化炭素除去触媒の実際の濡れの進行の加速度合いを考慮して設定することができる。濡れ判定温度は、例えば70℃以上90℃以下の範囲内の温度に設定されることが好ましく、本実施形態では一例として80℃に設定されている。本実施形態では、ステップ#02の処理により、「通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知するステップ」が実行される。
濡れ判定条件が成立する(本実施形態では、第三センサS3で検出される一酸化炭素除去触媒の温度が80℃以下に低下する)と(#02:Yes)、第一バルブV1が閉止されて原燃料ガスの供給が停止される(#03)。これにより、改質部3での改質処理が停止される。本実施形態では、ステップ#02〜ステップ#03の処理により、「一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、改質部3での改質処理を停止させるステップ」が実行される。また、燃焼部3Aが燃焼停止されるとともに、第一加熱手段2A、第二加熱手段4A、及び温度調節手段5Aが非作動状態とされ、さらに発電が停止されて通常運転が中断される(#04)。このとき、第二バルブV2及び第四バルブV4が閉止され、且つ、第五バルブV5が開放されて、水素含有ガス生成システム1と燃料電池20との間が遮断されるとともに、除去部5から排出された改質ガスはそのまま排気される状態となる。このとき、改質ガスは、バイパス流路L5、アノード排ガス流路L4、及び燃焼排ガス流路L6を通って、システムの外部へと排出される。この状態で、乾燥処理が実施される(#05)。
図3及び図5に示すように、乾燥処理では、まず水蒸気パージが行われる(#11)。この水蒸気パージでは、燃焼部3Aの非作動状態(燃焼停止状態)で、水蒸気供給部11から改質部3内に液体状態の水が供給される。すると、改質部3の蓄熱によって水が気化し、改質部3内の原燃料ガスの排出が促進されるとともに、気化熱によって改質部3を効率的に冷却することができる。なお、水素含有ガス生成システム1内に水蒸気が充満して正圧を維持するので、システム内への外気の侵入を防止することができるという利点もある。本実施形態では、ステップ#03後のステップ#11の処理により、「原燃料ガスの供給停止後に水蒸気供給部11から水を供給して改質部3内の原燃料ガスを排出させつつ改質部3を冷却するステップ」が実行される。
水蒸気パージは、第一センサS1で検出される改質触媒の温度が設定冷却温度以下となるまで継続される(#12:No)。ここで、設定冷却温度は、炭化水素の熱分解温度(例えば400℃〜600℃)よりも十分に低い温度に設定されている。設定冷却温度は、例えば150℃以上350℃以下の範囲内の温度に設定されることが好ましく、本実施形態では一例として200℃に設定されている。改質触媒の温度が設定冷却温度以下まで低下すると(#12:Yes)、排熱回収ラインL7のポンプが停止されて、冷却部14が非作動状態とされる(#13)。
その後、図6に示すように(図1も参照)、第三バルブV3が閉止されて、水蒸気供給部11からの水の供給が停止される(#14)。また、第一バルブV1が開放されて、原燃料ガスが再度導入される(#15)。このステップ#15における原燃料ガスは、改質部3内のガス(この時点では水蒸気)を排出させるパージガスとして機能する。このとき、先に実行された水蒸気パージにより、改質部3の温度は既に設定冷却温度以下にまで低下しているので、原燃料ガスが改質部3を通過する際にも、炭化水素の熱分解による炭素析出は生じない。本実施形態では、ステップ#12〜ステップ#15の処理により、「改質部3の温度が設定冷却温度以下となった後に水蒸気供給部11からの水分供給を停止するとともにパージガスとして原燃料ガスを導入するステップ」が実行される。
その後、導入されるパージガスとしての原燃料ガスが、変成部4の熱によって加熱される。具体的には、第二センサS2で検出される一酸化炭素変成触媒の温度が設定乾燥温度よりも高い値に設定された設定加熱温度以上となるように、変成部4に設けられた第二加熱手段4Aの動作が制御される(#16)。そして、原燃料ガスは、変成部4内の一酸化炭素変成触媒中を通過する際に、一酸化炭素変成触媒からの熱供給を受けて加熱される。
ここで、設定乾燥温度は、除去部5において一酸化炭素除去触媒からの水分の蒸発が促進される温度として定義することができる。設定乾燥温度は、水の沸点(100℃)以上の温度又はそれに近い温度に設定されることが好ましく、本実施形態では一例として90℃に設定されている。また、設定加熱温度は、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上に維持可能とするための、変成部4の出口近傍での原燃料ガスの目標温度として定義することができる。設定加熱温度は、除去部5に到達するまでの原燃料ガスの放熱分や、除去部5での熱効率等に起因するロス分を考慮し、さらには必要に応じて余裕分も加味して設定されると良い。設定加熱温度は、例えば設定乾燥温度よりも5℃〜20℃程度高い温度に設定されることが好ましく、本実施形態では一例として100℃に設定されている。
第二加熱手段4Aによる変成部4の温度調節について言及すると、第二加熱手段4Aは、一酸化炭素変成触媒の温度が設定加熱温度以上の所定温度域に維持されるように、その動作(例えばオン/オフ)が制御される。すなわち、設定加熱温度よりも高い(例えば5℃〜10℃程度高い)値に設定解除温度が設定されるとともに、一酸化炭素変成触媒の温度が設定加熱温度を下回ると第二加熱手段4Aが作動され、設定解除温度に達すると第二加熱手段4Aが非作動とされ、これが逐次繰り返される。
これにより、変成部4を通過する原燃料ガスは、設定加熱温度以上又はそれに近い温度まで昇温されてから除去部5に供給される。そして、昇温された原燃料ガスによって一酸化炭素除去触媒が加熱され、当該一酸化炭素除去触媒は設定乾燥温度以上の温度に維持される。これにより、一酸化炭素除去触媒に付着した水分を蒸発させて、一酸化炭素除去触媒の濡れ状態を改善することができる。なお、本実施形態では、蒸発した水分は、バイパス流路L5、アノード排ガス流路L4、及び燃焼排ガス流路L6を通って、システムの外部へと排出される。言い換えれば、乾燥処理によって蒸発した水分は、システムの内部に留まることがない。
乾燥処理は、当該処理の開始から設定乾燥時間が経過するまで継続的に実行される(#06:No)。ここで、設定乾燥時間は、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上に維持させた場合に、当該一酸化炭素除去触媒から水分を十分に蒸発することができる時間に設定されている。設定乾燥時間は、例えば30分以上3時間以下の範囲内の時間に設定されることが好ましく、本実施形態では一例として1時間に設定されている。設定乾燥時間は、例えば設定加熱温度に応じて、設定加熱温度が高くなるに従って短く(設定加熱温度が低くなるに従って長く)なるように設定されても良い。
こうして、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させることで、一酸化炭素除去触媒の濡れ状態を十分に改善することができる。よって、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を回復させることができる。本実施形態では、ステップ#16及びステップ#06の処理により、「変成部4及び除去部5を通過させるパージガスを改質部3及び変成部4の少なくとも一方の熱によって加熱し、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させるステップ」(より具体的には、「第二加熱手段4Aの作動状態且つ冷却部14の非作動状態でパージガスとしての原燃料ガスを加熱し、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させるステップ」)が実行される。
なお、仮にこのような乾燥処理を行わなかった場合、一酸化炭素除去触媒の濡れが進行すると、触媒活性が低下するだけでなく、触媒温度が低下して濡れの進行がさらに加速するという悪循環に陥ってしまう。その結果、ある時点を境に一酸化炭素除去触媒の活性が大きく低下して一酸化炭素を十分に除去しきれなくなり、燃料電池20の出力電圧が低下して燃料電池20がエラー停止する可能性がある。これに対して、本実施形態では、一酸化炭素除去触媒の濡れの兆候をいち早く検知して乾燥処理による対処を早期に実施することで、そのような事態の発生を効果的に予防することができ、燃料電池20による出力電圧を適正値に維持することができる。
乾燥処理の開始からの経過時間が設定乾燥時間に達すると(#06:Yes)、当該乾燥処理が終了されて、一時的に中断されていた通常運転処理が再開される(#07)。この通常運転処理の再開にあたっては、まず、上述した起動処理と同様の処理が実施される。その後、水素含有ガス生成システム1と燃料電池20との間の遮断が解除されて(具体的には、第二バルブV2及び第四バルブV4が開放され、且つ、第五バルブV5が閉止されて)、燃料電池20での発電が自動的に再開される。このようにすれば、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を良好に維持可能(燃料電池20の出力電圧を適正値に維持可能)としつつ、乾燥処理の実施によってユーザーの意図とは無関係に生じる発電中断の期間を最小限に抑えることができる。
なお、再開後の通常運転において、濡れ判定条件が再度成立すると、乾燥処理が再度実施される。こうして、水素含有ガス生成システム1及び燃料電池システム100の通常運転中、濡れ判定条件が成立する毎に乾燥処理を繰り返し実行することで、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持することができる。よって、燃料電池20の出力電圧を長期に亘って適正値に維持することができる。
しかも、本実施形態では、制御部30は、通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、原燃料ガスの供給を停止して改質部3での改質処理を停止させた後に水蒸気供給部11から水を供給して改質部3内の原燃料ガスを排出させつつ改質部3を冷却し、その後、改質部3の温度が設定冷却温度以下となった後に水蒸気供給部11からの水供給を停止するとともにパージガスとして原燃料ガスを導入し、変成部4に設けられた第二加熱手段4Aの作動状態且つ冷却部14の非作動状態で原燃料ガスを加熱し、一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させる。
このような構成では、水蒸気パージの際に、水の気化熱によって改質部3を効率的に冷却することができる。また、改質部3の温度が設定冷却温度以下となってから原燃料ガスを導入するので、原燃料ガスをパージガスとして用いながらも、炭化水素の熱分解による炭素の析出を抑制することができる。また、通常運転時に一酸化炭素変成触媒を加熱するために変成部4に設けられる第二加熱手段4Aを利用して、原燃料ガスを適切に加熱することができる。その際、冷却部14は非作動状態とされるので、加熱された原燃料ガスが再度冷却されて一酸化炭素除去触媒の乾燥効果が低減されるといった不都合も生じない。従って、水素含有ガス生成システム1及び燃料電池システム100に備えられる構成を利用しつつ各部を合理的に動作させて、システム構造の改変を伴うことなく低コストに、一酸化炭素除去触媒の触媒活性を長期に亘って良好に維持することができる。その結果、低コストに、燃料電池20の出力電圧を長期に亘って適正値に維持することができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、乾燥処理において、制御部30が、第二センサS2で検出される一酸化炭素変成触媒の温度に基づいて第二加熱手段4Aの動作をフィードバック制御する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば制御部30が、第三センサS3で検出される一酸化炭素除去触媒の温度に基づいて第二加熱手段4Aの動作をフィードバック制御しても良い。この場合、一酸化炭素除去触媒の目標温度は、制御遅れを考慮して、設定乾燥温度よりも高い(例えば5℃〜20℃程度高い)温度域に設定されると良い。
(2)上記の実施形態では、乾燥処理において、制御部30が、燃焼部3Aにおける燃焼を停止させて変成部4の熱(第二加熱手段4Aからの発熱)のみを利用してパージガスとしての原燃料ガスを加熱する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば制御部30が、燃焼部3Aを燃焼させて改質部3の熱を利用してパージガスとしての原燃料ガスを加熱しても良い。この場合、制御部30は、改質触媒の温度が、原燃料ガスを設定乾燥温度よりも高い温度に加熱可能であり、且つ、コーキングが生じないような温度域となるように、燃焼部3Aの燃焼状態を制御することが好ましい。もちろん、制御部30は、変成部4及び改質部3の両方の熱を利用してパージガスとしての原燃料ガスを加熱しても良い。
(3)上記の実施形態では、乾燥処理において、水蒸気パージを実行して改質部3の冷却を行った上で、パージガスとして原燃料ガスを用いる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えばパージガスとして不活性ガス(窒素ガスや希ガス等)を用いても良い。この場合、不活性ガスを導入するための流路を別途設置する必要はあるものの、熱分解の問題がないため、原燃料ガスの供給停止後に必ずしも改質部3を十分に冷却せずとも乾燥処理を開始できるという利点がある。
(4)上記の実施形態では、濡れ判定条件が、通常運転中における一酸化炭素除去触媒の温度が濡れ判定温度以下に低下したこととされている例について説明した。しかし、通常運転中に一酸化炭素除去触媒の濡れがある程度進行すると、例えば除去部5における通気抵抗が上昇すること等により、改質ガス流路L2の第一部分L2aの内圧が僅かに上昇するという現象が合わせて生じる場合がある。そこで、上記の実施形態の構成に限定されることなく、制御部30は、例えば変成部4と除去部5との間のガス流路の内圧が通常運転中の内圧である基準圧力よりも高い濡れ判定圧力以上に上昇したことをトリガーとして、乾燥処理を開始しても良い。また、それ以外にも、一酸化炭素除去触媒の濡れの進行に伴って生じるあらゆる現象に基づいて濡れ判定条件が設定されて良い。
(5)上記の実施形態では、乾燥処理における水蒸気パージの段階で、燃焼部3Aの非作動状態で水蒸気供給部11から改質部3内に液体状態の水が供給される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば燃焼部3Aの作動状態(燃焼状態)で水蒸気供給部11から改質部3内に水蒸気が供給されても良い。このような構成でも、少なくとも改質部3内の原燃料ガスを排出することができるとともに、相対的に低温の水蒸気によって改質部3を適切に冷却することができる。
(6)上記の実施形態において言及した各設定値(濡れ判定温度、設定冷却温度、設定加熱温度、設定乾燥温度、及び設定乾燥時間等)の具体的数値は、単なる例示であってそれらに限定されない。各設定値は、それぞれ合目的性が担保される範囲内で任意の値に設定されて良い。
(7)上記の実施形態では、各加熱手段2A,4Aが抵抗加熱式の電気ヒーターである構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、各加熱手段2A,4Aは、例えば誘導加熱式の電気ヒーターであっても良いし、ガスヒーター等であっても良い。
(8)上記の実施形態で説明した起動処理、通常運転処理、及び乾燥処理に加えて、制御部30が、例えば停止処理を実施可能に構成されていても良い。停止処理は、例えばユーザーの手動による停止指令操作をトリガーとして実施される。この停止処理では、セルスタックの内部に例えば精製水素含有ガスが充填された状態で燃料電池20が封止される。合わせて、水素含有ガス生成システム1がクールダウンされるとともに、その内部に例えば原燃料ガスが充填された状態で水素含有ガス生成システム1が封止される。
(9)上記の実施形態では、水素含有ガス生成システム1が燃料電池システム100に組み込まれ、水素含有ガス生成システム1が燃料電池20に精製水素含有ガスを供給する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本実施形態の水素含有ガス生成システム1は、一酸化炭素濃度の低い(実質的に一酸化炭素を含有しない)水素含有ガスを必要とするあらゆるシステムにおける前処理システムとして利用することができる。
なお、上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
1 水素含有ガス生成システム
3 改質部
4 変成部
4A 第二加熱手段(加熱手段)
5 除去部
11 水蒸気供給部
14 冷却部
16 捕水部
20 燃料電池
30 制御部
100 燃料電池システム
L2 改質ガス流路
L2a 第一部分(変成部と除去部との間のガス流路)
L2b 第二部分(水素含有ガス生成システムと燃料電池との間の接続ガス流路)

Claims (6)

  1. 炭化水素を含む原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質処理を行う改質部と、
    前記改質ガス中の一酸化炭素を変成処理によって低減する変成部と、
    一酸化炭素除去触媒の存在下、変成処理後の前記改質ガス中に残留している一酸化炭素を除去する除去部と、
    通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、前記改質部での前記改質処理を停止させ、その後、前記変成部及び前記除去部を通過させるパージガスを前記改質部及び前記変成部の少なくとも一方の熱によって加熱し、前記一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させる乾燥処理を実行する制御部と、
    を備える水素含有ガス生成システム。
  2. 前記改質部に少なくとも水蒸気を供給する水蒸気供給部と、
    前記変成部と前記除去部との間のガス流路に併設され、二次側熱媒との熱交換によって前記ガス流路中を流れるガスを冷却する冷却部と、
    前記熱交換により前記ガス流路中で生じた凝縮水を捕集する捕水部と、をさらに備え、
    前記変成部は一酸化炭素変成触媒を加熱する加熱手段を含み、
    前記制御部は、前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、前記原燃料ガスの供給停止後に前記水蒸気供給部から水又は水蒸気を供給して前記改質部内の前記原燃料ガスを排出させつつ前記改質部を冷却し、その後、前記水蒸気供給部からの水分供給を停止するとともに前記パージガスとして前記原燃料ガスを導入し、前記加熱手段の作動状態且つ前記冷却部の非作動状態で前記乾燥処理を実行する請求項1に記載の水素含有ガス生成システム。
  3. 前記制御部は、前記乾燥処理において、前記一酸化炭素変成触媒の温度が前記設定乾燥温度よりも高い値に設定された設定加熱温度以上となるように前記加熱手段の動作を制御する請求項2に記載の水素含有ガス生成システム。
  4. 前記濡れ判定条件は、通常運転中における前記一酸化炭素除去触媒の温度が濡れ判定温度以下に低下したことである請求項1から3のいずれか一項に記載の水素含有ガス生成システム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の水素含有ガス生成システムと、
    前記水素含有ガス生成システムの下流側に接続された燃料電池と、を備え、
    前記制御部は、前記燃料電池の動作制御をも行うように構成されているとともに、前記水素含有ガス生成システムと前記燃料電池との間の接続ガス流路を遮断して前記燃料電池での発電を停止させた状態で前記乾燥処理を実行し、前記乾燥処理の開始から前記設定乾燥時間経過した後に前記接続ガス流路の遮断を解除して前記燃料電池での発電を再開させる燃料電池システム。
  6. 炭化水素を含む原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を主成分とし一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質処理を行う改質部と、前記改質ガス中の一酸化炭素を変成処理によって低減する変成部と、一酸化炭素除去触媒の存在下、変成処理後の前記改質ガス中に残留している一酸化炭素を除去する除去部と、を備える水素含有ガス生成システムの運転方法であって、
    通常運転中に濡れ判定条件の成否に基づいて前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知するステップと、
    前記一酸化炭素除去触媒の濡れの進行を検知した場合に、前記改質部での前記改質処理を停止させるステップと、
    その後、前記変成部及び前記除去部を通過させるパージガスを前記改質部及び前記変成部の少なくとも一方の熱によって加熱し、前記一酸化炭素除去触媒を設定乾燥温度以上の温度に設定乾燥時間以上維持させるステップと、
    を含む水素含有ガス生成システムの運転方法。
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