ところが、前記シーライト加工では、先に水溶性インキでフィルムに絵柄を印刷した後、該フィルムにアルミ蒸着を施し、その後に該フィルムから水溶性インキを洗浄することで、水溶性インキの上に載ったアルミ蒸着層を除去するから、フィルムロールの各種装置への付け替えが繰り返し発生して、生産性が悪いという問題がある。また、パスター加工においても、アルミ蒸着フィルムに絵柄を印刷した後、該フィルムの印刷されない部分のアルミ蒸着をアルカリ性の浴槽を通すことで溶解し、その後水槽で洗浄することによって、アルミ蒸着層を部分的に除去するから、フィルムロールの各種装置への付け替えが繰り返し発生して、生産性が悪いという問題がある。
本発明は、この問題を解決するもので、搬送中のアルミ蒸着フィルムにグラビア印刷を施して最終のフィルムに仕上げる過程で、アルミ蒸着層を部分的に透明にした絵柄を有するフィルムを製造することのできる新たなグラビア印刷方法と、その方法を実施するグラビア印刷装置を提供することを課題とする。
本発明のグラビア印刷方法は、アルミ蒸着層と反応してそれを消失させる水溶性インキを使用して、搬送中のアルミ蒸着フィルムにグラビア印刷を施し、続いて、前記水溶性インキと前記アルミ蒸着層とが反応を終えた後、前記アルミ蒸着フィルムから前記水溶性インキを洗浄除去して前記アルミ蒸着フィルムに部分的にアルミ蒸着層のない絵柄を形成するグラビア印刷方法であって、前記水溶性インキを洗浄除去する工程が、該水溶性インキの印刷面を外に向け、その裏面を版胴に接触させて搬送しながら、前記印刷面に水を供給して、前記水溶性インキを溶解・希釈させた後、前記フィルムを表裏から押さえて前記フィルムから前記水溶性インキを除去する主工程を備えていることを特徴とする。
ここで使用する水溶性インキは、水溶性樹脂、アルカリ性物質、水、低分子アルコール、界面活性剤を主成分とするインキであることを特徴とする。このインキで透明にしたい部分の絵柄をグラビア印刷することにより、水溶性インキのアルカリ性物質とアルミ蒸着層とを反応させてアルミ蒸着層を消失させ、その後、該フィルムを洗浄して水溶性インキを除去すれば、アルミ蒸着層を部分的に消失させた絵柄のアルミ蒸着フィルムを得ることができる。
特にこの方法は、搬送中のアルミ蒸着フィルムに対して行われ、しかも、複数の印刷ユニットを経て完成される一連のグラビア印刷の工程で行われるから、従来のシーライト加工法やパスター加工法と比べても、極めて効率的に生産することができる。
また、前記版胴の前段には、前記印刷面に水を塗布して印刷された前記水溶性インキを膨潤・溶解させる前工程を備えていることを特徴とする。
この前工程では、アルミ蒸着フィルムの印刷面を下向きにした状態で搬送しながら、2段階に分けて水を供給する。例えば、最初は、水を貯えた布で搬送中のフィルムに水を塗布し、次に、版胴に接触する直前に少量の水を印刷面に吹きかける。これにより、反応を終えた水溶性インキを膨潤させ、溶解させる。
次の主工程では、版胴とニップ圧胴の回転を逆回転にして、版胴とニップ圧胴の直前のガイドロールから版胴にフィルムを搬送し、水溶性インキの印刷面を外に向け、その裏面を版胴に接触させて搬送する。こうして搬送されるフィルムを版胴とニップ圧胴で押圧した後、ニップ圧胴に約半周沿わせてグラビア印刷機として使用する場合の搬送路に戻す。このような主工程での搬送路を選択できるのは、セクショナルドライブ方式(印刷ユニットごとに単独の制御モーターを搭載し、個々の印刷ユニットにおいて版胴の回転方向を自在に制御できる。)のグラビア印刷機である。したがって、メインモーターにより、全印刷ユニットの搬送装置を駆動制御するグラビア印刷機では、前段の水溶性インキを印刷する印刷ユニットと洗浄ユニットは同じ経路を通る搬送方法となるから、本発明は適用することができない。
主工程でのフィルム搬送が、水溶性インキの印刷でのフィルムの搬送路と異なり、最初にフィルムの水溶性インキが印刷された面の裏面が版胴に接し、版胴に接触して搬送された後、版胴とニップ圧胴の間に送り込まれる工程は、下記のようになる。
主工程で、版胴にフィルムが接した後、フィルムに水を供給し、水溶性インキを、溶解し、次に版胴にローラを押し当て、水除去を行う。(ここで使用するローラは、インキを版のセルに押し込むために使用されるファニシャーローラを代用して使うことができる。)次に、水供給、ローラでの水除去、水供給の順に洗浄を行い、最後に、版胴とニップ圧胴とでフィルムを圧接し水溶性インキを除去する主工程での洗浄となる。これにより、水溶性インキのフィルムからの洗浄除去は完了する。
また、膨潤・溶解させた水溶性インキをフィルムから除去するには、版胴に接するフィルムにローラを押し当てて除去する。その際に、除去された水溶性インキの濃度が高い水は、インキパンに貯められた洗浄水とは別経路で排水して、インキパンに貯められた主工程の洗浄水と混合させないようにすることを特徴とする。これにより、主工程での洗浄効果を高めることができる。
また、印刷された水溶性インキに未反応のアルカリ性物質が残る場合は、前工程で使用する水を酸性にしたり、主工程で使用する水を再利用するため、インキパンにフィルムを浸漬して水を掛ける場合は、そのインキパンに入れる水に酸性物質を添加したりする。これにより、洗浄効果を高めることができる。
こうした工程を経て、種々の絵柄が施されたアルミ蒸着フィルムからアルミ蒸着層を部分的に消失させることにより、部分的に透明な絵柄のアルミ蒸着フィルムを形成することができるから、その生産能力は、従来方法に比べて極めて高くなる。
本発明に係るグラビア印刷装置は、アルミ蒸着フィルムにグラビア印刷を施す印刷ユニットが前記アルミ蒸着フィルムの搬送経路に沿って複数設けられているグラビア印刷装置であって、前記印刷ユニットの一つが前記フィルムのアルミ蒸着層と反応してそれを部分的に消失させる水溶性インキでグラビア印刷する印刷ユニットとされ、その後段に、搬送中の前記フィルムから、反応を終えた前記水溶性インキを洗浄除去する洗浄ユニットが設けられているグラビア印刷装置であって、前記洗浄ユニットが、搬送される前記フィルムに水を塗布する塗布装置と、前記水溶性インキで印刷された印刷面を外に向け、その裏面を版胴に接触させて搬送する搬送装置と、搬送される前記印刷面に向けて水を供給する水供給装置と、その後段において、前記フィルムから水を除去する除去装置とを備え、前記塗布装置と、前記水供給装置と、前記除去装置とが、前記洗浄ユニットに対し着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記塗布装置と前記水供給装置との間に、塗布された水によって膨潤・溶解された水溶性インキを含む水を前記フィルムから除去する水除去装置と、除去された水を前記水供給装置の水と混合させずに排水する流路制御板とがさらに設けられ、これら水除去装置と流路制御板とが前記洗浄ユニットに対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
ここで使用する水溶性インキは、前述と同様、水溶性樹脂、アルカリ性物質、水、低分子アルコール、界面活性剤を主成分とするインキである。このインキを使用してアルミ蒸着フィルムに所定の絵柄のグラビア印刷を施す。その際の印刷ユニットは、複数ある印刷ユニットの中の一つが使用される。そして、それより後段に配置される一つの印刷ユニットが、洗浄ユニットとして構成される。
前記洗浄ユニットにおいて、版胴とニップ圧胴の回転は、前段印刷ユニットと異なり、逆回転となっている。したがって、前記フィルムはニップ圧胴の前段にあるガイドロールから、前記フィルムは版胴に搬送され、前記フィルムの前記水溶性インキの印刷面を外に向け、その裏面を版胴に接触させ搬送されるフィルムを、版胴とニップ圧胴で押圧させ、次いでニップ圧胴に沿い、ニップ圧胴の約半円周を搬送された後、印刷ユニットとして使用される場合の、印刷後にフィルムが送られるガイドロールに戻り乾燥装置へと搬送させる搬送方法である。
前記水供給装置が、前記版胴に接して搬送される前記フィルムを、水を蓄えたインキパンに浸漬させて水を供給するものであることを特徴とする。
この場合、塗布装置により塗布された水で水溶性インキが膨潤・溶解した水を、フィルムが版胴に接した後に除去し、該除去された水を、水を貯めたインキパンに入れるのではなく、インキパンを区切った排水槽に直接排水すれば、水を貯めたインキパン(以後、「貯水槽」と呼ぶ。)に水溶性インキの濃度の高い水が入らないため、洗浄効果を高めることが出来る。
貯水槽においても、貯水槽内の水の移動を少なくする邪魔板、及び移動抑制板を設ければ、更に洗浄効果を高めることが出来る。
このように、前記インキパンが仕切り板により、水を蓄える貯水槽と水を排水する排水槽に分けられ、前記貯水槽には、水の移動を抑制する邪魔板と移動抑制板が設けられ、前記排水槽には、前記貯水槽から溢れ出た水と、前記水除去装置により除去された水とを排水する排水口が設けられていることを特徴とする。
前記水供給装置が、前記版胴に接して搬送される前記フィルムの印刷面に向けて水をシャワー状に供給するものであることを特徴とする。
この場合においても、塗布装置により塗布された水で水溶性インキが膨潤・溶解した水を、フィルムが版胴に接した後に除去することにより洗浄効果を高めることが出来る。
前記除去装置が、水の供給された前記フィルムを表裏から押さえて水を除去する一対のローラであって、一方のローラが前記版胴であることを特徴とする。
前記各印刷ユニットが、前記フィルムを搬送する版胴と、該版胴を個別に回転制御する 駆動モーターを備え、その中の一つの印刷ユニットが前記洗浄ユニットとされ、その洗浄 ユニットの前記版胴が、他の印刷ユニットの版胴とは異なる回転方向に回転制御されることを特徴とする。このような搬送路を選択できるのは、セクショナルドライブ方式(印刷ユニットごとに単独の制御モーターを搭載し、個々の印刷ユニットにおいて版胴の回転方向を自在に制御できる。)のグラビア印刷機である。メインモーターにより、全印刷ユニットの搬送装置を駆動制御するグラビア印刷機では、前段の水溶性インキを印刷する印刷ユニットと洗浄ユニットは同じ経路を通る搬送方法となるから、本発明を適用することはできない。
したがって、版胴とニップ圧胴とを備えた通常の印刷ユニットに水供給装置および除去装置を取り付け、版胴を逆回転にするだけで、洗浄ユニットを構成することができるから、わずかな設備投資で、アルミ蒸着層が部分的に消失した絵柄のアルミ蒸着フィルムを製造することができる。
前記塗布装置は、前記フィルムの印刷面に水を塗布し、水が塗布された前記印刷面に向けて更に水を塗布する構成とすることができる。また、この塗布手段は、例えば フィルムの全幅に亘って水を噴射する噴射ノズルに、綿や吸水ポリエステル繊維のニードルパンチ布もしくは起毛布を被せて水を含ませ、それをフィルムの印刷面に接触させるようにしたものである。これにより、印刷面に水を満遍なく塗布して、水溶性インキを膨潤させることができる。また、少量の水を塗布する塗布手段は、水供給手段に入る近傍で、同じくフィルムの全幅に亘って、もしくは、水溶性インキの絵柄部にだけに水を掛けるように水管の孔をテープ等により部分的に塞いだ水管から水を掛ける水管で構成される。前記全幅とは、製品となる部分のフィルム面を指し、フィルムの両端、各1cmから2cmは除くものである。こうすることで、水塗布装置で水塗布を少量にすることと合わせ、ガイドロールへの転移や、フィルムの裏面への裏回りを防止する。
洗浄ユニットは、まず、インキパンに満たされた大量の水にフィルムを通すことで、フィルム面の水溶性インキを希釈溶解する水供給装置、もしくは版胴に接して搬送されるフィルムの印刷面に向けて噴射する大量の水で水溶性インキを希釈する水供給装置を備える。さらに、希釈した水溶性インキを希釈し溶解した水は、版胴と版胴に押圧するローラ(該ローラは、グラビア印刷機に備わる、ファニシァ―ローラを使用しても良い。)により搾り取る水除去装置を備える。さらに、フィルムの全幅に亘って水を噴射する水供給装置と水溶性インキを希釈し溶解した水をローラにより搾り取る除去装置を備える。次に版胴とニップ圧胴の間に送り込まれるフィルムに、ニップ圧胴に水を噴射する水供給装置を設けることで版胴とニップ圧胴の押圧において、更に水溶性インキを希釈し溶解した水を搾り取る構成も採用可能である。このような洗浄ユニットは、以上の構成に限るものではなく、フィルムが最初に版胴と接する箇所からニップ圧胴に接するまでの間に、フィルムを版胴に押圧して水を除去するローラを複数設けて、これらのローラによる水除去装置や、前述の水供給手段、除去手段を更に増やすこともできる。
更に、塗布装置により塗布された水で水溶性インキが膨潤・溶解した水を、フィルムが版胴に接した後に水除去手段で除去し、除去された水を、前述のように排水槽に直接排水すれば、貯水槽に水溶性インキの濃度の高い水が入らないため、洗浄効果を高めることが出来る。
また、前述のように、貯水槽においても、貯水槽内の水の移動を少なくする邪魔板、及び移動抑制板を設ければ、更に洗浄効果を高めることが出来る。
このように、印刷ユニットの版胴を逆回転することで洗浄ユニットとすることができるグラビア印刷装置は、各印刷ユニットにおいて単独駆動モーターを備え、印刷において版胴の回転方向、回転速度(回転回数)を、個々の印刷ユニットにおいて自在に制御できるセクショナルドライブ方式のグラビア印刷機であることを特徴とする。
これにより、水の除去されたフィルムが後段の乾燥フードに送り込まれるから、他の印刷ユニットのフィルム搬送速度を落とさずに、一連の印刷工程の中でグラビア印刷を完成させることができる。
本発明によれば、アルミ蒸着層と反応してそれを消失させる水溶性インキでアルミ蒸着フィルムにグラビア印刷を施してから、反応を終えた前記水溶性インキを洗浄除去するで、グラビア印刷が行われる工程の中で、アルミ蒸着層が部分的に消失した絵柄のアルミ蒸着フィルムを製造することができる。したがって、従来の方法と比べても、極めて生産性の高いグラビア印刷方法並びにグラビア印刷装置とすることができる。
使用する水の量を少なくするために、塗布装置で膨潤・溶解した水溶性インキを水除去装置で最初に除去し、後段の水除去装置とは別経路で排水することで、後段での洗浄を効果的に行うこととなり水の使用量を少なくすることとなる。
また、このグラビア印刷装置によれば、版胴とニップ圧胴とを備えた既設の印刷ユニットに、着脱可能な水供給装置および除去装置を取り付けるだけで簡単に洗浄ユニットを構成することができるから、セクショナルドライブ方式のグラビア印刷機に於いては、僅かな設備投資で、アルミ蒸着フィルムに部分的にアルミ蒸着層のない透明な絵柄のある、グラビア印刷されたアルミ蒸着フィルムを得ることができる。
以下、本発明のグラビア印刷方法、ならびに、その方法を実施するための装置について、 図面の実施形態を参照しながら説明する。
図1は、例えば、10色のグラビア印刷を行うことができる装置構成を示したもので給紙部(1)より排紙部(2)までに10台の印刷ユニットが配置されるが、図1では、 第2ユニットから第8ユニットを省略している。また、10台の印刷ユニットの前後には、テンションコントローラ(10)が設けられている。 本発明のグラビア印刷方法を図1で概略説明すると、矢印方向に連続的に搬送されるアルミ蒸着フィルム(12)に対し、第1ユニット(1U)から第8ユニットで色インキによる印刷が行われて該フィルム(12)に絵柄が施され、次の第9ユニット(9U)で、アルミ蒸着フィルム(12)を所望の透明な絵柄とする部分に水溶性インキの印刷を行なった後、乾燥装置(3)に搬送し加熱、乾燥し、そこで、アルカリ性物質を含む水溶性インキとアルミ蒸着層を反応させてアルミ蒸着層を消失させる。アルミ蒸着層が部分的に透明になったフィルムは、第10ユニット(10U)に搬送され、そこで不要となった水溶性インキを洗浄、除去する。図において、フィルム(12)の搬送方向は太矢印で、給紙部(1)、版胴(7)等の回転方向は 太丸矢印で示している。
グラビア印刷機の印刷ユニットでは、搬送されてきたフイルム(12)をガイドロール(4)により搬送経路を制御し印刷部に送られグラビアインキを所望の絵柄で印刷した後、インキを乾燥させる乾燥装置(3)に搬送し、印刷ユニットの上部で温められたフィルム(12)を冷却ロール(5)で冷却後、次の印刷ユニットに搬送される。 印刷ユニットを水溶性インキの洗浄ユニットとして使用する場合、フィルム(12)はニップ圧胴(6)に搬送するのでなく、版胴(7)に搬送され、版胴(7)とニップ圧胴(6)で押圧されて後、ニップ圧胴の後段に設けられているガイドロール(4)に戻り、乾燥装置(3)に搬送され、排紙部(2)へと送られる。この搬送経路を行うことができるのは、各印印刷ユニットに単独制御ができる駆動モーターを搭載したセクショナルドライブ方式のグラビア印刷機である。
図2、図3は、版胴(7)を、図1の印刷ユニット(1U、9U)の版胴(7)の回転とは、逆回転とし、まず版胴(7)に搬送されたフィルム(12)は、ニップ圧胴(6)との押圧後、ニップ圧胴に沿って搬送され、ガイドロールを経て乾燥装置に搬送される洗浄ユニットで水溶性インキを洗浄する構成概念図を示したものである。
図8は、塗布装置(13)(14)により膨潤、溶解した水溶性インキを、フィルムが版胴(7)に接した後、ローラ(20)でフィルム(12)を版胴(7)に押し当てて除去し、更にそのローラ(20)に沿わせた流路制御板(102)により排水槽(106)に導き排水する水除去装置(101)を、図2に追加した図であり、洗浄ユニットで水溶性インキを洗浄する構成概念図を示したものである。
図8において、前記ローラ(20)は貯水槽(107)の水面の上部に設けられているが、ローラ(20)を貯水槽(107)の水に浸かるように設け、ローラ(20)と流路制御板(102)の間からローラ(20)に付いた水を供給し塗布装置(13)(14)により膨潤・溶解した水溶性インキを希釈し除去することも出来る。
図2は、通常は、色インキを印刷するユニットとして使用する印刷ユニットを、洗浄ユニットとして使用し、版胴を(7)逆回転した図である。 アルミ蒸着層が水溶性インキとの反応により消失し搬送されてきたアルミ蒸着フィルム(12)に水を塗布しながら印刷された水溶性インキを膨潤させ、溶解させる水塗布装置(13)、(14)と、版胴(7)に沿うように搬送されるフィルム(12)は、水を蓄えたインキパン(9)の中にフィルム(12)の印刷面が通り、大量の水(22)で水溶性インキ溶解、希釈する水供給装置(7により22の中を通す)となる。このように、希釈した水溶性インキを水除去装置(16)で水除去を行う。更にその後段に水供給装置(17)水除去装置(18)を設け、更に水供給装置(19)を設け、これにより供給された水は、ニップ圧胴(6)と版胴(7)の押圧により除去される。 このように、主洗浄装置で、水溶性インキを希釈し除去を繰り返すことで、水溶性インキ は、完全に洗浄される。また、版胴(7)に設ける、最初の水除去を行う水除去装置(16)は、グラビア印刷機にインキング装置としファニシャーローラ(11)が既設されている場合は、このファニシャーローラ(11)を使用すればよく、ファニシャーローラ( 11)から駆動ギヤーを外せば版胴(7)に押圧することで、版胴(7)の回転に沿って 回転し水除去装置(16)として使用することができる。両サイド及び水除去装置に付けたカバーは、水はね防止カバー(21)である。
特に、搬送装置であるニップ圧胴(6)と版胴(7)との押圧は強く、押圧力は約 400kgであり、フィルム面は湿った程度で、水はほぼ完全に除去されるためニップ圧胴を汚すことはなく、水溶性インキの洗浄、除去は完了する。また、ファニシャーローラ(11)や水除去のためのローラ(20)は、30kgから100kgの押圧であるが、除去する水の粘度は低く、水と同程度であるため、これらのローラにおいてもフィルム面は、湿った程度で次の水供給手段に送られる。このように、セクショナルドライブ方式のグラビア印刷機に於いては、版胴(7)にフィ ルム(12)を沿わせ搬送でき、またフィルム(12)が版胴(7)に接する範囲が長く、水溶性インキの洗浄を繰り返し行うことができるため、版胴(7)とニップ圧胴(6)の押圧を通れば、完全に水溶性インキは除去される。
図3は、版胴(7)に接したフィルム(12)の印刷面に向けて噴射する大量の水で水溶性インキを希釈する水供給装置(15a)(15b)(15c)を設けたものである。該水供給装置は、図2のインキパンからの水供給装置(7により22の中を通す)と比較し、使用する水の量は多くなるが、常に新しい水が供給されるため洗浄効果は高くなる。該水供給装置(15a)(15b)(15c)の他は、図2と同様である。
図8は、洗浄効果を高めることで洗浄に使用する水の使用量を少なくなるように工夫したもので、塗布装置(13)(14)により膨潤、溶解した水溶性インキを、流路制御板(102)により所望の場所である排水槽(106)に導き、貯水槽(107)に入れないようにすることで、貯水槽(107)の水は、水溶性インキの濃度が高くならず洗浄効果を高めることが出来る。更に貯水槽(107)に邪魔板(103)や移動抑制板(104)を設けることにより、貯水槽(107)の中で水溶性インキの濃度差をもたせ、濃度の高い水を排水槽(106)に導き排水することで洗浄効果を高めるものであり、その結果として使用する水を少なくすることが出来る。貯水槽(107)と排水槽(106)を設けるには、インキパン(9)に仕切り板(110)を設ければよい。
また、排水槽(106)より排水する水は、アルカリ性を示すものであるが、印刷中に酸性物質で中和することなく、印刷機外に排水溜め枡を設けて適切に処理をすればよい。
これらの、水溶性インキを洗浄除去するには、水溶性インキの膨潤、溶解から、水を供給して水溶性インキの溶解、希釈を促進し、さらにそれらのフィルムからの除去を経て、乾燥装置(3)に至るまでの間に、洗浄が行われる。水溶性インキの印刷面は、塗布装置、水除去装置のローラ(20)及びニップ圧胴(6)との接触はあるが、ガイドロール(4)に接触することはなく、水溶性インキの印刷面からガイドロール(4)に残渣が転移し、その転移残渣が水溶性インキの非印刷面に再転位することでの汚染はなく、また、洗浄されたフィルム(12)が乾燥装置(3)を経て、その後排紙部(2)でフィルム(12)が巻き取られるまでのガイドロール(4)などで、グラビア印刷装置のフィルム搬送経路を水溶性インキの残渣で汚すことはない。
塗布手段は、水溶性インキが印刷されたフィルム面に少量の水供給をする複数の装置を備え、該装置で水供給がされた後、水供給面はガイドローラ(4)に触れることなく主工程に送られる。これらの塗布装置を、図4、図5に示すが、これらの装置に限られることはない。
更に、図10に塗布手段の別な構成説明図を示す。
図4は、グラビア印刷機に固定する固定棒(30)と水管(24)を繋ぐ数か所の連結具(31)である。水管(24)には、0、5mmから3mmの孔(30)が3mmから10mmの間隔に設けられ、該孔(32)より水が供給され、綿、吸水性ポリエステル繊維のニードルパンチ布もしくは起毛布などの吸水性の布(33)で、該孔(32)を覆うことによりフィルムの両端を除く全幅方向に均一に水供給されフィルムに水を塗布するようにしたものである。 少量の水供給に適し、包装材の製品になる部分(一般的には、製品幅に対しプラス20mmから40mm広いフィルム使用する。)だけに水を塗布するので、水溶性インキが溶解した液が、水溶性インキを印刷したフィルム裏面への回り込み、フィルムや印刷機械への汚染を防止し、また水溶性インキを膨潤、溶解させる2g/m2から6g/m2程度の少量の水塗布に適したものである。 該塗布手段は、搬送中のフィルムに少量の水を塗布するため、吸水性の布(33)ではあるが、搬送中のフィルムに水を塗布する時に、印刷面を傷つける恐れがあり、強く当てることはできない。したがって、吸水性の布(33)がフィルムに触れる面を一直線にすることで部分的に吸水性の布(33)がフィルム(12)に強く当たらないようにするため、固定板(34)を吸水性の布(33)と繋ぎ、更に押さえ板(36)を当て、ネジ(35)で止めることで吸水性の布(33)が動かなくしたものである。
図10は、四角形の水管(108)の一面に水を噴出する孔(32)を設け、四角形の水管(108)の2面には、湾曲させたフィルム(109)の両端を固定し、その湾曲させたフィルム(109)で弾性を持たせ、該湾曲させたフィルム(109)を水溶性インキが印刷されたフィルムに軽く接触し、供給した水を均一に塗布するものである。四角形の水管(108)に取り付ける湾曲させたフィルム(109)は、30μから150μ程度のポリエステルフィルムで、湾曲部の長さにより弾性が異なるため、厚みは、適切に選択すればよい。該塗布装置は、アルミ蒸着フィルムの全幅に設けることも、水溶性インキが印刷された範囲にだけ設けることもできる。
図5は、水管(24)に開けられた孔から、フィルム面に直接、シャッワー状の水を掛けるものである。また、水管(24)の孔(32)は、3mmから5mmも間隔で1列又は複数列に、0、3mmから1、5mm孔が開けられており、孔(32)をテープ等で部分的に塞ぐことで、水溶性インキが印刷されない部分に水を供給しなくするのに適している。
また、この塗布装置は、版胴の前段に設けるものであり、水溶性インキを印刷したフィルム裏面への回り込みが無く、水溶性インキを溶解させる4g/m2から10g/m2程度の少量の水塗布に適したものである。また、水供給装置は、水溶性インキの溶解を高めるものであり、水溶性インキの印刷された絵柄部分だけに水供給を行うこともできる。
再度、水を塗布するときの、水供給の総量は6g/m2から16g/m2程度で良く、まずフィルム面に均一に水が塗布され水溶性インキを膨潤、溶解し、更に搬送装置の近くでの、シャワー状の水をフィルムに塗布することで主洗浄手段の洗浄効果を高める。 水の温度は水溶性インキの溶解性により25℃から60℃の範囲で選択すればよく、水量と温度の調整は主洗浄装置での洗浄効果に影響するものである。
主たる水供給手段である、水供給装置の水管(24)について説明をする。 水の供給量、水供給の強さは、水量、噴射速度、噴射孔間隔、水温等は、洗浄効果に大きく影響するため、水管(24)に開ける孔の間隔、大きさは使用する部位により選択すればよい。水管のサイズについても、使用する部位のより選択すればよい。水管(24)の孔(32)は水管(24)に沿って1列から3列程度で選択すればよい。水管(24)に開ける孔(32)は、0、3mmから2mm程度で、間隔は3mmから10mm程度でよい。水管(24)から供給される水量は、孔(32)サイズだけでなく、供給する水の圧力に大きく影響されるため、適宜、 孔(32)サイズや水圧を選択し供給量や供給状態を決めればよい。また、水管(24)を取り付ける固定棒(30)は、ローラ(20)の間隔や、版胴(7)の下部や、フィルムの垂直搬送部により異なるものであり、グラビア印刷機固有のサイズ、寸法によっても異なるため、適宜設置すればよく詳細な説明は省略し、水管(24)の取り付け位置を示す。 従って、以下の実施において、水管(24)の孔(32)を説明するのではなく、水の供給量、水供給方向、水供給の強さについて、説明を加える。
次に、主洗浄手段である、版胴(7)とニップ圧胴(6)のからなる搬送装置での洗浄であるが、洗浄効果は、何回洗浄を繰り返すことができるかで決まる。その点から見れば、セクショナルドライブ方式のグラビア印刷機で版胴(7)を逆回転し、版胴(7)に沿ってフィルムを搬送すると、ニップ圧胴(6)に沿わす距離と比較し、フィルムが版胴(7)に沿っている距離を、長くとることができ、洗浄回数を多くすることができ有利である。 洗浄を効果的に行うには、供給する水の量だけでなく、供給する水の水温は、高いほど洗浄効果は良くなるが、好ましくは25℃から40℃程度にするのが良い。版胴(7)はグラビア印刷で使用するクロムメッキが施された表面が金属の版胴(7)と比較し、表面硬度を60度から80度のゴム硬度としたゴム巻き版胴(7)は、水の持ち上げがよく、ニップ圧胴(6)との圧接による水除去もよくなり水溶性インキの洗浄効果を高めることができる。
また、図8においては、水塗布装置により膨潤、溶解した水溶性インキの大半をローラ(20)で除去し、除去された水を流路制御板(102)により排水槽(106)に導くことで貯水槽(107)に貯めた水への水溶性インキ混入を防止している。これにより、水の使用量を少なくすることが出来る。またインキパン(9)の貯水槽(107)に邪魔板(103)や移動制御板(104)を設けることで、貯水槽(107)前段の水溶性インキの濃度の高い水を排水槽(106)に送り込むことにより、後段の貯水槽(107)の洗浄水は水溶性インキの濃度を低くし洗浄効果を高めることが出来る。
図6は、セクショナルドライブ方式のグラビア印刷機を使用し、版胴(7)を逆回転させ、インキパンを使用した主洗浄装置を示す。水塗布手段の後、フィルムは版胴(7)に搬送され、水を溜めたインキパン(9)の中をフィルム(12)が搬送され、水溶性インキは、洗浄され、水は版胴(7)の回転についてフャニシャーロール(11)まで運ばれ、フャニシャーロール(11)で激しく撹拌され、除去される。その後水管(24)からの水供給を2回、ローラ(20)での水除去を1回行い最後に版胴(7)と ニップ圧胴(6)の押圧で水除去を行い、洗浄を完了した。 水供給は、ニップ圧胴(6)への水管(24)から供給水量を多くし、前段の2カ所の水供給は少なくするのが良い。ニップ圧胴に供給された水は、水撥ねカバー(21)を伝い下部のローラ(20)に、順次供給され洗浄効果を高める。2カ所の水供給の総量は、40g/m2から100g/m2で良い。
インキパン(9)の水は、水溶性インキの固形物(樹脂、機能物質、反応物質など)が溶け込んで洗浄液の濃度は高くなっていくが、インキパン(9)から廃液として除去すればよく、またインキパン(9)に直接水を供給することで、インキパン(9)内の洗浄水の濃度を低い状態に保つことで洗浄効果を高めることができる。 また、インキパン(9)に集まる洗浄に使用された水には、水溶性インキの成分であるアルカ物質と反応するアルミ蒸着層が消失しても反応残分であるアルカリ性物質が含まれるため、インキパン(9)中のアルカリ物質を、酸性物質を添加することで中和することができる。
図7は、同じく、セクショナルドライブ方式のグラビア印刷機を使用し、版胴(7)を逆回転させ、インキパン(9)を使用しない、主洗浄装置を示す。 水塗布手段の後、フィルムは版胴(7)に搬送され、フィルムが版胴(7)に接した直後より、3本の水管(24)より勢いよくフィルム(12)に水供給を行い、水溶性インキを除去、洗浄した後、フャニシャーロール(11)で水を除去した。フャニシャーロール(11)で水を除去後は、図6と同様の洗浄を行い水溶性インキの洗浄除去を完了した。 フャニシャーロール(11)を通過前は、水供給が多ければ洗浄効果は高くなるが、3本の水管より50g/m2から100g/m2で良い。排水量が多くなるが、適切に処理をすればよい。
図9は、図8の主洗浄装置の構成を詳細に説明した図である。
まず、塗布装置(13)(14)により膨潤・溶解した水溶性インキをローラ(20)と版胴(7)の押圧により除去する。除去した水はローラ(20)上に溜まり、溜めきれない水はローラ(20)に沿い落下するが、この落下を安定的に行い且つ所望の場所に導くのが流路制御板(102)である。所望の場所とは、インキパン(9)に設けた排水槽(106)であり、これにより水溶性インキのほとんどが除去され、後段の洗浄をより効果的に少量の水で行うことが出来る。また、ローラ(20)上の水は、ローラ(20)の回転により回転方向に送られ、版胴(7)との間で水の盛り上がりを生ずるが、流路制御板(102)を設けることにより、該水の盛り上がりを少なくすることができ、流路制御板(102)上の水は、流路制御板(102)に沿って落下し排水槽(106)に導かれる。
次に、版胴(7)に接したフィルム(12)は貯水槽(107)に一部を浸漬され洗浄された後、貯水槽(107)に一部を浸漬したファニシャーロール(11)は、回転により水を持ち上げ、版胴(7)との間でフィルム(12)面を洗浄除去し、その水は貯水槽(107)に落下する
ファニシャーロール(11)と版胴(7)での洗浄に使われた水は、貯水槽(107)の前段(排水槽側)に溜まるが、貯水槽(107)に設けた邪魔板(103)や移動制御板(104)により貯水槽(107)内の移動を制限され、後段で供給される水により貯水槽(107)の水は増加し、水溶性インキの濃度が高い水が、仕切り板(110)を越えて排水槽(106)に排水される。
ファニシャーロール(11)と版胴(7)による洗浄後は、ローラ(20)及びニップ圧胴(6)のそれぞれに水管(24)より水供給を行い、ローラ(20)と版胴(7)、ニップ圧胴(6)と版胴(7)とで水除去を行って水溶性インキの洗浄は完了する。ローラ(20)への水供給においては、ローラ(20)全面に水を無駄なく供給するために水供給安定板(111)を設けた。
水供給安定板(111)を設けることで、直接フィルム(12)に水を供給するのではなくローラ(20)に水供給し、水の飛散を防止して水の無駄をなくすものである。図2では、水供給装置(17)により版胴に水を供給している点が異なる。
図9においては、塗布装置(13)(14)により膨潤・溶解した水溶性インキの水除去装置(101)のローラ(20)は貯水槽(107)に浸漬していないが、該ローラ(20)の一部を貯水槽(107)に浸漬しローラ(20)の表面を洗浄するようにしてもよい。また、該ローラ(20)が貯水槽(107)に浸漬することで、ローラ(20)により持ち上げられた水を、ローラ(20)と流路制御板(102)の間を通るようにし、膨潤・溶解した水溶性インキを希釈することで、洗浄効果を高めるようにしてもよい。
印刷ユニットに設けた洗浄装置について詳しく述べたが、版胴(7)とニップ圧胴(6)とからなる搬送装置に水供給手段、水除去手段を行う装置を付加することで、グラビア印刷された水溶性インキは、水溶性インキを印刷した印刷ユニットの直後の印刷ユニットを使い洗浄、除去することができ洗浄ユニットとなる。
アルミ蒸着ポリエステルフィルム12μのアルミ蒸着面に塩酢ビ系インキを使用し任意の絵柄のグラビア印刷を行った。次いで塩酢ビ系インキで印刷されない部分にアルミ蒸着消失インキ(株式会社昭和インク工業所製、アルミ蒸着層を消失することができる機能を持つ水溶性インキ、仮称K−16)を用い所望の絵柄でグラビア印刷を行い、次の印刷ユニットを洗浄ユニットとして使用しアルミ蒸着層を消失させた水溶性インキを洗浄した。
水性インキの除去は、図2の洗浄ユニットで行った。ガイドロール(4)より5cm 下に図4の塗布装置(13)を設け、更にフィルムが版胴(7)に接する5cm手前に図5の塗布装置(14)を設けた。フィルム(12)が版胴(7)と接する部分の洗浄装置としては図6の版胴(7)とインキパン(9)からなる水供給装置を使用した。インキパン(9)へは、水溶性インキの残存アルカリ性物質を中和するため、塩酸水溶液を適時添加した。また、インキパン(9)に集まる洗浄水と塩酸水溶液は、約420L/1時間(8000mの印刷に相当する。)の溶液となるので、これを適宜排水した。このようにして所望の透明部があり印刷絵柄を持つアルミ蒸着ポリエステルフィルムを製造することができた。
包装材としての性能比較として、アルミ蒸着消失インキの印刷を行わないアルミ蒸着ポリエステルフィルム12μのグラビア印刷物を作成し、本実施例のアルミ蒸着消失インキの印刷を行なった、透明部を持つアルミ蒸着ポリエステルフィルム12μとを使用し、同じ構成の包装材(OPP20μ/接着剤/インキ/(蒸着面)アルミ蒸着ポリエステルフィルム12μ(フィルム面)/接着剤/CPP30μ)を製造したが透明部の有無に係らず接着強度など、包装材の性能として遜色ないものであった。
実施例1と同様のフィルム、インキ、接着材を使用し、洗浄ユニットの構成を変えて包装材の製造を行った。この洗浄ユニットは、図3に示す。 本実施例で使用した水の量は、600L/1時間(8000mの印刷に相当する。)であった。
こうして得られた、水溶性インキを除去した透明部を持つアルミ蒸着ポリエステルフィルム12μと、比較のためにアルミ蒸着消失インキの印刷を行わなかったアルミ蒸着ポリエステルフィルム12μを用い、積層した包装材(OPP20μ/接着剤/インキ/(蒸着面)アルミ蒸着ポリエステルフィルム12μ(フィルム面)/接着剤/CPP30μ)は、透明部の有無に係らず接着強度など、包装材の性能として遜色ないものであった。
アルミ蒸着未延伸ポリプロピレンフィルム25μのアルミ蒸着面に塩酢ビ系インキを使用し任意の絵柄のグラビア印刷を行った。次いで塩酢ビ系インキで印刷されない部分にアルミ蒸着消失インキ(株式会社昭和インク工業所製、アルミ蒸着層を消失することができる機能を持つ水溶性インキ、仮称K−16)を用い所望の絵柄でグラビア印刷を行い、次の印刷ユニットでアルミ蒸着層を消失させた水溶性インキを洗浄した。洗浄ユニットは、実施例2と同様とした。
こうして得られた、水溶性インキを除去した透明部を持つアルミ蒸着こうして得られた、水溶性インキを除去した透明部を持つアルミ蒸着ポリエステルフィルム25μを延伸ポリプロピレンフィルム20μと接着剤で貼り合せ積層した包装材(OPP20μ/接着剤/インキ/〔蒸着面〕アルミ蒸着未延伸ポリプロピレンフィルム25μ〔フィルム面〕)とし、溶断シールにより溶断袋を作成した。 該溶断袋の溶断シールを行う部位のアルミ蒸着層は水溶性インキで除去しており、シール 強度は、アルミ蒸着を有しない溶断袋と同等の性能であった。
アルミ蒸着ポリエステルフィルム12μのアルミ蒸着面に塩酢ビ系インキを使用し任意の絵柄のグラビア印刷を行った。次いで塩酢ビ系インキで印刷されない部分にアルミ蒸着消失インキ(株式会社昭和インク工業所製、アルミ蒸着層を消失することができる機能を持つ水溶性インキ、仮称K−16)を用い所望の絵柄でグラビア印刷を行い、次の印刷ユニットを洗浄ユニットとして使用しアルミ蒸着層を消失させた水溶性インキを洗浄した。
水性インキの除去は、図8の洗浄ユニットで行った。ガイドロール(4)より5cm下に図4の塗布装置(13)を設け、更にフィルム(12)が版胴(7)に接する10cm手前に図5の塗布装置(14)を設けた。フィルム(12)が版胴(7)と接した後の主洗浄装置としては、図9を使用した。塗布装置(13)(14)により、膨潤、溶解した水溶性インキは、フィルム(12)が版胴(7)に接した後3cmの位置でローラ(20)と版胴の押圧により除去し、流路制御板(102)により排水槽(106)に導き排水した。次にインキパン(9)の貯水槽(107)に版胴(7)に沿ったフィルム(12)を浸漬し、更にファニシャーロール(11)で水を供給し、ファニシャーロール(11)と版胴(7)の押圧で水を除去し、その後段で版胴(7)にローラ(20)を押し当て流路制御板を用いローラ(20)に水を供給し、さらに版胴(7)とローラ(20)の押圧で水を除去し、最後にニップ圧胴(6)に水を供給し、ニップ圧胴(6)と版胴(7)の圧接により水除去を行った。使用した水の量は、塗布装置においては、50℃の温水を15g/m2、主洗浄装置においては、ローラ(20)に10g/m2、ニップ圧胴に10g/m2の水を使用した。水の使用量は、約320L/1時間(8000mの印刷に相当する。)であり排水槽(107)に集め排水した。水の使用量は、実施例1と比較し100L/時間、少なかった。このようにして所望の透明部があり印刷絵柄を持つアルミ蒸着ポリエステルフィルムを製造することができた。
包装材としての性能比較として、アルミ蒸着消失インキの印刷を行わないアルミ蒸着ポリエステルフィルム12μのグラビア印刷物を作成し、本実施例のアルミ蒸着消失インキの印刷を行なった、透明部を持つアルミ蒸着ポリエステルフィルム12μとを使用し、同じ構成の包装材(OPP20μ/接着剤/インキ/(蒸着面)アルミ蒸着ポリエステルフィルム12μ(フィルム面)/接着剤/CPP30μ)を製造したが透明部の有無に係らず接着強度など、包装材の性能として遜色ないものであった。