JP6500745B2 - 水溶性インキ - Google Patents
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Description
第一の方法は、アルミ蒸着層に塩酢ビ系樹脂インキを用いてグラビア印刷を行い、その刷物を酸又はアルカリ性物質を溶解した浴槽に通して、塩酢ビ系樹脂インキで覆われていない部分のアルミ蒸着層を溶解、除去する加工方法である。
第二の方法は、予め水溶性樹脂で印刷したフィルムの全面にアルミ蒸着を施した後、水洗により水溶性樹脂と共にアルミ蒸着層を洗い流す方法である。
第三の方法は、フィルムにアルミ蒸着を施す時に、全面では無く蒸着層を形成しない部分に、遮蔽板を設けることでアルミ蒸気がフィルムに固着しないように蒸着する方法である。
またアルミ蒸着層の除去工程においては、全面に酸性物質やアルカリ性物質を含有する水溶液に浸漬することによるインキ層への負荷や、アルミ蒸着層とフィルムに挟まれた水溶性樹脂を溶解除去することによって、意匠性を形成する輪郭線へダメージを与えることがあった。
大日精化工業株式会社NO.2010.4.1.テクニカルインフォメーション
株式会社麗光ホームページ技術情報
これらのアルミ蒸着フィルムのアルミ蒸着面に、本発明の水溶性インキを用いグラビア印刷することで、該水溶性インキに含まれるアルカリ性物質とアルミ蒸着層が反応し、アルミ蒸着層を消失させることができる。しかる後、水溶性インキと消失したアルミ蒸着を水で洗浄除去すれば、部分的に透明なアルミ蒸着フィルムを作成することができる。
例えばカルボキシメチルセルロース(以下「CMC」という)、ヒドロキシエチルセルロース(以下「HEC」という)、ヒドロキシプロピルセルロース(以下「HPC」という)、ヒドロキシプロピルセルロース(以下「HPMC」という)といった主にセルロースを原料として変性された水溶性高分子樹脂、ポリビニルピロリドン(以下「PVP」という)、ポリ−N−アセトアミド(以下「PNVA」という)といった非イオン性の親水性・親アルコール性のポリマー、ポリビニルアルコール(以下「PVA」という)等を選択することができる。使用するアルカリ性物質にもよるが、これらの水溶性樹脂の中でも、HPC、HPMCが好ましい。
第一に、印刷されたインキの表面を平滑にするレベリング剤としての効果で、アルカリ性物質がアルミ蒸着層に均一に付与されていると考えられる。
第二に、アルカリ性物質とアルミ蒸着層との反応により発生する、水素ガス等の生成物をインキ層で小さな気泡や小さな粒子とすることで、アルミ蒸着層表面の反応を阻害しないと考えられる。
第三に、アルミ蒸着層に水溶性インキが印刷されるときの、アルミ蒸着層への物理的負荷により生ずるアルミ蒸着層の微細なクラックに界面活性剤が浸透することで、アルミ蒸着層に密着を弱くする効果、クラックへのアルカリ性物質の浸透を速くする効果等が考えられる。
もう一つの方法はアルミ蒸着フィルムのアルミ蒸着層を消失させたい部分に水溶性インキを印刷し、アルミ蒸着層を消失させた後、水洗除去して透明部を作成する方法である。この場合、水溶性インキに含まれるアルミ蒸着層との反応後に残るアルカリ性物質が、洗浄時にアルミ蒸着層に影響を与えないように、水溶性インキの洗浄除去を素早くすればよい。このように、アルカリ性物質を水溶性インキにして部分的な印刷をすることは、アルミ蒸着層を部分的にアルカリ性物質が作用するためである。
また、印刷物の不良を即時に発見することができ、グラビア印刷時に修正できるだけでなく、従来技術の工程短縮を可能にした。
処方1から処方5の、いずれのインキを使用しても同様の結果であった。
処方1,2,4,5,6の、いずれのインキを使用しても同様の結果であった。
図6は、アルミ蒸着CPPフィルムを図3の構成にした後、OPPフィルム(7)をドライラミネートで接着剤(5)により貼り合せたものであり、OPP30μ/接着剤/インキ/アルミ蒸着/CPP25μの構成の包装用積層フィルムである。
図7は、アルミ蒸着層(2)、PET(8)のフィルムを図3の構成にした後、OPP(7)フィルム及びCPP(6)フィルムをドライラミネートで接着剤により貼り合せたものであり、OPP(7)20μ/接着剤(5)/インキ(3)/アルミ蒸着(2)/PET(8)12μ/接着剤(5)/CPP(6)25μの構成の包装用積層フィルムである。
このように、本発明のアルミ蒸着層(2)を消失することができる水溶性インキ(4)を使用することにより、グラビア印刷工程とドライラミネート工程で部分アルミ蒸着層を有し、透明部がある包装用の積層フィルムを製造することができた。
2、アルミ蒸着
3、塩酢ビ系油性インキ
4、水溶性インキ
5、接着剤
6、CPP
7.OPP
8、PET
Claims (4)
- アルミ蒸着フィルムのアルミ蒸着層と反応して該アルミ蒸着層を消失させるアルカリ性物質と、水溶性インキとしての性質を保持させる水溶性樹脂と、溶剤としての水並びにアルコールを主成分とし、界面活性剤、及び適宜保水材を添加したグラビア印刷用水溶性インキであって、前記アルカリ性物質を前記水性インキ成分として4%から10%の割合で含有し、前記水溶性樹脂を前記水性インキ成分として1%から5%の割合で含有し、前記溶剤である水を前記水性インキ成分として10%から60%の割合で含有し、同じく前記溶剤である一級アルコール類を前記水性インキ成分として30%から80%の割合で含有し、これらの前記主成分がインキ中の95%から99、95%占めており、更に前記水溶性インキに前記界面活性剤が添加され、適宜保水材が添加されていることを特徴とするグラビア印刷用の水溶性インキ。
- 請求項1にあって、前記アルカリ性物質として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化リチウム及び有機アルカリから選択したアルカリ性物質を使用した水性インキであることを特徴とするグラビア印刷用の水溶性インキ。
- 請求項1にあって、前記水溶性樹脂としてCMC、HEC、HPC、HPMC、PVP、PNVA、PVAから1種又は1種以上から選択した樹脂を含めた水性インキであることを特徴とするグラビア印刷用の水溶性インキ。
- 請求項1にあって、前記溶剤である前記一級アルコール類としてメチルアルコール又はエチルアルコールの一級アルコール類から選択したアルコール溶剤を使用した水性インキであることを特徴とするグラビア印刷用の水溶性インキ。
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