JP6513456B2 - 負圧センサ固着診断方法及び車両用制御装置 - Google Patents

負圧センサ固着診断方法及び車両用制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサの固着発生の有無を診断する方法及びその装置に係り、特に、従来に比して、診断の信頼性、安定性の向上等を図ったものに関する。
いわゆるアイドリングスタート・ストップ機能は、燃料節約と排出ガス削減等の効果が期待されることから、これを装備する車両があることは良く知られている通りである。
このようなアイドリングスタート・ストップ機能を備えた車両であって、エンジンの負圧を利用するブレーキブースターを備えた車両においては、ブレーキブースターの負圧が十分でない場合に、アイドリングストップ動作によりエンジンが停止されると負圧の供給も停止され、ブレーキブースターの効きが悪化するため、ブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサを設けて、検出された負圧が十分ではないときにはアイドリングストップ機能を停止するような構成が採られることが多い。
このようにブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサは、アイドリングスタート・ストップ機能を備えた車両においては、重要な構成要素であるため、その故障の有無を正確、かつ、迅速に把握することが求められ、従来から様々な診断方法や装置が提案、実用化されている。
例えば、ブレーキスイッチのオン・オフ信号と負圧センサの出力値に基づいて
、負圧センサの故障の有無を診断可能とした診断方法などが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2000−344093号公報(第4−10頁、図1−図8)
しかしながら、上述の診断方法にあっては、負圧センサの故障の有無の判定にブレーキスイッチを用いているが、このようなスイッチは、その機構的な部分の故障の可能性が比較的高いため、高い信頼性、安定性のある診断方法を構築するためには、極力その使用を排除できることが望ましい。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、比較的故障の可能性のある機械的なスイッチなどの信号を用いることなく、ブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサの固着の有無を診断可能な負圧センサ固着診断方法及び車両用制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る負圧センサ固着診断方法は、
車両に搭載されたブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサの固着の有無を診断する負圧センサ固着診断方法であって、
前記車両の加速度と車両重量とに基づいて当該車両の減速力を算出する一方、前記車両の構成に応じて定まるエンジンブレーキによる制動力の理論値をエンジンブレーキ制動力として算出し、前記減速力から前記エンジンブレーキ制動力を減算し、その減算結果を実質減速力とし、
前記車両の減速、再加速がなされる道路の勾配抵抗と、ころがり抵抗との合算の推定値を、走行抵抗推定値として所定の推定値算出式に基づいて算出し、
前記実質減速力から前記走行抵抗推定値を減算した結果をブレーキ力とし、前記ブレーキ力がブレーキ用値を上回り、かつ、検出された前記負圧センサの最大値と最小値との差が固着判定用値を下回っている場合に、前記負圧センサが固着した故障状態にあると診断するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、
車両に搭載されたブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサと、前記負圧センサの出力信号が前記車両の動作制御処理に供されるよう構成された電子制御ユニットとを具備してなる車両用制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記車両の加速度と車両重量とに基づいて当該車両の減速力を算出する一方、前記車両の構成に応じて定まるエンジンブレーキによる制動力の理論値をエンジンブレーキ制動力として算出し、前記減速力から前記エンジンブレーキ制動力を減算し、その減算結果を実質減速力とし、
前記車両の減速、再加速がなされる道路の勾配抵抗と、ころがり抵抗との合算の推定値を、走行抵抗推定値として所定の推定値算出式に基づいて算出し、
前記実質減速力から前記走行抵抗推定値を減算した結果をブレーキ力とし、前記ブレーキ力がブレーキ用値を上回り、かつ、検出された前記負圧センサの最大値と最小値との差が固着判定用値を下回っている場合に、前記負圧センサが固着した故障状態にあると診断するよう構成されてなるものである。
本発明によれば、加速度に大きな影響を与える道路の勾配抵抗ところがり抵抗の合算の推定値を用いて、ブレーキ操作ではない加速度変化を除外し、実質的なブレーキ力を算出可能とし、ブレーキ操作の有無を従来に比して高い精度で判定できるようにしたので、従来にあっては誤判定となるような負圧センサの固着の有無がより確実に、早期に診断、検出することができ、信頼性の高い負圧センサ固着診断方法及び車両用制御装置を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における車両用制御装置の構成例を示す構成図である。 図1に示された本発明の実施の形態における車両用制御装置を構成するエンジン制御用電子制御ユニットにおいて実行される負圧センサ固着診断処理の全体構成を説明する説明図である。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する減速判定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成するエンジンブレーキ制動力算出処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成するエンジンブレーキを除いた減速力算出処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する再加速判定処理の前半部分の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する再加速判定処理の後半部分の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する駆動力算出処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する駆動機構加速抵抗算出処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する勾配抵抗ところがり抵抗の合計値算出処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成するブレーキ力算出処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成するブレーキ操作判定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理を構成する固着判定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理において用いられる加速度、及び、トータル走行距離の概略算出手順を説明する説明図である。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理において用いられるエンジンブレーキクラッチトルクの概略算出手順を説明する説明図である。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理において用いられるギア比の概略算出手順を説明する説明図である。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理において用いられるエンジンクラッチトルクの概略算出手順を説明する説明図である。 本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理の処理タイミングを説明する説明図であって、図18(A)は負圧センサ固着診断処理実行時における車速と加速度の変化を説明する説明図、図18(B)は負圧センサ固着診断処理実行時におけるトータル走行距離の変化を説明する説明図、図18(C)は負圧センサ固着診断処理実行時における図3乃至図図13に示された各処理の処理タイミングを説明する説明図、図18(D)は負圧センサ固着診断処理実行時における実ブレーキ力と負圧センサの変化を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図18を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における車両用制御装置の構成について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両用制御装置は、例えば、ディーゼルエンジン車に装備され、車両のエンジン制御処理等を実行するエンジン制御用電子制御ユニット101を中心に実現されたものとなっている。
この車両用制御装置においては、ブレーキペダル1の踏力を増大させるためのブレーキブースタ2が設けられている。すなわち、ブレーキペダル1に加えられた踏力は、ブレーキブースター2により増大されて、図示されないマスターシリンダへ伝えられるため、マスタシリンダからブレーキシリンダ(図示せず)へ対してブレーキ操作に必要な大きな圧力が伝達され、ブレーキ11を作用させることができるようになっている。
発生負圧の小さなディーセル車においては、十分な負圧をブレーキブースター2へ供給することが困難なため、ディーゼルエンジン12により駆動されて必要な負圧を発生する負圧ポンプ3が設けられており、ブレーキブースター2へ負圧を供給すると共に、他のエンジンデバイス4へ対しても必要な負圧が供給されるようになっている。
ブレーキブースター2と負圧ポンプ3とを接続する配管5のブレーキブースター2に近い適宜な位置には、ブレーキブースター2の負圧を検出するためのブレーキブースター負圧センサ(以下「負圧センサ」と称する)6が設けられており、その検出信号は、エンジン制御用電子制御ユニット101に入力され、アイドリングスタート・ストップ機能の許可・不許可の制御処理やエンジン制御処理、さらに、後述する本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理等に供されるようになっている。
エンジン制御用電子制御ユニット101は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、燃料噴射弁13を通電駆動するための回路(図示せず)等を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかるエンジン制御用電子制御ユニット101には、図示されない種々のセンサやスイッチ等の信号が入力されて車両の動作制御処理等に供されるものとなっている。さらに、エンジン制御用電子制御ユニット101は、例えば、アンチブレーキ制御処理などを実行する車両に搭載されている他の電子制御ユニット(図示せず)との必要な信号の授受がCANケーブル7を介して可能となっている。
なお、燃料噴射弁13による燃料噴射を受けたディーゼルエンジン12において発生された駆動力は、従来から良く知られてように、クラッチ14及びトランスミッション15を介して差動装置16へ伝達され、差動装置16により駆動輪17a,17bが駆動されるものとなっている。
次に、エンジン制御用電子制御ユニット101において実行される本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理の全体的な手順について、図2を参照しつつ概括的に説明する。
まず、本発明の実施の形態における負圧センサ固着診断処理は、概括的には、従来と異なり、ブレーキスイッチやブレーキ液圧のデータを用いることなく、加速度(減速度)を基にブレーキ操作の有無を推定し、ブレーキ操作有りと推定され、かつ、検出された負圧センサ6の最大値と最小値との差が所定の基準値を下回っている場合に、負圧センサ6が固着状態で故障していると診断するものである。しかも、加速度(減速度)を基にしたブレーキ操作の有無の推定においては、加速度(減速度)には、ブレーキ操作以外の要因も含まれることを考慮し、そのようなブレーキ操作以外の要因を加速度(減速度)から可能な限り除外し、かかる加速度を基にブレーキ力を算出して、ブレーキ操作の有無が推定されるものとなっている。
以下、図2を参照しつつ、より具体的に説明する。
まず、車速(vV)と加速度(aV)とに基づいて車両が減速状態にあるか否かの減速判定が行われ、その判定結果は、減速中フラグ(f_decl)によってエンジンブレーキ制動力算出処理に供されるものとなっている(詳細は後述)。
また、指示噴射量(qInj)、エンジンブレーキ・クラッチトルク(tqEb)、タイヤ径(ITire)、ギア比(rGear)、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)、及び、減速中フラグ(f_decl)に基づいてエンジンブレーキ制動力算出が行われ、その算出結果は、エンジンブレーキを除いた減速力算出処理に供されるようになっている(詳細は後述)。
そして、エンジンブレーキを除いた減速力算出処理は、加速度(aV)、車両重量(W)、エンジンブレーキ力(FEb)、及び、制動中フラグ(f_decl_b)を用いて行われ、その算出結果は、減速力(Fr)として、後述するブレーキ力算出処理に供されるようになっている(詳細は後述)。
また、車速(vV)、加速度(aV)、及び、トータル走行距離(ITotDst)、及び、制動中フラグ(f_decl_b)に基づいて、減速後に再加速が行われたか否かを判定する再加速判定が行われ、その判定結果は、再加速中フラグ(f_accl)として、後述する勾配抵抗+ころがり抵抗算出処理に供されるようになっている(詳細は後述)。
さらに、エンジンクラッチトルク(tqEa) 、タイヤ径(ITire)、及び、ギア比(rGear)、並びに、ニュートラル・クラッチスイッチ(swNutral)のオン・オフ信号に基づいて駆動力算出が行われ、算出された駆動力(Fa)は、後述する勾配抵抗+ころがり抵抗算出処理に供されるようになっている(詳細は後述)。
また、加速度(aV)、及び、駆動機構回転部慣性質量(Wa)、並びに、ニュートラル・クラッチスイッチ(swNutral)のオン・オフ信号に基づいて駆動機構加速抵抗算出が行われ、算出結果は、加速抵抗(Rac)として、勾配抵抗+ころがり抵抗算出処理に供されるようになっている(詳細は後述)。
そして、加速度(aV)、車両重量(W)、駆動力(Fa)、及び、加速抵抗(Rac)、並びに、再加速中フラグ(f_accl)に基づいて、勾配抵抗+ころがり抵抗算出が行われ、算出結果は、走行抵抗(Rv)として、ブレーキ力算出処理に供されるようになっている。
すなわち、減速力(Fr)と走行抵抗(Rv)に基づいて、ブレーキ力算出が行われ、算出されたブレーキ力(FB)と再加速中フラグ(f_accl)に基づいて、ブレーキ操作判定が行われ、その判定結果は、推定ブレーキフラグ(f_BOn)として固着判定処理に供されるようになっている。
そして、負圧(pBrkMP)と推定ブレーキフラグ(f_BOn)に基づいて、負圧センサ6の固着判定が行われ、その判定結果は、故障情報フラグ(f_SnrErr)として、エンジン制御用電子制御ユニット101において実行される故障処理に供されるものとなっている。
次に、種々の算出処理について図3乃至図18を参照しつつ具体的に説明する。
最初に、減速判定処理について、図3を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、車速(vV)が予め定められた下限値である判定速度下限値以上で、かつ、予め定められた上限値である判定速度上限値以下で、さらに、加速度(aV)が零を下回っているかるか否か、すなわち、換言すれば、この後の一連の処理を実行するに適した減速状態にあるか否かが判定され(図3のステップS102参照)、これら全ての条件を満たすと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS104の処理へ進み、いずれかの条件が満たされていないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS110の処理へ進むこととなる。
ここで、判定速度上限値、及び、判定速度下限値は、試験結果やシミュレーション結果に基づいて、車両の具体的な仕様等を考慮して定めるのが好適である。
ステップS104においては、減速判定用タイマによる計時が開始される。
減速判定用タイマは、ソフトウェアの実行により実現される、いわゆるソフトウェア時計である。本発明の実施の形態においては、計時用変数tdeclに、所定の時間間隔で所定値(本発明の実施の形態においては”1”)の加算を繰り返すことで計時が可能となっている。
次いで、計時用変数tdeclの値が、予め定められた所定値である減速タイマ判定値以上となったか否かが判定され(図3のステップS106参照)、未だ減速タイマ判定値以上となっていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS102へ戻り、上述の処理が繰り返される一方、計時用変数tdeclの値が減速タイマ判定値以上となったと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS108の処理へ進むこととなる。
ステップS108においては、車速(vV)が判定速度下限値以上、かつ、判定速度上限値以下で、さらに、加速度(aV)が零を下回っている状態が、減速タイマ判定値以上継続状態にあることに対応して、車両が減速中であることを表す減速中フラグ(f_decl)が”1”に設定され、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、先のステップS102において、NOの判定がなされた場合には、減速判定用タイマが零にリセットされると共に、減速中フラグ(f_decl)が同様に零にリセットされ、一連の処理が終了し、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
ここで、上述の減速判定処理等において用いられる加速度(aV)の本発明の実施の形態における算定手順について、図14を参照しつつ説明する。
加速度は、上述の減速判定処理だけではなく、車両の動作制御において様々に用いられるものであることは良く知られている通りである。かかる加速度は、本発明の実施の形態においては、図示されない車速センサにより得られた車速を基に、エンジン制御用電子制御ユニット101において、従来同様、演算により算出されるものとなっている(図14参照)。
また、車両が、アンチロックブレーキシステム(ABS)や横滑り防止装置(ESP)を装備する車両の場合には、これらの処理において加速度が取得されるようになっているため、選択スイッチ51aによって、車速を基に演算算出された加速度と、アンチロックブレーキシステム(ABS)等で取得された加速度のいずれかを択一的に選択可能とすると好適である(図14参照)。なお、選択スイッチ51aは、いわゆるソフトウェアスイッチで、例えば、選択判定用のフラグの値が”1”か”0”によって上述した加速度の取得元を選択するものである。
次に、エンジンブレーキ制動力算出処理について、図4を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、減速中フラグ判定が行われる(図4のステップS202参照)。すなわち、減速中フラグ(f_decl)が零に設定(f_decl=0)されているか否かが判定され、減速中フラグ(f_decl)が零に設定されていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS204の処理へ進む一方、減速中フラグ(f_decl)は零に設定されていないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS206の処理へ進むこととなる。
ステップS204においては、車両が減速中ではないとする先のステップS202の判定結果に基づいて、ブレーキによる制動中であることを示す制動中フラグ(f_decl_b)が零にリセットされ、エンジンブレーキ制動力を算出する状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS206においては、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ判定が行われる。すなわち、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)が”1”に設定(swNutral=1)されているか否かが判定される。
ここで、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)は、シフトレバー(図示せず)がニュートラルに設定されたか、又は、クラッチ(図示せず)が切断された場合にクラッチスイッチ(図示せず)の信号に基づいて”1”に設定される一方、これら以外の状態にあっては”0”に設定されるようになっているものである。
しかして、ステップS206において、ニュートラル・クラッチスイッチフラグが”1”に設定(swNutral=1)されていると判定された場合(YESの場合)は、停車中、又は、停車寸前の状態にあるとして、制動中フラグ(f_decl_b)が”1”に設定されると共に、エンジンブレーキ力(FEb)は零と設定(FEb=0)されて一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS206においてニュートラル・クラッチスイッチフラグは”1”に設定されていないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS210において、指示噴射量(qInj)が零を上回っているか否かが判定され、指示噴射量(qInj)が零を上回っていると判定された場合(YESの場合)には、制動中ではないとして制動中フラグが零にリセット(f_decl_b=0)とされて(図4のステップS212参照)、 一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、指示噴射量は、エンジン制御用電子制御ユニット101において従来同様、別途実行されるエンジン制御処理において、エンジン(図示せず)に噴射されるべき燃料の量として、車両の動作状態に基づいて算出される計算値であり、ここで改めて算出される必要は無く、エンジン制御処理において算出されているものを流用すれば良い。
一方、ステップS210において、指示噴射量(qInj)が零を上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、制動中であるとして制動中フラグが”1”に設定(f_decl_b=1)されると共に、エンジンブレーキ制動力の理論値の算出が行われる(図4のステップS214参照)。
すなわち、エンジンブレーキ力(FEb)は、FEb=(エンジンブレーキクラッチトルク(tqEb)×ギア比(rGear))÷タイヤ径(ITire)として算出される。
ここで、エンジンブレーキクラッチトルク(tqEb)は、ギアボックス(図示せず)の手前側におけるトルク、換言すれば、ギアボックスへ入力されるトルクであり、エンジン制御用電子制御ユニット101において、従来同様、他の処理のために別個に演算算出されるものであるので、ステップS214においては、それを流用すれば良く、改めて演算する必要はないものである。
なお、図15には、上述のエンジンブレーキクラッチトルク(tqEb)の概略の算出手順を説明する説明図が示されており、以下、その内容について説明する。
まず、エンジン制御用電子制御ユニット101においては、エンジン回転数とエンジン水温(エンジン冷却水の温度)を入力として、その入力に対応するエンジン内部のフリクショントルク(以下「エンジン内部フリクショントルク」と称する)が読み出し可能に構成されたフリクションマップ(図示せず)が予め設定されており、入力されたエンジン回転数とエンジン水温に対するエンジン内部フリクショントルクが読み出されて求められるようになっている(図15参照)。
次いで、このエンジン内部フリクショントルクに対して、燃料ポンプ等の負荷トルク、及び、ジェネレータ、エアコン等の負荷トルクが加算され、その加算結果が、エンジンブレーキクラッチトルク(tqEb)として、必要な制御処理に供されるものとなっている。
なお、燃料ポンプ等の負荷トルク、及び、ジェネレータ、エアコン等の負荷トルクは、エンジン制御用電子制御ユニット101における他の制御処理において別途演算算出されるものである。
また、図16には、ギア比(rGear)の算出手順を説明する説明図が示されており、以下、その内容について説明する。
ギア比(rGear)は、上述のエンジンブレーキ制動力算出処理にのみ用いられるものではなく、車両の動作制御における他の処理においても用いられるものであり、次述するように算出されるようになっているため、エンジンブレーキ制動力算出処理においては、既に算出されているギア比(rGear)を流用すれば良く、改めて演算算出する必要はない。
ギア比(rGear)の算出においては、まず、車速とエンジン回転数に基づいて変速比が、例えば、マップを用いて算出されるようになっている(図16参照)。すなわち、図示されない変速比算出用のマップは、車速とエンジン回転数を入力として、種々の車速とエンジン回転数の組み合わせに対する変速比が読み出し可能に構成されたもので、エンジン制御用電子制御ユニット101の適宜な記憶領域に予め記憶されて用いられるものである。
なお、車両がオートマチック車の場合には、図示されないトランスミッションECU(コントロールユニット)においても変速比が算出されるため、選択スイッチ51bによって、上述のマップによる算出値と、トランスミッションECU(コントロールユニット)における算出値のいずれかを択一的に選択すれば良い(図16参照)。なお、選択スイッチ51bは、先に図14において説明した選択スイッチ51aと同様、いわゆるソフトウェアスイッチであり、ここでの再度の説明は省略する。
次いで、変速比を基にギアボックス変速比が所定の演算式により算出され、算出されたギアボックス変速比と最終変速比の乗算結果がギア比(rGear)とされるものとなっている。
ここで、最終変速比は、車両の構造に応じて適宜選択されて設定されるものである。
次に、エンジンブレーキを除いた減速力算出処理について、図5を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、制動中フラグ(f_decl_b)が零に設定されているか否かが判定され(図5のステップS302参照)、制動中フラグ(f_decl_b)は零である(f_decl_b=0)と判定された場合(YESの場合)は、制動中ではない、すなわち、ブレーキ操作が行われていない状態であり、ここでの算出処理を行う状態ではないとして一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS302において、制動中フラグ(f_decl_b)は零ではないと判定された場合(NOの場合)は、制動中であるとして、エンジンブレーキを除いた減速力の算出が行われる(図5のステップS304参照)。
すなわち、エンジンブレーキを除いた減速力(Fr)、換言すれば、実質減速力が、Fr=−1×加速度(aV)×車両重量(W)−エンジンブレーキ力(FEb)として算出される。
次に、再加速判定処理について、図6及び図7を参照しつつ説明する。
この処理は、ブレーキ操作によって減速停止の後に、再び加速された状態を検出するための処理である。かかる判定処理が必要とされるのは、本発明の実施の形態においては、再加速状態において、勾配抵抗+ころがり抵抗の算出等を行うようになっているためである(詳細は後述)。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、制動中フラグ(f_decl_b)が”1”に設定されているか否かが判定され(図6のステップS402参照)、制動中フラグ(f_decl_b)は”1”である(f_decl_b=1)と判定された場合(YESの場合)は、次述するステップS418の処理へ進む一方、制動中フラグは”1”ではないと判定された場合(NOの場合)は、ステップS404の処理へ進むこととなる。
ステップS418においては、減速順確認フラグ(f_decl_b_h)が”1”に設定されると共に、減速時走行距離保持用変数(ITotDst_h)に、この時点におけるトータル走行距離(ITotDst)が設定され、減速時走行距離保持が行われ、ステップS404の処理へ進むこととなる。
ここで、減速順確認フラグ(f_decl_b_h)は、車両の再加速が生じた場合に、減速、停止状態から再加速されたことを判定するためのもので、車両が減速状態にある場合、すなわち、制動フラグが”1”の場合(f_decl_b=1)に、同様に”1”に設定されるものとなっている。
本発明の実施の形態における車両も含めて、一般に、車両においては、その最初の使用開始時点からの走行距離が計測され、その計測結果は、例えば、エンジン制御用電子制御ユニット101等における適宜な記憶領域に、トータル走行距離(ITotDst)として逐次、記憶、更新されるようになっている。
図14には、本発明の実施の形態におけるトータル走行距離(ITotDst)の算出手順の概略が示されており、その内容について、同図を参照しつつ説明する。
トータル走行距離(ITotDst)は、エンジン制御用電子制御ユニット101において、車速センサ(図示せず)により検出された車速と、走行時間と、不揮発性記憶素子(EEPROM)に記憶されている直近のトータル走行距離とに基づいて、適宜な時間間隔で逐次算出され、不揮発性記憶素子(EEPROM)に記憶されるようになっている。
再び、図6の説明に戻り、ステップS404においては、減速順確認フラグ(f_decl_b_h)が零に設定されているか否かが判定され、減速順確認フラグ(f_decl_b_h)は零である(f_decl_b_h=0)と判定された場合(YESの場合)には、減速中ではなく、また、減速、停止後に再加速された状態でもないため、再加速判定用タイマがリセットされると共に、再加速中フラグ(f_accl)がリセット(f_accl=0)され(図6のステップS420参照)、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
ここで、再加速判定用タイマは、減速後に再加速が生じている時間を計時するもので、ソフトウェアの実行により実現される、いわゆるソフトウェア時計である。再加速判定用タイマのリセットは、再加速計時用変数(taccl)が零に設定されることで行われるものとなっている。
一方、ステップS404において、減速順確認フラグは零(f_decl_b_h=0)ではないと判定された場合(NOの場合)には、この時点のトータル走行距離(ITotDstと、先に減速時走行距離保持用変数(ITotDst_h)に設定された減速開始時におけるトータル走行距離との差(減速走行距離)が、所定の距離値Ls以上であるか否かが判定される(図6のステップS406参照)。
ここで、減速走行距離は、減速が開始されてからステップS406の処理実行時点までの走行距離である。
しかして、ステップS406において、減速走行距離が所定の距離値以上であると判定された場合(YESの場合)には、走行している道路の勾配や路面条件が変化している可能性が高くブレーキ力の算出に適した状態ではないとして、ステップS422の処理へ進むこととなる。
ステップS422においては、この一連の処理を終了するため、減速順確認フラグ(f_decl_b_h)、及び、再加速中フラグ(f_accl)が、共に零にリセット(f_decl_b_h=0,f_accl=0)されると共に、再加速判定用タイマがリセットされ(taccl=0) 、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、減速走行距離が所定の距離値以上ではないと判定された場合(NOの場合)には、車速(vV)が判定速度下限以上、かつ、判定速度上限以下であって、しかも、加速度(aV)が零を越えているか否かが判定され(図6のステップS408参照)、車速(vV)が判定速度下限以上、かつ、判定速度上限以下であって、しかも、加速度(aV)が零を越えていると判定された場合(YESの場合)には、再加速がなされたとして、再加速判定用タイマによる計時が開始される(図7のステップS410参照)。再加速判定用タイマによる計時は、他のタイマ同様、再加速判定用タイマ計時用変数tacclに、所定の時間間隔で所定値(本発明の実施の形態においては”1”)が加算されることで計時可能とされている。
次いで、再加速判定用タイマ計時用変数(taccl)の値が、予め定められた所定値である加速タイマ判定値以上となったか否かが判定され(図7のステップS412参照)、未だ加速タイマ判定値以上となっていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS408(図6参照)へ戻り、上述の処理が繰り返されることとなる。
一方、ステップS412において、計再加速判定用タイマ計時用変数(taccl)の値が加速タイマ判定値以上となったと判定された場合(YESの場合)には、車両が再加速状態にあるとして、再加速中フラグ(f_accl)が”1”に設定されて一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる(図7のステップS414参照)。
また、先のステップS408(図6参照)において、車速(vV)が判定速度下限以上、かつ、判定速度上限以下であって、しかも、加速度が(aV)が零を越えた状態にはないと判定された場合(NOの場合)には、車両は再加速状態にはないととして、再加速判定用タイマが零にリセットされると共に、再加速中フラグ(f_accl)が零にリセットされ、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる(図7のステップS424参照)。
次に、駆動力算出処理について、図8を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、再加速中フラグ(f_accl)が零か否かが判定され(図8のステップS502参照)、再加速中フラグ(f_accl)が零であると判定された場合(YESの場合)には、車両は再加速状態にはなく、駆動力算出に適した状態ではないとして、一連の処理が終了さて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS502において、再加速中フラグ(f_accl)は零ではないと判定された場合(NOの場合)には、車両は再加速された状態にあるとして、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)が”1”に設定(swNutral=1)されているか否かが判定される(図8のステップS504参照)。
そして、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)が”1”に設定されていると判定された場合(YESの場合)には、シフトレバー(図示せず)がニュートラルに設定されている状態であるため、駆動力算出に適した状態ではないとして、駆動力(Fa)は零に設定されて、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる(図8のステップS506参照)。
また、ステップS504において、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)は”1”に設定されてはいないと判定された場合(NOの場合)には、車両が再加速中にあって駆動力算出に適した状態にあるとして、駆動力の算出が行われることとなる(図8のステップS508参照)。
すなわち、駆動力(Fa)は、Fa=(tqEa×rGear)÷ITireとして算出される。
ここで、”tqEa”はエンジンクラッチトルク、”rGear”はギア比、”ITire”はタイヤ径である。
ここで、エンジンクラッチトルクは、駆動力算出処理にのみ用いられるものではなく、次述するように、車両の動作制御における他の処理において算出されて用いられるものであるため、駆動力算出処理においては、既に算出されているエンジンクラッチトルクを流用すれば良く、改めて演算算出する必要はない。
図17には、本発明の実施の形態におけるエンジンクラッチトルクの算出手順が示されており、以下、その内容について説明する。
まず、エンジン制御用電子制御ユニット101においては、燃料噴射の制御処理が実行されるようになっているが、かかる燃料噴射制御処理においては、エンジン回転数等に基づいて燃料噴射量の目標値としての指示噴射量(qInj)が演算算出されるものとなっている。そして、かかる指示噴射量(qInj)は、所定の演算式、又は、所定の変換マップにより指示噴射量に対応するトルクに変換される。
また、エンジン回転数とエンジン水温に基づいて、所定の演算式によりエンジン内部フリクショントルクが算出され、先に求められた指示噴射量に対応するトルクから、エンジン内部フリクショントルクが減算され、その減算結果から、さらに、燃料ポンプ(Pump)等の負荷トルク、及び、ジェネレータやエアコン等の負荷トルクが減算され、その減算結果として、エンジンクラッチトルク(tqEa)が得られるものとなっている。
なお、燃料ポンプ(Pump)等の負荷トルク、及び、ジェネレータやエアコン等の負荷トルクは、これらの具体的な仕様等に基づいて、所定の演算式により算出されるものとなっている。
次に、駆動機構加速抵抗算出処理について、図9を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、再加速中フラグ(f_accl)が零か否かが判定され(図9のステップS602参照)、零と判定された場合(YESの場合)には、この駆動機構加速抵抗算出処理を実行する状態ではないとして、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、S602において、再加速中フラグ(f_accl)は零ではないと判定された場合(NOの場合)には、車両は再加速中であるとして、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)が”1”に設定(swNutral=1)されているか否かが判定される(図9のステップS604参照)。そして、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)が”1”に設定されていると判定された場合(YESの場合)には、シフトレバー(図示せず)がニュートラルに設定されている状態であるため、駆動機構加速抵抗算出に適した状態ではないとして、駆動機構加速抵抗(Rac)は零に設定されて、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる(図9のステップS606参照)。
一方、ステップS604において、ニュートラル・クラッチスイッチフラグ(swNutral)は”1”に設定されてはいないと判定された場合(NOの場合)には、車両が再加速中にあって、シフトレバー(図示せず)がニュートラル以外の箇所に設定されている状態であるため駆動機構加速抵抗算出に適した状態にあるとして、駆動機構加速抵抗(Rac)が、Rac=aV×Waとして算出される。
ここで、”aV”は加速度であり、”Wa”は駆動機構回転部慣性質量である。駆動機構回転部慣性質量は、車両の仕様により定まる定数で、予めエンジン制御用電子制御ユニット101の適宜な記憶領域に記憶されて、上述の式に用いられるようになっている。
上述のようにして駆動機構加速抵抗(Rac)が算出された後は、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
次に、勾配抵抗+ころがり抵抗算出処理について、図10を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、再加速中フラグ(f_accl)が零か否かが判定され(図10のステップS702参照)、再加速中フラグ(f_accl)が零であると判定された場合(YESの場合)には、再加速中ではないため一連の処理を実行するに適した状態ではないとして、処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS702において、再加速中フラグ(f_accl)は零ではないと判定された場合(NOの場合)には、車両は再加速された状態にあるとして、走行抵抗(Rv)、すなわち、勾配抵抗ところがり抵抗の推定値としての合算値(走行抵抗推定値)が、Rv=Fa-{Rac+(aV×W)}として算出され、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる(図10のステップS704参照)。
ここで、”Fa”は駆動力、”Rac”は駆動機構加速抵抗、”aV”は加速度、”W”は車両重量である。また、Rv=Fa-{Rac+(aV×W)}は推定値算出式である。
なお、勾配抵抗ところがり抵抗は、停車前後で殆ど大差が無く、本発明の実施の形態においては、車両が一旦停止し、その後、再び走行開始した際の駆動トルク等に基づいて上述のようにして推定値が算出されるものとなっている。
次に、ブレーキ力算出処理について、図11を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、再加速中フラグ(f_accl)が零か否かが判定され(図11のステップS802参照)、再加速中フラグ(f_accl)が零であると判定された場合(YESの場合)には、再加速中ではないため一連の処理を実行するに適した状態ではないとして、処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS802において、再加速中フラグ(f_accl)は零ではないと判定された場合(NOの場合)には、車両は再加速された状態にあるとして、ブレーキ力(FB)が、減速力(Fr)から走行抵抗(Rv)を減算したもの(FB=Fr-Rv)として算出され、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる(図11のステップS804参照)。
なお、”Rv”は走行抵抗、すなわち、勾配抵抗+ころがり抵抗である。
次に、ブレーキ操作判定処理について、図12を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、再加速中フラグ(f_accl)が零か否かが判定され(図12のステップS902参照)、再加速中フラグ(f_accl)が零であると判定された場合(YESの場合)には、ブレーキ操作はなされていないとして、推定ブレーキフラグ(f_BOn)が零にリセットされ、一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる(図12のステップS904参照)。
一方、ステップS902において、再加速中フラグ(f_accl)は零ではないと判定された場合(NOの場合)には、再加速中であるとして、ブレーキ力の判定、すなわち、ブレーキ力(FB)がブレーキ判定値を越えているか否かが判定され(図12のステップS906参照)、ブレーキ力(FB)がブレーキ判定値を越えていると判定された場合(YESの場合)には、ブレーキ操作がなされているとして、推定ブレーキフラグ(f_BOn)が”1”に設定され、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
また、ステップS906において、ブレーキ力(FB)がブレーキ判定値を越えていないと判定された場合(NOの場合)には、ブレーキ操作はなされていないとして、推定ブレーキフラグ(f_BOn)が零にリセットされ、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる(図12のステップS910参照)。
次に、固着判定処理について、図13を参照しつつ説明する。
エンジン制御用電子制御ユニット101による処理が開始されると、負圧センサ6により検出されたブレーキブースター2の負圧(pBrkMP)が、予め定められた最大負圧(pBrkMP_max)を越えているか否かが判定される(図13のステップS1002参照)。そして、負圧(pBrkMP)が最大負圧(pBrkMP_max)を越えていると判定された場合(YESの場合)には、検出された負圧(pBrkMP)が新たな最大負圧(pBrkMP_max)とされ、最大負圧の更新が行われ(図13のステップS1004参照)、後述するステップS1010の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS1002において、負圧(pBrkMP)が最大負圧(pBrkMP_max)を越えていないと判定された場合(NOの場合)には、負圧(pBrkMP)が予め定められた最小負圧(pBrkMP_min)を下回っているか否かが判定される(図13のステップS1006参照)。そして、負圧(pBrkMP)が最小負圧(pBrkMP_min)を下回っていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS1008の処理へ進む一方、負圧(pBrkMP)は最小負圧(pBrkMP_min)を下回っていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS1010の処理へ進むこととなる。
ステップS1008においては、検出された負圧(pBrkMP)が新たな最小負圧(pBrkMP_min)とされ、最小負圧の更新が行われてステップS1010の処理へ進むこととなる。
ステップS1010においては、推定ブレーキフラグ(f_BOn)が”1”に設定されているか否かが判定され、推定ブレーキフラグ(f_BOn)が”1”に設定されていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS1012の処理へ進む一方、推定ブレーキフラグ(f_BOn)が”1”に設定されていないと判定された場合(NOの場合)には、固着判定を行う状態ではないとして一連の処理が終了されて、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ステップS1012においては、負圧差判定が行われる。
すなわち、最大負圧(pBrkMP_max)と最小負圧(pBrkMP_min)の差(負圧差)が固着判定値を下回っているか否かが判定され、負圧差が所定の固着判定値Psを下回っていると判定された場合(YESの場合)には、負圧センサ6が固着状態であるとして、故障情報フラグ(f_SnrErr)が”1”に設定されて、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、固着状態とは、負圧センサ6の出力値が変化しないか、又は、上述の固着判定値程度しか出力値が変化しないような状態を言う。
一方、負圧差が固着判定値を下回っていないと判定された場合(NOの場合)には、負圧センサ6は固着状態ではないとして、故障情報フラグ(f_SnrErr)が零にリセットされて、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
なお、上述した負圧センサ6が固着状態であるとの判定結果は、図示されないメインルーチンにおいては、例えば、アイドルスタートストップ処理におけるアイドリングのスタートやストップの条件として供されるものとなっている。
図3乃至図13を参照しつつ説明した各々の処理は、その処理内容に応じて減速時又は再加速時において実行されるものとなっており、その実行タイミングや演算算出される種々の物理量の算出方法の違い等について図18を参照しつつ以下に説明する。
まず、図18(A)の上部には、負圧センサ固着診断処理に用いられる主要な物理量の算出方法が示されている。
すなわち、勾配抵抗+ころがり抵抗は、加速時に算出され、ブレーキ力は、この加速時に算出された抵抗(勾配抵抗+ころがり抵抗)を基に算出されるものであることが示されている。
また、エンジンブレーキ力(FEb)、及び、駆動力(Fa)は、エンジン制御用電子制御ユニット101において車両の動作制御等のために演算算出される種々の指示値や目標値を用いて、それぞれ予め定められた演算式に基づいて演算算出されるものであることが示されている。
次に、各処理の実行タイミングの違いについて説明する。
まず、減速判定処理(図3参照)、エンジンブレーキ制動力算出処理(図4参照)、及び、エンジンブレーキを除いた減速力算出処理(図5参照)は、減速時の所定の時期に算出されるものとなっている。
すなわち、これらの処理は、車速が判定速度下限値以上、かつ、判定速度上限値以下の領域にある状態で実行されるものとなっている(図18(A)及び図18(C)参照)。
図18においては、車速が上述の領域にある場合に、減速判定処理を処理1、エンジンブレーキ制動力算出処理を処理2、エンジンブレーキを除いた減速力算出処理を処理3として実行されることが示されている(図18(A)及び図18(C)参照)。
一方、再加速判定処理(図6及び図7参照)、駆動力算出処理(図8参照)、駆動機構加速抵抗算出処理(図9参照)、勾配抵抗+ころがり抵抗算出処理(図10参照)、ブレーキ力算出処理(図11参照)、ブレーキ操作判定処理(図12参照)、及び、固着判定処理(図13参照)は、再加速時であって、減速時の処理同様、車速が判定速度下限値以上、かつ、判定速度上限値以下の領域にある状態で実行されるものとなっている。特に、再加速判定処理は、上述の車速の条件に加えて、走行距離によって勾配や路面条件が変化することを考慮して、走行距離が所定の条件を満たす場合に実行されるものとしており、勾配や路面条件が極端に異なる条件下での実行を排除している(図18(A)及び図18(B)参照)。
図18においては、再加速判定処理を処理4、駆動力算出処理を処理5、駆動機構加速抵抗算出処理を処理6、勾配抵抗+ころがり抵抗算出処理を処理7、ブレーキ力算出処理を処理8、ブレーキ操作判定処理を処理9、及び、固着判定処理を処理10として、これらの処理が、再加速時にあって、上述した車速、減速走行距離、負圧差を考慮して実行されることが示されている(図18(A)乃至図18(D)参照)。
上述したように、本発明の実施の形態においては、加速度に対して影響の大きい勾配抵抗ところがり抵抗の合算値の推定値を算出し、加速度変化を招くブレーキ操作以外の要素として、その推定値を除外してブレーキ力を算出し、そのブレーキ力の大きさによってブレーキ操作の有無を判定するようにしたので、従来の加速度のみからブレーキ操作の有無を判定する手法などにおいては不可能であった、例えば、上り勾配での弱いブレーキ操作の有無の判定であっても可能となり、従来に比して、より高い精度でブレーキ操作の有無が判定されることとなる。
上述のような精度の高いブレーキ操作の有無の判定により、ブレーキ操作が有ったと判定され、かつ、負圧センサ6の値に所定の以上の変化が無い場合に負圧センサ6の固着と診断されるため、従来に比して信頼性の高い診断結果が得られることとなる。
機械的なスイッチ部品などを用いることなく、ブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサの信頼性の高い固着診断が所望される車両用制御装置に適用できる。
2…ブレーキブースター
6…負圧センサ
101…車両用制御装置

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサの固着の有無を診断する負圧センサ固着診断方法であって、
    前記車両の加速度と車両重量とに基づいて当該車両の減速力を算出する一方、前記車両の構成に応じて定まるエンジンブレーキによる制動力の理論値をエンジンブレーキ制動力として算出し、前記減速力から前記エンジンブレーキ制動力を減算し、その減算結果を実質減速力とし、
    前記車両の減速、再加速がなされる道路の勾配抵抗と、ころがり抵抗との合算の推定値を、走行抵抗推定値として所定の推定値算出式に基づいて算出し、
    前記実質減速力から前記走行抵抗推定値を減算した結果をブレーキ力とし、前記ブレーキ力がブレーキ用値を上回り、かつ、検出された前記負圧センサの最大値と最小値との差が固着判定用値を下回っている場合に、前記負圧センサが固着した故障状態にあると診断することを特徴とする負圧センサ固着判定方法。
  2. 前記推定値算出式は、前記車両の再加速時における駆動力から、加速抵抗、及び、加速度と車両重量の積を減算し、その減算結果を走行抵抗推定値とするものであり、
    前記駆動力はエンジンクラッチトルクを基に所定の駆動力算出式により算出され、前記加速抵抗は、前記車両の加速度と駆動機構回転部慣性質量の積として求められるものであることを特徴とする請求項1記載の負圧センサ固着診断方法。
  3. 車両に搭載されたブレーキブースターの負圧を検出する負圧センサと、前記負圧センサの出力信号が前記車両の動作制御処理に供されるよう構成された電子制御ユニットとを具備してなる車両用制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    前記車両の加速度と車両重量とに基づいて当該車両の減速力を算出する一方、前記車両の構成に応じて定まるエンジンブレーキによる制動力の理論値をエンジンブレーキ制動力として算出し、前記減速力から前記エンジンブレーキ制動力を減算し、その減算結果を実質減速力とし、
    前記車両の減速、再加速がなされる道路の勾配抵抗と、ころがり抵抗との合算の推定値を、走行抵抗推定値として所定の推定値算出式に基づいて算出し、
    前記実質減速力から前記走行抵抗推定値を減算した結果をブレーキ力とし、前記ブレーキ力がブレーキ用値を上回り、かつ、検出された前記負圧センサの最大値と最小値との差が固着判定用値を下回っている場合に、前記負圧センサが固着した故障状態にあると診断するよう構成されてなることを特徴とする車両用制御装置。
  4. 前記推定値算出式は、前記車両の再加速時における駆動力から、加速抵抗、及び、加速度と車両重量の積を減算し、その減算結果を走行抵抗推定値とするものであり、
    前記駆動力はエンジンクラッチトルクを基に所定の駆動力算出式により算出され、前記加速抵抗は、前記車両の加速度と駆動機構回転部慣性質量の積として求められるものであること特徴とする請求項3記載の車両用制御装置。
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