以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、図2、図4〜図8、図10には、表示領域911の全部または一部を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板(本実施形態では主制御基板)に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、例えば識別図柄80が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合には外れとなる。識別図柄80は、ある当否判定結果を報知する演出の開始とともに変動を開始し(変動表示され)、最終的に当否判定結果を踏まえた組み合わせで停止することとなる。本実施形態では、図2等に示すように、複数の識別図柄80から構成される識別図柄群が三つ変動表示され、それぞれの識別図柄群から選択されて停止した識別図柄80の組み合わせによって当否判定結果が報知される。
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、大当たり信頼度と称することもある)を示唆する図柄示唆演出を実行することが可能である。図柄示唆演出は、表示装置91(表示領域911)を用いて実行される演出であって、ある当否判定結果を報知するに際し、それよりも前の当否判定結果を報知する演出を利用するいわゆる先読み演出であるともいえる。なお、図柄示唆演出を実行する手段(制御基板)はどのようなものであってもよい。本実施形態では、演出を制御する図示されないサブ制御基板に図柄示唆演出を実行する手段が設けられている。サブ制御基板は、当否判定等を実行する主制御基板から、当否判定に関する情報(後述)等に関するコマンドを受信する。
図柄示唆化演出は、いわゆる保留図柄10を用いた演出である。本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留」である)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
本実施形態では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定に関する情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄10が、表示装置91の表示領域911に表示される(図2等参照)。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留図柄10が表示装置91の表示領域911に表示される。
保留図柄10の態様として、一または複数種の通常態様と一または複数種の特殊態様が設定されている。当該保留図柄10の態様により、対応する当否判定結果の大当たり信頼度を示唆する(詳細を後述する保留変化演出が実行可能である)。図3に示すように、本実施形態では、図柄示唆演出に用いられる保留図柄10の特殊態様として、通常態様の図柄である通常図柄11とは異なる複数種の特殊図柄12が設定されている。本実施形態における特殊図柄12は、第一特殊図柄121、第二特殊図柄122、第三特殊図柄123、第四特殊図柄124の四種類である。つまり、当該特殊図柄12の種類の数は、最大の保留数と同じ数の四つである。ただし、特殊図柄12の種類の数は適宜変更可能である。
図柄示唆演出は、詳細を後述するように、表示された特殊図柄12のいずれかを、示唆図柄20として表示する演出である。示唆図柄20となったときに大当たり信頼度が高いものから順に並べると、第一特殊図柄121、第二特殊図柄122、第三特殊図柄123、第四特殊図柄124となる(図3参照)。つまり、第一特殊図柄121が示唆図柄20として設定された場合が遊技者にとって最も喜ばしい状態であり、第四特殊図柄124が示唆図柄20として設定された場合が遊技者にとって最も好ましくない(いずれかの特殊図柄12が示唆図柄20として設定された場合において最も好ましくない)状態であるといえる。どの特殊図柄12が示唆図柄20として設定されるかは、対象となる当否判定結果が大当たりとなるものか否か等に基づき、予め抽選により決定される。当該抽選は、各特殊図柄12が示唆図柄20として設定された場合の大当たり信頼度が上記のような関係性となるものであればよい。
各特殊図柄12は、図柄の色や態様によって遊技者がそれぞれを区別することができるように構成されている。本実施形態における各特殊図柄12は、星のマークが表示されたカード図柄であって、当該星の数によって大当たり信頼度の大小を示す。第一特殊図柄121は星の数が一つ、第二特殊図柄122は星の数が二つ、第三特殊図柄123は星の数が三つ、第四特殊図柄124は星の数が四つである。星の数が少ないほど、大当たりに期待がもてる設定となっている。なお、星の数は、図柄示唆演出後に移行するバトル演出において、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと対決する敵キャラクタの強さを数値的に表したものである。したがって、星の数が多いほど、敵キャラクタが強い、すなわち大当たりとなる蓋然性が低くなる。
以下、図柄示唆演出について具体例を参照して詳細に説明する。図柄示唆演出を実行するか否かは、対象となる当否判定(当否判定に関する情報)が大当たりとなるものかどうか等を踏まえて判断される。また、対象となる当否判定よりも前に大当たりとなる当否判定に関する情報が存在する場合には、図柄示唆演出はいわゆる先読み演出の一種であるから、当該図柄示唆演出を実行することができないと判断する(図柄示唆演出が実行されることはない)。本実施形態では、図柄示唆演出が発生した時点で、発生しなかった場合よりも、対象となる当否判定が大当たりとなる蓋然性が高まるように設定される。
ある当否判定(対象となる当否判定)について図柄示唆演出を実行することが決定された場合、対象となる当否判定およびそれよりも前に当否判定結果の報知が完了するものの少なくとも一部に対応する保留図柄10を、複数種の特殊図柄12のいずれかに設定する。本実施形態では、(詳細を後述するような保留変化演出が実行されている場合を除き)対象となる当否判定およびそれよりも前に当否判定結果の報知が完了するものに対応する保留図柄10の全てを特殊図柄12とする。なお、既に当否判定結果を報知する演出(識別図柄80の変動)が開始されているものであって、当否判定結果の報知が完了していないもの(いわゆる当該変動)に対応する保留図柄10(厳密には「保留」ではない)が表示される場合には、それを含めて特殊図柄12としてもよいし、当否判定結果を報知する演出(識別図柄80の変動)が開始されていないものに対応する保留図柄10を特殊図柄12とする設定としてもよい。本実施形態では、対象となる当否判定およびそれよりも前に当否判定結果の報知が完了するものであって当否判定結果を報知する演出が開始されていないものに対応する保留図柄10を全て特殊図柄12とする。
例えば、三つの保留が存在している状態(図4(a)参照)において、遊技球が始動入賞口に入賞し、当該入賞を契機として得られる当否判定に関する情報に対応するものについて、図柄示唆演出を実行することが決定されたとする。その場合、当該入賞によって発生した対象となる当否判定に対応する保留図柄10と、それよりも前に当否判定結果の報知が完了する保留、すなわち当該入賞前に存在していた三つの保留図柄10を特殊図柄12とする。つまり、計四つの保留図柄10が特殊図柄12とされる(図4(b)参照)なお、特殊図柄12を表示するタイミングはどのようなものであってもよい。上記入賞が検出された後、最初から特殊図柄12を表示するようにしてもよいし、入賞が検出された後、一定期間の間は通常図柄11が表示され、所定のタイミングで特殊図柄12に変化する構成としてもよい。
本実施形態では、表示される特殊図柄12は、後に当否判定結果の報知が完了するものであるほど、示唆図柄20となったときに大当たり信頼度が高いものとなるようにする。本例のように、四つの保留図柄10を特殊図柄12とする場合には、先に当否判定結果の報知が完了するものから順に、第四特殊図柄124、第三特殊図柄123、第二特殊図柄122、第一特殊図柄121の順に並ぶようにする(図4(b)参照)。三つの保留図柄10を特殊図柄12とする場合には、先に当否判定結果の報知が完了するものから順に、第四特殊図柄124、第三特殊図柄123、第二特殊図柄122と並ぶようにすることもあれば、第三特殊図柄123、第二特殊図柄122、第一特殊図柄121の順に並ぶこともあるように設定する。いずれにせよ、時間が経過するにつれ、特殊図柄12に対応づけられた大当たり信頼度が高まっていくように構成されている。ただし、場合によっては、同じ種類の特殊図柄12が並んでいたり、大当たり信頼度が低くなるような並びが発生したりすることがあってもよい。
このように特殊図柄12が表示された後、上記入賞時点において報知の途中であった当否判定結果の報知が完了し(図4(c)参照)、次の当否判定結果の報知が開始されるとする。つまり、特殊図柄12が設定されたもののうち、最初に当否判定結果の報知が完了するものの当否判定結果を報知する演出が開始される。このとき、識別図柄80の変動が開始されることとなるが、変動する識別図柄80に混じって、設定された特殊図柄12が変動を開始する。具体的には、保留図柄10として表示されていた特殊図柄12が、その態様を維持しつつ識別図柄80と同じくらいの大きさに拡大されて、識別図柄80に混じって変動を開始する。なお、ここでいう「態様を維持する」とは、遊技者から見て、保留図柄10としての特殊図柄12と、識別図柄80とともに変動する図柄としての特殊図柄12が同じであることが理解できる程度のことをいう。よって、図柄の拡大・縮小や、多少の改変は「態様を維持する」に含まれるものとする。また、少なくとも、識別図柄80とともに特殊図柄12が変動を開始した時点において、当該特殊図柄12は厳密には保留図柄10としての機能を失っている(既に保留を示す図柄ではない)ものであるが、本明細書においては、変動するものも特殊図柄12として説明する。
本実施形態では、変動する左、中、右(遊技者側から見た相対的な位置関係をいう)の識別図柄群のうち、中の識別図柄群に混じって、設定された特殊図柄12が変動する(図5(a)参照)。つまり、表示領域911の中央では、予め設定された複数種の識別図柄80に特殊図柄12が加えられた図柄群(図9に当該図柄群のイメージ図を示す)が変動する。なお、当該図柄群における特殊図柄12の位置はどのようなものであってもよい。毎回、特殊図柄12の位置は同じであってもよいし、その都度変化する可能性があるものであってもよい。また、識別図柄80のいずれかのような数字を表す図柄を含む特殊図柄12として、当該特殊図柄12を識別図柄群とともに変動させる構成としてもよい。この場合、変動する図柄群における特殊図柄12の順番は、特殊図柄12が含む数字を表す図柄に応じた位置に設定すればよい。例えば一群の識別図柄80が「1」〜「9」まであり、特殊図柄12が「4」を表す数字を含むものである場合には、「4」の識別図柄80の位置(特殊図柄12が変動する図柄群のうちの一つとして表示される前に「4」の識別図柄80が表示されていた位置)に特殊図柄12を表示することで、当該「4」の表示を含む特殊図柄12を、識別図柄80の一つのように見せることが可能となる。
上述したように、本実施形態では、対象となる当否判定よりも前の当否判定であって、図柄示唆演出に利用される当否判定は大当たりとなるものがない。それを利用して、各当否判定結果を報知する演出中に、特殊図柄12が加えられて変動する中の識別図柄群の停止図柄が特殊図柄12となるかどうかの演出(以下、中途演出と称することもある)が実行される。具体的には、変動速度を低下させ、特殊図柄12が停止するか否かを煽るような演出が実行される(図5(b)参照)。後述するように、このような中途演出が繰り返されることとなるが、各中途演出において特殊図柄12を停止させるか否かは、予め演出の内容を決定する抽選によって決められている。
本例でいえば、最初の中途演出は、第四特殊図柄124が停止するか否かを示す演出である。当該中途演出において、第四特殊図柄124が停止したとする(以下、特殊図柄12が停止した場合を成功中途演出ということもある)(図5(c)参照)。この場合には、当該第四特殊図柄124が候補図柄30として表示される(図6(a)参照)。候補図柄30は、将来的に示唆図柄20となり得る図柄であるというものである。候補図柄30は、表示領域911の所定位置に表示される。
一方、第四特殊図柄124が停止しなかった場合(以下、特殊図柄12が停止しなかった場合を失敗中途演出ということもある)(図5(d)参照)には、当該第四特殊図柄124は候補図柄30とはならない(図8(a)参照)。したがって、第四特殊図柄124が最終的に示唆図柄20となることはない。
このようにして、次の当否判定結果を報知する演出(識別図柄80の変動)が開始される。次の中途演出も同様に、中の識別図柄80に混じって第三特殊図柄123が変動表示され(図6(a)参照)、当該第三特殊図柄123が停止するか否かを煽る中途演出が実行される(図6(b)参照)。ここで、第三特殊図柄123が停止する成功中途演出となった場合(図6(c)参照)には、第三特殊図柄123が候補図柄30となる(図7(a)参照)。つまり、既に候補図柄30として設定された第四特殊図柄124に置き換わって、第三特殊図柄123が候補図柄30となる。後述するように、最終的に残った候補図柄30が示唆図柄20となるものであるから、より信頼度の高い特殊図柄12が、示唆図柄20となり得る候補図柄30として設定されていく(変化する可能性がある)という、趣向性の高い演出となる。
第三特殊図柄123が停止されない失敗中途演出となった場合(図6(d)参照)には、そのまま第四特殊図柄124が候補図柄30として維持される(図8(b)参照)。
このようにして、この後(図6(c)の後)、第二特殊図柄122が停止するか否かの中途演出、第一特殊図柄121が停止するか否かの中途演出が実行される。なお、最後の中途演出は、対象となる当否判定結果を報知する演出中に実行されるものであるから、中途演出の終了によって当否判定結果を報知する演出が終了するものではない。つまり、中途演出の後、さらに、当否判定結果を報知する演出が継続することとなる。一方、最後の中途演出よりも前の中途演出は、当否判定結果がはずれとなる演出を利用したものであるため、中途演出の終了とともに、当否判定結果の報知が完了するようにしてもよいし、別の演出が実行されるようにしてもよい。また、成功中途演出が発生する場合、特殊図柄12を動かないように完全に停止させる構成としてもよいし、遊技者には停止しているように映るものの、わずかに動いている状態(仮停止)させる構成としてもよい。つまり、特殊図柄12の停止または仮停止の態様は、識別図柄80とともに変動する特殊図柄12が選択されて候補図柄30となった印象を与えるものであればどのようなものであってもよい。
上述したように、成功中途演出の発生によって候補図柄30は置き換わっていく可能性があるものであるため、最後に残る候補図柄30は、最も後半の成功中途演出の対象であった特殊図柄12となる。中途演出は、次第に大当たり信頼度が高まっていく特殊図柄12について実行されるものであるから、遊技者にとってみれば、できるだけ後半の中途演出が成功中途演出となることを願うことになる。
本実施形態では、図柄示唆演出が発生した場合、表示された特殊図柄12のうちのいずれかが必ず示唆図柄20として設定されるように構成されている。したがって、最後の中途演出の一つ前の中途演出まで失敗中途演出が続いた場合には、必ず最後の中途演出は成功中途演出となる。このような設定とすれば、場合によっては、図柄示唆演出の序盤は、失敗中途演出が発生することを願う面白みのある演出とすることが可能である。
ただし、これはあくまで一例である。いずれの特殊図柄12も示唆図柄20とならずに演出が終了することがあってもよい。このような構成としたときには、示唆図柄20が設定されずに図柄示唆演出が終了してしまい、大当たりの可能性がなくなってしまう場合があるということになるから、一連の図柄示唆演出の前半、後半に拘わらず、演出の途中で成功中途演出が発生した場合(特殊図柄12の停止が発生した場合)の方が、失敗中途演出となった場合(特殊図柄12が停止しなかった場合)よりも、遊技者にとって有利な事象が発生したということになる。
また、途中で失敗中途演出が発生した場合は、その前の成功中途演出で表示された候補図柄30が対象となる当否判定結果を報知する演出まで維持されて示唆図柄20となる構成としてもよい。つまり、失敗中途演出が発生した場合には、その後対象となる当否判定結果の演出まで中途演出が発生しないようにしてもよい。
最終的に残った候補図柄30は、示唆図柄20として設定される(図7(b)参照)。上述したように、本実施形態では、その後に実行されるバトル演出の内容を示唆するものとして設定される。つまり、味方キャラクタと対決する敵キャラクタの強さ(敵キャラクタの種類)を示すものとして設定される(図7(c)参照)。星の数は敵キャラクタの強さを示しているため、より後半の中途演出が成功中途演出になればなるほど、対決する敵キャラクタの強さが低い(弱い)こととなる。すなわち、味方キャラクタが勝利するという遊技者にとって望ましい結末になる蓋然性が高いということである。例えば、図7(b)に示すように、最終的に残った候補図柄30が第二特殊図柄122である場合、当該第二特殊図柄122が示唆図柄20として設定される(換言すれば、第一特殊図柄121に対応する中途演出は失敗中途演出となったということである)。その後、図7(c)に示すように、示唆図柄20として設定された第二特殊図柄122に応じた敵キャラクタ(星二つの強さ)とのバトル演出に移行することになる。
なお、示唆図柄20が示唆するものは、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性を示唆するものであればどのようなものであってもよい。本実施形態では、バトル演出に勝利することによって当否判定結果が大当たりとなることが確定するものであるが、このように示唆図柄20によって当否判定結果を直接的に示唆する構成としてもよいし、当否判定結果を間接的に示唆する構成としてもよい。例えば、示唆図柄20によってバトル演出の勝敗を示唆し、バトル演出に勝利した場合には、より大当たり信頼度の高い演出に移行しやすくなる、といった設定としてもよい。この場合には、示唆図柄20が示唆するものは、大当たり信頼度の高い演出に移行しやすいかどうかというものであって、当否判定結果を間接的に示唆するものであるといえる。
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1によれば、保留図柄10として設定された特殊図柄12のいずれかが、対象の当否判定が当たりとなる蓋然性を示唆する示唆図柄20として設定されるという、従来にない面白みのある演出を実行することが可能である。
また、特殊図柄12となったものに対応する各当否判定結果が報知されている際に、当該特殊図柄12が示唆図柄20として設定される可能性があるかどうかを示す中途演出が実行されるものである。つまり、保留図柄10が特殊図柄12となったものに対応する当否判定結果を報知するための演出を、特殊図柄12が示唆図柄20として設定されるかどうかを示す演出としても機能させることが可能である。
また、複数回の成功中途演出が実行される場合には、当該複数回の成功中途演出のうち、最も後半に実行された成功中途演出の対象となった特殊図柄12が、示唆図柄20として設定されるため、一旦ある特殊図柄12が示唆図柄20として設定されたかのようにみせ(示唆図柄20になり得る図柄を候補図柄30として設定し)、その後別の特殊図柄12が示唆図柄20として設定されることがあるという、面白みのある演出とすることが可能である。また、どの特殊図柄12が示唆図柄20として設定されるかという楽しみのある演出とすることが可能となる。
また、複数の保留図柄10が特殊図柄12となるとき、当該各特殊図柄12が示唆図柄20として設定された場合における当該示唆図柄20が示唆する当否判定が当たりとなる蓋然性(大当たり信頼度)は、後に当否判定結果の報知が完了するものであるほど高くなるように設定されているため、特殊図柄12が示唆図柄20として設定されるかどうかの一連の演出は、その一連の演出における後半であればあるほど、遊技者にとって喜ばしい特殊図柄12を用いたものとなり、次第に期待感が高まっていく面白みのある演出とすること可能である。特に、本実施形態では、最も後半に実行された成功中途演出の対象となった特殊図柄12が示唆図柄20として設定される構成であるため、一旦示唆図柄20として設定されたかのようにみえる図柄(候補図柄30)が、より当否判定が当たりとなる蓋然性が高い別の図柄に変化する可能性があることとなるため、演出の趣向性をさらに向上させることが可能である。
また、中途演出は、対応する特殊図柄12が当否判定結果を報知する識別図柄80とともに変動表示され、当該識別図柄80および特殊図柄を含む図柄群から選択されて停止または仮停止した図柄が特殊図柄12である場合に、当該特殊図柄12が示唆図柄20となる可能性があることを示すものである。識別図柄80は、当否判定結果を示すものであるため、遊技者はどのような図柄が停止するかに注目する。したがって、当否判定結果を報知する識別図柄80とともに特殊図柄12が変動する演出態様とすれば、識別図柄80とともに変動する特殊図柄12に対する遊技者の興味をより高くすることが可能である。また、識別図柄80が停止するように見せかけて、特殊図柄12が停止するという、遊技者に対して驚きを与える演出とすることが可能である。
なお、本実施形態では、対象となる当否判定結果を報知する演出までの保留図柄10を特殊図柄12にして、変動毎の中途演出として識別図柄80のいずれかを停止させるか特殊図柄12を停止させるか(候補図柄30とするか)の演出を行っているが、中途演出として、識別図柄80に加えて複数種の特殊図柄12が変動するものとした上で、当該複数種の特殊図柄12のいずれが停止するかを示すような演出が発生する可能性があるようにしてもよい。例えば、最初の中途演出において第四特殊図柄124が停止した場合、次の中途演出は第四特殊図柄124が停止するか、第三特殊図柄123が停止するかの演出となり、さらに次の中途演出では、二回目の中途演出において停止した特殊図柄12が停止するか、第二特殊図柄122が停止するかの演出となり、さらに次の中途演出では、三回目の中途演出において停止した特殊図柄12が停止するか、第一特殊図柄121が停止するかの演出となる・・・といったように、複数種の特殊図柄12のうちのいずれかが停止する可能性がある演出としてもよい。
また、本実施形態では、対象となる当否判定結果を報知する変動まで候補図柄30を順次変動表示とは別に表示しているが、対象となる当否判定結果を報知する変動が開始するまで候補図柄30を表示しないで、対象となる当否判定結果を報知する変動が開始する場合に中途演出を経由した結果に基づいて示唆図柄20として最終的に表示するように構成してもよい。
また、特殊図柄12および示唆図柄20は、対象となる当否判定結果を報知する演出(本実施形態でいうバトル演出)の内容を示唆するものであるため、示唆図柄20と対象となる当否判定結果を報知する演出とがリンクする面白みのある演出とすることが可能である。
以下、このように構成される本実施形態にかかる遊技機1をより具体的に説明した具体例(変形例)について説明する。
・図柄示唆演出の内容の決定
図柄示唆演出の内容を決定するための抽選(図柄示唆演出の内容を決定するための手法)は、例えば次のようにすることができる。第一抽選態様としては、最終的に設定される示唆図柄20の種類のみが大当たり信頼度に関与するものとすることが例示できる(一連の図柄示唆演出において大当たり信頼度を示唆するものが示唆図柄20のみということであって、その他の演出による大当たり信頼度の示唆がなされてもよい)。つまり、図柄示唆演出を経て当否判定結果が報知される対象となる当否判定が大当たりとなるかどうかを踏まえ、示唆図柄20として設定される特殊図柄12を抽選により決定する。当否判定結果が大当たりとなる場合の方が、はずれである場合よりも、より大当たり信頼度の高い示唆図柄20が設定される抽選態様となる。それ以外の図柄示唆演出の内容については、対象となる当否判定が大当たりであるか否かに関係がない抽選態様とする。具体的には、最終的に示唆図柄20として設定される特殊図柄12を決定する以外、例えば、演出の途中段階において、どの特殊図柄12を候補図柄30とするか(成功中途演出が何回発生するか(候補図柄30の置き換わりが何回発生するか))等の内容を決める抽選は、当否判定が大当たりか否かとは関係のない抽選態様(例えば入賞時に抽選)とする。このように、一連の図柄示唆演出において、最終的に設定される示唆図柄20のみが大当たり信頼度に関与するものとすれば、演出の途中経過は当否判定結果に関係なく決定することができるため、例えば図柄示唆演出に利用することができる保留図柄10が少ない場合であっても、図柄示唆演出を実行することができる(図柄示唆演出の発生頻度の低下を抑制することができる)といった利点がある。
これに対し、第二抽選態様として、最終的に設定される示唆図柄20の種類だけでなく、その演出の途中経過も大当たり信頼度に関与するものとすることが例示できる。本抽選態様では、図柄示唆演出を経て当否判定結果が報知される対象となる当否判定が大当たりとなるかどうかを踏まえ、示唆図柄20として設定される特殊図柄12を抽選により決定する。これとともに、演出の途中段階において、どの特殊図柄12を候補図柄30とするか(成功中途演出が何回発生するか(候補図柄30の置き換わりが何回発生するか))等の内容を、対象となる当否判定が大当たりとなるかどうかを踏まえて決定する。例えば、対象となる当否判定が大当たりである場合の方が、はずれである場合よりも、成功中途演出の発生する回数が多くなるように設定する。かかる設定とすれば、最終的に設定される示唆図柄20が同じである場合であっても、成功中途演出の発生する回数によって大当たり信頼度が異なることとなる。このように、最終的に設定する示唆図柄20だけでなく、演出の途中経過もが、大当たり信頼度に関与する面白みのある演出とすることが可能である。
大当たり信頼度に関与させることができる内容としては種々例示できる。上述したように、成功中途演出の発生する回数が多ければ多いほど、大当たり信頼度が高くなるように設定することができる。また、これとは逆に、成功中途演出の発生する回数が多ければ多いほど、大当たり信頼度が低くなるように設定することができる。また、候補図柄30として設定された特殊図柄12が、示唆図柄20として設定された場合に大当たり信頼度が高くなるものであればあるほど、大当たり信頼度が高くなるように設定することができる。例えば、成功中途演出の発生回数が同じ一回である場合であって、かつ最終的に設定された示唆図柄20が全く同じ場合であっても、演出の途中で設定された候補図柄30の内容によって、大当たり信頼度が異なるものとすることができる。また、図柄示唆演出の開始時における特殊図柄12の数が、大当たり信頼度に関与するものとすることもできる。
・図柄示唆演出に利用する保留図柄の決定
上記実施形態では、対象となる当否判定およびそれよりも前に当否判定結果の報知が完了するものに対応する保留図柄10の全部が特殊図柄12のいずれかに設定されることを説明したが、保留図柄10の一部が特殊図柄12に設定されることがある構成としてもよい。例えば、対象となる当否判定に対応する保留図柄10については、特殊図柄12が設定されない(通常図柄11のままとする)構成とすることができる。また、対象となる当否判定よりも前に当否判定結果の報知が完了するものに対応する保留図柄10の一部が、特殊図柄12とならない(通常図柄11のままとなる)ことがある構成とすることができる。
また、いずれの保留図柄10を特殊図柄12にするかを決定するに際し、対象となる当否判定よりも前に当否判定結果の報知が完了するものに対応づけられた当否判定に関する情報を参照し、その一部に特定情報(特殊図柄12以外の先読み演出)が対応づけられている場合には、当該特定情報が対応づけられた保留図柄10を利用せずに図柄示唆演出を実行する構成とすることもできる。つまり、当該特定情報に対応づけられた保留図柄10よりも後に当否判定結果の報知が完了するものに対応する保留図柄10の少なくとも一部が、複数種の特殊図柄12のいずれかに設定される。
特定情報が対応づけられたものとしては、例えば保留図柄10が通常図柄11とは異なる態様となる保留変化演出が発生したものが例示できる(以下、当該通常図柄11とは異なる態様の保留図柄10であって、いわゆる保留変化演出に用いられるもの特定図柄13と称する。特定図柄13の種類は一つであってもよいし、複数であってもよい)。なお、ここでいう保留変化が発生するものとは、既に保留変化が発生して特定図柄13が表示されているものだけでなく、ある時点において保留図柄10として通常図柄11が表示されている状態であっても、将来的に当該通常図柄11が特定図柄13とされる保留変化が発生する予定があるものも含まれる。このように、保留図柄10の態様が通常図柄11とは異なる特定図柄13となるいわゆる保留変化演出が発生した場合、または発生する予定がある場合には、特定図柄13となった保留図柄10または特定図柄13となる予定の保留図柄10よりも後の保留図柄10の少なくとも一部を利用して図柄示唆演出を実行することができる。例えば、図10に示すように、当否判定結果の報知が開始される順で二つ目の保留が特定図柄13である場合(図10(a)参照)、新たな保留(四つ目の保留)が発生し、当該保留に対して図柄示唆演出を実行することが決定された場合、三つ目の保留と四つ目の保留を利用して図柄示唆演出を実行する(図10(b)参照)。この場合、図柄示唆演出は、特定図柄13となったものに対応する当否判定結果の報知が完了した後、開始されることになる(図10(c)参照)。このような構成とすれば、保留変化演出の発生(発生する予定)が、図柄示唆演出を実行することの妨げとなるのを抑制することが可能である(保留変化演出が実行されていないことが、図柄示唆演出を実行するために必要な条件ではない)。つまり、保留変化演出と図柄示唆演出の両方を実行可能とした場合において、図柄示唆演出の発生頻度が低下してしまうのを抑制することが可能である。
また、特定情報が対応づけられたものとしては、上記保留変化に関するもの以外にも種々例示できる。例えば、当否判定結果を報知する演出が、いわゆるリーチ演出(いわゆるスーパーリーチ演出を含む)となるものを特定情報が対応づけられたものと判断し、それ以降の保留図柄10を利用して図柄示唆演出が発生する可能性があるものとすることができる。なお、リーチ演出とは、例えば、識別図柄80の一部(例えば、三つの識別図柄80のうちの二つ)が停止した状態において、大当たりとなる可能性が残っているもののことをいう。このようなリーチ演出は、リーチ演出が発生しない場合(いわゆるどはずれ演出となる場合)と比較して当否判定結果を報知する演出が長くなることがあるため、それを利用した図柄示唆演出が発生しないようにする。そして、それ以降の保留図柄10を利用した図柄示唆演出の発生の可能性は否定しない構成とすることで、図柄示唆演出の発生頻度の低下を抑制すればよい。
本実施形態では図柄示唆演出が発生する場合、対象となる当否判定結果を報知する変動まで図柄が揃わないように特殊図柄12が混じって変動する図柄群(本実施形態では中の図柄群)以外の図柄群を構成する識別図柄80を異なる態様としている。このように構成することで、仮に特殊図柄12が数字を含む態様である場合において、大当たりとなる組み合わせが発生したしたかのように見せないようにすることが可能となる。対象となる当否判定結果がはずれとなる場合も同様の制御を行うように構成されている。ただし、当否判定結果が当たりである場合には、特殊図柄12が含む数字と識別図柄80とを組み合わせることで、当たりを報知する構成としてもよい。なお、このような構成としなくても、特殊図柄12が含む数字が、各識別図柄80の数字と異なるものとなるように設定することで、大当たりとなる組み合わせが発生したしたかのように見えてしまう事態が生じてしまうのを防止することが可能である。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態(およびその具体例等)に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態にかかる遊技機1は、保留図柄10が各種演出を実行するメインの表示装置91に表示されるものであるが、メインの表示装置91とは別のサブの表示装置に保留図柄が表示されるものについても、同様の技術思想が適用可能である。例えば、サブの表示装置に表示された特殊図柄12が、メインの表示装置91に移動したかのような表示がなされて、識別図柄80とともに変動する中途演出が実行される構成とすることができる。
また、上記実施形態では、図柄示唆演出において特殊図柄12が識別図柄80とともに変動することを説明したが、通常図柄11が識別図柄80とともに変動することがあってもよい。つまり、識別図柄80とともに変動する保留図柄10の態様はどのようなものであってもよい。また、図柄示唆演出以外の演出において、保留図柄10が識別図柄80とともに変動することがあってもよい。この場合、保留図柄10が通常図柄11以外の態様(特殊な態様)となった場合に限り、識別図柄80とともに変動する構成としてもよい。
また、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるぱちんこ遊技機であるが、上記図柄示唆演出をスロットマシン等、他の遊技機の演出として適用することも可能である。例えば、スロットマシンの当否判定結果を報知する演出の一つとして、ぱちんこ遊技機の当否判定結果を報知する演出であるかのような演出(ぱちんこ演出)を実行可能なものが知られているが、このような演出として、スロットマシン等の他の遊技機に上記図柄示唆演出を適用することも可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1にかかる遊技機は、当否判定に関する情報を複数記憶することが可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記当否判定に関する情報のそれぞれに対応づけられた保留図柄を表示する表示手段と、前記保留図柄の少なくとも一つが、前記当否判定結果を報知する識別図柄とともに変動表示される図柄となる演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
手段1にかかる遊技機によれば、保留図柄が当否判定結果を報知する識別図柄とともに変動する図柄に変化する可能性があるという、従来にない面白みのある演出を実行することが可能である。
手段2にかかる遊技機は、手段1に記載の遊技機において、前記保留図柄が、通常態様とは異なる特殊態様となった場合に、前記識別図柄とともに変動表示される図柄となる可能性があることを特徴とする。
手段2にかかる遊技機のような構成とすれば、保留図柄が特殊態様となること(いわゆる保留変化が発生すること)と、保留図柄が識別図柄とともに変動する図柄となる可能性がリンクする演出とすることが可能である。
手段3にかかる遊技機は、手段1または手段2に記載の遊技機において、前記保留図柄が前記識別図柄と変動表示される図柄となり、当該図柄が選択されて停止または仮停止した場合には、停止しなかった場合よりも、遊技者にとって有利な状況となることを特徴とする。
手段3にかかる遊技機のような構成とすれば、保留図柄であった図柄と、識別図柄の変動の停止を絡めた面白みのある演出とすることが可能である。