以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
(蒸発凝縮器10)
蒸発凝縮器10について説明する。図1には、蒸発凝縮器10の概略構成が示されている。
蒸発凝縮器10は、冷媒(液)を蒸発させる蒸発機能と、冷媒(蒸気)を凝縮する凝縮機能と、を有する機器である。具体的には、蒸発凝縮器10は、図1に示されるように、容器20と、第一熱交換器30と、第二熱交換器40と、を有している。
容器20は、上壁22と、複数(具体的には、4つ)の側壁24と、底壁26と、底壁26の下側に配置された外壁28と、を有している。底壁26は、上壁22、側壁24及び外壁28よりも薄い壁(膜)で形成されている。この容器20では、内部の空間は、上壁22、複数の側壁24及び底壁26で構成される壁部に囲まれることで区画されている。
容器20の底壁26には、容器20の内部に対して冷媒(液)が流入出される冷媒(液)出入口部14(第一出入口部の一例)が設けられている。この冷媒(液)出入口部14は、外壁28を貫通している。冷媒(液)出入口部14には、冷媒(液)が流入出する冷媒(液)出入口14Aが形成されている。
また、容器20の側壁24には、容器20の内部に対して冷媒(蒸気)が流入出される冷媒(蒸気)出入口部16(第二出入口部の一例)が設けられている。冷媒(蒸気)出入口部16には、冷媒(蒸気)が流入出する冷媒(蒸気)出入口16Aが形成されている。冷媒(蒸気)出入口部16は、容器20から流出した冷媒(蒸気)が供給される供給先(図示省略)とパイプ(管)などを介して接続されている。これにより、この供給先は、容器20と熱的に接触している。また、この供給先は、減圧環境となっている。これにより、容器20内は、容器20の外部よりも低圧とされている。
第一熱交換器30は、容器20の内部に配置されている。第一熱交換器30には、温水(蒸発モードで流通させる熱交換媒体の一例)及び冷水(凝縮モードで流通させる熱交換媒体の一例)が第一熱交換器30の内部へ流入する流入口部32が設けられている。この流入口部32は、上壁22を貫通している。流入口部32には、流入口32Aが形成されている。また、流入口部32には、流入口部32を通過する温水及び冷水の温度を計測する温度計33が設けられている。
また、第一熱交換器30には、温水及び冷水が第一熱交換器30の内部から流出する流出口部34が設けられている。この流出口部34は、上壁22を貫通している。流出口部34には、流出口34Aが形成されている。また、流出口部34には、流出口部34を通過する温水及び冷水の温度を計測する温度計35が設けられている。
第二熱交換器40は、容器20の底壁26と外壁28との間に形成されている。すなわち、第二熱交換器40の筐体(外壁)は、容器20の底壁26と、外壁28と、底壁26から外壁28までの間の側壁24の一部と、によって形成されている。すなわち、第二熱交換器40の筐体(外壁)と容器20の壁部とが共通化されている。このように、本実施形態では、第二熱交換器40は、容器20と一体的に構成されている。
第二熱交換器40には、温水及び冷水が第二熱交換器40の内部へ流入する流入口部42が設けられている。流入口部42には、流入口42Aが形成されている。
また、第二熱交換器40には、温水及び冷水が第二熱交換器40の内部から流出する流出口部44が設けられている。流出口部44には、流出口44Aが形成されている。また、流出口部44には、流出口部44を通過する温水及び冷水の温度を計測する温度計49が設けられている。
第二熱交換器40では、流入口部42から流入した温水及び冷水が、容器20の底壁26に接触するように第二熱交換器40の内部を流通し、流出口部44から流出する。
さらに、蒸発凝縮器10は、第一熱交換器30に温水及び冷水の一方を選択的に供給する熱媒体供給源50を有している。熱媒体供給源50には、第1流通管51の一端部が接続され、第1流通管51の他端部が第一熱交換器30の流入口部32に接続されている。また、第一熱交換器30の流出口部34には、第2流通管52の一端部が接続され、第2流通管52の他端部が第二熱交換器40の流入口部42に接続されている。さらに、第二熱交換器40の流出口部44には、第3流通管53の一端部が接続され、第3流通管53の他端部が熱媒体供給源50に接続されている。
これにより、熱媒体供給源50から温水及び冷水の一方が第一熱交換器30に選択的に供給され、第一熱交換器30の内部を流通した温水及び冷水の一方が、第二熱交換器40に送られて、第二熱交換器40の内部を流通する。
(蒸発凝縮器10の蒸発動作及びその作用効果)
次に、蒸発凝縮器10の蒸発動作及びその作用効果について説明する。蒸発凝縮器10は、蒸発動作を実行する蒸発モードを有している。
図2に示されるように、蒸発モードにおいては、冷媒(液)供給源(図示省略)から冷媒(液)出入口部14を通じて、容器20の内部に冷媒(液)Wが供給される。また、蒸発モードにおいては、熱媒体供給源50から第1流通管51を通じて第一熱交換器30に温水が供給される。第一熱交換器30に供給された温水は、第一熱交換器30の内部を流通して、容器20の内部に供給された冷媒(液)Wと第一熱交換器30との間で熱交換がなされる。これにより、容器20の内部の冷媒(液)Wが蒸発する。冷媒(液)Wが蒸発することで生成された冷媒(蒸気)は、容器20の冷媒(蒸気)出入口部16から流出し、図示しない供給先へ供給される。
第一熱交換器30の内部を流通した温水は、第2流通管52を通じて、第二熱交換器40に送られる。第二熱交換器40に送られた温水は、第二熱交換器40の内部を流通して、容器20の底壁26を介して、容器20の内部で第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱する。
このように、蒸発モードにおいては、第一熱交換器30が自らの内部に温水を流通させて容器20の内部の冷媒(液)Wを蒸発させる。また、第二熱交換器40が、第一熱交換器30の内部を流通した温水を自らの内部に流通させて、容器20の内部で第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱する。以上のように、蒸発動作が実行される。
また、本実施形態では、蒸発モードにおいて、第一熱交換器30に流入する温水の温度と第二熱交換器40から流出する温水の温度との温度差、及び、第一熱交換器30及び第二熱交換器40で流通する流量に基づいて、第一熱交換器30及び第二熱交換器40による熱交換量が算出される。この熱交換量により、生成された冷媒(蒸気)の蒸気量が把握される。
なお、本実施形態では、第一熱交換器30及び第二熱交換器40による熱交換が、冷媒(液)Wの蒸発に寄与するので、ここでの熱交換量の算出には、第一熱交換器30に流入する温水の温度と第二熱交換器40から流出する温水の温度との温度差が、用いられる。
また、第一熱交換器30に流入する温水の温度は、温度計33によって計測される。第二熱交換器40から流出する温水の温度は、温度計49によって計測される。第一熱交換器30及び第二熱交換器40で流通する流量は、熱媒体供給源50が第一熱交換器30に供給する流量によって求められる。
ここで、容器20から冷媒(蒸気)が供給される供給先が減圧下であるため、冷媒(蒸気)が供給先へ吸引され、熱交換器に触れていない冷媒(液)Wの蒸発が促される。そして、第二熱交換器40を有さない図3に示す蒸発凝縮器100(比較例)では、第一熱交換器30に触れていない下側の冷媒(液)Wが蒸発すると、蒸発するのに伴い、残りの冷媒(液)から気化熱が奪われて、残りの冷媒(液)Wが凍結する場合がある。残りの冷媒(液)Wが凍結して、冷媒(液)Wの冷媒(液)出入口部14が塞がれると、冷媒(液)Wを容器20の内部へ供給できなくなる。
これに対して、本実施形態では、第二熱交換器40が、容器20の内部で第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱するため、第一熱交換器30に触れていない下側の冷媒(液)Wが蒸発しても、残りの冷媒(液)Wの温度が低下しにくい。これにより、残りの冷媒(液)Wが凍結して冷媒(液)Wが冷媒(液)出入口部14を塞ぐことを抑制し、容器20の内部へ冷媒(液)Wを供給できる状態を維持できる。したがって、容器20から供給先へ冷媒(蒸気)を供給する状態が維持できる。
また、本実施形態では、第二熱交換器40の内部を流通する温水自体が、容器20の底壁26に接触するため、温水が内封され且つ該温水が流通する筐体や管などが底壁26に接触する場合に比べ、第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを効率よく加熱することができる。
また、本実施形態では、第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wが接する底壁26に温水が接触するため、当該冷媒(液)Wが接しない上壁22などに温水が接触する場合に比べ、第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを効率よく加熱することができる。
また、本実施形態では、第一熱交換器30から排出された温水の熱を利用して、第二熱交換器40が下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱する。このため、熱媒体供給源50からの温水の熱を有効利用できる。また、第一熱交換器30から排出された温水の熱を利用して、第二熱交換器40が下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱することで、単一の熱媒体供給源50及び一続きの供給経路で構成することができるので、蒸発凝縮器10の構成が簡易となる。
さらに、単一の熱媒体供給源50及び一続きの供給経路で構成することで、第一熱交換器30及び第二熱交換器40による熱交換量を算出する場合に、第一熱交換器30に流入する温水の温度と、第二熱交換器40から流出する温水の温度と、第一熱交換器30及び第二熱交換器40で流通する流量と、に基づいて、熱交換量が算出できる。これに対して、第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに対応した熱媒体供給源50、60と、各熱媒体供給源50、60から第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに温水を供給する供給経路59、69を有する図4に示す蒸発凝縮器110では、第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれの出入りの温度差と、流量と、を把握しないと、熱交換量が算出できない。
(蒸発凝縮器10の凝縮動作及びその作用効果)
次に、蒸発凝縮器10の凝縮動作及びその作用効果について説明する。蒸発凝縮器10は、凝縮動作を実行する凝縮モードを有している。
図5に示されるように、凝縮モードにおいては、冷媒(蒸気)供給源(図示省略)から冷媒(蒸気)出入口部16を通じて、容器20の内部に冷媒(蒸気)が供給される。また、凝縮モードにおいては、熱媒体供給源50から第1流通管51を通じて第一熱交換器30に冷水が供給される。第一熱交換器30に供給された冷水は、第一熱交換器30の内部を流通して、容器20の内部に供給された冷媒(蒸気)と第一熱交換器30との間で熱交換がなされる。これにより、容器20の内部の冷媒(蒸気)が凝縮する。冷媒(蒸気)が凝縮することで生成された冷媒(液)は、容器20の冷媒(液)出入口部14から流出し、図示しない供給先へ供給される。
第一熱交換器30の内部を流通した冷水は、第2流通管52を通じて、第二熱交換器40に送られる。第二熱交換器40に送られた冷水は、第二熱交換器40の内部を流通して、容器20の底壁26を介して、側壁24及び冷媒(蒸気)出入口部16を冷却する。
このように、凝縮モードにおいては、第一熱交換器30が自らの内部に冷水を流通させて容器20の内部の冷媒(蒸気)を凝縮する。また、第二熱交換器40が、第一熱交換器30の内部を流通した冷水を自らの内部に流通させて、容器20を冷却する。以上のように、凝縮動作が実行される。
また、本実施形態では、凝縮モードにおいて、第一熱交換器30に流入する冷水の温度と第一熱交換器30から流出する冷水の温度との温度差、及び、第一熱交換器30で流通する流量に基づいて、第一熱交換器30による熱交換量が算出される。この熱交換量により、凝縮により生成された冷媒(液)の液量が把握される。
なお、本実施形態では、第一熱交換器30による熱交換が、冷媒(蒸気)の凝縮に寄与するので、ここでの熱交換量の算出には、第一熱交換器30に流入する冷水の温度と第一熱交換器30から流出する冷水の温度との温度差が、用いられる。
また、第一熱交換器30に流入する冷水の温度は、温度計33によって計測される。第一熱交換器30から流出する冷水の温度は、温度計35によって計測される。第一熱交換器30で流通する流量は、熱媒体供給源50が第一熱交換器30に供給する流量によって求められる。
ここで、冷媒(蒸気)を容器20へ供給する冷媒(蒸気)供給源と容器20とが熱的に接触しているため、冷媒(蒸気)供給源の熱が容器20に伝わる。そして、第二熱交換器40を有さない図3に示す蒸発凝縮器100(比較例)では、容器20に伝わった熱によって第一熱交換器30の冷水が加熱され、第一熱交換器30に対して流入及び流出する冷水の温度差が変動して、熱交換量の測定精度が悪くなる。
これに対して、本実施形態では、第二熱交換器40が容器20を冷却するため、冷媒(蒸気)を容器に供給する冷媒(蒸気)供給源の熱が容器20に伝わっても、第一熱交換器30が加熱されにくい。これにより、第一熱交換器30の冷水が加熱されにくいため、第一熱交換器30に対して流入及び流出する冷水の温度差が変化しにくく、熱交換量の測定精度が向上する。
また、本実施形態では、第一熱交換器30から排出された冷水の熱を利用して、第二熱交換器40が容器20を冷却する。このため、熱媒体供給源50からの冷水の熱を有効利用できる。
(変形例)
次に、蒸発凝縮器10の変形例について説明する。
本実施形態の第二熱交換器40では、温水及び冷水が容器20の底壁26に接触するように、温水及び冷水を流通させる構成であったが、これに限られない。例えば、第二熱交換器40は、温水及び冷水が容器20の上壁22又は側壁24に接触するように、温水及び冷水を流通させる構成であってもよい。また、第二熱交換器40は、温水及び冷水が、容器20の上壁22、側壁24及び底壁26のいずれか複数に接触するように、温水及び冷水を流通させる構成であってもよい。
従って、第二熱交換器40は、温水及び冷水が、容器20の上壁22、側壁24及び底壁26の少なくとも1つに接触するように、温水及び冷水を流通させる構成することができる。
また、本実施形態の第二熱交換器40では、容器20の底壁26などの壁によって、温水(冷水)を内封する筐体(外壁)が構成されていたが、これに限られない。例えば、第二熱交換器40の筐体は、容器20とは別体で構成されていてもよい。この場合では、第二熱交換器40の筐体が、容器20の壁(上壁22、側壁24、底壁26及び外壁28)の少なくとも1つに接触される。なお、第二熱交換器40は、容器20の外部に配置してもよいし、容器20の内部に配置してもよい。さらに、第二熱交換器40は、温水(冷水)を内封し且つ温水(冷水)が流通する管で構成されていてもよい。
本実施形態では、熱媒体供給源50から第一熱交換器30へ供給された温水及び冷水が、第二熱交換器40に供給される構成とされていたが、これに限られない。例えば、図4に示されるように、第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに対応した熱媒体供給源50、60と、各熱媒体供給源50、60から第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに温水及び冷水を供給する供給経路59、69を有する図4に示す蒸発凝縮器110であってもよい。
本実施形態では、熱媒体供給源50から冷水及び温水の一方が、第一熱交換器30に選択的に供給される構成とされていたが、これに限られない。第一熱交換器30に冷水を供給する熱媒体供給源と、第一熱交換器30に温水を供給する熱媒体供給源と、が別体であってもよい。この場合では、一方の熱媒体供給源が、第1流通管51から分岐する分岐管に接続され、例えば、分岐部分に三方弁を設けることで、供給経路を切り替える構成とされる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る蒸発器200について説明する。図6には、蒸発器200の概略構成が示されている。
蒸発器200は、蒸発機能及び凝縮機能を有する蒸発凝縮器10を、蒸発機能のみを有する蒸発器として構成したものである。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
図6に示されるように、蒸発器200では、蒸発凝縮器10における冷媒(液)出入口部14が、冷媒(液)が流入される冷媒(液)入口部214として構成される。蒸発凝縮器10における冷媒(蒸気)出入口部16が、冷媒(蒸気)が流出される冷媒(蒸気)出口部216として構成される。
また、第一熱交換器30及び第二熱交換器40には、熱媒体供給源50から温水(請求項5における熱交換媒体の一例)のみが供給される構成とされる。さらに、蒸発器200は、蒸発凝縮器10における温度計35を有していない構成とされる。
蒸発器200においても、以下のように、蒸発凝縮器10における蒸発動作と同様の蒸発動作が実行される。
冷媒(液)供給源(図示省略)から冷媒(液)入口部214を通じて、容器20の内部に冷媒(液)Wが供給される。また、熱媒体供給源50から第1流通管51を通じて第一熱交換器30に温水が供給される。第一熱交換器30に供給された温水は、第一熱交換器30の内部を流通して、容器20の内部に供給された冷媒(液)Wと第一熱交換器30との間で熱交換がなされる。これにより、容器20の内部の冷媒(液)Wが蒸発する。冷媒(液)Wが蒸発することで生成された冷媒(液)Wの冷媒(蒸気)は、容器20の冷媒(蒸気)出口部216から流出し、図示しない供給先へ供給される。
第一熱交換器30の内部を流通した温水は、第2流通管52を通じて、第二熱交換器40に送られる。第二熱交換器40に送られた温水は、第二熱交換器40の内部を流通して、容器20の底壁26を介して、容器20の内部で第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱する。
また、蒸発動作において、第一熱交換器30に流入する温水の温度と第二熱交換器40から流出する温水の温度との温度差、及び、第一熱交換器30及び第二熱交換器40で流通する流量に基づいて、第一熱交換器30及び第二熱交換器40による熱交換量が算出される。この熱交換量により、生成された冷媒(蒸気)の蒸気量が把握される。
なお、本実施形態では、第一熱交換器30及び第二熱交換器40による熱交換が、冷媒(液)Wの蒸発に寄与するので、ここでの熱交換量の算出には、第一熱交換器30に流入する温水の温度と第二熱交換器40から流出する温水の温度との温度差が、用いられる。
また、第一熱交換器30に流入する温水の温度は、温度計33によって計測される。第二熱交換器40から流出する温水の温度は、温度計49によって計測される。第一熱交換器30及び第二熱交換器40で流通する流量は、熱媒体供給源50が第一熱交換器30に供給する流量によって求められる。
蒸発器200においても、以下のように、蒸発凝縮器10の蒸発動作における作用効果と同様の作用効果を有する。
本実施形態では、第二熱交換器40が、容器20の内部で第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱するため、第一熱交換器30に触れていない下側の冷媒(液)Wが蒸発しても、残りの冷媒(液)Wの温度が低下しにくい。これにより、残りの冷媒(液)Wが凍結して冷媒(液)Wが冷媒(液)出入口部14を塞ぐことを抑制し、容器20の内部へ冷媒(液)Wを供給できる状態を維持できる。したがって、容器20から供給先へ冷媒(蒸気)を供給する状態が維持できる。
また、本実施形態では、第二熱交換器40の内部を流通する温水自体が、容器20の底壁26に接触するため、温水が内封され且つ該温水が流通する筐体や管などが底壁26に接触する場合に比べ、第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを効率よく加熱することができる。
また、本実施形態では、第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wが接する底壁26に温水が接触するため、当該冷媒(液)Wが接しない上壁22などに温水が接触する場合に比べ、第一熱交換器30よりも下側に溜まった冷媒(液)Wを効率よく加熱することができる。
また、本実施形態では、第一熱交換器30から排出された温水の熱を利用して、第二熱交換器40が下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱する。このため、熱媒体供給源50からの温水の熱を有効利用できる。また、第一熱交換器30から排出された温水の熱を利用して、第二熱交換器40が下側に溜まった冷媒(液)Wを加熱することで、単一の熱媒体供給源50及び一続きの供給経路で構成することができるので、蒸発器200の構成が簡易となる。
さらに、単一の熱媒体供給源50及び一続きの供給経路で構成することで、第一熱交換器30及び第二熱交換器40による熱交換量を算出する場合に、第一熱交換器30に流入する温水の温度と、第二熱交換器40から流出する温水の温度と、第一熱交換器30及び第二熱交換器40で流通する流量と、に基づいて、熱交換量が算出できる。
(変形例)
次に、蒸発器200の変形例について説明する。
本実施形態の第二熱交換器40では、温水が容器20の底壁26に接触するように、温水を流通させる構成であったが、これに限られない。例えば、第二熱交換器40は、温水が容器20の上壁22又は側壁24に接触するように、温水を流通させる構成であってもよい。また、第二熱交換器40は、温水が、容器20の上壁22、側壁24及び底壁26のいずれか複数に接触するように、温水を流通させる構成であってもよい。
従って、第二熱交換器40は、温水が、容器20の上壁22、側壁24及び底壁26の少なくとも1つに接触するように、温水を流通させる構成することができる。
また、本実施形態の第二熱交換器40では、容器20の底壁26などの壁によって、温水を内封する筐体(外壁)が構成されていたが、これに限られない。例えば、第二熱交換器40の筐体は、容器20とは別体で構成されていてもよい。この場合では、第二熱交換器40の筐体が、容器20の壁(上壁22、側壁24、底壁26及び外壁28)の少なくとも1つに接触される。なお、第二熱交換器40は、容器20の外部に配置してもよいし、容器20の内部に配置してもよい。さらに、第二熱交換器40は、温水を内封し且つ温水が流通する管で構成されていてもよい。
本実施形態では、熱媒体供給源50から第一熱交換器30へ供給された温水が、第二熱交換器40に供給される構成とされていたが、これに限られない。例えば、第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに対応した熱媒体供給源と、各熱媒体供給源から第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに温水を供給する供給経路を有する構成であってもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る凝縮器300について説明する。図7には、凝縮器300の概略構成が示されている。
凝縮器300は、蒸発機能及び凝縮機能を有する蒸発凝縮器10を、凝縮機能のみを有する凝縮器として構成したものである。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
図7に示されるように、凝縮器300では、蒸発凝縮器10における冷媒(蒸気)出入口部16が、冷媒(蒸気)が流入される冷媒(蒸気)入口部316として構成される。蒸発凝縮器10における冷媒(液)出入口部14が、冷媒(液)が流出される冷媒(液)出口部314として構成される。
また、第一熱交換器30及び第二熱交換器40には、熱媒体供給源50から冷水(請求項9における熱交換媒体の一例)のみが供給される構成とされる。さらに、蒸発器200は、蒸発凝縮器10における温度計49を有していない構成とされる。
凝縮器300においても、以下のように、蒸発凝縮器10における凝縮動作と同様の凝縮動作が実行される。
冷媒(蒸気)供給源(図示省略)から冷媒(蒸気)入口部316を通じて、容器20の内部に冷媒(蒸気)が供給される。また、熱媒体供給源50から第1流通管51を通じて第一熱交換器30に冷水が供給される。第一熱交換器30に供給された冷水は、第一熱交換器30の内部を流通して、容器20の内部に供給された冷媒(蒸気)と第一熱交換器30との間で熱交換がなされる。これにより、容器20の内部の冷媒(蒸気)が凝縮する。冷媒(蒸気)が凝縮することで生成された冷媒(液)は、容器20の冷媒(液)出口部314から流出し、図示しない供給先へ供給される。
第一熱交換器30の内部を流通した冷水は、第2流通管52を通じて、第二熱交換器40に送られる。第二熱交換器40に送られた冷水は、第二熱交換器40の内部を流通して、容器20の底壁26を介して、側壁24及び冷媒(蒸気)入口部316を冷却する。
また、凝縮動作において、第一熱交換器30に流入する冷水の温度と第一熱交換器30から流出する冷水の温度との温度差、及び、第一熱交換器30で流通する流量に基づいて、第一熱交換器30による熱交換量が算出される。この熱交換量により、凝縮により生成された冷媒(液)の液量が把握される。
なお、本実施形態では、第一熱交換器30による熱交換が、冷媒(蒸気)の凝縮に寄与するので、ここでの熱交換量の算出には、第一熱交換器30に流入する冷水の温度と第一熱交換器30から流出する冷水の温度との温度差が、用いられる。
また、第一熱交換器30に流入する冷水の温度は、温度計33によって計測される。第一熱交換器30から流出する冷水の温度は、温度計35によって計測される。第一熱交換器30で流通する流量は、熱媒体供給源50が第一熱交換器30に供給する流量によって求められる。
凝縮器300においても、以下のように、蒸発凝縮器10の凝縮動作における作用効果と同様の作用効果を有する。
本実施形態では、第二熱交換器40が容器20を冷却するため、冷媒(蒸気)を容器に供給する冷媒(蒸気)供給源の熱が容器20に伝わっても、第一熱交換器30が加熱されにくい。これにより、第一熱交換器30の冷水が加熱されにくいため、第一熱交換器30に対して流入及び流出する冷水の温度差が変化しにくく、熱交換量の測定精度が向上する。
また、本実施形態では、第一熱交換器30から排出された冷水の熱を利用して、第二熱交換器40が容器20を冷却する。このため、熱媒体供給源50からの冷水の熱を有効利用できる。
(変形例)
次に、凝縮器300の変形例について説明する。
本実施形態の第二熱交換器40では、冷水が容器20の底壁26に接触するように、冷水を流通させる構成であったが、これに限られない。例えば、第二熱交換器40は、冷水が容器20の上壁22又は側壁24に接触するように、冷水を流通させる構成であってもよい。また、第二熱交換器40は、冷水が、容器20の上壁22、側壁24及び底壁26のいずれか複数に接触するように、冷水を流通させる構成であってもよい。
従って、第二熱交換器40は、冷水が、容器20の上壁22、側壁24及び底壁26の少なくとも1つに接触するように、冷水を流通させる構成することができる。
また、本実施形態の第二熱交換器40では、容器20の底壁26などの壁によって、冷水を内封する筐体(外壁)が構成されていたが、これに限られない。例えば、第二熱交換器40の筐体は、容器20とは別体で構成されていてもよい。この場合では、第二熱交換器40の筐体が、容器20の壁(上壁22、側壁24、底壁26及び外壁28)の少なくとも1つに接触される。なお、第二熱交換器40は、容器20の外部に配置してもよいし、容器20の内部に配置してもよい。さらに、第二熱交換器40は、冷水を内封し且つ冷水が流通する管で構成されていてもよい。
本実施形態では、熱媒体供給源50から第一熱交換器30へ供給された冷水が、第二熱交換器40に供給される構成とされていたが、これに限られない。例えば、第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに対応した熱媒体供給源と、各熱媒体供給源から第一熱交換器30及び第二熱交換器40のそれぞれに冷水を供給する供給経路を有する構成であってもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。