本発明を遊技機である回胴式遊技機(以下、スロットマシンという)に適用した一実施形態について、図1〜図43を参照して説明する。
(構成)
図1および図2を参照して、スロットマシン1の構成の概略について説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、メダル(遊技用価値)を用いて遊技を行い、所定の入賞図柄(図柄組合せ)が入賞ラインに揃った場合に、予め定められた枚数のメダルを遊技者への特典として払い出すものであり、以下のように構成される。図1に示すように、筐体3の前面開口が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方には正面板9が配設されるとともに、正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられる。表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する可変表示列を成す回転リール(左・中・右リール13L,13M,13R)が配置されている。
図2に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「7」「BAR」「Bell」「チェリー」「スイカ」「R1」「R2」を含む複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。
また、各リール13L,13M,13Rの各図柄それぞれには、0番から20番までのコマ番号が順に付され、例えばコマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成されている。ここで、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に可変表示される。
各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて3個ずつで合計9個の図柄が表示窓11から覗くように設定されている。具体的には1つのリールにつき上段、中段および下段に各1個の3個ずつ、3つのリール13L,13M,13Rで合計9個が表示窓11を通して表示される。すなわち、すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示される。なお、中段の横1列(中段ライン)が後述する入賞ラインとなり、この入賞ラインに当選役の図柄が揃うと入賞となる。
また、図3に示すように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結され、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ独立して回転駆動される。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニット(図示省略)によりスロットマシン1の表示手段が構成されている。
図1に戻って、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)当たりの最大投入枚数(この実施形態では、3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転(可変表示)を停止させるべく、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応した左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(停止操作手段)、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、入賞させるのに必要な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(操作態様)を報知したりするための液晶表示器27(演出実行手段)が設けられている。液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられている。液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。
さらに、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果などを報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば3個の7セグメントLEDで構成され、3桁の数字が表示可能になっている。ここで、各桁それぞれを、左から順番に、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rに対応させ、各桁それぞれに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に応じて、数字の”1”、”2”、”3”を表示させると、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番を報知することができる。また、例えば、後述する各役抽選結果(当選役グループ)に識別用の所定の数字を個別に割り当てて説明パネル29等に記載しておき、役抽選の結果に応じて報知用表示器60に所定の数字を表示させると、役抽選の結果を報知することができる。
ところで、図1には図示省略されているが、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が筐体3内の後壁に固定されており、筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43(図3参照)に導くメダルセレクタ48(図3参照)が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図3参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダおよび押しボタン式の設定変更ボタン52(図3参照)、変更処理開始スイッチ56(図3参照)が設けられている。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3〜図29を参照して説明する。
図3に示すように、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48内に投入センサ53が設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。ホッパーユニット43の出口には払出センサ54が設けられており、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出できるようになっている。
また、図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが設けられている。各センサ55L,55M,55Rは、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、各リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。本実施形態では、例えば各位置センサ55L,55M,55Rが突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
図3に示す変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりON、OFFが切り換えられる。また、図3に示すホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、図3に示すように、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61(メイン制御手段)が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63(メインCPU61)から送信される情報に基づき遊技の進行に合わせた演出制御を行うサブCPU71(サブ制御手段)が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。そして、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種のデータが一方向で送信されることにより、メインCPU61で制御している遊技の進行に関する各種の情報(図21参照)がサブCPU71に送信される。
なお、メイン制御基板63は、外部から針金等を差し込んだりするなどして、不正にアクセスすることができないように、基板ケース(図示省略)内に収容された上で、該基板ケースが厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に開放されたことを確実に視認することができるように、周知の様々な対策が講じられている。
また、図3に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであって、図4に示す役抽選結果格納手段651、AT権利数格納手段652、前兆期間遊技数カウンタ653、フラグ格納手段654、AT期間遊技数カウンタ655、ボーナス間遊技数カウンタ656、総投入数カウンタ657、総払出数カウンタ658、総AT遊技数カウンタ659それぞれのデータを格納する記憶領域がRAM65により形成される。また、図3に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図4に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672、モード選択抽選テーブル673、モード移行抽選テーブル674、AT移行抽選テーブル675、ゲーム数AT移行抽選テーブル676、前兆期間テーブル677、状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678(第1選択テーブル)などを含むスロットマシン1用のプログラムを格納する。
さらに、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行に関する制御を行う。また、メインCPU61は、後述する設定値(制御条件)の設定(状態)に基づいて役抽選手段103(図4参照)による役抽選処理にて決定された役抽選結果(制御結果の種類)に関するデータ、遊技者により操作される各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具の操作に関するデータ、設定値の設定状態を示唆する設定値状態示唆演出(状態示唆演出)を決定するためのデータ(情報)などの種々のデータ(図21参照)をコマンド形式でサブ制御基板73に送信する。
また、図3に示すように、サブ制御基板73は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを有するメモリ75を備えている。具体的には、図6に示す、前兆期間格納手段751、ガセ前兆期間遊技数カウンタ752それぞれのデータを格納する記憶領域がメモリ75により形成される。また、図6に示す予め設定されたデータであるガセ前兆期間テーブル753、前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754、ガセ前兆可能性演出シナリオ設定テーブル755、特別役可能性演出シナリオ設定テーブル756(特定選択テーブル)、特別役ガセ可能性演出シナリオ設定テーブル757(特定選択テーブル)、背景演出選択抽選テーブル758、背景演出移行抽選テーブル759、設定値状態示唆演出抽選テーブル760(第2選択テーブル)、役抽選結果示唆演出抽選テーブル761(特定選択テーブル)などを含む演出用の各種プログラムがメモリ75に格納されている。
さらに、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ、例えば後述する設定値状態示唆演出決定用のデータ(状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678に基づく選択結果を特定可能な情報)、後述する役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果(制御結果)、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19、演出用スイッチ(図示省略)等の操作器具が操作されたかに関するデータなどに基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することにより、遊技者に対して供すべき遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブCPU71は、決定した演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63の構成について詳細に説明する。図4および図5に示すように、メイン制御基板63には、ROM67に格納された遊技制御用のプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能が搭載されている。
(1)遊技制御手段100
図4の遊技制御手段100は、スロットマシン1の遊技に関する制御を行い、図7に示すように、通常遊技と、通常遊技よりも小役の当選確率が高く遊技者に有利な遊技である特別遊技(ボーナス遊技:BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))と、特別役(BB、RB)の当選が内部当選として持ち越されているボーナス(特別役)内部当選中の遊技である特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))とを実行するものである。また、図8に示すように、通常遊技には、一般遊技(RT1)と、再遊技役への当選確率が一般遊技よりも高いRT遊技(RT4)とが含まれている。また、遊技制御手段100は、遊技者にとって有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を特定可能に報知するAT遊技(AT1:特殊遊技)を実行する。なお、後述するように、AT遊技(AT1)は、一般遊技(RT1)およびRT遊技(RT4)および特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))のうちのいずれかと組み合わされて実行される。図5に示すように、遊技制御手段100は、操作態様判定手段100a、モード選択抽選手段100b(特殊遊技決定用データ選択手段)、モード移行抽選手段100c、報知抽選手段100d(特殊遊技付与決定手段)、遊技数AT付与手段100e(期間経過時権利付与手段)、AT権利設定手段100f、前兆期間設定手段100g、報知判定手段100h、報知決定手段100i、遊技状態設定手段100jを備えている。
a)操作態様判定手段100a
図5の操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作の有無や長押し等の操作手順の態様を判定し、具体的には、両ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
b)モード選択抽選手段100b
図5のモード選択抽選手段100bは、後述する報知抽選手段100dがAT移行抽選を実行する際に用いるAT移行抽選テーブル675を、AT移行抽選の当選確率が所定確率に設定された低確モード用の図16(b)のAT移行抽選テーブル675(第1データ)と、図16(b)のデータよりも遊技者に有利な高確モード用の図16(c)のAT移行抽選テーブル675(第2データ)とを含む複数種類のデータのうちいずれの種類のデータとするかを、図13(a)〜(c)に示すモード選択抽選テーブル673を用いたモード選択抽選により選択するものである。
上述のように、スロットマシン1には、特定役(当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」:図10、図11参照)に当選した場合に、遊技者にとって有利度の高いストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を報知するAT遊技(AT1)を行うAT(アシストタイム)と称される期間を発生させる機能が搭載されている。また、スロットマシン1は、AT遊技(AT1)を実行するAT期間に移行する権利(AT権利)を付与するか否かを決定するために報知抽選手段100dがAT移行抽選テーブル675を用いて行うAT移行抽選のモードとして、低確モードと、該低確モードよりもAT移行抽選の当選確率(AT当選の確率)が優遇された高確モードとを備えている。
そして、報知抽選手段100dが行うAT移行抽選のモードは、モード選択抽選手段100bがモード選択抽選により図16(b)のAT移行抽選テーブル675を選択したときに低確モードに設定され、モード選択抽選手段100bがモード選択抽選により図16(c)のAT移行抽選テーブル675を選択したときに高確モードに設定される。このとき、モード選択抽選手段100bは、所定の条件を満たしたときにモード選択抽選を実行する。
モード選択抽選手段100bによるモード選択抽選の実行契機である所定の条件は、後述する設定制御手段101(図4参照)により設定変更状態に制御されて設定変更されたという第1条件(単に「設定変更時」と称することもある)と、報知抽選手段100dにより付与されたAT権利に基づくAT遊技(AT1)が終了したという第2条件(単に「AT遊技終了時」称することもある)と、AT遊技(AT1)と異なる遊技であって遊技者に有利な特別遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))が終了したという第3条件(単に「特別遊技終了時」「BB遊技終了時」「RB遊技終了時」と称することもある)とを含んでいる。また、第2条件は、報知抽選手段100dにより付与されたAT権利に基づくAT遊技(AT1)が実行されている有利状態において当該AT権利(付与されたAT権利が複数の場合は全てのAT権利)に基づく回数のAT遊技(AT1)が実行されるという特定終了条件(通常のAT遊技終了条件)が成立することによりAT遊技(AT1)が終了したとき(単に「通常のAT遊技終了時」と称することもある)と、報知抽選手段100dにより付与されたAT権利に基づくAT期間(有利期間)の開始から通常のAT遊技終了条件が成立することなく所定期間(例えば1500ゲーム)経過したことによる経過時終了条件(リミッタ条件)が成立することによりAT遊技(AT1)が終了したとき(単に「リミッタによるAT遊技終了時」と称することもある)とを含んでいる。
そして、モード選択抽選手段100bは、上記した各契機(設定変更時、AT遊技終了時(通常のAT遊技終了時、リミッタによるAT遊技終了時)、特別遊技終了時(BB遊技終了時、RB遊技終了時))において、報知抽選手段100dがAT移行抽選に用いるAT移行抽選テーブル675の種類をモード選択抽選により選択することによって、報知抽選手段100dによるAT移行抽選のモードの初期状態を、低確モードおよび高確モードのうちのいずれか一方に設定する。
次に、モード選択抽選手段100bによるモード選択抽選について具体的に説明する。
図13(a)〜(b)に示すように、上記したモード選択抽選が実行される各契機に応じて、複数種類のモード選択抽選テーブル673(特殊遊技特定データ)が設定されている。そして、モード選択抽選手段100bは、低確モードにおいてBB遊技(BB’)が開始された場合には、BB遊技終了時において図13(a)のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。図13(a)のモード選択抽選テーブル673では、AT移行抽選のモードが高確モードに設定される確率と低確モードに設定される確率とが同じ確率(50%)に設定されている。
また、モード選択抽選手段100bは、AT移行抽選のモードに関係なくRB遊技(RB’)が開始された場合、または、高確モードにおいてBB遊技(BB’)が開始された場合には、RB遊技終了時またはBB遊技終了時において図13(b)のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。図13(b)のモード選択抽選テーブル673では、AT移行抽選のモードが高確モードに設定される確率が100%に設定されており、AT移行抽選のモードが必ず高確モードに設定される。
また、モード選択抽選手段100bは、設定変更時またはAT遊技終了時において図13(c)のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。図13(c)のモード選択抽選テーブル673では、AT移行抽選のモードが高確モードに設定される確率が30%に設定され、低確モードに設定される確率が70%に設定されている。なお、報知抽選手段100dにより付与された複数のAT権利がまだ残っている状態で一のAT権利に基づくAT遊技(AT1)が終了した場合には、モード選択抽選手段100bによるモード選択抽選が行われないため、AT移行抽選のモードは次のAT権利に基づくAT期間に引き継がれる。
このように、設定変更時(第1条件)、および、AT遊技終了時(第2条件)とで、モード選択抽選手段100bは、モード選択抽選テーブル673として図13(c)に示す同一の種類のデータを用いてAT移行抽選のモードを選択する(図45参照)。一方、特別遊技終了時に、モード選択抽選手段100bは、モード選択抽選テーブルとして図13(c)に示すデータとは異なる種類の図13(a),(b)に示すデータを用いてAT移行抽選のモードを選択する(図45参照)。
このようにすると、低確モードで突入したBB遊技(BB’)後は、高確モード状態の可能性を持たせて遊技者の興趣を向上させることができる。また、RB遊技終了時には必ず高確モードに移行させ、BB遊技(BB’)よりも有利度が劣るRB遊技(RB’)の突入で遊技者の意欲が削がれるのを防止できる。また、高確モードで突入したBB遊技(BB’)後は、高確モードを維持することで、BB遊技(BB’)を契機に高確モードから低確モードに落ちることにより遊技者の意欲が削がれるのを防止できる。また、AT遊技終了時は、設定変更時と同じモード選択抽選テーブル673(図13(c))を用いてモード選択抽選を行うことで、AT遊技終了時に有利となって遊技者に過度の期待を煽るのを防止できる。また、モード選択抽選テーブル673は、例えば、設定変更時およびAT遊技終了時において、設定値が「6」の場合には、高確モードが40%、低確モードが60%で選択されるようにするなど、出玉率を調整するための設定値ごとに設けるようにしてもよい。
ところで、図14に示すように、モード選択抽選手段100bが、AT遊技終了時において、通常のAT遊技終了時と、リミッタによるAT遊技終了時とで、異なる種類のデータにより構成されたモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行うようにしてもよい。具体的には、モード選択抽選手段100bは、通常のAT遊技終了時において、高確モードおよび低確モードそれぞれの当選確率が同じ値に設定された図14(c)のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行い、リミッタによるAT遊技終了時において、設定変更時用と同一の種類のデータにより構成される図14(d)に示すモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行うようにしてもよい。なお、図14(a),(b)のモード選択抽選テーブル673は、図13(a),(b)のモード選択抽選テーブル673と同様であるため、その説明は省略する。
モード選択抽選手段100bによるモード選択抽選の契機は、特別(ボーナス)遊技やAT遊技終了後に(AT遊技や特別遊技などの)遊技者に有利な状態に移行せずに、所定のゲーム数が経過したとき(例:特別遊技後に遊技者に有利な状態に移行せずに500ゲーム経過したとき)や、遊技履歴が所定条件を満たしたとき(例:一般遊技(RT1)の際にリプレイ3(図9参照)に連続当選したとき)等を含んでいてもよい。なお、モード選択抽選について複数の実行契機があっても、AT遊技終了時と異なる契機では、設定変更時と異なるモード選択抽選テーブル673を用いることで、遊技状態の起点となる設定変更時とは異なる割合でAT移行抽選のモードが選択されるので、遊技者は、より遊技に興味を持つことができる。
c)モード移行抽選手段100c
図5のモード移行抽選手段100cは、報知抽選手段100dによるAT移行抽選のモードを、低確モードおよび高確モードの一方のモードから他方のモードに移行するか否かを抽選(モード移行抽選)で決定するものである。具体的には、図10の当選役グループ「一枚役13」の項目および図15のモード移行抽選テーブル674に示すように、モード移行抽選手段100cは、AT移行抽選のモードが低確モード状態で、役抽選結果が「一枚役13」に当選である場合、低確モードから高確モードに移行するか否かを抽選で決定する。このときのモード移行抽選テーブル674は、低確モードから高確モードへの当選確率が50%に設定されており、当選した場合は、AT移行抽選にかかるモードが低確モードから高確モードに移行する。
また、AT移行抽選のモードが高確モードの場合、モード移行抽選手段100cは、毎遊技で低確モードへの移行抽選(転落抽選)を行う。このとき、転落確率(移行抽選の当選確率)が5%に設定されたモード移行抽選テーブル674を使用し、転落抽選に当選すると、AT移行抽選のモードが高確モードから低確モードに移行する。なお、AT移行抽選のモードについては、後述するコマンド作成手段104により、現在のモードを特定可能なコマンドが作成される。作成されたコマンドは、メインCPU61により実行されるタイマ割込処理(図31参照)において後述するサブ制御コマンド送信手段110によりサブ制御基板73に送信される。
d)報知抽選手段100d
図5の報知抽選手段100dは、後述する役抽選手段103の役抽選結果が特定役(当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」:図10、図11参照)の当選であったときに、遊技者に有利なストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順が報知されるAT遊技(AT1)の権利付与を、図16のAT移行抽選テーブル675(特殊遊技決定用データ)を用いて決定するものである。例えば、図10の当選役グループ「右ベル」の項目に示すように、役抽選結果が当選役グループ「右ベル」の当選となった場合であっても、その旨を知ることができなければ、遊技者は右ストップスイッチ21Rを最初に操作するとは限らず、払出枚数(10枚)が多く遊技者に有利な「中段ベル」を必ずしも揃えることができない。一方、AT遊技(AT1)で、役抽選結果が当選役グループ「右ベル」の当選の場合はその旨を報知し、右ストップスイッチ21Rを最初に操作するよう促すことで、遊技者が払い出しを受ける機会を増やすことができる。
また、図11の当選役グループ「リプレイC」の項目に示すように、例えば役抽選結果が「リプレイC」となった場合であっても、その旨を知ることができなければ、遊技者は右ストップスイッチ21Rを最初に操作するとは限らず、RT遊技(RT4)への移行条件(RT4移行条件)である「リプレイ9」〜「リプレイ20」を必ずしも揃えることができない。一方、AT遊技(AT1)で、役抽選結果が当選役グループ「リプレイC」の当選の場合はその旨を報知し、右ストップスイッチ21Rを最初に操作するよう促すことで、遊技者に有利なRT遊技(RT4)に移行する機会を増やすことができる。
報知抽選手段100dは、図10の当選役グループ「中段チェリー」および「スイカ」のいずれかに当選したことを条件にAT移行抽選を行う。このときに用いられるAT移行抽選テーブル675は、図16(a)〜(c)に示すように、当選役グループの種類および当選時のAT移行抽選のモード(高確または低確モード)の種類に応じて複数種類設けられている。ここで、各AT移行抽選テーブル675は、AT権利数「0」〜「3」「5」それぞれに対して当選確率が設定されており、例えば、AT権利数「3」に当選した場合は、一度のAT移行抽選で3つのAT権利を獲得したことを意味する。なお、この実施形態では、AT遊技の継続期間(AT期間)について、1セットが50ゲームで規定されており、例えば、AT権利数「3」に当選した場合は、3セット分である150ゲームがAT期間(有利期間)として獲得できたことになる。
具体的に説明すると、図16(a)に示すように、「中段チェリー」に当選したときのAT移行抽選テーブル675では、AT権利数が0個に決定される当選確率が0%に設定されているため、必ず当選(AT当選)する。また、図16(b),(c)に示すように、「スイカ」に当選したときのAT移行抽選テーブル675では、AT権利数が0個に決定されてハズレとなる場合がある。また、高確モードで「スイカ」に当選したときに使用される図16(c)のAT移行抽選テーブル675(第2データ)では、低確モードで「スイカ」に当選したときに使用される図16(b)のAT移行抽選テーブル675(第1データ)と比較して、ハズレ(AT権利数「0」)となる確率が低く設定されるとともに、高AT権利数への当選確率が高く設定されている。なお、AT移行抽選テーブル675において設定されるAT権利数は、図16(a)〜(c)に示した個数に限定されるものではなく、スロットマシン1の設計に応じて、適宜、最適な個数のAT権利数が設定されるようにすればよい。
e)遊技数AT付与手段100e
スロットマシン1では、一般遊技(RT1)からAT遊技(AT1)への移行ルートとして(図8参照)、上述の報知抽選手段100dによるAT移行抽選に当選してAT遊技(AT1)に移行するルートと、特別役に当選しておらずボーナス遊技(特別遊技:BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))が行われていない状態での所定のゲーム数の消化時に行われるゲーム数AT移行抽選に当選してAT遊技(AT1)に移行するルートとが設定されており、図5の遊技数AT付与手段100eは、後者のルートであるゲーム数AT移行抽選を行うものである。遊技数AT付与手段100eは、特別役に当選しておらずボーナス遊技が行われていない状態での遊技(ゲーム)の消化数を、ボーナス間遊技数カウンタ656(図4参照)を用いてカウントする。そして、遊技数AT付与手段100eは、BB遊技(BB’)またはRB遊技(RB’)が行われていない期間(特別役に当選していない期間)が特定期間(この実施形態では、1500ゲーム)になった場合に、必ずAT権利を付与(当選確率100%:図17(c)参照)する第1パターンと、特定期間よりも短い特殊期間になった場合に、AT権利を付与するか否かをゲーム数AT移行抽選テーブル676を用いたゲーム数AT移行抽選で決定する第2パターンとを有する。
ゲーム数AT移行抽選テーブル676には、ボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))およびAT遊技(AT1)が行われていない状態での遊技の消化数(ボーナス間遊技数カウンタ656のカウント値)が、特殊期間である200ゲーム、500ゲーム、1000ゲーム、1100ゲーム以降の100ゲーム毎のそれぞれとなったときにゲーム数AT移行抽選を行うように設定された第1ゲーム数AT移行抽選テーブル676(図17(a):特殊期間特殊遊技決定用データ)と、ボーナス間遊技数カウンタ656のカウント値が、特殊期間である100ゲーム、200ゲーム、300ゲーム以降の100ゲーム毎のそれぞれとなったときにゲーム数AT移行抽選を行うように設定された第2ゲーム数AT移行抽選テーブル676(図17(b):特殊期間特殊遊技決定用データ)と、ボーナス間遊技数カウンタ656のカウント値が、特定期間である1500ゲームとなったときにゲーム数AT移行抽選を行う特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676(図17(c))の3種類がある。図17(a),(b)の第1、第2ゲーム数AT移行抽選テーブル676では、各抽選契機で5%〜50%の当選確率が設定されており、ゲーム数AT移行抽選に非当選の場合があるのに対して、図17(c)の特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676では、当選確率が100%に設定されており、必ずAT遊技(AT1)に移行するように構成されている。
このゲーム数AT移行抽選については、まず、設定変更時に、第1および特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676が設定される。つまり、設定変更が行われてから初めてボーナスに当選するまでのゲーム数(ボーナス間遊技数カウンタ656のカウント値)が、200、500、1000、1100、1200、1300、1400ゲームのときにゲーム数AT移行抽選が行われる。そして、これらのゲーム数のいずれの抽選にも当選せず、かつ、その間に特別役にも当選せずボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))が行われていない状態で1500ゲームに到達した場合、遊技数AT付与手段100eは、特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676を用いてゲーム数AT移行抽選を行う。そのため、1500ゲームを消化したときは必ずAT遊技(AT1)に移行する。次に、1500ゲーム消化で得られたAT遊技(AT1)が終了すると、第1および特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676が再設定される。このとき、第1および特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676のそれぞれを用いたゲーム数AT移行抽選を行うためのボーナス間遊技数カウンタ656の遊技数の両方のカウント値が初期化される。
一方、200〜1400ゲーム間の各ゲーム数AT移行抽選のいずれかに当選し、その当選にかかるAT遊技(AT1)が終了すると、第1および特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676が再設定される。このとき、第1ゲーム数AT移行抽選テーブル676を用いてゲーム数AT移行抽選を行うためのボーナス間遊技数カウンタ656による遊技数のカウントは初期化されるが、特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676を用いてゲーム数AT移行抽選を行うためのボーナス間遊技数カウンタ656による遊技数のカウントは初期化されずに継続して計数される。すなわち、ボーナス遊技間が1500ゲームの間に、ゲーム数AT移行抽選に当選しても、その後も特別役に当選せずにボーナス遊技が行われない状態で1500ゲームになったときには、再度AT権利が付与されることになる。なお、ゲーム数AT移行抽選に当選した場合は、後述する前兆期間が設定され、非当選の場合は、ガセ前兆期間が設定されるようにしてもよい。
また、報知抽選手段100dによりAT移行抽選に当選したことによるAT遊技(AT1)についても、当該AT遊技終了時に、第1および特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676が再設定される。このとき、第1ゲーム数AT移行抽選テーブル676を用いてゲーム数AT移行抽選を行うためのボーナス間遊技数カウンタ656による遊技数のカウントは初期化されるが、特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676を用いてゲーム数AT移行抽選を行うためのボーナス間遊技数カウンタ656による遊技数のカウントは初期化されずに継続して計数される。
また、特別役に当選してボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))が行われた場合は、当該ボーナス遊技後に第1、第2ゲーム数AT移行抽選テーブル676のいずれか一方と、特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676とが再設定される。このとき、第1、第2ゲーム数AT移行抽選テーブル676のいずれを再設定するかは抽選で決定される(この実施形態では、それぞれ50%の振分)。このとき、再設定される第1または第2ゲーム数AT移行抽選テーブル676、および、特殊ゲーム数AT移行抽選テーブル676のそれぞれを用いてゲーム数AT移行抽選を行うためのボーナス間遊技数カウンタ656による遊技数のカウントは、いずれも初期化される。これ以降も同様に、ボーナス遊技またはAT遊技が終了する毎に、ゲーム数AT移行抽選テーブル676の再設定が行われる。
なお、ゲーム数の消化でAT遊技(AT1)に移行させる構成については、適宜、変更することができる。例えば、図18(c)に示すように、設定変更時、ボーナス遊技の終了またはAT遊技(AT1)の終了から100ゲーム以内にAT遊技(AT1)に移行する確率が10%、800ゲーム以内にAT遊技(AT1)に移行する確率が50%、1000ゲーム以内にAT遊技(AT1)に移行する確率が40%に設定された「通常モード」、100ゲーム以内に必ずAT遊技(AT1)に移行する「天国モード」、100ゲーム以内にAT遊技(AT1)に移行する確率が10%、800ゲーム以内にAT遊技(AT1)に移行する確率が90%に設定された「リセットモード」の3つのゲーム数モードを設け、各契機でこれらのいずれかを選択するようにしてもよい。
このとき、例えば、設定変更時およびAT遊技終了時には、「通常モード」が30%、「天国モード」が30%、「リセットモード」が40%の確率で選択される共通のゲーム数モード選択抽選テーブル(図18(a)参照)を使用してゲーム数モードを決定する。また、ボーナス遊技の終了時には、「通常モード」が50%、「天国モード」が50%の確率で選択されるゲーム数モード選択抽選テーブル(図18(b)参照)を使用してゲーム数モードを決定することができる。
なお、ボーナス間遊技数カウンタ656により、特別遊技が行われていない状態におけるゲームの消化数をカウントするようにしてもよいし、特別役に当選していない状態におけるゲームの消化数をカウントするようにしてもよいし、特別遊技が終了してから特別役に当選するまでの遊技の消化数をカウントするようにしてもよい。
f)AT権利設定手段100f
図5のAT権利設定手段100fは、報知抽選手段100dが1個〜3個または5個のAT権利数の当選を決定した場合に、当該決定されたAT権利数を、AT権利数格納手段652に格納するAT権利数として設定するものである。また、AT権利設定手段100fは、遊技数AT付与手段100eがゲーム数AT移行抽選に当選した場合に、1個のAT権利数を、AT権利数格納手段652に格納する。
なお、「中段チェリー」「スイカ」に当選したときは、遊技状態に関係なく報知抽選手段100dによりAT移行抽選が行われるが、AT移行抽選に当選したときに既にAT権利数格納手段652にAT権利数が記憶されている場合がある。このような場合、AT権利設定手段100fは、新たに決定されたAT権利数を、すでに記憶されているAT権利数に上乗せしてAT権利数格納手段652に設定する。
g)前兆期間設定手段100g
図5の前兆期間設定手段100gは、報知抽選手段100dによるAT移行抽選に当選したときから、AT遊技(AT1)(報知可能状態(AT期間))に制御するまでの前兆期間を前兆期間設定抽選により設定するものである。具体的には、前兆期間設定手段100gは、ボーナス内部当選中でない場合に「中段チェリー」に当選(チェリー当選)時のAT移行抽選に当選(AT当選)してAT権利数が設定されたときは、図19(a)に示す前兆期間テーブル677を使用して前兆期間設定抽選を行う。このとき、前兆期間設定手段100gは、前兆期間テーブル677で設定された各前兆期間(1ゲーム、4ゲーム、5ゲーム)の当選確率に基づいて、各前兆期間のうちの1つを決定し、決定した前兆期間を前兆期間遊技数カウンタ653に設定する。
また、前兆期間設定手段100gは、ボーナス内部当選中でない場合に「スイカ」に当選(スイカ当選)したときのAT移行抽選に当選したときは、図19(b)に示す前兆期間テーブル677を使用して前兆期間設定抽選を行う。このとき、前兆期間設定手段100gは、前兆期間テーブル677で設定された各前兆期間(1ゲーム、4ゲーム、5ゲーム、23〜32ゲーム)の当選確率に基づいて、各前兆期間のうちの1つを決定し、決定した前兆期間を前兆期間遊技数カウンタ653に設定する。また、前兆期間設定手段100gは、ボーナス内部当選中である場合の「中段チェリー」「スイカ」当選時のAT移行抽選に当選したときは、図19(c)に示す前兆期間テーブル677を使用して前兆期間設定抽選を行う。このとき、前兆期間設定手段100gは、前兆期間テーブル677で設定された前兆期間(1ゲーム、4ゲーム、5ゲーム)の当選確率に基づいて、各前兆期間のうちの1つを決定し、決定した前兆期間を前兆期間遊技数カウンタ653に設定する。
また、前兆期間設定手段100gは、1ゲームが消化される毎に前兆期間遊技数カウンタ653に設定した前兆期間の値を−1減算し、前兆期間中(前兆期間遊技数カウンタ653の値が0でないとき)に特別役に入賞(ボーナス入賞)したときは、前兆期間遊技数カウンタ653の値をクリアして0に初期化する。
また、前兆期間遊技数カウンタ653は、RAM65の不揮発性の記憶領域に形成されており、電源が遮断される(電断)の際は、カウント中の前兆期間の値が消去されずに、残りの前兆期間を特定する情報を記憶してバックアップする。また、前兆期間設定手段100gは、前兆期間遊技数カウンタ653に前兆期間を特定する情報がバックアップされていれば、電源投入で前兆期間に復帰させると判定し、前兆期間遊技数カウンタ653に格納されたカウント値をクリア(初期化)せずに、当該バックアップされた情報(カウント値)により特定される前兆期間に復帰させる。
なお、前兆期間設定手段100gは、ボーナス内部当選中にAT移行抽選に当選したときは、ボーナス内部当選でないときよりも基本的に前兆期間を短く設定する。すなわち、図19(c)に示すように、ボーナス内部当選中にAT当選した場合には、前兆期間が1ゲームに設定される割合が最も大きく設定される。また、ボーナス内部当選中の前兆期間設定抽選に使用される図19(c)に示す前兆期間テーブル677では、非ボーナス内部当選中のスイカ当選(図19(b)参照)の場合に選択される可能性がある23〜32ゲームの前兆期間が設定されない。そのため、ボーナス内部当選中にAT移行抽選に当選したときは、23〜32ゲームの前兆期間は選択されることがなく、最大でも5ゲーム以下の前兆期間の後にAT遊技(AT期間)に移行して遊技者にとって有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順が報知されるようになっている。なお、前兆期間設定抽選により設定される前兆期間は、図19(a)〜(c)の前兆期間テーブル677に設定された期間(ゲーム数)に限定されるものではなく、スロットマシン1の設計に応じて、適宜、最適な期間の前兆期間が設定されるようにすればよい。
また、後述するように、前兆期間が設定されると、図6に示すサブ制御基板73の演出内容決定手段202により、前兆期間の長さ(ゲーム数)に応じた前兆可能性演出のシナリオが設定されて、前兆可能性演出が行われる。なお、遊技の進行を遅延させ、遅延中にメイン制御基板63の機能により制御される各リール13L,13M,13Rを変動表示させる演出(リール演出)により、前兆可能性演出が行われるようにしてもよい。
h)報知判定手段100h
図5の報知判定手段100hは、遊技状態をAT遊技(AT1:報知可能状態)に実際に移行するAT1移行条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、AT1移行条件として、
i)特別遊技(ボーナス遊技)が実行されていないときに「中段チェリー」に当選しAT権利数格納手段652にAT権利数が最初に格納され、設定された前兆期間後の遊技、
ii)ボーナス遊技(特別遊技:BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))が実行されていないときに「スイカ」に当選したときのAT移行抽選に当選し、AT権利数格納手段652にAT権利数が最初に格納され、設定された前兆期間後の遊技、
iii)ボーナス遊技(特別遊技:BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))が終了したときに、AT権利数格納手段652に記憶されたAT権利が残っているとき、
iv)1個のAT権利に基づいて設定されるAT期間(50ゲーム)が終了したときに、AT権利数格納手段652に記憶されたAT権利が残っているとき、
v)ボーナス遊技が終了したときに、AT期間遊技数カウンタ655にボーナス遊技を実行する前のAT期間のカウント値が記憶されて残っているとき、
vi)遊技数AT付与手段100eによるゲーム数AT移行抽選に当選しAT権利数格納手段652にAT権利数が格納された遊技の次の遊技、
が設定されている。
また、報知判定手段100hは、AT遊技(AT1)を終了するAT1終了条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、AT1終了条件として、
i)所定数(50ゲーム)のART遊技(一般AT遊技も含んでもよい)を消化した(AT期間遊技数カウンタ655のカウント値が0となった)ときに、AT権利数格納手段652に記憶された全てのAT権利が消化されているとき、
ii)AT遊技(AT1)中に特別役に入賞したとき、
iii)リミッタ条件(総AT遊技数カウンタ659を用いて計数したAT遊技の消化数が1500ゲームとなったとき)を満たしたとき、
が設定されている。
i)報知決定手段100i
図5の報知決定手段100iは、報知判定手段100hによりAT1移行条件が成立したと判定されたときに、AT遊技(AT1)に移行すると決定し、フラグ格納手段654に格納されるAT期間中フラグの状態をONに設定するものである。これにより、遊技状態が後述する遊技状態設定手段100jによりAT遊技(AT1:報知可能状態)に制御される。このとき、報知決定手段100iは、上記したAT1移行条件i)〜iv)、vi)が成立したとき、すなわち、AT期間遊技数カウンタ655の値が0でありAT期間が設定されていないときは、1個のAT権利に予め設定されているAT期間のゲーム数(例えば50ゲーム)をAT期間遊技数カウンタ655に設定すると共に、AT権利数格納手段652に記憶されているAT権利数を−1減算する。
また、報知決定手段100iは、上記したAT1移行条件v)が成立したとき、すなわち、AT期間遊技数カウンタ655にボーナス遊技を実行する前のAT期間のカウント値が記憶されて残っているときは、AT期間遊技数カウンタ655に格納されたカウント値をクリアせず、当該格納された情報(カウント値)により特定されるゲーム数をAT期間として設定する。なお、報知判定手段100hは、ART遊技(一般AT遊技も含んでもよい)で1ゲームが消化される毎にAT期間遊技数カウンタ655に設定されたAT期間の値を−1減算すると共に、総AT遊技数カウンタ659の値を更新する。
また、報知決定手段100iは、報知判定手段100hによりAT1終了条件が成立したと判定されたときに、AT遊技(AT1:報知可能状態)を終了すると決定し、フラグ格納手段654に格納されるAT期間中フラグの状態をOFFに設定する。これにより、後述する遊技状態設定手段100jがAT遊技(AT1)を終了させる。なお、報知決定手段100iは、上記したAT1終了条件ii)が成立したとき、すなわち、AT期間中(AT期間遊技数カウンタ655の値が0でないとき)に特別役に入賞(ボーナス入賞)したときは、AT期間遊技数カウンタ655に現在のカウント値を残りのAT期間として記憶させる。また、報知決定手段100iは、上記したAT1終了条件iii)が成立したときに、AT権利数格納手段652またはAT期間遊技数カウンタ655の値が0でない場合であっても、AT権利数格納手段652およびAT期間遊技数カウンタ655の値をクリアする。
なお、例えばフラグ格納手段654の記憶領域を形成するRAM65の1バイトのメモリ領域の各ビットのうちのいずれかをAT期間中フラグに割り当てて、当該ビットのON、OFFを設定することにより、AT期間中フラグの状態をフラグ格納手段654に格納することができる。
j)遊技状態設定手段100j
図5の遊技状態設定手段100jは、後述する役抽選手段103による役抽選処理の結果や、表示窓11に表示された各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様の図柄判定手段107による判定結果などに基づいて、遊技者にとって有利度の異なる複数種類の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定して制御するものである。
具体的には、図7に示すように、通常遊技において、所定の特別役(BB、RB:図9参照)に当選し、当該特別役に入賞(入賞ライン上に「7−7−7」が揃えばBB入賞、入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」が揃えばRB入賞)すると、遊技状態設定手段100jにより、スロットマシン1の遊技状態が、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に設定される。そして、BB遊技(BB’)において、所定枚数(例えば300枚)を超えるメダルが払い出されたり、RB遊技(RB’)において、所定回数(例えば8回)の小役入賞があったり、所定回数(例えば12回)の遊技(ゲーム)が実行されたりすることで、特別遊技終了条件(BB’終了条件、RB’終了条件)が成立すれば、特別遊技を終了して、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100jにより通常遊技に設定される。
また、図7に示すように、通常遊技で特別役に当選したにも関わらず、当該特別役に入賞しなかった場合、すなわち、当該特別役に対応した各図柄が入賞ライン上に停止しなかった場合には、対応する図柄が揃うまで特別役の当選が内部当選として持ち越される。このとき、遊技状態設定手段100jにより、遊技状態が特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))に設定される。また、特別役内部遊技において、入賞せずに内部当選として持ち越されている特別役に入賞すると、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が特別遊技(ボーナス遊技)に設定される。
なお、特別遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))は、通常遊技(一般遊技(RT1’)など)よりも、小役の当選確率が高くなる遊技状態である。
また、図8に示すように、通常遊技では、一般遊技(RT1)、一般遊技(RT1)においてAT遊技(AT1)が実行される一般AT遊技(RT1+AT1)、RT遊技(RT4)、RT遊技(RT4)においてAT遊技(AT1)が実行されるART遊技(RT4+AT1)のいずれかの遊技が実行される。
一般遊技RT1は、一般的な遊技であり、最も多く実行される遊技である。AT遊技(AT1:報知可能状態)は、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)において、各リール13L,13M,13Rを停止させる操作手順を、後述する報知用表示器60(図1、図3参照)、サブ制御基板73の表示制御手段205や音声制御手段206により制御される液晶表示器27、スピーカ31L,31R、各ランプ部33,37L,37Rなどを用いて示唆(報知)することにより、示唆しない場合よりも遊技者にとって有利となる遊技状態である。なお、一般遊技(RT1)においてAT遊技(AT1)が実行される遊技を「一般AT遊技(RT1+AT1)(ART遊技準備状態)」と称し、RT遊技(RT4)においてAT遊技(AT1)が実行される遊技を「ART遊技(RT4+AT1)」と称する。また、AT遊技(AT1)は、AT権利設定手段100fにより設定されたAT権利数が消化されたり、特別役に入賞したりすることで、報知判定手段100hによりAT1終了条件が成立したと判定されることで終了する。
RT遊技(RT4)は、新たにメダルを投入することなく前回の遊技と同じ条件で遊技可能な再遊技役に当選する確率が一般遊技(RT1)よりも高い状態の遊技状態である。上記したように、ART遊技(RT4+AT1)は、RT遊技(RT4)においてAT遊技(AT1:報知可能状態)が実行される遊技である。なお、ART遊技(RT4+AT1)から移行して実行されるRT遊技(RT4)を「一般遊技待機遊技」と称する場合もある。
また、図8に示すように、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)において、AT1移行条件が成立すれば、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、一般AT遊技(RT1+AT1)またはART遊技(RT4+AT1)に設定される。一方、一般AT遊技(RT1+AT1)またはART遊技(RT4+AT1)において、AT1終了条件が成立すれば、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)に設定される。
また、図8に示すように、一般遊技(RT1)または一般AT遊技(RT1+AT1)において、RT4移行条件(リプレイ9〜20のいずれかに入賞)が成立すれば、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、RT遊技(RT4)またはART遊技(RT4+AT1)に設定される。一方、RT遊技(RT4)またはART遊技(RT4+AT1)において、RT4終了条件(一枚役1〜12のいずれかに入賞)が成立すれば、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、一般遊技(RT1)または一般AT遊技(RT1+AT1)に設定される。
また、図7を参照して説明したように、一般遊技(RT1)またはRT遊技(RT4)において、特別役(BB、RB)に当選した場合には、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)に設定され、特別役(BB、RB)に入賞した場合には、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、BB遊技(BB’)またはRB遊技(RB’)に設定される。また、一般遊技(RT1)が一旦中断されて実行されたボーナス遊技が終了することにより通常遊技に移行する際に、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、一般遊技(RT1)に設定されて遊技が再開される。
また、一般AT遊技(RT1+AT1)またはART遊技(RT4+AT1)において、特別役(BB、RB)に当選した場合には、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、AT遊技(AT1)が組み合わされた状態で、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)が実行される特別役内部遊技状態に設定される。また、特別役(BB、RB)に入賞した場合には、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、BB遊技(BB’)またはRB遊技(RB’)に設定されることにより、AT遊技(AT1)が一旦中断される。
また、AT遊技(AT1)が一旦中断されてボーナス遊技が実行された場合には、ボーナス遊技が終了して通常遊技に移行する際に、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、一般AT遊技(RT1+AT1)に設定されて、一般AT遊技(RT1+AT1)が再開される。このとき、AT1終了条件であるAT期間が、AT期間遊技数カウンタ655に設定されているAT遊技(AT1)中断前のAT期間のゲーム数に再設定される。そして、遊技再開後にRT4移行条件が成立すれば、遊技状態が遊技状態設定手段100jにより、ART遊技(RT4+AT1)に設定される。この後、AT1終了条件が成立すれば、遊技状態が遊技状態設定手段100jによりRT遊技(RT4:一般遊技待機状態)に設定され、RT4終了条件が成立すれば、遊技状態が遊技状態設定手段100jにより一般遊技(RT1)に設定される。
なお、図示省略しているが、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)が実行される特別役内部遊技状態においてAT1移行条件が成立すれば、図8を参照して説明した通常遊技と同様に、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、AT遊技(AT1)が組み合わされて実行される遊技状態に設定される。一方、AT遊技(AT1)が組み合わされて実行されている遊技状態において、AT1終了条件が成立すれば、遊技状態設定手段100jにより遊技状態が、BB内部遊技(RT2)またはRB内部遊技(RT3)が実行される特別役内部遊技状態に設定される。また、本実施形態では、特別遊技(ボーナス遊技)中、特別役(ボーナス)内部当選中を除くボーナスに当選していない状態において、再遊技(リプレイ)が実行される再遊技役の当選確率が最も低い状態は一般遊技(RT1)である。この一般遊技(RT1)においては、AT役(特定役:当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に当選したときに、仮に全ての当選したAT役で遊技者に有利な払出枚数となる操作手順で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われたとしても、メダルの払出率が100%未満となるように構成されている(一般AT遊技(RT1+AT1)のメダルの払出率が100%未満となっている)。これにより、遊技状態(例えば一般遊技(RT1)→RT遊技(RT4):図8参照)の移行を伴うか、ボーナス(BB、RB)に当選(図7参照)しないと遊技者はメダルを増やせないため、遊技状態の移行やボーナスの当選についてより一層の興味を遊技者に抱かせることができ、遊技状態が移行したりボーナスに当選したりしたときの興趣をより一層高めることができる。
ここで、スロットマシン1の遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダル投入によりゲームが実行されるようになっており、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入を検出すると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。そして、規定枚数である3枚のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19の操作が検出されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段103(図4参照)により決定される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角度に合わせて判別することを開始する。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速して、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効に受け付けられる状態となる。すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効状態になった後、例えば左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リール13Lを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、役抽選手段103により決定された所定の当選役に対応する図柄が、有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、またはメダル払出口39から払い出されて1回のゲームが終了する。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
本実施形態では、図9に示すように、役として、特別役(ボーナス:BB,RB)、小役(中段ベル、一枚役1〜14、中段チェリー、スイカ)、再遊技役(リプレイ1〜26)が予め設定されている。また、本実施形態では、図10および図11に示すように、役抽選結果として、操作手順に応じて異なる役(「中段ベル」、「一枚役1」〜「一枚役14」、「リプレイ1」〜「リプレイ26」、「BB」)に揃う可能性のある重複当選(当選役グループ:左ベル・中ベル・右ベル・リプレイA〜D・一枚役13+BB・一枚役14+BB・ベル)に当選する可能性がある。そして、役抽選手段103の役抽選結果には、特別役当選(ボーナス当選)と、小役当選と、再遊技役当選(リプレイ当選)と、ハズレとがある。
また、入賞には、特別遊技(ボーナス遊技)への移行に係る特別役入賞(ボーナス入賞)と、メダルの払い出しに係る小役入賞と、再遊技(リプレイ)の実行に係る再遊技役入賞(リプレイ入賞)とがある。
そして、例えば、図9の「BB」「RB」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞となって、ボーナス遊技(特別遊技)が実行される。
なお、本実施形態では、特別役入賞によるメダル払い出しはなく(特別役の規定払出枚数は0)、特別役に係る入賞態様が成立した遊技の後にボーナス遊技へ移行するように構成されているが、特別役に所定枚数(例えば10枚)の規定払出枚数を設定し、メダルを払い出した後にボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
また、例えば、図9の「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役14」「中段チェリー」「スイカ」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が表示窓11の中段の入賞ライン上に3個揃うと小役入賞となって、「払出枚数」の欄に示す枚数のメダルが払い出される。
また、図9において役「中段チェリー」の入賞に係る表示態様として使用されている「any」は、中リール13Mおよび右リール13Rに設けられているどの図柄が入賞ライン上に配置されてもよいことを意味している。
また、図9の役「リプレイ1」〜「リプレイ26」に係る表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞となって、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
ところで、本実施形態では、役抽選手段103により複数の役に同時に当選することができるように構成されている。すなわち、図10および図11の表に示すように、複数の役により構成される当選役グループ(役抽選結果)が形成されており、各当選役グループに当選したか否かが役抽選手段103により抽選される。図10に示すように、各当選役グループのうち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」(特定役:以下、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」をまとめて「ベルグループ」と称する場合もある。)には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「左ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」により構成され、当選役グループ「中ベル」は、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」により構成され、当選役グループ「右ベル」は、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」により構成されている。
したがって、役抽選手段103により、当選役グループ「左ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」に同時に当選したことになり、当選役グループ「中ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」に同時に当選したことになり、当選役グループ「右ベル」に当選したと決定されると、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。
また、本実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれには、遊技者に有利になるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)が予め設定されており、図10の表の「備考」の欄に示すように、役抽選手段103による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106(図4参照)が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。
すなわち、図10に示す各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に対応して、優先的に入賞ライン上に揃える役が異なるように、停止制御手段106が構成されている。
具体的には、図10に示すように、例えば役抽選手段103による役抽選結果が当選役グループ「左ベル」に当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われたと判定されると、最も遊技者に有利である「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態(第1の図柄組合せ)で図柄が表示されるように、停止制御手段106のリール制御が行われる。
また、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われなかったと判定されると、「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されることはなく、「中段ベル」よりも遊技者に不利な「一枚役1」〜「一枚役4」のいずれかが入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。すなわち、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に対応して予め設定された操作順序(特定操作順序)で操作しない限り、遊技者に最も有利な当選役に入賞することはない。
なお、図12に示すように、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」は、いずれもボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。
また、図11に示すように、各当選役グループのうち、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「リプレイA」は、「リプレイ1」〜「リプレイ22」により構成され、当選役グループ「リプレイB」は、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ23」「リプレイ24」により構成され、当選役グループ「リプレイC」は、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ25」「リプレイ26」により構成され、当選役グループ「リプレイD」は、「リプレイ21」〜「リプレイ26」により構成されている。
したがって、役抽選手段103により、当選役グループ「リプレイA」に当選したと決定されると、「リプレイ1」〜「リプレイ22」に同時に当選したことになり、当選役グループ「リプレイB」に当選したと決定されると、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ23」「リプレイ24」に同時に当選したことになり、当選役グループ「リプレイC」に当選したと決定されると、「リプレイ1」〜「リプレイ20」「リプレイ25」「リプレイ26」に同時に当選したことになり、当選役グループ「リプレイD」に当選したと決定されると、「リプレイ21」〜「リプレイ26」に同時に当選したことになる。
また、本実施形態では、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」それぞれには、遊技者に有利になるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)が予め設定されており、図11の表の「備考」の欄に示すように、役抽選手段103による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。また、当選役グループ「リプレイD」には、図11の「備考」の欄に示すように、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。
すなわち、図11に示す各当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選している場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に応じて、優先的に入賞させる役が異なるように、停止制御手段106が構成されている。
具体的には、例えば役抽選手段103による役抽選結果が当選役グループ「リプレイA」の当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われたと判定されると、遊技者に有利である「リプレイ9」〜「リプレイ20」のいずれかに入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
一方、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われなかったと判定されると、「リプレイ9」〜「リプレイ20」のいずれにも入賞することはなく、「リプレイ9」〜「リプレイ20」よりも遊技者に不利な「リプレイ1」〜「リプレイ8」「リプレイ21」「リプレイ21」のいずれかに入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。すなわち、当選した当選役グループ(「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」)に設定された操作順序でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されない限り、当選役グループに含まれる有利な役に入賞することはない。
なお、図12に示すように、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」は、いずれもボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。また、当選役グループ「リプレイD」は、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))のときにのみ当選するように役抽選テーブル671が構成されている。したがって、当選役グループ「リプレイD」を構成する「リプレイ21」〜「リプレイ26」のいずれかに入賞すると、遊技者は、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))が実行されていることが分かる。
また、図11に示すように、当選役グループ「ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」で構成されており、当該当選役グループに当選したときは、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。また、図11の表の「備考」の欄および図12に示すように、当選役グループ「ベル」は、ボーナス遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))のときにのみ当選するように役抽選テーブル671が構成されている。また、当選役グループ「ベル」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかに関係なく、当選役「中段ベル」に入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
また、図10に示すように、当選役グループ「一枚役13+BB」は、「一枚役13」「BB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役13+BB」に当選したときは、「一枚役13」「BB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役13+BB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、「一枚役13」「BB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な当選役に入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役13」「BB」のいずれにも入賞しないことがある。
なお、図10に示すように、当選役グループの中には、当選役グループ「一枚役13+BB」のみならず、当選役グループ「一枚役13」も設定されているため、「一枚役13」に入賞した場合に、遊技者が、当選役グループ「一枚役13+BB」「一枚役13」のうちのいずれに当選したのかを認識できないようになっている。
また、図10に示すように、当選役グループ「一枚役14+BB」は、「一枚役14」「BB」により構成されており、当該当選役グループ「一枚役14+BB」に当選したときは、「一枚役14」「BB」に同時に当選したことになる。また、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選したときは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、「一枚役14」「BB」のうちのいずれかに入賞可能であれば、入賞可能な役に入賞するように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。したがって、各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作したときの各リール13L,13M,13Rの回転位置によっては、「一枚役14」「BB」のいずれにも入賞しないことがある。
なお、図10および図11に示すように、役抽選の対象となる各当選役グループの中には、当選役グループ「一枚役14+BB」の他に「一枚役14」に入賞可能な当選役グループが設定されていない。そのため、「一枚役14」に入賞した場合には、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選したことが分かる。なお、本実施形態では、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選した場合は、当該ゲームにおいて、「BB」に当選したことが遊技者に報知される。
また、図12に示すように、特別役「BB」「RB」は、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))中、および、特別遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))中には当選しないように役抽選テーブル671が構成されている。したがって、これらの遊技中で、当選役グループ「一枚役13+BB」に当選した場合は、「一枚役13」のみに当選したものとされ、当選役グループ「一枚役14+BB」に当選した場合は、「一枚役14」のみに当選したものとされる。
なお、図12に示すように、当選役グループ「中段チェリー」「スイカ」「一枚役13」については、常に当選する可能性があるように役抽選テーブル671が構成され、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))中には「ハズレ」がないように役抽選テーブル671が構成されている。ここで、「ハズレ」がないとは、特別役(ボーナス)が持ち越しされているために、ボーナスを除く役に当選しなくても、ボーナスに当選していることを示している。
ところで、ボーナス遊技(特別遊技:BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))は、小役の当選確率が通常遊技に比べて高く設定されており、遊技メダルの払い出しを受けやすく、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技である。図9の特別役「RB」に入賞すると、レギュラーボーナス遊技(RB遊技(RB’))が実行される。
レギュラーボーナス遊技では、役抽選手段103による役抽選処理の当選確率を規定する役抽選テーブル671(図4参照)が、通常遊技において選択される通常遊技用抽選テーブルから、役抽選手段103による役抽選処理の当選確率が通常遊技の場合よりも高確率に規定された特別遊技用抽選テーブルに切り換わることで、通常遊技中よりも、小役の当選確率が高くなるように設定されている。その結果、レギュラーボーナス遊技は、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技となる。そして、レギュラーボーナス遊技に移行した後、予め設定された回数、例えば12回の遊技が行われるか、あるいは、小役に8回入賞すると、レギュラーボーナス遊技を終了して通常遊技へ移行する。
また、図9の特別役「BB」に入賞すると、ビッグボーナス遊技(BB遊技)が実行される。ビッグボーナス遊技では、上記したレギュラーボーナス遊技が連続的に実行される。そして、ビッグボーナス遊技に移行した後、予め設定された枚数(例えば300枚)のメダルが払い出されるとビッグボーナス遊技が終了する。すなわち、ビッグボーナス遊技は、ビッグボーナス遊技におけるメダル払出枚数が、所定の上限枚数に達したときに、特別遊技(ビッグボーナス遊技)を終了して通常遊技へ移行するよう設定されている。
なお、図7を参照して説明したように、役抽選手段103の役抽選結果が特別役当選(BB(一枚役13,14との同時当選も含む),RB)となると、特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われる。このとき、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられないと、特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))に移行するとともに、この特別役当選は、内部当選として特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられるまで持ち越される。すなわち、適切なタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が行われなければ、特別役(BB、RB)の入賞に係る図柄を入賞ライン上に揃えることができないように、左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、特別役の入賞を取りこぼす場合がある。
一方、小役当選は、役抽選結果が小役当選となった遊技(ゲーム)で小役の入賞態様の図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されない。また、リプレイ当選の場合には、どのようなタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、「リプレイ1」〜「リプレイ26」のいずれかに係る図柄(「R1」「R2」「7」「スイカ」「チェリー」「Bell」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず再遊技役に入賞する。
また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選の場合には、リプレイに係る図柄と同様に、どのようなタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に係る図柄(「Bell」「R1」「R2」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」のいずれかに入賞する。すなわち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選した場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されれば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、各操作手順に対応付けされた入賞に係る図柄(図8参照)が入賞ライン上に揃うように、停止制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
また、図8に示すように、AT1移行条件が成立すれば、AT遊技(AT1)(AT(アシストタイム)期間)に移行するように構成されている。AT遊技(AT1)では、「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選したときに、当選役グループ(特定集合当選)の種類に応じた遊技者に有利な操作手順(いずれのストップスイッチを最初に操作するべきか)が遊技者に対して報知される。具体的には、「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合には、最も多くメダルが払い出されるように、図10に示すようにメダルの払出枚数が10枚の「中段ベル」に入賞するようにストップスイッチの操作手順を報知する。さらに、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選した場合には、RT4移行条件が成立してRT遊技(RT4)に移行するように、図11に示すRT4移行条件である「リプレイ9」〜「リプレイ20」に入賞するためのストップスイッチの操作手順を報知する。そして、AT期間に移行した後、予め設定された消化遊技数、例えば50回のAT遊技(AT1)が行われて、AT権利の全てが消化されると(AT1終了条件の成立)、AT期間が終了する。
なお、本実施形態では、図8に示すようにRT4移行条件が成立してART遊技(RT4+AT1)に移行した後は、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選した場合に、「リプレイ9」〜「リプレイ20」に入賞するストップスイッチの操作手順を報知しないように構成されているが、この操作手順を報知するようにしてもよい。また、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」それぞれは同じ確率で当選するように構成されており、RT遊技(RT4)に移行した後は、一般遊技(RT1)よりも「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」への当選確率が高くなるように構成されている。
(2)設定制御手段101
図4の設定制御手段101(設定変更手段)は、メダルの出玉率が異なる6種類の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定可能な設定変更状態に制御するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102による役抽選テーブル671の選択に用いられるものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時に変更処理開始スイッチ56(図3参照)のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。
ここで、通常遊技の抽選における当選確率は複数種類の設定値(ここでは6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、図4に示す役抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。なお、上述の「出玉率」とは、「総払出枚数」/「総投入枚数」×100[%]である。
この手順は例えば以下のようにして行われる。すなわち、管理者は、前面扉5を開放して、電源スイッチ50がOFFの状態で設定変更キー(図示省略)を操作ボックス49のキーシリンダに挿入して回転し、変更処理開始スイッチ56をONにする。この状態で、電源スイッチ50をONにすることで、設定変更処理が開始される。
そして、管理者による設定変更ボタン52の操作ごとに当選確率の設定値が設定1〜設定6にサイクリックに切り換えられる。この設定値は、例えば7セグメント式の設定値表示用LEDにより1〜6を表示することで報知される。設定変更ボタン52の操作により当選確率の設定値が所望の値になった(設定値表示用LEDの表示値が所望の値になった)ときに、スタートスイッチ19を操作すると設定値が確定する。そして、キーシリンダに挿入されている設定変更キーを回転して変更処理開始スイッチ56をOFFにすると設定変更処理が終了する。その後、メダル投入口25からメダルが投入されるとゲームが開始される。なお、設定変更は、設定変更処理が終了した後、スタートスイッチ19が操作されることで確定する。なお、設定変更状態に移行すると、設定変更前の遊技状態にかかわらず、AT遊技(AT権利が付与されている状態を含む)やボーナス遊技(ボーナス持越し中の状態を含む)はクリアされ、AT遊技でなく、かつ、ボーナス遊技でもない(ボーナス持越し中でない場合を含む)、通常状態に復帰する。
(3)テーブル選択手段102
図4のテーブル選択手段102は、遊技制御手段100により制御される遊技の種類(通常遊技、RT遊技、特別役内部遊技、特別遊技など)、設定制御手段101により設定される設定値(設定1から設定6)に基づき、図4に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段102は、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図4の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、図10および図11に示すように、複数の役抽選結果(特別役当選、小役当選、再遊技役当選、ハズレ)のうちのいずれか1つを現在の遊技における役抽選結果として、乱数と抽選テーブルとを使用した抽選処理により選択して決定するものであり、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル671、および抽選判定手段を備えている。ここで、乱数発生手段は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものであり、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成されている。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただし、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、乱数発生器により乱数を生成してもよい。
さらに、図4の役抽選テーブル671は、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、予め設定されている役抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものであり、乱数抽出手段により抽出された乱数と、抽選テーブルとを照合して、抽出された乱数が、複数の役抽選結果のいずれに該当するかを判定する。
また、各当選役グループには、当選役グループを構成する当選役の種類に応じて固有の役番号が対応付けされている。また、役抽選結果格納手段651は、特別役用の第1記憶領域と、小役、再遊技役用の第2記憶領域とを備え、役抽選手段103は、当選した当選役グループに特別役が含まれる場合には、特別役に対応する役番号を第1記憶領域に設定し、当選した当選役グループに小役、再遊技役が含まれる場合には、小役、再遊技役に対応する役番号を第2記憶領域に設定する。また、役抽選手段103は、当選した当選役グループに特別役および小役、再遊技役が含まれている場合には、特別役に対応する役番号を第1記憶領域に設定すると共に、小役、再遊技役に対応する役番号を第2記憶領域に設定する。また、役抽選手段103による役抽選結果がハズレである場合には、役抽選手段103は、役抽選結果格納手段651の第1記憶領域および第2記憶領域それぞれにハズレに対応する役番号を設定する。
なお、役抽選手段103は、小役、再遊技役用の第2記憶領域のデータは、当選役の入賞の有無に関わらず役抽選毎に書き換えるのに対して、特別役用の第1記憶領域のデータは、特別役に入賞するまで書き換えずに維持する。このように、特別役(BB、RB)に当選した場合に、特別役に入賞するまで第1記憶領域の特別役についてのデータが維持されることにより、特別役の当選が内部当選として持ち越される。
本実施形態では、設定制御手段101により設定されてスロットマシン1の出玉率を決定する設定値が本発明の「メイン制御手段の制御条件」であり、設定値の設定状態(設定1〜設定6)が「制御条件の状態」として構成され、設定された設定値に基づく役抽選手段103の役抽選結果が「制御結果の種類」として構成されている。このように、設定値の設定状態は複数種類(設定1〜設定6)あり、複数種類の状態は、遊技者に利益(メダル)を付与可能な役抽選結果となり易く遊技者にとって相対的に有利な状態(例えば「設定6」)、および、遊技者に利益を付与しない役抽選結果となり易く遊技者にとって相対的に不利な状態(例えば「設定1」)、を含んでいる。
(5)コマンド作成手段104
図4のコマンド作成手段104は、役抽選手段103による役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などの種々のデータをサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを作成する。このコマンド作成手段104により作成されたコマンドは、サブ制御基板73へのシリアルデータ送信用の出力ポートにセットされ、メインCPU61により実行されるタイマ割込処理(図31参照)において、出力ポートにセットされたコマンドが後述するサブ制御コマンド送信手段110によりサブ制御基板73に送信される。
例えば図21に示すように、コマンド作成手段104は、a)役抽選結果、b)遊技状態設定手段100jにより設定されている遊技状態、c)報知抽選手段100dによるAT移行抽選における現在のモード、d)AT期間中(AT期間中フラグがON)か否か、e)AT期間遊技数カウンタ655に格納されているAT期間の残り期間、f)AT権利数格納手段652に格納されたAT権利の記憶数、g)前兆期間遊技数カウンタ653により前兆期間がカウントされている(前兆期間)か否か、h)前兆期間遊技数カウンタ653に格納されている前兆期間の残り期間、i)獲得枚数算出手段113により算出された有利状態中の総獲得枚数(累計増加量)、j)リミッタ条件が成立するまでの残りAT遊技数、k)設定値状態示唆演出決定用の情報、に関する情報などをサブ制御基板73に送信するためのコマンドを作成する。
なお、図21中に示すように、g)、h)に関する情報は、1つのコマンドにより送信するようにしてもよい。また、j)に関する情報は、リミッタ条件が成立するまでの残りのAT遊技数であってもよいし、AT期間に移行してからのAT遊技の消化ゲーム数であってもよい。また、同図中に示すように、j)に関する情報の代わりに、リミッタ条件が成立したゲームにおいて、リミッタ条件が成立したことを示す情報のみを送信するようにしてもよい。また、図21に示す情報は、メイン制御基板63からサブ制御基板73に送信される各種の情報のうちの一部である。
また、図21の役抽選結果に関する情報を送信するためのコマンドについて、コマンド作成手段104は、報知決定手段100iの決定結果に従ってコマンドを作成する。すなわち、報知決定手段100iは、コマンド作成手段104で作成するコマンドを、特定集合当選の種類を識別できるコマンド(有利な操作手順のわかるコマンド)とするか、特定集合当選の種類を識別できないコマンド(有利な操作手順がわからないコマンド)とするかの決定を行う機能も有する。
このとき、図10および図11に示すように、コマンド作成手段104は、役抽選手段103による抽選が実行されたときに、役抽選の結果を識別できるコマンドとして、「0」〜「18」を含むコマンドを作成する。後述するように、サブ制御基板73では、送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。すなわち、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段104により作成される。
そして、コマンド作成手段104は、報知決定手段100iにより、遊技者に有利な操作手順を報知しないと決定されたとき、つまりAT期間中フラグがOFFに設定されているときには、「ベルグループ」のいずれかに当選したことは識別できるが、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)の種類を示すデータが含まれず該当選役グループを識別できないコマンドを作成する。また、報知決定手段100iにより、遊技者に有利な操作手順を報知すると決定されたとき、つまりAT期間中フラグがONに設定されているときには、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)の種類を示すデータが含まれて該当選役グループを識別可能なコマンドを作成する。
すなわち、図10に示すように、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがOFFであるときには、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれに当選した場合であっても、「ベルグループ」のうちのいずれの当選役グループかを識別できないように同じ「1番」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがONであるときに「左ベル」に当選した場合は「2番」のコマンドを、「中ベル」に当選した場合は「3番」のコマンドを、「右ベル」に当選した場合は「4番」のコマンドを作成する。
また、コマンド作成手段104は、同様に、AT期間中フラグがOFFに設定されているときには、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選したことは識別できるが、当選した当選役グループ(「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」)の種類を示すデータが含まれず該当選役グループを識別できないコマンドを作成する。また、AT期間中フラグがONに設定されているときには、当選した当選役グループ(「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」)の種類を示すデータが含まれて該当選役グループを識別可能なコマンドを作成する。
例えば図11に示すように、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがOFFであるときには、当選役グループ「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれに当選した場合であっても、いずれの当選役グループかを識別できないように同じ「12番」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段104は、AT期間中フラグがONであるときに「リプレイA」に当選した場合は「13番」のコマンドを、「リプレイB」に当選した場合は「14番」のコマンドを、「リプレイC」に当選した場合は「15番」のコマンドを、「リプレイD」に当選した場合は「16番」のコマンドを作成する。
なお、コマンド作成手段104は、それ以外の役抽選結果については、AT期間中フラグがONであってもOFFであっても、同じコマンドを作成する。すなわち、「中段チェリー」に当選した場合は「5番」のコマンドを、「スイカ」に当選した場合は「6番」のコマンドを、「BB」に当選した場合は「7番」のコマンドを、「RB」に当選した場合は「8番」のコマンドを、「一枚役13」に当選した場合は「9番」のコマンドを、「一枚役13+BB」に当選した場合は「10番」のコマンドを、「一枚役14+BB」に当選した場合は「11番」のコマンドを、「ベル」に当選した場合は「17番」のコマンドを作成する。なお、ハズレの場合は「0番」のコマンドを作成する。
また、図21中に示すk)の設定値状態示唆演出を決定するための情報を送信するためのコマンドについて、コマンド作成手段104は、後述するメイン側状態示唆演出決定手段109の選択結果に従ってコマンドを作成する。
(6)リール検出手段105
図4のリール検出手段105は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。このリール検出手段105は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(7)停止制御手段106
図4の停止制御手段106は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作および役抽選手段103の役抽選結果に基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13R(各リール14L,14M,14R)の停止制御を行うものである。
図10および図11の表の「備考」の欄に記載されているように、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかに当選した場合には、最初に操作するストップスイッチに応じて、揃う役が異なるように設定されている。また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」の種類に応じて、有利となる操作手順が異なるように構成されている。
具体的には、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のいずれかに当選した場合には、当選した当選役グループに設定された有利な押し順(操作手順)で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われると、停止制御手段106は、遊技者に最も有利な当選役に入賞するように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。一方、当選した当選役グループに設定された有利な操作手順(押し順)で停止操作が行われない場合は、停止制御手段106は、遊技者に最も有利な当選役と異なる当選役に入賞する図柄組合せが入賞ライン上に停止不可能となるように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
また、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するための停止テーブル672(図4参照)は、役抽選手段103の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。そして、この停止テーブル672は、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものであり、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて、対応するストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作順序に対応して滑りコマ数が異なるように形成されている。
また、停止制御手段106は、役抽選手段103の役抽選結果がいずれかの役への当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選した役に入賞するように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。他方、役抽選手段103による役抽選結果がハズレであれば、停止制御手段106は、ハズレの役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
ところで、滑りコマ数には上限が設けられているため、仮に役抽選手段103による役抽選結果がいずれかの役への当選であっても、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが所定のタイミングで操作されなければ、停止制御手段106による停止制御で当選した役に入賞させることができない。すなわち、停止制御手段106は、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることを条件に、当選役の入賞にかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
(8)図柄判定手段107
図4の図柄判定手段107は、リール検出手段105により検出された各リール13L,13M,13Rの回転位置に基づき、停止制御手段106により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rによる各図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるか否かの判定を行うものである。
この図柄判定手段107は、図9の「BB」「RB」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、特別役入賞と判定する。また、図柄判定手段107は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役14」「中段チェリー」「スイカ」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、小役入賞と判定し、図柄判定手段107は、「リプレイ1」〜「リプレイ26」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、再遊技役入賞と判定する。
(9)払出制御手段108
図4の払出制御手段108は、図柄判定手段107の判定結果に基づき、遊技者に所定の利益(特典)を付与するものである。この払出制御手段108は、図柄判定手段107により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出枚数だけメダルを払い出すことにより遊技者に利益を付与することができる。また、払出制御手段108は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出枚数だけクレジットメダルを増加させる。
ところで、払出制御手段108は、図柄判定手段107により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定枚数(3枚)のメダルが投入されたものとして、次のゲームの入賞ラインを有効とする。
(10)メイン側状態示唆演出決定手段109
図4のメイン側状態示唆演出決定手段109は、設定値の設定状態を示唆する設定値状態示唆演出(状態示唆演出)の決定に関する選択を、図20に示す状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678(図4参照:第1選択テーブル)を使用して行う。このとき、メイン側状態示唆演出決定手段109は、状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678において各設定値に対して設定された振分率に基づいて、サブ制御基板73に「A」(第2情報)および「B」(第1情報)のどちらのコマンドを送信するかを決定する。例えば、設定値が設定1に設定されているときは、メイン側状態示唆演出決定手段109は、70%の振分率でコマンド「A」を選択し、30%の振分率でコマンド「B」を選択する。一方、設定値が設定6に設定されているときは、メイン側状態示唆演出決定手段109は、30%の振分率でコマンド「A」を選択し、70%の振分率でコマンド「B」を選択する。
そして、コマンド作成手段104が、後述するサブ制御基板73の演出内容決定手段202が状態示唆演出を決定するための情報として、メイン側状態示唆演出決定手段109の選択結果を特定可能なコマンド(「A」または「B」)を作成し、作成したコマンドを後述するサブ制御コマンド送信手段110がサブ制御基板73に送信する。
なお、メイン側状態示唆演出決定手段109は、サブCPU71が設定値状態示唆演出を実行可能な特定タイミング、本実施形態では、特別遊技(ボーナスゲーム)やAT遊技が終了するという特定タイミングで状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678に基づく選択を行い、当該選択結果を特定可能なコマンドをサブ制御コマンド送信手段110がサブ制御基板73に送信する。このように構成すると、設定値状態示唆演出を決定するために必要な状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678に基づく選択結果を特定可能な情報を常にサブ制御基板73側において記憶しておく必要がないので、サブ制御基板73から当該情報が容易に不正に取り出されて解析されるのを防止することができる。
また、図20に示すように、状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678は、設定値の設定状態が遊技者にとって相対的に有利な状態であるときに、メイン側状態示唆演出決定手段109が、状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678に基づく選択結果としてコマンド「B」を選択し易いように構成されている。
(11)サブ制御コマンド送信手段110
図4のサブ制御コマンド送信手段110は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段104により作成されたコマンドを一方通信で送信するものである。サブ制御コマンド送信手段110は、コマンド作成手段104により作成された、通常遊技および特別遊技などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段107による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段108によるメダルの払出状態、設定値が変更されたか否かに関する情報など、スロットマシン1の状態を表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
また、サブ制御コマンド送信手段110は、コマンド作成手段104により作成された、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段110は、コマンド作成手段104により作成された、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段110は、コマンド作成手段104により作成された、AT遊技に関する情報、設定値状態示唆演出決定用の情報などを示すデータ(図21参照)を含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
このように、コマンド作成手段104、メイン側状態示唆演出決定手段109、サブ制御コマンド送信手段110が本発明の「メイン側状態示唆演出決定手段」として機能している。
(12)報知手段111
図4の報知手段111は、遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順を報知する所定の演出を実行すると決定されているとき、すなわち、報知決定手段100iによりAT期間中フラグがONに設定されている状態で、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」のうちのいずれかに当選した場合に、当選した当選役グループに対応する遊技者に有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知用表示器60に表示することにより、遊技者に有利な操作手順を報知する演出を行うものである。例えば、当選した当選役グループに、「左ストップスイッチ21Lを最初に操作する」という遊技者に有利な操作手順が設定されている場合には、報知用表示器60に「123」や「1−−」が表示される。なお、報知手段111は、当選した当選役グループの種類が分かる表示を報知用表示器60により行うようにしてもよい。
また、AT期間中フラグがOFFに設定されているときには、報知手段111は、遊技者に有利な操作手順が分からないように役抽選結果に応じた表示を報知用表示器60にて行い、遊技者に有利な操作手順を報知する演出を行わない。
なお、遊技者に有利な操作手順が、クレジット表示器45の表示により報知されたり、リール13L,13M,13Rを用いたリール演出により報知されたりするようにしてもよい。
(13)設定値管理手段112
図4の設定値管理手段112は、設定されている設定値が、設計値と合致しているか否かを判定するものである。この実施形態では、当該判定が、少なくとも設定変更時、および、AT遊技の終了時に行われる。
(14)獲得枚数算出手段113
図4の獲得枚数算出手段113(算出手段)は、一定期間内に継続して、払い出されたメダルの枚数に基づいて総払出数カウンタ658のカウント値を更新し、投入されたメダルの枚数に基づいて総投入数カウンタ657のカウント値を更新することにより、遊技者に有利な状態であるボーナス遊技またはAT遊技が続いた場合に、当該期間内に獲得したメダルの枚数(累計増加量)を算出するものである。
例えば、一定期間が50ゲームに設定されている場合、獲得枚数算出手段113は、1回のボーナス遊技やAT遊技(第1の有利状態)での総獲得枚数を算出するのを基本として、そのボーナス遊技やAT遊技が終了した後の50ゲーム以内に、別のボーナス遊技やAT遊技(第2の有利状態)が始まった場合は、第1の有利状態か開始してから第2の有利状態が終了するまでの期間を対象として、総獲得枚数(累積増加量)を算出する。また、獲得枚数算出手段113は、第2の有利状態が終了しても、そこから50ゲーム以内に第3の有利状態が始まった場合は、第1の有利状態が開始してから第3の有利状態が終了するまでの期間を対象として、総獲得枚数を算出する。ただし、獲得枚数算出手段113は、1回のAT移行抽選で獲得したAT権利に基づくAT遊技が終了(複数の場合は全ての権利が終了)して、AT移行抽選のモードの選択処理(モード選択抽選)およびゲーム数AT移行抽選テーブル676の設定が行われた場合は、総獲得枚数を初期化(0枚に戻る)する。なお、これらの算出は、フラグ格納手段654のAT期間フラグのON/OFFの状態や、総投入数カウンタ657および総払出数カウンタ658等の情報に基づいて行われる。
(15)出力設定手段114
図4の出力設定手段114は、外部から遊技状態を特定できるようにメイン制御基板63から外部に向けて出力する信号の状態の設定を行うものである。この実施形態では、出力設定手段114は、例えば、AT期間中であるか否かを外部に出力する信号の状態を設定する。例えば、複数ビットで構成されている出力信号において、所定のビットがATの信号として割り当てられている場合、出力設定手段114は、AT期間フラグがON状態の場合は、当該所定のビットを「1」に設定し、AT期間フラグがOFF状態の場合は、「0」に設定する。なお、この実施形態では、出力設定手段114は、少なくとも設定変更時とAT権利の終了時では、AT期間中でないことを特定できるように前記所定のビットに「0」を設定する。このとき、出力設定手段114は、AT期間フラグがOFF状態の場合は、出力信号を外部に出力しない設定としてもよい。また、設定変更時は、出力信号を外部に出力しない設定とし、AT権利の終了時には前記所定のビットに「0」を設定するようにしてもよい。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73の構成について、図6を参照して詳細に説明する。サブ制御基板73のサブCPU71は、メイン制御基板63から送信されたコマンドに基づいて、メイン制御基板63(メインCPU61)の動作や状態に応じた演出を行うためのものである。図6に示すように、サブ制御基板73には、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能が搭載されている。スロットマシン1は、これらの機能により、メイン制御基板63から送信される情報に基づき、設定値の設定状態を示唆する設定値状態示唆演出と、設定された設定値に基づく役抽選手段103の役抽選結果を示唆する役抽選結果示唆演出(結果示唆演出)とを含む、遊技の進行に関する各種の演出を実行可能に構成されている。
(1)サブ制御コマンド受信手段200
図6のサブ制御コマンド受信手段200は、メイン制御基板63のサブ制御コマンド送信手段110により送信された種々のデータを含むコマンドを受信するものである。サブ制御コマンド受信手段200は、送信されたコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73に搭載された各機能に通知を行う。
なお、メイン制御基板63の前兆期間設定手段100g(図5参照)により前兆期間が設定され、前兆期間遊技数カウンタ653により残りの前兆期間がカウントされているときは、残りの前兆期間を特定する情報(コマンド)がゲーム毎にサブ制御基板73に送信される。サブ制御コマンド受信手段200が、前兆期間を特定する情報を受信すると、前兆期間格納手段751の記憶領域に記憶されていた前回の前兆期間が、当該情報で特定される前兆期間に書き換えられる。
(2)ガセ前兆期間設定手段201
図6のガセ前兆期間設定手段201は、メイン制御基板63(メインCPU61)から送信される情報に基づいて、AT移行抽選が行われる所定条件(チェリー当選、スイカ当選)を満たしたがAT移行抽選に当選しなかった(AT非当選)ことを特定したときに、ガセ前兆可能性演出が実行されるガセ前兆期間(特定演出期間)をガセ前兆期間設定抽選により設定する。なお、本実施形態では、チェリー当選の場合はAT移行抽選に必ず当選するように構成されている。したがって、ガセ前兆期間設定手段201は、スイカ当選のときに行われるAT移行抽選に当選しなかったときにガセ前兆期間設定抽選を行う。
ところで、本実施形態では、ガセ前兆期間設定手段201は、スイカ当選のときのAT移行抽選に当選しなかった場合であっても、前兆期間設定手段100gにより前兆期間遊技数カウンタ653(図4)に前兆期間が既に設定されている場合には、ガセ前兆期間を設定しない(ガセ前兆期間設定抽選を行わない)ように構成されている。したがって、スイカ当選であることを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信したときに、ガセ前兆期間設定手段201がガセ前兆期間設定抽選を実行することができるケースとしては、
i)前兆期間でないことを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信した場合、
ii)前兆期間遊技数カウンタ653に前兆期間が設定されていることを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信しない場合、
iii)前兆期間格納手段751(図6)にメイン制御基板63から送信された前兆期間が格納されていない場合、
となる。このように、前兆期間中にガセ前兆期間が設定されるのを防止することで、前兆期間中に実行される前兆可能性演出と、ガセ前兆期間に実行されるガセ前兆可能性演出とが複雑化するのを防止できる。
また、本実施形態では、ガセ前兆期間中である場合、後述する特別役ガセ可能性演出(図24参照)中である場合、特別役内部遊技状態、ボーナス状態、AT期間中のいずれかに該当することを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信した場合には、ガセ前兆期間設定手段201が、ガセ前兆期間を設定しない(ガセ前兆期間設定抽選を行わない)ように構成されている。
次に、ガセ前兆期間を設定するガセ前兆期間設定抽選について説明する。
図22に示すように、ガセ前兆期間設定手段201は、メイン制御基板63(メインCPU61)から送信される情報に基づき特定した現在のAT移行抽選のモード(図13、図14、図15参照)に応じて、異なるガセ前兆期間テーブル753(設定用データ)を使用して、ガセ前兆期間設定抽選を行う。
すなわち、ガセ前兆期間設定手段201は、高確モード(AT移行抽選に当選し易い状態)のときは、図22(a)のガセ前兆期間テーブル753を使用し、低確モード(AT移行抽選に当選しにくい状態)のときは、図22(b)のガセ前兆期間テーブル753を使用してガセ前兆期間設定抽選を行い、この抽選で決定したガセ前兆期間をガセ前兆期間遊技数カウンタ752に設定する。このように構成すると、ガセ前兆期間を設定する確率を、現在のAT移行抽選のモードに応じて変えたり、ガセ前兆期間の長さの割合を、現在のAT移行抽選のモードに応じて変えたりすることができるため、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、図22(a)に示すように、高確モードのときに使用されるガセ前兆期間テーブル753では、ガセ前兆期間を設定しない確率が0%に設定されているため、ガセ前兆期間設定抽選により必ずガセ前兆期間が設定される。また、図22(b)に示すように、低確モードのときに使用されるガセ前兆期間テーブル753では、ガセ前兆期間を設定しない確率が最も大きい40%に設定されている。したがって、高確モードのときは、低確モードのときよりもガセ前兆可能性演出が実行され易くなっている。
また、ガセ前兆期間設定手段201は、ガセ前兆期間を設定した後、1ゲームが消化される毎にガセ前兆期間遊技数カウンタ752に設定したガセ前兆期間の値を−1減算する。
(3)演出内容決定手段202
図6の演出内容決定手段202(サブ側状態示唆演出決定手段、結果示唆演出決定手段、予兆演出選択手段)は、サブ制御コマンド受信手段200により受信されたコマンドや、ガセ前兆期間設定手段201により設定されたガセ前兆期間に応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。次に、演出内容決定手段202により決定される演出内容について具体的に説明する。
a)役抽選結果に関する演出(役抽選結果示唆演出)
演出内容決定手段202は、メイン制御基板63から受信した役抽選手段103(図4参照)の役抽選結果を特定可能なコマンド(情報)を受信し、受信したコマンドに基づいて特定した役抽選結果に関連した演出(結果示唆演出)の内容を決定する。なお、役抽選結果が特別役当選の場合に実行される可能性がある「特別役可能性演出」と、役抽選結果が「一枚役13」「ハズレ」の場合に実行される可能性がある「特別役ガセ可能性演出」については、後の「b)前兆可能性演出」、「c)ガセ前兆可能性演出」の項目で詳細に説明する。
演出内容決定手段202は、例えば、受信したコマンドが役抽選手段103の役抽選結果がスイカ当選であることを特定するものである場合には、図29に示す役抽選結果示唆演出抽選テーブル761(図6参照:特定選択テーブル)を使用して、役抽選結果がスイカ当選であることを示唆する役抽選結果示唆演出の内容を決定する。このとき、演出内容決定手段202は、役抽選結果示唆演出抽選テーブル761において役抽選結果示唆演出の各内容(「演出なし」も含む)に対して設定された振分率に基づいて、液晶表示器27を用いて行う役抽選結果示唆演出の内容を決定する。
また、演出内容決定手段202は、受信したコマンドがAT期間中に対応したものであり当選した当選役グループ(ベルグループ、リプレイ)の種類を識別可能であれば、当該コマンドに対応した役抽選結果示唆演出抽選テーブル761(具体的なテーブルは図示省略)を使用して、その当選役グループに設定された有利な操作手順(押し順)がわかる演出(報知演出)を実行演出に決定する。これに対し、受信したコマンドがAT期間中に対応したものでなければ、当該コマンドに対応した役抽選結果示唆演出抽選テーブル761(具体的なテーブルは図示省略)を使用して、当該有利な操作手順がわからない演出を実行演出に決定する。例えば、役抽選結果に応じて、図10に示す「1番」のコマンドを受信した場合は、AT期間中ではないため、「ベルグループ」のいずれかの当選役グループに当選したことはわかるが「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれに当選したのかわからない演出群の中から一の演出を選択する。また、図10に示す「2番」のコマンドを受信した場合は、「左ベル」に当選したことがわかる演出や、最初に左ストップスイッチ21Lを操作するよう促す演出の中から、一の演出を選択する。図10に示す「3番」「4番」のコマンドを受信した場合も、それぞれ同様に演出内容を決定する。
また、図11に示す「12番」のコマンドを受信した場合は、AT期間中ではないため、「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれかの当選役グループに当選したことはわかるが「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC」「リプレイD」のいずれに当選したのかわからない演出群の中から一の演出を選択する。また、図11に示す「13番」のコマンドを受信した場合は、「リプレイA」に当選したことがわかる演出や、最初に左ストップスイッチ21Lを操作するよう促す演出の中から、一の演出を選択する。図11に示す「14番」「15番」「16番」のコマンドを受信した場合も、それぞれ同様に演出内容を決定する。
さらに、演出内容決定手段202は、図10に示す「5番」〜「11番」のコマンド、図11に示す「17番」のコマンドを受信した場合も、同様に、それぞれの当選役グループに当選した可能性を示唆する演出群から一の演出を選択する。さらに、「0番」のコマンドを受信した場合も、同様に、遊技者の期待を損ねないように、ハズレに対応する演出群の中から一の演出を選択する。
役抽選結果に関する演出の具体例としては、例えば、液晶表示器27に各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を表示したり、スピーカ31L,31Rにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を音声により報知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに設けられたランプを所定順序で点滅させることにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知したり、各リール13L,13M,13Rに設けられたバックライトを所定順序で点滅させて、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知するなどがある。
なお、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、次に説明する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。また、上述した役抽選結果以外の各役抽選結果についても、役抽選結果示唆演出抽選テーブル761が設定されており、演出内容決定手段202は、役抽選結果に対応した役抽選結果示唆演出抽選テーブル761を使用して役抽選結果示唆演出の内容を決定する。
b)前兆可能性演出
前兆可能性演出は、前兆期間設定手段100gにより前兆期間が設定されているときに、AT遊技(AT1)が実行される可能性があることを示唆する可能性演出であり、前兆期間中に実行される。演出内容決定手段202は、メイン制御基板63の前兆期間設定手段100gにより前兆期間が設定されていると判定したときに、現在、前兆可能性演出を実行中である場合を除き、前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754から、設定された前兆期間のゲーム数に応じた長さの前兆可能性演出の演出シナリオ(図19(a)〜(c)の「備考」の欄参照)を選択し、選択した演出シナリオに沿った演出内容を、実行する演出に決定する。
なお、図19(a)〜(c)の「備考」の欄に記載されているように、前兆期間の最後のゲーム(前兆期間が1ゲームの場合はAT当選の当該ゲーム)において、例えば液晶表示器27に「AT確定」と表示することにより「AT当選を示唆」して前兆可能性演出が終了し、次のゲームにおいて後述の報知可能状態報知手段204により実際にAT遊技(AT1)を開始したことが報知される。このとき、前兆期間の最後のゲームにおいて、例えば液晶表示器27に、単に、「WIN」、「勝ち」、「おめでとう」などと表示するだけでもよい。このようにすると、遊技者は、次のゲームにおいて報知可能状態報知手段204による報知が行われるまでは何に当選したのかが分からず、「もしかしたら特別役に当選したのかもしれない」と想像することもできるので、遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、演出内容決定手段202は、前兆可能性演出の演出シナリオを選択する際に、後述するガセ前兆可能性演出または特別役ガセ可能性演出を実行中であれば、設定されているこれらの可能性演出の演出シナリオを新たに選択した前兆可能性演出の演出シナリオに書き換えて、前兆可能性演出を開始するように構成されている。なお、演出内容決定手段202は、実行中のガセ前兆可能性演出または特別役ガセ可能性演出が終了した後に前兆可能性演出が実行されるように、前兆可能性演出の演出シナリオを選択してもよい。この場合には、演出内容決定手段202は、メイン制御基板63の前兆期間設定手段100gにより設定された前兆期間から、実行中のガセ前兆可能性演出または特別役ガセ可能性演出が終了するまでのゲーム数を減算することにより実質的に前兆可能性演出を実行可能なゲーム数を算出し、算出したゲーム数に応じて前兆可能性演出の演出シナリオを選択するとよい。
一方、演出内容決定手段202は、メイン制御基板63の前兆期間設定手段100gにより前兆期間が設定されていると判定したときに、既に前兆可能性演出を実行している場合には、設定済みの前兆可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定する。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。
なお、AT当選したときに特別役の当選が持ち越されている場合には、特別役の当選が持ち越されていないときよりも前兆期間を短く設定する。したがって、前兆期間において前兆可能性演出を実行しているときに特別役に入賞(ボーナス入賞)することにより、遊技状態が特別遊技(ボーナス遊技)に移行することで前兆可能性演出が途中で中断されるのを抑制できる。
また、複数ゲームの前兆期間が設定されたときに、前兆期間の最後のゲームのみにおいて、液晶表示器27等を利用して「AT当選を示唆」する前兆可能性演出を行うようにしてもよい。
また、電断の後、メイン制御基板63の前兆期間設定手段100gがバックアップされていた前兆期間に復帰させた場合は、当該復帰させた前兆期間を特定するコマンドがサブ制御コマンド送信手段110によりサブ制御基板73に送信される。当該コマンドをサブ制御コマンド受信手段200が受信すると、前兆期間設定手段100gが復帰させた前兆期間を特定する情報が前兆期間格納手段751に格納される。このとき、演出内容決定手段202は、前兆期間格納手段751に格納された前兆期間(のゲーム数)に応じた前兆可能性演出の演出シナリオを新たに選択し、選択した演出シナリオに沿った演出内容を決定する。
すなわち、電断の際に前兆期間遊技数カウンタ653において残りの前兆期間を特定する情報がバックアップされるため、電源が再投入された際に、前兆期間設定手段100gは、バックアップされた当該情報により特定される前兆期間に復帰させることができる。そして、演出内容決定手段202は、前兆期間設定手段100gが復帰させた前兆期間を特定する情報により、復帰後の前兆期間に応じた演出内容を決定することができる。
各種の演出機器を制御するサブ制御基板73では、電断の際にノイズが発生し易く、電源が再投入された際に誤動作が生じるおそれがあるが、このように、演出内容決定手段202が復帰後の前兆期間(前兆期間の残存分)に応じた演出内容を新たに決定することで、メインCPU61の制御状態とサブ制御基板73において実行される演出の内容とに齟齬が生じるのを防止できる。また、前兆期間を特定する情報を、セキュリティ性の高いメイン制御基板63の前兆期間遊技数カウンタ653が記憶してバックアップすることで、電断の際にサブCPU71の演出制御に係るパラメータが不正に書き換えられたとしても、演出内容決定手段202は、前兆期間遊技数カウンタ653によりバックアップされた正しい情報に基づいて前兆期間に応じた演出内容を決定することができるので、スロットマシン1に対する不正行為を効果的に防止することができる。
c)ガセ前兆可能性演出
ガセ前兆可能性演出は、AT権利設定手段100fによりAT権利が設定されていないが、ガセ前兆期間設定手段201によりガセ前兆期間遊技数カウンタ752にガセ前兆期間が設定されているときに、実際にはAT遊技(AT1)は実行されないが、AT遊技(AT1)が実行される可能性があることを示唆する可能性演出であり、ガセ前兆期間中に実行される。演出内容決定手段202は、ガセ前兆期間遊技数カウンタ752にガセ前兆期間が設定されたときは、ガセ前兆可能性演出の実行中の場合を除き、ガセ前兆可能性演出シナリオ設定テーブル755から、設定されたガセ前兆期間のゲーム数に応じた長さのガセ前兆可能性演出の演出シナリオ(図22(a),(b)の「備考」の欄参照)を選択し、選択した演出シナリオに沿った演出を、実行する演出内容に決定する。
なお、図22(a),(b)の「備考」の欄に記載されているように、ガセ前兆期間の最後のゲームにおいて、例えば液晶表示器27に「ATハズレ」と表示することにより「AT移行抽選のハズレを報知」してガセ前兆可能性演出が終了する。このとき、ガセ前兆期間の最後のゲームにおいて、例えば液晶表示器27に、単に、「ハズレ」、「負け」、「残念」などと表示するだけでもよい。
一方、演出内容決定手段202は、ガセ前兆期間遊技数カウンタ752にガセ前兆期間が設定されているときに、既にガセ前兆可能性演出の実行中の場合には、設定済みのガセ前兆可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定する。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。
また、図22に示すように、ガセ前兆期間は、27ゲーム〜30ゲームの期間よりも、23ゲーム〜26ゲームの期間に設定され易いように、ガセ前兆期間テーブル753が設定されている。また、図19に示すように、前兆期間の最長期間は32ゲームに設定され、ガセ前兆期間の最長期間は30ゲームに設定されている。
したがって、例えば「スイカ」に入賞した後に可能性演出が開始した場合に、遊技者は、開始直後は可能性演出が前兆可能性演出であるかガセ前兆可能性演出であるかを認識することができないが、開始してから27ゲーム目以降も可能性演出が継続した場合は、実行中の可能性演出が前兆可能性演出であることの期待感が高まる。また、開始してから31ゲーム目以降も可能性演出が継続した場合は、実行中の可能性演出が前兆可能性演出であることが確定するので、遊技者にAT当選の優越感を与えることができる。
このように、前兆期間およびガセ前兆期間それぞれの最長期間を変えると、可能性演出の多様性を高めることができるが、制御処理の負荷が増大する。この実施形態では、ガセ前兆期間の管理はサブ制御基板73で行うように構成されているため、メインCPU61の制御処理の負担増大を抑制できる。
d)特別役可能性演出
特別役可能性演出は、特別役に当選したか、または、特別役が持ち越されており、特別役可能性演出の演出シナリオ(報知待ち期間)が設定されているときに、特別遊技(ボーナス遊技)に移行する可能性があることを示唆する可能性演出であり、報知待ち期間中に実行される。演出内容決定手段202は、特別役に当選した旨のコマンドをサブ制御コマンド受信手段200が受信したときに、既に前兆可能性演出またはガセ前兆可能性演出または後述する特別役ガセ可能性演出の実行中の場合を除き、特別役可能性演出シナリオ設定テーブル756(図23参照:特定選択テーブル)から特別役可能性演出の演出シナリオを選択し、選択した演出シナリオに沿った演出内容を決定する。具体的には、演出内容決定手段202は、特別役可能性演出シナリオ設定テーブル756の各演出シナリオに設定された当選確率に基づいて抽選により演出シナリオを選択する。
このとき、図23に示すように、各演出シナリオに基づく特別役可能性演出は、複数ゲームに渡って実行されるものであり、各演出シナリオのゲーム数が決まっている。そこで、演出内容決定手段202は、特別役可能性演出の演出シナリオを選択するとともに、特別役に当選したことを後述する特別役当選報知手段203が報知するまでの報知待ち期間(ゲーム数)を決定する。なお、上記したガセ前兆期間と同様に、まず、報知待ち期間を設定した後に、設定した報知待ち期間の長さに応じた特別役可能性演出の演出シナリオを選択するようにしてもよい。
なお、図23の「演出シナリオ」の欄に記載されているように、選択した演出シナリオ(報知待ち期間)の最後のゲーム(報知待ち期間が1ゲームの場合は特別役当選の当該ゲーム)で、例えば液晶表示器27に、単に、「WIN」、「勝ち」、「おめでとう」と表示することにより「特別役当選を示唆」して特別役可能性演出が終了し、次のゲームで後述の特別役当選報知手段203により特別役に当選したことが報知される。このようにすると、遊技者は、次のゲームで特別役当選報知手段203による報知が行われるまでは何に当選したのかが分からず、「もしかしたらAT当選したのかもしれない」と想像することもできるので、遊技者の興趣を高めることができる。演出シナリオの最後のゲームにおいて、例えば液晶表示器27に、「特別役(BB、RB)当選」と表示してもよい。
また、本実施形態では、演出内容決定手段202は、特別役可能性演出の演出シナリオを選択する際に、既に前兆可能性演出またはガセ前兆可能性演出または後述する特別役ガセ可能性演出が実行中の場合は、設定されているこれらの可能性演出の演出シナリオを新たに選択した特別役可能性演出の演出シナリオに書き換えて、特別役可能性演出を開始するように構成されている。このとき、演出内容決定手段202は、前兆可能性演出が実行されている場合は、前兆期間の終了タイミング(ゲーム)に重なることを抑制するように特別役可能性演出(報知待ち期間)を選択する。
このように構成すると、前兆期間可能性演出が実行されていれば、前兆可能性演出の演出シナリオが特別役可能性演出の演出シナリオに書き換えられて特別役可能性演出が開始されるが、特別役可能性演出の実行中に前兆期間が終了しないようにすることにより、特別役可能性演出が実行されている途中でAT遊技(AT1)が開始するのを防止できるので、後述する特別役当選報知手段203および報知可能状態報知手段204により、遊技者がスロットマシン1の状態を明確にわかる報知を行うことができる。
一方、演出内容決定手段202は、特別役の当選が持ち越されている状態(ボーナス持越し中)で、特別役可能性演出を実行している場合には、設定済みの特別役可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定する。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。
また、複数ゲームの報知待ち期間が設定されたときに、報知待ち期間の最後のゲームのみにおいて、液晶表示器27等を利用して「特別役当選を示唆」する特別役可能性演出を行うようにしてもよい。また、選択した演出シナリオが複数ゲームに渡るものである場合には、演出シナリオの前半部分の内容を、「特別役当選を示唆」する役抽選結果示唆演出が行われることを遊技者に知らせる内容(予兆演出)にするとよい。
e)特別役ガセ可能性演出
特別役可能性演出は、特別役ガセ可能性演出の演出シナリオ(ガセ報知待ち期間)が設定されているときに、実際には特別遊技(ボーナス遊技)は実行されないが、特別遊技状態に移行する可能性があることを示唆する可能性演出であり、ガセ報知待ち期間中に実行される。演出内容決定手段202は、各可能性演出が実行されていないときに、一枚役13に当選したか、または、役抽選結果がハズレの際に1%の当選確率で実行される特別役ガセ可能性演出実行抽選に当選したときに、特別役ガセ可能性演出シナリオ設定テーブル757(図24参照:特定選択テーブル)から特別役ガセ可能性演出の演出シナリオを選択し、選択した演出シナリオに沿った演出内容を決定する。このとき、演出内容決定手段202は、特別役ガセ可能性演出シナリオ設定テーブル757の各演出シナリオに設定された当選確率に基づいて抽選により演出シナリオを選択する。
また、各演出シナリオに基づく特別役ガセ可能性演出は、図24に示すように、複数ゲームに渡って実行されるものであり、各演出シナリオのゲーム数が決まっている。そこで、演出内容決定手段202は、特別役ガセ可能性演出の演出シナリオを選択するとともに、特別役ガセ可能性演出を実行するガセ報知待ち期間(ゲーム数)を決定する。なお、上記したガセ前兆期間と同様に、まず、ガセ報知待ち期間を設定した後に、設定したガセ報知待ち期間の長さに応じた特別役ガセ可能性演出の演出シナリオを選択するようにしてもよい。
なお、図24の「演出シナリオ」の欄に記載されているように、選択した演出シナリオ(ガセ報知待ち期間)の最後のゲームで、例えば液晶表示器27に「特別役ハズレ」と表示することにより「特別役に当選していないことを報知」して特別役ガセ可能性演出が終了する。このとき、ガセ報知待ち期間の最後のゲームで、例えば単に、「ハズレ」、「負け」、「残念」などと液晶表示器27に表示するだけでもよい。
なお、演出内容決定手段202は、すでに別役可ガセ能性演出を実行している場合には、設定済みの特別役ガセ可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定する。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。
また、図23に示すように報知待ち期間は4ゲームまたは5ゲームに設定され易いように特別役可能性演出シナリオ設定テーブル756が設定され、図24に示すようにガセ報知待ち期間は5ゲームに設定されにくいように特別役ガセ可能性演出シナリオ設定テーブル757が設定されている。したがって、5ゲーム目も可能性演出が継続した場合は、実行中の可能性演出が特別役可能性演出であることの期待感が高まるので、遊技者の興趣を高めることができる。
また、選択した演出シナリオが複数ゲームに渡るものであるため、演出シナリオの前半部分の内容を、「特別役非当選を示唆」する役抽選結果示唆演出が行われることを遊技者に知らせる内容(予兆演出)にするとよい。
f)背景演出
背景演出(示唆演出)は、液晶表示器27に表示される映像の背景によって、遊技者にAT移行抽選のモードの種類を示唆する演出であり、演出内容決定手段202は、メイン制御基板63から送信されるAT移行抽選における確率モードの状態に関する情報(図21参照)に基づいて演出内容を決定する。
この実施形態では、背景演出の種類として、「夜」、「夕方」「昼」の3種類が設定されている。ここで、「夜」背景は、AT移行抽選のモードが高確モードであることが確定する背景、「夕方」背景は、高確モードと低確モードのどちらの可能性もあるが、高確モードのときに選択されやすい背景、「昼」背景は、高確モードと低確モードのどちらの可能性もあるが、低確モードのときに選択されやすい背景に設定されている。
演出内容決定手段202の背景演出の選択については、初期的な選択が、設定変更時、特別遊技終了時、AT遊技終了時それぞれで行われ、その後、毎遊技で背景演出の移行抽選が行われる。このとき、演出内容決定手段202は、初期的な背景演出については、背景演出選択抽選テーブル758(演出決定用データ:図6参照)を用いて選択し、その後の背景は背景演出移行抽選テーブル759(図6参照)を用いて選択する。
初期的な選択について具体的に説明すると、背景演出選択抽選テーブル758は、図25に示すように、選択契機(設定変更時、特別遊技終了時、AT遊技終了時)に応じて複数種類、設定されている。
設定変更時に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、モード選択抽選手段100bにより選択されたAT移行抽選のモードが高確モード/低確モード共通で、「夕方」背景と「昼」背景とが、同じ確率で選択されるように設定されている(図25(a)参照)。
AT遊技終了時に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、AT遊技終了時にモード選択抽選100bにより選択されたAT移行抽選のモードの種類ごとに2種類設けられている。モード選択抽選100bにより高確モードが選択された場合に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、「夜」背景が10%、「夕方」背景が60%、「昼」背景が30%の確率で選択されるように設定されている(図25(b)参照)。また、モード選択抽選100bにより低確モードが選択された場合に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、「夕方」背景が40%、「昼」背景が60%の確率で選択されるように設定されている(図25(c)参照)。
BB遊技終了時に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、BB遊技終了時にモード選択抽選100bにより選択されたAT移行抽選のモードの種類ごとに2種類設けられている。モード選択抽選100bにより高確モードが選択された場合に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、「夜」背景が20%、「夕方」背景が80%の確率で選択されるように設定されている(図25(d)参照)。また、モード選択抽選100bにより低確モードが選択された場合に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、「夕方」背景が100%の確率で選択されるように設定されている(図25(e)参照)。
RB遊技終了時に用いられる背景演出選択抽選テーブル758は、RB遊技終了時にモード選択抽選100bにより選択されるAT移行抽選のモードは高確モードのみであり、「夜」背景が100%の確率で選択されるように設定されている(図25(d)参照)。すなわち、設定変更時に用いられる背景演出選択抽選テーブル758では、AT移行抽選のモードが高確モードの場合であっても、当該モードが確定する「夜」背景が選択されないように構成されているのに対して、その他の場合(AT遊技終了時、特別遊技終了時)に用いられる背景演出選択抽選テーブル758では、「夜」背景が選択され得る構成になっている。
このように、設定変更時(第1条件)、および、AT遊技終了時(第2条件)とで、演出内容決定手段202は、異なる種類のデータにより構成された背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容(示唆演出の種類)を決定する。具体的には、演出内容決定手段202は、設定変更時において、図25(a)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定し、AT遊技終了時において、図25(b),(c)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定する。
初期的な背景演出の選択後の背景演出の種類は、上述のように毎遊技の背景演出移行抽選により決定される。ここで、背景演出移行抽選で用いられる背景演出移行抽選テーブル759は、当該遊技の背景の種類およびAT移行抽選のモードに応じて複数種類、設けられている。具体的には、図27に示すように、現状が「夜」背景の場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「高確モード維持」の場合は、「夜」背景(そのまま)が90%、「夕方」背景が10%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。なお、このときに背景演出の変化を伴う「夕方」背景が選択された場合は、当該遊技において第3停止にかかるストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたあとに背景が「夜」から「夕方」に変化する。なお、背景が変化するタイミングについては、以下に説明する場合も同様である。一方、現状が「夜」背景の場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「高確モード→低確モード」の場合は、「夕方」背景が100%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。
現状が「夕方」背景かつ高確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「高確モード維持」の場合は、「夜」背景が20%、「夕方」背景(そのまま)が70%、「昼」背景が10%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。また、現状が「夕方」背景かつ高確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「高確モード→低確モード」の場合は、「夕方」背景(そのまま)が20%、「昼」背景が80%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。また、現状が「夕方」背景かつ低確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「低確モード→高確モード」の場合は、「夜」背景が30%、「夕方」背景(そのまま)が70%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。また、現状が「夕方」背景かつ低確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「低確モード→低確モード(維持)」の場合は、「夕方」背景(そのまま)が60%、「昼」背景が40%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。
現状が「昼」背景かつ高確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「高確モード→高確モード(維持)」の場合は、「夜」背景が20%、「夕方」背景が50%、「昼」背景(そのまま)が30%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。また、現状が「昼」背景かつ高確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「高確モード→低確モード」の場合は、「昼」背景(そのまま)が100%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。また、現状が「昼」背景かつ低確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「低確モード→高確モード」の場合は、「夜」背景が30%、「夕方」背景が60%、「昼」背景(そのまま)が10%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。また、現状が「昼」背景かつ低確モードの場合であって、当該遊技のAT移行抽選のモードの移行抽選結果が「低確モード→低確モード(維持)」の場合は、「夕方」背景が10%、「昼」背景(そのまま)が90%の確率で選択される背景演出移行抽選テーブル759が用いられる。
ところで、図26に示すように、演出内容決定手段202が、AT遊技終了時において、通常のAT遊技終了時と、リミッタによるAT遊技終了時とで、異なる種類のデータにより構成された背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定するようにしてもよい。具体的には、演出内容決定手段202は、通常のAT遊技終了時において、高確モード選択用の図26(b)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定し、低確モード選択用の図26(c)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定する。また、演出内容決定手段202は、リミッタによるAT遊技終了時において、高確モード選択用の図26(d)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定し、低確モード選択用の図26(e)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定する。
リミッタによるAT遊技終了時は、より過度の有利量(AT権利、遊技用価値、特典など)付与の可能性があることを遊技者に積極的に示唆することを防止するため、有利な状態を示唆する背景演出を選択しないようにするのが好ましいが、図26(d),(e)に示すように背景演出選択抽選テーブル758を構成することで、リミッタによるAT終了時に、高確モードが確定する「夜」の背景演出が行われることがないので、遊技者の期待感を不用に煽るのを抑制することができる。
なお、リミッタによるAT遊技終了時において、演出内容決定手段202は、設定変更時と同じ種類のデータにより構成された背景演出選択抽選テーブル758を用いて演出内容を決定するようにしてもよい。このようにすることで、設定変更時とリミッタによるAT遊技終了時における背景演出の内容を同じにすることができるので、設定変更時の遊技者と異なる遊技者に、演出内容決定手段202が背景演出の内容を選択決定することによる有利状態の示唆を与えないようにすることができる。
また、図26(a),(f),(g),(h)の背景演出選択抽選テーブル758は、図25の(a),(d),(e),(f)の背景演出選択抽選テーブル758と同様であるため、その説明は省略する。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。
g)設定値状態示唆演出
設定値状態示唆演出は、液晶表示器27に表示される映像(キャラクタ)によって、遊技者に設定値の設定状態を示唆する演出であり、演出内容決定手段202は、メイン制御基板63から送信される設定値状態示唆演出決定用の情報(メイン側状態示唆演出決定手段109の選択結果)と、図28の設定値状態示唆演出抽選テーブル760(図6参照:第2選択テーブル)に設定された振分率とに基づいて、設定値状態示唆演出(状態示唆演出)の内容(キャラクタ)を決定する。
この実施形態では、設定値状態示唆演出のキャラクタとして、「x」、「y」「z」の3種類が設定されている。ここで、「z」のキャラクタは、設定値が高い値に設定されているときに選択されやすいキャラクタであり、「x」「y」のキャラクタは、設定値が低い値に設定されているときに選択されやすいキャラクタである。
演出内容決定手段202は、ボーナスゲーム終了の際やAT遊技終了の際に、メイン制御基板63から送信されたメイン側状態示唆演出決定手段109の選択結果(コマンド「A」またはコマンド「B」)を受信したときに、設定値状態示唆演出抽選テーブル760を使用して設定値状態示唆演出の内容(キャラクタ)を決定する。具体的には、演出内容決定手段202は、受信したコマンドが「A」のときは、図28の設定値状態示唆演出抽選テーブル760の「A」の列の振分率を使用して設定値状態示唆演出のキャラクタを決定し、受信したコマンドが「B」のときは、図28の設定値状態示唆演出抽選テーブル760の「B」の列の振分率を使用して設定値状態示唆演出のキャラクタを決定する。
また、設定値状態示唆演出抽選テーブル760は、演出内容決定手段202が、コマンド「B」を受信した方がコマンド「A」を受信したときよりもキャラクタ「z」(特定の状態示唆演出)を決定し易いように構成されている。したがって、メイン制御基板63の状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678(図4参照)およびサブ制御基板73の役抽選結果示唆演出抽選テーブル761(図6参照)の両方のテーブルを、設定値が遊技者とって相対的に有利な高い値に設定されているときに、サブ制御基板73の演出内容決定手段202が設定値状態示唆演出のキャラクタとして「z」を決定し易いように構成しているので、設定値状態示唆演出として液晶表示器27にキャラクタ「z」が表示されたときに、設定値が高い有利な状態であることについての遊技者の期待度を向上させることができる。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。このように、設定値状態示唆演出抽選テーブル760は、設定値状態示唆演出の内容を決定する際に使用するデータであり、役抽選結果を示唆する役抽選結果示唆演出の内容を決定する際には使用しないデータである。
h)予兆演出
予兆演出は、設定値状態示唆演出および役抽選結果示唆演出の発生を遊技者に知らせる演出である。
例えば、スイカ当選であり図29に示す役抽選結果示唆演出を実行することを決定した場合に、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rを用いて特定のスイッチを操作することを指示する演出(予兆演出)を決定する。この場合には、役抽選結果示唆演出を、特定のスイッチが指示通りに操作されたタイミングで実行することになる。
また、例えば、ボーナスゲームの終了後に図28に示す設定値状態示唆演出を実行すると、ボーナスゲームの開始する際に予め決定した場合に、ボーナスゲームが終了する前に、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rを用いて設定値状態示唆演出を実行することを遊技者に事前に知らせる予兆演出を決定する。この場合には、設定値状態示唆演出を、ボーナスゲームが終了した後のゲームにおいて実行することになる。
このように構成すると、予兆演出を実行することにより、設定値状態示唆演出および役抽選結果示唆演出に遊技者を着目させることができる。そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、後述する表示制御手段205および音声制御手段206に送信する。
i)その他
AT期間中の実行される演出内容として、1話50ゲーム(1セット)の物語を30話分準備し(50ゲーム(1話)×30話=1500ゲーム)、AT権利を新たに獲得すると演出内容が次の話に順次移行するようにしてもよい(すなわち、最終話(30話)の演出を体験するためには30個のAT権利が必要となる)。この場合には、演出の前半部分の実行中においては、新たなAT権利を獲得したことが遊技者に報知され易くし、演出の最終部分の実行中においては、新たなAT権利を獲得したことが遊技者に報知されにくくするとよく、好ましくは、演出の最終部分の実行中においては、リールの停止図柄においてAT権利の獲得を確定できるような図柄が出ないようにするとよい。リミッタ条件が成立すると、残りのAT期間および残りのAT権利が放棄されるので、演出の最終部分においてAT権利を獲得した場合には、リミッタによるAT権利の獲得損(引き損)が確定する。したがって、このように構成することにより、演出の最終部分においては、AT権利の新たな獲得を遊技者が認識しづらくなるので、AT権利を獲得したにも関わらずリミッタによりAT権利が放棄されたという不満感を遊技者が抱くのを防止することができる。
以上のように、メイン制御基板63のコマンド作成手段104、メイン側状態示唆演出決定手段109、サブ制御コマンド送信手段110と、サブ制御基板73の演出内容決定手段202とにより、役抽選手段103の制御に用いられる設定値の設定状態に対する設定値状態示唆演出を決定し、設定された設定値に基づく役抽選結果に対する役抽選結果示唆演出を決定する本発明の「示唆演出決定手段」が構成されている。
(4)特別役当選報知手段203
図6の特別役当選報知手段203は、特別役可能性演出(報知待ち期間)の後に、例えば液晶表示器27に「ボーナス確定画面」と表示させることで、特別役に当選(ボーナス当選)していることを報知する。具体的には、特別役当選報知手段203は、特別役が持ち越されてボーナス持越し中であることを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信したときに、特別役可能性演出が既に終了していれば、ボーナス当選を報知する。なお、特別役当選報知手段203は、一旦、ボーナス当選を報知すれば、特別役に入賞(ボーナス入賞)するまでボーナス当選の報知を継続する。
また、特別役当選報知手段203は、特別役可能性演出が終了したゲームの次のゲーム、すなわち、特別役に当選していることを報知するゲームにおいて、図5の報知決定手段100iによりAT期間中フラグがOFFからONに設定されたこと特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信したときは、ボーナス当選の報知を抑制する。
このように構成すると、メインCPU61は、その制御状態をサブCPU71の制御状態に応じて変更することができないため、前兆期間が終了した後に、遊技状態設定手段100jは、サブCPU71の制御状態に関係なく、遊技状態をAT遊技(AT1:報知可能状態)に制御する。このとき、遊技状態設定手段100jが遊技状態をAT遊技に制御開始するゲームと、特別役当選報知手段203が特別役可能性演出(報知待ち期間)の後にボーナス当選を報知するゲームとが同じゲームである場合には、特別役当選報知手段203がボーナス当選の報知を抑制する。そのため、後述する報知可能状態報知手段204が、遊技状態が報知可能状態に移行したことを特別役当選報知手段203によるボーナス当選の報知よりも優先して報知することができる。したがって、メイン制御基板63の遊技状態設定手段100jにより遊技状態がAT遊技に移行しているのにも関わらず、AT遊技に移行したことが報知可能状態報知手段204により報知されないことによって、遊技者が不信感を感じるのを防止できる。
(5)報知可能状態報知手段204
図6の報知可能状態報知手段204は、AT遊技に移行したことを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信したときに、例えば液晶表示器27に「AT開始」と表示させることにより、AT状態に移行したことを報知する(AT開始報知)。また、報知可能状態報知手段204は、AT遊技に移行したことを報知するゲームにおいて、特別役可能性演出が実行されていたり、特別役当選報知手段203によりボーナス当選が報知されていたりするときは、各ランプ部33,37L,37Rなど、液晶表示器27以外の演出機器を使用してAT遊技に移行したことを報知する(AT開始特殊報知)。なお、報知可能状態報知手段204は、メイン制御基板63から前兆期間が0となった情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信したときに、AT遊技に移行したことを報知してもよい。
(6)表示制御手段205
図6の表示制御手段205は、演出内容決定手段202や特別役当選報知手段203、報知可能状態報知手段204から送信された信号に含まれるデータに基づき、液晶表示器27に動画を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行するものである。
(7)音声制御手段206
図6の音声制御手段206は、演出内容決定手段202や特別役当選報知手段203、報知可能状態報知手段204から送信された信号に含まれるデータに基づき、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行するものである。
(動作)
続いて、図30ないし図41を参照してスロットマシン1の動作について説明する。なお、本実施形態では、AT期間中に(AT期間中フラグがON)、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」「リプレイA」「リプレイB」「リプレイC]のいずれかに当選した場合に、当選した当選役グループに対応した遊技者に有利となる各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知する演出が、メイン制御基板63の報知手段111およびサブ制御基板73の表示制御手段205や音声制御手段206により実行される。また、AT遊技(AT1)が行われたり、特別遊技(BB’、RB’)が行われたりすることの遊技者の期待感を高めるための可能性演出が適宜実行される。また、報知抽選手段100dによるAT移行抽選のモードの状態を示唆したり、例えばAT期間中に獲得したメダルの枚数を示唆したりする演出が液晶表示器27により適宜実施される。
以下の説明では、上記した種々の機能および手段と、メイン制御基板63のメインCPU61およびサブ制御基板73のサブCPU71が種々のプログラムを実行することにより実現されるその他の機能(詳細説明は省略)とにより実行される処理である。また、以下の処理で実行される各種のフラグをONまたはOFFに設定したり、各種のフラグに値を設定したりする処理については、周知の技術であるため、その詳細な説明は省略する。
1.メイン処理
図30を参照してメイン制御基板63のメインCPU61において実行されるメイン処理について説明する。
スロットマシン1の電源がONされると、メイン制御基板63が備えるRAM65の状態がチェックされ、メモリにエラーが生じていないかどうかが判定されて各種の初期設定が行われる。RAM65などのエラーチェックの結果、異常が無ければ遊技が可能となるように制御する。なお、設定変更を伴った電源投入時には、一般遊技(RT1)へ移行する。また、停電時の電源OFF(電断)状態から電源ON状態に復帰する際に、前兆期間遊技数カウンタ653により前兆期間がバックアップされている場合は、停電前の前兆期間に復帰する。次に、規定枚数(3枚)のメダルが投入されたかどうかが判定され(ステップS1)、規定枚数のメダルが投入されるまで待機する(ステップS1のNO)。一方、規定枚数(3枚)のメダルが投入されれば(ステップS1のYES)、スタートスイッチ19が操作されるまで待機し(ステップS2のNO)、スタートスイッチ19が操作されれば(ステップS2のYES)、役抽選手段103による役抽選処理が実行される(ステップS3)。
この役抽選手段103の役抽選処理では、まず、現在の遊技状態等に基づいてテーブル選択手段102により役抽選テーブル671が選択され、選択された役抽選テーブル671と、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出された乱数値とに基づいて役抽選結果が決定される。
そして、役抽選処理の後、図32および図33を参照して説明する報知決定処理が実行される(ステップS4)。続いて、各リール13L,13M,13Rの回転が開始され(ステップS5)、回転中の各リール13L,13M,13Rに対応する各ストップスイッチ21L,21M,21Rのいずれかが操作されるまで待機し(ステップS6のNO)、各ストップスイッチ21L,21M,21Rのいずれかが操作されると(ステップS6のYES)、停止制御手段106によるリール回転の停止制御により、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する(ステップS7)。
その後、全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止するまでステップS6、ステップS7の処理を繰り返して実行し(ステップS8のNO)、全てのリール13L,13M,13Rが停止すると(ステップS8のYES)、図柄判定手段107により図柄の判定が行われる(ステップS9)。
続いて、図34および図35を参照して説明する報知判定処理(ステップS10)が実行され、必要に応じて払出制御手段108によりメダル払出処理が実行され(ステップS11)、ステップS1からの処理が繰り返し実行される。
2.タイマ割込処理
次に、メイン制御基板63のメインCPU61における割込み処理の毎に実行されるタイマ割込処理について、図31を参照して説明する。
まず、各リールモータ14L,14M,14Rの位相を出力し(ステップS20)、出力ポートにセットされたコマンドを送信する(ステップS21)。次に、電圧監視用ICに接続されている入力ポートの状態をチェックし、電断状態であるか否かを判定し(ステップS22)、電断状態であれば(ステップS23のYES)、設定されている前兆期間をバックアップする等、所定の電断処理を行い(ステップS24)、処理を終了する。
一方、電断状態でなければ(ステップS23のNO)、クレジット表示器45や報知用表示器60の点灯状態を現在のスロットマシン1の制御状態(各スイッチ類の操作、メダルの投入、AT期間中であるか否か、など)に合わせて更新する(ステップS25)。次に、メイン制御基板63に接続された、各スイッチ、各センサの状態を入力するための入力ポートを最新の状態に更新する(ステップS26)。続いて、メダルの投入間隔や払出間隔などの時間を計測することにより、スロットマシン1にエラーが生じているか否かを判定する(ステップS27)。
次に、ステップS26において更新された入力ポートの状態に基づいて、各スイッチが操作されたか否か、メダルが投入されたか、メダルが払い出されたか、リールが所定の回転位置を通過したか、などを判定し(ステップS28)、抽選用の乱数を更新して(ステップS29)、図30のメイン処理に復帰する。
3.報知決定処理
次に、図30のステップS4の報知決定処理について、図32および図33を参照して説明する。
まず、図32に示すように、報知抽選手段100dは、当選役の種類がチェリーまたはスイカであるか否かを判定し(ステップS30)、該判定がチェリーまたはスイカの当選である場合(ステップS30のYES)は、その当選役がチェリーであるか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果がチェリーの当選であれば(ステップS31のYES)、チェリー用のAT移行抽選を行い(ステップS32)、AT権利設定手段100fは、決定されたAT権利数をAT権利数格納手段652に設定する(ステップS35)。一方、スイカの当選であれば(ステップS31のNO)、報知抽選手段100dは、スイカ用のAT移行抽選を行い(ステップS33)、AT当選であれば(ステップS34のYES)、AT権利設定手段100fは、決定されたAT権利数をAT権利数格納手段652に設定する(ステップS35)。
続いて、報知判定手段100hがAT期間中かボーナス状態であると判定すれば(ステップS36のYES)、図33のステップS45に進む。一方、報知判定手段100hがAT期間中かボーナス状態でないと判定すれば(ステップS36のNO)、前兆期間設定手段100gは、前兆期間が設定されていなければ(ステップS37のNO)、図36を参照して説明する前兆期間設定処理を実行する(ステップS38)。次に、報知判定手段100hがボーナス状態であると判定すれば(ステップS39のYES)、図33のステップS45に進む。
一方、報知判定手段100hがボーナス状態でないと判定したときに(ステップS39のNO)、前兆期間設定手段100gが前兆期間が設定されていないと判定すれば(ステップS40のNO)、図33のステップS45に進む。また、前兆期間設定手段100gは、前兆期間が設定されていれば(ステップS37のYES、ステップS40のYES)、前兆期間遊技数カウンタ653がカウントする前兆期間を−1減算する(ステップS41)。
続いて、報知判定手段100hは、前兆期間遊技数カウンタ653にカウントされている前兆期間の値が0でなければ(ステップS42のNO)、図33のステップS45に進む。一方、前兆期間遊技数カウンタ653にカウントされている前兆期間の値が0であり、報知判定手段100hがAT1移行条件の成立を判定すれば(ステップS42のYES)、報知決定手段100iが、AT権利数格納手段652に格納されているAT権利数から−1減算し(ステップS43)、AT期間遊技数カウンタ655にAT期間(50ゲーム)を設定し(ステップS44)、図33のステップS45に進む。なお、報知決定手段100iは、ステップS44においてAT期間遊技数カウンタ655にAT期間を設定したゲームの次のゲームにおいてAT期間中フラグの状態をONに設定する。
また、チェリーまたはスイカの当選でないとき(ステップS30のNO)、報知抽選手段100dによるスイカ当選用のAT移行抽選に当選しなかったときは(ステップS34のNO)、ステップS39からの処理が実行される。
続いて、図33に示すように、遊技数AT付与手段100eは、AT期間中またはボーナス状態か否か、AT遊技終了時または特別遊技終了時か否か、などの遊技の状態に応じてボーナス間遊技数カウンタ656のカウント値を更新する(ステップS45)。そして、遊技数AT付与手段100eは、ゲーム数AT移行抽選契機であれば(ステップS46のYES)、ゲーム数移行抽選を行う(ステップS47)。
次に、AT当選であれば(ステップS48のYES)、AT権利設定手段100fは1個のAT権利数をAT権利数格納手段652に設定するが、報知判定手段100hが、AT1移行条件が成立したと判定することにより、報知決定手段100iが、AT権利数格納手段652に格納されているAT権利数から−1減算してAT期間遊技数カウンタ655に1個のAT権利に基づくAT期間(50ゲーム)を設定し(ステップS49)、図30のメイン処理に復帰して処理を終了する。なお、報知決定手段100iは、ステップS49においてAT期間遊技数カウンタ655にAT期間を設定したゲームの次のゲームにおいてAT期間中フラグの状態をONに設定する。
一方、ゲーム数AT移行抽選契機でなく(ステップS46のNO)、AT当選でなければ(ステップS48のNO)、図30のメイン処理に復帰して処理を終了する。
4.報知判定処理
次に、図30のステップS10の報知判定処理について、図34および図35を参照して説明する。
まず、図34に示すように、報知判定手段100hがボーナス入賞状態でありAT1終了条件が成立したと判定すれば(ステップS50のYES)、前兆期間設定手段100gは、前兆期間中であれば前兆期間遊技数カウンタ653のカウント値をクリアし、報知決定手段100iは、AT期間中であればAT期間遊技数カウンタ655に現在のカウント値を残りのAT期間として記憶させてAT期間中フラグをOFFに設定し(ステップS51)、図35のステップS67に進む。
次に、ボーナス入賞状態でなく(ステップS50でNO)、ボーナス終了状態(ステップS52のYES)のときに、報知判定手段100hがAT期間遊技数カウンタ655に残りAT期間が記憶されておりAT1移行条件が成立していると判定すれば(ステップS53のYES)、報知決定手段100iは、AT期間遊技数カウンタ655に記憶されている値をAT期間として再設定しAT期間中フラグをONに設定して(ステップS54)、図35のステップS67に進む。一方、残りAT期間が記憶されていないときに(ステップS53のNO)、報知判定手段100hがAT権利数格納手段652にAT権利数が残っておりAT1移行条件が成立していると判定すれば(ステップS55のYES)、報知決定手段100iが、AT権利数格納手段652に格納されているAT権利数から−1減算し、AT期間遊技数カウンタ655にAT期間(50ゲーム)を設定してAT期間中フラグをONに設定し(ステップS56)、図35のステップS67に進む。
続いて、ボーナス終了状態でないとき(ステップS52のNO)、または、AT権利が残っていないときに(ステップS55のNO)、ボーナス状態のとき(ステップS57のYES)、または、ボーナス状態ではないが(ステップS57のNO)、AT期間中フラグがOFFに設定されているときは(ステップS58のNO)、図35のステップS67に進む。また、AT期間中フラグがONに設定されているときは(ステップS58のYES)、報知決定手段100iは、AT期間遊技数カウンタ655のカウント値を−1減算し(ステップS59)、総AT遊技数カウンタ659のカウント値を更新する(ステップS60)。次に、AT期間の残りが0でなければ(ステップS61のNO)、図35のステップS67に進む。
また、AT期間の残りが0のときに(ステップS61のYES)、報知判定手段100hがAT権利数格納手段652にAT権利数が残っておりAT1移行条件が成立していると判定すれば(ステップS62のYES)、報知決定手段100iが、AT権利数格納手段652に格納されているAT権利数から−1減算し(ステップS63)、AT期間遊技数カウンタ655にAT期間(50ゲーム)を設定してAT期間中フラグをONに設定し(ステップS64)、図35のステップS67に進む。一方、報知判定手段100hがAT権利数格納手段652にAT権利数が残っておらずAT1終了条件が成立していると判定すれば(ステップS62のNO)、報知決定手段100iが、AT期間中フラグをOFFに設定し(ステップS65)、総AT遊技数カウンタ659のカウント値をクリアして(ステップS66)、図35のステップS67に進む。このとき、通常のAT遊技終了条件が成立するため、モード選択抽選手段100bは、図13(c)に示す設定変更時用と同一のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。なお、モード選択抽選手段100bが、図14(c)に示す通常のAT遊技終了時用のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行うようにしてもよい。
続いて、図35に示すように、リミッタ条件が成立していないと判定すれば(ステップS67のNO)、図30のメイン処理に復帰して処理を終了する。一方、リミッタ条件を満たしておりAT1終了条件が成立していると判定すれば(ステップS67のYES)、報知決定手段100iが、AT期間中フラグをOFFに設定し(ステップS68)、総AT遊技数カウンタ659のカウント値をクリアし(ステップS69)、AT期間遊技数カウンタ655の値(AT期間)をクリアし(ステップS70)、AT権利数格納手段652に格納された残りのAT権利数をクリアして(ステップS71)、図30のメイン処理に復帰して処理を終了する。このとき、リミッタ条件が成立しているため、モード選択抽選手段100bは、図13(c)に示す設定変更時用と同一のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。なお、モード選択抽選手段100bが、図14(d)に示す設定変更時と同一のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行うようにしてもよい。
5.前兆期間設定処理
次に、図32のステップS38の前兆期間設定処理について、図36を参照して説明する。
前兆期間設定手段100gは、チェリーによるAT当選のときは(ステップS80のYES)、チェリー用の前兆期間テーブル677から前兆期間を決定し(ステップS81)、前兆期間遊技数カウンタ653に前兆期間を設定し(ステップS83)、図32の報知決定処理に復帰して処理を終了する。一方、前兆期間設定手段100gは、スイカによるAT当選のときは(ステップS80のNO)、スイカ用の前兆期間テーブル677から前兆期間を決定し(ステップS82)、前兆期間遊技数カウンタ653に前兆期間を設定し(ステップS83)、図32の報知決定処理に復帰して処理を終了する。
6.ガセ前兆期間設定処理
図37を参照してサブ制御基板73のサブCPU71において実行されるガセ前兆期間設定処理について説明する。
ガセ前兆期間設定手段201は、スイカ当選であり(ステップS90のYES)、前兆期間中でなく(ステップS91のNO)、ガセ前兆期間中でなく(ステップS92のNO)、特別役ガセ可能性演出中でなく(ステップS93のNO)、特別役内部遊技状態、ボーナス状態またはAT期間中のいずれでもないときに(ステップS94のNO)、ガセ前兆期間テーブル753からガセ前兆期間を決定し(ステップS95)、処理を終了する。
一方、スイカ当選でないとき(ステップS90のNO)、または、前兆期間中(ステップS91のYES)、または、ガセ前兆期間中(ステップS92のYES)、または、特別役ガセ可能性演出中(ステップS93のYES)、または、特別役内部遊技状態、ボーナス状態またはAT期間中のいずれかであるときは(ステップS94のYES)、処理を終了する。
7.演出内容決定処理
図38および図39を参照してサブ制御基板73のサブCPU71において実行される演出内容決定処理について説明する。
まず、図38に示すように、ボーナスが持ち越されており(ステップS100のYES)、特別役可能性演出中であれば(ステップS101のYES)、演出内容決定手段202は、設定済みの特別役可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定し(ステップS102)、図39のステップS120の処理に進む。一方、特別役可能性演出中でなければ(ステップS101のNO)、図40を参照して説明するボーナス確定報知処理を実行し(ステップS103)、図39のステップS120の処理に進む。
次に、ボーナスが持ち越されておらず(ステップS100のNO)、ボーナスに当選したゲームであれば(ステップS104のYES)、前兆可能性演出中、ガセ前兆可能性演出中、特別役ガセ可能性演出中のいずれでもないときは(ステップS105のNO)、演出内容決定手段202は、特別役可能性演出シナリオ設定テーブル756から選択した演出シナリオを設定し、設定した演出シナリオに沿った演出内容を決定して(ステップS106)、図39のステップS120の処理に進む。一方、前兆可能性演出中、ガセ前兆可能性演出中、特別役ガセ可能性演出中のいずれかであるときは(ステップS105のYES)、演出内容決定手段202は、実行中の可能性演出の演出シナリオを、特別役可能性演出シナリオ設定テーブル756から新たに選択した演出シナリオに書き換え設定し、設定した演出シナリオに沿った演出内容を決定して(ステップS107)、図39のステップS120の処理に進む。
続いて、ボーナスに当選したゲームではないときに(ステップS104のNO)、前兆期間が設定されているが(ステップS108のYES)、前兆可能性演出が実行されておらず(ステップS109のNO)、ガセ前兆可能性演出中、特別役ガセ可能性演出中のいずれでもないときは(ステップS110のNO)、演出内容決定手段202は、前兆期間に応じた前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754から選択した演出シナリオを設定し、設定した演出シナリオに沿った演出内容を決定して(ステップS111)、図39のステップS120の処理に進む。一方、ガセ前兆可能性演出中、特別役ガセ可能性演出中のいずれかであるときは(ステップS110のYES)、演出内容決定手段202は、実行中の可能性演出の演出シナリオを、前兆期間に応じた前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754から新たに選択した演出シナリオに書き換え設定し、設定した演出シナリオに沿った演出内容を決定して(ステップS112)、図39のステップS120の処理に進む。また、前兆可能性演出中であれば(ステップS109のYES)、演出内容決定手段202は、設定済みの前兆可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定し(ステップS113)、図39のステップS120の処理に進む。
次に、前兆期間の設定がないときに(ステップS108のNO)、図39に示すように、ガセ前兆期間が設定されているが(ステップS114のYES)、ガセ前兆可能性演出が実行されていないときは(ステップS115のNO)、演出内容決定手段202は、ガセ前兆期間に応じたガセ前兆可能性演出シナリオ設定テーブル755から選択した演出シナリオを設定し、設定した演出シナリオに沿った演出内容を決定して(ステップS116)、図39のステップS120の処理に進む。一方、ガセ前兆可能性演出中であれば(ステップS115のYES)、演出内容決定手段202は、設定済みのガセ前兆可能性演出の演出シナリオに沿った演出内容を決定し(ステップ117)、図39のステップS120の処理に進む。
続いて、ガセ前兆期間の設定がないときに(ステップS114のNO)、特別役ガセ可能性演出設定契機でなければ(ステップS118のNO)、図39のステップS120の処理に進む。一方、特別役ガセ可能性演出設定契機であれば(ステップS118のYES)、演出内容決定手段202は、特別役ガセ可能性演出シナリオ設定テーブル757から選択した演出シナリオを設定する(ステップS119)。
次に、設定値状態示唆演出決定契機であれば(ステップS120のYES)、演出内容決定手段202は、メイン制御基板63から送信された状態示唆演出決定用コマンドと、図28の設定値状態示唆演出抽選テーブル760とに基づいて設定値状態示唆演出を決定する(ステップS121)。そして、遊技状態および当選役に応じて、ストップスイッチの押し順を報知する演出や、設定されている特別役ガセ可能性演出シナリオ設定テーブル757に基づく特別役ガセ可能性演出の演出シナリオに沿った演出、役抽選結果示唆演出抽選テーブル761に基づく役抽選結果示唆演出、などを決定し(ステップS122)、処理を終了する。
なお、各可能性演出と、設定値状態示唆演出および役抽選結果示唆演出とが同時に実行されるようにしてもよいし、同時に演出を実行した場合に演出内容に矛盾が生じる場合には、一方の演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
8.ボーナス確定報知処理
次に、図38のステップS103のボーナス確定報知処理について、図40を参照して説明する。
特別役当選報知手段203は、特別役可能性演出が終了した次のゲームでなければ(ステップS121のNO)、特別役に当選していることを報知して(ステップS123)、図38の演出内容決定処理に復帰して処理を終了する。一方、特別役可能性演出が終了した次のゲームのときは(ステップS121のYES)、報知可能状態報知手段204がAT遊技の開始を報知するゲームであれば(ステップS122のYES)、特別役当選報知手段203は、特別役に当選していることを報知せずに図38の演出内容決定処理に復帰して処理を終了し、報知可能状態報知手段204がAT遊技の開始を報知するゲームでなければ(ステップS121のNO)、特別役当選報知手段203は、特別役に当選していることを報知して(ステップS123)、図38の演出内容決定処理に復帰して処理を終了する。
9.AT開始報知処理
図41を参照してサブ制御基板73のサブCPU71において実行されるAT開始報知処理ついて説明する。
AT期間中であることを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信し(ステップS130のYES)、AT期間中フラグの状態がOFFからONに変化したときに(ステップS131のYES)、特別役可能性演出中、ボーナス確定画面表示中のいずれでもない場合は(ステップS132のNO)、報知可能状態報知手段204は、液晶表示器27を利用してAT遊技が開始することを報知し(ステップS133)、処理を終了する。一方、特別役可能性演出中、ボーナス確定画面表示中のいずれかである場合は(ステップS132のYES)、報知可能状態報知手段204は、各ランプ部33,37L,37R等の液晶表示器27以外の演出機器を利用してAT遊技が開始することを報知し(ステップS134)、処理を終了する。また、AT期間中であることを特定する情報をサブ制御コマンド受信手段200が受信しないとき(ステップS130のNO)、AT期間中フラグの状態がOFFからONに変化していないときは(ステップS131のNO)、処理を終了する。
(可能性演出の具体例)
次に、図42を参照して可能性演出の具体例について説明する。
図42(a)は、一般遊技(RT1)において各可能性演出が実行されていない状態で、スイカに当選したが、AT移行抽選に当選しなかったときに、サブ制御基板73のガセ前兆期間設定手段201により25ゲームのガセ前兆期間が設定され(図37のステップS95)、設定されたガセ前兆期間に応じて選択されたガセ前兆可能性演出の演出シナリオ(図39のステップ116)を示す。
図42(a)に示す演出シナリオでは、まず、最初の4ゲームを利用した連続演出により「ハズレ」であることが示唆される。続いて、5ゲーム目〜10ゲーム目の間に、遊技者の注意を引く演出が実行され、11ゲーム目〜20ゲーム目の間に、遊技者の期待感を煽る演出が実行される。そして、21ゲーム目において、最後の連続演出が開始することを遊技者に報知する演出が実行され、最後の4ゲームを利用した連続演出により「ハズレ」であることが示唆されて、ガセ前兆可能性演出が終了し、26ゲーム目から通常演出が実行される。
図42(b)は、図42(a)に示すガセ前兆可能性演出中の15ゲーム目においてチェリーに当選したことにより4ゲームの前兆期間が設定されたことによって(図36のステップS81)、ガセ前兆可能性演出中の15ゲーム目から新たに書き換え設定される前兆可能性演出の演出シナリオを示す(図38のステップS112)。図42(b)に示す前兆可能性演出の演出シナリオでは、ガセ前兆可能性演出の15ゲーム目から開始される4ゲームを利用した連続演出により「AT当選」であることが示唆され、前兆可能性演出が終了した次のゲーム、すなわち、ガセ前兆可能性演出が開始されてから19ゲーム目において、AT遊技が開始されることが報知される(AT開始報知)。
図42(c)は、図42(a)に示すガセ前兆可能性演出中の15ゲーム目において一枚役+BBに当選したことにより、ガセ前兆可能性演出中の15ゲーム目から新たに書き換え設定される4ゲームの特別役可能性演出の演出シナリオを示す(図38のステップS107)。この演出シナリオでは、ガセ前兆可能性演出の15ゲーム目から開始される4ゲームを利用した連続演出により「特別役当選」であることが示唆され、特別役可能性演出が終了した次のゲーム、すなわち、ガセ前兆可能性演出が開始されてから19ゲーム目において、特別役に当選していることが報知される(ボーナス確定報知)。そして、図42(c)に示す例では、ガセ前兆可能性演出が開始されてから23ゲーム目において特別役に入賞するまで、ボーナス確定報知が継続される。
図42(d)は、図42(c)に示す特別役可能性演出の最後のゲーム(ガセ前兆可能性演出が開始されてから18ゲーム目)においてチェリーに当選することにより1ゲームの前兆期間が設定されたときに、AT開始報知をボーナス確定報知よりも優先する例を示す。すなわち、ガセ前兆可能性演出が開始されてから19ゲーム目は、特別役可能性演出が終了してボーナス確定報知が行われるゲームであるが、AT期間が0となってAT開始報知が行われるゲームでもあるため、この場合には、AT開始報知を優先して実行し、次のゲームにおいてボーナス確定報知を行う。
(AT遊技のセット終了前後の演出の具体例)
次に、AT遊技のセット終了前後に液晶表示器27で行われる演出の具体例について、図43を参照して、AT権利(セット)が残っている場合とそうでない場合に分けて説明する。AT遊技中、液晶表示器27では、AT遊技の残りゲーム数や、累積獲得枚数などの情報が表示されるとともに、これらの情報が毎遊技で書き換えられる。上述のように、この実施形態では、AT遊技の1セットが50ゲームで設定されており、AT遊技の遊技数を1ゲーム消化する毎に、液晶表示器27に表示される残りゲーム数が1つ減算される。また、獲得枚数算出手段113で算出される累計獲得枚数が1ゲーム毎に更新されて液晶表示器27に表示される。
例えば、図43(a)および(b)に示すように、AT遊技の残りセット数がある場合、一のセットの最終ゲームで、ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われていない状態では、例えば、液晶表示器27に「残り0ゲーム」「獲得枚数△△枚」の画像が表示される。最終ゲームで全てリール13L,13M,13Rが停止すると、AT遊技(セット)の終了時演出として、液晶表示器27に、トータルのAT遊技の継続ゲーム数を示す「ATゲーム数○○ゲーム」、獲得枚数算出手段113が算出した獲得枚数(累積増加量)を示す「獲得枚数△△枚」の画像が表示される。
続いて、次のゲームでスタートスイッチ19の操作が行われると、各リール13L,13M,13Rの回転が開始する。このとき、AT権利(セット)が残っていることを示すために、液晶表示器27に例えば、「まだ続くよ!!」などの画像が表示され、続いてAT遊技(セット)を開始すべく、液晶表示器27に、セットの残りゲーム数を示す「残り50ゲーム」および前のセットから累積された獲得枚数を示す「獲得枚数△△枚」の画像に切り換わる。
一方、AT権利(セット)が残っていない場合は、図43(c)および(d)に示すように、AT遊技(セット)の最終ゲームで、全てのリール13L,13M,13Rが停止するまでは、AT権利(セット)が残っている場合と同様の画像が、液晶表示器27に表示される。続いて、次のゲームでスタートスイッチ19の操作が行われると、各リール13L,13M,13Rの回転が開始するが、AT権利が残っていない場合は、液晶表示器27の表示画面が通常に戻る。このとき、モード選択抽選手段100bによりAT移行抽選のモードが選択され、その選択結果に基づいて演出内容決定手段202が決定した背景演出が、例えば「夕方」背景の場合は、液晶表示器27の背景画面に「夕方」背景が表示される。なお、これらのAT権利の終了前後の液晶表示器27の表示内容は、演出内容決定手段202により決定される。
(獲得枚数算出の具体例)
次に、獲得枚数算出手段113による獲得枚数の算出について、AT権利が残っている場合と、一旦終了した後、新たなAT権利を獲得した場合とを例として説明する。例えば、AT権利が残っている場合、図44(a)に示すように、獲得枚数算出手段113は、AT遊技(1セット目)の終了時までの獲得枚数(累計増加量)を算出し、その獲得枚数が1セット目の終了時の液晶表示器27に表示される。ところで、AT権利が残っている場合であっても、一旦AT遊技を終了させて通常遊技に戻し、通常遊技で前兆期間を経てAT遊技の2セット目に復帰するという遊技演出が行われる場合がある。この場合、1セット目が終了すると、例えば、次のゲームから通常画面(「夕方」背景)に戻り、そこから32ゲームの前兆期間を経た後、AT遊技の2セット目が開始する。このとき、獲得枚数算出手段113は、50ゲーム以内にAT遊技の2セット目が始まっているため、獲得枚数の算出の開始タイミングを1セット目の開始時として、ここから2セット目の開始までの獲得枚数(累積増加量)を算出する。したがって、例えば、1セット目の終了時の獲得枚数が△△枚で、1セット目の終了時から2セット目の開始時までのメダルの増減がなかった場合は、2セット目の開始時点で、液晶表示器27に「獲得枚数△△枚」の画像が表示される。
次に、AT権利が残っていない場合を、図44(b)を参照して説明する。例えば、AT権利が残っていない状態でAT遊技が終了すると、モード選択抽選手段100bによりAT移行抽選のモードが選択され、そのモードに基づいて演出内容決定手段202により背景演出の種類が選択される。ここで、「夕方」背景が選択され、その後、当選役グループ「チェリー」または「スイカ」に当選し、さらにAT移行抽選に当選した後、前兆期間を経て「先のAT遊技」が終了してから32ゲーム目で「後のAT遊技」が始まったとする。このように、「先のAT遊技」が終了して、モード選択抽選手段100bによりAT移行抽選のモードの選択が行われた場合、獲得枚数算出手段113は、50ゲーム以内に「後のAT遊技」が始まっているにもかかわらず、「先のAT遊技」で得られた獲得枚数はカウントに含めずに、「後のAT遊技」の開始時点から獲得枚数の算出を開始する。そのため、後のAT遊技の開始遊技では、液晶表示器27に「残り50ゲーム」「獲得枚数0枚」の画像が表示される。このように、上述の液晶表示器27による獲得枚数(累計増加量)の表示機能によりメダルの累計増加量を報知する増加量報知手段が構成されている。
(リミッタ動作の具体例)
次に、図45を参照してリミッタ動作の具体例について説明する。
まず、図45に示すように、スロットマシン1において遊技開始の起点となる設定変更時に、モード選択抽選手段100bは、AT遊技終了時用と同一の種類のデータにより構成されたモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。このとき、演出内容決定手段202は、設定変更時用の背景演出選択抽選テーブル758を用いて背景演出選択抽選を行う。
その後、AT権利を獲得し、前兆期間を経てAT遊技が開始された後、AT期間の残りが0のときに(図34のステップS61のYES)、報知判定手段100hが、AT権利数格納手段652にAT権利数が残っておらずAT1終了条件が成立していると判定することで(図34のステップS62のNO)、通常のAT遊技終了条件(特定終了条件)が成立すれば、通常のAT遊技終了時とリミッタによるAT遊技終了時とで同一の種類のモード選択抽選テーブル673(図13(c)参照)を用いるように設定されている場合には、モード選択抽選手段100bは、設定変更時用と同一の種類のデータにより構成されたモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。このとき、演出内容決定手段202は、AT遊技終了時用の背景演出選択抽選テーブル758を用いて背景演出選択抽選を行う。なお、AT期間を一旦中断して特別遊技が実行された場合には、AT期間遊技数カウンタ655による1個のAT権利に基づくAT期間中におけるAT遊技の消化ゲーム数のカウント、および、総AT遊技数カウンタ659によるAT期間に移行した後に実行されたAT遊技の全ゲーム数(付与された全てのAT権利に基づく全AT期間中におけるAT遊技の消化ゲーム数)のカウントを中断し、特別遊技が終了してAT遊技が再開された後に、AT期間遊技数カウンタ655および総AT遊技数カウンタ659によるカウントを再開するように構成されている。
続いて、AT遊技が開始された後、リミッタ条件(経過時終了条件)が成立すれば、AT期間およびAT権利がまだ残っていても、残りAT期間および残りAT権利の両方をクリアしてAT遊技を終了する。このようにすることで、遊技者に利益を付与しすぎるのを防止できるので、遊技者の射幸心が増大するのを抑制することができる。このとき、モード選択抽選手段100bは、設定変更時用と同一の種類のデータにより構成されたモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。また、演出内容決定手段202は、AT遊技終了時用の背景演出選択抽選テーブル758を用いて背景演出選択抽選を行う。なお、AT期間を一旦中断して実行される特別遊技の間は更新(カウント)を中断する総AT遊技数カウンタ659のカウント値に基づいてリミッタ条件が成立したか否かを判定する。
このように構成すると、設定変更時およびAT遊技終了時とで、モード選択抽選手段100bは同一の種類のデータにより構成されたAT移行抽選テーブル675(AT移行抽選のモード)を選択するので、報知抽選手段100dは、モード選択抽選手段100bにより選択された確率モード用の同一のAT移行抽選テーブル675を用いてAT遊技の権利付与を決定する。すなわち、設定変更時とAT遊技終了時とでは、AT移行抽選に関する遊技者に対する有利度が同一である。一方、演出内容決定手段202は、設定変更時およびAT遊技終了時とで、異なる種類のデータにより構成された背景演出選択抽選テーブル758を用いて、複数種類の背景演出のうち、いずれの種類の背景演出を液晶表示器27で行うかを決定する。したがって、設定変更の際と、AT遊技の終了の際とで、各々の状態に適した内容で背景演出を実行することができる。すなわち、設定変更時とAT遊技終了時とで背景演出の内容を異ならせることができる。
例えば、AT遊技の権利付与の決定に遊技者に有利な高確モード用のAT移行抽選テーブル675(図16(c))が用いられるときの背景演出として、AT移行抽選テーブル675は高確モード用であることが確定する確定演出(「夜」)、および、AT移行抽選テーブル675は高確モード用である可能性がある可能性演出(「夕方」「昼」)の2種類が用意されている場合で、設定変更(第1条件)の際に高確モードが選択された場合は、背景演出として確定演出(「夜」)が選択されない図25(a)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて背景演出を決定し、AT遊技の終了(第2条件)の際には、背景演出として確定演出(「夜」)が選択され得る図25(b)の背景演出選択抽選テーブル758を用いて背景演出を決定することができる。したがって、設定変更の際に遊技者に有利な高確モードがモード選択抽選手段100bにより選択され得るようにして遊技者の興趣を高めつつ、そのときに背景演出として確定演出(「夜」)が行われないようにして、ホール側が過度に不利益を被るのを防止することができる。
また、図45に示すように、特別遊技終了時に、モード選択抽選手段100bは、設定変更時用およびAT遊技終了時用と異なる種類のデータにより構成された特別遊技終了時用のモード選択抽選テーブル673を用いてモード選択抽選を行う。また、演出内容決定手段202は、特別遊技終了時用の背景演出選択抽選テーブル758を用いて背景演出選択抽選を行う。
このようにすると、特別遊技終了時は、モード選択抽選手段100bは、AT遊技終了時用と異なる種類のデータにより構成されたモード選択抽選テーブル673を用いて、AT移行抽選の抽選モードを選択する。したがって、AT遊技が実行されることによる遊技者に有利な状態が終了した後と、特別遊技が実行されることによる遊技者に有利な状態が終了した後とでは、報知抽選手段100dによるAT移行抽選のモードが変化するので、遊技者の興趣を高めることができる。
(AT遊技の消化ゲーム数のカウント方法について)
次に、AT期間に移行した後のAT遊技の消化ゲーム数のカウント方法について説明する。
まず、総AT遊技数カウンタ659のカウント値は、遊技状態がAT遊技(AT1)を含む遊技状態(ART遊技(RT4+AT1)、一般AT遊技(RT1+AT1)、AT遊技(AT)が組み合わされた特別役内部遊技(BB内部遊技(RT2)、RB内部遊技(RT3))で1ゲームが消化される毎に更新されるが、最初にAT期間に移行したときにカウント値をリミッタ条件が成立するための条件である1500に設定し、AT遊技が1ゲームが消化される毎に総AT権利数カウンタ569の値を−1減算するようにしてもよいし、最初にAT期間に移行したときにカウント値を0に初期化し、AT遊技が1ゲーム消化される毎に総AT権利数カウンタ569のカウント値に+1加算するようにしてもよい。
また、リミッタ条件が成立したか否かを判定するための総AT遊技数カウンタ659のカウント値については、遊技状態がAT遊技(AT1)を含む遊技状態から特別遊技(BB遊技(BB’)、RB遊技(RB’))に移行した場合にも1ゲームが消化される毎に更新するようにしてもよい。このようにすると、総AT遊技数カウンタ659のカウント値が、最初にAT期間に移行した後、AT権利(AT期間)が残っている間は特別遊技を含む全ての遊技状態において1ゲームが消化される毎に更新されるので、AT遊技の消化ゲーム数をカウントするAT期間遊技数カウンタ655の更新が中断されている特別遊技中に総AT遊技数カウンタ659のカウント値がリミッタ条件を満たす(1500ゲームに達する)場合がある。この場合には、残りのAT期間および残りのAT権利をクリアして、特別遊技が終了したときにAT遊技を再開せずに終了するとよい。なお、AT移行抽選に当選することによるAT権利設定時に総AT権利数カウンタ569によるカウントを開始してもよい(前兆期間中からカウントを開始する)。
また、AT期間遊技数カウンタ655のカウント値を、遊技状態がART遊技(RT4+AT1)である場合においてのみ1ゲームが消化される毎に更新するようにしてもよい。また、例えば、総AT遊技数カウンタ659のカウント値を、最初にAT期間に移行した後、AT権利(AT期間)が残っている間は特別遊技を含む全ての遊技状態において1ゲームが消化される毎に更新し、AT期間遊技数カウンタ655のカウント値を、遊技状態がART遊技(RT4+AT1)である場合においてのみ1ゲームが消化される毎に更新するようにしてもよい。
(AT遊技の開始契機の変形例)
次に、図46および図47を参照してAT遊技の開始契機の変形例について説明する。
1.当選役グループにAT遊技数がAT権利として対応付けられている例
図46に示すように、この変形例では、当選役グループとして、小役同時当選(1)〜(4)と、特別役同時当選(5)〜(7)とが設定されており、各当選役グループに付与されるAT遊技数が対応付けされている。そして、小役同時当選(1)および特別役同時当選(5)を除く、AT遊技数が対応付けられている当選役グループ(小役同時当選(2)〜(4)、特別役同時当選(6)、(7))に当選した場合には、次のゲームから付与されたゲーム数に基づくAT期間に移行して、付与されたゲーム数でAT遊技を開始する。このように構成すると、役抽選結果に対して付与されるAT遊技数(ATの価値)が一対一で決定されるので、より一層の興趣向上を図ることができる。また、リミッタ条件について、AT遊技の消化ゲーム数のカウント開始の起点が明確なので、より過度な射幸性を抑制することができる。
次に、図46に示すように当選役グループが構成されている場合に実施することができる遊技態様の一例について説明する。なお、以下の説明では、ボーナス(特別役)を持ち越していない状態で図46の当選役グループを用いた役抽選が行われる場合を想定しているが、例えば特別役同時当選(5)〜(7)のうちのいずれかに当選した後、ボーナスを持ち越している場合には、特別役同時当選が無い役抽選テーブル671を用いて以下で説明するのと同様の処理を行ってもよいし、AT遊技の権利が付与されないようにしてもよい。
停止制御手段106(図4参照)は、スイカ、一枚役13、一枚役14、特別役(BB)に同時当選している場合には、スイカ>一枚役13、一枚役14>特別役、の優先順序で各役に対応する図柄が有効ライン(中段ライン)上に揃うように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。そのため、図46に示す各当選役グループのいずれかに当選した場合には、スイカに対応する図柄を有効ラインに揃えるように各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作すると、どの当選役グループに当選していても、スイカに対応する図柄が中段ラインに揃うため、停止図柄を見ただけでは、どの当選役グループに当選したのかが分からないようになっている。また、この変形例では、AT遊技数が付与される当選役グループに当選した場合には、AT報知用のATランプ(図示省略)等を用いてAT遊技数が付与されたことを報知するAT報知を行うように構成されている。
したがって、図46に示す、小役同時当選(1)に当選したときに、AT報知用のATランプ(図示省略)が点灯しない状態で、スイカが有効ラインに揃った場合に、次のゲームから特別役ガセ可能性演出(図24参照)を実行すれば、遊技者に「BBに当選したかもしれない」という期待感を抱かせることができる。また、特別役同時当選(5)に当選したときに、AT報知用のATランプ(図示省略)が点灯しない状態で、スイカが有効ラインに揃った場合に、次のゲームから特別役可能性演出(図23参照)を実行すれば、遊技者に「BBに当選したかもしれない」という期待感を抱かせることができる。
また、図46に示す、小役同時当選(2)〜(4)または特別役同時当選(6)、(7)に当選した場合には、ATランプを点灯させて、次のゲームからAT遊技を開始する。このとき、例えばAT遊技の最初の3ゲームにおいて、AT遊技が継続するか否か、または、特別役に当選したか否か、を示唆する可能性演出を実行することができる。例えば、小役同時当選(2)に当選した場合には、「負け」の演出となって3ゲーム後にAT遊技が終了する。また、小役同時当選(3)、(4)に当選した場合には、「勝ち」の演出となってAT遊技が継続する(残りのAT遊技が実行される)。また、特別役同時当選(6)、(7)に当選した場合には、「勝ち」の演出となって特別役当選が報知される。そして、ボーナスゲーム(特別遊技)の終了後に残りのAT遊技が実行される。
なお、小役同時当選(2)に当選した場合にはAT遊技は3ゲームで終了する。そこで、可能性演出を実行する最初の3ゲームではATランプを点灯しないようにしてもよい。この場合には、小役同時当選(3)、(4)または特別役同時当選(6)、(7)に当選した場合に、最初の3ゲームでの可能性演出において、所定のゲーム数(例えば50ゲーム)以上のAT遊技が付与されたされたことが分かる演出が実行された後に、ATランプを点灯するようにするとよい。
なお、スイカを取りこぼすタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されると、停止制御手段106により、当選している当選役グループに応じた各リール13L,13M,13Rの停止制御が行われる。
ところで、この変形例では、各当選役グループと付与されるAT遊技のゲーム数とが1対1で対応付けされているが、同一の役抽選結果によって付与されたAT遊技により得られる有利量の期待値が、常に同一または略同一であれば、当該役抽選結果に対して付与されるAT遊技の種類はどのような種類であってもよい。例えば、50ゲームのAT遊技を付与する第1パターンと、10ゲームの上乗せ特化AT遊技を付与し、10ゲームの上乗せ特化ゾーンにおいて得られるAT遊技のゲーム数の期待値が40ゲームである第2パターンとでは、遊技者に付与される有利量の期待値が実質同じであるため、同一の役抽選結果である場合に、遊技者に対して異なるパターンのAT遊技(第1パターン、第2パターン)を付与することができる。なお、第2パターンの場合には、付与されるAT遊技のゲーム数を、AT遊技数決定用の専用の乱数値および専用の抽選テーブルを用いて決定するようにするとよい。
また、再遊技役と付与されるAT遊技のゲーム数とを対応付けてもよい。このようにすると、再遊技役に当選し易い役抽選テーブル671と、再遊技役に当選し難い役抽選テーブル671とを用意し、両役抽選テーブル671を遊技状況に応じて切り換えることにより、AT遊技が付与される期待値を変化させることができる。すなわち、再遊技役に当選し易い役抽選テーブル671が選択されている場合が、AT移行抽選の高確モードに相当し、再遊技役に当選し難い役抽選テーブル671が選択されている場合が、AT移行抽選の低確モードに相当する。
2.AT移行抽選とAT権利数獲得抽選とが区別されている例
図47に示すように、この変形例では、AT権利を付与するか否かを決定するためのAT移行抽選(図47(a),(b)参照)と、AT当選した場合にAT権利数を決定するためのAT権利数抽選(図47(c))とが独立して行われる。すなわち、AT権利数抽選は、AT移行抽選の実行契機(チェリー当選、スイカ当選)に関わらず、一律に図47(c)に示す抽選テーブルを用いて行われる。
したがって、AT移行抽選の実行契機に関わらず、AT当選した場合には付与されるAT権利数について常に一律の期待を持つことができるので、遊技者の興趣向上を図ることができる。また、AT移行抽選の実行契機に関わらず、付与されるAT権利数の期待値が同一となるので、過度な射幸性を防止することができる。また、リミッタ条件が成立(1500ゲーム)する可能性もAT移行抽選の実行契機によらず、一定の確率でリミッタ条件が成立することを期待できるので、試験時における試験結果にばらつきが出にくくすることができる。
なお、この変形例の場合には、AT当選した場合に、前兆演出等の可能性演出が実行されるようにしてもよい。
(状態示唆演出および結果示唆演出の変形例)
次に、図48および図49を参照して状態示唆演出の変形例について説明する。
本変形例が上記した実施形態と異なるのは、AT移行抽選の抽選モードが本発明の「制御条件」として構成され、抽選モードの状態(高確モード、低確モード)に基づき報知抽選手段100d(図5参照)により行われたAT移行抽選の結果が本発明の「制御結果」として構成されている点である。また、本変形例では、抽選モードの状態を示唆する背景演出が、本発明の「状態示唆演出」として構成され、AT移行抽選に当選したか否かを示唆する前兆可能性演出およびガセ前兆可能性演出が、本発明の「結果示唆演出」として構成されている。なお、前兆可能性演出またはガセ前兆可能性演出として選択した演出シナリオが複数ゲームに渡るものであるときは、演出シナリオの前半部分の内容を、結果示唆演出が行われることを遊技者に知らせる内容(予兆演出)にしてもよい。
また、本変形例では、図48(a)に示す状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678が本発明の「第1選択テーブル」として構成され、同図(b)に示す背景演出選択抽選テーブル758が本発明の「第2選択テーブル」として構成されている。また、本変形例では、図49(a)に示す前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754、および、同図(b)に示すガセ前兆可能性演出シナリオ設定テーブル755が本発明の「特定選択テーブル」として構成されている。以下の説明においては、上記した実施形態と異なる点を中心に説明を行い、その他の構成については同一符号を引用することによりその構成の説明を省略する。
図4のメイン側状態示唆演出決定手段109は、AT移行抽選の抽選モードの状態が、高確モードであるか、あるいは、低確モードであるかを示唆する背景演出の決定に関する選択を、図48(a)に示す状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678(図4参照)を使用して行う。このとき、メイン側状態示唆演出決定手段109は、状態示唆演出決定用コマンド選択テーブル678において各モードに対して設定された振分率に基づいて、サブ制御基板73に「A」(第2情報)および「B」(第1情報)のどちらのコマンドを送信するかを決定する。例えば、AT移行抽選の抽選モードが高確モードに設定されているときは、メイン側状態示唆演出決定手段109は、70%の振分率でコマンド「A」を選択し、30%の振分率でコマンド「B」を選択する。一方、AT移行抽選の抽選モードが低確モードに設定されているときは、メイン側状態示唆演出決定手段109は、30%の振分率でコマンド「A」を選択し、70%の振分率でコマンド「B」を選択する。
そして、コマンド作成手段104が、サブ制御基板73の演出内容決定手段202が背景演出を決定するための情報として、メイン側状態示唆演出決定手段109の選択結果を特定可能なコマンド(「A」または「B」)を作成し、作成したコマンドをサブ制御コマンド送信手段110がサブ制御基板73に送信する。
図6の演出内容決定手段202は、メイン制御基板63から送信される背景演出決定用の情報(メイン側状態示唆演出決定手段109の選択結果)と、図48(b)の背景演出選択抽選テーブル758(図6参照)に設定された振分率とに基づいて、背景演出の内容(背景)を決定する。具体的には、演出内容決定手段202は、受信したコマンドが「A」のときは、図48(b)の背景演出選択抽選テーブル758の「A」の列の振分率を使用して背景演出の内容を決定し、受信したコマンドが「B」のときは、図48(b)の背景演出選択抽選テーブル758の「B」の列の振分率を使用して背景演出の内容を決定する。なお、この変形例では、背景演出が「夜」の場合であっても、AT移行抽選の抽選モードが高確モードであることが確定しないように構成されている。
また、演出内容決定手段202は、メイン制御基板63から受信したコマンドがAT当選であることを特定するものである場合には、図49(a)に示す前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754(図6参照)を使用して、AT当選であることを示唆する前兆可能性演出の演出シナリオを決定する。このとき、演出内容決定手段202は、図49(a)の前兆可能性演出シナリオ設定テーブル754において前兆可能性演出の各演出シナリオに対して設定された振分率に基づいて、前兆可能性演出の演出シナリオを決定する。
一方、演出内容決定手段202は、メイン制御基板から受信したコマンドがAT非当選であることを特定するものである場合には、図49(b)に示すガセ前兆可能性演出シナリオ設定テーブル755(図6参照)を使用して、AT非当選であることを示唆するガセ前兆可能性演出の演出シナリオを決定する。このとき、演出内容決定手段202は、図49(b)のガセ前兆可能性演出シナリオ設定テーブル755においてガセ前兆可能性演出の各演出シナリオに対して設定された振分率に基づいて、前兆可能性演出の演出シナリオを決定する。なお、上記した実施形態と同様に、AT非当選であることを特定するコマンドを受信した場合に、ガセ前兆期間設定抽選によりガセ前兆期間を設定するようにしてもよい。
なお、AT当選の場合に、特訓フェーズが「チャンス」、バトルフェーズが「キャラクタB」に設定され易く、AT非当選の場合に、特訓フェーズが「通常」、バトルフェーズが「キャラクタA」に設定され易くなっているので、可能性演出の内容により遊技者に与える期待感を変化させることができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。また、上記した実施形態と同様に、AT当選であるか、あるいは、AT非当選であるかを特定する情報として、前兆期間をメイン制御基板63から送信するようにしてもよい。
したがって、上記した実施形態によれば、不正に情報を抜き取られることによる不正問題が生じ易い状態示唆演出を実行する際には、状態示唆演出を決定するための処理の一部をセキュリティ性の高いメイン制御基板63側において実行することで、制御条件の状態を特定可能な情報をそのままサブ制御基板73に送信しないようにし、不正に情報を抜き取られることによる不正問題が生じ難い結果示唆演出を実行する際には、結果示唆演出の決定についてはメイン制御基板63側では関与せずに制御結果の種類を特定可能な情報をそのままサブ制御基板73に送信することにより、メイン制御基板63に搭載されたメインCPU61の制御負荷および容量負荷を過度に増大させることなく、スロットマシン1に対する不正行為を防止しながらサブ制御基板73に搭載された機能により状態示唆演出を実行することができる。
また、設定変更時およびリミッタによるAT遊技終了時に、モード選択抽選手段100bは、同一の種類のデータにより構成されるモード選択抽選テーブル673を用いて、報知抽選手段100dのAT移行抽選のモードを選択する。したがって、リミッタによるAT遊技終了という遊技者に有利な状態が発生した後においては、設定変更時と同じ処理でAT移行抽選のモードが選択されるので、例えば、設定変更時よりも有利なAT移行抽選のモードがAT遊技終了時に選択されて、AT遊技が終了した後、短期間にAT遊技の権利が報知抽選手段100dにより再付与されるという過度の期待感を遊技者に煽るのを防止することができる。
また、通常のAT遊技終了時にも、設定変更時と同じ処理でAT移行抽選のモードが選択されるので、AT遊技が終了した後、短期間にAT遊技の権利が報知抽選手段100dにより再付与されるという過度の期待感を遊技者に煽るのをさらに効果的に防止することができる。また、通常のAT遊技終了時と、リミッタによるAT遊技終了時とで、モード選択抽選手段100bは、同一の種類のデータにより構成されるモード選択抽選テーブル673(図13(c))を用いてAT移行抽選のモードを選択するので、データを共通化することによりデータ負荷を低減することができる。
また、ボーナス遊技間のゲーム数が1500ゲームになると、必ずAT権利が付与されるため、ボーナス遊技などの有利な状態を長期間獲得できなかった場合には、AT遊技の権利を付与して遊技者の損失の一部を補填するという遊技性を提供することができる。また、ボーナス遊技に当選していない期間が1500ゲーム以内であっても所定のゲーム数を消化したときにはゲーム数AT移行抽選が行われるが、当該抽選が行われても、必ずAT遊技の権利が付与されるボーナス遊技間のゲーム数のカウントはクリアされずに継続される。このようにすると、ボーナス遊技に1500ゲーム当選しない場合に、AT遊技の権利を付与して損失の一部の補填を行うという遊技性を不要にクリアしないため、遊技者の興趣の低下を防止できる。
また、設定変更時のモード選択抽選を行うタイミングは、設定変更処理後のスタートスイッチ19の操作時または設定変更にかかる操作時で、AT遊技終了時のモード選択抽選を行うタイミングは、AT遊技の最終ゲームの第3停止リールのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作時である、つまり、設定変更時およびAT遊技終了時で、同じモード選択抽選処理を行うにしても、その処理を始める契機となる操作が異なるため、それぞれのモード選択抽選処理を適切なタイミングで行うことができる。
また、設定値が設計値と合致しているか否かの判定が、設定変更時およびAT遊技終了時の両方で行われるため、設定変更時に現在の設定値が不正行為で得られたものである可能性を判断できるだけでなく、AT遊技終了時にも当該終了したAT権利が不正行為で得られたものである可能性を判断し易くなる。
また、出力設定手段114は、外部に出力する信号の設定について、設定変更時とAT遊技終了時の両方で、AT遊技中(AT期間中)でないことを特定する信号の設定を行うため、AT遊技中でない設定変更時において、AT遊技中であることを特定する信号が外部に出力されるのを防止できる。
また、AT権利が残っているか否かにかかわらず、一のAT権利(セット)の終了時は同じ演出(終了時演出)が行われるため、AT遊技のセットが終了した際、遊技者に次のセットが残っているかもしれないという期待感を与えることができ、これにより、遊技者の興趣を高めることができる。
また、獲得枚数算出手段113は、ボーナス遊技やAT遊技などの有利状態が終了しても、50ゲーム以内に別の有利状態を獲得した場合は、これらの有利状態全体を対象として総獲得枚数(累計増加量)を算出するが、一度獲得したAT権利の全てが終了して、モード選択抽選手段100bによりAT移行抽選のモードの選択抽選が行われた場合は、たとえ50ゲーム以内に別の有利状態を獲得しても、「0」から算出し直す。このようにすると、遊技者に対して、一度の有利状態で獲得したメダルの累計増加量を煽ることなく、適切な演出を行うことができる。
また、上記した実施形態では、遊技者に有利となる報知可能状態に移行するか否かの判定および遊技者の損失の度合いに影響を与える前兆期間については、セキュリティ性の高いメイン制御基板63が備える機能により決定し、遊技者の有利度に影響を与えないガセ前兆期間については、メイン制御基板63よりもセキュリティ性の劣るサブ制御基板73が備える機能において決定することにより、過度にメインCPU61の制御負荷を増大させることなく、スロットマシン1に対する不正行為を効果的に防止できる。
また、従来では、演出機器の制御に係るパラメータはサブ制御基板73が備える機能により取り扱われていたが、演出機器の制御に係るパラメータのうち、メダルの払出率に影響を与えるパラメータのみを選択してセキュリティ性の高いメイン制御基板63で管理することにより、過度にメインCPU61の制御負荷を増大させることなく、スロットマシン1に対する不正行為を効果的に防止できる。
ところで、ボーナス入賞の難易度は、各リール13L,13M,13R上のボーナス入賞に係る図柄の配置状態や、ボーナス役と、小役または再遊技役との組み合わせ状態に大きく依存する。ところが、スロットマシンは、一般的に、機種ごとに各リール13L,13M,13Rの図柄配列が異なると共に、役の組み合わせも異なるため、本実施形態のように特別役当選に関する報知を行う場合には、機種ごとに報知方法や報知タイミングの制御手順を異ならせる必要がある。一方、AT遊技は、開始タイミングや、機種に依存しない期間(ゲーム数)により管理される遊技であるため、機種が異なっていてもAT遊技に関する制御を共通化することができる。したがって、AT遊技に関するパラメータをメイン制御基板63において管理することにより、種類の異なる複数の機種でAT遊技の制御を共通化することができるので、スロットマシンの開発の容易化を図ることができる。
また、図柄組合せによって発生し遊技者の技量の影響を受けるボーナス遊技と異なり、遊技者の技量によらない期間(ゲーム数)で管理されるAT遊技については、AT遊技開始の決定だけでなく、前兆期間についてもメイン制御基板63で管理しているため、遊技者の技量を最高レベルと仮定すれば、スロットマシン1を開発する際の設定払出率に関してメイン制御基板63の制御パラメータを解析するだけで確実に判断することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
例えば、スロットマシン1が、各リール13L,13M,13Rを用いた所謂フリーズ演出を備える場合に、フリーズ演出を行うか否かを決定するフリーズ抽選に当選し易い状態(高確モード)か、または、当選し難い状態(低確モード)かを決定する抽選モードを本発明の「制御条件」として構成し、抽選モードの状態(高確モード、低確モード)に基づくフリーズ抽選の結果を本発明の「制御結果」として構成してもよい。この場合には、フリーズ抽選に当選した当該ゲームの次のゲームにおいてスタースイッチ19が操作されたときにフリーズ演出を開始するようにし、フリーズ抽選に当選した当該ゲームにおいてフリーズ抽選の結果を示唆する結果示唆演出を実行するとよい。また、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、フリーズ抽選を行うと共に当該ゲームの最後にフリーズ抽選の結果示唆演出を行うことを遊技者に事前に知らせる予兆演出を行い、当該ゲームの最後に結果示唆演出を行うようにしてもよい。また、フリーズ抽選の抽選モードの状態(高確モード、低確モード)を示唆する状態示唆演出を、例えば上記した背景演出により実行してもよい。
また、複数の制御条件についての状態示唆演出を実行するようにしてもよく、この場合には、状態示唆演出を行う各制御条件について結果示唆演出を行うようにするとよい。
また、上記した実施形態では、AT遊技の消化数が1500ゲームとなることでリミッタ条件が成立し、AT遊技を終了(リミッタによるAT遊技終了)するように構成されているが、リミッタ条件はAT遊技の消化数(AT期間の継続ゲーム数)に限定されるものではない。例えば、AT遊技を開始してから当該AT期間中でのメダルの獲得枚数に基づいてAT遊技を終了するリミッタ条件を設定してもよい。具体的には、AT遊技を開始してから当該AT期間中に、メダルの獲得枚数が一定枚数に到達することでリミッタ条件が成立し、AT遊技を終了(リミッタによるAT遊技終了)するようにするとよい。
この場合には、AT遊技を開始してから当該AT期間中に、メダル払い出しのある全ての当選役について、各当選役に入賞することによるメダルの獲得枚数を計数し、メダルの総獲得枚数が一定枚数(例えば3000枚)を超えるとAT遊技を終了するようにすればよい。一方、遊技者に有利なストップスイッチの操作態様を報知する複数のAT役(例えば「ベルグループ」)」について、各AT役に入賞することによるメダルの獲得枚数のみを計数し、メダルの総獲得枚数が一定枚数を超えるとAT遊技を終了するようにしてもよい。
なお、払い出されたメダルの枚数を計数した総払出枚数をメダルの総獲得枚数として、リミッタ条件が成立したか否かを判定してもよいし、払い出されたメダルの枚数からメダル投入口25へのメダルの投入枚数を減算した純増枚数を計数することで得た総獲得枚数に基づいて、リミッタ条件が成立したか否かを判定してもよい。
また、上記した実施形態では、獲得枚数算出手段113をメイン制御基板63側に設ける場合について説明したが、これをサブ制御基板73側に設けるようにしてもよい。
例えば、上記実施形態では、「AT期間」をゲーム数で管理したが、「AT期間」の管理方法としてはゲーム数に限定されるものではない。例えば、特定役の当選回数により「AT期間」を管理してもよいし、時間で「AT期間」を管理してもよい。
また、図6に示す各シナリオ設定テーブル754,755,756,757は、同一の期間(ゲーム数)用の複数種類の演出シナリオを備えていてもよく、同一の期間用の演出シナリオであるが、種類に応じてAT当選や特別役当選の期待度が異なるように演出シナリオを設計してもよい。また、各シナリオ設定テーブル754,755,756,757は、専用の演出シナリオを備えていてもよいし、互いに兼用する演出シナリオを備えていてもよいし、専用の演出シナリオおよび兼用の演出シナリオの両方を備えていてもよい。
ところで、ATの機能を備えるスロットマシン(AT機)では、例えば特開2014−184162号公報の段落0263や、特開2014−30674号公報の段落0006および段落0374〜0378に記載されているように、6000ゲームおよび17500ゲームの消化を対象とした各種の性能試験(検査)が行われる。この検査項目の中に、このようなゲーム数内において、総投入枚数aに対して払い出された総払出枚数bを百分率示した払出率=b/a*100が一定値以上であると性能試験で「不適合」となるものがある(例えば、6000ゲームで150%、17500ゲームで120%)。
また、AT機では、一のAT当選契機に当選した場合に、遊技者が期待できる獲得枚数が一定値以上となる、遊技者に有利な特定契機が設けられるものがあり、例えば、特開2015−3098号公報には、1度の契機で複数個のストックが得られることが記載されている。ここで、上述の性能試験は、予め定められたゲーム数の消化による払出率が判定基準となるが、特定契機に当選することなく予め定められたゲーム数が消化されると、特定契機を考慮した払出率の判定が行われず、スロットマシンが有する射幸性を十分に確認することができないおそれがあり、性能試験で適度な射幸性を有するスロットマシンであるか否かを判断できないおそれがあった。
そこで、本発明に係る遊技機であるスロットマシン1において、スロットマシン1の射幸性を適切に判断するための第1の対策として、遊技者が期待できる獲得枚数が一定値以上となる遊技者に有利な特定契機の発生確率は、予め定められている性能試験のゲーム数の一つである特定数の逆数よりも高い確率で発生するように構成するのが好ましい。例えば、特定数が6000ゲームとすると、特定契機は1/6000以上の確率で発生するように構成するとよい。このようにすると、特定数のゲーム消化で、1回は特定契機が発生することが期待できるので、性能試験で特定契機の発生を踏まえた払出率の判定ができ、適度な射幸性を有するスロットマシンか否かを適切に判断することができる。
また、性能試験では、特定数よりも大きい特別数のゲーム数の消化による払出率の判定も行われている。また、特定契機が複数設けられたスロットマシンがある。このような場合に備えて、スロットマシン1においてその射幸性を適切に判断するための第2の対策として、各特定契機の発生確率を、分子を1として分数で示した場合に、各特定契機の分母の値を合算した合算値は、特別数よりも小さくなるように構成するのが好ましい。例えば、特別数は17500(特定数は6000)であり、特定契機が3つある場合に、各特定契機の発生確率を、分子を1とした分数で、1/6000、1/5500、1/5500に設定する。このとき、分母の合算値は6000+5500+5500=17000<17500となる。このように、分母の合算値が大きな値にならないようにすることで、特定契機を必要以上に設けることなく、当該スロットマシンが過度な射幸性を有することない適度な射幸性を有するものか否かを適切に判断することができる。
また、性能試験による遊技回数内において、特定契機だけではなくリミッタによる最大獲得性能を確認するために、リミッタ条件が成立するゲーム回数(以下「リミッタ回数」と称することもある)は、性能試験による最大遊技回数の10%未満とするとよい(より好ましくは8%未満(約1400ゲーム))。このようにすると、特定契機が発生したときに最大性能となるリミッタ回数まで到達し易くなるので、性能試験で実際の最大獲得性能を確認できない状況が発生するのを抑制することができる。
また、リミッタ回数は、最短で遊技を進行したときに遊技時間として2時間を超えて有利状態(AT期間)が終了することがないように設定されているとよい。このようにすると、有利状態の長期間の継続により遊技者に過度に期待感を持続させて、遊技にのめり込むことを防止することができる。
また、特定契機には、当選した時点でリミッタ回数までの有利状態(AT期間)が継続する契機が含まれているとよい。このようにすると、特定契機に当選するだけで、その後の抽選結果に係わらず最大獲得性能が達成できるため、他の要因を考慮することなく、性能試験において最大獲得性能を出現しやすくすることができる。
また、上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。
また、上記した実施形態のスロットマシン1における各リール13L,13M,13Rに代えて、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用い、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させるように構成してもよい。また、回転リールの数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数に設定すればよい。
そして、スロットマシンなどの遊技機に対して、本発明を広く適用することが可能である。