JP6515792B2 - 回転工具および回転機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の回転機に取り付けられる回転工具の外壁には羽根が設けられている。回転機は、回転工具の羽根の径方向外側を囲うカバー、そのカバーの内側に形成された空気室、および、その空気室からワーク側へ延びるノズルを備えている。回転機の主軸と共に回転工具と羽根とが回転すると、その羽根の回転によって空気室の空気が加圧され、その空気はノズルの先端からワーク側へ吐出する。
また、特許文献1に記載の回転機は、ノズルの先端の位置がずれると、ワークに対し空気を当てることが困難になる。また、この回転機は、ノズルの先端がワークから遠い位置に設置されているので、ワークに対し穴あけ加工をした場合、その穴の深部に空気を強く当てることは困難である。そのため、この回転機は、切削加工時にワークから生じた切粉の除去が困難になるおそれがある。
これにより、羽根部の回転により、筒状部材の内側の負圧が大きくなるので、筒状部材の外側から内側に導入される空気量が増加する。したがって、この回転機は、回転工具の第2開口部から吐出される空気の動圧を高めることができる。
これにより、羽根部の回転により負圧が発生する際、ワーク付近にある異物は、第2開口部から流体通路を通って第1開口部の外側へ排出された後、設備側捕集部に捕集される。そのため、この回転機は、ワーク付近から吸引した異物が再びワーク側に戻ることを防ぐことができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1から図3に示す。第1実施形態の回転工具1は、例えば切削加工機などの回転機100の主軸101に取り付けて使用するものである。この回転工具1は、例えば図示していないワークに対し切削加工等により穴を形成した後に、その穴の内側に溜まった切粉を除去することに用いられる。
シャフト部3は、把持部2から回転軸方向に延びている。本実施形態では、把持部2の外径とシャフト部3の外径とは同一である。なお、回転工具1は、把持部2の外径とシャフト部3の外径を異なるものとしてもよい。シャフト部3は、把持部2とは反対側に、外径が次第に小さくなるテーパ部31を有する。これにより、回転工具1は、テーパ部31の先端をワークに形成した穴の内側に挿入することが可能である。
第1実施形態の変形例として、複数の羽41は、把持部2側からシャフト部3の先端側に向かい、回転方向前側から後側へ傾斜するように設けてもよい。
(1)第1実施形態の回転工具1は、シャフト部3の回転により羽根部4の径方向外側の空気に正圧が発生する場合、その空気を第1開口部51に取り込み、流体通路5を経由して第2開口部52から吐出する。そのため、回転工具1は、回転機100の動力により、ワークに対して空気を吐出することが可能である。したがって、この回転工具1は、回転機100の構成を簡素なものとして、切削加工などの際にワークから生じる切粉を除去することができる。
これにより、羽根部4の回転により正圧が発生する際、羽根部4の回転によって発生する気流は、気流受部6によって第1開口部から流体通路5へ導かれる。したがって、回転工具1は、第2開口部52から吐出する空気の動圧を高めることができる。
これにより、回転工具1は、気流受部6の内側を流れる空気の圧力損失を低減し、第2開口部52から吐出する空気の動圧を高めることができる。
これにより、羽根部4の回転により正圧が発生する際、流体通路5を流れる空気を昇圧し、第2開口部52から吐出する気流の動圧を高めることができる。
すなわち、回転工具1は、例えば金属3Dプリンタにより容易に形成することが可能である。
本発明の第2実施形態を図4に示す。なお、以下に説明する複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、回転工具1は、第1開口部51に設けられた網部55を備えている。この網部55は、第1開口部51から流体通路5へ異物が入ることを防ぐものである。したがって、第2実施形態の回転工具1は、ワークに対して空気を吐出する際、第2開口部52から空気と共に異物が吐出することを防ぐことができる。
本発明の第3実施形態を図5から図9に示す。第3実施形態における回転機100の主軸101の回転方向の一例を矢印Dにて示している。なお、回転機100は、その矢印Dの方向とは逆方向に主軸101を回転することも可能である。
第3実施形態では、羽根部4を構成する複数の羽41は、把持部2側からシャフト部3の先端側に向かい、回転方向前側から後側へ傾斜するように設けられている。また、複数の羽41は、径方向外側から内側に向かい、回転方向前側から後側へ湾曲して延びるように設けられている。羽根部4は、シャフト部3と共に回転し、その周囲の空気に正圧又は負圧を発生することが可能である。
なお、第3実施形態の変形例として、複数の羽41は、把持部2側からシャフト部3の先端側に向かい、回転方向後側から前側へ傾斜するように設けてもよい。その場合、複数の羽41は、径方向外側から内側に向かい、回転方向後側から前側へ湾曲して延びるように設けてもよい。
本発明の第4実施形態を図10に示す。第4実施形態は、上述した第3実施形態の回転工具1を備えた回転機100である。回転機100は、回転工具1に加えて、主軸101および筒状部材102などを備えている。
主軸101は、回転工具1の把持部2を取り付け可能である。
筒状部材102は、回転工具1が備える羽根部4および気流受部62の径方向外側の全周を囲うように筒状に形成されている。筒状部材102は、回転機100の設備側に固定されている。筒状部材102は、軸方向の一方および他方が開放された形状である。
本発明の第5実施形態を図11に示す。第5実施形態の回転機100は、回転工具1、主軸101および設備側捕集部103などを備えている。図11では、回転機100の主軸101の回転方向の一例を矢印Iにて示している。なお、回転機100は、その矢印Iの方向とは逆方向に主軸101を回転することも可能である。
第5実施形態の回転工具1が備える羽根部4は、複数の羽41が、把持部2側からシャフト部3の先端側に向かい、回転方向後側から前側へ傾斜するように設けられている。すなわち、第5実施形態の回転工具1が備える羽根部4は、第3及び第4実施形態の回転工具1が備える羽根部4とは反対向きに傾斜している。
なお、第5実施形態の変形例として、複数の羽41は、把持部2側からシャフト部3の先端側に向かい、回転方向前側から後側へ傾斜するように設けてもよい。
本発明の第6実施形態を図12に示す。第6実施形態の回転機100の主軸101の回転方向と、回転工具1が備える羽根部4の傾斜とは、第5実施形態で説明したものと同様である。
第6実施形態では、回転工具1に捕集部7が設けられている。捕集部7は、シャフト部3の羽根部4の先端部側に円盤状に設けられた底部71と、その底部71の径方向外側の端部から羽根部4の径方向外側の全周を囲うように筒状に形成された側壁部72とを有する。捕集部7の側壁部72は、軸方向の主軸101側が開放された形状である。捕集部7は、羽根部4の回転によって発生する負圧により第2開口部52側から流体通路5を通って第1開口部51の外側へ排出される異物109を捕集するものである。
本発明の第7実施形態を図13および図14に示す。第7実施形態は、第3実施形態の変形例である。第7実施形態の回転工具1は、シャフト部3の先端の流体通路5が、第1開口部51側から第2開口部52に向かい流路断面積が次第に大きくなるラッパ状に形成されたラッパ部56を有している。
また、第7実施形態の回転工具1の羽根部4は、複数の羽41が、把持部2側からシャフト部3の先端側に向かい、回転方向後側から前側へ傾斜するように設けられている。
本発明の第8実施形態を図15に示す。第8実施形態は、第7実施形態の変形例である。第8実施形態の回転工具1は、シャフト部3の先端のテーパ部31に切削工具110を取り付け可能な取付部32を備えている。取付部32は、シャフト部3の先端のテーパ部31に形成された穴である。切削工具110は、その取付部32の内側に、例えば焼き嵌めにより取り付けられる。取付部32は、シャフト部3の加熱および冷却により、切削工具110を着脱することが可能である。なお、取付部32には、切削工具110に代えて、研削工具などを取り付けてもよい。
また、上述した第7実施形態と同様に、ラッパ部56の内側を流れる空気は、第2開口部52からワーク側へ広範囲に吐出する。したがって、この回転工具1は、切削加工等によってワークから生じた切粉を広範囲に除去することが可能である。
(1)上述した実施形態では、回転工具1は、切削加工機などの回転機100に取り付けられるものとした。これに対し、他の実施形態では、回転工具1は、回転機100としての手持ち式の加工機、または、研削加工機に取り付けて使用してもよい。
このように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
2 ・・・把持部
3 ・・・シャフト部
4 ・・・羽根部
5 ・・・流体通路
51・・・第1開口部
52・・・第2開口部
Claims (9)
- 回転機(100)の主軸(101)と共に回転する回転工具であって、
前記主軸に取り付け可能な把持部(2)と、
前記把持部から回転軸方向に延びるシャフト部(3)と、
前記シャフト部の径方向の外壁に回転軸に対して傾斜するように設けられ、前記シャフト部と共に回転して周囲の空気に正圧又は負圧を発生する羽根部(4)と、
前記シャフト部において前記羽根部の回転により空気に正圧又は負圧が発生する位置に設けられる第1開口部(51)と前記シャフト部において前記把持部とは軸方向の反対側に設けられる第2開口部(52)とを連通する流体通路(5)と、
前記シャフト部において、前記羽根部に対し回転軸方向の前記把持部側に設けられ、内壁が前記把持部側に凸の椀型状であり、前記羽根部の回転によって発生する気流を受けて前記流体通路の前記第1開口部へ導く気流受部(6)と、
を備える回転工具。 - 前記シャフト部において、前記シャフト部の径方向の外壁に設けられ、前記羽根部の回転によって発生する負圧により前記第2開口部側から前記流体通路を通って前記第1開口部の外側へ排出される異物を捕集する捕集部(7)をさらに備える請求項1に記載の回転工具。
- 前記流体通路は、前記第1開口部から前記第2開口部に向かい流路断面積が次第に小さくなるものである請求項1または2に記載の回転工具。
- 前記流体通路は、前記第1開口部側から前記第2開口部に向かい流路断面積が次第に大きくなるラッパ状のラッパ部(56)を有するものである請求項1または2に記載の回転工具。
- 前記第1開口部に設けられた網部(55)をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載の回転工具。
- 前記シャフト部に対し切削工具(110)または研削工具を取り付け可能な取付部(32)をさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載の回転工具。
- 前記把持部、前記シャフト部、前記羽根部および前記流体通路は、同一の材料により連続して一体に構成されたものである請求項1から6のいずれか一項に記載の回転工具。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載された前記回転工具の前記把持部を取り付け可能な前記主軸と、
前記回転工具が備える前記羽根部の径方向外側を囲うように設けられた筒状部材(102)と、を備える回転機。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載された前記回転工具の前記把持部を取り付け可能な前記主軸と、
前記回転工具の前記第1開口部及び前記羽根部の径方向外側に設けられ、前記羽根部の回転によって発生する負圧により前記第2開口部側から前記流体通路を通って前記第1開口部の外側へ排出される異物を捕集する設備側捕集部(103)と、を備える回転機。
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